JPS5914260Y2 - 移動農機の変速操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、第一方向への操作移動により主変速装置を多
段に切換えるための一本の操作レバーを、その中立操作
位置で主変速操作方向とは異なる第二方向に操作移動可
能で、この第二方向への操作移動により副変速装置を高
低二段に切換え自在に構成しであるコンバイン等移動農
機の変速操作装置に関する。

かかる移動農機の変速操作装置においては、主、副側変
速装置の変速の組合せによる多段変速を一本レバー操作
をもって非常に簡便に行なえる利点を有するが、反面、
主変速および副変速が一本レバーの動きに支配されてい
るため、例えば、高速で路上走行させてきた機体を、圃
場内での作業に切換える際、路上走行のために主変速中
立でかつ、副変速高速側に操作移動されているレバーを
そのまま、主変速操作して、機体が操縦者の操作意図に
反して、つまり、副変速低速での主変速操作といった圃
場内作業での安全速度に反した高速操作が行なわれてし
まう可能性が大きい欠点があった。

本考案は、かかる点に鑑み、一本レバーにより副変速お
よび主変速操作を可能にしながら、そのために派生する
操作上の危険を簡単な構造改良によって回避せんとする
点に目的を有する。

本考案による移動農機の変速操作装置は、一本の操作レ
バーを、主変速装置を多段に変速切換えするための第一
方向と、これとは異なる第二方向とに操作移動自在に構
成し、この操作レバーの操作方向を案内するための変速
案内板に、前記第一方向に長手方向を沿わせ、かつ、互
に適当距離を隔てて並行する状態で高速域変速用案内溝
と低速域変速用案内溝とを並設すると共に、これらの各
案内溝における中立操作位置どうしを結ぶ状態で、その
長平方向を前記第二方向に沿わせた副変速用案内溝を形
威し、前記操作レバーの近く位置には、副変速装置に対
してワイヤーを介して連繋され、かつ、前記第二方向で
の高速域変速用案内溝側への操作レバーの操作に伴って
前記副変速装置を高速側へ切換え操作するための中継リ
ンクを配設し、さらに、前記操作レバーには付勢機構を
装着して常時この操作レバーを低速域変速用案内溝側へ
付勢すべく構威し、前記中継リンクは、前記副変速装置
を低速側へ付勢する機構を設けることにより前記ワイヤ
ーを介して常時この中継リンクを低速域変速用案内溝側
へ付勢すべく構成しであることを特徴とする。

即ち、本考案によれば、操作レバーおよび副変速装置を
副変速低速側に付勢して、主変速中立状態においては常
に、副変速低速状態を確保することができるようになっ
ているから、主変速中立状態では常に副変速を安全な低
速側の操作状態に保持することができて、例えば、副変
速高速側で路上走行させてきた機体を次に副変速低速の
状態で圃場内において低速走行させるような場合におい
て、誤って副変速高速の状態で走行させてしまうといっ
た危険がなく、操縦者の意図した安全低速走行を確実に
行なえるに至った。

そして、このように、操作レバーを副変速低速側に付勢
しておくと、操作レバーの副変速操作方向は一方向、つ
まり、高速側への操作方向のみで良いので、操作レバー
の動きを副変速装置に伝える連動機構は、ワイヤーを使
用することが可能となるので、例えば、前記操作レバー
を副変速低速側に付勢しておくことなく、中立位置に復
帰させておく場合のように、操作レバーで副変速装置を
切換える場合には、高速側と位置側の異なる２方向の操
作を必要とし、その為に、簡単なワイヤーを使用するこ
とができず、ロッドで連結する場合のように、その操作
方向をあらゆる方向に変換して、操作レバーから副変速
機構に伝達するような複雑な構造をとらなくてもよいの
で、副変速の連動機構が簡単になり、また、操作レバー
や副変速装置の配設位置の設計の自由度が大となる利点
を有する。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、コ
ンバイン（移動農機の一例）における運転座席５の横−
側部に横軸芯Ｘ１周りで前後方向に操作揺動可能な一本
の操作レバー２を設け、このレバー２を装着する横軸芯
Ｘ１周りに回動自在な筒軸２Ａを、エンジン６からクロ
ーラ７への伝動系に介装した前進三段、後進一段に切換
え可能な主変速装置１に連係させて、レバー２の前後方
向での操作揺動により、主変速装置１を切換え可能に構
成する。

前記レバー２を筒軸２Ａに、横軸芯Ｘ１に対して直交す
る軸芯Ｘ２周りで横方向に揺動自在に取付け、前記の伝
動系に主変速装置１に直列接続する状態で介装した高低
二段に切換え可能な副変速装置３に連係するとともに、
前記横軸芯Ｘ１に対して直交する前後方向の軸芯Ｘ３周
りに揺動自在で、前記レバー２が横一側方に操作揺動す
るとき、これに押圧されて高速側に揺動する中継リンク
２Ｂを設け、もって、レバー２の横方向での操作揺動に
より、副変速装置３を高低二段に切換え可能に構成する
。

前記レバー２が横一側方に揺動位置する状態においてレ
バー２の前後方向の揺動を可能にさせる高速域変速用案
内溝ａ１と、レバー２が横他側方に揺動位置する状態に
おいて、レバー２の前後方向の揺動を可能にさせる低速
域変速用案内溝ａ２および、レバー２か゛主変速中立位
置Ｎに位置するときにおいてのみ、レバー２の横方向揺
動を可能にさせる副変速用案内溝ａ３とをもつ変速案内
板８を設ける。

従って、低速域変速用案内溝ａ２に沿ってレバー２を前
後方向に揺動させることにより、車速を、前進−速Ｆ１
、前進二速Ｆ２、前進三速Ｆ３、後進−速Ｒ１に切換え
ることができ、高速域変速用案内溝ａ２に沿ってレバー
２を前後方向に揺動させることにより、車速を、前進四
速Ｆ４、前進五速Ｆ５、前進六速Ｆ６、後進二速Ｒ２に
切換えることができる。

而して、本実施例においては、前記中継リンク２Ｂと副
変速装置３とをワイヤー４を介して連係するとともに、
前記筒軸２Ａに、レバー２を挿通させる状態でレバー２
が副変速低速側に揺動位置するとき自由状態にあり、レ
バー２が副変速高速側に揺動位置するとき弾圧変形して
、レバー２を副変速低速側に付勢する付勢機構としての
バネ板９を設け、かつ、副変速装置３を低速側に付勢し
である。

尚、前記上、副変速装置１，３はミッションケース１０
に内装してあり、又、図中仮想線で示す１１はコンバイ
ンの刈取部であり、１２は脱穀部である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る移動農機の変速操作装置の実施例を
示し、第１図はコンバイン（移動農機）の概略平面図、
第２図は要部の拡大横断平面図、第３図、第４図は作動
を示す要部の拡大縦断背面図で゛ある。 １・・・・・・主変速装置、２・・・・・・操作レバー
、３・・・・・・副変速装置、４・・・ワイヤー、８・
・・・・・変速案内板、９・・・・・・付勢機構、２Ｂ
・・・・・・中継リンク、ａｌ・・・・・・高速域変速
用案内溝、ａ２・・・・・・低速域変速用案内溝、ａ３
・・・・・・副変速用案内溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一本の操作レバー２を、主変速装置１を多段に変速切換
   えするための第一方向と、これとは異なる第二方向とに
   操作移動自在に構成し、この操作レバー２の操作方向を
   案内するための変速案内板８に、前記第一方向に長手方
   向を沿わせ、かつ、互に適当距離を隔てて並行する状態
   で高速域変速用案内溝ａ１と低速域変速用案内溝ａ２と
   を並設すると共に、これらの各案内溝ａ１．ａ２におけ
   る中立操作位置どうしを結ぶ゛状態で、その長手方向を
   前記第二方向に沿わせた副変速用案内溝ａ３を形成し、
   前記操作レバー２の近く位置には、副変速装置３に対し
   てワイヤー４を介して連繋され、かつ、前記第二方向で
   の高速域変速用案内溝ａ１側への操作レバー２の操作に
   伴って前記副変速装置３を高速側へ切換え操作するため
   の中継リンク２Ｂを配設し、さらに、前記操作レバー２
   には付勢機構９を装着して常時この操作レバー２を低速
   域変速用案内溝ａ２側へ付勢すべく構威し、前記中継リ
   ンク２Ｂは、前記副変速装置３を低速側へ付勢する機構
   を設けることにより前記ワイヤー４を介して常時この中
   継リンク２Ｂを低速域変速用案内溝ａ２側へ付勢すべく
   構成しである移動農機の変速操作装置。