JP2004284260A - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】光沢発現層表面にひび割れが無く、高光沢かつインクの発色性と吸収性を兼ね備えたインクジェット記録材料を提供製造する。
【解決手段】吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有するか、または、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録材料。該吸水性支持体が紙であるか、または紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられた吸収性支持体であると好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料に於いて、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有するか、または、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録材料。該吸水性支持体が紙であるか、または紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられた吸収性支持体であると好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに使用されるインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録材料に付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、種々の用途において急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない記録を得ることが可能であり、作成部数が少なくて済む用途では、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安価で市販されている。インクジェット記録材料は、銀塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価であることから、大面積の画像が必要な広告や商品見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になってきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、このプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを修正することは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが、インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできるという長所もある。
【0004】
インクジェット方式を利用したプリンターは、市場からのさらなる画像の品質向上に対する要求のために、高解像度化、色再現範囲の拡大が図られている。これに伴い、記録媒体であるインクジェット記録材料には、優れた画像品質を発現するための高いインク受理容量の確保や発色性の良好な塗層の塗設が不可欠となっている。加えて近年では、銀塩写真や商業印刷等の代替として出力が行われるようになってきており、光沢、剛直、色相等の外観、質感も銀塩写真あるいは商業印刷等に類似することが要望されてきている。
【0005】
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやPOPアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット記録材料を多用する理由ともなっている。
【0006】
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニーズは高まっており、その結果記録装置或いはインクジェット記録材料に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。例えば、大判ポスターやPOPアート、また写真画像を出力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候性、画像保存性が求められるようになっている。このような要望に対し、インク及びインクジェット記録材料の改良が進んでおり、従来よりはかなり良好な保存性が得られるようになってきている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされていないのが現状である。
【0007】
このような要求を満たすために、最近では顔料タイプのインクが使用されるようになってきている。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解しないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存性が向上することが知られている。しかし、インク中の色材顔料は染料と異なり溶媒に不溶であるため、インク中の色材顔料を安定に分散させる必要があり、インク中の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料インクのように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にくい。
【0008】
そのため、インクジェット記録材料に対する要求も必然的に高まってきている。顔料インクの吸収性を向上させる方法として、支持体上に塗工するインク受理層を厚くすることが考えられる。この方法でインク吸収性は改善されるが、インクが原紙方向に深く浸透するため、発色性が低下する。前述したように顔料インクの場合、染料インクと比較して鮮明な発色を得にくいため、インクが深く浸透すると発色性は著しく低下してしまう。さらにインク受理層を有しないインクジェット記録材料ではさらにその低下は著しい。
【0009】
これらインクジェット記録材料は、良好なインクジェット記録性能を得る等の目的で、無機超微粒子を含有するインクジェット記録材料が提案され、一次粒子径が3nm〜30nmである主として気相法による合成シリカを使用するインクジェット記録材料が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0010】
また、非吸水性支持体上に無機超微粒子、ポリビニルアルコール及びホウ酸またはその塩を含有させた塗層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。この方法によれば、ホウ酸またはその塩と無機超微粒子やバインダーとの強固な結合を形成させ、比較的空隙が多くひび割れにくい塗層を得ることができるが、塗層の乾燥塗工量が少ない場合にはインクの吸収性が低い。インクの吸収性を向上させるために厚い塗層を設けるとひび割れが発生する。また、ホウ酸またはその塩の配合量を増やし、上記結合をより強固にしたり、塗工後に冷却し、塗液を支持体上でセットさせたりして、ひび割れを抑制しつつ、空隙を増やすことが行われている。しかし、前者の方法は、常温では高粘度の塗液となり、塗工するためには加温して適正な粘度に調節する必要があり、後者の方法では冷却した後、乾燥を行わなければならないため、いずれも生産効率が低下するうえ、塗層にひび割れとインク吸収性のバランスは満足のいくものでは無かった。
【0011】
インクの吸収性を向上させるために下層にシリカ多孔質層を設け、上層にアルミナまたはアルミナ水和物含有層を有するインクジェット記録材料や下層に吸収性顔料含有層、最表層に擬ベーマイトを配した記録材料が提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。
【0012】
この様な無機超微粒子を含有する光沢発現層の塗液を吸水性の高い下層上に塗工・乾燥する方法で形成する場合、光沢発現層中のバインダー成分等が吸水性の高い下層へ落ち込むため、光沢発現層表面にひび割れが生じやすく、面質が悪化したり、顔料インク特性が低下する問題が生じていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−203006号公報(第3−9頁)
【特許文献2】
特開平8−174992号公報(第3−6頁)
【特許文献3】
特開平7−76161号公報(第2−3頁)
【特許文献4】
特開平10−193777号公報(第2−10頁)
【特許文献5】
特開2002−2094号公報(第2−10頁)
【特許文献6】
特開平6−55829号公報(第2−3頁)
【特許文献7】
特開平7−89216号公報(第2−6頁)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、光沢発現層にひび割れがなく、インク吸収性が良好で、高光沢のインクジェット記録材料を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を見いだした。すなわち、本発明は、吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料において、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有するインクジェット記録材料である。
【0016】
また、吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料において、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録材料である。
【0017】
さらに、本発明の吸水性支持体が紙であるか、または、紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられていることがより好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録材料を詳細に説明する。
【0019】
本発明のインクジェット記録材料で塗工される光沢発現層塗液には、無機超微粒子、親水性ポリマーを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有し、かつ親水性ポリマーに少なくともシラノール基変性ポリビニルアルコールを含有することがより好ましい。これらを含有することにより、吸水性支持体による光沢発現層中の脱水による光沢発現層の塗液の粘度上昇が向上し、さらにコロイダルシリカとシラノール基変性ポリビニルアルコールの相互作用が大きくなるため、光沢発現層のひび割れを防止することができる。
【0020】
本発明におけるコロイダルシリカは、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されている既知のコロイダルシリカを1種類以上使用することができる。
【0021】
無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールおよびコロイダルシリカの比率は、塗工時の粘度、インクの吸収性などに影響を与える。無機超微粒子に対するシラノール基変性ポリビニルアルコールの比率は乾燥固形分比率で0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。該比率が0.5質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、塗層にひび割れが生じる場合がある。また、該比率が10質量%を超えると調液時の粘度が高くなりすぎ塗工が困難になる場合がある。
【0022】
無機超微粒子に占めるコロイダルシリカの比率は乾燥固形分比率で5質量%以上50質量%以下が好ましい。該比率が5質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、光沢発現層にひび割れが生じる場合がある。また、比率が50質量%を超えるとインクの吸収が不十分となる場合がある。
【0023】
本発明のインクジェット記録材料で塗工される光沢発現層塗液には、無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有することがより好ましい。これらを含有することで、吸水性支持体による光沢発現層中の脱水による光沢発現層の塗液の粘度上昇が向上することにより、光沢発現層のひび割れを防止するのに十分な高粘度を得ることができる。
【0024】
本発明に用いられるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、通常の完全鹸化や部分鹸化ポリビニルアルコールに、ジケテンを付加反応させたり、アセト酢酸エステルでエステル交換反応したりして、アセトアセチル基を導入することにより得ることができる。アセトアセチル基の含有量は、0.2〜10モル%程度の範囲が好ましく、0.2モル%より少ないと、吸水性支持体上での粘度が十分高くならないのでひび割れが発生しやすくなり、10モル%を超えるとインクの吸収が不十分となる場合がある。また、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの重合度としては、100〜3000程度が好ましく、重合度が小さすぎると、吸水性支持体上での粘度が十分高くならず、ひび割れが発生し易くなる。重合度が大きすぎると、品質上は特に問題ないが、水に溶解し難くなり、調液時も高粘度となって取扱が難しくなる。さらに、鹸化度としては、70〜100モル%の範囲が好ましく、70モル%より小さいと、インクの吸収性が低下しやすくなる場合がある。
【0025】
本発明に用いられるジルコニウム化合物としては、ジルコニウムの無機塩や有機酸塩が用いられる。具体的には、ZrO(OH)Cl、ZrOCl2・nH2O、Zr2O3Cl2 、ZrCl4、ZrCl3、ZrCl2、ZrBr4 、ZrBr3、ZrBr2、ZrI4、ZrI3、ZrI2、ZrF4、ZrF3、ZrF2等のハロゲン化物塩類、Zr(NO3 )4・nH2O、ZrO(NO3)2・nH2O、Zr(SO4 )2、Zr(SO4 )2・nH2O、ZrO(SO4)、Zr(H2PO4)2、ZrP2O7、ZrSiO4、ZrO(CO3 )2・nH2 O、ZrO(OH)2・nH2O等のオキソ酸塩類、酢酸ジルコニウム、乳酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、ラウリル酸ジルコニル、マンデン酸ジルコニル等の有機酸塩類等が例示され、これらは一種または二種以上の混合物として使用することが出来る。
【0026】
無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物の比率は、調液時の粘度、インクの吸収性などに影響を与える。無機超微粒子に対するアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの比率は、乾燥固形分比率で5質量%以上100質量%以下が好ましい。該比率が5質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、塗層にひび割れが生じる場合がある。また、該比率が100質量%を超えるとインクの吸収が不十分となる場合がある。
【0027】
無機超微粒子に対するジルコニウム化合物の比率は、乾燥固形分比率で0.2質量%以上10質量%以下が好ましい。該比率が0.2質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、塗層にひび割れが生じる場合がある。また、比率が10質量%を超えると調液時の粘度が高くなりすぎ塗工が困難になる場合がある。
【0028】
本発明のインクジェット記録材料の光沢発現層に用いられる無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子を言う、例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されている擬ベーマイトゾルなどのアルミナ水和物、特開平8−72387公報などに記載されている気相法アルミナ、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができ、これらを単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
本発明の光沢発現層に用いられる親水性ポリマーとしてはポリビニルアルコール、でんぷんおよびその変性物、ゼラチンおよびそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、カチオン変性、シラノール基変性等のポリビニルアルコールの変性物、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられ、単独あるいは併用して用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらの親水性ポリマーの配合量の総和は、無機超微粒子に対して、乾燥固形分比率で3〜20質量%であることが好ましく、特に5〜15質量%であることが好ましい。上記範囲以下では光沢発現層の成膜性が悪くなり、光沢発現層表面にひび割れが生じたり、粉落ちが発生しやすくなり、上記範囲より多い場合にはインクの吸収性が悪化する場合がある。
【0030】
本発明の光沢発現層に用いられる、親水性ポリマーとしては、接着力の点から、ポリビニルアルコール、またはシラノール基変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が好ましい。無機超微粒子との混合性、塗液粘度の調整、および成膜性等の点で重合度2000以上、ケン化度が88%以上96%未満のポリビニルアルコールが特に好ましい。重合度2000未満のポリビニルアルコールやケン化度が88%未満のポリビニルアルコールを用いた場合、十分な塗層強度が得られないことがあるため、ひび割れが入りやすくなる。さらにケン化度が96%以上であると塗液の液性が悪化しやすい。
【0031】
本発明の光沢発現層に使用されるバインダーの配合量としては、乾燥固形分比率で無機超微粒子の総和100質量部に対して、3〜40質量部、好ましくは、5〜30質量部である。3質量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足したり、光沢発現層表面にひび割れが発生する場合がある。40質量部を超えると十分なインク吸収性が得られない場合がある。
【0032】
本発明のインクジェット記録材料で塗工される光沢発現層塗液には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することができる。
【0033】
本発明において、光沢発現層の乾燥塗工量は特に限定されるものではないが、少なすぎるとインク中の溶媒分の吸収性が不十分になるため印字部分に滲みが発生することがある。また、乾燥塗工量が多すぎると、光沢発現層表面でのひび割れが発生し、光沢が低下することがある。乾燥塗工量の範囲は3〜40g/m2、より好ましくは5〜30g/m2である。
【0034】
次に本発明に係わる吸水性支持体について説明する。
【0035】
本発明に係わる吸水性支持体は透明、半透明、及び不透明のいずれであっても良く、紙、各種不織布、織布など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、非吸水性支持体上にシリカなどの無機微粒子からなる塗層や吸水性ポリマー層など、既知の吸水性の塗層を設けたものも吸水性支持体として用いることができる。特に吸水性支持体として、紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられた支持体を用いた場合は、インクの吸収性が向上するため好ましい。
【0036】
本発明における吸水性支持体、あるいは紙上にインク受理層を設けて吸水性支持体とする場合の紙としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙および塗工紙をそのまま用いる、あるいは平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
【0037】
また、本発明における非吸水性支持体は、透明、半透明および不透明のいずれであっても良く、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0038】
次に本発明に係わるインク受理層について説明する。
【0039】
本発明において、インク受理層に用いられる無機顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料などを用いることができる。上記の無機顔料の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性非晶質合成シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0040】
本発明のインク受理層に用いられるバインダーとしては、光沢発現層で例示した化合物を使用することができる。
【0041】
本発明のインク受理層に使用されるバインダーの配合量としては、乾燥固形分比率で無機超微粒子の総和100質量部に対して、5〜60質量部、好ましくは、10〜50質量部である。5質量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足したり、光沢発現層表面にひび割れが発生する場合がある。60質量部を超えると十分なインク吸収性が得られない場合がある。
【0042】
更に、本発明のインク受理層には、その他の添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
【0043】
本発明において、インク受理層の乾燥塗工量は特に限定されるものではないが、少なすぎるとインク中の溶媒分の吸収性が不十分になるため印字部分に滲みが発生することがある。また、乾燥塗工量が多すぎると、光沢発現層中のバインダー成分等の落ち込みが多くなり、光沢発現層表面でのひび割れが発生し、光沢が低下することがある。乾燥塗工量の範囲は3〜40g/m2、より好ましくは5〜30g/m2である。
【0044】
本発明において、インク受理層及び光沢発現層は、インク受理層及び光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して設けられる。
【0045】
本発明においてインク受理層及び光沢発現層を設ける際に、塗工する方法は、特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種装置により塗工することができる。
【0046】
本発明において、塗液塗工後に乾燥する方法は、特に限定されず、公知の乾燥方法を用いることができるが、特に熱風を吹きつける方法、赤外線を照射する方法など、加熱により乾燥する方法は、生産性が良く好ましく用いられる。
【0047】
本発明において、インク受理層または光沢発現層を塗工、乾燥後、平坦化をコントロールしたり表面光沢をさらに高めたりする目的で、カレンダー処理により、平滑化しても良い。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。また、公知のキャストコート法を用いて光沢面を形成することができる。
【0048】
このように吸水性支持体上に光沢発現層を設けたインクジェット記録材料のJIS−P8142で測定される75度鏡面光沢度は40%以上であることが好ましい。より好ましくは、50%以上である。
【0049】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例に於いて示す「部」および「%」は特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
【0050】
<支持体1>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、白色度90%)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP、白色度90%)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量102g/m2になるように抄造し、支持体1を得た。
【0051】
<支持体2>
支持体1の表面(インク受理層及び光沢発現層が設けられる側)に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、5%の割合でアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で20μmの厚さになるように押し出しコーティングし、微粗面化処理したクーリングロールを用いて光沢度60%の樹脂被覆し、支持体2を作成した。
【0052】
<インク受理層塗液1>
合成非晶質シリカ(平均粒子径4μm)100部をホモジナイザーを用いて水400部に分散し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%のインク受理層塗液1を調製した。
【0053】
<インク受理層塗液2>
軽質炭酸カルシウム(平均粒子径2.0μm)100部をホモジナイザーを用いて水100部に分散し、48%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス固形分42部を混合し、固形分濃度49.7%のインク受理層塗液2を調製した。
【0054】
<アルミナ水和物の合成>
下記に光沢発現層に用いるアルミナ水和物の合成例を示す。使用した原材料はすべて市販品であり、精製は特に行わずそのまま使用した。
【0055】
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75℃で24時間、95℃で4時間加水分解を行った。その後、酢酸24gを加え、95℃にて40時間撹拌した後、固形分濃度が20%になるように濃縮し、白色のアルミナ水和物の分散液を得た。
【0056】
このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒子径を測定したところ、約20nmであり、アスペクト比6の平板状擬ベーマイト構造のアルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法によってBET比表面積、平均細孔半径、細孔半径1nm〜30nmの細孔容積、細孔半径2nm〜10nmの細孔容積を測定したところ、それぞれ136m2/g、5.8nm、0.54ml/g、0.50ml/gであった。
【0057】
<光沢発現層塗液1>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部を混合し、固形分濃度18.9%の光沢発現層塗液1を調整した。
【0058】
<光沢発現層塗液2>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部、4%ホウ酸水溶液7.5部を混合し、水を118部添加して固形分濃度15.5%の光沢発現層塗液2を調整した。
【0059】
<光沢発現層塗液3>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部、4%ホウ酸水溶液7.5部を混合し、固形分濃度18.7%の光沢発現層塗液3を調整した。
【0060】
<光沢発現層塗液4>
気相法シリカ(平均一次粒子径12nm、BET法による比表面積300m2/g、分散度0.3)100部をホモジナイザーを用いて水456部に分散し、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液200部、4%ホウ酸水溶液20部を混合し、固形分濃度15.6%の光沢発現層塗液4を調整した。
【0061】
<光沢発現層塗液5>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液400部、20%コロイダルシリカ(一次粒径70nm)分散液100部を混合し、さらに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液45部、10%シラノール基変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R1130)水溶液15部を混合し、固形分濃度18.9%の光沢発現層塗液5を調整した。
【0062】
<光沢発現層塗液6>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学工業製 ゴーセファイマーZ−200)水溶液250部、30%ヒドロキ塩化ジルコニル水溶液6.7部を混合し、固形分濃度16.8%の光沢発現層塗液6を調整した。
【0063】
<光沢発現層塗液7>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部を混合し、水を124部添加して固形分濃度15.5%の光沢発現層塗液7を調整した。
【0064】
<光沢発現層塗液8>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部、4%ホウ酸水溶液7.5部を混合し、水を318部添加して固形分濃度12.0%の光沢発現層塗液8を調整した。
【0065】
参考例1
上記で作製した支持体1の上に光沢発現層塗液3を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥して、参考例1のインクジェット記録材料を作製した。
【0066】
参考例2
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液1をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、参考例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0067】
参考例3
実施例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液2を用いた以外は実施例2と同一条件で参考例3のインクジェット記録材料を作製した。
【0068】
参考例4
実施例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液3を用いた以外は実施例2と同一条件で参考例4のインクジェット記録材料を作製した。
【0069】
参考例5
実施例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液4を用いた以外は実施例2と同一条件で参考例5のインクジェット記録材料を作製した。
【0070】
実施例1
参考例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液5を用いた以外は参考例2と同一条件で実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
【0071】
実施例2
参考例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液6を用いた以外は参考例2と同一条件で実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0072】
参考例6
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液2を乾燥固形分25g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して参考例6のインクジェット記録材料を作製した。
【0073】
参考例7
上記で作製した支持体2の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、参考例7のインクジェット記録材料を作製した。
【0074】
比較例1
上記で作製した支持体2の上に光沢発現層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分12g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
【0075】
比較例2
上記で作製した支持体1の上に光沢発現層塗液7をエアーナイフコーターにて乾燥固形分12g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0076】
比較例3
上記で作製した支持体1の上に光沢発現層塗液8をエアーナイフコーターにて乾燥固形分12g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0077】
比較例4
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液7をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
【0078】
比較例5
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液8をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
【0079】
評価
実施例1、2、参考例1〜7,比較例1〜5で作製したインクジェット記録材料についてJIS−P8142に従い、75度鏡面光沢度を測定し、その結果を表1の「光沢度(%)」に示した。
【0080】
実施例1、2、参考例1〜7、比較例1〜5で作製したインクジェット記録材料にセイコーエプソン(株)製「MC−10000(プリンタ設定:MC光沢用紙、きれい)」を用いて画像を印刷し、光沢発現層表面のひび割れの有無、インク吸収性について評価を行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色のベタ印字およびその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。
【0081】
光沢発現層表面のひび割れの有無は、作製したインクジェット記録材料の表面を目視で観察して評価した。「優」は全くひび割れが観察されない。「良」は極めて少数の細かいひび割れが観察される。「可」はひび割れが観察されるが実用上問題のないレベル。「不可」はひび割れが多数発生して実用不可の状態である。結果を表1の「塗層のひび割れ」に示した。
【0082】
インク吸収性は、ベタ印字部分の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価し、1〜10の数値で表した。1は最もインクの吸収性が悪いことを表し、数値が大きくなるほどインクの吸収性が良好で、10は最もインクの吸収性が良好なことを示す。6以上であれば実用上問題ない。結果を表1の「インク吸収性」に示した。
【0083】
インク発色性は、黒ベタ印字部分の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。数値が高い方がインクの発色性が良好で、1.9以上であれば実用上問題なく、1.9よりも低い場合には、印字部分にむらが発生し、実用が不可の状態である。結果を表1の「インク発色性」に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
表1中、実施例1では吸収性支持体上に、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、無機超微粒子にコロイダルシシカを含有する光沢発現層、実施例2では、吸収性支持体上にアセトアセチル基変性ポリマーと、ジルコニウム化合物を含有する光沢発現層であると、光沢、塗層のびび割れ、インク吸収性、インク発色性のすべての点で優れていることがわかる。
【0086】
比較例1においては非吸水性支持体上に光沢発現層を塗工したため、インク性が十分に得られず、また比較例2〜5においては、いずれも吸水性支持体上での高粘度化が十分では無かったために、ひび割れが発生し、光沢や印字部分の発色性が十分に得られなかった。
【0087】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を実施することにより光沢発現層表面にひび割れが無く、高光沢かつインクの吸収性と発色性を兼ね備えたインクジェット記録材料が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに使用されるインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録材料に付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、種々の用途において急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない記録を得ることが可能であり、作成部数が少なくて済む用途では、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
【0003】
最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安価で市販されている。インクジェット記録材料は、銀塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価であることから、大面積の画像が必要な広告や商品見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になってきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、このプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを修正することは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが、インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできるという長所もある。
【0004】
インクジェット方式を利用したプリンターは、市場からのさらなる画像の品質向上に対する要求のために、高解像度化、色再現範囲の拡大が図られている。これに伴い、記録媒体であるインクジェット記録材料には、優れた画像品質を発現するための高いインク受理容量の確保や発色性の良好な塗層の塗設が不可欠となっている。加えて近年では、銀塩写真や商業印刷等の代替として出力が行われるようになってきており、光沢、剛直、色相等の外観、質感も銀塩写真あるいは商業印刷等に類似することが要望されてきている。
【0005】
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやPOPアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット記録材料を多用する理由ともなっている。
【0006】
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニーズは高まっており、その結果記録装置或いはインクジェット記録材料に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。例えば、大判ポスターやPOPアート、また写真画像を出力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候性、画像保存性が求められるようになっている。このような要望に対し、インク及びインクジェット記録材料の改良が進んでおり、従来よりはかなり良好な保存性が得られるようになってきている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされていないのが現状である。
【0007】
このような要求を満たすために、最近では顔料タイプのインクが使用されるようになってきている。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解しないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存性が向上することが知られている。しかし、インク中の色材顔料は染料と異なり溶媒に不溶であるため、インク中の色材顔料を安定に分散させる必要があり、インク中の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料インクのように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にくい。
【0008】
そのため、インクジェット記録材料に対する要求も必然的に高まってきている。顔料インクの吸収性を向上させる方法として、支持体上に塗工するインク受理層を厚くすることが考えられる。この方法でインク吸収性は改善されるが、インクが原紙方向に深く浸透するため、発色性が低下する。前述したように顔料インクの場合、染料インクと比較して鮮明な発色を得にくいため、インクが深く浸透すると発色性は著しく低下してしまう。さらにインク受理層を有しないインクジェット記録材料ではさらにその低下は著しい。
【0009】
これらインクジェット記録材料は、良好なインクジェット記録性能を得る等の目的で、無機超微粒子を含有するインクジェット記録材料が提案され、一次粒子径が3nm〜30nmである主として気相法による合成シリカを使用するインクジェット記録材料が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0010】
また、非吸水性支持体上に無機超微粒子、ポリビニルアルコール及びホウ酸またはその塩を含有させた塗層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。この方法によれば、ホウ酸またはその塩と無機超微粒子やバインダーとの強固な結合を形成させ、比較的空隙が多くひび割れにくい塗層を得ることができるが、塗層の乾燥塗工量が少ない場合にはインクの吸収性が低い。インクの吸収性を向上させるために厚い塗層を設けるとひび割れが発生する。また、ホウ酸またはその塩の配合量を増やし、上記結合をより強固にしたり、塗工後に冷却し、塗液を支持体上でセットさせたりして、ひび割れを抑制しつつ、空隙を増やすことが行われている。しかし、前者の方法は、常温では高粘度の塗液となり、塗工するためには加温して適正な粘度に調節する必要があり、後者の方法では冷却した後、乾燥を行わなければならないため、いずれも生産効率が低下するうえ、塗層にひび割れとインク吸収性のバランスは満足のいくものでは無かった。
【0011】
インクの吸収性を向上させるために下層にシリカ多孔質層を設け、上層にアルミナまたはアルミナ水和物含有層を有するインクジェット記録材料や下層に吸収性顔料含有層、最表層に擬ベーマイトを配した記録材料が提案されている(例えば、特許文献6、7参照。)。
【0012】
この様な無機超微粒子を含有する光沢発現層の塗液を吸水性の高い下層上に塗工・乾燥する方法で形成する場合、光沢発現層中のバインダー成分等が吸水性の高い下層へ落ち込むため、光沢発現層表面にひび割れが生じやすく、面質が悪化したり、顔料インク特性が低下する問題が生じていた。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−203006号公報(第3−9頁)
【特許文献2】
特開平8−174992号公報(第3−6頁)
【特許文献3】
特開平7−76161号公報(第2−3頁)
【特許文献4】
特開平10−193777号公報(第2−10頁)
【特許文献5】
特開2002−2094号公報(第2−10頁)
【特許文献6】
特開平6−55829号公報(第2−3頁)
【特許文献7】
特開平7−89216号公報(第2−6頁)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、光沢発現層にひび割れがなく、インク吸収性が良好で、高光沢のインクジェット記録材料を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を見いだした。すなわち、本発明は、吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料において、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有するインクジェット記録材料である。
【0016】
また、吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料において、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有するインクジェット記録材料である。
【0017】
さらに、本発明の吸水性支持体が紙であるか、または、紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられていることがより好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録材料を詳細に説明する。
【0019】
本発明のインクジェット記録材料で塗工される光沢発現層塗液には、無機超微粒子、親水性ポリマーを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有し、かつ親水性ポリマーに少なくともシラノール基変性ポリビニルアルコールを含有することがより好ましい。これらを含有することにより、吸水性支持体による光沢発現層中の脱水による光沢発現層の塗液の粘度上昇が向上し、さらにコロイダルシリカとシラノール基変性ポリビニルアルコールの相互作用が大きくなるため、光沢発現層のひび割れを防止することができる。
【0020】
本発明におけるコロイダルシリカは、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されている既知のコロイダルシリカを1種類以上使用することができる。
【0021】
無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールおよびコロイダルシリカの比率は、塗工時の粘度、インクの吸収性などに影響を与える。無機超微粒子に対するシラノール基変性ポリビニルアルコールの比率は乾燥固形分比率で0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。該比率が0.5質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、塗層にひび割れが生じる場合がある。また、該比率が10質量%を超えると調液時の粘度が高くなりすぎ塗工が困難になる場合がある。
【0022】
無機超微粒子に占めるコロイダルシリカの比率は乾燥固形分比率で5質量%以上50質量%以下が好ましい。該比率が5質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、光沢発現層にひび割れが生じる場合がある。また、比率が50質量%を超えるとインクの吸収が不十分となる場合がある。
【0023】
本発明のインクジェット記録材料で塗工される光沢発現層塗液には、無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有することがより好ましい。これらを含有することで、吸水性支持体による光沢発現層中の脱水による光沢発現層の塗液の粘度上昇が向上することにより、光沢発現層のひび割れを防止するのに十分な高粘度を得ることができる。
【0024】
本発明に用いられるアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールは、通常の完全鹸化や部分鹸化ポリビニルアルコールに、ジケテンを付加反応させたり、アセト酢酸エステルでエステル交換反応したりして、アセトアセチル基を導入することにより得ることができる。アセトアセチル基の含有量は、0.2〜10モル%程度の範囲が好ましく、0.2モル%より少ないと、吸水性支持体上での粘度が十分高くならないのでひび割れが発生しやすくなり、10モル%を超えるとインクの吸収が不十分となる場合がある。また、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの重合度としては、100〜3000程度が好ましく、重合度が小さすぎると、吸水性支持体上での粘度が十分高くならず、ひび割れが発生し易くなる。重合度が大きすぎると、品質上は特に問題ないが、水に溶解し難くなり、調液時も高粘度となって取扱が難しくなる。さらに、鹸化度としては、70〜100モル%の範囲が好ましく、70モル%より小さいと、インクの吸収性が低下しやすくなる場合がある。
【0025】
本発明に用いられるジルコニウム化合物としては、ジルコニウムの無機塩や有機酸塩が用いられる。具体的には、ZrO(OH)Cl、ZrOCl2・nH2O、Zr2O3Cl2 、ZrCl4、ZrCl3、ZrCl2、ZrBr4 、ZrBr3、ZrBr2、ZrI4、ZrI3、ZrI2、ZrF4、ZrF3、ZrF2等のハロゲン化物塩類、Zr(NO3 )4・nH2O、ZrO(NO3)2・nH2O、Zr(SO4 )2、Zr(SO4 )2・nH2O、ZrO(SO4)、Zr(H2PO4)2、ZrP2O7、ZrSiO4、ZrO(CO3 )2・nH2 O、ZrO(OH)2・nH2O等のオキソ酸塩類、酢酸ジルコニウム、乳酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、ラウリル酸ジルコニル、マンデン酸ジルコニル等の有機酸塩類等が例示され、これらは一種または二種以上の混合物として使用することが出来る。
【0026】
無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物の比率は、調液時の粘度、インクの吸収性などに影響を与える。無機超微粒子に対するアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの比率は、乾燥固形分比率で5質量%以上100質量%以下が好ましい。該比率が5質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、塗層にひび割れが生じる場合がある。また、該比率が100質量%を超えるとインクの吸収が不十分となる場合がある。
【0027】
無機超微粒子に対するジルコニウム化合物の比率は、乾燥固形分比率で0.2質量%以上10質量%以下が好ましい。該比率が0.2質量%未満であると、吸水性支持体上での高粘度化が不十分となり、塗層にひび割れが生じる場合がある。また、比率が10質量%を超えると調液時の粘度が高くなりすぎ塗工が困難になる場合がある。
【0028】
本発明のインクジェット記録材料の光沢発現層に用いられる無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下の無機微粒子を言う、例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されている擬ベーマイトゾルなどのアルミナ水和物、特開平8−72387公報などに記載されている気相法アルミナ、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができ、これらを単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
本発明の光沢発現層に用いられる親水性ポリマーとしてはポリビニルアルコール、でんぷんおよびその変性物、ゼラチンおよびそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、カチオン変性、シラノール基変性等のポリビニルアルコールの変性物、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられ、単独あるいは併用して用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらの親水性ポリマーの配合量の総和は、無機超微粒子に対して、乾燥固形分比率で3〜20質量%であることが好ましく、特に5〜15質量%であることが好ましい。上記範囲以下では光沢発現層の成膜性が悪くなり、光沢発現層表面にひび割れが生じたり、粉落ちが発生しやすくなり、上記範囲より多い場合にはインクの吸収性が悪化する場合がある。
【0030】
本発明の光沢発現層に用いられる、親水性ポリマーとしては、接着力の点から、ポリビニルアルコール、またはシラノール基変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が好ましい。無機超微粒子との混合性、塗液粘度の調整、および成膜性等の点で重合度2000以上、ケン化度が88%以上96%未満のポリビニルアルコールが特に好ましい。重合度2000未満のポリビニルアルコールやケン化度が88%未満のポリビニルアルコールを用いた場合、十分な塗層強度が得られないことがあるため、ひび割れが入りやすくなる。さらにケン化度が96%以上であると塗液の液性が悪化しやすい。
【0031】
本発明の光沢発現層に使用されるバインダーの配合量としては、乾燥固形分比率で無機超微粒子の総和100質量部に対して、3〜40質量部、好ましくは、5〜30質量部である。3質量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足したり、光沢発現層表面にひび割れが発生する場合がある。40質量部を超えると十分なインク吸収性が得られない場合がある。
【0032】
本発明のインクジェット記録材料で塗工される光沢発現層塗液には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することができる。
【0033】
本発明において、光沢発現層の乾燥塗工量は特に限定されるものではないが、少なすぎるとインク中の溶媒分の吸収性が不十分になるため印字部分に滲みが発生することがある。また、乾燥塗工量が多すぎると、光沢発現層表面でのひび割れが発生し、光沢が低下することがある。乾燥塗工量の範囲は3〜40g/m2、より好ましくは5〜30g/m2である。
【0034】
次に本発明に係わる吸水性支持体について説明する。
【0035】
本発明に係わる吸水性支持体は透明、半透明、及び不透明のいずれであっても良く、紙、各種不織布、織布など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、非吸水性支持体上にシリカなどの無機微粒子からなる塗層や吸水性ポリマー層など、既知の吸水性の塗層を設けたものも吸水性支持体として用いることができる。特に吸水性支持体として、紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられた支持体を用いた場合は、インクの吸収性が向上するため好ましい。
【0036】
本発明における吸水性支持体、あるいは紙上にインク受理層を設けて吸水性支持体とする場合の紙としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙および塗工紙をそのまま用いる、あるいは平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
【0037】
また、本発明における非吸水性支持体は、透明、半透明および不透明のいずれであっても良く、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0038】
次に本発明に係わるインク受理層について説明する。
【0039】
本発明において、インク受理層に用いられる無機顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料などを用いることができる。上記の無機顔料の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性非晶質合成シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0040】
本発明のインク受理層に用いられるバインダーとしては、光沢発現層で例示した化合物を使用することができる。
【0041】
本発明のインク受理層に使用されるバインダーの配合量としては、乾燥固形分比率で無機超微粒子の総和100質量部に対して、5〜60質量部、好ましくは、10〜50質量部である。5質量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足したり、光沢発現層表面にひび割れが発生する場合がある。60質量部を超えると十分なインク吸収性が得られない場合がある。
【0042】
更に、本発明のインク受理層には、その他の添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
【0043】
本発明において、インク受理層の乾燥塗工量は特に限定されるものではないが、少なすぎるとインク中の溶媒分の吸収性が不十分になるため印字部分に滲みが発生することがある。また、乾燥塗工量が多すぎると、光沢発現層中のバインダー成分等の落ち込みが多くなり、光沢発現層表面でのひび割れが発生し、光沢が低下することがある。乾燥塗工量の範囲は3〜40g/m2、より好ましくは5〜30g/m2である。
【0044】
本発明において、インク受理層及び光沢発現層は、インク受理層及び光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して設けられる。
【0045】
本発明においてインク受理層及び光沢発現層を設ける際に、塗工する方法は、特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種装置により塗工することができる。
【0046】
本発明において、塗液塗工後に乾燥する方法は、特に限定されず、公知の乾燥方法を用いることができるが、特に熱風を吹きつける方法、赤外線を照射する方法など、加熱により乾燥する方法は、生産性が良く好ましく用いられる。
【0047】
本発明において、インク受理層または光沢発現層を塗工、乾燥後、平坦化をコントロールしたり表面光沢をさらに高めたりする目的で、カレンダー処理により、平滑化しても良い。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。また、公知のキャストコート法を用いて光沢面を形成することができる。
【0048】
このように吸水性支持体上に光沢発現層を設けたインクジェット記録材料のJIS−P8142で測定される75度鏡面光沢度は40%以上であることが好ましい。より好ましくは、50%以上である。
【0049】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例に於いて示す「部」および「%」は特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
【0050】
<支持体1>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、白色度90%)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP、白色度90%)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量102g/m2になるように抄造し、支持体1を得た。
【0051】
<支持体2>
支持体1の表面(インク受理層及び光沢発現層が設けられる側)に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、5%の割合でアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で20μmの厚さになるように押し出しコーティングし、微粗面化処理したクーリングロールを用いて光沢度60%の樹脂被覆し、支持体2を作成した。
【0052】
<インク受理層塗液1>
合成非晶質シリカ(平均粒子径4μm)100部をホモジナイザーを用いて水400部に分散し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%のインク受理層塗液1を調製した。
【0053】
<インク受理層塗液2>
軽質炭酸カルシウム(平均粒子径2.0μm)100部をホモジナイザーを用いて水100部に分散し、48%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス固形分42部を混合し、固形分濃度49.7%のインク受理層塗液2を調製した。
【0054】
<アルミナ水和物の合成>
下記に光沢発現層に用いるアルミナ水和物の合成例を示す。使用した原材料はすべて市販品であり、精製は特に行わずそのまま使用した。
【0055】
イオン交換水1200g、イソプロピルアルコール900gを3Lの反応器に仕込み、75℃に加熱した。アルミニウムイソプロポキシド408gを加え、75℃で24時間、95℃で4時間加水分解を行った。その後、酢酸24gを加え、95℃にて40時間撹拌した後、固形分濃度が20%になるように濃縮し、白色のアルミナ水和物の分散液を得た。
【0056】
このゾルを室温で乾燥させ、X線回折を測定したところ、擬ベーマイト構造を示した。また、透過型電子顕微鏡で平均粒子径を測定したところ、約20nmであり、アスペクト比6の平板状擬ベーマイト構造のアルミナ水和物であった。また、窒素吸着脱離方法によってBET比表面積、平均細孔半径、細孔半径1nm〜30nmの細孔容積、細孔半径2nm〜10nmの細孔容積を測定したところ、それぞれ136m2/g、5.8nm、0.54ml/g、0.50ml/gであった。
【0057】
<光沢発現層塗液1>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部を混合し、固形分濃度18.9%の光沢発現層塗液1を調整した。
【0058】
<光沢発現層塗液2>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部、4%ホウ酸水溶液7.5部を混合し、水を118部添加して固形分濃度15.5%の光沢発現層塗液2を調整した。
【0059】
<光沢発現層塗液3>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部、4%ホウ酸水溶液7.5部を混合し、固形分濃度18.7%の光沢発現層塗液3を調整した。
【0060】
<光沢発現層塗液4>
気相法シリカ(平均一次粒子径12nm、BET法による比表面積300m2/g、分散度0.3)100部をホモジナイザーを用いて水456部に分散し、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液200部、4%ホウ酸水溶液20部を混合し、固形分濃度15.6%の光沢発現層塗液4を調整した。
【0061】
<光沢発現層塗液5>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液400部、20%コロイダルシリカ(一次粒径70nm)分散液100部を混合し、さらに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液45部、10%シラノール基変性ポリビニルアルコール(クラレ社製R1130)水溶液15部を混合し、固形分濃度18.9%の光沢発現層塗液5を調整した。
【0062】
<光沢発現層塗液6>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学工業製 ゴーセファイマーZ−200)水溶液250部、30%ヒドロキ塩化ジルコニル水溶液6.7部を混合し、固形分濃度16.8%の光沢発現層塗液6を調整した。
【0063】
<光沢発現層塗液7>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部を混合し、水を124部添加して固形分濃度15.5%の光沢発現層塗液7を調整した。
【0064】
<光沢発現層塗液8>
上記の20%の超微粒子状アルミナ水和物の分散液を用いて、アルミナ水和物分散液500部、これに10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液60部、4%ホウ酸水溶液7.5部を混合し、水を318部添加して固形分濃度12.0%の光沢発現層塗液8を調整した。
【0065】
参考例1
上記で作製した支持体1の上に光沢発現層塗液3を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥して、参考例1のインクジェット記録材料を作製した。
【0066】
参考例2
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液1をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、参考例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0067】
参考例3
実施例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液2を用いた以外は実施例2と同一条件で参考例3のインクジェット記録材料を作製した。
【0068】
参考例4
実施例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液3を用いた以外は実施例2と同一条件で参考例4のインクジェット記録材料を作製した。
【0069】
参考例5
実施例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液4を用いた以外は実施例2と同一条件で参考例5のインクジェット記録材料を作製した。
【0070】
実施例1
参考例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液5を用いた以外は参考例2と同一条件で実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
【0071】
実施例2
参考例2で光沢発現層塗液1を用いる代わりに光沢発現層塗液6を用いた以外は参考例2と同一条件で実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0072】
参考例6
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液2を乾燥固形分25g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して参考例6のインクジェット記録材料を作製した。
【0073】
参考例7
上記で作製した支持体2の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、参考例7のインクジェット記録材料を作製した。
【0074】
比較例1
上記で作製した支持体2の上に光沢発現層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分12g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
【0075】
比較例2
上記で作製した支持体1の上に光沢発現層塗液7をエアーナイフコーターにて乾燥固形分12g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0076】
比較例3
上記で作製した支持体1の上に光沢発現層塗液8をエアーナイフコーターにて乾燥固形分12g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
【0077】
比較例4
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液7をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
【0078】
比較例5
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液1を乾燥固形分12g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工し、150℃の熱風により乾燥した。次いでそのインク受理層の上に光沢発現層塗液8をエアーナイフコーターにて乾燥固形分9g/m2に成るように塗工し、150℃の熱風により乾燥して、比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
【0079】
評価
実施例1、2、参考例1〜7,比較例1〜5で作製したインクジェット記録材料についてJIS−P8142に従い、75度鏡面光沢度を測定し、その結果を表1の「光沢度(%)」に示した。
【0080】
実施例1、2、参考例1〜7、比較例1〜5で作製したインクジェット記録材料にセイコーエプソン(株)製「MC−10000(プリンタ設定:MC光沢用紙、きれい)」を用いて画像を印刷し、光沢発現層表面のひび割れの有無、インク吸収性について評価を行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色のベタ印字およびその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。
【0081】
光沢発現層表面のひび割れの有無は、作製したインクジェット記録材料の表面を目視で観察して評価した。「優」は全くひび割れが観察されない。「良」は極めて少数の細かいひび割れが観察される。「可」はひび割れが観察されるが実用上問題のないレベル。「不可」はひび割れが多数発生して実用不可の状態である。結果を表1の「塗層のひび割れ」に示した。
【0082】
インク吸収性は、ベタ印字部分の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価し、1〜10の数値で表した。1は最もインクの吸収性が悪いことを表し、数値が大きくなるほどインクの吸収性が良好で、10は最もインクの吸収性が良好なことを示す。6以上であれば実用上問題ない。結果を表1の「インク吸収性」に示した。
【0083】
インク発色性は、黒ベタ印字部分の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。数値が高い方がインクの発色性が良好で、1.9以上であれば実用上問題なく、1.9よりも低い場合には、印字部分にむらが発生し、実用が不可の状態である。結果を表1の「インク発色性」に示した。
【0084】
【表1】
【0085】
表1中、実施例1では吸収性支持体上に、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、無機超微粒子にコロイダルシシカを含有する光沢発現層、実施例2では、吸収性支持体上にアセトアセチル基変性ポリマーと、ジルコニウム化合物を含有する光沢発現層であると、光沢、塗層のびび割れ、インク吸収性、インク発色性のすべての点で優れていることがわかる。
【0086】
比較例1においては非吸水性支持体上に光沢発現層を塗工したため、インク性が十分に得られず、また比較例2〜5においては、いずれも吸水性支持体上での高粘度化が十分では無かったために、ひび割れが発生し、光沢や印字部分の発色性が十分に得られなかった。
【0087】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を実施することにより光沢発現層表面にひび割れが無く、高光沢かつインクの吸収性と発色性を兼ね備えたインクジェット記録材料が得られる。
Claims (3)
- 吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料において、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、シラノール基変性ポリビニルアルコールを含有し、かつ該無機超微粒子が少なくともコロイダルシリカを含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
- 吸水性支持体上に光沢発現層の塗液を塗工、乾燥して光沢発現層を設けたインクジェット記録材料において、該光沢発現層が少なくとも無機超微粒子、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールおよびジルコニウム化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
- 該吸水性支持体が紙であるか、または紙上あるいは非吸水性支持体上に少なくとも無機粒子及び、バインダーからなるインク受理層が設けられた支持体であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録材料。
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