JPH0414271Y2

JPH0414271Y2 -

Info

Publication number: JPH0414271Y2
Application number: JP19125886U
Authority: JP
Priority date: 1986-12-11
Filing date: 1986-12-11
Publication date: 1992-03-31
Also published as: JPS6394830U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、操向自在な前輪への伝動系に、後輪
駆動速度に略等しい駆動速度で伝動する標準駆動
状態と、後輪駆動速度より大きい駆動速度で伝動
する増速駆動状態とに切換える前輪変速装置を備
えると共に、操縦ハンドルと前記前輪変速装置と
を連係させて、直進状態から設定角度以上の操向
操作により前輪変速装置が増速駆動側に操作され
るように構成してある作業車の前輪変速操作構造
に関する。

〔従来の技術〕

前述のような前輪変速装置を備えると、作業地
面を荒らすことなく、又、軟弱な作業地でも容易
に急旋回が行えて旋回性が優れたものになるので
あるが、比較的高速で走行中に操向操作した場合
に、前輪変速装置が増速駆動側に切換操作される
と、高速で急旋回することなり危険な状態となる
ので、これに対する安全機構が必要となつてく
る。

その安全機構として、操縦ハンドルと前輪変速
装置とを連係及び連係解除状態とに切換える切換
レバーが連係側に操作されている場合には、走行
用の変速レバーの高速側への操作をストツパー等
により接当阻止するように、又、前記変速レバー
が高速側に操作されている場合には、前記切換レ
バーの連係側への操作をストツパー等により接当
阻止するように構成した機種がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述の構成はレバー操作そのものを機械的に牽
制阻止する構成である為、操縦者が無理な力でレ
バーを操作してしまうと、ストツパーやレバーを
破損してしまうおそれがある。

又、例えば前記切換レバーが連係側に操作され
た状態で直進中に加速すべく変速レバーを高速側
に操作しようとしても、先のような牽制作用によ
り変速レバーを高速側に操作できないので、一度
切換レバーを連係解除側に操作してから変速レバ
ーを高速側に操作しなければならないことにな
り、操作性と言う点から改良の余地がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴と冒記した作業車の前輪変速操作
構造において、操縦ハンドルと前輪変速装置とを
連係状態と連係解除状態とに切換える切換レバー
を連係側に操作すると、これに連動して走行用の
変速レバーが低速側に強制切換操作されるよう
に、且つ、前記変速レバーを高速側に操作する
と、これに連動して前記切換レバーが連係解除側
に強制切換操作されるように構成してあることに
あり、その作用及び効果は次のとおりである。

〔作用〕

前述のように構成すると、例えば、切換レバー
が連係側に操作された状態で直進中に、加速すべ
く変速レバーを高速側に操作すれば、牽側作用等
を受けることなく高速側に変速レバーを操作で
き、且つ、この操作に連動して切換レバーが連係
解除側に操作される。従つて、その後に操向操作
しても前輪変速装置は増速駆動側に切換操作され
ないことになる。

又、変速レバーを高速側に操作した状態で直進
中に、前輪増速作用を利用して旋回操作すべく切
換レバーを連係側に操作すれば、この操作に連動
して変速レバーが低速側に操作され機体は自動的
に減速するので、旋回時の安全性は確保されるの
である。

〔考案の効果〕

以上のように、危険な状態側へのレバー操作を
ストツパー等により牽制阻止するのではなく、一
方のレバー操作によつて危険な状態が現出されな
いように、他方のレバー安全側に連動操作される
ように構成したので、無理な操作による機械的な
破損等を招くことはなく、さらに、変速レバーを
高速側から低速側の操作してから、切換レバーを
連係側に操作しなければならない等の操作性での
欠点も改善されることとなつた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例の一つである四輪駆動型
の農用トラクタについて図面に基づいて説明す
る。

第６図に示すように、左右一対の前輪１ａ，１
ｂを操向操作及び駆動可能に有し、かつ、左右一
対の非操向型の後輪２ａ，２ｂを駆動可能に有し
た走行機体の後部に、ロータリ耕耘装置等の各種
作業装置を昇降操作可能に連結するリフトアーム
３、及び、作業操置に伝動する動力取出し軸４を
不設して、四輪駆動型の農用トラクタを構成して
ある。

次に、動力伝達系について述べると、同図に示
すようにエンジン１０からの動力は主クラツチ１
１、動力伝達軸１２からミツシヨンケース８内の
主変速装置及び高低２段の副変速装置（以上図示
せず）に伝達され、変速操作されて後輪２ａ，２
ｂを駆動すると共に、副変速装置から分岐した動
力は前輪伝達軸１５から前輪軸ケース５内の前輪
変速装置１８に送られ、変速操作されて前輪１
ａ，１ｂを駆動するのである。

次に、前記前輪変速装置１８について詳述する
と第３図に示すように、前輪伝達軸１５に連結さ
れた入力軸１６が車軸６に遊転外嵌されたベルギ
ア１７に咬合つている。このベベルギア１７は円
筒軸２０の一端に取付けられ、円筒軸２０の他端
には、側面に咬合部を有する標準伝動ギア２１が
取り付けられている。

前記円筒軸２０は車軸６に遊転外嵌されてお
り、さらに出力円筒軸２６が円筒軸２０に対して
相対回転自在に連設外嵌してある。この出力円筒
軸２６には多板式の摩擦クラツチ２９が取付けら
れると共に、摩擦クラツチ２９と前記標準伝動ギ
ア２１の間に、咬合部を有するシフト部材２７が
配置され、出力円筒軸２６にスプライン嵌合され
ている。

そして、前記シフト部材２７を標準伝動ギア２
１に咬合せると、標準伝動ギア２１からの動力は
シフト部材２７、出力円筒軸２６を通り前輪デフ
機構１９に、前輪１ａ，１ｂと後輪２ａ，２ｂの
駆動速度が略等しい標準駆動状態で伝達される。
逆に、シフト部材２７により摩擦クラツチ２９を
押圧して入り操作すると、標準伝動ギア２１から
の動力は第１伝動ギア２２、ギア支持軸２３、第
２伝動ギア２４、摩擦クラツチ２９の入力ギア２
５、摩擦クラツチ２９、出力円筒軸２６を前輪１
ａ，１ｂの駆動速度が後輪２ａ，２ｂのそれより
も増速される増速駆動状態で、前輪デフ機構１９
に伝達されるのである。以上のように、標準及び
増速の２段に変速可能に前輪変速装置１８が構成
されている。

次に、前輪変速装置１８の前記シフト部材２７
の操作系の構造について詳述すると、第３図及び
第４図に示すようにシフト部材２７を摺動操作す
るシフトフオーク３０が操作軸３１に融通用のバ
ネ４３を介して取付けられると共に、前記バネ４
３よりも付勢力の弱いバネ３２でシフトフオーク
３０が標準伝動ギア２１咬合側に付勢されてい
る。これに対し、前輪１ａ，１ｂ操向用のナツク
ルアーム７と連係部材４７、４６を介して連係さ
れたカム支持軸４５が前記操作軸３１に直交する
ように配置されると共に、カム支持軸４５下端に
カム部材４４をスプライン構造にて取付けてい
る。以上のようにして、前輪１ａ，１ｂの操向操
作に連動して前記カム支持軸４５がその軸芯周り
に回動操作されるのである。

そして、前記操作軸３１端部の操作部３１ａが
カム部材４４に接当しており、操縦ハンドル２８
により前輪１ａ，１ｂが設定角度以上に操作され
ると、カム作用により操作軸３１が増速駆動状態
側に操作されると共に、シフトフオーク３０を介
してシフト部材２７が摩擦クラツチ２９押圧側に
操作されて、前輪１ａ，１ｂが増速駆動状態とな
るのである。また、第４図及び第５図に示すよう
に、前記操作部３１ａを摺動方向に案内するガイ
ド部材４０を設けて、操作部３１ａが円滑に増速
駆動状態側に作動するように構成しているのであ
る。

操縦ハンドル２８の操向操作により増速駆動状
態が現出される状態と、操縦ハンドル２８の操向
操作にかかわらず増速駆動状態が現出されない状
態とに切換える操作は、カム部材４４を上方に摺
動させ、操作軸３１の操作部３１ａより離間させ
ることによつて行う。第４図に示すように、カム
支持軸４５直交する芯軸P₁周りに操作軸９が回
転自在に軸支され、この操作軸９から延出された
一対の操作アーム４９先端のピン４８がカム部材
４４のボス部に係入しており、操作軸９の回動操
作によりカム部材４４を操作部３１ａより離間操
作するのである。

次に前記前輪変速装置１８の連係切換用の切換
レバー１３と副変速レバー１４との連係構造につ
いて詳述すると、第１図及び第２図に示すように
機体操縦部の横軸芯P₂周りに副変速レバー１４
が揺動自在に軸支されており、この副変速レバー
１４のボス部から延出された操作アーム１４ａと
副変速装置とが連係ロツド３３を介して連動連結
されている。

さらに、前記横軸芯P₂周りには、前輪１ａ，
１ｂへの動力を伝達して走行する四輪駆動状態
と、前輪１ａ，１ｂへの動力を断つて後輪２ａ，
２ｂのみを駆動する後二輪駆動状態とに切換える
四輪駆動切換レバー３４が揺動操作自在に取付け
られている。

これに対して、横軸芯P₃周りに前輪変速装置
１８用の切換レバー１３が揺動自在に軸支されて
おり、この切換レバー１３のボス部から延出され
た操作アーム１３ａと前輪変速装置１８の操作軸
９とが連係ロツド３５，３６を介して連動連結さ
れている。そして、切換レバー１３のボス部には
扇状の連係部材３７が設けられ、前記副変速レバ
ー１４の操作アーム１４ａと連結部材３７の長穴
３７ａに亘つて連係ロツド３８が架設されてい
る。

第１図に示す状態は、副変速レバー１４を低速
位置Ｌに操作し、切換レバー１３を前輪変速装置
１８と操縦ハンドル２８とが連係する倍速入位置
に操作している状態にある。この状態から副変速
レバー１４を高速位置Ｈに操作すると、連係ロツ
ド３８及び連係部材３７の作用によつて、切換レ
バー１３は前輪変速装置１８と操縦ハンドル２８
との連係が断たれる倍速切位置に連動操作される
のである。

又、切換レバー１３が高速切位置Ｈに操作され
副変速レバー１４が高速位置Ｈに操作されている
状態から、切換レバー１３を倍速入位置に操作す
ると、連係ロツド３８及び連係部材３７の作用に
よつて、副変速レバー１４が低速位置Ｌに連動操
作されるのである。

そして、連係部材３７の長穴３７ａの融通によ
つて切換レバー１３を倍速切位置に、副変速レバ
ー１４を低速位置Ｌに操作できるのである。さら
に、前記連係部材３７にはボール式のデテント機
構３９を備えており、倍速入位置と倍速切位置と
に係合保持されるのである。

又、前記連係ロツド３８を取外せば、副変速レ
バー１４を高速位置Ｈに操作し、切換レバー１３
を倍速入位置に操作することも可能である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車の前輪変速操作構造
の実施例を示し、第１図は切換レバー及び変速レ
バー周りの側面図、第２図は切換レバー及び変速
レバー周りの平面図、第３図は前車軸ケースの縦
断正面図、第４図は前輪変速装置のシフト部材操
作系の断面図、第５図は前記シフト部材操作系に
おけるカム部材付近の斜視図、第６図は農用トク
ラタの全体側面図である。１ａ，１ｂ……前輪、１３……切換レバー、１
４……変速レバー、１８……前輪変速装置、２８
……操縦ハンドル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

操向自在な前輪１ａ，１ｂへの伝動系に、後輪
駆動速度に略等しい駆動速度で伝動する標準駆動
状態と、後輪駆動速度より大きい駆動速度で伝動
する増速駆動状態とに切換える前輪変速装置１８
を備えると共に、操縦ハンドル２８と前記前輪変
速装置１８とを連係させて、直進状態から設定角
度以上の操向操作により前輪変速装置１８が増速
駆動側に操作されるように構成してある作業車の
前輪変速操作構造であつて、前記操縦ハンドル２
８と前輪変速装置１８とを連係状態と連係解除状
態とに切換えるレバー１３を連係側に操作する
と、これに連動して走行用の変速レバー１４が低
速側に強制切換操作されるように、且つ、前記変
速レバー１４を高速側に操作すると、これに連動
して前記切換レバー１３が連係解除側に強制切換
操作されるように構成してある作業車の前輪変速
操作構造。