JPS6346307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、操縦ハンドルの機体前方側への位置
変更に伴つてハンドル延出方向への機体高速後進
を牽制する歩行型作業車に関し、詳しくは、機体
に対して操縦ハンドルを、機体後方に位置する正
規の姿勢から機体前方に位置する逆向きの姿勢に
縦軸芯周りに姿勢切換自在に設けるとともに、ミ
ツシヨンケースの側壁から突出の前後進用シフタ
ー軸と高速前進用シフター軸の内の高速前進用シ
フター軸の移動を接当阻止する牽制部材を、牽制
状態と牽制解除状態とに横軸芯周りに姿勢切換自
在に設け、もつて、前記操縦ハンドルの機体前方
側への位置変更に伴つて前記牽制部材を牽制解除
状態から牽制状態に切換えて前記操縦ハンドル延
出方向への機体高速後進を牽制すべく構成してあ
る歩行型作業車に関する。

上記のように、操縦ハンドルの機体前方側への
位置変更に伴つてハンドル延出方向への機体高速
後進を牽制する構造としては、従来より、実開昭
53−137006号公報に記載の構造が知られていた。

この構造のものは、操縦ハンドルの基端に付設
のカムプレートによつて、牽制部材としての牽制
アームを、操縦ハンドルの機体前方側への位置変
更に伴つて牽制状態に切換えて、その牽制状態を
維持すべく構成してある。

このように、操縦ハンドルの基端に付設のカム
プレートによつて、牽制部材を牽制状態に切換え
てその牽制状態を維持する構造のものでは、操縦
ハンドルをある一定角度回動させて牽制部材にカ
ムプレートが当たつてからその牽制部材を牽制状
態に維持できるようにカムプレートの長さ、操縦
ハンドルに対する取付位置を設定しなければなら
ないことから、カムプレートの製作、組付けに精
度が要求されるという欠点があつた。

本考案は、牽制構造をラフな製作加工並びに組
付けによつて得しめんとすることを目的とする。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
前記操縦ハンドルに、前記操縦ハンドルの向き変
更に伴つて前記牽制部材に接当して、その牽制部
材の姿勢を切換え操作する接当部材を設けるとと
もに、前記牽制部材には、前記接当部材で姿勢切
換された牽制部材を牽制状態と牽制解除状態との
何れかの姿勢に選択的に姿勢保持するデテント機
構を設けた点にあり、かかる構成から次の作用効
果を奏する。

すなわち、操縦ハンドルの機体前方側への位置
変更に伴つてハンドル延出方向への機体高速後進
を牽制するに当たつて、操縦ハンドルの回動に伴
つて牽制部材に接当するハンドルに付設の接当部
材と、その接当部材との接当によつて切換えられ
た牽制部材を位置保持するデテント機構から構成
したことによつて、操縦ハンドルの向き変更に連
動して牽制部材を揺動させるハンドル側部材は、
牽制部材に当たつてそれを切換えたらよいという
単なる接当ピンで良く、従つて、接当部材の長
さ、操縦ハンドルに対する取付位置を厳密に設定
する必要がなく、これによつて、牽制構造の製作
並びに組付けをラフに行うことができ、牽制構造
の製作、組付けが容易なものとなる。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図乃至第３図に示すように、エンジン１を
搭載する前フレーム２の後部に、左右一対の車軸
３を支承するミツシヨンケース４を固定連結し、
このミツシヨンケース４の上部に固着されたホル
ダー１２に、縦軸芯Ｐ周りでの回動によつて前後
に向き変更自在な操縦用ハンドル５を設けるとと
もに、前記エンジン１の駆動軸６と前記ミツシヨ
ンケース４の入力軸７との間に、テンシヨンアー
ム８Ａ，８Ｂの選択揺動によつて高低２段に変速
可能なベルト式変速装置８を設け、かつ、前記ミ
ツシヨンケース４内の上部で、前記入力軸６から
車軸３への伝動系に、前記ハンドル５に沿つて設
けた変速レバー９の揺動操作によつて前後方向で
近接配設した高速側及び低速側２種のシフター部
材１０Ａ，１０Ｂを横向き姿勢のシフター軸１０
Ｃ，１０Ｄ軸芯方向に選択的にシフトさせること
により、正転３段、逆転１段に変速可能なギヤ式
変速装置１０を介在させ歩行型トラクターを構成
してある。

この歩行型トラクターには、前記ハンドル５を
前向き姿勢に変更したとき、前記ギヤ式走行変速
装置１０の正転高速状態、つまり、正転第２速、
及び、第３速状態への変速を阻止する牽制機構１
１を設けている。

而して、前記牽制機構１１を構成するに、前記
高速側のシフター部材１０Ａに係合してそのシフ
ター部材１０Ａのシフト操作を牽制する状態と、
高速側シフター部材１０Ａから離脱してそのシフ
ト操作を許容する状態とに亘つて揺動位置変更自
在な作用端部側二又形状の牽制部材１３を、ミツ
シヨンケース４の外側壁に固設した横向き支軸１
４に支承すると共に、ハンドル５の前後向き変更
回動操作に伴ないハンドル５と一体回動し牽制部
材１３の上端側揺動端部に接当作用して牽制部材
１３を牽制作用状態と非牽制作用状態とに亘つて
切換操作する接当部材１５を、ハンドル５のホル
ダー１２に対する支持フランジ部５Ａに一体連設
し、更に、牽制部材１３の両揺動操作位置を保持
するデテント機構としてのストツパー１６を設
け、もつて、ハンドル５の前後向き変更回動操作
に伴ない自動的に牽制機構１１を作用状態と非作
用状態とに亘つて切換え操作し、かつ、その切換
え状態を保持するように構成してある。

前記ストツパー１６を構成するに、牽制部材１
３の揺動支軸１４に対する枢支ボス部１３Ａの外
周面に、揺動支軸１４の軸芯に平行する２本の係
合溝１７Ａ，１７Ｂを形成すると共に、牽制部材
１３の揺動に伴ないそれら係合溝１７Ａ，１７Ｂ
に択一的に係合し牽制部材１３の揺動位置を弾性
的に保持するバネ材１８を、第４図に示すように
１本のスプリング鋼線を屈曲加工して形成し、か
つ、そのバネ材１８の取付側屈曲端部をミツシヨ
ンケース４の外側面に形成した係止孔１９に挿通
して回り止めにした状態で、ミツシヨンケース４
外側面に対する螺着ボルト２０によりバネ材１８
をミツシヨンケース４に締付け固定してある。

牽制部材１３位置保持用バネ材１８を、一本の
棒材より屈曲形成するに、その棒材の材質及び具
体的屈曲形状並びに、バネ材１８の取付構造は各
種の構成変更が可能であり、また、そのバネ材１
８と係合する凹部１７Ａ，１７Ｂの具体的形状も
各種の構成変更が可能である。

第５図は、前記牽制部材１３位置保持用バネ材
を屈曲板状バネ材１８′から形成した別の実施例
である。

本考案は、歩行型トラクター等の移動農機や、
歩行型の建設用作業車等各種の歩行型作業車を対
象とするものである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型作業車の実施例を例
示し、第１図は歩行型トラクターの全体側面図、
第２図イ，ロは、非牽制状態と牽制状態とを示す
要部の一部切欠側面図、第３図は要部の一部切欠
平面図、第４図はバネ材を拡大した斜視図、第５
図はバネ材の別の実施例を示す斜視図である。 ４……ミツシヨンケース、５……操縦ハンド
ル、１０Ａ……高速前進用シフター軸、１０Ｂ…
…前後進用シフター軸、１３……牽制部材、１５
……接当部材、１６……デテント機構、Ｐ……縦
軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に対して操縦ハンドル５を、機体後方に位
   置する正視の姿勢から機体前方に位置する逆向き
   の姿勢に縦軸芯Ｐ周りに姿勢切換自在に設けると
   ともに、ミツシヨンケース４の側壁から突出の前
   後進用シフター軸１０Ｂと高速前進用シフター軸
   １０Ａの内の高速前進用シフター軸１０Ａの移動
   を接当阻止する牽制部材１３を、牽制状態と牽制
   解除状態とに横軸芯周りに姿勢切換自在に設け、
   もつて、前記操縦ハンドル５の機体前方側への位
   置変更に伴つて前記牽制部材１３を牽制解除状態
   から牽制状態に切換えて前記操縦ハンドル５延出
   方向への機体高速後進を牽制すべく構成してある
   歩行型作業車において、前記操縦ハンドル５に、
   前記操縦ハンドル５の向き変更に伴つて前記牽制
   部材１３に接当して、その牽制部材１３の姿勢を
   切換え操作する接当部材１５を設けるとともに、
   前記牽制部材１３には、前記接当部材１５で姿勢
   切換された牽制部材１３を牽制状態と牽制解除状
   態との何れかの姿勢に選択的に姿勢保持するデテ
   ント機構１６を設けてある事を特徴とする歩行型
   作業車。