JPWO2002094829A1 - カルバペネム化合物 - Google Patents
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Abstract
式(I’):〔式中、各記号は明細書中と同義である。〕で表されるカルバペネム化合物、および当該化合物を有効成分として含有する抗菌剤を提供する。本発明のカルバペネム化合物は、経口投与による消化管吸収性に優れており、感染症(特に、細菌感染症)の予防・治療に極めて有用である。
Description
技術分野
本発明は、細菌感染症の予防・治療剤等として有用な新規カルバペネム化合物に関する。詳細には、優れた経口吸収性を有し、かつ十分な抗菌性を示す化合物および当該化合物を有効成分として含有する抗菌剤に関する。
背景技術
これまでにカルバペネム骨格を有する多くの化合物が感染症治療薬として見出され、その中から優れた抗菌活性を有するいくつかのカルバペネム化合物が実用化され、あるいは実用化のために開発が進められている。例えば式(A)
で示されるカルバペネム化合物(メロペネム)がすでに実用化され、臨床に供されている。メロペネムは、幅広い抗菌スペクトラムと強い抗菌活性を有し、しかも従来のカルバペネム化合物の欠点とされていた腎デヒドロペプチダーゼに対する不安定性を克服したものであり、安定化剤を併用することなく単独で投与することが可能であるという優れた特徴を有する。
しかしながら、メロペネムは消化管からの吸収性に乏しく、臨床上注射剤として投与されているに過ぎない。経口剤は注射剤に比べ、投与が容易かつ簡便であり、臨床上その有用性は極めて高い。そのため強力な抗菌活性と幅広い抗菌スペクトラムを有し、かつ優れた消化管吸収性を有する経口投与用カルバペネム化合物の開発が強く望まれている。
発明の開示
本発明の課題は、消化管からの優れた吸収性を有し、吸収後に加水分解されて強力な抗菌性を示す、有用な化合物を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、下記の式(I’)で表される特定のカルバペネム化合物(プロドラッグ)が、従来提案されている経口投与用カルバペネム化合物に比べて消化管からの吸収性に優れ、体内で脱エステル化されて抗菌性を有するカルバペネム化合物となって抗菌性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に関する。
(1)式(I’):
〔式中、R1は、−CH2OCOC(CH3)3、−CH2OCO2CH(C2H5)2、−CH(CH3)OCO2CH(C2H5)2、
または、
を示し、
R2は、−CH2CH2CH3、−CH2CH3、−CH(CH3)2を示す。
但し、(i)R1が−CH2OCOC(CH3)3のとき、R2は−CH2CH2CH3であり、
(ii)R1が−CH2OCO2CH(C2H5)2または−CH(CH3)OCO2CH(C2H5)2のとき、R2は−CH2CH2CH3、−CH2CH3、または−CH(CH3)2であり、
(iii)R1が
または、
のとき、R2は−CH2CH2CH3または−CH(CH3)2である。〕
で表されるカルバペネム化合物。
(2)ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートまたは、
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである上記(1)記載の化合物。
(3)上記(1)または(2)に記載の化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
(4)経口投与用である上記(3)記載の抗菌剤。
(5)式(I):
で表されるカルバペネム化合物。
(6)ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである上記(5)記載の化合物。
(7)上記(5)または(6)に記載の化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
(8)経口投与用である上記(7)記載の抗菌剤。
発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
下記式(I’):
〔式中、各記号は上記と同義である。〕、
例えば、式(I):
で表される本発明のカルバペネム化合物は、従来の経口投与用カルバペネム化合物に比べて、消化管からの吸収性に優れている。本発明の抗菌剤は、化合物(I’)を有効成分として含有する。
化合物(I’)、例えば化合物(I)は、以下の製法またはこれに準じた方法により製造することができる。化合物(I’)に含まれる他の化合物についても、以下の化合物(I)の製法に準じた方法により製造することができる。
〔式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシおよびブタンスルホニルオキシ等のアルカンスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシおよびトリルスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、Yは塩素原子、イミダゾール−1−イル、p−ニトロフェニルオキシおよび2−フェニルアセトニトリル−2−イル−イミノオキシ基等の脱離基を表す。〕
工程1
化合物(II−2)は、反応を阻害しない溶媒(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等、またはこれらの混合物)中にて、化合物(II−1)またはその塩を、化合物(III)と反応させることにより得られる。化合物(III)の使用量は、化合物(II−1)1モルに対して、通常約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。尚、化合物(II−1)は、例えば、特公昭63−55514号公報等に記載の方法により得られる。
化合物(II−1)の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ピリジン塩等が挙げられる。
工程1の反応は、塩基の存在下においても行うことができる。使用される塩基としては特に限定はないが、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。
工程1の反応温度は特に限定はされないが、副反応を抑えるために比較的低温で行うのが望ましく、通常は−30〜40℃、好ましくは−10〜10℃で行われる。反応時間は主に反応温度、反応試薬の種類等によって異なるが、通常30分〜10数時間である。
工程2
化合物(I)は、反応を阻害しない溶媒(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等、またはこれらの混合物)中にて、化合物(II−2)またはその塩を、好ましくは塩基の存在下、化合物(IV)と反応させることにより得られる。化合物(IV)の使用量は、化合物(II−2)1モルに対して、通常約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。
工程2の反応は、化合物(II−2)が塩の形態ではない場合、塩基の存在下で行う。使用される塩基としては特に限定はないが、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(II−2)1モルに対して、通常約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。
工程2の反応温度は特に限定はされないが、副反応を抑えるために比較的低温で行うのが望ましく、通常は−30〜40℃、好ましくは−10〜10℃で行われる。反応時間は主に反応温度、反応試薬の種類等によって異なるが、通常30分〜10数時間である。
化合物(II−2)の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ピリジン塩等が挙げられる。
化合物(I’)、例えば(I)は、必要に応じて常法、例えば、再結晶法、分取用薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー等によって精製することができる。
好ましい立体配置を有する化合物(I’)は、以下の式(I’−a):
〔式中、各記号は上記と同義である。〕
で表される化合物である。
好ましい立体配置を有する化合物(I)は、以下の式(I−a):
で表される化合物、即ち、ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである。
化合物(I’)は、経口投与することによって速やかに血中へ吸収されて、その代謝物として上記の式(II−1)で表されるカルバペネム化合物となり、高い血中濃度を示す。即ち、化合物(I’)は消化管からの吸収性に優れ、カルバペネム化合物(特にメロペネム)のプロドラッグとして有用である。
従って、化合物(I’)を含有する感染症予防・治療剤は、経口投与によって上述の通り優れた作用を有するものであり、通常は経口剤として投与される。
当該感染症予防・治療剤は、自体公知の手段に従って医薬用賦形剤で希釈することにより製造することができる。賦形剤としては、例えば、デンプン、乳糖、砂糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が使用される。
当該感染症予防・治療剤には、所望によりさらに他の添加剤を配合してもよく、例えば結合剤(例えばデンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク等)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク等)等が好ましい添加剤として挙げられる。諸成分を混合した後、混合物を自体公知の手段に従い、例えば、カプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ等経口投与に適した剤型に製剤化することによって、経口投与用の感染症予防・治療剤が製造される。
本発明の化合物(I’)は、哺乳動物(ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスターなど)における感染症(特に、細菌感染症)の予防および/または治療に有用である。感染症としては、化膿性疾患、呼吸器感染症、胆道感染症、尿路感染症などが挙げられる。
化合物(I’)特に(I)の投与量は、投与対象、症状、その他によって異なるが、例えば成人の化膿性疾患に対して投与する場合は、例えば1回量約1〜40mg/kg体重程度(好ましくは1回量約1〜10mg/kg体重程度)を1日1〜4回程度経口投与する。
本発明の化合物(I’)は、従来提案されている経口投与用カルバペネム化合物よりも少ない投与量で、優れた抗菌作用を体内で発揮することができる。
また、化合物(I’)は、他の抗菌活性物質、例えば抗菌剤(ペニシリン類、アミノグリコシド類、セファロスポリン類等)または細菌感染による全身的な症状の治療薬(解熱剤、鎮痛剤、消炎剤等)と併用してもよい。
実施例
次に実施例を挙げて本発明化合物の物性および製造法を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム21.1gをN,N−ジメチルホルムアミド80mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート16.3gを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、ピバロイルオキシメチルヨーダイド21.4gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル400mlを加え、5%食塩水400mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル40mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル60mlを加え、1時間攪拌後、析出した結晶をろ取し、表題化合物19.7gを得た。
IR(Nujol,cm−1):3395,1794,1753,1728,1636
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.94(3H,t),1.22(9H,s),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.65(2H,m),2.34(2H,t),1.7〜2.8(3H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.71(1H,m),5.6〜5.8(2H,m),5.89(2H,ABq).
実施例2
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.42gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル50mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル2.5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル5.5mlを加え、1時間攪拌後、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.22gを得た。
IR(Nujol,cm−1):3395,1759,1724,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91(6H,t),1.17(6H,d),1.25(3H,d),1.33(3H,d),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例3
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.47gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、1時間攪拌後、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.02gを得た。
IR(Nujol,cm−1):3400,1761,1722,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.92(6H,t),0.94(3H,t),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.63(4H,qui),2.34(2H,t),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例4
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、プロピオニルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート773mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.42gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水100mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル4mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.13gを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1761,1717,1653
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.92(6H,t),1.14(3H,t),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.64(4H,qui),2.39(2H,q),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.6〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例5
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド1.49gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物810mgを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1755,1728,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91(6H,t),1.18(6H,d),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.5〜1.7(4H,m),1.58,1.59(3H,d),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜5.8(2H,m),6.86(1H,q).
実施例6
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド1.49gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物650mgを得た。1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91,0.92(6H,t),0.94(3H,t),1.25(3H,d),1.33(3H,d),1.58(3H,d),2.34(2H,t),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜5.8(2H,m),6.86(1H,q).
実施例7
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、プロピオニルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート773mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド1.49gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物790mgを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1759,1728,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91(6H,t),1.14(3H,d),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.59,1.60(3H,d),2.39(2H,q),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜5.8(2H,m),6.86(1H,q).
実施例8
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.48gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物1.19gを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1796,1751,1728,1638
1H−NMR(CDCl3,δppm):1.18(6H,d),1.0〜2.1(11H,m),1.26(3H,d),1.33(3H,d),2.4〜2.9(2H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.6〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例9
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.64gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物1.10gを得た。IR(Nujol,cm−1):3400,1760,1715,1653
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.95(3H,t),1.1〜2.2(13H,m),1.30(3H,d),1.34(3H,d),2.34(2H,t),2.5〜2.9(1H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.9(2H,m),5.6〜5.9(2H,m),5.84,5.92(2H,ABq).
実施例10
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.45gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物1.01gを得た。1H−NMR(CDCl3,δppm):1.18(6H,d),1.0〜2.1(9H,m),1.26(3H,d),1.33(3H,d),2.4〜2.9(2H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.6〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例11
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.45gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物0.95gを得た。1H−NMR(CDCl3,δppm):0.95(3H,t),1.1〜2.2(11H,m),1.30(3H,d),1.34(3H,d),2.34(2H,t),2.5〜2.9(1H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.9(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例1〜11で得られた化合物の化学構造式を表1に示す。
実験例
次に本発明化合物の優れた性質を明らかにするために、以下のようにして経口吸収実験を行った。
実験例1
酵素阻害剤(シラスタチン)50mg/kgを前投与したラット(一群3匹)に、本発明化合物(実施例1の化合物)20mg/kgを経口投与した。加水分解により生成されたメロペネムの、0.125、0.25、0.5、1.0、1.5、2.0および3.0時間後における各血漿中濃度を、HPLC法で測定し、血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)を求めた。結果を表2に示す。
産業上の利用可能性
本発明の化合物(I’)は、従来提案されている経口投与用カルバペネム化合物に比べて経口投与による消化管吸収性に優れ、かつ生体内で生成する活性体が幅広い菌種に対して十分な抗菌性を示すものであり、感染症(特に、細菌感染症)の予防・治療に極めて有用である。
本出願は、日本で出願された特願2001−150874を基礎をしており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
本発明は、細菌感染症の予防・治療剤等として有用な新規カルバペネム化合物に関する。詳細には、優れた経口吸収性を有し、かつ十分な抗菌性を示す化合物および当該化合物を有効成分として含有する抗菌剤に関する。
背景技術
これまでにカルバペネム骨格を有する多くの化合物が感染症治療薬として見出され、その中から優れた抗菌活性を有するいくつかのカルバペネム化合物が実用化され、あるいは実用化のために開発が進められている。例えば式(A)
で示されるカルバペネム化合物(メロペネム)がすでに実用化され、臨床に供されている。メロペネムは、幅広い抗菌スペクトラムと強い抗菌活性を有し、しかも従来のカルバペネム化合物の欠点とされていた腎デヒドロペプチダーゼに対する不安定性を克服したものであり、安定化剤を併用することなく単独で投与することが可能であるという優れた特徴を有する。
しかしながら、メロペネムは消化管からの吸収性に乏しく、臨床上注射剤として投与されているに過ぎない。経口剤は注射剤に比べ、投与が容易かつ簡便であり、臨床上その有用性は極めて高い。そのため強力な抗菌活性と幅広い抗菌スペクトラムを有し、かつ優れた消化管吸収性を有する経口投与用カルバペネム化合物の開発が強く望まれている。
発明の開示
本発明の課題は、消化管からの優れた吸収性を有し、吸収後に加水分解されて強力な抗菌性を示す、有用な化合物を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、下記の式(I’)で表される特定のカルバペネム化合物(プロドラッグ)が、従来提案されている経口投与用カルバペネム化合物に比べて消化管からの吸収性に優れ、体内で脱エステル化されて抗菌性を有するカルバペネム化合物となって抗菌性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に関する。
(1)式(I’):
〔式中、R1は、−CH2OCOC(CH3)3、−CH2OCO2CH(C2H5)2、−CH(CH3)OCO2CH(C2H5)2、
または、
を示し、
R2は、−CH2CH2CH3、−CH2CH3、−CH(CH3)2を示す。
但し、(i)R1が−CH2OCOC(CH3)3のとき、R2は−CH2CH2CH3であり、
(ii)R1が−CH2OCO2CH(C2H5)2または−CH(CH3)OCO2CH(C2H5)2のとき、R2は−CH2CH2CH3、−CH2CH3、または−CH(CH3)2であり、
(iii)R1が
または、
のとき、R2は−CH2CH2CH3または−CH(CH3)2である。〕
で表されるカルバペネム化合物。
(2)ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートまたは、
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである上記(1)記載の化合物。
(3)上記(1)または(2)に記載の化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
(4)経口投与用である上記(3)記載の抗菌剤。
(5)式(I):
で表されるカルバペネム化合物。
(6)ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである上記(5)記載の化合物。
(7)上記(5)または(6)に記載の化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
(8)経口投与用である上記(7)記載の抗菌剤。
発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
下記式(I’):
〔式中、各記号は上記と同義である。〕、
例えば、式(I):
で表される本発明のカルバペネム化合物は、従来の経口投与用カルバペネム化合物に比べて、消化管からの吸収性に優れている。本発明の抗菌剤は、化合物(I’)を有効成分として含有する。
化合物(I’)、例えば化合物(I)は、以下の製法またはこれに準じた方法により製造することができる。化合物(I’)に含まれる他の化合物についても、以下の化合物(I)の製法に準じた方法により製造することができる。
〔式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシおよびブタンスルホニルオキシ等のアルカンスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシおよびトリルスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、Yは塩素原子、イミダゾール−1−イル、p−ニトロフェニルオキシおよび2−フェニルアセトニトリル−2−イル−イミノオキシ基等の脱離基を表す。〕
工程1
化合物(II−2)は、反応を阻害しない溶媒(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等、またはこれらの混合物)中にて、化合物(II−1)またはその塩を、化合物(III)と反応させることにより得られる。化合物(III)の使用量は、化合物(II−1)1モルに対して、通常約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。尚、化合物(II−1)は、例えば、特公昭63−55514号公報等に記載の方法により得られる。
化合物(II−1)の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ピリジン塩等が挙げられる。
工程1の反応は、塩基の存在下においても行うことができる。使用される塩基としては特に限定はないが、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。
工程1の反応温度は特に限定はされないが、副反応を抑えるために比較的低温で行うのが望ましく、通常は−30〜40℃、好ましくは−10〜10℃で行われる。反応時間は主に反応温度、反応試薬の種類等によって異なるが、通常30分〜10数時間である。
工程2
化合物(I)は、反応を阻害しない溶媒(例えば、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、ベンゼン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等、またはこれらの混合物)中にて、化合物(II−2)またはその塩を、好ましくは塩基の存在下、化合物(IV)と反応させることにより得られる。化合物(IV)の使用量は、化合物(II−2)1モルに対して、通常約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。
工程2の反応は、化合物(II−2)が塩の形態ではない場合、塩基の存在下で行う。使用される塩基としては特に限定はないが、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基またはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(II−2)1モルに対して、通常約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。
工程2の反応温度は特に限定はされないが、副反応を抑えるために比較的低温で行うのが望ましく、通常は−30〜40℃、好ましくは−10〜10℃で行われる。反応時間は主に反応温度、反応試薬の種類等によって異なるが、通常30分〜10数時間である。
化合物(II−2)の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ピリジン塩等が挙げられる。
化合物(I’)、例えば(I)は、必要に応じて常法、例えば、再結晶法、分取用薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー等によって精製することができる。
好ましい立体配置を有する化合物(I’)は、以下の式(I’−a):
〔式中、各記号は上記と同義である。〕
で表される化合物である。
好ましい立体配置を有する化合物(I)は、以下の式(I−a):
で表される化合物、即ち、ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである。
化合物(I’)は、経口投与することによって速やかに血中へ吸収されて、その代謝物として上記の式(II−1)で表されるカルバペネム化合物となり、高い血中濃度を示す。即ち、化合物(I’)は消化管からの吸収性に優れ、カルバペネム化合物(特にメロペネム)のプロドラッグとして有用である。
従って、化合物(I’)を含有する感染症予防・治療剤は、経口投与によって上述の通り優れた作用を有するものであり、通常は経口剤として投与される。
当該感染症予防・治療剤は、自体公知の手段に従って医薬用賦形剤で希釈することにより製造することができる。賦形剤としては、例えば、デンプン、乳糖、砂糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が使用される。
当該感染症予防・治療剤には、所望によりさらに他の添加剤を配合してもよく、例えば結合剤(例えばデンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク等)、崩壊剤(例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク等)等が好ましい添加剤として挙げられる。諸成分を混合した後、混合物を自体公知の手段に従い、例えば、カプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ等経口投与に適した剤型に製剤化することによって、経口投与用の感染症予防・治療剤が製造される。
本発明の化合物(I’)は、哺乳動物(ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスターなど)における感染症(特に、細菌感染症)の予防および/または治療に有用である。感染症としては、化膿性疾患、呼吸器感染症、胆道感染症、尿路感染症などが挙げられる。
化合物(I’)特に(I)の投与量は、投与対象、症状、その他によって異なるが、例えば成人の化膿性疾患に対して投与する場合は、例えば1回量約1〜40mg/kg体重程度(好ましくは1回量約1〜10mg/kg体重程度)を1日1〜4回程度経口投与する。
本発明の化合物(I’)は、従来提案されている経口投与用カルバペネム化合物よりも少ない投与量で、優れた抗菌作用を体内で発揮することができる。
また、化合物(I’)は、他の抗菌活性物質、例えば抗菌剤(ペニシリン類、アミノグリコシド類、セファロスポリン類等)または細菌感染による全身的な症状の治療薬(解熱剤、鎮痛剤、消炎剤等)と併用してもよい。
実施例
次に実施例を挙げて本発明化合物の物性および製造法を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム21.1gをN,N−ジメチルホルムアミド80mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート16.3gを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、ピバロイルオキシメチルヨーダイド21.4gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル400mlを加え、5%食塩水400mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル40mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル60mlを加え、1時間攪拌後、析出した結晶をろ取し、表題化合物19.7gを得た。
IR(Nujol,cm−1):3395,1794,1753,1728,1636
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.94(3H,t),1.22(9H,s),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.65(2H,m),2.34(2H,t),1.7〜2.8(3H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.71(1H,m),5.6〜5.8(2H,m),5.89(2H,ABq).
実施例2
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.42gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル50mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル2.5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル5.5mlを加え、1時間攪拌後、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.22gを得た。
IR(Nujol,cm−1):3395,1759,1724,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91(6H,t),1.17(6H,d),1.25(3H,d),1.33(3H,d),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例3
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.47gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、1時間攪拌後、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.02gを得た。
IR(Nujol,cm−1):3400,1761,1722,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.92(6H,t),0.94(3H,t),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.63(4H,qui),2.34(2H,t),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例4
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、プロピオニルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート773mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.42gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水100mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル4mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した結晶をろ取し、表題化合物1.13gを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1761,1717,1653
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.92(6H,t),1.14(3H,t),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.64(4H,qui),2.39(2H,q),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.6〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例5
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド1.49gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物810mgを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1755,1728,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91(6H,t),1.18(6H,d),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.5〜1.7(4H,m),1.58,1.59(3H,d),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜5.8(2H,m),6.86(1H,q).
実施例6
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド1.49gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物650mgを得た。1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91,0.92(6H,t),0.94(3H,t),1.25(3H,d),1.33(3H,d),1.58(3H,d),2.34(2H,t),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜5.8(2H,m),6.86(1H,q).
実施例7
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、プロピオニルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート773mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチルヨーダイド1.49gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物790mgを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1759,1728,1651
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.91(6H,t),1.14(3H,d),1.26(3H,d),1.33(3H,d),1.59,1.60(3H,d),2.39(2H,q),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.8(2H,m),5.6〜5.8(2H,m),6.86(1H,q).
実施例8
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.48gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物1.19gを得た。IR(Nujol,cm−1):3395,1796,1751,1728,1638
1H−NMR(CDCl3,δppm):1.18(6H,d),1.0〜2.1(11H,m),1.26(3H,d),1.33(3H,d),2.4〜2.9(2H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.6〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例9
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.64gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物1.10gを得た。IR(Nujol,cm−1):3400,1760,1715,1653
1H−NMR(CDCl3,δppm):0.95(3H,t),1.1〜2.2(13H,m),1.30(3H,d),1.34(3H,d),2.34(2H,t),2.5〜2.9(1H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.9(2H,m),5.6〜5.9(2H,m),5.84,5.92(2H,ABq).
実施例10
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、イソブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.45gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物1.01gを得た。1H−NMR(CDCl3,δppm):1.18(6H,d),1.0〜2.1(9H,m),1.26(3H,d),1.33(3H,d),2.4〜2.9(2H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.6〜4.8(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例11
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−5−N,N−ジメチルアミノカルボニルピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム1.06gをN,N−ジメチルホルムアミド4mlに懸濁し、5℃にて、ブチリルオキシメチルp−ニトロフェニルカーボネート813mgを加え、室温にて1時間攪拌した。
再度、反応液を5℃に冷却し、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチルヨーダイド1.45gを加え、室温にて1時間攪拌後、酢酸エチル100mlを加え、5%食塩水50mlにて洗浄し、無水芒硝にて乾燥した。
減圧下酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた固形物を酢酸エチル5mlに溶解した。さらにイソプロピルエーテル20mlを加え、析出した粉末をろ取し、表題化合物0.95gを得た。1H−NMR(CDCl3,δppm):0.95(3H,t),1.1〜2.2(11H,m),1.30(3H,d),1.34(3H,d),2.34(2H,t),2.5〜2.9(1H,m),2.9〜3.2(6H),3.1〜3.9(4H,m),3.9〜4.4(3H,m),4.5〜4.9(2H,m),5.6〜6.0(4H,m).
実施例1〜11で得られた化合物の化学構造式を表1に示す。
実験例
次に本発明化合物の優れた性質を明らかにするために、以下のようにして経口吸収実験を行った。
実験例1
酵素阻害剤(シラスタチン)50mg/kgを前投与したラット(一群3匹)に、本発明化合物(実施例1の化合物)20mg/kgを経口投与した。加水分解により生成されたメロペネムの、0.125、0.25、0.5、1.0、1.5、2.0および3.0時間後における各血漿中濃度を、HPLC法で測定し、血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)を求めた。結果を表2に示す。
産業上の利用可能性
本発明の化合物(I’)は、従来提案されている経口投与用カルバペネム化合物に比べて経口投与による消化管吸収性に優れ、かつ生体内で生成する活性体が幅広い菌種に対して十分な抗菌性を示すものであり、感染症(特に、細菌感染症)の予防・治療に極めて有用である。
本出願は、日本で出願された特願2001−150874を基礎をしており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
Claims (8)
- 式(I’):
〔式中、R1は、−CH2OCOC(CH3)3、−CH2OCO2CH(C2H5)2、−CH(CH3)OCO2CH(C2H5)2、
または、
を示し、
R2は、−CH2CH2CH3、−CH2CH3、−CH(CH3)2を示す。
但し、(i)R1が−CH2OCOC(CH3)3のとき、R2は−CH2CH2CH3であり、
(ii)R1が−CH2OCO2CH(C2H5)2または−CH(CH3)OCO2CH(C2H5)2のとき、R2は−CH2CH2CH3、−CH2CH3、または−CH(CH3)2であり、
(iii)R1が
または、
のとき、R2は−CH2CH2CH3または−CH(CH3)2である。〕
で表されるカルバペネム化合物。 - ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−プロピオニルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレート、
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートまたは、
シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである請求項1記載の化合物。 - 請求項1または2に記載の化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
- 経口投与用である請求項3記載の抗菌剤。
- ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−[(3S,5S)−(5−N,N−ジメチルアミノカルボニル−1−ブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イルチオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシレートである請求項5記載の化合物。
- 請求項5または6に記載の化合物を有効成分として含有する抗菌剤。
- 経口投与用である請求項7記載の抗菌剤。
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