JP4908687B2 - クローラトラクタの駆動機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローラトラクタの駆動機構に関する。より詳しくは、エンジンの駆動力を走行用HSTに伝達し、該走行用HSTにより変速操作を行うとともに、エンジンの駆動力を旋回用HSTに伝達し、該旋回用HSTにより走行制御を行うクローラトラクタの旋回用HSTに接続される駆動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クローラトラクタにおいて、停車時にクローラ走行装置へ駆動力が伝わらないように、走行用HSTおよび旋回用HSTの中立位置を確実にするため、中立位置保持機構を装着したものが知られている。この他に、特開平8−242601号公報に示されるごとく、油圧回路により駆動力を遮断する構成も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成においては、構造が複雑となるとともに、中立保持機構等の組立に労力を要し、製造コストを低減することが困難である。そこで、本発明は、従来の構成よりも簡便かつ容易な構成により、クローラトラクタの駆動力遮断を行うものである。さらに、容易な構成で機体前部より作業機を駆動するための駆動力の取り出しを行うものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
請求項1に記載のごとく、クローラ式走行装置(1)の前部上方にはエンジン(3)を配置し、前部下方にはフロントミッションケース(16)を配置し、後部にはリアミッションケース(5)を配置し、該フロントミッションケース(16)内の差動ギヤ機構により、左右の駆動スプロケット(11)を駆動し、該駆動スプロケット(11)によりクローラ式走行装置(1)を駆動し、該エンジン(3)の出力軸(42)を後方に延設し、前記リアミッションケース(5)の前部に付設した走行用HST(22)の入力軸に連結し、該走行用HST(22)で変速後の回転を、該リアミッションケース(5)内で更に変速し、変速後の駆動力を、下前部に設けた走行駆動取出部の出力軸(102)から伝達軸(45)を介して、フロントミッションケース(16)に設けた差動ギヤ機構に入力し、前記エンジン(3)の前方には、前記フロントミッションケース(16)への入力軸(221)を突設し、該フロントミッションケース(16)の前面に旋回用HST(20)を配設し、該エンジン(3)の駆動力は、該旋回用HST(20)で変速後に、該フロントミッションケース(16)内の差動ギヤ機構に伝達し、該旋回用HST(20)の出力と、前記走行用HST(22)とリアミッションケース(5)から差動ギヤ機構に伝達される出力とを合成して、左右の駆動スプロケット(11)を駆動する構成とし、前記旋回用HST(20)の出力軸(223)と、前記差動ギヤ機構に駆動力を伝達する差動伝達軸(224)との間に、旋回駆動力伝達の断続を行うクラッチ機構を設け、該クラッチ機構は、該旋回用HST(20)のチャージ圧により、クラッチ機構に接続したフォーク(227)を、該差動伝達軸(224)への動力を遮断する方向に摺動し、ばねの付勢力により該フォーク(227)を動力の伝達する方向に摺動するものである。
【0005】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載のクローラトラクタの駆動機構において、前記旋回用HST(20)の入力軸(222)を、該旋回用HST(20)より前方へ突出させ、該入力軸(222)にプーリ(232)を装着し、該プーリ(232)と、フロントPTO軸(236)上のプーリ(235)に、ベルト(237)を懸架したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題および手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例について説明する。図1はクローラトラクタの前方斜視図、図2は全体側面図、図3はエンジンとHSTとミッションケースの配置を示す側面図、図4はリアミッションケース内の構成を示す側面断面図、図5はクローラトラクタの操作装置を示す側面図、図6は円錐リンク機構の構成を示す側面図、図7は同じく後面断面図、図8はブレーキペダルの作動構成を示す側面図、図9は同じく正面図、図10は主変速レバーの作動構成を示す側面図、図11はブレーキペダルと主変速レバーの連動構成を示す図、図12はクローラトラクタの前部構成を示す側面図、図13は旋回用HSTの構成を示す側面断面図、図14は旋回用HSTと差動機構間の構成を示す側面断面図、図15は旋回用HSTの平面図、図16は前部PTOの取り出し構成を示す側面図である。
【0007】
まず、本発明に係る操向装置を具備した一実施例であるクローラトラクタの概略構成について説明する。図1および図2に示すように、クローラ式走行装置1の前部上方にはエンジン3が配置され、後部上方にはリアミッションケース5が配置されている。エンジン3はボンネット4に覆われ、該エンジン3は左右下側のメインフレーム6・6間に固定されている。ボンネット4の後部にはステアリングコラム2を設け、該ステアリングコラム2上に操向操作を行う丸型のステアリングハンドル7を配置し、該ステアリングハンドル7の後方にシート8を配設している。そして、該ステアリングコラム2とシート8の間の下方にステップ18を配置して、運転部を構成している。これら運転部はキャビン9によって覆われている。また、車両後端部には、各種作業機を装着するための三点リンク式の装着装置10が設けられている。
【0008】
前記クローラ式走行装置1は、クローラフレーム15に支持されており、該クローラフレーム15の前端部にフロントミッションケース16を固設して駆動スプロケット11を支持し、後端部にアイドラ12、および、駆動スプロケット11とアイドラ12との間に転輪13・13・・・を回転自在に支持し、該駆動スプロケット11とアイドラ12と転輪13・13・・・の周囲をクローラベルト14で巻回している。
【0009】
次に、クローラトラクタの駆動伝達系について、図3および図4を用いて説明する。エンジン3の後部にはダンパーケース(またはクラッチケース)19が付設され、該ダンパーケース19内のダンパーの出力軸42は後方に延設されて、リアミッションケース5の前部に付設した油圧式の走行用無段変速装置(以下走行用HST)22の入力軸に連結される。該リアミッションケース5内には副変速装置41やPTO変速装置43等が収納されている。該副変速装置43には前記走行用HST22の出力が伝えられ、PTO変速装置43は走行用HST22の入力軸とクラッチ44を介して接続されているものである。リアミッションケース5の下前部には走行駆動取出部が設けられており、該走行駆動取出部には出力軸102が配設されているものである。
【0010】
また、エンジン3の前方には油圧式の旋回用無段変速装置(以下旋回用HST)20を前面に付設したフロントミッションケース16が配置されている。フロントミッションケース16は、メインフレーム6の前部に支持され、機体の前部位置に配置されているものである。そして、エンジン3からの動力により旋回用HST20を駆動し、該旋回用HST20の出力と前記副変速装置41からの出力を合成して駆動スプロケット11を駆動する構成としている。走行用HST22のモータ側出力は、副変速装置41により変速された後に、伝達軸45を介して、差動ギヤ機構に入力される。そして、該差動ギヤ機構において、左右に配置された遊星ギヤアッセイのサンギヤへと入力される。旋回用HST20のモータ出力は、二手に分かれて一方が遊星ギヤアッセイのリングギヤへと直接入力され、他方が逆転ギヤを介してリングギヤへと入力される。これにより、旋回用HST20のモータが回転することによりお互いのリングギヤは、逆方向へ回転する。前記サンギヤとリングギヤの合成動力が、プラネタリキャリアにより左右のスプロケット11へと伝達される。このため、直進する時は、旋回用HST20のモータ回転を停止させ、旋回する時には、該旋回用HST20のモータ回転を徐々にあげていくことにより、滑らかな旋回を可能とするものである。
【0011】
走行用HST22において、走行用HST22の入力軸の回動により、該走行用HST22の出力軸101が駆動されるものであり、出力軸101の駆動率および回転方向は、入力軸側油圧ポンプの斜板角制御により行われるものである。出力軸101の駆動力は副変速装置41に伝達され、該副変速装置41により変速された駆動力は、走行駆動取出部の出力軸102に伝達されるものである。走行駆動取出部の出力軸102には前述の伝達軸45が接続されるものである。
【0012】
次に、旋回操作、主変速操作およびブレーキ操作の構成について説明する。まず、図5において、ステアリング51はステアリングボックス52に接続されており、該ステアリング51の操作はステアリングボックス52を介して円錐リンク機構53に伝達されるものである。主変速レバー55もリンク機構を介して円錐リンク機構53に接続されているものである。そして、円錐リンク機構53の近傍にブレーキペダル54が配設されるものである。
【0013】
円錐リンク機構53には、ステアリング51からの操作と、主変速レバー55からの操作が入力されるものである。円錐リンク機構53においては、リンクの接続部が円錐の底面および側面に沿って移動するものである。円錐の底円に90度の位相差をつけて直進用ロッドと旋回用ロッドの端点が位置しており、両ロッドの他方の端点は、大小2つの円錐の頂点に位置するものである。各直進用旋回用円錐の頂点の動きが、走行用HST、旋回用HSTの操作アームの位置に関係するものである。そして、主変速レバー55の回動角度が円錐底面の傾きに比例し、ステアリング51の切れ角が、円錐の底円の回動角度に比例する構成となっている。
【0014】
停止状態において、ステアリング51を左右方向へ回しても、円錐の頂点から底円までの距離は常に等しく、走行用HSTおよび旋回用HSTの操作アームが動かされないものである。このため、走行用HSTおよび旋回用HSTの油圧モータが駆動されず、機体は停止し続ける。次に、主変速レバー55を前進方向へ倒していくと、走行用HSTの操作アームが前進側に回動される。しかし、旋回用HSTの操作アームは、旋回用ロッドの端点が円錐底面の回動中心ライン上に位置するため、底面の傾きに拘わらず動かない。このため、旋回用HSTの操作アームは動かず、機体は直進する。この状態から、ステアリング51を切ると、走行用HSTの操作アームは減速方向へ動き、旋回用HST操作アームが動く。つまり、ステアリング51を切るに従い、機体速度が自動減速され、旋回することとなる。後進状態では、ステアリング51を切ると、前進時とは逆の方向へ旋回用HSTの操作アームが動く。このため、前進時と後進時とにおいて旋回用HSTの操作が逆転し、逆ハンドル現象が解消されるものである。
【0015】
上記の如く、円錐リンク機構53により、ステアリング51の操作と主変速レバー55の操作が連係されるものである。そして、本実施例においては、さらに、ブレーキペダル54の操作が、主変速レバー22の操作もしくは、走行用HSTの操作アームの回動に連係されるものである。
【0016】
次に、円錐リンク機構53について、図6および図7により説明する。前述のステアリング7には、ユニバーサルジョイントを介して、操向入力軸112が連結されており、該操向入力軸112の下端はユニバーサルジョイントを介して旋回方向を前後進変速に合わせる変更機構の揺動部材117に連結されているものである。該揺動部材117は略円錐状に構成して、中央部を軸受を介して揺動軸118の端部に設けた受部に支持されている。該揺動部材117は前記ステアリング7の回動とともに操向入力軸112を中心回動でき、かつ、揺動軸118を中心に傾倒可能としている。該揺動軸118は軸受を介してコラムの内壁に左右水平方向を軸心として回動自在に支持されている。
【0017】
そして、該揺動部材117からアーム部133が側方に延出され、該アーム部133の先端に連結体119が連結されるものである。連結体119の一端にはユニバーサルジョイント等を介して操向用リンク115が連結され、該連結体119の他端にはジョイントを介して走行用リンク111が連結している。操向用リンク115と連結体119を接続するジョイントは、ステアリング7が直進位置の時に前記揺動部材117端部の受け部軸心の延長上に位置し、該揺動軸118は左右方向で中立時の前記受部の軸心の延長線上と交差するように配置している。また、操向用リンク115の下端は軸89に挿嵌されたアームと連結され、該アームを回動することにより、ロッド106を操作し、旋回用HST20の変速アームを操作するものである。
【0018】
揺動部材117に設けた連結体119の他端に、ジョイントを介して走行用リンク111が連結され、該ジョイントは前記揺動部材117端部の受け部147軸心を中心として前記連結体119と操行用リンク115を接続するジョイントと90度離れた位置に配置されている。そして、該走行用リンク111の下端は軸116に一端を挿嵌したアームに接続されている。該軸116にはロッド108の一端を接続したアームが接続されており、ロッド108の他端は軸89に接続されたアームの一端に連結されているものである。前記操向用リンク115の下端と、走行用リンク111の下端は揺動部材117端部の受け部147軸心の延長上に配置されている。
【0019】
また、前記揺動軸118の受部147には後方にアーム120が突出され、該アーム120の先端に主変速用リンク114の上端が連結され、該主変速用リンク114の下端が軸89に挿嵌されたアームに連結されている。これにより、主変速用リンク114は走行用HST22に接続されるものである。
【0020】
次に、図8および図9を用いてブレーキのリンク構成について説明する。ブレーキペダル54はリンク機構を介して、前述のブレーキ機構に接続されており、該ブレーキペダル54によりブレーキ機構を作動させ、駐車ブレーキをかけるものである。ブレーキペダル54は支軸62に固設されており、該支軸62はフロントコラム上部において回動自在に支持されている。ブレーキペダル54の踏みこみにより、ブレーキペダル54とともに支軸62が回動する構成となっている。支軸62には、アーム63およびアーム64が固設されており、該アーム63・64の先端には、それぞれロッド65およびロッド66が接続されているものである。ロッド65およびロッド66はそれぞれ上下方向に配設されており、ロッド66の下端には、カムレバー61が接続されている。カムレバー61は円錐リンク機構53を内包するボックス側面に固設された支軸により回動自在に支持されており、ロッド66の上下摺動に上下に回動する構成となっている。
【0021】
前述のロッド65の下端には、アーム68が接続されており、該アーム68は支軸67により回動自在に支持されている。そして、該アーム68には、一体的に回動するアーム69が固設されており、該アーム69の先端にはロッド70が接続されている。ロッド70は、機体前後方向に配設されており、該ロッド70の後端には、支軸71に回動自在に支持されたL字形アーム72の一端が接続されている。そして、該L字形アーム72の他端には上下方向に配設されたロッド73が接続されており、該ロッド73の下端には、ブレーキ機構の作動アーム113が接続されている。これにより、ブレーキペダル54を踏みこむことにより、作動アーム113が回動し、ブレーキ機構が作動するものである。
【0022】
なお、ブレーキペダル54の内側には、駐車ブレーキレバー75が設けられており、該駐車ブレーキレバー75により、ブレーキペダル54を踏みこんだ状態(ブレーキをかけた状態)で係止可能に構成されている。ブレーキペダル54を踏みこみ、駐車ブレーキレバー75を上方に回動させることにより、ブレーキペダル54を踏みこんだ状態で保持し、駐車ブレーキをかけるものである。そして、駐車ブレーキレバー75を下方に回動させることにより、駐車ブレーキを解除するものである。
【0023】
次に、図10を用いて主変速レバー55のリンク機構について説明する。主変速レバー55の下端は支軸90に回動自在に枢支されており、該主変速レバー55の下端には前方に延出されたアームが固設されている。該アームの先端にはロッド81の上端が接続されており、該ロッド81の下端には軸82に回動自在に支持されたアームが接続されているものである。軸82に支持されたアームは、アーム83と一体的に回動するものである。これにより、主変速レバー55を回動することにより、アーム83を前後に回動するものである。
【0024】
アーム83の下端には、ロッド91の後端が接続されており、該ロッド91の先端は軸89に固設されたアーム84に接続されている。アーム84は軸89を中心として前後方向に回動するものであり、アーム84は同様に軸89に一端を挿嵌されたアーム84bと一体的に回動するものである。該アーム84bにはロッド85が接続されているものである。なお、軸89は前述の円錐リンク機構53に接続されているものである。ロッド85はアーム86とアーム84bを接続するものであり、該アーム86は下端において回動自在に枢支されているものである。アーム86には前後方向に配設されたプレート87が接続されており、該プレート87の先端にはHST22のアーム88が接続されているものである。このようなリンク機構により、主変速レバー55を操作して走行用HST22を操作するものである。
【0025】
次に、図11を用いてブレーキペダル54と主変速レバー55の連係構成について説明する。前述のごとく、円錐リンク機構53に接続された軸89は、主変速レバー55とともに回動するものである。そして、該軸89にはアーム92の一端が固設されている。主変速レバー55を回動するとアーム92が回動するものであり、アーム92が回動するとそれに伴い主変速レバー55も回動するものである。アーム92の先端には突起部93が設けられており、該突起部93はアーム92の回動軸心方向に突出した構成となっている。突起部93は、前述のカムレバー61のカム部内側に位置するものであり、該カムレバー61の回動により突起部93がカムレバー61のカム内側に当接するものである。
【0026】
ブレーキペダル54を踏みこむことにより、カムレバー61が回動し、該カムレバー61によってアーム92が一定の位置に戻されるものである。アーム92がカムレバー61により戻される位置は、主変速レバー55における中立位置に対応している。このため、ブレーキペダル54を踏みこむことにより、主変速レバー55を中立位置に戻すとともに、ブレーキを作動させるものである。そして、ブレーキペダル54の踏み操作により、まず走行用HST22に接続した主変速レバー55を中立位置に戻し、走行用HST22によるブレーキをかけるものである。
【0027】
前述の軸89は円錐リンク53に接続されており、該円錐リンク53において図7および図8に示したごとく、主変速用リンク114および操向用ロッド115に接続されるものである。軸89は主変速操作および操行操作が伝達される部材であり、該軸89において旋回用HSTおよび走行用HSTの中立を保持する機構を設けるものである。すなわち、軸89に接続したアームを中立位置に戻すことにより、円錐リンク53を中立位置に戻すものである。また、図11に示すごとく、カムレバー61およびアーム92により構成される操作リンク機構の中立出し機構は、円錐リンク機構53の収納部の下部に配置されており、主変速レバー55とステアリング7を連結するリンク機構の中間に位置するものである。これにより、連結が容易であり、主変速レバー55とステアリング7の遊びを容易に調節することが可能である。
【0028】
次に、図12乃至図14を用いて、旋回用HSTとフロントミッションケースとの接続構成について説明する。メインフレーム6にはエンジン3が載置されており、エンジン3の前方にはフロントミッションケース16の入力軸221が配設されている。そして、フロントミッションケース16の前面には旋回用HSTが配設されている。エンジン3の駆動力は、入力軸221を介してフロントミッションケース16内に導入され、旋回用HST20を介して、再びフロントミッションケース16内の差動ギヤ機構に伝達されるものである。入力軸221に入力された駆動力は、フロントミッションケース16内の変速機構を介して、旋回用HST20の入力軸222に伝達される。入力軸222により旋回用HST20の油圧ポンプが駆動され、該旋回用HST20の油圧モータにより出力軸223が駆動される。旋回用HST20の出力軸223には、差動伝達軸224に接続されており、該差動伝達軸224によりフロントミッションケース16内の差動ギヤ機構である遊星機構に駆動力が伝達されるものである。
【0029】
出力軸223の後端および差動伝達軸224の前端にはスプライン溝が刻設されており、出力軸223および差動伝達軸224にボス225が挿嵌可能に構成されている。ボス225は出力軸223の後端および差動伝達軸224の前端において、前後方向に摺動可能に構成されている。ボス225が出力軸223および差動伝達軸224の両方に挿嵌している場合には、出力軸223の駆動力が差動伝達軸224に伝達される。そして、ボス225が差動伝達軸224にのみ挿嵌している状態においては、出力軸223の出力は差動伝達軸224には伝達されない。
【0030】
ボス225の後部には、外周上に沿って、凹部226が構成されており、該凹部226にはピストン228に固設されたフォーク227の一端が嵌合しているものである。ピストン228は機体前後方向に配設されており、フロントミッションケース16に設けられたシリンダ部230に一端を挿嵌した構成となっている。ピストン228にはばねが挿嵌されており、該ばねはフォーク227およびフロントミッションケース16に当接している。そして、このばねによりピストン228は前方に付勢されるものである。ピストン228の前端は、シリンダ部230に挿嵌されており、該シリンダ部には油路229が接続されている。そして、シリンダ部230には油路229を介してチャージ圧が伝達されるものである。
【0031】
シリンダ部230の油圧が上昇し、ピストン228にかかる力が、ばねの付勢力より大きくなると、ピストン228が後方に摺動される。そして、ピストン228に接続したフォーク227がボス225を後方に摺動させ、出力軸223から差動軸224への駆動力の伝達が遮断される。また、シリンダ部230の油圧が低下すると、ピストン228に接続したフォーク227がボス225を前方に摺動させ、出力軸223から差動軸224へ駆動力が伝達される。このように、旋回用HST20と差動機構の間に、駆動力伝達の断続を行うクラッチ機構を設け、油圧によりクラッチに接続したフォークの摺動を行うので、容易な構成により、旋回用HST20の駆動力の断続を行うことができる。さらに、フォーク227を、チャージ圧を利用したピストンにより摺動するので、該摺動機構を容易に構成できる。なお、チャージ圧の利用はチャージ圧が供給される油圧回路に油路229を接続することにより容易に行うことができる。
【0032】
次に、フロントPTO軸の駆動構成について説明する。図15および図16に示すごとく、旋回用HST20の入力軸222にはプーリ232が挿嵌されており、プーリ232は入力軸222とともに回動する構成となっている。旋回用HST20のケースは、入力軸222の近傍において、該入力軸222の延出方向に突出した構成となっている。旋回用HST20のケース突出部には、軸受を介して、プーリ232が挿着されている。すなわち、プーリ232を旋回用HST20のケースにより支持するものであり、入力軸222に負荷がかからない構成となっている。
【0033】
プーリ232にはベルト237が懸架され、駆動力がベルト237を介して、プーリ232の駆動力が前部PTO機構234に伝達される。前部PTO機構234において、ベルト237はプーリ235に懸架されている。該プーリ235にはフロントPTO軸236に接続されており、プーリ235とともにフロントPTO軸236が回動する構成となっている。前部PTO機構234にベルト237により駆動力を伝達するので、容易な構成をとることができ、設計上の自由度を向上できる。前部PTO機構234は入力軸222の下方に配設されており、フレーム6を回避してPTO軸236に作業機を接続可能に構成している。
【0034】
すなわち、旋回用HST20の入力軸222を突出させることにより、該入力軸222にプーリ232を装着させ、作業車の前部に装着される作業機に用いる動力を取り出すことができるものである。上記構成をとることにより、容易に機体前部において、PTO出力を取り出すことが可能となるものである。また、簡便な構成とすることにより、整備性および組み立て性を向上できる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、クローラ式走行装置(1)の前部上方にはエンジン(3)を配置し、前部下方にはフロントミッションケース(16)を配置し、後部にはリアミッションケース(5)を配置し、該フロントミッションケース(16)内の差動ギヤ機構により、左右の駆動スプロケット(11)を駆動し、該駆動スプロケット(11)によりクローラ式走行装置(1)を駆動し、該エンジン(3)の出力軸(42)を後方に延設し、前記リアミッションケース(5)の前部に付設した走行用HST(22)の入力軸に連結し、該走行用HST(22)で変速後の回転を、該リアミッションケース(5)内で更に変速し、変速後の駆動力を、下前部に設けた走行駆動取出部の出力軸(102)から伝達軸(45)を介して、フロントミッションケース(16)に設けた差動ギヤ機構に入力し、前記エンジン(3)の前方には、前記フロントミッションケース(16)への入力軸(221)を突設し、該フロントミッションケース(16)の前面に旋回用HST(20)を配設し、該エンジン(3)の駆動力は、該旋回用HST(20)で変速後に、該フロントミッションケース(16)内の差動ギヤ機構に伝達し、該旋回用HST(20)の出力と、前記走行用HST(22)とリアミッションケース(5)から差動ギヤ機構に伝達される出力とを合成して、左右の駆動スプロケット(11)を駆動する構成とし、前記旋回用HST(20)の出力軸(223)と、前記差動ギヤ機構に駆動力を伝達する差動伝達軸(224)との間に、駆動力伝達の断続を行うクラッチ機構を設けたので、簡便な構成で旋回用HSTの駆動力を遮断可能である。
これにより、停車時の駆動力の損失を低減でき、クローラトラクタの燃費を向上できる。
また、該クラッチ機構は、該旋回用HST(20)のチャージ圧により、クラッチ機構に接続したフォーク(227)を、該差動伝達軸(224)への動力を遮断する方向に摺動し、ばねの付勢力により該フォーク(227)を動力の伝達する方向に摺動するので、容易な構成により、旋回用HST20の駆動力の断続を行うことができる。
また、フォーク227を、チャージ圧を利用したピストンにより摺動するので、該摺動機構を容易に構成できる。
また、チャージ圧の利用はチャージ圧が供給される油圧回路に油路229を接続することにより容易に行うことができる。
【0036】
請求項2に記載のごとく、請求項1記載のクローラトラクタの駆動機構において、前記旋回用HST(20)の入力軸(222)を、該旋回用HST(20)より前方へ突出させ、該入力軸(222)にプーリ(232)を装着し、該プーリ(232)と、フロントPTO軸(236)上のプーリ(235)に、ベルト(237)を懸架したので、容易な構成により機体前部よりPTO駆動力の取り出しを行うことができる。
これにより、製造コストを低減すると共に、PTO駆動力の取り出し部をコンパクトに構成でき、設計上の自由度を増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クローラトラクタの前方斜視図。
【図2】 同じく全体側面図。
【図3】 エンジンとHSTとミッションケースの配置を示す側面図。
【図4】 リアミッションケース内の構成を示す側面断面図。
【図5】 クローラトラクタの操作装置を示す側面図。
【図6】 円錐リンク機構の構成を示す側面図。
【図7】 同じく後面断面図。
【図8】 ブレーキペダルの作動構成を示す側面図。
【図9】 同じく正面図。
【図10】 主変速レバーの作動構成を示す側面図。
【図11】 ブレーキペダルと主変速レバーの連動構成を示す図。
【図12】 クローラトラクタの前部構成を示す側面図。
【図13】 旋回用HSTの構成を示す側面断面図。
【図14】 旋回用HSTと差動機構間の構成を示す側面断面図。
【図15】 旋回用HSTの平面図。
【図16】 前部PTOの取り出し構成を示す側面図。
【符号の説明】
20 旋回用HST
221 入力軸
222 入力軸
223 出力軸
224 差動伝達軸
225 ボス
226 凹部
227 フォーク
228 ピストン
229 油路
230 シリンダ部
232 プーリ

Claims (2)

  1. クローラ式走行装置(1)の前部上方にはエンジン(3)を配置し、前部下方にはフロントミッションケース(16)を配置し、後部にはリアミッションケース(5)を配置し、該フロントミッションケース(16)内の差動ギヤ機構により、左右の駆動スプロケット(11)を駆動し、該駆動スプロケット(11)によりクローラ式走行装置(1)を駆動し、該エンジン(3)の出力軸(42)を後方に延設し、前記リアミッションケース(5)の前部に付設した走行用HST(22)の入力軸に連結し、該走行用HST(22)で変速後の回転を、該リアミッションケース(5)内で更に変速し、変速後の駆動力を、下前部に設けた走行駆動取出部の出力軸(102)から伝達軸(45)を介して、フロントミッションケース(16)に設けた差動ギヤ機構に入力し、前記エンジン(3)の前方には、前記フロントミッションケース(16)への入力軸(221)を突設し、該フロントミッションケース(16)の前面に旋回用HST(20)を配設し、該エンジン(3)の駆動力は、該旋回用HST(20)で変速後に、該フロントミッションケース(16)内の差動ギヤ機構に伝達し、該旋回用HST(20)の出力と、前記走行用HST(22)とリアミッションケース(5)から差動ギヤ機構に伝達される出力とを合成して、左右の駆動スプロケット(11)を駆動する構成とし、前記旋回用HST(20)の出力軸(223)と、前記差動ギヤ機構に駆動力を伝達する差動伝達軸(224)との間に、旋回駆動力伝達の断続を行うクラッチ機構を設け、該クラッチ機構は、該旋回用HST(20)のチャージ圧により、クラッチ機構に接続したフォーク(227)を、該差動伝達軸(224)への動力を遮断する方向に摺動し、ばねの付勢力により該フォーク(227)を動力の伝達する方向に摺動することを特徴とするクローラトラクタの駆動機構。
  2. 請求項1記載のクローラトラクタの駆動機構において、前記旋回用HST(20)の入力軸(222)を、該旋回用HST(20)より前方へ突出させ、該入力軸(222)にプーリ(232)を装着し、該プーリ(232)と、フロントPTO軸(236)上のプーリ(235)に、ベルト(237)を懸架したことを特徴とするクローラトラクタの駆動機構。
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