JPWO2003000771A1 - 不純物含有量の低減したブロック共重合体、高分子担体及び高分子医薬製剤並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、薬物等を運搬する際に担体としても使用され得る純度の高いブロック共重合体及び該ブロック共重合体にアントラサイクリン系制癌剤の縮合した、薬剤担持にも使用し得る高分子担体及び該高分子担体によって形成される高分子医薬製剤並びにそれらの製造法に関する。さらに、本発明は該ブロック共重合体中の不純物の定量方法に関する。
背景技術
ミセルを形成する高分子担体を用い、薬物、遺伝子等を生体内の目的の場所に運搬しようとする試みは知られているが、当該用途に使用されるブロック共重合体において不純物の除去が十分になされていたとは必ずしも言えない。
ブロック共重合体等の合成高分子化合物の精製は、従来、透析、限外ろ過、沈析等の方法で行われてきた。
透析、限外ろ過による精製法は、分子量の差に着目して分離、精製を行う方法である。一般に透析膜、限外ろ過膜は、膜を透過できる最大分子量によって種類分けされているが、その分画分子量の精度には、大きな幅がある。従って、透析、限外ろ過によりブロック共重合体等合成高分子を精製する方法では、目的とする合成高分子の分子量と不純物の分子量との間に大きな差がない場合には、十分な精製を行うことができなかった。また、これらの方法は工業的には不向きであり、もっぱら実験室における精製法である。
一方、沈析による精製法は、工業的にも対応可能な方法として広く実施されている。この方法は溶媒に対する溶解度の差を利用して不純物を除去することにより精製する方法であり、ブロック共重合体等の合成高分子化合物に含まれる低分子量成分を除去するには優れた方法である。しかしながら、ポリエチレングリコール類やポリ酸性アミノ酸等の分子量が大きい不純物の場合、ブロック共重合体等の合成高分子化合物と不純物の溶媒への溶解度の差が少なく、沈析によりブロック共重合体等合成高分子化合物を十分に精製することはできていない。
このように、ブロック共重合体に含まれる、分子量の大きな不純物の除去は十分ではなく、医薬製剤等にも使用できるようなブロック共重合体を得るための精製法は未だ知られていない。
さらに、ミセル形成性両親媒性ブロック共重合体について、ブロック共重合体中の不純物を定量するための従来方法も満足な分析結果を与えるものではなかった。
ブロック共重合体等の合成高分子は、従来方法では、溶媒に溶解し、ゲルろ過カラムを接続した高速液体クロマトグラフィー(gel permeation chromatography:GPC)によって分析されていた。
しかし、ブロック共重合体とこれに含まれる不純物の間の分子量の差が小さい場合、両者を明瞭なピークとして分離することは困難であり、不純物の定量法としての性能は不十分であった。
また、両者の分子量の差が十分であっても、不純物の量が少ない場合、明瞭なピークは得られなかった。これはゲルろ過の分離機構が分子拡散を利用しているために、クロマトグラム上ではピークが広がりやすく、量的に少ない成分については十分なピーク高さが得られないことによる。このため、十分な性能を有する定量法とは言い難かった。
その上、分子量の差のみに基づいて主成分と不純物とを分離定量するために、不純物の構造、由来等の定性的な情報は一切得られなかった。
発明の開示
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
1) 不純物の含有率が10重量%以下であることを特徴とする、ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体またはこれらの塩。
2) 不純物がポリエチレングリコール類およびポリ酸性アミノ酸類である上記1)に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
3) ポリ酸性アミノ酸がポリアスパラギン酸である上記1)または2)に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
4) ブロック共重合体が一般式(1)で表される共重合体である上記1)または2)に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
(式中、R1は水素原子または低級アルキル基を表し、R2は結合基を表し、R3はメチレン基またはエチレン基を表し、R4は水素原子またはアミノ基の保護基を表し、nは5−1000、mは2−300、xは0−300の整数を示すが、xはmより大きくないものとする。)
5) 一般式(1)のR1が炭素数1〜5のアルキル基、R2が炭素数1〜5のアルキレン基、R3がメチレン基またはエチレン基、R4が水素原子または炭素数1〜5のアシル基であり、nは5−1000、mは2−300、xは0−300の整数を示すが、xはmより大きくないものとする上記4)に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
6) 一般式(1)のR1がメチル基、R2がトリメチレン基、R3がメチレン基、R4がアセチル基であり、nは20−500、mは10−100、xは0−100の整数を示すが、xはmより大きくないものとする上記4)に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
7) 上記1)乃至6)のいずれかに記載のブロック共重合体またはこれらの塩の製造法であって、ポリエチレングリコール誘導体をイオン交換樹脂により精製し、ブロック共重合体とし、必要に応じて保護基を除去した後、分配吸着樹脂を用いて精製することを特徴とする前記製造法。
8) 上記1)乃至6)のいずれかに記載のブロック共重合体のポリ酸性アミノ酸とアントラサイクリン系制癌剤残基が縮合されていることを特徴とする高分子担体。
9) ポリ酸性アミノ酸とアントラサイクリン系制癌剤残基との縮合が、ポリ酸性アミノ酸の側鎖カルボン酸とアントラサイクリン系制癌剤残基の縮合である上記8)の高分子担体。
10) アントラサイクリン系制癌剤残基がドキソルビシン残基である上記8)又は9)に記載の高分子担体。
11) ポリ酸性アミノ酸におけるアントラサイクリン系制癌剤残基の結合割合が、30〜55%である上記8)又は9)に記載の高分子担体。
12) 上記8)乃至11)のいずれかに記載の高分子担体の製造法であって、上記1)乃至6)に記載のブロック共重合体と反応助剤の縮合化合物を分離後、該縮合化合物にアントラサイクリン系制癌剤を反応させることを特徴とする前記製造法。
13) アントラサイクリン系制癌剤がドキソルビシンまたはその塩である上記12)に記載の高分子担体の製造法。
14) 上記8)乃至11)のいずれかに記載の高分子担体が作るミセルの内核にアントラサイクリン系制癌剤が内包されているブロック共重合体−薬剤複合体を含んでなる高分子医薬製剤。
15) アントラサイクリン系制癌剤がドキソルビシン又はその塩である上記14)に記載の高分子医薬製剤。
16) 前記ブロック共重合体−薬剤複合体が凍結乾燥物の形態で含まれることを特徴とする上記14)又は15)に記載の高分子医薬製剤。
17) 上記1)に記載のポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体における不純物の定量方法であって、該ブロック共重合体を溶媒に溶解し、この溶解液を樹脂処理し、その処理液をゲルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー処理することを特徴とする前記定量方法。
18) 溶媒が水と混和する有機溶媒を含んでいてもよい水であり、樹脂がイオン交換樹脂であり、不純物がポリエチレングリコール類である上記17)に記載の定量方法。
19) 溶媒が水と混和する有機溶媒を含んでいてもよい水であり、樹脂がエーテル結合を有する化合物を吸着できる分配吸着樹脂であり、不純物がポリ酸性アミノ酸である上記17)に記載の定量方法。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の態様は、不純物の含有率が10重量%以下である、ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体またはこれらの塩に関する。該ブロック共重合体に含まれる不純物を分析した結果、不純物は、ポリエチレングリコール類、およびポリ酸性アミノ酸、即ちカルボン酸を側鎖にもつポリアミノ酸であることが明らかとなった。ポリエチレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、片末端アルコキシポリエチレングリコール等が挙げられる。ポリ酸性アミノ酸としては、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸が挙げられる。
本発明において、ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体におけるポリ酸性アミノ酸として、側鎖にカルボキシル基を持つα−および/またはβ−アミノ酸のポリマーが挙げられ、好ましくはポリグルタミン酸またはポリアスパラギン酸であり、ブロック共重合体としては、例えば、上記の一般式(1)若しくは(2)のブロック共重合体またはこれらの塩が挙げられる。
(式中、R1は水素原子または低級アルキル基を表し、R2は結合基を表し、R3はメチレン基またはエチレン基を表し、R4は水素原子またはアミノ基の保護基を表し、nは5−1000、mは2−300、xは0−300の整数を示すが、xはmより大きくないものとする。)
更に、R1としては水素原子または低級アルキル基が挙げられるが、低級アルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が挙げられるが、特にメチル基が好ましい。R2の結合基としては、分岐していても良い炭化水素が挙げられるが、好ましくはアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、エチレン基、トリメチレン基が特に好ましい。R3としてはメチレン基またはエチレン基が挙げられるが、メチレン基が好ましい。
R4としては水素原子またはアミノ基の保護基が挙げられ、アミノ基の保護基としては通常用いられるアミノ基の保護基であれば特に限定されないが、好ましくは低級アシル基、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基等が挙げられ、アセチル基が特に好ましい。nは5−1000、好ましくは20−500、特に好ましくは80−300の整数、mは2−300、好ましくは10−100、特に好ましくは20−50の整数、xは0−300、好ましくは0−100、特に好ましくは0−50の整数を示すが、xはmより大きくないものである。
本発明におけるブロック共重合体の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩等が挙げられ、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等が好ましい。
該ブロック共重合体に含まれる不純物は、ミセルを形成せず、薬物、遺伝子等の高分子担体としての性能は有しないと考えられるため、医薬用途に用いるためには、不純物の含有率は10%以下であることが好ましく、5%以下であることが更に好ましい。
また、本発明の第2の態様は、ポリエチレングリコール類をイオン交換樹脂により精製し、ポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体とし、必要に応じて保護基を除去した後に分配吸着樹脂を用いて精製するポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体またはこれらの塩の製造法に関する。ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体としては、前記のポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体と同様なブロック共重合体が好ましい。保護基で保護されている場合、保護基としては、通常酸性アミノ酸の側鎖のカルボキシル基を保護するものであれば特に限定されないが,例えば,低級アルコールとのエステル、置換していても良いアリール基置換低級アルコールとのエステル等が挙げられる。具体的にはメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ベンジルエステル、フェネチルエステル、p−メトキシベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル等である。保護基の除去の方法としては、保護基に応じて通常用いられる適当な方法を用い得るが、例えば酸またはアルカリによる加水分解、触媒等を用いた加水素分解等が挙げられる。
本発明の不純物含有量の低減したポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体として、例えば一般式(1)で表される化合物についてその精製法を具体的に説明する。
該ブロック共重合体の合成方法は、種々の方法により製造することができ、例えば、特開平6−206832号公報には片末端メトキシポリエチレングリコールの水酸基末端を変性させたものにアスパラギン酸誘導体を重合反応させ、アミノ基を保護し、エステル結合を加水分解して製造する方法が記載されているが、純度の高いブロック共重合体を得るための精製法は未だ知られていない。
片末端メトキシポリエチレングリコールの水酸基末端のアミノ基への変性は、当業界において公知の反応を利用する方法、例えば、エチレンイミン等を反応させる方法、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等にマイケル付加を行った後ニトリル基を還元しアミノ基に変換する方法、水酸基をハロゲン基に置換した後エタノールアミン等のアルコールアミンを反応させる方法、水酸基を直接ニトリル基に変換後還元しアミノ基に変換する方法等によって行うことができる。
末端をアミノ基に変性したポリエチレングリコール中には、変性が不完全である片末端ポリエチレングリコール類、例えば末端が水酸基である片末端ポリエチレングリコールや末端にアクリロニトリルが付加した片末端ポリエチレングリコール等が含まれている。
これらの変性が不完全であるポリエチレングリコール類は、酸性の官能基をもつイオン交換体を用いることで分別除去することが可能である。用いるイオン交換体は酸性の官能基を持つものならば特に限定されないが、例えばイオン交換樹脂としてダイヤイオンSKIB(三菱化学社製)、ダイヤイオンPK−216(三菱化学社製)、ダイヤイオンWK−10(三菱化学社製)、ダイヤイオンWK20(三菱化学社製)、アンバーライト120B(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、アンバーライト200C(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、アンバーライトIRC−50(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、アンバーライトIRC76(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、ダウエックス50W(ダウケミカル社製)、ゲルイオン交換体としてSP−セファデックス(Sephadex)C−25(ファルマシア・バイオテク社製)、SP−Sephadex C−50(ファルマシア・バイオテク社製)、CM−Sephadex C−25(ファルマシア・バイオテク社製)、CM−Sephadex C−50(ファルマシア・バイオテク社製)、SP−トヨパール(Toyopearl)550(東ソー社製)、SP−トヨパール650(東ソー社製)、CM−Sephadex 550(ファルマシア社製)、CM−Sephadex 650(ファルマシア社製)等が使用でき、特にSP−Toyopearl 650、CM−Sephadex 650を用いるのが好ましい。
得られたポリエチレングリコールを精製する方法はバッチ法でもカラム法でも構わないが、好ましくはカラム法で行なう。即ち、末端を変性した片末端メトキシポリエチレングリコールを溶媒に溶解する。用いる溶媒はイオン交換に使用できるものならば特に制限はないが、水もしくは水−有機溶媒の混合溶媒、例えば水−メタノール、水−アセトニトリル等が好ましい。続いてH+フォームに再生した前記イオン交換体をカラムに充填したものに通液したのち、水もしくは水−有機溶媒の混合溶媒でカラムを洗浄し、変性が不完全なポリエチレングリコール類を除去する。その後に、塩基性物質を添加した溶媒、好ましくはアンモニア水あるいはアンモニア水−有機溶媒の混合溶媒で、吸着した末端がアミノ基に変性した片末端メトキシポリエチレングリコールを溶出させる。溶出した溶液を濃縮、凍結乾燥等適当な処理を行ない末端をアミノ基に変性した純度の高い片末端メトキシポリエチレングリコールを得る。
次に、末端をアミノ基に変性した片末端メトキシポリエチレングリコールと、例えば側鎖のカルボキシル基を保護したアミノ酸のN−カルボン酸無水物とを反応させ、ブロック共重合体を合成した後、必要に応じて無水酢酸等で末端のアミノ基をアセチル化する。その後、必要に応じて側鎖の保護基を脱保護して、ポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体を得る。
こうして得られたポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体には不純物としてポリ酸性アミノ酸が含まれているが、分配吸着樹脂により精製することが可能である。分配吸着樹脂としては、シリカゲル、ケイ酸塩粉末、炭化水素で修飾されたシリカゲル、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂等が挙げられるが、好ましくはスチレン−ジビニルベンゼン樹脂、更に好ましくはHP−20 SS(三菱化学社製)が用いられる。
得られたポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体を精製する方法はバッチ法でもカラム法でも構わないが、好ましくはカラム法でおこなう。即ち、ポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体を溶媒に溶解する。用いる溶媒はポリ酸性アミノ酸を解離させる塩基性をもち、かつ分配吸着樹脂に使用できるものならば特に制限はないが、アルカリ金属水酸化物水溶液もしくはアルカリ金属水酸化物水溶液−有機溶媒の混合溶媒、例えば水酸化ナトリウム水溶液−メタノール、水酸化ナトリウム水溶液−アセトニトリル等が好ましい。溶媒に溶解したポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体溶液を、分配吸着樹脂をカラムに充填したものに通液したのち、水酸化ナトリウム水溶液もしくは水酸化ナトリウム水溶液−有機溶媒の混合溶媒をカラムに通し、ポリ酸性アミノ酸を除去する。その後に、極性の小さい溶媒、例えば有機溶媒の比率を高めた水−有機溶媒の混合溶媒を用いて、吸着したポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体を溶出する。溶出した溶液を濃縮、凍結乾燥、および沈析等適当な後処理を行ない純度の高いポリエチレングリコール−ポリ酸性アミノ酸ブロック共重合体を得る。
本発明の第3の態様は、精製された、ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体とアントラサイクリン系制癌剤を縮合して得られる高分子担体に関する。該高分子担体としては、下記一般式(3)または(4)で表される高分子化合物が挙げられる。本発明にはこれらの塩も含まれる。
(式中、Rは水酸基またはアントラサイクリン系制癌剤残基を表し、R1は水素原子または低級アルキル基を表し、R2は結合基を表し、R3はメチレン基またはエチレン基を表し、R4は水素原子またはアミノ基の保護基を表し、nは5−1000、mは2−300、x+yは0−300の整数を示すが、x+yはmより大きくないものとする。)
本発明における一般式(3)または(4)の化合物のRとしては、水酸基またはアントラサイクリン系制癌剤残基が挙げられる。ブロック共重合体のポリ酸性アミノ酸部分において、その構成各部分の結合順序は限定されず、ランダムであっても規則的であってもよい。ブロック共重合体のポリ酸性アミノ酸部分の側鎖カルボン酸残基とアントラサイクリン系制癌剤残基との結合様式は特に限定されないが、アントラサイクリン系制癌剤のアミノ基とのアミド結合が好ましい。特にアントラサイクリン系制癌剤のアミノ糖部分の1級アミノ基によるアミド結合が好ましい。ポリ酸性アミノ酸部分の側鎖カルボン酸残基に対するアントラサイクリン系制癌剤の結合している割合は、1〜100%であり、ミセルを形成する能力を考慮すると、10〜60%が好ましく、30〜55%が特に好ましい。アントラサイクリン系制癌剤残基としては、ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ピラルビシン等の残基が挙げられるが、ドキソルビシン残基が好ましい。
R1、R2、R3、R4、nおよびmは前記と同様な範囲が好ましい。
また、x+yは0−300、好ましくは0−100、特に好ましくは0−50の整数を示し、x及びyは上記条件を満たす整数であれば0を含むいかなる値もとり得る。
また、本発明の第4の態様は、精製したポリエチレングリコールとポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体と反応助剤とを縮合させ、次いでこの縮合化合物を分離後、アントラサイクリン系制癌剤を反応させることによる高分子担体の製造法に関する。該高分子担体は、国際公開第WO97/12895号パンフレットに開示の方法、即ちブロック共重合体とアントラサイクリン系制癌剤をカルボジイミド型の脱水縮合剤で縮合することで得られるが、その際に活性中間体であるアシルイソ尿素が分子内転移してアシル尿素を副生し、アシル尿素が付加した高分子担体を生じる。ブロック共重合体と反応助剤との縮合化合物を分離することによりアシル尿素の副生を抑え、アシル尿素の付加の少ない高分子担体が提供可能となった。なお、アシル尿素の副生付加した量は、ガスクロマトグラフィーの注入口の温度を十分高くしておくことにより、アシル尿素から熱分解したイソシアネート誘導体を測定することで定量される。
上記製造法をより具体的に説明すると、精製したブロック共重合体を有機溶媒に溶解し、脱水縮合剤と反応助剤を添加し反応させ、反応により生じたアルキル尿素誘導体をろ過し、ろ液から活性エステル体を分離する。続いて、得られた活性エステル体に有機溶媒中でアントラサイクリン系制癌剤またはその塩を添加後、必要があれば塩基を加えて反応させ、反応溶液から高分子担体を単離する。有機溶媒としては、反応物が溶解すれば特に限定されないが、非水性極性溶媒が好ましく、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、ジメチルホルムアミドが好ましい。ブロック共重合体と反応助剤との縮合に用いられる脱水縮合剤としては、通常ペプチド合成に用いられる縮合剤が用いられるが、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等が好ましい。反応助剤としては通常ペプチド合成に用いられる反応助剤が用いられる。例えば、N−ヒドロキシ化合物が挙げられ、N−ヒドロキシスクシンイミドやN−ヒドロキシベンゾトリアゾール等が好ましい。用いる塩基としては、特に限定されないが、トリエチルアミン等の有機塩基が好ましい。アントラサイクリン系制癌剤としては、前記のアントラサイクリン系制癌剤残基を与えるアントラサイクリン系化合物が挙げられる。
更に本発明の第5の態様は、精製したポリエチレングリコールとポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体から製造される高分子担体が作るミセルの内核にアントラサイクリン系制癌剤が内包されているブロック共重合体−薬剤複合体を含んでなる高分子医薬製剤に関する。該アントラサイクリン系制癌剤としては、ダウノルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ピラルビシン等又はその塩が挙げられるが、ドキソルビシン又はその塩が好ましい。また、該ブロック共重合体−薬剤複合体が凍結乾燥物の形態で含まれる高分子医薬製剤も本発明の1つの態様である。前記高分子医薬製剤の製造方法は特に限定されないが、特開平7−69900号公報に記載されている製法、すなわちブロック共重合体とアントラサイクリン系制癌剤を溶解したジメチルホルムアミドと水の混合溶媒を透析膜を用いた透析操作及び限外ろ過膜を用いた限外ろ過操作に付し、必要に応じて凍結乾燥する方法を適用してもよい。又、エタノール等の水と混和可能な低沸点有機溶媒と水との混合溶媒にブロック共重合体とアントラサイクリン系制癌剤を溶解し、得られる溶液を濃縮することにより低沸点有機溶媒を留去して、必要に応じて凍結乾燥する方法でもよい。
本発明の第6の態様は、前記ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体中の不純物の定量に際し、該ブロック共重合体を溶媒に溶解し、この溶解液を樹脂処理し、その処理液をゲルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー処理する定量方法に関する。
本発明におけるポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体および該ブロック共重合体中の不純物については、すでに述べた通りである。
本発明において、不純物としてポリエチレングリコール類を定量分析する際のポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体を溶解する溶媒としては、ブロック共重合体を溶解できる任意の溶媒が利用できるが、好ましくは適当な塩によりpHが調整された水溶液、もしくはそれらと有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等との混合溶媒が用いられる。pHを調製するために使用する塩としては、通常使用される緩衝作用を有する塩が用い得るが、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸水素ナトリウム塩、フタル酸塩、トリス塩酸塩等が好ましい。
また、不純物としてポリアミノ酸を定量する際の溶媒としては、ポリエチレングリコール類を測定する際にポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体を溶解でき、側鎖のカルボン酸を解離させることができる任意の溶媒が利用できるが、好ましくは適当な塩によりpHが調整された水溶液、もしくはそれらと有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等との混合溶媒が用いられる。側鎖のカルボン酸を解離させるために溶媒のpHは5〜13が好ましく、そのために使用する塩としては、前記のリン酸塩、ホウ酸塩、炭酸水素ナトリウム塩、フタル酸塩、トリス塩酸塩等が用いられる。
本発明においてブロック共重合体に不純物として含まれるポリエチレングリコール類を定量する際に該ブロック共重合体の溶液を処理するための樹脂は、該ブロック共重合体のイオン解離基と対イオンを形成できるイオン交換樹脂、即ち陰イオン交換樹脂が好ましく、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、ジアルキルエタノールアミン類等の塩基性の官能基を持つものであれば特に制限されず使用し得る。分析法としてはカラム法でもバッチ法でも構わないが、好ましくはカラム法でおこなう。
カラム法ではオープンカラムにイオン交換樹脂、例えばダイヤイオンSA10A(三菱化学社製),ダイヤイオンPA318(三菱化学社製),ダイヤイオンSA20A(三菱化学社製),ダイヤイオンWA30(三菱化学社製),ダイヤイオンWA10(三菱化学社製)、アンバーライトIRA402(ローム・アンド・ハース ジャパン社製),アンバーライトMR904(ローム・アンド・ハース ジャパン社製),アンバーライトIRA410(ローム・アンド・ハース ジャパン社製),アンバーライトIRA93(ローム・アンド・ハース ジャパン社製),アンバーライトIRA68(ローム・アンド・ハース ジャパン社製)、ダウエックス66(ダウ・ケミカル日本社製)、セルロースイオン交換体,例えばCellex QAE(バイオラッド社製),Cellex PEI(バイオラッド社製),Cellex D(バイオラッド社製),Cellex DE52(バイオラッド社製)、ゲルイオン交換体,例えばQAE−Sephadex A25(ファルマシア・バイオテク社製),QAE−Sephadex A50(ファルマシア・バイオテク社製)、DEAE−Sephadex A25(ファルマシア・バイオテク社製),DEAE−Sephadex A50(ファルマシア・バイオテク社製)、DEAE−Separose CL−6B(ファルマシア・バイオテク社製)、DEAE−Bio Gel A(ファルマシア・バイオテク社製)等を充填して行う方法や、予めイオン交換樹脂が充填された、高速液体クロマトグラフィーによる前処理法に使用される市販のカートリッジ、例えばSep−Pak QMA(ウォーターズ社製),Sep−Pak NH2(ウォーターズ社製)、Bond Elut PSA(バリアン社製),Bond Elut DMA(バリアン社製),Bond Elut SAX(バリアン社製)等を用いる方法があるが、分析の容易さからカートリッジを用いるのが好ましい。特に好ましくはSep−Pak QMAを用いる。
該ブロック共重合体に不純物として含まれるポリエチレングリコール類の定量分析では、上記樹脂処理を経て樹脂に吸着せずに溶出してきたポリエチレングリコール類を、ゲルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによって分析結果を得ることが可能である。この方法では、溶出した溶液を高濃度に濃縮することが可能であるため、ポリエチレングリコール類を高感度で定量分析することが可能である。
本発明で不純物の定量に使用するゲルろ過カラムの担体としては、高速液体クロマトグラフィーで用いられるものであれば特に制限されないが,ブロック共重合体中の不純物のおおよその分子量に応じて適当な排除限界分子量のものが用いられる。ポリエチレングリコール類の定量用には,例えばShodex OHpak SB−803 HQ(昭和電工社製)、Shodex OHpak SB−802.5 HQ(昭和電工社製)、Shodex OHpak SB−804 HQ(昭和電工社製)等が使用でき、ポリ酸性アミノ酸の定量用には,例えばAsahipak GF−310 HQ(旭化成工業社製)、Asahipak GF−510 HQ(旭化成工業社製)等が使用できる。その他,Asahipak GS−320 HQ(旭化成工業社製)やShodex OHpak Q−802(昭和電工社製)等も使用できる。本発明において実施される高速液体クロマトグラフィーは、市販の高速液体クロマトグラフィー装置によって行なうことができる。
また、本発明におけるポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体に不純物として含まれるポリ酸性アミノ酸の定量に用いる該ブロック共重合体の溶液を処理する樹脂は、エーテル結合を持つ該ブロック共重合体を吸着する樹脂、即ち分配吸着樹脂が好ましく、シリカゲル、ケイ酸塩粉末、炭化水素で修飾されたシリカゲル、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂等が挙げられる。炭化水素で修飾されたシリカゲルとしては,炭素数1から30の炭化水素で修飾されたシリカゲルが好ましく,炭素数4から18の炭化水素で修飾されたシリカゲルが特に好ましい。
分析法としてはカラム法でもバッチ法でも構わないが、好ましくはカラム法でおこなう。また,市販の分配吸着樹脂を詰めたカラムも使用することができ,任意の大きさのものが使われる。更に,市販の分析用固相抽出カラム、例えばSep−Pak C18(ウォーターズ社製),Sep−Pak tC18(ウォーターズ社製),Sep−Pak C8(ウォーターズ社製)、Bond Elut C18(バリアン社製),Bond Elut C8(バリアン社製)等も用いることができ,特に好ましくはSep−Pak C18が用いられる。
該ブロック共重合体に不純物として含まれるポリ酸性アミノ酸の定量は、カルボン酸を解離するような溶媒で溶解した溶液を上記樹脂処理にかけ、樹脂に吸着せずに溶出してきたポリ酸性アミノ酸を、ゲルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーで定量することによって可能である。この方法は、溶出した溶液を高濃度に濃縮することができるため、ポリ酸性アミノ酸を高感度で定量分析することが可能である。
なお、これらの分析法を用いて実際に、上記精製工程を経て得られたポリエチレングリコール類とポリアスパラギン酸とのブロック共重合体と従来のポリエチレングリコール類とポリアスパラギン酸とのブロック共重合体のそれぞれに含まれるポリエチレングリコール類およびポリアスパラギン酸の量を測定したところ、結果は以下の通りであった。
実施例
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。ただし、この発明は以下の例に限定されるものではない。
製造例1
H+フォームに再生したToyopearl 650M(900mL)をガラスカラムに充填した。片末端メトキシ−片末端3−アミノプロポキシポリエチレングリコール(重量平均分子量5287)29.97gを1.98リットルの10%アセトニトリル水に溶解し、この溶液をカラムに通液した。1.6リットルの10%アセトニトリル水でカラムを洗浄したのち、10%アセトニトリル含有−0.4Mアンモニア水で展開した。目的化合物を含む分画を集め、減圧下濃縮後、凍結乾燥し、精製された片末端メトキシ−片末端3−アミノプロポキシルポリエチレングリコール25.71gを得た。
製造例2
製造例1で得られた精製片末端メトキシ−片末端3−アミノプロポキシルポリエチレングリコール23.32gをジメチルスルホキシド(DMSO)466mLに溶解し、35℃に加温した。β−ベンジルL−アスパルテート−N−カルボン酸無水物(BLA−NCA)42.87gを加え、22時間反応を行った。反応混合物をジイソプロピルエーテル(IPE)3.73リットルとエタノール(EtOH)0.93リットルの混合溶媒中に滴下し、析出した沈澱を、ろ過し、IPEとEtOHの混合溶液(4:1)およびIPEで洗浄したのち、真空乾燥し片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリ(β−ベンジルL−アスパルテート)共重合体54.29g(アスパラギン酸ユニット(単位)数29.0)を得た。
製造例3
製造例2で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリ(β−ベンジルL−アスパルテート)共重合体52.85gをジメチルホルムアミド529mLに溶解し、35℃に加温した。無水酢酸2.50mLを加え、3時間反応を行った。反応混合物をジイソプロピルエーテル(IPE)4.76リットルとエタノール(EtOH)0.53リットルの混合溶媒中に滴下し、析出した沈澱を、ろ過し、IPEとEtOHの混合溶液(9:1)およびIPEで洗浄したのち、真空乾燥し片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリ(β−ベンジルL−アスパルテート)共重合体N−アセチル化物51.67gを得た。
製造例4
製造例3で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリ(β−ベンジルL−アスパルテート)共重合体N−アセチル化物50.19gをアセトニトリル753mLおよび0.2規定水酸化ナトリウム溶液2.16リットルで5時間反応させた。反応混合物を2規定塩酸で中和後、減圧下濃縮してアセトニトリルを除去したのち、酢酸エチル1.2リットルで3回抽出を行う。水層を濃縮したのち、溶液量を1.3リットルとし、さらに6規定水酸化ナトリウム11mLを加え塩基性とした水溶液を、十分洗浄したHP−20 SSカラム(2リットル)に通液した。0.01規定水酸化ナトリウム水溶液(8リットル)、水(3リットル)で洗浄後、50%アセトニトリル−水(6リットル)で溶出する。目的化合物を含む分画を集め、減圧下濃縮し、H+フォームに再生したDowex50W8(520mL)に通液し、50%アセトニトリル−水(1リットル)で洗浄した。溶出した溶液をさらに減圧下濃縮したのち凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品をジメチルホルムアミド(DMF)320mLに溶解し、ヘキサン2.56リットルと酢酸エチル0.64リットルの混合溶媒中に滴下した。析出した沈澱を、ろ過し、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶液(4:1)およびヘキサンで洗浄したのち、真空乾燥し片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物33.20gを得た。
製造例5
製造例4で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物28.85gをジメチルホルムアミド577mLに溶解し、35℃に加温した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)19.75g、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)11.01gを加え、1時間反応させた。生成したジシクロヘキシルウレアを綿栓ろ過した。得られたろ液を酢酸エチル2.3リットルで希釈したのち、ヘキサン3.5リットルを添加した。析出した沈殿をろ過し、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)溶液で洗浄後、真空乾燥することで、片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物−HOSu活性エステル体33.82gを得た。
製造例6
製造例5で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物−HOSu活性エステル体33.73gをジメチルホルムアミド1.35リットルに溶解し、35℃に加温した。塩酸ドキソルビシン26.13gを粉末のまま添加し、反応液に懸濁させた後、トリエチルアミン8.16mLを添加し、1時間反応を行なった。反応混合物を酢酸エチル4.0リットル、ヘキサン16.0リットルの混合溶媒中に滴下し、析出した沈殿をろ過し、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)溶液で洗浄後、真空乾燥した。次に得られた沈殿をアセトニトリル590mLに懸濁させた後、水1780mLを加え、35℃で加温攪拌する。沈殿が溶解したことを確認してから1時間攪拌を続けた後、反応溶液を減圧下濃縮しアセトニトリルを除去し、凍結乾燥した。得られた凍結乾燥品をジメチルホルムアミド1.074リットルに再溶解し、溶液を酢酸エチル2.15リットル、ヘキサン8.60リットルの混合溶媒中に滴下した。析出した沈殿をろ過し、ヘキサン:酢酸エチル(3:1)溶液で洗浄後、真空乾燥する。最後に得られた沈殿を無水エタノール1074mLに懸濁させ、35℃で2時間攪拌したのち、懸濁液をろ過し、無水エタノールで洗浄後、真空乾燥することで片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物−ドキソルビシン縮合体45.39gを得た。このブロック共重合体のポリアスパラギン酸部分の側鎖カルボン酸残基に対するドキソルビシンの結合している割合は、およそ47%であった。
製造例7
製造例6で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物−ドキソルビシン縮合体20.00gに注射用水100mLを加え、35℃に加温し懸濁させた。0.5N水酸化ナトリウム溶液を6.0mL加え攪拌した後、無水エタノール100mLを加えた。ブロック共重合体が溶解したことを確認した後、塩酸ドキソルビシン3.906gを添加し溶解させた。0.5N水酸化ナトリウム5.9mLを加えpHを6に調整し、注射用水188mLを加えた。1時間後、溶液をメンブランフィルター(ミリポア;GVタイプ0.22μm)にてろ過した後、減圧下溶媒を留去しブロック共重合体−薬剤複合体の溶液を得、更に凍結乾燥を行い、ブロック共重合体−薬剤複合体の凍結乾燥物22.96gを得た。
実施例1
製造例4で得られたブロック共重合体10.3mgを10mM酢酸緩衝液(pH7.0,1mL)に溶解し、1.0043gのブロック共重合体溶液を得た。このうち0.7491gをあらかじめメタノール、水、10mM酢酸緩衝液(各5mL)を通液したSep−Pak QMAカラム(ウオーターズ社製)に通し、さらに10mM酢酸緩衝液(3mL)で洗浄する。素通り分画と洗浄の分画をあわせて4.1171gの溶液を得た。この溶液を以下の条件の、ゲルろ過カラムを装着した高速液体クロマトグラフィーによって定量した。含まれるポリエチレングリコール類は0.1005mg(1.3重量%)であった。
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カラム:Shodex OHpak SB803 + SB−G(昭和電工社製)
カラム温度:40℃
移動相:100mM塩化ナトリウム水溶液
流速:0.5mL/分
検出器:示差屈折率検出器
注入量:50μL
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実施例2
製造例4で得られたブロック共重合体10.3mgを100Mmリン酸緩衝液(pH7.0,1mL)に溶解しブロック共重合体溶液を得た。これをあらかじめメタノール、水、100mMリン酸緩衝液(各5mL)を通液したSep−Pak C18カラム(ウオーターズ社製)に通し、さらに100mMリン酸緩衝液(3mL)で洗浄する。素通り分画と洗浄の分画をあわせて4.1735gの溶液を得た。この溶液を以下に示した条件の、ゲルろ過カラムを装着した高速液体クロマトグラフィーによって定量した。含まれるポリアスパラギン酸は0.250mg(2.4重量%)であった。
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カラム:Asahipak GF310 HQ + Asahipak GF−1B(旭化成工業社製)
カラム温度:40℃
移動相:100mMリン酸緩衝液(pH7.0)
流速:0.5mL/分
検出器:示差屈折率検出器(もしくはUV検出器)
注入量:50μL
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実施例3
製造例6で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物−ドキソルビシン縮合体50mgを精秤し、4%SDS:アセトニトリル(1:1)溶液25mLで溶解した。この溶液を以下に示した条件の高速液体クロマトグラフィーによって分析したところ、遊離塩酸ドキソルビシン含量1.29重量%、ドキソルビシン由来の不純物0.15重量%(吸光度に基づく塩酸ドキソルビシン換算)であることが明らかになった。
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カラム:カプセルパックC18UG80 5μm(資生堂社製)i.d.4.6mm×150mm
カラム温度:40℃
移動相:(A)0.2%リン酸、0.15%SDS/H2O:CH3CN=7:3
(B)0.2%リン酸、0.15%SDS/H2O:CH3CN=3:7
グラジェント:B%(分);25(0)、25(13)、100(30)、100(40)
流速:1.0mL/分
検出:UV(254nm)
注入量:20μL
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実施例4
製造例6で得られた片末端メトキシポリエチレングリコール−ポリアスパラギン酸共重合体N−アセチル化物−ドキソルビシン縮合体30mgを精秤し、ジメチルホルムアミド1mLで溶解した。この溶液を下表に示した条件のガスクロマトグラフィーにて分析した。転移して結合しているジシクロヘキシル尿素誘導体は0.08%以下(検出限界以下)であった。
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カラム:TC−1(ジーエルサイエンス社製)、30m×0.25mm i.d.、膜厚0.25μm
移動相:ヘリウム 0.8mL/分
カラム温度:70℃、3℃/分、88℃、15℃/分、180℃(5分)
注入口:290℃
検出器:FID(290℃)
注入量:スプリット(20:1)、1μL
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発明の効果
本発明によって、ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体に不純物として含まれるポリエチレングリコール類およびポリ酸性アミノ酸を除去した純度の高いブロック共重合体の提供が可能となり、それらとアントラサイクリン系制癌剤の縮合した、薬剤や遺伝子の担体として医薬用にも用い得る高分子担体を製造することができ、更に該高分子担体の形成するミセルの内核にアントラサイクリン系制癌剤を内包する高分子医薬製剤を提供することができる。
本発明によって除去されるブロック共重合体に含まれる不純物は、ミセル形成等の機能を果たさないことは明らかであり、これらを除去した高分子担体は優れた性能を有すると考えられる。また、この純度の高い高分子担体を用いて得られる高分子製剤は臨床で使用可能な高純度の医薬製剤となり得る。
また、本発明によって、該ブロック共重合体中の不純物であるポリエチレングリコール類および側鎖にカルボン酸を持つポリ酸性アミノ酸の定量が可能となり、ブロック共重合体の製造法の改良、製造規格の策定や工程管理に有用な情報を得ることができる。
Claims (19)
- 不純物の含有率が10重量%以下であることを特徴とする、ポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体またはこれらの塩。
- 不純物がポリエチレングリコール類およびポリ酸性アミノ酸類である請求項1記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
- ポリ酸性アミノ酸がポリアスパラギン酸である請求項1または2に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
- 一般式(1)のR1が炭素数1〜5のアルキル基、R2が炭素数1〜5のアルキレン基、R3がメチレン基またはエチレン基、R4が水素原子または炭素数1〜5のアシル基であり、nは5−1000、mは2−300、xは0−300の整数を示すが、xはmより大きくないものとする請求項4に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
- 一般式(1)のR1がメチル基、R2がトリメチレン基、R3がメチレン基、R4がアセチル基であり、nは20−500、mは10−100、xは0−100の整数を示すが、xはmより大きくないものとする請求項4に記載のブロック共重合体またはこれらの塩。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブロック共重合体またはこれらの塩の製造法であって、ポリエチレングリコール誘導体をイオン交換樹脂により精製し、ブロック共重合体とし、必要に応じて保護基を除去した後、分配吸着樹脂を用いて精製することを特徴とする前記製造法。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブロック共重合体のポリ酸性アミノ酸とアントラサイクリン系制癌剤残基が縮合されていることを特徴とする高分子担体。
- ポリ酸性アミノ酸とアントラサイクリン系制癌剤残基との縮合が、ポリ酸性アミノ酸の側鎖カルボン酸とアントラサイクリン系制癌剤残基の縮合である請求項8記載の高分子担体。
- アントラサイクリン系制癌剤残基がドキソルビシン残基である請求項8又は9に記載の高分子担体。
- ポリ酸性アミノ酸におけるアントラサイクリン系制癌剤残基の結合割合が、30〜55%である請求項8又は9に記載の高分子担体。
- 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の高分子担体の製造法であって、請求項1乃至6に記載のブロック共重合体と反応助剤の縮合化合物を分離後、該縮合化合物にアントラサイクリン系制癌剤を反応させることを特徴とする高分子担体の製造法。
- アントラサイクリン系制癌剤がドキソルビシンまたはその塩である請求項12に記載の高分子担体の製造法。
- 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の高分子担体が作るミセルの内核にアントラサイクリン系制癌剤が内包されているブロック共重合体−薬剤複合体を含んでなる高分子医薬製剤。
- アントラサイクリン系制癌剤がドキソルビシン又はその塩である請求項14に記載の高分子医薬製剤。
- 前記ブロック共重合体−薬剤複合体が凍結乾燥物の形態で含まれることを特徴とする請求項14又は15に記載の高分子医薬製剤。
- 請求項1に記載のポリエチレングリコール類とポリ酸性アミノ酸とのブロック共重合体における不純物の定量方法であって、該ブロック共重合体を溶媒に溶解し、この溶解液を樹脂処理し、その処理液をグルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー処理することを特徴とする定量方法。
- 溶媒が水と混和する有機溶媒を含んでいてもよい水であり、樹脂がイオン交換樹脂であり、不純物がポリエチレングリコール類である請求項17に記載の定量方法。
- 溶媒が水と混和する有機溶媒を含んでいてもよい水であり、樹脂がエーテル結合を有する化合物を吸着できる分配吸着樹脂であり、不純物がポリ酸性アミノ酸である請求項17に記載の定量方法。
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