JPS6230507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前後に向き変更ならびに固定自在な
操縦用ハンドルを設け、ミツシヨンケースから突
出する状態で変速用シフター軸を設け、前記ハン
ドルが機体後方向きの正規姿勢にある状態で前進
複数段の変速及び後進の切換え変速を可能に構成
し、前記ハンドルの機体前方側への向き変更操作
に伴つて前進変速用シフター軸の最高速へのシフ
ト操作を牽制する牽制機構を設けた歩行型移動農
機の高速後進牽制装置に関する。

ハンドルの機体前方側への向き変更に伴つて操
縦者から見た後進高速の牽制をはかる構造のもの
としては、従来、実開昭54−78602号公報に開示
の技術が知られている。

ところが、この構造のものは、ハンドルが機体
後方に位置する正規姿勢において、前進変速用シ
フター軸の最高速へのシフト操作を可能にする孔
を備えた揺動牽制部材を前記シフター軸と同方向
の軸芯周りで揺動自在に設け、その揺動牽制部材
を前記シフター軸と同方向の軸芯周りで揺動自在
に設け、その揺動牽制部材を前記ハンドルの機体
前方側への向き変更に伴つて揺動させて、ハンド
ル向き変更状態における前進変速用シフター軸の
最高速への操作を、前記牽制部材に前記シフター
軸を接当させて牽制をはかる構造のものであつた
から、前記ハンドルが正規向き姿勢で、且つ、前
記変速用シフター軸が揺動牽制部材の孔を通つて
最高速に操作されている状態において、不測に前
記ハンドルを機体前方側に向き変更操作した場合
に、前記ハンドル向きの変更に伴つて揺動される
牽制部材を介して前記変速用シフター軸が曲げ変
形を受けて前進変速用シフター軸のシフト操作が
行い難くなる問題があつた。

本考案は、牽制構造を工夫することによつて前
記欠点を解消することを目的とする。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
前進変速用シフター軸のシフト方向と直交する方
向の軸芯周りで揺動自在で、且つ、前記前進変速
用シフター軸に接当係合可能な牽制部材を設ける
とともに、前記前進変速用シフター軸の最高速側
へのシフト操作に伴つて揺動される前記牽制部材
の揺動範囲内に前記ハンドルの機体前方側への向
き変更に伴つて突入する部材を設けて構成した点
にあり、斯かる構成から次の作用効果を奏する。

すなわち、前進変速用シフター軸を最高速にシ
フト操作すると、それに伴つて揺動牽制部材が揺
動し、そして、斯かる状態において、ハンドルを
機体前方側に向き変更操作すると、前記突入部材
が、前記牽制部材に対して、牽制部材の揺動軸芯
方向から前記牽制部材に接当して、ハンドルの機
体前方側への向き変更が阻止されるとともに、斯
かる場合に、ハンドル向き変更に伴う作用力が、
揺動牽制部材に対して牽制部材の揺動方向に対し
て直交する方向で前記牽制部材に作用する為、前
記牽制部材が揺動されず、前進変速用シフター軸
の曲げ変形を阻止することができるに至つた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第４図で示すように、エンジン１を
搭載する前フレーム２の後部に、左右一対の車軸
３，３を支承するミツシヨンケース４を固定連結
し、このミツシヨンケース４の上部に固着された
ホルダー１３に、縦軸芯周りでの回動によつて前
後に向き変更自在な操縦用ハンドル５を設けると
ともに、前記エンジン１の駆動軸６と前記ミツシ
ヨンケース４の入力軸７との間に、テンシヨンア
ーム８Ａ，８Ｂの選択揺動によつて高低２段に変
速可能な主クラツチ兼用のベルト式変速装置８を
設け、かつ、前記ミツシヨンケース４内の上部
で、前記入力軸７から車軸３，３への伝動系に
は、前記ハンドル５に沿つて設けた変速レバー９
の揺動操作によつて、前後方向で近接配設した２
種のシフター部材１０Ａ，１０Ｂを横向き姿勢の
シフター軸１０Ｃ，１０Ｄ軸芯方向に選択的にシ
フトさせることにより、正転３段、逆転１段に変
速可能なギヤ式変速装置１０を介在させてある歩
行型移動農機において、前記ハンドル５を前向き
姿勢に変更したとき、前記ギヤ式走行変速装置１
０の正転高速状態、つまり、正転第３速状態への
変速を阻止する牽制機構１１を設けている。

而して、前記牽制機構１１を構成するに、前記
両シフター部材１０Ａ，１０Ｂのうち、正転第３
速状態と逆転状態とに切換えるシフター部材１０
Ａとの接当により、該シフター部材１０Ａと同一
方に揺動する牽制部材１２を、前記ハンドルホル
ダー１３に固着したブラケツト１４に枢着すると
ともに、前記ハンドルホルダー１３に、前記牽制
部材１２の上部揺動経路に対して出退移動自在
で、かつ、スプリング１５を介して前記揺動経路
から引退させた非牽制作用姿勢に付勢された第２
牽制部材１６を設け、更に、前記ハンドル５の取
付け基端部には、このハンドル５の前向き姿勢へ
の回動に伴なつて、前記第２牽制部材１６をスプ
リング１５の付勢力に抗して前記の揺動経路に突
出する牽制作用姿勢に押圧切換えするカム１７を
固着し、もつて、前記ハンドル５が前向き姿勢に
あるとき、前記牽制部材１２を、前記第２牽制部
材１６との接当により、前記シフター部材１０Ａ
の正転第３速操作位置へのシフトを接当阻止する
牽制作用姿勢に位置保持すべく構成している。

また、前記シフター部材１０Ａが正転第３速操
作位置にあるとき、前記両牽制部材１２，１６の
接当によつて前記ハンドル５の前向き姿勢への回
動を阻止すべく構成している。

前記第２牽制部材１６は、前記ハンドルホルダ
ー１３に対して２つのピン１８，１８と長孔１９
を介してスライド移動自在に取付けられている。

上記実施例において、第２牽制部材１６を、ハ
ンドル５の機体前方側への向き変更に伴つて牽制
部材１２の揺動範囲内に突入する部材と称す。

尚、前記ハンドル５が前向き姿勢にあるとき、
前記牽制部材１２を前記の牽制作用姿勢に位置保
持する手段として、上述実施例では前述の如き第
２牽制部材１６を用いたが、第５図で示す如く、
前記牽制部材１２とハンドル５のカム１７との直
接接当によつて位置保持すべく構成しても良い。

斯かる場合には、前記カム１７をもつて前記ハ
ンドル５の機体前方側への向き変更に伴つて牽制
部材１２の揺動範囲内に突入する部材と称す。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型移動農機の高速後進
牽制装置の実施例を示し、第１図は歩行型移動農
機の全体側面図、第２図は要部の一部切欠側面
図、第３図は要部の一部切欠平面図、第４図は要
部の拡大断面図、第５図は他の実施例を示す要部
の側面図である。 ４……ミツシヨンケース、５……操縦用ハンド
ル、１０Ｃ……前進変速用シフター軸、１０Ｄ…
…前後進切換用シフター軸、１２……牽制部材、
１６，１７……突入部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後に向き変更ならびに固定自在な操縦用ハン
   ドル５を設け、ミツシヨンケース４から突出する
   状態で変速用シフター軸１０Ｃ，１０Ｄを設け、
   前記ハンドル５が機体後方向きの正規姿勢にある
   状態で前進複数段の変速及び後進の切換え変速を
   可能に構成し、前記ハンドル５の機体前方側への
   向き変更操作に伴つて前進変速用シフター軸１０
   Ｃの最高速へのシフト操作を牽制する牽制機構を
   設けた歩行型移動農機の高速後進牽制装置におい
   て、前記牽制機構を構成するに、前記前進変速用
   シフター軸１０Ｃのシフト方向と直交する方向の
   軸芯周りで揺動自在で、且つ、前記前進変速用シ
   フター軸１０Ｃに接当係合可能な、牽制部材１２
   を設けるとともに、前記前進変速用シフター軸１
   ０Ｃの最高速側へのシフト操作に伴つて揺動され
   る前記牽制部材１２の揺動範囲内に前記ハンドル
   ５の機体前方側への向き変更に伴つて突入する部
   材（１６又は１７）を設けて構成してあることを
   特徴とする歩行型移動農機の高速後進牽制装置。