JPS626909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、移動農機の走行牽制装置に関する
ものである。

従来、耕耘ロータリ等の回転作業機を備えた歩
行型の移動農機においては、作業機を駆動したま
ま作業者が不用意に機体を後進させることによる
作業機への巻込み事故を防止するために、作業機
が駆動しているときには走行用変速レバーの後進
方向への切換動作を阻止するとともに走行用変速
レバーが後進位置に存するときは作業機の動力伝
達操作を阻止するように構成したバツク牽制装置
と称する安全装置が採用されている。

このようなバツク牽制装置を装備するにあた
り、作業機に動力断続レバーが設けられている場
合は、移動農機本体に作業機を連結する度に、移
動農機本体の走行用変速レバーと作業機の動力断
続レバーとをワイヤあるいはロツド等の連結部材
により連結し、かつ調整作業を行わなくてはなら
ず、きわめてわずらわしい欠点を有している。

このような連結作業を解消するために、たとえ
ば実公昭43−31525号公報や実公昭53−27847号公
報に記載されているように、走行用変速レバーを
備えた移動農機本体の後部に動力断続レバーを備
えた作業機を連結し、前記動力断続レバーが動力
伝達ポジシヨンに位置しているときには前記走行
用変速レバーが前記移動農機の後退ポジシヨンに
位置するのを阻止するとともに前記走行用変速レ
バーが前記移動農機の後退ポジシヨンに位置して
いるときには前記動力断続レバーが動力伝達ポジ
シヨンに位置するのを阻止する牽制プレートを設
けたものが存する。これらは走行用変速レバーと
動力断続レバーとを連結する必要がないと云う利
点を有するが、後退ポジシヨンが二段あるものに
は適用することができない。

この考案は、移動農機の後退が二段であつても
後退時の危険を確実に防止することができる移動
農機の走行牽制装置を得ることを目的とする。

この考案は、走行用変速レバーを備えた移動農
機本体の後部に動力断続レバーを備えた作業機を
連結し、前記動力断続レバーが動力伝達ポジシヨ
ンに位置しているときには前記走行用変速レバー
が前記移動農機の後退ポジシヨンに位置するのを
阻止するとともに前記走行用変速レバーが前記移
動農機の後退ポジシヨンに位置しているときには
前記動力断続レバーが動力伝達ポジシヨンに位置
するのを阻止する牽制プレートを設けたものにお
いて、前記動力断続レバーを変速のために左右回
動自在で中立位置では前後の軸方向に位置変化す
るように取付け、前記走行用変速レバーを前進ポ
ジシヨンと一段目の後退ポジシヨンとが左右に位
置するように回動自在で軸方向に移動させて前記
前進ポジシヨンと同じ方向に回動させた二段目の
後退ポジシヨンを選択するように取付け、前記動
力断続レバーが動力伝達ポジシヨンに位置してい
るとき前記走行用変速レバーの一段目の後退ポジ
シヨンへの移動を阻止する前面板とその走行用変
速レバーの二段目の後退ポジシヨンへの移動を阻
止する側面板とを有するとともに前記走行用変速
レバーがいずれかの後退ポジシヨンに位置してい
るときには前記動力断続レバーの中立位置からの
移動を前記前面板により阻止するようにその前面
板と前記側面板とによりＬ字形に形成した牽制プ
レートを設けたことを特徴とするものである。し
たがつて、移動農機が後退機能として二段の変速
機能を有していても後退時に作業機が動作する危
険性を確実に防止することができるようにしたも
のである。

この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。移動農機本体１には軸方向にスライド自在及
び左右方向に回動自在に支持されたボス２を有す
る走行用変速レバー３と、ボス２に立設されたガ
イドピン４を前進１速及び後進１速又は後進２速
のポジシヨンに位置させるガイドプレート５とが
設けられている。

ついで、作業機であるロータリ６には動力断続
レバー７が前後方向に回動自在及び左右方向に回
動自在に設けられている。この動力断続レバー７
はガイドプレート８に保持されて後方への動作に
よりニユートラルポジシヨンから脱し左又は右方
向への回動動作により低速又は高速ポジシヨンに
切換えられるものである。

しかして、前記作業機６の前記移動農機本体１
への連結部９には、一端に牽制プレート１０が固
定されたステー１１とレバー１７と前記動力断続
レバー７に接合するステー１２とが前後方向に回
動自在に保持されている。ステー１１とレバー１
７とは軸１８に固定され、レバー１７の下端と他
方のステー１２とは調節ネジ１３により間隔調節
自在に連結されている。第１図において、前記ス
テー１１はトーシヨンスプリング１４により反時
計方向へ付勢され、この付勢力は順次伝達されて
動力断続レバー７も反時計方向へ付勢されてい
る。前記牽制プレート１０は前記走行用変速レバ
ー３の下端に対向する前面板１５と側面板１６と
を有するＬ字形のものである。

このような構成において、第３図ａに示すよう
に、動力断続レバー７が中立ポジシヨンに位置す
るときは、ステー１１はトーシヨンスプリング１
４に付勢されて回動し牽制プレート１０を前方に
位置させる。したがつて、走行用変速レバー３は
右方（前進１速）への回動動作と、第３図ｄに示
すように左方（後進１速）への回動動作と、第３
図ｃに示すように前方へ押してから右方へ倒す
（後進２速）への回動動作とが可能である。ま
た、第３図ｃに示す状態は走行用変速レバー３が
牽制プレート１０の前面板１５と対向し、第３図
ｄに示す状態は走行用変速レバー３が側面板１６
の後縁に対向し、これらの状態のように、走行用
変速レバー３が後進ポジシヨンに位置する状態で
は牽制プレート１０は後方への動きを走行用変速
レバー３に阻止される。換言すれば動力断続レバ
ー７の後方への動き（中立位置から脱する方向へ
の動き）は阻止される。

第３図ｂに示すように、動力断続レバー７を後
方へ引いて左方（低速）又は右方（高速）に切換
えたときは、動力断続レバー７の動きがステー１
２と調節ネジ１３とレバー１７と軸１８とを介し
てステー１１に伝達され、牽制プレート１０は後
方に位置し、前面板１５により走行用変速レバー
３の前方（後進２速方向）への動きを阻止し、側
面板１６により走行用変速レバー３の左方への動
きを阻止する。すなわち、動力断続レバー７が動
力伝達ポジシヨンに位置するときは、後進方向へ
の変速動作が阻止される。

このように、動力断続レバー７に連動する牽制
プレート１０はロータリ６側に装備されているた
め、移動農機本体１にロータリ６を連続したとき
には、牽制プレート１０が走行用変速レバー３に
連動連結する対応位置にセツトされる。

この考案は上述のように構成したので、移動農
機本体と作業機とを連結したときに、牽制プレー
トを取付関係を調節することなく動力断続レバー
と走行用変速レバーとに連動連結することがで
き、とくに、牽制プレートは前面板と側面板とに
よりＬ字形に形成されているので、移動農機の後
退ポジシヨンが二段であつても確実に後退時の危
険を防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は側面図、第２図は要部の正面図、第３図は走
行用変速レバーと動力断続レバーと牽制プレート
との関連動作を示す平面図である。 １……移動農機本体、３……走行用変速レバ
ー、６……ロータリ（作業機）、７……動力断続
レバー、９……連結部、１０……牽制プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行用変速レバーを備えた移動農機本体の後部
   に動力断続レバーを備えた作業機を連結し、前記
   動力断続レバーが動力伝達ポジシヨンに位置して
   いるときには前記走行用変速レバーが前記移動農
   機の後退ポジシヨンに位置するのを阻止するとと
   もに前記走行用変速レバーが前記移動農機の後退
   ポジシヨンに位置しているときには前記動力断続
   レバーが動力伝達ポジシヨンに位置するのを阻止
   する牽制プレートを設けたものにおいて、前記動
   力断続レバーを変速のために左右回動自在で中立
   位置では前後の軸方向に位置変化するように取付
   け、前記走行用変速レバーを前進ポジシヨンと一
   段目の後退ポジシヨンとが左右に位置するように
   回動自在で軸方向に移動させて前記前進ポジシヨ
   ンと同じ方向に回動させた二段目の後退ポジシヨ
   ンを選択するように取付け、前記動力断続レバー
   が動力伝達ポジシヨンに位置しているとき前記走
   行用変速レバーの一段目の後退ポジシヨンへの移
   動を阻止する前面板とその走行用変速レバーの二
   段目の後退ポジシヨンへの移動を阻止する側面板
   とを有するとともに前記走行用変速レバーがいず
   れかの後退ポジシヨンに位置しているときには前
   記動力断続レバーの中立位置からの移動を前記前
   面板により阻止するようにその前面板と前記側面
   板とによりＬ字形に形成した牽制プレートを設け
   たことを特徴とする移動農機の走行牽制装置。