JP2006198780A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面層にひび割れを生じさせずに顔料インクの高い吸収性と発色性を兼ね備えた、微光沢を有するインクジェット記録材料を提供すること。
【解決手段】紙支持体の少なくとも片面に顔料層、少なくとも1層以上の平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子を主体とするインク受理層を設けた、光沢度が15〜40%のインクジェット記録材料であって、顔料層が含有する無機顔料の総体積の50体積%以上が粒子径1.2〜15μmであり、かつインク受理層が、平均二次粒子径が0.5〜8μmの微粒子、親水性バインダーおよびホウ酸またはホウ酸塩を含有し、かつ該微粒子の含有量が前記無機超微粒子の5〜35質量%以下であり、かつ該インク受理層の乾燥塗工量が該顔料層の乾燥塗工量の20〜120質量%であるインクジェット記録材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録材料に関するものであり、特に顔料インクに適した微光沢タイプのコート紙に近い光沢を有するインクジェット記録材料に関するものである。
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録材料に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやPOPアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット記録材料を多用する理由ともなっている。
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニーズは高まっており、その結果記録装置或いはインクジェット記録材料に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。例えば、大判ポスターやPOPアート、また写真画像を出力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候性、画像保存性が求められるようになっている。更に、印刷用の校正用紙にも用いられる様になり、より印刷用紙に近い光沢面を有するインクジェット記録用紙が望まれている。このような要望に対し、インクおよびインクジェット記録材料の改良が進んでおり、従来よりはかなり良好な保存性や面質が得られるようになってきている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされていないのが現状である。
このような要求を満たすために、最近では顔料タイプのインクが使用されるようになってきている。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解しないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存性が向上することが知られている。しかし、インク中の色材顔料は染料と異なり溶媒に不溶であるため、インク中の色材顔料を安定に分散させる必要があり、インク中の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料インクのように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にくい。
そのため、インクジェット記録材料に対する要求も必然的に高まってきている。顔料インクの吸収性を向上させる方法として、支持体上に塗工するインク受理層を厚くすることが考えられる。この方法でインク吸収性は改善されるが、インクが原紙方向に深く浸透するため、発色性が低下する。前述したように顔料インクの場合、染料インクと比較して鮮明な発色を得にくいため、インクが深く浸透すると発色性は著しく低下してしまう。さらにインク受理層を有しないインクジェット記録材料ではさらにその低下は著しい。
良好なインクジェット記録性能を得る等の目的で、無機超微粒子を含有するインクジェット記録材料が提案され、一次粒子径が3nm〜30nmである主として気相法による合成シリカを使用するインクジェット記録材料が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、インク溶媒非吸収性支持体上に無機超微粒子、ポリビニルアルコールおよびホウ酸またはその塩を含有させた塗層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。この方法によれば、塗層の乾燥塗工量が少ない場合には、ひび割れを発生させずに塗層を得ることができるが、インクの吸収性が低くく、インク吸収性を向上させるために厚い塗層を設けるには、塗液を室温以上に加温した後に塗工する、もしくは塗工後に冷却するなどして、塗液を支持体上でセットさせ、粘度増加剤と無機超微粒子やバインダーと強固な結合を形成させた後、乾燥を行わなければならないため、生産効率が低下するうえ、塗層を厚くしてもインク吸収性は満足のいくものでは無いことがある。
顔料インクの発色性とインク吸収性を両立することを目的としたインクジェット記録材料として、インク溶媒非吸収性支持体上に、気相法シリカ、ホウ酸またはホウ酸塩、ポリビニルアルコールを含有する第一のインク受理層、アルミナまたはアルミナ水和物、ホウ酸またはホウ酸塩、ポリビニルアルコールを含有する第二のインク受理層を順次積層することが提案されている(例えば、特許文献6参照)。この方法で、インク吸収性の向上が見られるものの、依然として不十分なレベルであった。
インク吸収性向上を目的に、紙支持体のような透気性、インク溶媒吸収性のある支持体を用い、例えば上記構成のインク受理層を設けることも考えられる。しかしながら、インク溶媒非吸収性支持体では、塗層中のバインダー成分等が支持体中に落ち込むことがないため、塗層のひび割れが発生しなかったものが、紙支持体のようなインク溶媒吸収性のある支持体の場合には、インク受理層中のバインダー成分等が紙支持体へ落ち込み、インク受理層表面にひび割れが生じやすくなる。塗層のひび割れは、光沢付与を目的に粒子径が数十〜数百nmオーダーの微粒子顔料からなるインク受理層を用いた場合に顕著となる。こうしたひび割れに顔料インクが落ち込むことにより、発色が低下し顔料インク特性が低下するという問題が生じていた。
顔料インクの発色性、定着性を高めるために、インク受理層で使用する顔料をアルミナ水和物とすることが提案されている(例えば、特許文献7参照)。この方法で、顔料インクの発色性、定着性は向上するものの、吸収性の高い紙支持体を用いたとしてもインク吸収性が不足する問題が生じていた。
さらにインクの吸収性を向上させるために下層にシリカ多孔質層を設け、上層にアルミナまたはアルミナ水和物含有層を有するインクジェット記録材料や下層に吸収性顔料含有層、上層に擬ベーマイトを配した記録材料が提案されている(例えば、特許文献8、9参照)。
この様な無機超微粒子を含有する上層の塗液をシリカ多孔質からなる下層上に塗工・乾燥する方法で形成する場合、上層中の無機超微粒子成分等が下層への落ち込みが発生するため、上層表面にひび割れが生じやすく、インクジェット記録において染料インクを用いた場合は、ひび割れが多いためにインクの吸収性の向上が見られるが、染料インクに比べ発色性の低い顔料インクにおいては、そのひび割れに顔料インクが落ち込むことにより顔料インク特性が低下することがある。
また、インクの発色性を向上させるために塩基性材料を含む下塗層を設け、その上にヒュームドアルミナからなる多孔質画像受容性層を有するインクジェット記録材料が提案されている(例えば、特許文献10参照)が、塩基性材料を含む下塗層がゼラチン等のポリマー成分のみであるため、多孔質画像受容層の塗工時にポリマー成分が多孔質画像受容層中の水分により膨潤し、多孔質画像受容層の乾燥時にひずみが生じるために多孔質画像受容層にひび割れが発生し、顔料インク特性が低下することがある。
顔料インクを用いた際の表面光沢ムラの軽減のために粒子径が数十〜数百nmオーダーのコロイダルシリカ、1〜15μm程度の無機微粒子、バインダーからなるインク受理層を設けた記録材料が提案されている(例えば、特許文献11)が、インク受理層上に顔料インクを定着させずに、インク受理層中を顔料インクが通過する設計のため、顔料インク中の顔料成分がインク受理層中あるいはインク受理層下に存在することになり、顔料インクの発色性が低下することがある。
特開平10−203006号公報(第3−9頁) 特開平8−174992号公報(第3−6頁) 特開平7−76161号公報(第2−3頁) 特開平10−193777号公報(第2−10頁) 特開2002−2094号公報(第2−10頁) 特開2002−225423号公報(第2−7頁) 特開2002−79748号公報(第2−4頁) 特開平6−55829号公報(第2−3頁) 特開平7−89216号公報(第2−6頁) 特開2002−331746号公報(第3−5頁) 特開2000−318297号公報(第2−7頁)
本発明の課題は、表面層にひび割れを生じさせずに顔料インクの高い吸収性と発色性を兼ね備えた、微光沢タイプのコート紙に近い光沢を有するインクジェット記録材料を提供することにある。
上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、紙支持体の少なくとも片面に顔料層、少なくとも1層以上の平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子を主体とするインク受理層の各塗液を順次、塗工・乾燥して形成され、JIS−P8142で測定される75度鏡面光沢度が15%以上40%以下のインクジェット記録材料において、該紙支持体上に直接塗布される顔料層に含有する無機顔料の総体積の50体積%以上が粒子径1.2μm以上15μm以下であり、かつインク受理層の最表層が、平均二次粒子径が500nmより大きく8μm以下の微粒子、親水性バインダーおよびホウ酸またはホウ酸塩を含有し、かつ該微粒子の含有量が無機超微粒子の5質量%以上35質量%以下であり、かつ該インク受理層の最表層の乾燥塗工量が該顔料層の乾燥塗工量の20質量%以上120質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録材料により解決した。
該顔料層に含有する無機顔料においてJIS−K5101により表される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下であることが好ましい。
該インク受理層の最表層に含有する微粒子においてJIS−K5101により表される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下であることが好ましい。
該顔料層の塗液pHが8以上11以下であることが好ましい。
該無機超微粒子がアルミナ水和物であることが好ましい。
該インク受理層が二層からなり、顔料層に接するインク受理層が気相法シリカおよび/または平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕された湿式法シリカを含有することが好ましい。
該インク受理層が二層からなり、顔料層に接するインク受理層中に含有する気相法シリカまたは湿式法シリカのBET法による比表面積が、インク受理層の最表層中に含有する無機超微粒子のBET法による比表面積よりも小さいことがより好ましい。
該インク受理層が塩基性ポリ水酸化アルミニウムを含有することがさらに好ましい。
該インク受理層の最表層を除く少なくとも1層のインク受理層にホウ酸またはホウ酸塩を含有することが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録材料は、インク受理層にひび割れが無く、微光沢タイプのコート紙に近い光沢を有し、かつ顔料インクの吸収性と発色性を兼ね備える。
以下、本発明のインクジェット記録材料を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料は微光沢タイプのコート紙に近い光沢を有するものであり、JIS−P8142で測定される75度鏡面光沢度が15%以上40%以下の表面光沢を有する。
本発明者らは、顔料インク適性を向上させる方法として、顔料インク中の溶媒と色材顔料とを分離し、顔料インク中の色材顔料をインク受理層表面近傍に分布させ、溶媒分をインク受理層に浸透させることで、高い吸収性と発色性の改善が可能であると考えた。
本発明のインクジェット記録材料は、顔料インク中の色材顔料をインク受理層の表面近傍に分布させることにより顔料インクの発色性を向上させるべく、インク受理層を設ける際に、塗層のひび割れを極力発生させないようにすることが重要となる。そこで本発明者らはインク受理層のひび割れをなくし、顔料インク中の色材顔料成分と溶媒分を分離する手法を鋭意検討した結果、支持体として透気性およびインク溶媒吸収性を有する紙支持体を用い、該紙支持体上に直接塗布される顔料層に含有する無機顔料の総体積の50体積%以上が粒子径1.2μm以上15μm以下であり、かつインク受理層の最表層が、平均二次粒子径が500nmより大きく8μm以下の微粒子、親水性バインダーおよびホウ酸またはホウ酸塩を含有し、かつ該微粒子の含有量が無機超微粒子の5質量%以上35質量%以下であり、かつ該インク受理層の最表層の乾燥塗工量が該顔料層の乾燥塗工量の20質量%以上120質量%以下にすることで、インク受理層の最表層に光沢調整用の微粒子を添加しても、顔料層上にひび割れのないインク受理層を設けることが可能となり、効果的に顔料インクを色剤顔料と溶媒分に分離し、分離した顔料インクの溶媒分をインク受理層に効率的に吸収させ、顔料インク中の色材顔料をインク受理層の最表層表面近傍に分布させることにより、顔料インクの高い吸収性と発色性を兼ね備えたインクジェット記録材料を作製できることを見いだした。
本発明でいう顔料インクとは、色材顔料、分散溶媒、その他の添加剤等からなる記録液体であり、特に限定されない。また、分散溶媒は、水および各種有機溶剤のいずれを用いたものでも良い。
本発明に係わるインクジェット記録材料は、支持体として透気性およびインク溶媒吸収性を有する紙支持体を用いる。本発明における紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙であり、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスを施してもよい。
以下に本発明に係わる顔料層について説明する。本発明のインクジェット記録材料は、紙支持体上に、該無機顔料の総体積の50体積%以上の粒子が二次粒子径1.2μm以上15μm以下である無機顔料を含有する顔料層を設ける。
本発明において、二次粒子とは微細な一次粒子が凝集して形成した、分散状態で存在する粒子のことであり、単分散粒子の場合はその分散粒子径を指す。
また、本発明において、体積%とは、顔料層に含有される無機顔料の総体積に対する規定した範囲の粒子径の無機顔料の全体積の割合を表す。本発明における平均二次粒子径および体積%は、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布計により測定される粒度分布データから得られる。
本発明において顔料層に含有される無機顔料は、該無機顔料の総体積の50体積%以上の粒子が二次粒子径1.2μm以上15μm以下である。インクの吸収性を保ちつつ、顔料インクの発色性を向上させるには顔料層に含有される無機顔料の総体積の80体積%以上が二次粒子径1.2μm以上15μm以下であるとより好ましい。この範囲にすることでインク受理層の無機超微粒子等の顔料層への落ち込みを防ぎ、インク受理層の表面に亀裂を発生させずにインク吸収性をより効率的に得ることができるため好ましい。
該顔料層に含有される無機顔料としては、好ましくはJIS K5101で測定される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下、より好ましくは170ml/100g以上300ml/100g以下、更に好ましくは190ml/100g以上280ml/100g以下である。この範囲にすることでインク受理層を塗布した際に、適度なインク受理層塗液中の水分の吸収によるインク受理層塗液の濃度上昇に伴う増粘と、インク受理層中の無機超微粒子等の顔料層への落ち込み防止により、インク受理層の最表層表面のひび割れの発生が抑えられ、さらにインク吸収性も向上するため好ましい。
本発明の顔料層で使用される無機顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料等が挙げられる。これらのうち、塗層のひび割れ、インク吸収性のバランスから、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸カルシウム、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
該顔料層に含有される無機顔料において無機顔料の種類が異なる、あるいは平均二次粒子径、吸油量の性状が異なる同種の無機顔料を2種以上使用する場合においても、混合した無機顔料の吸油量等を上記範囲内にすることでインク受理層表面に亀裂を発生させずにインク吸収性をより効率的に得ることができる。
本発明において、顔料層には、無機顔料の他、接着剤等、さらには顔料インクと染料インクを併用するインクジェット記録方式に適用する場合には上記の他、カチオン性化合物を含有することもできる。また、これらに添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
本発明の顔料層は、さらにバインダーを含有するのが好ましい。バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体;カゼイン、ゼラチンおよびそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、アルギン酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体等の親水性バインダー、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリウレタン樹脂ラテックス、アルキッド樹脂ラテックス、不飽和ポリエステル樹脂ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス等のラテックス系バインダー、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤、ポリビニルブチラール等が挙げられ、これらを1種以上使用できる。これらのうち、親水性バインダーおよびラテックス系バインダーを各々1種ずつ以上含有すると、塗層強度、塗層のひび割れの点で好ましい。
本発明の顔料層に使用されるバインダーの配合量としては、無機顔料の総和100質量部に対して、5〜70質量部、好ましくは、10〜50質量部である。
本発明において、顔料層の乾燥塗工量の範囲は3〜30g/m2、より好ましくは5〜20g/m2であり、顔料層の乾燥塗工量をこの範囲にすることで光沢性を低下させずにインク吸収性をより効率的に得ることができ、好ましい。
次に本発明に係わるインク受理層について説明する。
本発明のインク受理層は、平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子を主体とする。主体とするとは、インク受理層の乾燥固形分の50質量%以上を表す。インク受理層の最表層は、平均二次粒子径が500nmより大きく8μm以下の微粒子、親水性バインダーおよびホウ酸またはホウ酸塩を含有し、かつ該微粒子の含有量が無機超微粒子の5質量%以上35質量%以下であり、かつ該インク受理層の最表層の乾燥塗工量が該顔料層の乾燥塗工量の20質量%以上120質量%以下である。該構成とすることで、インク受理層の最表層中に光沢調整用の微粒子を添加しても、塗層表面のひび割れがなく、顔料インクの高い発色性とインク吸収性を兼ね備えることが可能となる。
本発明のインクジェット記録材料における無機超微粒子とは、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を言う。単分散状態の粒子の場合はその平均一次粒子径が500nm以下の無機微粒子を言う。例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されている擬ベーマイトゾルなどのアルミナ水和物、特開平8−72387公報などに記載されている気相法アルミナ、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを高速ホモジナイザーで分散したようなシリカゾル、平均二次粒子径500nm未満に粉砕した湿式シリカ、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
尚、本発明でいう無機超微粒子の平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均粒子径を求めたものであり、無機超微粒子の平均二次粒子径とは、希薄分散液をレーザー回折・散乱法を用いた粒度分布計により測定して得られる。
本発明のインク受理層に含有する無機超微粒子としては、上記の無機超微粒子の中でもアルミナ水和物が好ましい。アルミナ水和物を用いると、インク受理層の最表層表面にひび割れがより起こり難くなると共に、顔料インクの色剤顔料と溶媒分の分離性能が向上することができる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、一般式Al23・nH2Oにより表すことができる。アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
また、アルミナ水和物の分散液を安定化させるために、通常は種々の酸類が分散液に添加される。このような酸類としては、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、蟻酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
アルコキシドからアルミナ水和物を得る方法としては、特開昭57−88074号公報、同62−56321号公報、特開平4−275917号公報、同6−64918号公報、同7−10535号公報、同7−267633号公報、米国特許第2,656,321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
本発明で使用するアルミナ水和物において平均一次粒子径が3nm〜25nmのアルミナ水和物が好ましい。特に好ましい平均一次粒子径は5nm〜20nmのものである。またこれらが連結した平均二次粒子径としては、50nm〜200nmにするのが好ましい。
本発明において、インク受理層は多層構成にしても良い。
該インク受理層が二層からなる場合は、該顔料層に接したインク受理層に含有する無機超微粒子としては、気相法シリカおよび/または平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕された湿式法シリカが好ましい。特に気相法シリカが好ましく使用できる。気相法シリカは乾式法シリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は、インク受理層の最表層の塗層のひび割れ、顔料インクの発色の点から5nm以上50nm以下が好ましく、より好ましくは、10nm以上40nm以下、特に好ましくは15nm以上30nm以下である。また、BET法による比表面積は、インク受理層の最表層塗層のひび割れ、インク吸収性の点から30m2/g以上300m2/g以下が好ましく、特に好ましくは40m2/g以上150m2/g以下が好ましい。尚、本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
該インク受理層が二層からなる場合、顔料層に接するインク受理層には、気相法シリカをカチオン性化合物の存在下で、該気相法シリカの平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは50〜400nm、更に好ましくは100〜300nmに分散したものが使用できる。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカとカチオン性化合物及び分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
本発明において、インク受理層が二層からなり、顔料層に接するインク受理層で使用される湿式法シリカは、製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップジェルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販さている。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカが使用される。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、且つ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましく、これをカチオン性化合物の存在下で平均二次粒子径500nm以下、好ましくは50〜400nm程度まで微粉砕した湿式法シリカ超微粒子を使用する。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均凝集粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより超微粒子に粉砕することができることから、吸油量が210ml/100g以下、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、記録用紙の生産性も向上する。吸油量は、JIS K5101の記載に基づき測定される。
本発明の平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ超微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中でシリカ粒子とカチオン性化合物を混合(添加はどちらが先であっても、また同時でも良い)しても良く、又それぞれの分散液あるいは水溶液を混合しても良く、のこぎり歯状ブレード型撹拌機、プロペラ羽根型撹拌機、またはローターステーター型撹拌機等の撹拌装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば更に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散物の固形分濃度は高いほうが好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、より強い機械的手段を与えることによって、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えばボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は、2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられ、中でもアルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
本発明において、インク受理層を二層構成とし、顔料層に接するインク受理層に気相法シリカまたは湿式法シリカを用いる場合は、顔料層に接するインク受理層で使用される気相法シリカまたは湿式法シリカのBET法による比表面積は、インク受理層の最表層で使用される無機超微粒子のBET法による比表面積よりも小さいことが好ましい。こうした構成とすることで、顔料層に接するインク受理層の塗層の上にインク受理層の最表層を設けた際に、塗層のひび割れの発生がよりいっそう抑制され、良好な顔料インクの発色が得やすくなる。おそらく、顔料層に接するインク受理層で使用される気相法シリカあるいは湿式シリカのBET法による比表面積が、インク受理層の最表層で使用される無機超微粒子のBET法による比表面積よりも小さいため、顔料層に接するインク受理層へのインク受理層の最表層中のバインダー成分等の落ち込みが少なくなり、インク吸収性への悪影響がほとんどなく、該インク受理層の最表層の塗層のひび割れが発生しにくくなるものと推定される。
本発明において、前記した顔料層に接するインク受理層は、気相法シリカ及び平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕された湿式法シリカを、それぞれ単独で用いてもよいし併用してもよいが、前記気相法シリカまたは粉砕された湿式法シリカの顔料層に接するインク受理層における含有比率(併用した場合は合計の含有比率)は、顔料層に接するインク受理層中の全固形分に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、特に70質量%以上が好ましい。
本発明においてインク受理層の最表層に含有される微粒子は、該微粒子の平均二次粒子径が500nmより大きく8μm以下である。インク受理層の最表層のひび割れを抑制し、効率的に表面光沢を調整するには、平均二次粒子径が1μm以上7μm以下が好ましい。より好ましくは、平均二次粒子径が1.5μm以上6μm以下である。
該インク受理層の最表層に含有される微粒子としては、好ましくはJIS K5101で測定される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下、より好ましくは170ml/100g以上300ml/100g以下、更に好ましくは190ml/100g以上280ml/100g以下である。この範囲にすることでインク吸収性を確保しつつ、微粒子の添加によるバインダーの結合力低下に伴う、インク受理層の最表層のひび割れの発生を抑える事ができるため、好ましい。
本発明において、インク受理層の最表層に用いられる該微粒子の含有比率は、インク受理層の最表層中の無機超微粒子の5質量%以上35質量%以下であり、8質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。この範囲にすることで、インク受理層の最表層のひび割れと光沢値のバランスが取ることができ、好ましい。
本発明のインク受理層の最表層で使用される微粒子としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。これらのうち、塗層のひび割れ、インク吸収性のバランスから、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
該インク受理層に含有される微粒子において微粒子の種類が異なる、あるいは平均二次粒子径、吸油量の性状が異なる同種の微粒子を2種以上使用する場合においても、混合した微粒子の吸油量等を上記範囲内にすることでインク受理層表面に亀裂を発生させずにインク吸収性をより効率的に得ることができる。
本発明のインク受理層には、皮膜としての特性を維持し、透明性が高くインクの浸透性が高い親水性バインダーが用いられる。親水性バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体;カゼイン、ゼラチンおよびそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、アルギン酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体等が挙げられ、単独あるいは併用して用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。接着力、成膜性等の点から、ポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が好ましい。塗液粘度の調整、および成膜性等の点で、ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上のポリビニルアルコールであり、さらに好ましくはケン化度が88%以上96%未満のポリビニルアルコールである。平均重合度は2000以上が好ましく、特に好ましく3000以上である。
これらの親水性バインダーの配合量は、塗層のひび割れ、インク吸収性の点で、全乾燥固形分比率で、3〜25質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることが特に好ましい。インク受理層を2層構成にする場合では、顔料層に接するインク受理層では、8〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることが特に好ましい。インク受理層の最表層では、3〜15質量%であることが好ましく、4〜10質量%であることが特に好ましい。
本発明においてインク受理層の最表層に用いられるホウ酸としては、オルトホウ酸だけでなくメタホウ酸、次ホウ酸等が使用できる。ホウ酸塩はこれらの可溶性塩が好ましく、具体的には、Na247・10H2O、NaBO2・4H2O、K247・5H2O、NH4HB47・3H2O、NH4BO2等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、インク受理層を2層以上の構成とする場合には、インク受理層の最表層を除く少なくとも1層のインク受理層がホウ酸またはホウ酸塩を含有することが好ましい
ホウ酸またはホウ酸塩の添加量は、H3BO3換算で、ホウ酸またはホウ酸塩を添加するインク受理層に含有する親水性バインダーに対して1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明において、インク受理層により顔料インク中の色剤顔料と溶媒分の分離を効率良く行うためには、インク受理層の最表層の乾燥塗工量は顔料層の乾燥塗工量の20質量%以上120質量%以下である。より好ましくは40質量%以上100質量%以下である。
本発明におけるインク受理層は、顔料インクおよび染料インクの定着性、耐水性を高める目的で、さらにカチオン性化合物を含有することもできる。カチオン性化合物としては、前記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物として例示した化合物が使用可能である。これらのうち、塩基性ポリ水酸化アルミニウムを使用すると、塗層のひび割れが発生しにくく、顔料インク中の色剤顔料と溶媒分の分離性能を向上させ顔料インクの発色が良好となり好ましい。塩基性ポリ水酸化アルミニウムは、インク受理層の少なくとも1層中に含有されていると好ましいが、顔料インクあるいは染料インクをインク受理層の表面に定着させるという点で、インク受理層の最表層に含有させるのが特に好ましい。
塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式(1)、(2)又は(3)で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、などのような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ただし 0<n<6 (1)
[Al(OH)3nAlCl3 (2)
Aln(OH)mCl(3n-m) ただし 0<m<3n(3)
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
本発明において、塩基性ポリ水酸化アルミニウムのインク受理層中の含有量は、0.1g/m2〜5g/m2、好ましくは0.2g/m2〜3g/m2である。
更に、本発明のインク受理層には、その他の添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
本発明において、顔料層に接するインク受理層及びインク受理層の最表層の乾燥塗工量は特に限定されるものではないが、インク吸収性、塗層のひび割れの点で、各インク受理層の乾燥塗工量の範囲は3〜16g/m2、より好ましくは5〜12g/m2である。
本発明において該顔料層塗液のpHが8以上11以下であることが好ましい。さらに好ましくは、該顔料層の塗液pHが8.5以上11以下である。この範囲にすることで、顔料層へのインク受理層中のバインダーや無機超微粒子の落ち込みが少なくなり、インク受理層の最表層のひび割れが抑制できるため好ましい。
本発明において用いられる顔料層の塗液には、顔料層の塗液配合と適合するものである限り、いずれの塩基性材料でも使用する事ができ、顔料層の塗液に添加することで、顔料層の塗液pHを適宜調整する。用いられる塩基性材料としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウムなどの炭酸化合物、アミン化合物、アンモニアなどが挙げられる。
本発明において該インク受理層塗液のpHが6以下であることが好ましい。より好ましくはpH5以下である。この範囲にすることで、顔料層上にインク受理層を設けた際にひび割れを抑制できるとともに、顔料インクの定着性が向上し、好ましい。
本発明において用いられるインク受理層の塗液には、インク受理層の塗液配合と適合するものである限り、いずれの酸性材料でも使用する事ができ、インク受理層塗液の塗液に添加することで、インク受理層の塗液pHを適宜調整する。用いられる酸性材料としては、例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸、蟻酸、乳酸、クエン酸、塩化第二鉄、塩化アルミニウムなどの無機酸や有機酸などを挙げることができる。
本発明において顔料層およびインク受理層は、支持体上に各塗液を順次、塗布・乾燥して形成される。各層を設ける際に塗工する方法は特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種装置により塗工することができる。
本発明において、塗液塗工後に乾燥する方法は、特に限定されず、公知の乾燥方法を用いることができるが、特に熱風を吹きつける方法、赤外線を照射する方法など、加熱により乾燥する方法は、生産性が良く好ましく用いられる。
本発明において、顔料層またはインク受理層を塗工、乾燥後、平坦化をコントロールしたり表面光沢をさらに高めたりする目的で、カレンダー処理により、平滑化しても良い。その際のカレンダー処理装置としては、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどが挙げられる。
実施例
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例に於いて示す「部」および「%」は特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
実施例に用いた各顔料層及びインク受理層の最表層の塗液において、顔料層、インク受理層の最表層中に含まれる無機顔料及び微粒子の平均二次粒子径、及び顔料層中の二次粒子径1.2μm以上15μm以下である無機顔料の無機顔料の総体積にしめる割合はレーザー光回折・散乱法(マイクロトラック9320HRA、Leeds&Northrup社製)にて測定した。
また、各顔料層に用いた無機顔料、及び各インク受理層に用いた微粒子の吸油量は、JIS K5101の方法に従い測定した。
<支持体1>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を水に混合してスラリーを調製後、長網抄紙機を用いて坪量105g/m2で抄造し、透気性及びインク溶媒吸収性を有する紙支持体である支持体1を得た。
<支持体2>
LBKP50部とNBSP50部の混合物を濾水度300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5%、紙力増強剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、紙基体を作製し、さらに紙基体の表面(顔料層及びインク受理層が設けられる側)に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100%の樹脂に対して、5%の割合でアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で20μmの厚さになるように押し出しコーティングした後、微粗面化処理したクーリングロールを用いて表面光沢度を60%とし、透気性及びインク溶媒吸収性を有さない支持体である支持体2を作製した。
<顔料層塗液1>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径1.2μm、吸油量180ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:50体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.4の顔料層塗液1を調製した。
<顔料層塗液2>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径15μm、吸油量280ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:58体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.1の顔料層塗液2を調製した。
<顔料層塗液3>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.2の顔料層塗液3を調製した。
<顔料層塗液4>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径1.2μm、吸油量180ml/100g)65部と合成非晶質シリカ(平均二次粒子径15μm、吸油量240ml/100g)35部を混合し、顔料層に含まれる顔料の平均二次粒子径が4.8μm、平均二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合を無機顔料の総体積の55体積%に調整したものをのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.2の顔料層塗液4を調製した。用いた合成非晶質シリカの混合物の吸油量は205ml/100gであった。
<顔料層塗液5>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量140ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH5.8の顔料層塗液5を調製した。
<顔料層塗液6>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量340ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:99体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.1の顔料層塗液6を調製した。
<顔料層塗液7>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量160ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.2の顔料層塗液7を調製した。
<顔料層塗液8>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量320ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.2の顔料層塗液8を調製した。
<顔料層塗液9>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量160ml/100g)50部と合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量340ml/100g)50部を混合し、顔料層に含まれる顔料の平均二次粒子径が4μm、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合を無機顔料の総体積の100体積%に調整したものをのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH6.1の顔料層塗液9を調製した。尚、用いた合成非晶質シリカの混合物の吸油量は250ml/100gであった。
<顔料層塗液10>
水酸化ナトリウム2部、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.9%、pH10.5の顔料層塗液10を調製した。
<顔料層塗液11>
水酸化ナトリウム0.5部、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH8.0の顔料層塗液11を調製した。
<顔料層塗液12>
水酸化ナトリウム2.3部、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.9%、pH11.0の顔料層塗液12を調製した。
<顔料層塗液13>
水酸化ナトリウム3部、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:98体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度17.0%、pH11.4の顔料層塗液13を調製した。
<顔料層塗液14>
高白1級カオリン(平均二次粒子径1.6μm、吸油量40ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:80体積%)100部、ポリアクリル酸ナトリウム0.1部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水150部に混合し、これに8%酸化澱粉水溶液250部を混合し、固形分濃度24%、pH9.5の顔料層塗液14を調製した。
<顔料層塗液15>
軽質炭酸カルシウム(平均二次粒子径2μm、吸油量85ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:65体積%)100部、ポリアクリル酸ナトリウム0.2部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水100部に混合し、48%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス42部を混合し、固形分濃度49.9%、pH9.8の顔料層塗液15を調製した。
<顔料層塗液16>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径0.8μm、吸油量110ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:20体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH5.9の顔料層塗液16を調製した。
<顔料層塗液17>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径20μm、吸油量230ml/100g、二次粒子径1.2〜15μmの無機顔料の割合:30体積%)100部をのこぎり歯状ブレード型撹拌機を用いて水400部に混合し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部を混合し、固形分濃度16.7%、pH5.8の顔料層塗液17を調製した。
<インク受理層塗液1>
水400部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して、20.2%のアルミナ水和物分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.1のインク受理層塗液1を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液2>
水300部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)75部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水100部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)25部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.8のインク受理層塗液2を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液3>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.5のインク受理層塗液3を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液4>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量160ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.5のインク受理層塗液4を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液5>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量320ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.4のインク受理層塗液5を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液6>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量140ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.5のインク受理層塗液6を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液7>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量340ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.5のインク受理層塗液7を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液8>
インク受理層塗液3において、ホウ酸を使用しない以外はインク受理層塗液3と同様にして調製した。塗液のpHは3.4であった。
<インク受理層塗液9>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、48%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス41.7部を混合し、固形分濃度22.3%、pH4.1のインク受理層塗液9を調製した。
<インク受理層塗液10>
水380部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)95部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水20部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)5部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.2のインク受理層塗液10を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液11>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径8μm、吸油量270ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.2のインク受理層塗液11を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液12>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径0.5μm、吸油量110ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.2のインク受理層塗液12を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液13>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、25%塩基性ポリ水酸化アルミニウム水溶液40部、界面活性剤0.3部、水53部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.1のインク受理層塗液13を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液14>
水400部に、50%ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)8部、気相法シリカ(平均一次粒子径20nm、BET法による比表面積90m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して予備分散液を作製した。得られた予備分散液を高圧ホモジナイザーで処理して、20.5%の気相法シリカ分散液を得た。こうして得た気相法シリカ分散液508部、4%ホウ酸水溶液20部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)250部、界面活性剤0.3部を混合し、固形分濃度14.8%、pH4.1のインク受理層塗液14を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定した気相法シリカ微粒子の平均二次粒子径は500nmであった。
<インク受理層塗液15>
インク受理層塗液14の気相法シリカを、平均一次粒子径16nm、BET法による比表面積130m2/gの気相法シリカに変更した以外は、インク受理層塗液14と同様にして調製した。塗液のpHは4.2であった。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定した気相法シリカ微粒子の平均二次粒子径は400nmであった。
<インク受理層塗液16>
インク受理層塗液14の気相法シリカを、平均一次粒子径12nm、BET法による比表面積200m2/gの気相法シリカに変更した以外は、インク受理層塗液14と同様にして調製した。塗液のpHは4.3であった。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定した気相法シリカ微粒子の平均二次粒子径は350nmであった。
<インク受理層塗液17>
水240部に、50%ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)8部、沈降法シリカ(BET法による比表面積130m2/g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径6μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して予備分散液を作製した。得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度29.9%の沈降法シリカ分散液を得た。こうして得た沈降法シリカ分散液348部、4%ホウ酸水溶液20部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)250部、界面活性剤0.3部、水149部を混合し、固形分濃度15.0%、pH4.3のインク受理層塗液17を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したシリカ微粒子の平均二次粒子径は400nmであった。
<インク受理層塗液18>
水380部に、50%ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)7.6部、気相法シリカ(平均一次粒子径16nm、BET法による比表面積130m2/g)95部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して予備分散液を作製した。得られた予備分散液を高圧ホモジナイザーで処理して、20.5%の気相法シリカ分散液を得た。こうして得た気相法シリカ分散液482.6部に合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)5部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して、気相法シリカと合成非晶質シリカ混合分散液を作製し、さらに4%ホウ酸水溶液20部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)250部、界面活性剤0.3部、水8部を混合し、固形分濃度15.0%、pH4.1のインク受理層塗液18を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定した気相法シリカ微粒子の平均二次粒子径は400nmであった。
<インク受理層塗液19>
インク受理層塗液3で作製した20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカ混合分散液200部にインク受理層塗液15と同様に作製した20.5%の気相法シリカ分散液50部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、25%塩基性ポリ水酸化アルミニウム水溶液30部、界面活性剤0.3部、水10部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.4のインク受理層塗液19を調製した。
<インク受理層塗液20>
40%コロイダルシリカ(単分散粒子、平均一次粒子径80nm)400部に10%ポリビニルアルコール(鹸化度88%、重合度2400)水溶液200部、2%ホウ酸ナトリウム水溶液10部を混合し、固形分濃度29.5%、pH9.2のインク受理層塗液20を調製した。
<インク受理層塗液21>
水340部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)85部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水60部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径12μm、吸油量270ml/100g)15部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液502部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.2のインク受理層塗液21を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液22>
水280部に、60%硝酸2部、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm、BET法による比表面積160m2/g)70部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合したアルミナ水和物分散液と、水120部に、合成非晶質シリカ(平均二次粒子径4μm、吸油量250ml/100g)30部を添加し、のこぎり歯状ブレード型撹拌機を使用して混合した合成非晶質シリカ分散液を混合し、20.2%のアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液を作製した。こうして得たアルミナ水和物と合成非晶質シリカの混合分散液500部、4%ホウ酸水溶液10部、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500)100部、界面活性剤0.3部、水34部を混合し、固形分濃度17.0%、pH3.6のインク受理層塗液22を調製した。尚、レーザー光回折・散乱法にて測定したアルミナ水和物微粒子の平均二次粒子径は150nmであった。
<インク受理層塗液23>
インク受理層塗液15において、ホウ酸を使用しない以外はインク受理層塗液15と同様にしてインク受理層塗液23を調製した。塗液のpHは4.3であった。
上記で作製した支持体1の上に顔料層塗液3を乾燥固形分12g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、熱風により乾燥した。次いでその顔料層の上にインク受理層塗液3をエアーナイフコーターにて乾燥固形分11g/m2に成るように塗工、熱風により乾燥して設けた後、ソフトカレンダー処理を行い、実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料塗液3を用いる代わりに顔料層塗液1を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液2を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例3のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液4を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例4のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液5を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例5のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液6を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例6のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液7を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例7のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液8を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例8のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液9を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例9のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液10を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例10のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液11を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例11のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液12を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例12のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液13を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例13のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液14を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例14のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液15を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例15のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液2を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例16のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液4を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例17のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液5を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例18のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液6を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例19のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液7を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例20のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液10を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例21のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液11を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例22のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液12を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例23のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液13を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例24のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液18を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例25のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液19を用いた以外は実施例1と同一条件で実施例26のインクジェット記録材料を作製した。
支持体1の上に顔料層塗液10を乾燥塗工量が8g/m2となるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥した。こうして得た顔料層上に、顔料層に接するインク受理層として、インク受理層塗液15を乾燥塗工量が7g/m2になるようにエアーナイフコーターで塗工、乾燥した。次いでそのインク受理層の上に、最表層のインク受理層として、インク受理層塗液3を乾燥塗工量が8g/m2になるようにエアーナイフコーターで塗工、乾燥して、実施例27のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で最表層のインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液13を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例28のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で最表層のインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液19を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例29のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で顔料層に接するインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液15を用いる代わりにインク受理層塗液1を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例30のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で顔料層に接するインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液15を用いる代わりにインク受理層塗液14を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例31のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で顔料層に接するインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液15を用いる代わりにインク受理層塗液16を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例32のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で顔料層に接するインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液15を用いる代わりにインク受理層塗液17を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例33のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で顔料層に接するインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液15を用いる代わりにインク受理層塗液20を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例34のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27で顔料層に接するインク受理層を塗工するためにインク受理層塗液15を用いる代わりにインク受理層塗液23を用いた以外は実施例27と同一条件で実施例35のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27の顔料層塗液10の乾燥固形分8g/m2を13.5g/m2にし、インク受理層塗液3の乾燥固形分8g/m2を乾燥固形分2.7g/m2に変更した以外は実施例27と同一条件で実施例36のインクジェット記録材料を作製した。
実施例27の顔料層塗液10の乾燥固形分8g/m2を7.5g/m2にし、インク受理層塗液3の乾燥固形分8g/m2を乾燥固形分9g/m2に変更した以外は実施例27と同一条件で実施例37のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例1)
上記で作製した支持体1の上に顔料層塗液3を乾燥固形分23g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工、熱風により乾燥して設けた後、ソフトカレンダー処理を行い、比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例2)
上記で作製した支持体1の上にインク受理層塗液3を乾燥固形分23g/m2に成るように、エアーナイフコーターで塗工、熱風により乾燥して設けた後、ソフトカレンダー処理を行い、比較例2のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例3)
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液16を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例3のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例4)
実施例1で顔料層塗液3を用いる代わりに顔料層塗液17を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例5)
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液8を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例6)
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液9を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例6のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例7)
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液21を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例7のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例8)
実施例1でインク受理層塗液3を用いる代わりにインク受理層塗液22を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例8のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例9)
実施例27の顔料層塗液10の乾燥固形分8g/m2を乾燥固形分14g/m2に成るようにし、インク受理層塗液3の乾燥固形分8g/m2を乾燥固形分2g/m2に変更した以外は実施例1と同一条件で比較例9のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例10)
実施例27の顔料層塗液10の乾燥固形分8g/m2を乾燥固形分6g/m2に成るようにし、インク受理層塗液3の乾燥固形分8g/m2を乾燥固形分10g/m2に変更した以外は実施例1と同一条件で比較例10のインクジェット記録材料を作製した。
(比較例11)
実施例1で支持体1を用いる代わりに支持体2を用いた以外は実施例1と同一条件で比較例11のインクジェット記録材料を作製した。
<評価>
実施例1〜37,比較例1〜11で作製したインクジェット記録材料に、顔料インクを用いたプリンタであるセイコーエプソン株式会社製MC−10000(顔料インク使用、プリンタ設定:MC光沢用紙、きれい)を用いて画像を印刷し、インク受理層表面のひび割れの有無、インク吸収性について評価を行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色のベタ印字およびその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。
インクジェット記録材料の表面光沢は、インク受理層面の無印字部分についてJIS P8142に従って75度鏡面光沢度を測定した。結果を表1、表2の「光沢度」に示した。
インク受理層表面のひび割れに関しては、各記録材料のインク受理層塗工面に、セイコーエプソン株式会社製MC−10000(顔料インク使用、プリンタ設定:MC光沢用紙、きれい)を用いて、黒のベタ印字を行った。塗層表面のひび割れは、印字部を光学顕微鏡で観察し、下記の基準により1〜5の数値で評価した。3以上であれば実用上問題ないレベルである。結果を表1、表2の「塗層のひび割れ」に示した。
5:全くひび割れが認められない。
4:小さいひび割れが少し認められる。
3:やや大きめのひび割れがあるものの、肉眼では認識できない。
2:大きいひびがあり、よく見ると肉眼で認識できる。
1:肉眼ではっきり認識できる。
インク吸収性は、ベタ印字部分の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価し、1〜10の数値で表した。1は最もインクの吸収性が悪いことを表し、数値が大きくなるほどインクの吸収性が良好で、10は最もインクの吸収性が良好なことを示す。結果を表1、表2の「インク吸収性」に示した。
インク発色性は、黒ベタ印字部分の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。数値が高い方がインクの発色性が良好である。結果を表1、表2の「インク発色性」に示した。
Figure 2006198780
Figure 2006198780
表1中、実施例1〜37に示す様に、紙支持体の少なくとも片面に顔料層、少なくとも1層以上の平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子を主体とするインク受理層の各塗液を順次、塗工・乾燥して形成され、JIS−P8142で測定される75度鏡面光沢度が15%以上40%以下のインクジェット記録材料において、該紙支持体上に直接塗布される顔料層に含有する無機顔料の総体積の50体積%以上が粒子径1.2μm以上15μm以下であり、かつインク受理層の最表層が、平均二次粒子径が500nmより大きく8μm以下の微粒子、親水性バインダーおよびホウ酸またはホウ酸塩を含有し、かつ該微粒子の含有量が無機超微粒子の5質量%以上35質量%以下であり、かつ該インク受理層の最表層の乾燥塗工量が該顔料層の乾燥塗工量の20質量%以上120質量%以下にすることで、インク受理層の最表層に光沢調整用の微粒子を添加しても、顔料層上にひび割れのないインク受理層を設けることが可能となる。
実施例1、5〜8の比較より、顔料層に用いる無機顔料においてJIS−K5101により表される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下であると、ひび割れおよび発色性が向上し、好ましい。
実施例1、17〜20の比較より、インク受理層の最表層に含有する微粒子においてJIS−K5101により表される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下であると、ひび割れおよび発色性が向上し、好ましい。
実施例1、10〜13の比較により、顔料層の塗液pHが8以上11以下であると、ひび割れとインク吸収性が両立でき、好ましい。
実施例21と実施例25の比較により、無機超微粒子がアルミナ水和物であると、発色性が向上し、好ましい。
実施例1、27、31〜34の比較により、インク受理層が二層からなり、顔料層に接するインク受理層が気相法シリカおよび/または平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕された湿式法シリカを含有すると、ひび割れおよび発色性が向上し、好ましい。
実施例27、31、32の比較により、顔料層に接するインク受理層中に含有する気相法シリカまたは湿式法シリカのBET法による比表面積が、インク受理層の最表層中に含有する無機超微粒子のBET法による比表面積よりも小さい実施例27、31は、インク受理層の最表層のひび割れおよび発色性が向上し、好ましい。
実施例1と24、および実施例27と28の比較により、インク受理層が塩基性ポリ水酸化アルミニウムを含有すると顔料インクの発色性が向上し、好ましい。
実施例27と実施例35の比較により、インク受理層が二層からなり、インク受理層の最表層を除く少なくとも1層のインク受理層にホウ酸またはホウ酸塩を含有するとインク受理層の最表層のひび割れおよび顔料インクの発色性が向上し、好ましい。
表2中、比較例1においては顔料層のみのため、発色性が十分に得られず、また比較例2においてインク受理層のみを用いた場合には、顔料インクの吸収性が不十分であり、塗層のひび割れが発生した。比較例3、4においては、顔料層に含有される粒子径1.2μm以上15μm以下である無機顔料の無機顔料の総体積に対する割合が50%未満であるため、比較例3では、インク吸収性が十分では無く、比較例4では、インク受理層表面にひび割れが生じ、発色性が低下した。また、比較例5、6においてはインク受理層にホウ酸あるいは親水性バインダーを含有していないため、ひび割れを防止することができなかった。また、比較例7においてはインク受理層の最表層中の光沢調整用の微粒子の二次粒子径が大きく、最表層のインク受理層表面にひび割れが発生した。また、比較例8においては、インク受理層の最表層中の光沢調整用の微粒子の添加割合が多いために、表面のひび割れを抑制することができなかった。本発明の顔料層とインク受理層の塗工量比率から外れる比較例9、10においては、インク受理層表面にひび割れを生じさせずに顔料インクの吸収性と発色性の両方を兼ね備えることはできなかった。また、比較例11においては、支持体として透気性およびインク溶媒吸収性を有する紙支持体の代わりに透気性がない支持体を用いたために、インクの吸収性が不十分であった。

Claims (9)

  1. 紙支持体の少なくとも片面に顔料層、少なくとも1層以上の平均二次粒子径が500nm以下の無機超微粒子を主体とするインク受理層の各塗液を順次、塗工・乾燥して形成され、JIS−P8142で測定される75度鏡面光沢度が15%以上40%以下のインクジェット記録材料において、該紙支持体上に直接塗布される顔料層に含有する無機顔料の総体積の50体積%以上が粒子径1.2μm以上15μm以下であり、かつインク受理層の最表層が、平均二次粒子径が500nmより大きく8μm以下の微粒子、親水性バインダーおよびホウ酸またはホウ酸塩を含有し、かつ該微粒子の含有量が無機超微粒子の5質量%以上35質量%以下であり、かつ該インク受理層の最表層の乾燥塗工量が該顔料層の乾燥塗工量の20質量%以上120質量%以下であることを特徴とするインクジェット記録材料。
  2. 該顔料層に含有する無機顔料においてJIS−K5101により表される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録材料。
  3. 該インク受理層の最表層に含有する微粒子においてJIS−K5101により表される吸油量が160ml/100g以上320ml/100g以下であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録材料。
  4. 該顔料層の塗液pHが8以上11以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のインクジェット記録材料。
  5. 該無機超微粒子がアルミナ水和物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のインクジェット記録材料。
  6. 該インク受理層が二層からなり、顔料層に接するインク受理層が気相法シリカおよび/または平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕された湿式法シリカを含有する請求項1〜5のいずれか一項記載のインクジェット記録材料。
  7. 該インク受理層が二層からなり、顔料層に接するインク受理層中に含有する気相法シリカまたは湿式法シリカのBET法による比表面積が、インク受理層の最表層中に含有する無機超微粒子のBET法による比表面積よりも小さいことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録材料。
  8. 該インク受理層が塩基性ポリ水酸化アルミニウムを含有する請求項1〜7のいずれか一項記載のインクジェット記録材料。
  9. 該インク受理層の最表層を除く少なくとも1層のインク受理層にホウ酸またはホウ酸塩を含有する請求項6〜8のいずれか一項記載のインクジェット記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010149339A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用紙

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