JPH09501674A - ミトマイシンを組み込む薬配達薬剤 - Google Patents

ミトマイシンを組み込む薬配達薬剤

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JPH09501674A JP7506852A JP50685294A JPH09501674A JP H09501674 A JPH09501674 A JP H09501674A JP 7506852 A JP7506852 A JP 7506852A JP 50685294 A JP50685294 A JP 50685294A JP H09501674 A JPH09501674 A JP H09501674A
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パオロ フェルート
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    • A61K47/65Peptidic linkers, binders or spacers, e.g. peptidic enzyme-labile linkers

Abstract

(57)【要約】 キャリヤーポリマー及びアジリジン環含有ミトマイシン(MMC)薬分子の配合体を、MMC分子をそれらのアジリジンイミノ基を経由して保護アミノ基で終わるスペーサー基に結合させ、前記アミノ基を脱保護し、スペーサー−MMC誘導体を回収しそして精製し、そして次にこれらの誘導体を前記脱保護末端アミノ基を経由してキャリヤーポリマーに結合させることによって製造する。その代わりに、MMCをまず活性化剤、例えばカルボジイミダゾールによって処理して活性化MMC誘導体を生成させ、次にこれをキャリヤーポリマーに結合されたスペーサー基に直接に結合させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】 ミトマイシンを組み込む薬配達薬剤発明の分野 本発明は、化学療法、殊に癌の化学療法における使用のための薬製品の分野に 関する。更に詳細には、本発明は、生物系において比較的不活性なポリマー状薬 キャリヤーとして役立つことができる巨大分子に結合スペーサー基を通して共有 結合されたアジリジン環含有ミトマイシン化合物、例えば抗腫瘍性薬ミトマイシ ン−C(MMCと略称する)を含むポリマー/薬配合体の形の薬配達薬剤を提供 することに関する。 背景 以下に示す構造式を有するミトマイシン−Cは、有望な抗腫瘍薬、多数のヒト の癌に対して効果的であるように思われる細胞に有毒な薬剤であるとしてかなり の期間知られてきた。結腸直腸のそしてその他の癌の治療のためにそれを使用す る方法を開発することに現在のところ特別な関心がある。しかしながら、これま でのところ、その臨床適用は、自由な薬として投与される時の受け入れられない レベルの一般的毒性及び副作用のためにひどく限定されてきた。結果として、そ れは、一般に、低い投薬量でかつ他の薬と組み合わせてだけ臨床的には使用され てきた。 臨床的な使用のためのミトマイシン−Cのこれらの欠点を減少させるのを、そ して薬がその効果が必要とされる特別な組織を標的にすることを改善するのを望 みとして、ミトマイシン−Cの分子を共有結合を通して生物学的に適合性の巨大 分子又はポリマーに取り付け又は結合させることによって配合体化合物を生成さ せ、投与の後で、薬を関係する組織へ、好ましくは選択的なやり方で、輸送する ことができる薬配達薬剤を供給する巨大分子薬キャリヤーシステムを開発する幾 つかの試みが日本の研究グループによって既に為された。例えば、Y.Taka kuraら、Pharmaceutical Research,7,No.4 (1990);C.F.Roosら、International Journ al of Pharmaceutics,22(1984);並びに日本薬学 会の援助の下で福山大学、薬及び製薬科学学部によって1990年に発行された Y.Kaneoら、“Preparation and Properties of a Mitomycin−C albumin Conjugate” を参照せよ。 天然、合成又は半合成ポリマーの形の巨大分子が、それに結合することができ る生物活性薬分子のためのキャリヤーとして使用されて、受領者の体内での薬の 制御された又は継続された放出を可能にするのに適したスペーサー基及び生物分 解性共有結合を通してポリマー/薬配合体を形成する薬配達システムの一般的デ ザイン及び使用のための多くの提案が既に文献中に十分に記載されている。この ような放出は、ある場合には、通常は飲細胞活動のプロセスによって、ポリマー /薬配合体を取り込みそして吸収することができる特別な組織細胞内で実際に起 きる。体内で分布されるようになる又は循環することができる可溶性の生物学的 に不活性な巨大分子ポリマーキャリヤーに関しては少なくとも、このようなキャ リヤーが自然にある種の組織例えば腫瘍組織中に選択的に集積する傾向があるで あろうという事実の外に、特定の部位又は細胞表面レセプターを認識しそしてそ れらと相互作用することができ、それによってポリマー薬キャリヤーが、薬が作 用することを必要とされる組織又は細胞をもっと特異的に“標的にする”ことが できる、標的(targeting)部分又はデテルミナントと呼ばれるポリマ ーキヤリヤー、残基(residues)又は分子実体(entities)に 取り付く又は結合する可能性もまた存在する可能性がある。かくして、分子実体 例えばホルモン、抗体又は抗体破片、及びその他の蛋白質を含むことができるこ のような標的部分又はデテルミナントは、部位特異的薬配達を可能にすることが できる。一度標的場所に来ると、生物活性薬分子をポリマーキャリヤーに結合又 はカップリングしている結合の生物分解又は開裂によって、例えば細胞内酵素シ ステム、殊にリゾソーム酵素システムによって促進される加水分解的開裂と、そ れに引き続くキャリヤー/薬配合体の飲細胞活動吸収によって薬放出が起きるで あろう。 しかしながら、理論における巨大分子薬キャリヤーシステムは体内で分布を限 定するそして薬の放出を制御する可能性を与え、それによってそれらの治療指数 を改善するけれども、成功する実用的な応用のためには、所望の標的領域中で制 御された生物分解を受けることができる適切な薬/ポリマー結合を有する薬分子 の適切なペイロード(payload)を含む十分に規定された又は十分に特徴 付けられた巨大分子ポリマー配合体を再現性のあるやり方で信頼して製造するこ とができることが一般的には必須である。殊に後者の要件を満たすためには、薬 分子と主なポリマー連鎖との間に、例えば多数の分解性結合例えば加水分解性ペ プチド結合を含む、中間結合単位又はスペーサーを含むことが一般的には必須で ある。このような結合単位又はスペーサーの大きさ及び性質は、満足な薬放出特 徴を得るために非常に重要である可能性がある。 ミトマイシン−Cの巨大分子キャリヤー配合体を開発するための上で述べた日 本の研究グループによる既に報告された仕事においては、薬キャリヤーとして、 種々のポリマー、例えばデキストラン、ポリアミノ酸例えばポリ−L−グルタミ ン酸、ポリ−L−アスパラギン酸及びポリリジン、そしてまたウシの血清アルブ ミンが使用された。しかしながら、この以前の仕事においては、所望の配合体を 製造する努力のために採用された一般的戦略は、まずポリマーを改質して反応性 側鎖、殊に末端カルボン酸を含む側鎖を供給するスペーサー基を取り付け、それ に、合成手順の最後の段階において未改質のMMC分子を直接に結合させること を含んでいた。不幸なことに、これらの方法を使用して得られた最終生成物は、 種々の望まない副反応の発生によって複雑にされた、不確定な又は高度に変動す る組成の乏しくしか特性決定されない化学構造を有することが見い出された。ま た、この仕事の結果は、信頼性高く再現することが困難であることが見い出され た。一般に、親のポリマーから出発して一連の反応によって製造されたポリマー 誘導体の特性決定は、ポリマーの側鎖の基に対する殆どの反応が定量的ではない ので、簡単ではない。それ故、この合成方法は薬の応用のためには理想的ではな い。かくして、臨床使用のために適切である満足な十分に規定されたMMC/ポ リマー配合体の再現性あるやり方での実用的な製造又は合成はなお課題を提起す る。 従って、本発明の目的は、薬配達薬剤としての臨床上の使用のためにより良く 適切な十分に特性決定された化学構造を与えることができる、ミトマイシン化合 物例えばミトマイシン−Cの巨大分子ポリマーキャリヤー配合体を合成するため の改善方法を提供することである。発明の要約 本発明の一つの面によれば、ミトマイシン−C又はその他のアジリジン環含有 ミトマイシン化合物の分子に結合(linking)スペーサー単位を通して共 有結合されたポリマーキャリヤーを含むポリマー/薬配合体を合成するための方 法は、 (a)ミトマイシンアジリジン環>NH基を、脂肪族アミンと反応することが できる活性化基に活性化剤によって転換させることによって、又は前記スペーサ 一単位を与えるのに適切であるそして第一級アミン反応性アミノ基−NH2で終 わる側鎖に共有結合させることによってのどちらかによって、前記ミトマイシン 化合物の反応性誘導体を製造するステップ; (b)前記反応性ミトマイシン誘導体を、前記反応性ミトマイシン誘導体と共 有結合を形成する少なくとも一種の反応性基を含む前記ポリマーキャリヤーと、 前記活性化ミトマイシンアジリジン環>NH基を経由して又はミトマイシン化合 物の前記側鎖の前記第一級アミン反応性アミノ末端基を経由して反応させて、ポ リマー/薬配合体を製造するステップ によって特徴付けられる。 反応性ミトマイシン誘導体が前記スペーサー単位側鎖を含む、本発明によるこ の方法においては、側鎖の末端アミノ基が除去可能な保護基によって一時的に保 護されているミトマイシン化合物のこの誘導体又は先行する中間誘導体は、ポリ マーとの最後の結合反応の前に、一般に単離され、精製されそして十分に特性決 定されるであろう。 多くの好ましい実施態様においては、ポリマーキャリヤーはアミノ反応性側基 を含み、そして反応性アミノ基−NH2で終わる側鎖を含む反応性ミトマイシン 誘導体と反応させられ、それによって結合が起こりそしてポリマーキャリヤーと ミトマイシン分子の間に共有結合が確立され、その結果前記側鎖は事実確かに前 記結合単位又はスペーサーを与えるであろう。これらの好ましい実施態様におい ては、反応性ミトマイシン誘導体中の側鎖の第一級アミン末端アミノ基は、一般 に、未改質ミトマイシン分子のアジリジン第二級アミンイミノ基よりももっとず っと反応性であることが見い出された。これは、未改質ミトマイシン分子の直接 結合と比較して、反応性ポリマーとのより良い結合を達成することを可能にし、 そして得られる配合体は、十分に特性決定することができ、そして一般には構造 的に再現性があるであろう。増加した結合効率、並びに中間体単離及び精製ステ ップの可能性はまた、それが最小量の未結合ミトマイシン又はその他の不純物し か最終生成物中に存在しないことを導く点で重要である。 ポリマーキャリヤーとミトマイシン分子との間の共有結合、殊にミトマイシン 分子と側鎖スペーサーとの間の共有結合は、一般には、例えば酵素的又は加水分 解的開裂に敏感な生物分解性結合から成り、それによって活性ミトマイシン薬分 子が、治療の処置の過程の間に体内のそれらの標的(目標)の場所で放出される のを可能にするであろう。 本発明は、それらのすべてが略号“MMC”によってカバーされることが意図 されている、アジリジン環含有ミトマイシン化合物に一般的に適用可能であるけ れども、それは、現在のところ、特別な研究の主題であったミトマイシン化合物 であるミトマイシン−Cに特に関係する。従って、本明細書中では以後、本発明 を特にミトマイシン−Cに関して更に説明するが、一般に、特記しない限り、そ の説明は、また生物活性で良いその他のミトマイシン化合物にも等しく適用可能 であり、請求の範囲中で特定される本発明の範囲は、必ずしもミトマイシン−C に限定されるとは見なされない。 好ましくは、スペーサー基又は単位を供給するためのアミノ停止された側鎖を 含む反応性ミトマイシン誘導体を製造する際には、この側鎖を、ウレタン(−O −CO−)結合、アミド(−CO−)結合又は尿素(−NH−CO−)結合によ ってMMC分子のアジリジン>NH基と結合させる。かくして、本発明を実施す る際に生成されるこのようなMMC誘導体は、一般に、以下の構造式の一つによ って表すことができる: これらの誘導体、少なくとも構造式(a)及び(b)のものは、出発物質とし てヒドロキシアミン、H2N−R−OHN又はアミノ酸、H2N−R−COOHを 使用して好都合に製造することができる。これらの化合物は、まずヒドロキシル 又はカルボキシル基を活性化して、MMCアジリジン>NH基に結合するために 適切なもっと反応性の形にそれを転換させた後で、MMC分子に結合させること ができる。しかしながら、このような出発物質からのこれらの特別な誘導体の製 造に関する本発明の重要な特徴は、それらのヒドロキシル又はカルボキシル基の 活性化及び側鎖又はスペーサーのミトマイシン−Cへの結合の前に、末端アミノ 基を、MMC分子への損傷又はその分解なしで後で除去することができる適切な 保護基によって保護するということである。MMCは酸及び還元剤に対して敏感 であるので、除去のために酸処理又は水素化分解が必要とされるアミノ保護基は 適切ではない。好ましいアミノ保護基は、塩基、例えばトリアルキル又は第三級 アミン例えばトリエチルアミンによる温和な条件下での、即ちほぼ室温以下での 処理によって除去することができるフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fm oc)である。しかしながら、その他の適切な保護基、例えばアリルオキシカル ボニル基CH2=CH−CH2−O−CO−もまた使用することができ、そしてこ の基はアリルスカベンジャーとしてジメドン(5,5−ジメチル−1,3−シク ロヘキサンジオン)を使用するテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ ム(O)による処理によって温和な条件下で除去することができる。 かくして、必要とされる反応性MMC誘導体を製造するための典型的な反応機 構は、Zが活性化された基を表すとして、以下のように図示することができる: 活性化ステップのためには、脂肪族アミンのアミノ基と良く反応する誘導体を 製造する種々の活性化剤を使用することができる。典型的な例はカルボニルジー イミダゾール(CDI)であり、この場合にはZは反応性イミダゾリド基であろ う。CDIはしばしば好ましい活性化剤であろうが、その代わりに、ヒドロキシ ル基は、クロロホルメート例えば4−ニトロフェニルクロロホルメート、ペンタ フルオロフェニルクロロホルメート、スクシニミジルクロロホルメートなどとの 反応によって活性化させることができる。COOH基の活性化のためには、ペプ チド化学において良く知られたその他の方法を使用して酸を反応性誘導体に転換 させることができる。このような方法は、例えば、反応性エステル(例えば4− ニトロフェニルエステル、スクシンイミドエステルなど)又は混合無水物(例え ばイソブチルオキシカルボニル、ピバロイル...)の生成を含む。 −NH−CO−尿素結合を含む構造式(c)の誘導体を製造するためには、好 ましくは上の手順を変更して、まずMMCをCDI又はその他の活性化剤によっ て処理して、アジリジンNH基に結合した反応性イミダゾリド基、又はアミノ反 応性基を供給する。次に、これを過剰のジアミン化合物H2N−R−NH2と反応 させて構造式(c)を生成させる。この場合には、アミノ保護基は必要ない。 ミトマイシンを活性化剤例えばCDIによって処理してアジリジン>NHに結 合したアミノ反応性基を供給する技術はまた、このような活性化MMC分子がポ リマーキャリヤーのアミノ停止された側鎖又は基に直接に結合される本発明の他 の実施態様においても有用である。 本発明はまた、一般式 [式中、 Xは、結合−CO−、−O−CO−又は−NH−CO−であり、そして Yは、H又はアミノ保護基である] の、アミノ又は保護アミノ基が末端にある側鎖を有する本明細書中で開示されて いるようなミトマイシン誘導体を含む。 側鎖又はスペーサー単位の主な基Rの選択のためには、脂肪族及び芳香族部分 並びにアミノ酸又はオリゴペプチド連鎖を含む広い選択が可能である。例えば、 Yが水素である場合には、H2N−R−部分は、以下の任意のもの: H2N−(CH2)n−、 H2N−(CH2)n−CO−NH−、 H2N−Ph−CO−NH−(CH2)n− [式中、nは1〜20の範囲の整数である]、 を含んで良いか、又は H2N−Ph−であるか、又は アミノ酸若しくはオリゴペプチド連鎖である。 多くの場合には、ポリマーキャリヤーとミトマイシン分子の間の結合のために は、ペプチドスペーサーが好ましいであろうが、スペーサー基の中のペプチド単 位の数及びそのアミノ酸組成は、既に指摘したように、生体内での薬分子の安定 性及び放出特徴に対して重要な影響を有する可能性がある。これは、ポリマーキ ャリヤーとしてのポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](P HEG)に種々のトリペプチド又はテトラペプチドスペーサーを通して結合され たミトマイシン−C分子から成るポリマー/薬配合体に関して実施された幾つか の実験によって最も明確に示された。これらの配合体は、本発明に従ってまずペ プチドスペーサー基をMMCと結合させ、後者の反応性誘導体を供給することに よって製造された。容易に精製しそして特性決定することができたこれらの誘導 体を、次に、PHEGポリマーキャリヤーの上に結合させ、そしてMMC放出速 度に対するスペーサー組成の影響を調べるために、巨大分子ポリマー/MMC配 合体を、制御された条件下で緩衝ウシ血清中でそしてリゾソーム酵素(トリトソ ーム)の存在下で培養した。スペーサー基中に疎水性末端アミノ酸を有する配合 体は、親水性末端アミノ酸例えばグリシンを有するものよりも加水分解的に安定 であることが一般に見い出された。加えて、テトラペプチドスペーサー、殊にア ミノ酸配列gly−phe−leu−gly、gly−phe−ala−leu 又はala−leu−ala−leuを有するスペーサーは、トリペプチドスペ ーサーよりも良いリゾソーム酵素のための基体を供給することができ、そしてリ ゾソームプロテアーゼによって非常に急速に分解されて有利の薬を放出すること ができることが見い出された。 選択されるポリマーキャリヤーは、一般に、官能ヒドロキシル又はカルボキシ ル側基を含む無毒性ポリマーであろうし、そして天然ポリマー、合成ポリマー又 は半合成ポリマーで良い。ある場合には、ポリマーのカルボキシル基を直接にア ミノ停止された反応性MMC誘導体に、例えば適切な触媒例えばカルボジイミド の存在下で、結合させることが可能であるであろう。しかしながら、通常は、本 発明の好ましい実施態様においては、ヒドロキシル又はカルボキシル官能基を活 性化させてそれらを第一級脂肪族アミンアミノ基と容易に反応する形に転換させ ることによって、ポリマーをもっと反応性の誘導体にまず転換させるであろう。 これは、反応性MMC誘導体を製造する際に使用する活性化ステップに関連して 既に指摘したように、活性化剤例えば反応性イミダゾリド基を生成させるための カルボニルジイミダゾール(CDI)若しくは反応性p−ニトロフェノール基を 生成させるためのp−ニトロフェニルクロロホルメートを使用することによって 、又はペプチド化学において一般的に使用される種々のその他の既知の方法の一 つを使用することによって達成することができる。 ポリマーキャリヤーは、生物安定性又は生物分解性のどちらでも良い。適切な ヒドロキシル含有ポリマーは、多糖類例えばデキストラン及びプルラン例えば、 ポリ[N−ヒドロキシアルキルアクリルアミド]及びポリ[N−ヒドロキシアル キルメタクリルアミド]、ポリ(N−ヒドロキシアルキルグルタミン)、例えば ポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG)、ポリ[ N−ヒドロキシエチル)−アスパルトアミド]、ヒドロキシル末端停止された側 鎖又は側基を有するポリ(アミドアミン)、及びポリ(ホスファゼン)誘導体、 例えばポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)ホスファゼン]を含む。適切なカル ボキシル含有ポリマーは、−COOH側基を有するポリ(アミドアミン)誘導体 、ポリ(グルタミン酸)、スクシニル化ポリリジン、ビニルピロリドンと無水マ レイン酸とのコポリマー、スクシニル化ヒドロキシル含有ポリマーなどを含む。 ポリマーキャリヤーとしてのPHEGを基にした典型的な配合体は以下に示す ように表すことができ、ここで比x:yは例えば0〜3で変わることができる。 ポリマーは、平均で例えば数百〜数万又は数十万ドルトンの範囲の広範囲の分 子量を有することができる。しかしながら、生物学的なシステムにおける使用の ためには、それらが水溶性ポリマーであることが通常は好ましいであろう。 ポリマー連鎖に沿って生成されるアミノ反応性基の数は、使用される活性化試 薬の相対的な量又は分量によってそして反応条件によって一般には制御可能であ ろう。例えば、5℃でDMSO(ジメチルスルホキシド)/ピリジン中のp−ニ トロフェニルクロロホルメートを使用してp−ニトロフェニルカーボネート−O −CO−ONp(ONp=p−ニトロフェノキシ)又は環状カーボネート誘導体 [これらは両方とも第一級アミンと円滑に反応(アミノリシス)して対応するウ レタン誘導体をもたらす]を生成させる、デキストランの場合には、添加するク ロロホルメートの量及び反応条件を変えることによって、デキストラン連鎖中の 無水グルコシド単位の0%〜30%の任意の活性化パーセントを達成することが できる。 しかしながら、ポリマーのすべての活性化又は反応性官能基がアミノ末端停止 されたMMC誘導体への結合において必ずしも利用される必要はなく、そして前 に言及したように、幾らかは特定の部位又は細胞表面レセプターを識別するそし てそれらと相互作用することができる一以上の標的部分又はデテルミナントに結 合するために利用することができることが認識されるであろう。このような標的 部分又はデテルミナントへの結合は、MMC誘導体への結合の前又は後のいずれ かに実施することができ、これらの異なる分子実体の結合の程度又は度合いは、 再び、使用される試薬の相対的な量及び反応条件を調節することによって制御可 能である。 これらの十分に特性決定されたポリマー/MMC配合体中に組み込むために殊 に有用であるのは、腫瘍細胞の特異的細胞膜レセプターを識別し、かくして特異 的腫瘍標的のMMC配合体を合成することを可能にする際に効果的である抗体又 は抗体結合砕片又はオリゴペプチドのような標的部分又はデテルミナントである 。 MMCキャリヤーとして使用することができる可能な合成ポリマーの中でも 、その中で第三級アミノ及びアミド基がポリマー主鎖に沿って規則的に配列され ているポリ(アミドアミン)[例えばFerrutiら、“Advances in Polymer Science”(1984),58,57参照]は殊 に有用であろう。ブロックコポリマーを含んで良いそして有利なpH依存性の配 座特徴を有して良いこのようなポリ(アミドアミン)は、本明細書中で述べた方 法(例えばカルボニルジイミダゾールによる処理)によって活性化することがで きる−OH又は−COOH基で末端停止している吊り下がった側鎖を有する十分 に特性決定された形で一般には製造することができる。次に、これらは、本明細 書中で述べたようにして製造された反応性MMC誘導体に直接結合させて、満足 な配合体を供給することができる。 このようなポリ(アミドアミン)/MMC配合体を製造する際に、MMCを直 接に活性化剤例えばカルボニルジイミダゾール(CDI)によって処理すること によって反応性ミトマイシン誘導体を製造する場合には、所望ならばジアミシ化 合物によって供給されるスペーサー基又は単位を、MMC分子の側鎖として含め る代わりに、ポリマーの側鎖中に組み込んでポリマーを改質する(そのヒドロキ シル又はカルボキシル基の適切な活性化の後で)ことができる。例えば、繰り返 し単位 を含むポリアミドアミンに関しては、これを、まずCDI及び過剰のジアミン化 合物、例えばエチレンジアミン又はピペラジンによる処理によって、吊り下がっ た側鎖が、活性化剤としてのCDIによる処理によってまた生成されるミトマイ シンの活性化誘導体に直接に結合することができるアミン基で終わるように改質 することができる。ポリ(アミドアミン)の−OHで末端停止された吊り下がっ た側鎖の一つに関する一般的な反応機構は、以下のように図式的に表すことがで きる: a)CDIによって側鎖ヒドロキシル基を活性化すること及び過剰のジアミン と反応させることによって改質されたポリアミドアミン(PAA)を製造するこ と: b)CDIとの反応によるMMCの活性化誘導体の製造: c)改質されたPAAキャリヤーとMMCの活性化誘導体との反応: 本発明はまた、本明細書中で開示したようにして製造されたポリマー/MMC 配合体化合物(compounds)、殊にキャリヤーポリマーがミトマイシン −C薬分子及び“標的”部分の両方を含み、任意の適切なやり方での、例えば非 経口的な(例えば静脈注射での、筋肉注射でのそして皮下注射での)又は経口的 な投与のために作られた配合体化合物を含む製薬調合物又は組成物を含む。適合 性の製薬上受け入れられる添加剤、希釈剤又は賦形剤を供給する少なくとも一種 のその他の成分と多分一緒の、例えば治療上効果的な量又は投薬量のポリマー/ MMC配合体を含むこのような調合物は、製薬の技術において良く知られた任意 の方法によって製造することができる。 本発明はまた、明示的に又は暗示的にそして単独に又はお互いに組み合わせて 、本明細書中で開示したすべての新規なそして創意に富む特徴及び面を含み、そ して本発明の範囲は、例示の実施例によって又は単に叙述的な又は説明的な意味 で本明細書中で使用した術語及び表現によって限定されると考えられてはならな い。詳細な説明 本発明の一層の背景説明及び記述のために、幾つかの更に詳細な実施例を、本 発明による典型的なポリマー/MMC配合体の製造に関して本明細書中で以下に 提示する。 実施例1 第一ルートによるデキストラン−MMC配合体の合成 a)ミトマイシン−Cの6−N−[フルオレニルメチルオキシカルボニル]アミ ノヘキサノイル誘導体(化合物I)の製造 ミトマイシン−Cの6−N−[フルオレニルメチルオキシカルボニル]アミノ ヘキサノイル誘導体を、N−保護6−アミノヘキサン酸の活性化誘導体をミトマ イシン−Cと反応させることによって製造した。使用することができるこのカル ボン酸の幾つかの可能な活性化誘導体、例えば4−ニトロフェニルエステル、ペ ンタフルオロフェニルエステルなどの中で、この実施例においては、前記の酸を カルボニルジイミダゾールと反応させることによって製造されたイミダゾリド誘 導体を使用した。反応機構は以下の通りであった: 実験の部 10mlの乾いたテトラヒドロフラン(THF)中の0.2gのFmoc−ア ミノカプロン酸の溶液に、0.11gのカルボニルジイミダゾールを添加した。 この溶液を室温で1時間攪拌した。0.2mlのアリコートを取り出しそしてN MRによって分析した。定量的な転換が示された。次に、この反応媒体に、10 mlの乾いたTHF中の189mgのMMCの溶液を添加した。この溶液を暗所 でそして室温で2週間攪拌した。最後にこの溶液を濃縮し、そして反応混合物中 の所望の反応生成物を、シリカ上の分取吸着クロマトグラフィー(溶離液;CH Cl3/MeOH:9/1)によって分離した。 所望のMMC誘導体の収率は、添加したMMCを基にして45%であった。構 造を1H NMRによって確認した。b)4−ニトロフェニルクロロホルメート活性化デキストラン(化合物II)の 製造 例として、反応性カーボネートエステルによって5モル%のアンヒドログルコ ース単位が置換されたデキストラン誘導体の合成を説明する: 実験の部 20mlのDMSO/ピリジン(1/1、v/v)中の200mgのデキスト ランの溶液に、20mgの4−ニトロフェニルクロロホルメート及び5mgの4 −N,N−ジメチルアミノピリジンを添加した。この混合物を0℃で4時間攪拌 し、そして次に100mlのエタノール/エーテル(1/1)混合物中で沈殿さ せた。沈殿を収集しそして乾いたエーテルで繰り返し洗浄した。 滴定及びUV分光分析は、この誘導体が5モル%の反応性カーボネートエステ ルを含むことを示した。添加するクロロホルメートの量を調節することによって 、1〜30%の範囲で変わる置換の程度を有する反応性誘導体を製造することが できる。c)N−Fmoc−6−アミノヘキサノイルMMC誘導体の脱保護、及びポリマ ー配合体を製造するためのクロロホルメート活性化デキストランとの結合 3mlの乾いたジメチルスルホキシド中に溶かした20mgのN−Fmoc− アミノヘキサノイルミトマイシン−C誘導体(化合物I)の溶液に、0.5ml の乾いたトリエチルアミンを添加した。この混合物を室温で1時間攪拌し、そし て次に4−ニトロフェニルクロロホルメート活性化デキストラン(化合物II) のDMSO/ピリジン溶液に添加した。この混合物を室温で一晩攪拌した。次に 0.5mlのアミノエタノールを添加した。2時間の攪拌後に、反応混合物を1 :1エーテル/エタノール混合物中で沈殿させた。沈殿を収集しそして乾いたエ ーテルで繰り返し洗浄した。 ポリマー配合体中のMMC含量をUV分光法によって分析した。置換の程度( DS)は3モル%であることが分かった。d)類似の誘導体 類似のやり方で、アジリジン環N原子の上で置換されたその他のα,Ωアミノ カルボン酸を有するMMC誘導体を、上で述べたようにして製造することができ る。 実施例2 第二ルートによるデキストラン−MMC配合体の合成 a)2−N−(フルオレニルメチルオキシカルボニル)アミノエタノールの製造 20mlの10%Na2CO3中の0.5gの2−アミノエタノールの溶液に、 攪拌及び氷浴中での冷却をしながら、10mlのジオキサン中の1.96gのフ ルオレニルメチルオキシカルボニルクロリドの溶液を添加した。この混合物を室 温で2時間攪拌した。生成した沈殿を濾過によって除去し、水で洗浄し、そして 最後にP2O5の上で乾燥させた。構造を1H NMRによって確認した。b)MMCの2−N−Fmoc−アミノエチルオキシカルボニル誘導体(化合物 III)の製造 上で製造した100mgの2−N−Fmoc−アミノエタノールを15mlの 乾いたTHF中に溶かした。57mgのカルボニルジイミダゾールを添加し、そ してこの混合物を室温で2時間攪拌した。次に、10mlのTHF中に溶かした 118mgのMMCを添加した。攪拌を2週間継続した。最後に反応混合物を濃 縮し、そして所望の反応生成物を、シリカ上の分取吸収クロマトグラフィー(溶 離液;CHCl3/MeOH:9/1)によって単離した。使用したMMCを基 にした収率は42%であった。構造を1H NMRによって確認した。c)N−Fmoc−アミノエチルオキシカルボニルMMC誘導体の脱保護、及び クロロホルメート活性化デキストランとの結合 反応機構 実験の部 25mgのN−Fmoc−アミノエチルオキシカルボニルMMC誘導体を、5 mlの乾いたDMSO中に溶かした。0.2mlのトリエチルアミンを添加し、 そしてこの混合物を2時間攪拌した。次に、これを、20mlのDMSO/ピリ ジン中に溶かした200mgの4−ニトロフェニルクロロホルメート活性化デキ ストラン(化合物II−DS:5%)の溶液に添加した。攪拌を一晩継続した。 ポリマーを過剰のエーテル/エタノール(1/1)中で沈殿させ、濾過しそして 乾燥させた。NMR及びUV分析は、置換の程度(DS)が3モル%であること を示した。 実施例3 PHEG−オリゴペプチド−MMC配合体の合成 段階1.ペプチド−MMC誘導体の製造 すべてのペプチド−MMC誘導体は同じ戦略を使用して製造した。例として、 gly−phe−gly−MMCの合成を与える。a)ペプチドのFmoc保護 0.2gのgly−phe−gly(0.0725ミリモル)を、水/ジオキ サン混合物(容量比:2/1)中のNa2CO3の10%溶液の5ml中に溶かし 、そして氷浴中で冷却した。次に、1mlのジオキサン中に溶かした0.182 gのFmoc−Cl(0.7025ミリモル)を添加した。反応混合物を2時間 室温で攪拌しそして50mlの水に添加した。エーテル(20ml)による抽出 の後で、水性層を濃HClで酸性化した。白い沈殿を酢酸エチルで抽出した。合 わせた酢酸エチル留分を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発の後で、 保護ペプチドが固体として得られた(収率:85%)。生成物をDMSO−d6 中の1H NMR分光法(360MHz)によって特性決定した:δ=2.9p pm:HA CH2−phe、δ=3.2ppm:HB CH2-phe、δ=3. 7ppm:CH2−gly、δ=3.9ppm:CH2−gly、δ=4.2pp m:CH−Fmoc、δ=4.35ppm:CH2−Fmoc、δ=4.65p pm:CH−phe、δ=7.2ppm:芳香族プロトンphe、δ=7.3〜 7.8ppm:芳香族プロトンFmoc。 7.3〜7.8での信号(Fmocの芳香族プロトン)及びペプチド中の異な るアミノ酸の信号例えば7.1〜7.2ppm(pheの芳香族プロトン)の積 分値を比較することによって、完全な保護を確認することができた。反応の典型 的な収率:70〜80%。b)Fmoc−ペプチドのペンタフルオロフェニルエステルの合成 0.18gのFmoc−gly−phe−gly(0.355ミリモル)及び 0.078gのペンタフルオロフェノール(0.425ミリモル)を、3mlの 乾いたTHF中に溶かした。0℃に冷却した後で、0.073gのジシクロヘキ シルカルボジイミド(DCC)(0.355ミリモル)を添加した。反応物を0 ℃で2時間そして室温で一晩攪拌した。ジシクロヘキシル尿素(DCU)の濾過 及び溶液の濃縮の後で、エーテル/ヘキサンの1/1混合物中での沈殿によって 反応生成物が得られた。 すべてのその他のペプチドも同じ手順に従って反応性エステルに転換した。反 応性エステルはIR分光法(芳香族エステル:1790cm-1)及びTLC( 溶離液:CHCl3/MeOH 9/1)によって特性決定した。反応の典型的 な収率:80〜90%。c)MMC及び反応性エステルを一緒に結合すること 0.18gのFmoc−gly−phe−glyペンタフルオロフェニルエス テル(0.267ミリモル)及び0.089gのMMC9(0.267ミリモル )を5mlのDMF中に溶かし、そして0.1mlのピリジンを添加した。室温 暗所での48時間の反応の後で、溶媒を真空下で蒸発させ(温度は30〜40℃ を越えない)、そして残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(溶離液;C HCl3/MeOH:9/1)によって精製した。選ばれた留分をMgSO4上で 乾燥させた。溶媒の除去の後で、最後に、Fmoc−gly−phe−gly− MMC誘導体が青い固体として得られた。 MeOD−d4中の1H NMR:δ=1.7ppm:CH3-MMC、δ=2. 9ppm:HA CH2−phe、δ=3.1ppm:HB−phe+OCH3−M MC、δ=3.4〜3.65ppm:H2,H3’,H1 H9−MMC、δ= 3.65〜3.8ppm:CH2−gly、δ=3.85〜4.1ppm:CH2 :gly+H10−MMC、δ=4.2ppm:CH−Fmoc、δ=4.35 ppm:CH2−Fmoc、δ=4.45ppm:H3−MMC、δ=4.65 ppm:CH−phe、δ=4.75ppm:H10’−MMC、δ=7.15 ppm:芳香族プロトンphe、δ=7.25〜7.8ppm:芳香族プロトン Fmoc。 同じ方法を他のFmoc−ペプチド−MMC誘導体のために適用した。すべて の誘導体をMeOD−d4中の1H NMR分析によって特性決定した。MMC (CH3:1.7ppm)、Fmoc(芳香族プロトン:7.3〜7.8ppm )の最も重要な信号及びペプチド中の異なるアミノ酸からの信号の積分値を比較 し、そして完全な転換を観察した。反応の典型的な収率:60〜70%。d)Fmoc保護基の除去 0.05gのFmoc−gly−phe−gly−MMCを1mlのDMF中 に溶かし、0.1mlのトリエチルアミン(TEA)を添加した。室温での3時 間の反応後に、真空下で溶媒を蒸発させた(温度は30〜40℃を越えない)。 残渣を3mlのMeOH中に溶かし、そして溶液を濾過した。最後に、アミン含 有ペプチド−MMC配合体が、溶媒の蒸発後に得られた。MeOD−d4中での NMR分析の後で、Fmocからの信号は検出されず、すべてのその他の信号は 上で述べたのと同じ化学シフトを有していた。段階2.PHEGの合成 PHEGはポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート(PBLG)の2−アミノ −1−エタノールによるアミノリシスによって製造することができる。 PBLGは標準的な手順を使用して製造した:γ−ベンジル−L−グルタメ− トのN−カルボキシ無水物(NCA)をDalyの方法によって製造した。NC Aを、開始剤としてのトリエチルアミンの存在下でジオキサン中で室温で重合さ せた。3日間の重合後に、PBLGを過剰のエーテル中で沈殿させ、濾過しそし て乾燥させた。触媒としての2−ヒドロキシピリジン(20モル%)によるPB LGのアミノリシスを、溶媒としてのDMF中で実施した。反応混合物を室温で 48時間攪拌した。PHEGを過剰のエーテル中で沈殿させ、濾過しそして2日 間水に対して透析した。凍結乾燥後に、PHEGが白い粉末として得られた。デ キストラン標準品(MW=88500、33100及び10000)を使用する 水及び溶離液(TSK−G3000SW、G2000SW)によるゲルパーミエ ーションクロマトグラフィーによって分子量を測定した。数−及び重量−平均分 子量は、Mw=16500及びMn=13000であった。段階3.PHEGの4−ニトロフェニルクロロホルメート活性化 0.25gのPHEG(1.45ミリモル単位)及び16mgの4−ジメチル アミノピリジン(0.13ミリモル)を6.35mlのNMP/ピリジン溶液( 容量比4/1)中に溶かし、0.176gのクロロホルメート(0.87ミリモ ル)を0℃で添加した。0℃での4時間の反応後に、反応混合物を無水エーテル /エタノール混合物(容量比2/1)中で沈殿させた。白い沈殿を収集しそして 同じ混合物で繰り返し洗浄した。最後に生成物を乾燥させた。NaOH中のアル カリ性加水分解の後で実施したUV分析によって、カーボネート含量を測定した (λM=402mm、εM=18400 1mol-1cm-1)。段階4.ポリマー状−ペプチド−MMC配合体の製造 0.2gの活性化PHEG(4モル%)及び30mgのgly−phe−gl y−MMC(0.05ミリモル)を15mlのNMP/ピリジン溶液(容量比4 /1)中に溶かした。暗所での48時間の反応の後で、無水エーテル/エタノー ル混合物(容量比2/1)中での沈殿によって配合体を分離した。生成物を洗浄 しそして乾燥させた。最後に、水による分取GPC(Sephadex G25 )及び凍結乾燥によって、配合体を精製した。 配合体中のMMC置換の程度を水の中のUV分析によって測定した(λM=3 64mm、εM=22000 1mol-1cm-1)。 上で述べた機構によって製造された異なるポリマー状−ペプチド−MMC配合 体中のMMC置換のモル及び重量パーセントを以下の表中に示す。 上で述べたようにして製造されたPHEG/MMC配合体の試験は、オリゴペ プチドスペーサーはリゾソームのプロテアーゼによって、そしてまたコラゲナー ゼIV(腫瘍に伴う酵素)によって分解可能であり遊離のMMCを放出すること 、並びにこの酵素分解及び制御された放出は疎水性末端アミノ酸を有するテトラ ペプチドスペーサーに関しては酸性溶液(例えば約pH5.5)中で特に効果的 であることを確認した。また、これらのPHEG/MMC配合体はMMCそれ自 体よりも骨髄に対してはるかに毒性が低いことが示された。加えて、BALB/ cマウスを使用する生体内試験から、これらのPHEG−MMC配合体は、移植 されたC26結腸直腸癌細胞から生じる耐性の(solid)腫瘍に対する細胞 に有毒な薬剤として特に効果的であることが確立された。 実施例4 MMC−ポリアミドアミン配合体の製造 a)ポリアミドアミン(PAA)の製造 6.0267gの1,4−ビス(アクリロイル)ピペラジン(0.0310モ ル)、1.5328gのN,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジア ミン(0.0103モル)及び2.0720gの2−メチルピペラジン(0.0 207モル)を15mlの水の中に溶かす。反応混合物を30℃で窒素雰囲気下 で24時間放置せしめ、そして凍結乾燥させる(収量9.63g)。この時点で 、1.54gの凍結乾燥された生成物を20mlの無水N,N−ジメチルホルム アミド(DMF)中に溶かし、そして0.6413gの1,1’−カルボニルジ イミダゾール(純度:97%、0.0038モル)を添加する。反応混合物を2 5℃で30分間攪拌した後で、2.90gのピペラジン(0.0337モル)を 添加しそして60℃で12時間反応せしめる。後程、溶液をジエチルエーテル( 200ml)中に注ぐ。PAAの沈殿が起きる。上澄み液を除去し、そしてPA Aをジエチルエーテル(100ml)で洗浄する。この操作(洗浄及び上澄み液 除去)を更に3回繰り返す。最後に、生成物を真空下で注意深く一定重量:1. 61gまで乾燥させる。b)MMC−ポリアミドアミン(MMC−PAA)配合体の製造 0.1069gのミトマイシン−C(MMC)(0.320ミリモル)を1m lの無水DMF中に溶かした後で、0.0572gの1,1’ −カルボニルジ イミダゾール(純度:97%;0.0342ミリモル)を添加し、そして25℃ で暗所で2時間反応せしめる。次に、0.1844gの乾いたPAA(上の(a )において述べたようにして合成した)並びに3mlの無水DMFを添加する。 反 応混合物を30℃で窒素雰囲気下でそして暗所で90時間維持する。次に、それ をメタノール/DMFの1:1混合物で20mlまで希釈し、そして攪拌しなが ら酢酸エチル(200ml)中に注ぐ。攪拌を更に15分間実施し、上澄み液を 除去し、MMC−PAA配合体を10mlのメタノール/DMFの1:1混合物 中に溶かし、そして攪拌下で酢酸エチル(100ml)中に沈殿させ、攪拌を更 に15分間実施する。この操作(上澄み液の除去、溶解、沈殿及び攪拌)を更に 3回繰り返す。最後に、配合体を酢酸エチル(100ml)で洗浄し、上澄み液 を除去し、そして生成物を真空下で一定重量:0.1184gまで乾燥させる。 MMC−PAA付加物又は配合体中のMMC含量(loading)(約18 重量%)は、362nmでのMMC吸収を基にしたU.V.検量曲線によって評 価した。通常の分析技術(H.P.L.C.、G.P.C、T.L.C.)によ っては、遊離のMMCは検出することができなかった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1995年9月20日 【補正内容】 ミトマイシン−Cの巨大分子キャリヤー配合体を開発するための上で述べた白 本の研究グループによる既に報告された仕事においては、薬キャリャーとして、 種々のポリマー、例えばデキストラン、ポリアミノ酸例えばポリ−L−グルタミ ン酸、ポリ−L−アスパラギン酸及びポリリジン、そしてまたウシの血清アルブ ミンが使用された。しかしながら、この以前の仕事においては、所望の配合体を 製造する努力のために採用された一般的戦略は、まずポリマーを改質して反応性 側鎖、殊に末端カルボン酸を含む側鎖を供給するスペーサー基を取り付け、それ に、合成手順の最後の段階において未改質のMMC分子を直接に結合させること を含んでいた。不幸なことに、これらの方法を使用して得られた最終生成物は、 種々の望まない副反応の発生によって複雑にされた、不確定な又は高度に変動す る組成の乏しくしか特性決定されない化学構造を有することが見い出された。ま た、この仕事の結果は、信頼性高く再現することが困難であることが見い出され た。一般に、親のポリマーから出発して一連の反応によって製造されたポリマー 誘導体の特性決定は、ポリマーの側鎖の基に対する殆どの反応が定量的ではない ので、簡単ではない。それ故、この合成方法は薬の応用のためには理想的ではな い。かくして、臨床使用のために適切である満足な十分に規定されたMMC/ポ リマー配合体の再現性あるやり方での実用的な製造又は合成はなお課題を提起す る。 従って、本発明の目的は、薬配達薬剤としての臨床上の使用のためにより良く 適切な十分に特性決定された化学構造を与えることができる、ミトマイシン化合 物例えばミトマイシン−Cの巨大分子ポリマーキャリヤー配合体を合成するため の改善方法を提供することである。発明の要約 本発明の一つの面によれば、ミトマイシン−C、又はそのアジリジン環中に> NH基を含むその他の治療上活性なミトマイシン化合物の分子に結合(link ing)スペーサー単位を通して共有結合された生物学的に不活性な巨大分子の 形のポリマーキャリヤーから成るポリマー/薬配合体を合成するための方法は、 (a)ミトマイシンアジリジン環>NH基を、脂肪族アミンと反応することが できる活性化基に活性化剤によって転換させることによって、又は前記スペーサ ー単位を与えるのに適切であるそして第一級アミン反応性アミノ基−NH2で終 わる側鎖に共有結合させることによってのどちらかによって、前記ミトマイシン 化合物を改質してその反応性誘導体を製造する第一ステップ;そして次に、引き 続く別の段階において、 (b)前記反応性ミトマイシン誘導体を、少なくとも一種の反応性基を含む形 で提供される前記ポリマーキャリヤーと反応させ、それによって前記ポリマーキ ャリヤー反応性基と前記反応性ミトマイシン誘導体との間に、前記活性化ミトマ イシンアジリジン環>NH基を経由して又はミトマイシン化合物の前記側鎖の前 記第一級アミン反応性アミノ末端基を経由して、共有結合による結合を確立し、 そしてそれによって前記ポリマー/薬配合体を製造する第二ステップ によって特徴付けられる。 反応性ミトマイシン誘導体が前記スペーサー単位側鎖を含む、本発明によるこ の方法においては、側鎖の末端アミノ基が除去可能な保護基によって一時的に保 護されているミトマイシン化合物のこの誘導体又は先行する中間誘導体は、ポリ マーとの最後の結合反応の前に、一般に単離され、精製されそして十分に特性決 定されるであろう。 多くの好ましい実施態様においては、ポリマーキャリヤーはアミノ反応性側基 を含み、そして反応性アミノ基−NH2で終わる側鎖を含む反応性ミトマイシン 誘導体と反応させられ、それによって結合が起こりそしてポリマーキャリヤーと ミトマイシン分子の間に共有結合が確立され、その結果前記側鎖は事実確かに前 記結合単位又はスペーサーを与えるであろう。これらの好ましい実施態様におい ては、反応性ミトマイシン誘導体中の側鎖の第一級アミン末端アミノ基は、一般 に、未改質ミトマイシン分子のアジリジン第二級アミンイミノ基よりももつとず っと反応性であることが見い出された。これは、未改質ミトマイシン分子の直接 結合と比較して、反応性ポリマーとのより良い結合を達成することを可能にし、 そして得られる配合体は、十分に特性決定することができ、そして一般には構造 的に再現性があるであろう。 ブロックコポリマーを含んで良いそして有利なpH依存性の配座特徴を有して良 いこのようなポリ(アミドアミン)は、本明細書中で述べた方法(例えばカルボ ニルジイミダゾールによる処理)によって活性化することができる−OH又は− COOH基で末端停止している吊り下がった側鎖を有する十分に特性決定された 形で一般には製造することができる。次に、これらは、本明細書中で述べたよう にして製造された反応性MMC誘導体に直接結合させて、満足な配合体を供給す ることができる。 このようなポリ(アミドアミン)/MMC配合体を製造する際に、MMCを直 接に活性化剤例えばカルボニルジイミダゾール(CDI)によつて処理すること によつて反応性ミトマイシン誘導体を製造する場合には、所望ならばジアミン化 合物によって供給されるスペーサー基又は単位を、MMC分子の側鎖として含め る代わりに、ポリマーの側鎖中に組み込んでポリマーを改質する(そのヒドロキ シル又はカルボキシル基の適切な活性化の後で)ことができる。例えば、繰り返 し単位 を含むポリアミドアミンに関しては、これを、まずCDI及び過剰のジアミン化 合物、例えばエチレンジアミン又はピペラジンによる処理によつて、吊り下がっ た側鎖が、活性化剤としてのCDIによる処理によってまた生成されるミトマイ シンの活性化誘導体に直接に結合することができる、反応性基であるアミン基で 終わるように改質することができる。ポリ(アミドアミン)の−OHで末端停止 された吊り下がった側鎖の一つに関する一般的な反応機構は・以下のように図式 的に表すことができる: ポリマーを過剰のエーテル/エタノール(1/1)中で沈殿させ、濾過しそして 乾燥させた。NMR及びUV分析は、置換の程度(DS)が3モル%であること を示した。 実施例3 PHEG−オリゴペプチド−MMC配合体の合成 段階1.ペプチド−MMC誘導体の製造 すべてのペプチド−MMC誘導体は同じ戦略を使用して製造した。例として、 gly−phe−gly−MMCの合成を与える。a)ペプチドのFmoc保護 0.2gのgly−phe−gly(0.0725ミリモル)を、水/ジオキ サン混合物(容量比:2/1)中のNa2CO3の10%溶液の5ml中に溶かし 、そして氷浴中で冷却した。次に、1mlのジオキサン中に溶かした0.182 gのFmoc−Cl (0.7025ミリモル)を添加した。反応混合物を2時 間室温で攪拌しそして50mlの水に添加した。エーテル(20ml)による抽 出の後で、水性層を濃HClで酸性化した。白い沈殿を酢酸エチルで抽出した。 合わせた酢酸エチル留分を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒の蒸発の後で 、保護ペプチドが固体として得られた(収率:85%)。生成物をDMSO−d 6中の1H NMR分光法(360MHz)によって特性決定した:δ=2.9 ppm:HA CH2-phe、δ=3.2ppm:HB CH2-phe、δ=3. 7ppm:CH2-gly、δ=3.9ppm:CH2-gly、δ=4.2ppm :CH−Fmoc、δ=4.35ppm:CH2−Fmoc、δ=4.65pp m:CH−phe、δ=7.2ppm:芳香族プロトンphe、δ=7.3〜7 .8ppm:芳香族プロトンFmoc。 7.3〜7.8での信号(Fmocの芳香族プロトン)及びペプチド中の異な るアミノ酸の信号例えば7.1〜7.2ppm(pheの芳香族プロトン)の積 分値を比較することによって、完全な保護を確認することができた。反応の典型 的な収率:70〜80%。 請求の範囲 1. ミトマイシン−C、又はそのアジリジン環中に>NH基を含むその他の治 療上活性なミトマイシン化合物の分子に結合スペーサー単位を通して共有結合さ れた生物学的に不活性な巨大分子の形のポリマーキャリヤーから成るポリマー/ 薬配合体を合成するための方法であって、 (a) (i) 前記ミトマイシン化合物を活性化剤と反応させて、ミトマイシンアジ リジン環>NH基を脂肪族アミンと反応することができる活性化基に転換させる ことによって、又は (ii)ミトマイシンアジリジン環>NH基を共有結合によって、前記スペー サー単位を与えるのに適切であるそして第一級アミン反応性アミノ基−NH2で 終わる側鎖に結合させることによってのどちらかによって 前記ミトマイシン化合物を改質してその反応性誘導体を製造する第一ステップ、 そして次に、引き続く別の段階において、 (b)前記反応性ミトマイシン誘導体を、少なくとも一種の反応性基を含む形 で提供される前記ポリマーキャリヤーと反応させ、それによって前記ポリマーキ ャリヤー反応性基と前記反応性ミトマイシン誘導体との間に、前記活性化ミトマ イシンアジリジン環>NH基を経由して又はミトマイシン化合物の前記側鎖の前 記第一級アミン反応性アミノ末端基を経由して、共有結合による結合を確立し、 そしてそれによって前記ポリマー/薬配合体を製造する第二ステップ によって特徴付けられる方法。 2. ポリマー/薬配合体中のミトマイシンアジリジン環>NH基が、その関係 する前記結合スペーサー単位にウレタン結合、アミド結合又は尿素結合によって 結合される、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. ミトマイシン化合物の反応性誘導体が、以下のもの: [式中、 Rは、前記結合スペーサー単位を与える脂肪族又は芳香族部分から成る] の一つによって表される構造を有する、請求の範囲第2項に記載の方法。 4. ミトマイシン化合物の反応性誘導体が構造式 又は によって表され、そしてヒドロキシアミンH2N−R−OH又はアミノ酸H2N− R−COOHのどちらかを(末端アミノ基を保護基によって保護した後で)活性 化剤によって処理して、そのヒドロキシル又はカルボキシル基を活性化させ、そ してそれを、ミトマイシン化合物のアジリジンイミノ基に結合するために適切な もっと反応性の形に転換させ、次にアミノ保護された活性化ヒドロキシアミン又 はアミノ酸を前記ミトマイシン化合物と反応させて、前記アミノ保護されたヒド ロキシアミン又はアミノ酸が前記活性化ヒドロキシル又はカルボキシル基を経由 してミトマイシンに共有結合されている中間誘導体を製造し、引き続いて前記中 間誘導体を単離及び精製し、そして次にこのような中間誘導体を処理してアミノ 保護基(Y)を除去しそして請求の範囲第1項に記載のステップ(b)のために すぐ使える反応性ミトマイシン誘導体を生成させることによって製造される、請 求の範囲第3項に記載の方法。 5. ミトマイシン化合物の反応性誘導体を、以下の反応機構 [ここで、Rは、前記結合スペーサー単位を与える脂肪族又は芳香族部分であり 、Yは、アミノ保護基を表し、そしてZは活性化された基を表す]の一つに実質 的に従って製造する、請求の範囲第1項に記載の方法。 6. アミノ保護基(Y)がフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc) 又はアリルオキシカルボニル基CH2=CH−CH2−O−CO−である、請求の 範囲第4項又は第5項に記載の方法。 7. (a)反応性ミトマイシン誘導体を製造する際に使用する活性化剤がカル ボニルジイミダゾール(CDI)であるか又は、その代わりに (b)ヒドロキシアミンから誘導体を製造する場合には、−OH基の活性化を クロロホルメートによる処理によって実施する、又は (c)アミノカルボン酸から誘導体を製造する場合には、カルボキシル基の活 性化を反応性エステル若しくは混合無水物を生成させることによって実施する、 請求の範囲第4〜6項のいずれか一項に記載の方法。 8. ミトマイシン化合物の反応性誘導体が、請求の範囲第3項に記載の構造式 (c)によって表され、そしてミトマイシン化合物を活性化剤によって処理して 、アジリジン環>NH基に結合したアミノ反応性基を供給し、そして次にこの生 成物を過剰のジアミン化合物H2N−R−NH2と反応させることによって製造さ れる、請求の範囲第3項に記載の方法。 9. 基H2N−R−が、 H2N−(CH2)n− H2N−(CH2)n−CO−NH− H2N−Ph−CO−NH−(CH2)n− [式中、nは1〜20の範囲の整数である] から選ばれるか、又は H2N−Ph− であるか、又は アミノ酸若しくはオリゴペプチド連鎖である、請求の範囲第3〜8項のいずれか 一項に記載の方法。 10. Rがトリペプチド又はテトラペプチドである、請求の範囲第3〜8項の いずれか一項に記載の方法。 11. Rが、gly−phe−lea−gly、gly−phe−ala−l eu及びala−leu−ala−leuから選ばれたテトラペプチドである、 請求の範囲第10項に記載の方法。 12. Rが疎水性末端アミノ酸を含む、請求の範囲第10項又は第11項に記 載の方法。 13. ポリマーキャリヤーが、活性化剤、例えばカルボニルジイミダゾール又 はp−ニトロフェニルクロロホルメートによる処理によって活性化されて、第一 級脂肪族アミノ基と一層容易に反応する官能ヒドロキシル又はカルボキシル基を 含む無毒性ポリマーによって供給される、請求の範囲第1〜12項のいずれか一 項に記載の方法。 14. ポリマーキャリャーが、多糖類、ポリ(N−ヒドロキシアルキルグルタ ミン)、ヒドロキシル側基を有するポリ(アミドアミン)、及びポリ(ホスファ ゼン)誘導体から選ばれたヒドロキシル含有ポリマーである、請求の範囲第13 項に記載の方法。 15. ポリマーキャリヤーが、−COOH側基を有するポリ(アミドアミン) 誘導体、ポリ(グルタミン酸)、スクシニル化ポリリジン、ビニルピロリドン及 び無水マレイン酸のコポリマー、並びにスクシニル化ヒドロキシル含有ポリマー から選ばれたカルボキシル含有ポリマーである、請求の範囲第13項に記載の方 法。 16. ミトマイシン−C又はアジリジン環中に>NH基を含むその他の抗癌性 ミトマイシン化合物を組み込むポリマー/薬配合体を合成するための方法であっ て、 (a)ヒドロキシアミンH2N−R−OH又はアミノ酸H2N−R−COOHの 誘導体を製造するステップ[ここで、末端アミノ基は保護基を供給される]、 (b)ステップ(a)の前記アミノ基保護誘導体を活性化剤によって処理して 、そのヒドロキシル又はカルボキシル基を活性化させるステップ、 (c)ステップ(b)の生成物をミトマイシン化合物と反応させるステップ[ これによって、ミトマイシンアジリジン環>NH基は前記活性化ヒドロキシル又 はカルボキシル基に共有結合されて側鎖を供給する]、 (d)ステップ(c)の生成物を単離しかつ精製するステップ、 (e)ミトマイシン分子を損傷し又は劣化させることなく、ステップ(d)の 生成物を処理してアミノ保護基を除去するステップ、 (f)ステップ(e)において製造されたミトマイシン誘導体を、前記側鎖の 脱保護アミノ末端基を経由して前記ミトマイシン誘導体と共有結合を形成するよ うに反応する少なくとも一種のアミノ反応性基を含むポリマーキャリヤーと反応 させるステップ[すると、前記側鎖はポリマーとミトマイシン化合物の間にスペ ーサー単位を形成する]、並びに (g)ポリマー/薬配合体を構成するステップ(f)の生成物を回収するステ ッフ から成る方法。 17. ミトマイシン−C又はアジリジン環中に>NH基を含むその他の抗癌性 ミトマイシン化合物を組み込むポリマー/薬配合体を合成するための方法であっ て、 (a)ミトマイシン化合物を活性化剤によって処理して、ミトマイシンアジリ ジン環>NHを活性化させるステップ、 (b)ステップ(a)からの活性化ミトマイシン化合物を過剰量のジアミン化 合物H2N−R−NH2と反応させ、それによって後者を側鎖としてミトマイシン 化合物に共有結合させるステップ、 (c)ステップ(b)の生成物を単離しかつ精製するステップ、 (d)ステップ(c)において製造されたミトマイシン誘導体を、前記側鎖の アミノ末端基を経由して前記ミトマイシン誘導体と共有結合を形成するように反 応する少なくとも一種のアミノ反応性基を含むポリマーキャリヤーと反応させる ステップ[すると、前記側鎖はポリマーとミトマイシン化合物の間にスペーサー 単位を形成する]、並びに (e)ポリマー/薬配合体を構成するステップ(d)の生成物を回収するステ ップ から成る方法。 18. 生物学的に不活性な巨大分子の形のポリマーキャリヤー分子とそれらの アジリジン環中に>NH基を含むミトマイシン(MMC)薬分子との配合化合物 で、MMC分子が生物分解性スペーサー基を通してポリマーキャリヤー分子に共 有結合されている配合化合物を製造する方法であって、オリゴペプチドの形の前 記スペーサー基をMMC分子に後者のアジリジンイミノ基を経由して結合させる ステップ、このようにして生成されたオリゴペプチド誘導体を精製するステップ 、そして次に精製されたオリゴペプチド誘導体をポリマーキャリヤーに後者の反 応性基及びオリゴペプチドスペーサーの反応性末端アミノ基を経由して結合させ るステップから成ることを特徴とする方法。 19. ミトマイシン−C(MMC)分子が生物分解性オリゴペプチドスペーサ ーを経由して巨大分子ポリマーキャリヤーに結合されているMMCのポリマー状 前薬を製造する方法であって、MMC分子がオリゴペプチドスペーサーに共有結 合されているオリゴペプチド−MMC誘導体を、MMCを活性化N−末端保護オ リゴペプチドと反応させ、引き続いてN−保護基を除去するステップそして引き 続いてオリゴペプチドスペーサー−MMC誘導体をポリマーキャリヤーの上の活 性化された基に結合させるステップを行うことによってまず製造することによっ て特徴付けられる方法。 20. 最初にMMCと反応させたオリゴペプチドの末端アミノ基を、Fmoc 保護基によって保護しそしてペンタフルオロフエニルエステルとして活性化させ る、そしてポリマーキャリヤーが、MMC分子に結合された脱保護オリゴペプチ ドスペーサーの反応性末端アミノ基に4−ニトロフェニルクロロホルメート活性 化基を経由して結合されているポリ[N−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン ](PHEG)である、請求の範囲第19項に記載の方法。 21. 前記ミトマイシン化合物を活性化剤と反応させて、ミトマイシンアジリ ジン環>NH基を脂肪族アミンと反応することができる活性化基に転換させるこ とによって、ミトマイシン化合物を前記第一ステップにおいて改質して反応性誘 導体を製造する請求の範囲第1項に記載の方法であって、前記第二ステップにお いて、前記反応性ミトマイシン誘導体がそれと反応させられるポリマーキャリヤ ーが、前記スペーサー単位を供給する吊り下がった側鎖を有するポリ(アミドア ミン)ポリマーであり、そして前記側鎖が前記活性化ミトマイシンアジリジン環 >NH基と共有結合してポリマー/薬配合体を生成させる反応性アミン基で終わ ることを特徴とする方法。 22. ヒドロキシル又はカルボキシル基で終わる側鎖を有するポリ(アミドア ミン)ポリマーを、カルボニルジイミダゾール(CDI)又はその他の活性化剤 及びジアミン化合物で処理することによって改質して、前記反応性ミトマイシン 誘導体がそれと反応させられる前記ポリ(アミドアミン)ポリマーを製造する予 備ステップを含む、請求の範囲第21項に記載の方法。 23. ポリマーキャリヤーが、疎水性末端アミノ酸を含みそして酸性溶液中で リゾソーム酵素によってそしてまた酵素コラゲナーゼIVによって効果的に分解 可能であるトリペプチド又はテトラペプチドスペーサーを通してMMC分子に結 合されたポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG) 又はその塩である請求の範囲第1〜20項のいずれか一項に記載の方法によって 製造されたポリマー/薬配合体であって、MMCよりも骨髄に対して実質的に毒 性が少ない配合体。 24. 請求の範囲第1〜20項のいずれか一項に記載の方法に従ってポリマー キャリヤー配合体を合成する際の中間化合物としての使用のためのアミノ又は保 護アミノ基が末端にある側鎖を有するミトマイシン誘導体であって、一般式 [式中、 Xは、結合−CO−、−CO−O−又は−CO−NH−であり、 Yは、H又はアミノ保護基であり、そして Rは、−(CH2)n、 −(CH2)n−CO−NH−、 −Ph−CO−NH−(CH2)n− (式中、nは1〜20の範囲の整数である)、 −Ph− から選ばれか、又は アミノ酸若しくはオリゴペプチド連鎖である] を有する誘導体。 25. 請求の範囲第1項、第8項又は第17項に記載の方法を実施する際の中 間化合物としての使用のための、そのアジリジン環中に>NH基を含むミトマイ シン化合物をカルボニルジイミダゾールによって処理しそして生成物を単離する ことによって製造された反応性ミトマイシン誘導体。 26. ポリマーキャリヤー及びミトマイシン−C配合化合物を含む薬調合物で あって、前記配合化合物が請求の範囲第1〜22項のいずれか一項に記載の方法 によって製造される調合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダンカン ルース イギリス国 ロンドン ダブリュシー1エ ヌ、1エイエックス 29/39 ブランズウ ィック スクエア、ザ スクール オブ ファーマシー、センター フォー ポリマ ー テラピュティックス

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ミトマイシン−C又はその他のアジリジン環含有ミトマイシン化合物の分 子に結合スペーサー単位を通して共有結合されたポリマーキャリヤーを含むポリ マー/薬配合体を合成するための方法であって、 (a) (i) 前記ミトマイシン化合物を活性化剤と反応させて、ミトマイシンアジ リジン環>NH基を脂肪族アミンと反応することができる活性化基に転換させる ことによって、又は (ii) ミトマイシンアジリジン環>NH基を共有結合によって、前記スペー サー単位を与えるのに適切であるそして第一級アミン反応性アミノ基−NH2で 終わる側鎖に結合させることによってのどちらかによって 前記ミトマイシン化合物の反応性誘導体を製造するステップ、そして次に (b)前記反応性ミトマイシン誘導体を、少なくとも一種の反応性基を含み、 そして前記ポリマーキャリヤー反応性基と前記反応性ミトマイシン誘導体との間 に共有結合を形成する前記ポリマーキャリヤーと、前記活性化ミトマイシンアジ リジン環>NH基を経由して又はミトマイシン化合物の前記側鎖の前記第一級ア ミン反応性アミノ末端基を経由して反応させて、ポリマー/薬配合体を製造する ステップ によって特徴付けられる方法。 2. ポリマー/薬配合体中のミトマイシンアジリジン環>NH基が、その関係 する前記結合スペーサー単位にウレタン結合、アミド結合又は尿素結合によって 結合される、請求の範囲第1項に記載の方法。 3. ミトマイシン化合物の反応性誘導体が、以下のもの: [式中、 Rは、前記結合スペーサー単位を与える脂肪族又は芳香族部分から成る] の一つによって表される構造を有する、請求の範囲第2項に記載の方法。 4. ミトマイシン化合物の反応性誘導体が構造式 又は によって表され、そしてヒドロキシアミンH2N−R−OH又はアミノ酸H2N− R−COOHのどちらかを(末端アミノ基を保護基によって保護した後で)活性 化剤によって処理して、そのヒドロキシル又はカルボキシル基を活性化させ、そ してそれを、ミトマイシン化合物のアジリジンイミノ基に結合するために適切な もっと反応性の形に転換させ、次にアミノ保護された活性化ヒドロキシアミン又 はアミノ酸を前記ミトマイシン化合物と反応させて、前記アミノ保護されたヒド ロキシアミン又はアミノ酸が前記活性化ヒドロキシル又はカルボキシル基を経由 してミトマイシンに共有結合されている中間誘導体を製造し、引き続いて前記中 間誘導体を単離及び精製し、そして次にこのような中間誘導体を処理してアミノ 保護基(Y)を除去しそして請求の範囲第1項に記載のステップ(b)のために すぐ使える反応性ミトマイシン誘導体を生成させることによって製造される、請 求の範囲第3項に記載の方法。 5. ミトマイシン化合物の反応性誘導体を、以下の反応機構 [ここで、Rは、前記結合スペーサー単位を与える脂肪族又は芳香族部分であり 、Yは、アミノ保護基を表し、そしてZは活性化された基を表す]の一つに実質 的に従って製造する、請求の範囲第1項に記載の方法。 6. アミノ保護基(Y)がフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc) 又はアリルオキシカルボニル基CH2=CH−CH2−O−CO−である、請求の 範囲第4項又は第5項に記載の方法。 7. (a)反応性ミトマイシン誘導体を製造する際に使用する活性化剤がカル ボニルジイミダゾール(CDI)であるか又は、その代わりに (b)ヒドロキシアミンから誘導体を製造する場合には、−OH基の活性化を クロロホルメートによる処理によって実施する、又は (c)アミノカルボン酸から誘導体を製造する場合には、カルボキシル基の活 性化を反応性エステル若しくは混合無水物を生成させることによって実施する、 請求の範囲第4〜6項のいずれか一項に記載の方法。 8. ミトマイシン化合物の反応性誘導体が、請求の範囲第3項に記載の構造式 (c)によって表され、そしてミトマイシン化合物を活性化剤によつて処理して 、アジリジン環>NH基に結合したアミノ反応性基を供給し、そして次にこの生 成物を過剰のジアミン化合物H2N−R−NH2と反応させることによって製造さ れる、請求の範囲第3項に記載の方法。 9. 基H2N−R−が、 H2N−(CH2)n− H2N−(CH2)n−CO−NH− H2N−Ph−CO−NH−(CH2)n− [式中、nは1〜20の範囲の整数である] から選ばれるか、又は H2N−Ph− であるか、又は アミノ酸若しくはオリゴペプチド連鎖である、請求の範囲第3〜8項のいずれか 一項に記載の方法。 10. Rがトリペプチド又はテトラペプチドである、請求の範囲第3〜8項の いずれか一項に記載の方法。 11. Rが、gly−phe−lea−gly、gly−phe−ala−l eu及びala−leu−ala−leuから選ばれたテトラペプチドである、 請求の範囲第10項に記載の方法。 12. Rが疎水性末端アミノ酸を含む、請求の範囲第10項又は第11項に記 載の方法。 13. ポリマーキャリヤーが、活性化剤、例えばカルボニルジイミダゾール又 はp−ニトロフェニルクロロホルメートによる処理によって活性化されて、第一 級脂肪族アミノ基と一層容易に反応する官能ヒドロキシル又はカルボキシル基を 含む無毒性ポリマーによって供給される、請求の範囲第1〜12項のいずれか一 項に記載の方法。 14. ポリマーキャリヤーが、多糖類、ポリ(N−ヒドロキシアルキルグルタ ミン)、ヒドロキシル側基を有するポリ(アミドアミン)、及びポリ(ホスファ ゼン)誘導体から選ばれたヒドロキシル含有ポリマーである、請求の範囲第13 項に記載の方法。 15. ポリマーキャリヤーが、−COOH側基を有するポリ(アミドアミン) 誘導体、ポリ(グルタミン酸)、スクシニル化ポリリジン、ビニルピロリドン及 び無水マレイン酸のコポリマー、並びにスクシニル化ヒドロキシル含有ポリマー から選ばれたカルボキシル含有ポリマーである、請求の範囲第13項に記載の方 法。 16. ミトマイシン−C又はその他のアジリジン環含有ミトマイシン化合物を 組み込むポリマー/薬配合体を合成するための方法であって、 (a)ヒドロキシアミンH2N−R−OH又はアミノ酸H2N−R−COOHの 誘導体を製造するステップ[ここで、末端アミノ基は保護基を供給される]、 (b)ステップ(a)の前記アミノ基保護誘導体を活性化剤によって処理して 、そのヒドロキシル又はカルボキシル基を活性化させるステップ、 (c)ステップ(b)の生成物をミトマイシン化合物と反応させるステップ[ これによって、ミトマイシンアジリジン環>NH基は前記活性化ヒドロキシル又 はカルボキシル基に共有結合されて側鎖を供給する]、 (d)ステップ(c)の生成物を単離しかつ精製するステップ、 (e)ミトマイシン分子を損傷し又は劣化させることなく、ステップ(d)の 生成物を処理してアミノ保護基を除去するステップ、 (f)ステップ(e)において製造されたミトマイシン誘導体を、前記側鎖の 脱保護アミノ末端基を経由して前記ミトマイシン誘導体と共有結合を形成するよ うに反応する少なくとも一種のアミノ反応性基を含むポリマーキャリヤーと反応 させるステップ[すると、前記側鎖はポリマーとミトマイシン化合物の間にスペ ーサー単位を形成する]、並びに (g)ポリマー/薬配合体を構成するステップ(f)の生成物を回収するステ ップ から成る方法。 17. ミトマイシン−C又はその他のアジリジン環含有ミトマイシン化合物を 組み込むポリマー/薬配合体を合成するための方法であって、 (a)ミトマイシン化合物を活性化剤によって処理して、ミトマイシンアジリ ジン環>NHを活性化させるステップ、 (b)ステップ(a)からの活性化ミトマイシン化合物を過剰量のジアミン化 合物H2N−R−NH2と反応させ、それによって後者を側鎖としてミトマイシン 化合物に共有結合させるステップ、 (c)ステップ(b)の生成物を単離しかつ精製するステップ、 (d)ステップ(c)において製造されたミトマイシン誘導体を、前記側鎖の アミノ末端基を経由して前記ミトマイシン誘導体と共有結合を形成するように反 応する少なくとも一種のアミノ反応性基を含むポリマーキャリヤーと反応させる ステップ[すると、前記側鎖はポリマーとミトマイシン化合物の間にスペーサー 単位を形成する]、並びに (e)ポリマー/薬配合体を構成するステップ(d)の生成物を回収するステ ップ から成る方法。 18. ポリマーキャリヤー分子とアジリジン環含有ミトマイシン(MMC)薬 分子との配合化合物で、MMC分子が生物分解性スペーサー基を通してポリマー に共有結合されている配合化合物を製造する方法であって、オリゴペプチドの形 の前記スペーサー基をMMC分子に後者のアジリジンイミノ基を経由して結合さ せるステップ、このようにして生成されたオリゴペプチド誘導体を精製するステ ップ、そして次に精製されたオリゴペプチド誘導体をキャリヤーポリマーと後者 の反応性基及びオリゴペプチドスペーサーの反応性末端アミノ基を経由して結合 させるステップから成ることを特徴とする方法。 19. ミトマイシン−C(MMC)分子が生物分解性オリゴペプチドスペーサ ーを経由して巨大分子ポリマーキャリヤーに結合されているMMCのポリマー状 前薬を製造する方法であって、MMC分子がオリゴペプチドスペーサーに共有結 合されているオリゴペプチド−MMC誘導体を、MMCを活性化N−末端保護オ リゴペプチドと反応させ、引き続いてN−保護基を除去しそして最後にオリゴペ プチドスペーサー−MMC誘導体をポリマーキャリヤーの上の活性化された基に 結合させるステップを行うことによってまず製造する方法。 20. 最初にMMCと反応させたオリゴペプチドの末端アミノ基を、Fmoc 保護基によって保護しそしてペンタフルオロフェニルエステルとして活性化させ る、そしてポリマーキャリヤーが、MMC分子に結合された脱保護オリゴペプチ ドスペーサーの反応性末端アミノ基に4−ニトロフェニルクロロホルメート活性 化基を経由して結合されているポリ[N−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン ](PHEG)である、請求の範囲第19項に記載の方法。 21. ポリマーキャリヤーが、疎水性末端アミノ酸を含みそして酸性溶液中で リゾソーム酵素によってそしてまた酵素コラゲナーゼIVによって効果的に分解 可能であるトリペプチド又はテトラペプチドスペーサーを通してMMC分子に結 合されたポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG) 又はその塩である請求の範囲第1〜20項のいずれか一項に記載の方法によって 製造されたポリマー/薬配合体であって、MMCよりも骨髄に対して実質的に毒 性が少ない配合体。 22. 請求の範囲第1〜20項のいずれか一項に記載の方法に従ってポリマー キャリヤー配合体を合成する際の中間化合物としての使用のためのアミノ又は保 護アミノ基が末端にある側鎖を有するミトマイシン誘導体であって、一般式 [式中、 Xは、結合−CO−、−CO−O−又は−CO−NH−であり、 Yは、H又はアミノ保護基であり、そして Rは、−(CH2)n、 −(CH2)n−CO−NH−、 −Ph−CO−NH−(CH2)n− (式中、nは1〜20の範囲の整数である)、 −Ph− から選ばれか、又は アミノ酸若しくはオリゴペプチド連鎖である] を有する誘導体。 23. 請求の範囲第1項、第8項又は第17項に記載の方法を実施する際の中 間化合物としての使用のための、ミトマイシン化合物をカルボニルジイミダゾー ルによって処理することによって製造された反応性ミトマイシン誘導体。 24. ポリマーキャリヤー及びミトマイシン−C配合化合物を含む薬調合物で あって、前記配合化合物が請求の範囲第1〜20項のいずれか一項に記載の方法 によって製造される調合物。
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