JPS6347186Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、中立位置からの正逆各方向への摺動
操作で、前進第１速と後進とを切換選択する第１
シフトフオーク軸と、中立位置からの正逆各方向
への摺動操作で、前進第２速と前進第３速とを切
換選択する第２シフトフオーク軸とを、ミツシヨ
ンケースの横側面から各シフトフオーク軸の軸端
が突出する状態で設けるとともに、前記第２シフ
トフオーク軸が前進第２速と前進第３速とに切換
えられることを阻止する牽制部材を、牽制状態と
牽制解除状態とに切換自在に設け、その牽制部材
を操縦ハンドルの機体前方側への向き変更に伴つ
て牽制状態に切換自在に構成してある歩行型移動
農機の後進高速牽制装置に関する。

上記歩行型移動農機の後進高速牽制装置におい
て、従来例えば、前進３段、後進１段の４段変速
装置の場合、ハンドル向きを逆に変更して機体前
部に位置させて後向き走行で作業を行なうように
すると、通常の前進の変速位置が後進状態にな
り、特に第２速と第３速は高速後進になつて危険
であるから、ハンドル向きを逆に変更すると自動
的にこの第２速と第３速の変速位置に変速操作で
きないように構成してあつた。ところが、このハ
ンドル逆向き時には前進と後進第１速の変速位置
であるから走行速度が遅く、必要に応じて特別な
注意を払いながら後進第２速にして作業を行ない
たい場合があり、その場合には、牽制装置を解除
して後進第２速の位置に入れられるようにしてい
たが、牽制装置を解除すると後進第３速の位置に
も入れられるようになり、特に、通常の走行形態
と逆の位置から変速操作レバーを扱うことから、
第２速と第３速の位置も逆になつて最高速である
第３速に誤つて操作する可能性が大きく非常に危
険であるという欠点があつた。

本考案は上記の点に鑑み、ハンドル逆向き使用
状態において危険を伴う高速の変速位置を牽制す
るようにしながらも、必要に応じて安全な範囲の
後進高速の変速位置に設定することができるよう
にすることを目的とする。

本考案による歩行型移動農機の後進高速牽制装
置の特徴構成は前記牽制部材を第２シフトフオー
ク軸の端部に固設の係合用部材の外端面と内端面
とに接当して牽制する一対の牽制部材から構成す
るとともに、その一対の牽制部材の内で、前記第
２シフトフオーク軸が前進第２速に操作されるこ
とを牽制阻止する牽制部材を他方の牽制部材とは
別に牽制解除可能に構成した点にあり、その作用
効果は次の通りである。

つまり、第２シフトフオーク軸の前進２速の牽
制を図る牽制部材を牽制解除可能にしてあるか
ら、通常時は両方牽制状態にして低速で安全な走
行を行なえ、一方、必要に応じて、牽制を解除し
て後進の比較的速い変速位置にすることができる
が、一位置のみを解除するだけであるから、誤つ
て他の危険な高速側の変速位置に入れるおそれは
全くなく、安全で、しかも必要に応じて速い変速
位置で能率良く迅速な作業を行なえるようになつ
た。

次に、本考案の構成の実施例を示す。

第１図に示すように、耕耘爪１の他、各種アタ
ツチメントと取替自在な車軸２を支承するミツシ
ヨンケース３からフレーム４を延出してエンジン
５を搭載すると共に、ミツシヨンケース３上部に
固設したハンドル取付けフレーム７に縦軸芯P₁
周りの旋回調節で前後向き変更自在なハンドル６
を設けて歩行型耕耘機を構成してある。

第２図は変速操作部を示し、ミツシヨンケース
３の横側面に、第１図に示す正規のハンドル向き
セツト状態において、前進第１速と後進を切換え
る第１シフトフオーク軸８ａと、前進第２速と前
進第３速を切換える第２シフトフオーク軸８ｂと
を左右に押引きシフト自在に突設し、両シフトフ
オーク軸８ａ，８ｂの端部に夫々固設した係合用
部材９ａ又は９ｂの凹部１０，１０に、縦軸芯
P₃周りに旋回調節して前後向き変更自在な変速
レバー１１の基端ボス１１ｂから前方に延出した
変速操作アーム１１ａを選択係合させ、選択した
シフトフオーク軸８ａ又は８ｂを変速レバー１１
の左右揺動によつて押引きシフトするよう構成し
てある。

前記第１シフトフオーク軸８ａは押込みシフト
で前進第１速、引出しシフトで後進に、又、第２
シフトフオーク軸８ｂは押込みシフトで前進第２
速、引出しシフトで前進第３速に切換えられるよ
うに構成してあり、従つて、ハンドル６を第１図
に示す正規の状態から約180゜反転した状態では、
前記両シフトフオーク軸８ａ，８ｂによる変速は
前後進が逆となり、前記第１シフトフオーク軸８
ａは後進第１速と前進の切換え、又、第２シフト
フオーク軸８ｂは後進２，３速の切換え用とな
る。この場合、後進第２速と３速は相当高速で運
転者にとつて危険であるため、次に示す後進高速
牽制装置によつて夫々の変速位置への操作を不能
にしている。

つまり、ハンドル取付フレーム７の側面には、
後進高速牽制部材１２を横向き軸芯P₂周りで揺
動自在、かつスプリング１６で矢印Ａ方向へ付勢
状態に取付け、ハンドル６の正規向き状態では、
第２図に仮想線で示すように、牽制部材１２を矢
印Ａ方向に付勢退避させて、第２シフトフオーク
軸８ｂの押引きシフトを許し、ハンドル逆向き状
態では、第２図に示すようにハンドル６の基部に
固着したフランジ状のカム１７の円弧状大径部１
７ａを牽制部材１２の縁部に作用させてスプリン
グ１６に抗して矢印Ａとは逆方向に移行させ、牽
制部材１２の下側部１３によつて第２シフトフオ
ーク軸８ｂの後進第３速位置、つまり、引出しシ
フト位置への移行を接当阻止するように構成して
ある。更に、牽制部材１２の下端部１３からミツ
シヨンケース３側へ延設した取付板１４に、牽制
部材としての突出長さ調節自在なボルト式のスト
ツパー１５を立設し、第３図に示すように、中立
位置にある第２シフトフオーク軸８ｂの係合部材
９ｂの内側に重複するように突出させることによ
り、後進第２速位置、つまり、押込みシフト位置
への移行を接当阻止するように構成し、一方、ス
トツパー１５を適時、上方へ退避調節することに
より、牽制部材１２が作用状態であつても、後進
第２速位置にのみシフト可能なるように構成して
ある。

尚、ストツパー１５の具体的構成は各種変更自
在である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型移動農機の後進高速
牽制装置の実施例を示し、第１図は歩行型耕耘機
の全体側面図、第２図はハンドル逆向き状態での
変速操作部を示す斜視図、第３図は要部の正面図
である。 ３……ミツシヨンケース、６……操縦ハンド
ル、８ａ……第１シフトフオーク軸、８ｂ……第
２シフトフオーク軸、１２，１５……牽制部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中立位置からの正逆各方向への摺動操作で、前
   進第１速と後進とを切換選択する第１シフトフオ
   ーク軸８ａと、中立位置からの正逆各方向への摺
   動操作で、前進第２速と前進第３速とを切換選択
   する第２シフトフオーク軸８ｂとを、ミツシヨン
   ケース３の横側面から各シフトフオーク軸８ａ，
   ８ｂの軸端が突出する状態で設けるとともに、前
   記第２シフトフオーク軸８ｂが前進第２速と前進
   第３速とに切換えられることを阻止する牽制部材
   を、牽制状態と牽制解除状態とに切換自在に設
   け、その牽制部材を操縦ハンドル６の機体前方側
   への向き変更に伴つて牽制状態に切換自在に構成
   してある歩行型移動農機の後進高速牽制装置にお
   いて、前記牽制部材を第２シフトフオーク軸８ｂ
   の端部に固設の係合用部材９ｂの外端面と内端面
   とに接当して牽制する一対の牽制部材１２，１５
   から構成するとともに、その一対の牽制部材１
   ２，１５の内で、前記第２シフトフオーク軸８ｂ
   が前進第２速に操作されることを牽制阻止する牽
   制部材１５を他方の牽制部材１２とは別に牽制解
   除可能に構成してあることを特徴とする歩行型移
   動農機の後進高速牽制装置。