JPS6232906Y2

JPS6232906Y2 -

Info

Publication number: JPS6232906Y2
Application number: JP1980183894U
Authority: JP
Priority date: 1980-12-20
Filing date: 1980-12-20
Publication date: 1987-08-22
Also published as: JPS57105825U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、ハンドル杆の延出向きを機体前後方
向に変更して使用する形式の移動農機に実施する
に好適な変速操作装置に関するものである。

ハンドル杆を機体前後方向に転向して用いる形
式の移動農機では、ハンドル杆の転向に伴つて変
速操作装置における変速レバーも転向させ得るよ
うに構成しなければならないのであり、それを可
能にする変速操作装置は従来から数多く提案ある
いは実施されてきているのであるが、従来の延出
向き変更自在な変速操作装置はそれ専用構造で設
置されるものになつているので、普及台数が圧倒
的に多いハンドル杆定位置固定型の移動農機との
互換性がなくて極端にコスト高になる問題点があ
り、また、従来装置は、変速レバーによつて変速
切換される伝動機構がどのような速度切換え状態
になつていてもそれとは無関係に変速レバーの延
出向きが変更操作される得る構造になつているの
で機体進行速度の切換え状態の誤認を生じ易くて
ハンドル杆転向後の機体スタートに危険であると
いつた問題点があつた。

そこで、本考案は上記の問題点に着目し、それ
らの問題点を悉く払拭すべく改良した変速操作装
置の提供を目的として実施したものである。

以下図面に示す実施例にもとづいて説明する。

第１図は、本考案を実施した移動農機の側面図
で、ミツシヨンケース１、左右一対の駆動車輪
２、エンジン３、伝動ケース４、車台５、耕耘装
置６は、従来の耕耘機と同様であり、ミツシヨン
ケース１の上部にハンドル台７を固定し、該ハン
ドル台７に菊座８を介してハンドル杆９の基部９
ａを回動自在に取付け締付具１０により、ハンド
ル杆９を、前方向き、後方向き、または所望の角
度で、ハンドル台７に固定自在として、ハンドル
杆延出向き転向自在移動農機とする。

第２図を参照して、ミツシヨンケース１の上部
後面より突出させた変速シフター１１の変速シフ
ター軸１１ａの延長線上に変速ガイド棒１２を設
け、ハンドル台７の後端にその上部が固定され、
前記変速ガイド棒１２の移動方向を規制する変速
溝１５を有する変速ガイド板１４を設ける。

１６は、変速シフター１１を上下左右に回動自
在に支持するための球支機構で、変速シフター１
１に一体的に形成されたシフターボール１３を含
んでいる。

変速レバー１８と変速シフター軸１１ａとを連
動連結するための連結体１７を設ける。

連結体１７は、第２図および第３図を参照し
て、変速シフター１１の変速シフター軸１１ａに
締付具２９を介して着脱自在に取付けられて変速
シフター軸１１ａと一体的に回動し、変速ガイド
棒１２が溶着W₄されている取付筒体１９と、そ
の一部２０ａが前記取付筒体１９に溶着W₁され
ている平面視状の第１変速リンク２０と、変速
レバー１８を回動自在に支持する支持筒体２１
と、その一部２２ａを前記支持筒体２１に溶着
W₂した側面視状の第２変速リンク２２とを含
み、第１変速リンク２０と第２変速リンク２２と
は互いに溶着して一体化するか、単一の鉄板より
製作し、取付筒体１９、第１変速リンク２０、支
持筒体２１、第２変速リンク２２は互いに固定し
て一体化されて連結体１７を構成している。

第１変速リンク２０の両側端部２０ｂには長孔
２３が穿設され、該長孔２３にハンドル台７の側
板７ａに螺着したビス２４を貫通させ、ビス２４
と第１変速リンク２０との係止により長孔２３の
範囲内で第１回動板の左右動を許しつつ支持しビ
ス２４，２４を支点として連結体１７の回動中心
部１７ａを枢支する。該回動中心部１７ａ〔変速
リンク２０，２０の先端部〕は、シフターボール
１３を中心とする円弧形状ないし部分球形状とな
つている。

支持筒体２１は変速レバー１８の基部１８ａを
挿入するための貫通孔を有するとともにその内周
面と変速レバー１８の基部１８ａとの間に、スプ
リング２５およびカラー２６を挿入するための空
間部Ｇを形成する拡大内孔２１ｂを有し、変速レ
バー１８の基部１８ａの下端にワツシヤー２７を
固定し基部１８ａの上部にリング２８を溶着
W₃、リング２８の下面の一部に左右または前後
に180度間隔で一対の突起２８ａと対応する２個
の凹部２１ａを設け、突起２８ａと凹部２１ａと
の係止により変速レバー１８と支持筒体２１と
を、変速レバー１８が前方向きまたは後方向きの
定位置においては、両者を回動方向に係止させて
操作レバー１８と連結体１７を一体化する。

機体の前後方向の進行方向の変更に際し、変速
レバー１８を回動させる場合は、スプリング２５
に抗して変速レバー１８の基部１８ａを上昇させ
ることにより凹部２１ａと突起２８ａとの係止を
解き、変速レバー１８の回動を自由とするように
なつている。

ハンドル台７の上面には、開口３０が形成され
て、支持筒体２１および第２変速リンク２２の前
後方向および左右方向の回動を自由としている。

変速レバー１８の基部１８ａより前進形態で後
方へ向け第２変速ガイド棒３１を突出させ、後進
形態では、第２変速ガイド板３２の第２変速溝３
３を貫通するようになつている。第２変速溝３３
は、第５図を参照して、中立部Ｎと低速部Ｌ〔前
進１速１、前進２速２および後退R₁を含む〕よ
りなる倒立Ｔ状の形状であつて、第４図に示す変
速ガイド板１４のＨ状の変速溝１５と対比して、
前進３速３、前進４速４および後退R₂を含む高
速部Ｈが存在しない。また、上端は、中立部Ｎの
上方が開口しており、変速レバー１８の回動にあ
たり、第２変速ガイド棒３１が中立部Ｎより第２
変速溝３３に入るようになつている。

変速操作にあたり、ハンドル杆、変速レバーを
作業機側とした場合は、運転者と対面する変速ガ
イド板１４の変速溝１５内の変速ガイド棒１３の
位置を知ることにより変速状態を確認する。

ハンドル杆、変速レバーをエンジン側とした場
合は、機体前方側に対向する第２変速ガイド板の
第２変速溝３３内の第２変速ガイド棒３１の位置
を知ることにより変速状態を確認する。

変速レバー１８を前方側とする場合には、第２
変速溝３３に第２変速ガイド棒３１を対向させた
状態で変速レバー１８を押上げ、第２変速溝３３
に入れるので、常に中立状態となる。また、逆に
後方側とする場合においても第２変速溝３３の中
立部Ｎに位置させた状態で第２変速ガイド棒３１
を引上げる必要があるので、中立状態としたのち
変速レバー１８を後方へ回動することとなる。

また、変速レバー１８の基部（回動軸心）は、
後方へ傾斜しているので、機体後方側（一般的な
耕耘機形態）では、変速レバー１８はハンドル杆
９の下方に位置しているが、機体前方側（後退姿
勢）ではハンドル杆よりも上方へ突出している。

以上に説明したように、本考案は、ミツシヨン
ケース１内の伝動機構を変速切換する変速シフタ
ー１１に変速ガイド棒１２を着脱自在に連設し、
該変速ガイド棒１２の延出部を、高速部Ｈと低速
部Ｌと両部を連絡する中立部ＮとでＨ状に形成さ
れる変速溝１５に挿通して変速位置規制する構成
の移動農機において、前記変速ガイド棒１２には
変速シフター１１の切換作動に追動する連結体１
７を設置して該連結体１７に変速レバー１８を縦
軸心周りで回動して機体後方向き又は前方向きに
転向し係止固定できるように装着し、さらに、変
速レバー１８にはそれと延出向きが同じの第２変
速ガイド棒３１を固設すると共に、前記の変速溝
１５が開設された変速ガイド板１４に対して180
度位置ずれした部位には第２変速ガイド板３２を
配設し、この第２変速ガイド板３２には変速ガイ
ド板１４における高速部Ｈを欠如し中立部Ｎが開
放溝に形成されている第２変速溝３３を開設し、
前記変速レバー１８の延出向きを転向する際には
第２変速ガイド棒３１が中立部Ｎの開放溝を経て
第２変速溝３３に挿入または同溝３３から離脱さ
せられるようにした変速操作装置であるから、ハ
ンドル杆転向形式の移動農機に実施して、ハンド
ル杆９の延出向きを前方側に変更するのにともな
つて変速レバー１８をハンドル杆と同じ前方向き
に転向した場合には、第２変速ガイド棒３１が高
速部Ｈのない第２変速溝３３に係り合うことにな
つて高速域の変速切換えを不能にして安全に作業
できるという利点があるばかりでなく、それに加
えて次に説明するような格別の特徴があるものと
なつた。

つまり、変速シフター１１に着脱自在に装着す
る変速ガイド棒１２に連結体１７を連設して、そ
の連結体１７に縦軸心周りで回動し所定位置で係
止できるように変速レバー１８を支持して延出向
き変更自在の変速操作装置が構成され、変速シフ
ター１１に装着する変速ガイド棒１２の取り外し
とともにそれに連設される連結体１７や変速レバ
ー等の変速レバー転向部構成部材も容易に離脱す
ることができるので、前記各部材の取外し後に変
速シフターに直接変速レバーを装して延出向き一
定の変速レバーによる通常の移動農機に簡単に変
更することができ、逆に、通常移動農機の変速シ
フターに上述の変速レバー転向部構成部材を連結
体１７を介して装備することによつて簡単に変速
レバー転向形式の移動農機に変更することもでき
ることになつて、両形式の移動農機の互換性が高
まり生産性が向上して経済的に提供できる利点が
ある。さらに、本考案において変速レバー１８の
延出向きを変更する場合には、必ず第２変速ガイ
ド溝３３における中立部Ｎの開放溝を通して第２
変速ガイド溝３３に変速レバー１８を挿入し、ま
た、上記の開放溝を経て第２変速溝３３から変速
レバー１８を抜き出さねばならないから、変速レ
バー１８の転向時には認識しなくても必然的に伝
動機構が中立状態に切換わつていて、変速レバー
転向操作時の伝動機構の変速切換え状態に誤認を
生ずることがなくなり安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されたハンドル杆転向形
移動農機の側面図、第２図はその変速操作装置の
要部を示す一部破断側面図、第３図は同じく平面
図、第４図は同じく斜視説明図、第５図は変速ガ
イド板の正面図、第６図は第２変速ガイド板の正
面図である。９……ハンドル杆、１１……変速シフター、１
１ａ……変速シフター軸、１２……変速ガイド
棒、１３……シフターボール、１４……変速ガイ
ド板、１５……変速溝、１６……球支機構、１７
……連結体、１８……変速レバー、３１……第２
変速ガイド棒、３２……第２変速ガイド板、３３
……第２変速溝、Ｎ……中立部、Ｌ……低速部、
Ｈ……高速部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ミツシヨンケース１内の伝動機構を変速切換す
る変速シフター１１に変速ガイド棒１２を着脱自
在に連設し、該変速ガイド棒１２の延出部を、高
速部Ｈと低速部Ｌと両部を連絡する中立部Ｎとで
Ｈ状に形成される変速溝１５に挿通して変速位置
規制する構成の移動農機において、前記変速ガイ
ド棒１２には変速シフター１１の切換作動に追動
する連結体１７を連設して該連結体１７に変速レ
バー１８を縦軸心周りで回動して機体後方向き又
は前方に転向し係止固定できるように装着し、さ
らに、変速レバー１８にはそれと延出向きが同じ
の第２変速ガイド棒３１を固設すると共に、前記
の変速溝１５が開設された変速ガイド板１４に対
して180度位置ずれした部位には第２変速ガイド
板３２を配設し、この第２変速ガイド板３２には
変速ガイド板１４における高速部Ｈを欠如し中立
部Ｎが開放溝に形成されている第２変速溝３３を
開設し、前記変速レバー１８の延出向きを転向す
る際には第２変速ガイド棒３１が中立部の開放溝
を経て第２変速溝３３に挿入または同溝３３から
離脱させられようにしてあることを特徴とする移
動農機における変速操作装置。