JP3319085B2 - 走行装置の伝動機構 - Google Patents

走行装置の伝動機構

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JP3319085B2
JP3319085B2 JP26296193A JP26296193A JP3319085B2 JP 3319085 B2 JP3319085 B2 JP 3319085B2 JP 26296193 A JP26296193 A JP 26296193A JP 26296193 A JP26296193 A JP 26296193A JP 3319085 B2 JP3319085 B2 JP 3319085B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行装置の伝動機構に
係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、特開平6ー264976号公
報には、エンジンから左右サイドクラッチを介して動力
伝達される左右車軸において、前記動力伝達機構中に左
右出力軸を差動回転させうる差動機構を設け、該差動機
構の前記左右出力軸は、前記左右サイドクラッチのうち
のいずれかを切ったときは、切った側の前記出力軸は前
記作動機構を介して回転させ、切らない側の前記出力軸
にはサイドクラッチからの回転を伝達して記左右車軸を
回転させる構成について記載されている。また、動力源
からの回転は、無段階に変速する走行用の油圧式変速装
置を介し て左右サイドクラッチへ伝達する構成であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、単に左
右の車軸を逆転させて、通常の速度でスピンターンを行
なうだけであった。本発明は、前記差動機構を工夫し、
旋回方向外側の車軸を旋回内側の車軸よりも倍速回転さ
せて倍速ターンを可能にしたものである。左右出力軸を
倍速で差動回転させることは、いろいろの方法がある
が、差動機構を回転させても簡単にできる。また、動力
源からの回転は、無段階に変速する走行用の油圧式変速
装置を介して左右サイドクラッチへ伝達する構成であっ
たので、一定の速度で前後進を行なう場合においても、
走行用の油圧式変速装置を介して動力伝達を行なってい
た。このため、走行用の油圧式変速装置を駆動するため
に多くの馬力を必要とするので、左右車軸に負荷が作用
すると、この負荷に前記走行用の油圧式変速装置を駆動
するための馬力損失が同時に動力源に作用して、動力源
の回転数が低下してしまうという課題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、旋回性能の向上および操作性
の向上を図ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、請求
項1においては、動力源からの回転を無段階に変速する
走行用の油圧式変速装置16からの回転を入り切りする
左右サイドクラッチ33、33’と、左右車軸37、3
7’を差動回転させうる差動機構50とをミッションケ
ース1内に夫々設け、前記左右サイドクラッチ33、3
3’のうちの左右一側にサイドクラッチを切った側の前
記車軸に、前記差動機構50からの作動動力を伝達する
構成とし、前記差動機構50は、該差動機構50のデフ
ケース51自体を別途設けた旋回用の油圧式無段変速装
置61により無段階に変速して回転するようにすると共
に、前記左右車軸37、37’の上手側の伝動経路中に
設け、さらに、前記走行用の油圧式変速装置16を介さ
ずに、動力源からの回転を 前記左右サイドクラッチ3
3、33’へ伝達可能に構成したことを特徴とする走行
装置の伝動機構としたものである。請求項2において
は、前記左右サイドクラッチ33、33’は油圧シリン
ダにより夫々伝動を切るようにしたことを特徴とする請
求項1に記載の走行装置の伝動機構としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明すると、1
はコンバイン等の作業機の走行装置のミッションケース
で、上部位置に入力軸2を横設し、入力軸2にはエンジ
ンからの回転が伝達される入力プーリー3を設け、ミッ
ションケース1内の入力軸2には大歯車4と小歯車5と
を遊嵌し、大歯車4および小歯車5と入力軸2との間に
増速クラッチ6を設ける。増速クラッチ6は入力軸2に
回転ドラム8を固定し、回転ドラム8内の中央部には該
回転ドラム8と一体回転する仕切部材9を設け、仕切部
材9の左右両側にシリンダ室10、11をそれぞれ形成
し、前記シリンダ室10、11内にはピストン12、1
3を設け、回転ドラム8の内周に設けたクラッチディス
クと大歯車4および小歯車5側に設けたクラッチディス
クを接離させるようにして構成する。14はピストン1
2とピストン13を連結する連結ロッドである。しかし
て、ミッションケース1の側部には油圧式主変速装置
(ハイドロスタチックトランスミッション)16を設け
る。油圧式主変速装置16はHSTポンプ17の入力軸
となる伝達軸15をミッションケース1に軸装し、伝達
軸15には前記大歯車4と常時噛合う入力歯車18を固
定する。19は前記油圧式主変速装置16のHSTモー
タであり、前記HSTポンプ17と油路20により接続
する。油圧式主変速装置16は、伝達軸15の回転によ
りHSTポンプ17を作動させ、HSTポンプ17が無
段階に送油量を増減させながらHSTモータ19に送油
して回転を伝達する。23は前記HSTモータ19と出
力伝達軸22の間に設けた主変速入切クラッチ、24は
出力伝達軸22に設けた前記小歯車5に常時噛合う伝達
歯車、25は伝達駆動歯車である。
【0008】26は副変速軸であり、副変速軸26には
一体的に形成した小歯車27と大歯車28を摺動のみ可
能に取付け、小歯車27と伝達駆動歯車25または大歯
車28と伝達歯車24との一方の噛合いを選択する。2
9は副変速軸26に固定の駆動歯車、30はサイドクラ
ッチ軸31に固定の受動歯車であり、前記駆動歯車29
と常時噛合っている。受動歯車30の左右両側には左右
内歯(図示省略)を形成し、サイドクラッチ軸31には
左右内歯に対して継脱自在の爪部(図示省略)を形成し
たサイドクラッチ歯車32、32’を摺動自在に取付
け、前記受動歯車30の左右内歯とサイドクラッチ歯車
32、32’の爪部により左右サイドクラッチ33、3
3’を形成する。34、34’はシフター、35、3
5’はシリンダー、36、36’はシリンダー35、3
5’のソレノイド、37、37’は車軸、38、38’
はサイドクラッチ歯車32、32’と常時噛合いの歯車
である。しかして、サイドクラッチ軸31の近傍には、
左右に分割された左右出力軸45、45’をそれぞれ軸
装し、左出力軸45には左歯車46を固定し、右出力軸
45’には右歯車46’を固定し、左歯車46は前記サ
イドクラッチ歯車32と一体回転する歯車48に常時噛
合わせ、右歯車46’は前記サイドクラッチ歯車32’
と一体回転する歯車48’に常時噛合わせる。前記左歯
車46と右歯車46’の間の出力軸45、45’には該
出力軸45、45’相互の回転数を変更させる差動機構
50を設ける。差動機構50は、ミッションケース1内
に回転自在にケース51を設け、ケース51内には前記
出力軸45、45’の先端を臨ませ、出力軸45、4
5’の先端には左右傘歯車52、52’を相対峙するよ
うに設け、左右傘歯車52、52’にはそれぞれケース
51に固定の軸53、53’に回転自在に取付けた中間
傘歯車54、54’を噛合わせ、前記ケース51の外周
には受動歯車55を設け、受動歯車55には制御軸56
に固定の駆動伝達歯車57を常時噛合わせて構成してい
る。
【0009】前記差動機構50は、左出力軸45をXと
し、右出力軸45’をYとし、前記ケース51をZとす
ると、2Z=X+Yとなるように構成する。即ち、ケー
ス51が左出力軸45および右出力軸45’に対して停
止すると、Zは0となり、0=X+Yとなり、ゆえに、
X=−Yとなり、XとYは互いに逆転し、また、Yの回
転はY=2Z−Xとなり、例えば、Xを100とし、Z
を150とすると、Yは200となり、Xに対してYを
倍速く回転させる(XとYの関係は逆も可)。そこで、
ミッションケース1の側部にパワステレバー60の傾倒
操作により作動するパワステ用油圧式変速装置61を設
け、パワステ用油圧式変速装置61により前記制御軸5
6を回転および停止させるように構成する。パワステ用
油圧式変速装置61はHSTポンプ62とHSTモータ
63とにより構成され、前記出力伝達軸22がHSTポ
ンプ62の入力軸となり、制御軸56がHSTモータ6
3からの出力軸となり、この前記出力伝達軸22とHS
Tポンプ62との間および制御軸56とHSTモータ6
3の間にそれぞれパワステ用クラッチ64、65を設け
る。したがって、差動機構50は、パワステ用油圧式変
速装置61によりケース51の回転を停止させると、所
謂左右の車軸37、37’を互いに逆転させるスピンタ
ーンを行なえ、ケース51をパワステ用油圧式変速装置
61により所定回転させると、旋回外側となる車軸を旋
回内側の車軸よりも速く駆動回転させて行なう倍速ター
ンを行なえる。
【0010】図5は油圧回路を示し、前記油圧式主変速
装置16の操作する主変速レバー66に前記差動機構5
0を作動させる差動スイッチ68を設け、差動スイッチ
68はリレー69により前記ソレノイド36、36’の
作動を反対にする(図6)。即ち、通常右旋回のときは
ソレノイド36’により右サイドクラッチ33’を切に
するが、倍速ターンでは、ソレノイド36により左サイ
ドクラッチ33を切にし、旋回内側の右車軸37’を定
速回転させ、旋回外側となる左車軸37を旋回内側の右
車軸37’よりも速く駆動回転させるので、前記ソレノ
イド36、36’の作動を反対にさせる。また、70は
ロックアップスイッチであり、ロックアップスイッチ7
0を操作すると、主変速入切クラッチ23を切にし、入
力軸2の回転を増速クラッチ6→小歯車5→伝達歯車2
4→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29と、油圧式主変速装置16
を介さずに直接回転を伝達する。図7は前記パワステレ
バー60の操作機構に係る実施例であり、パワステレバ
ー60と前記パワステ用油圧式変速装置61とを接続
し、図8のように、パワステレバー60を溝71内を左
右に傾倒させると前記左右サイドクラッチ33、33’
を切にして旋回し、この状態から前側に倒すと倍速旋回
し、後側に倒すとスピンターンを行なう(なお、傾倒方
向と旋回方向の組合せは任意である)。72は走行装置
の左右のクローラーを示す。また、パワステ用油圧式変
速装置61は倍速ターンを行うように操作したとき作動
するように、前記差動スイッチ68の操作およびサイド
クラッチ33、33’の入り切りに起因させて行うよう
に構成すると、パワステ用油圧式変速装置61を作動さ
せるための馬力損失を回避できる。
【0011】図10は、前記差動機構50のケース51
を停止させるブレーキ機構73とケース51を左右出力
軸45、45’に対して回転させる回転機構77を設け
た構成であり、制御軸56の一端側にはブレーキケース
74を設け、該ブレーキケース74と制御軸56とにそ
れぞれ接離するディスクを設けて前記ブレーキ機構73
を構成し、また、前記駆動伝達歯車57には前記副変速
軸26に設けた倍速ターン用クラッチ75を介して設け
た伝達歯車76に常時噛合わせ、副変速軸26の駆動歯
車29と受動歯車30とにより伝達されたサイドクラッ
チ軸31の回転数に対して、伝達歯車76と駆動伝達歯
車57と受動歯車55の噛合いにより差動機構50は速
く回転するようにして前記回転機構77を形成する。し
たがって、差動機構50は、ブレーキ機構73によりケ
ース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸37、
37’を互いに逆転させるスピンターンを行なえ、ケー
ス51を回転機構77により所定回転させると、旋回外
側となる車軸37’を旋回内側の車軸37より速く駆動
回転させて行なう倍速ターンを行なえる。図11は第2
実施例の油圧回路図を示し、78は主変速レバー66に
設けた緊急停止スイッチであり、左右サイドクラッチ3
3、33’を切にしてブレーキケース74を作動させ
る。また、前記ロックアップスイッチ70は、これを操
作すると、ロックアップさせるだけでなく、走行速度を
設定し、設定した走行速度より速度が低下したときは、
スロットルを自動的に開いて設定走行速度で走行する速
度自動制御するようにしたものにおいて、エンジンの最
大出力状態または設定走行速度が設定時間続くと、その
ときの車速で自動的にロックアップするように構成する
こともある。79はスロットルセンサー、80はエンジ
ン回転数検知センサー、81はスピードセンサーである
(図12)。また、図11で、82は油圧調整バルブで
あり、油圧回路の作動初期の油圧を設定するが、この油
圧調整バルブ82により初期の油圧の設定を高くする
と、各シリンダ等の作動を速くすることができる。そし
て、図示は省略するが、走行装置には期待を圃場の傾斜
に対して水平にするローリング機構を設けており、該機
構を作動させるローリング用シリンダの油圧を検出する
左右水平センサー83を設け、重量が重いと前記油圧調
整バルブ82により圧力を上げ、軽いと下げる。また、
84は穀稈センサーであり、刈取部の作業の有無を感知
し、作業中は前記油圧調整バルブ82により油圧を零に
してスピンターンをさせない。また、85は傾斜センサ
ーであり、所定角度以上機体が傾斜しているときはスピ
ンターンさせない。86は機体沈下センサーであり、機
体が沈下すると旋回トルクがアップするので前記油圧調
整バルブ82により圧力アップさせる。87は前後バラ
ンスセンサーであり、前側が重いと旋回が容易でないの
で圧力アップさせ、後が重いときは圧力をダウンさせ
る。また、88は左右バランスセンサーであり、機体の
左右のいずれか重い側が旋回時の旋回外側となるとき
は、油圧調整バルブ82の圧力アップさせる。
【0012】次に作用を述べる。エンジンからの回転が
入力プーリー3に伝達され、入力プーリー3により回転
する入力軸2の回転が増速クラッチ6を介して大歯車4
に伝達され、大歯車4は常時噛合いしている入力歯車1
8を回転させ、入力歯車18は伝達軸15を回転させ、
伝達軸15は油圧式主変速装置16のHSTポンプ17
を作動させてHSTモータ19に送油して回転を伝達
し、HSTモータ19の回転が、主変速入切クラッチ2
3→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29→受動歯車30を介してサ
イドクラッチ軸31に伝達される。通常の走行では、左
右サイドクラッチ33、33’を入にし、サイドクラッ
チ軸31の回転が、サイドクラッチ歯車32、32’に
伝達され、サイドクラッチ歯車32、32’は常時噛合
いの歯車38、38’を回転させ、歯車38、38’は
車軸37、37’に回転を伝達して走行装置を駆動させ
て、走行させる。そして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方を切にすると、切にした方を旋回内側として
旋回する。
【0013】しかして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方の例えば、右サイドクラッチ33’を切にす
ると、サイドクラッチ歯車32’はフリー状態となり、
歯車48’と噛合う右歯車46’を設けた右出力軸4
5’も差動機構50のケース51に対してフリーとな
る。そして、パワステ用油圧式変速装置61を倍速旋回
用に操作すると、これに対応してパワステ用クラッチ6
4とパワステ用クラッチ65が入となり、制御軸56の
回転が駆動伝達歯車57と受動歯車55を介して差動機
構50のケース51に伝達させて回転させる。前記差動
機構50は、左出力軸45をXとし、右出力軸45’を
Yとし、前記ケース51をZとすると、2Z=X+Yと
なるように構成しているから、例えば、Xを100と
し、Zを150とすると、Yは200となり、Xに対し
てYを倍速く回転させる。このように、パワステレバー
60の傾倒操作によりパワステ用油圧式変速装置61を
介してケース51の回転を無段階に変更することで、旋
回外側となる車軸を旋回内側の車軸より速く駆動回転さ
せて行なう倍速ターンを行なえる。即ち、左旋回のとき
は、右クローラが旋回外側になるので、これに対応する
右サイドクラッチ33’を切にし、サイドクラッチ歯車
32’と歯車48’と右歯車46’と右出力軸45’と
をケース51に対してフリー状態にすると、ケース51
の回転により右出力軸45’(Y側)は左出力軸45
(X側)よりも速く回転して倍速ターンを行なえる。
【0014】また、パワステ用油圧式変速装置61によ
りケース51を左出力軸45および右出力軸45’に対
して停止させると、Zは0となり、0=X+Yとなり、
ゆえに、X=−Yとなり、XとYは互いに逆転するの
で、左右サイドクラッチ33、33’の一方である例え
ば右サイドクラッチ33’を切にすると、これに対応す
る右出力軸45’はケース51に対してフリーとなっ
て、左出力軸45の回転が差動機構50により逆回転と
なって右出力軸45’に伝達され、右出力軸45’の回
転が右歯車46’と歯車48’とサイドクラッチ歯車3
2’と歯車38’を介して伝達され、左車軸37と右車
軸37’とが互いに逆回転となってその場で旋回する所
謂スピンターンを行なえる。しかして、前記パワステ用
油圧式変速装置61はパワステレバー60により前記制
御軸56の回転停止および変速を操作できるので、前記
したように、左右の旋回、倍速ターン、スピンターンを
一本のパワステレバー60により行なえる。なお、通常
走行で左右サイドクラッチ33、33’の一方の左クラ
ッチ33を切にすると、他方のY側の駆動力により旋回
するが、このとき、X側はクローラの回転が反対に戻っ
てきて回転させられ、定速駆動のYと接触抵抗により回
転するXとにより、2Z=X+Yは、Z≠0となり差動
機構50のケース51を回転させようと作用するが、こ
のとき、HSTモータ63を切にしておけば、ケース5
1は自由回転する。この場合、Z=Y/2とすると、X
=0となるので、このように左クラッチ33を切にしパ
ワステ用油圧式変速装置61によりケース51をYに対
して回転させると、X側を完全に停止させた状態で旋回
する。また、前記パワステ用油圧式変速装置61は、左
右サイドクラッチ33、33’の一方の入切操作のとき
作動するようにすると、エンジンの出力ロスを防止し、
耐久性も向上させる。
【0015】しかして、第2実施例では、パワステ用油
圧式変速装置61の代わりに、副変速軸26に設けた伝
達歯車76と該伝達歯車76に噛合う駆動伝達歯車57
と、該駆動伝達歯車57に噛合う受動歯車55の増速比
率によりケース51は、XとYとに相当する左右出力軸
45、45’よりも速く回転し、倍速ターンを行なえ
る。また、ブレーキ機構73により制御軸56の回転を
停止させることで、ケース51の回転を停止させ、左出
力軸45と右出力軸45’とを逆に回転させてスピンタ
ーンを行なう。
【0016】
【効果】本発明は、動力源からの回転を無段階に変速す
る走行用の油圧式変速装置16からの回転を入り切りす
る左右サイドクラッチ33、33’と、左右車軸37、
37’を差動回転させうる差動機構50とをミッション
ケース1内に夫々設け、前記左右サイドクラッチ33、
33’のうちの左右一側にサイドクラッチを切った側の
前記車軸に、前記差動機構50からの作動動力を伝達す
る構成とし、前記差動機構50は、該差動機構50のデ
フケース51自体を別途設けた旋回用の油圧式無段変速
装置61により無段階に変速して回転するようにすると
共に、前記左右車軸37、37’の上手側の伝動経路中
に設け、さらに、前記走行用の油圧式変速装置16を介
さずに、動力源からの回転を前記左右サイドクラッチ3
3、33’へ伝達可能に構成したことを特徴とする走行
装置の伝動機構、および、前記左右サイドクラッチ3
3、33’は油圧シリンダにより夫々伝動を切るように
したことを特徴とする請求項1に記載の走行装置の伝動
機構としたものであるから、差動機構50により左右の
車軸37、37’を互いに逆転させてスピンターンでき
るばかりでなく、旋回外側となる車軸を旋回内側の車軸
より速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえると
いう効果を奏する。そして、旋回性能の向上および操作
性が向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミッションケースの展開状態の縦断面略
図。
【図2】 同側面図。
【図3】 増速クラッチ断面図。
【図4】 作動機構の略図。
【図5】 油圧回路図。
【図6】 回路図。
【図7】 斜視図。
【図8】 パワステレバー構成図。
【図9】 作用状態図。
【図10】 第2実施例図。
【図11】 第2実施例図の油圧回路図。
【図12】 第2実施例図のブロック図。
【符号の説明】
1…ミッションケース、2…入力軸、3…入力プーリ
ー、4…大歯車、5…小歯車、6…増速クラッチ、8…
回転ドラム、9…仕切部材、10、11…シリンダ室、
12、13…ピストン、14…連結ロッド、15…伝達
軸、16…油圧式主変速装置、17…HSTポンプ、1
8…入力歯車、19…HSTモータ、20…油路、22
…出力伝達軸、23…主変速入切クラッチ、24…伝達
歯車、25…伝達駆動歯車、26…副変速軸、27…小
歯車、28…大歯車、29…駆動歯車、30…受動歯
車、31…サイドクラッチ軸、32、32’…サイドク
ラッチ歯車、33、33’…左右サイドクラッチ、3
4、34’…シフター、35、35’…シリンダー、3
6、36’…ソレノイド、37、37’…車軸、38、
38’…歯車、45、45’…出力軸、46、46’…
歯車、48、48’…歯車、50…差動機構、51…ケ
ース、52、52’…左右傘歯車、53、53’…軸、
54、54’…中間傘歯車、55…受動歯車、56…制
御軸、57…駆動伝達歯車、58…倍速ターン用クラッ
チ、60…パワステレバー、61…パワステ用油圧式変
速装置、62…HSTポンプ、63…HSTモータ、6
4…パワステ用クラッチ、65…パワステ用クラッチ、
68…差動スイッチ、69…リレー、70…ロックアッ
プスイッチ、71…溝、72…クローラー、73…ブレ
ーキ機構、74…ブレーキケース、76…伝達歯車、7
7…回転機構、78…緊急停止スイッチ、79…スロッ
トルセンサー、80…エンジン回転数検知センサー、8
1…スピードセンサー、82…油圧調整バルブ、83…
左右水平センサー、84…穀稈センサー、85…傾斜セ
ンサー、86…機体沈下センサー、87…前後バランス
センサー、88…左右バランスセンサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源からの回転を無段階に変速する走
    行用の油圧式変速装置16からの回転を入り切りする左
    右サイドクラッチ33、33’と、左右車軸37、3
    7’を差動回転させうる差動機構50とをミッションケ
    ース1内に夫々設け、前記左右サイドクラッチ33、3
    3’のうちの左右一側にサイドクラッチを切った側の前
    記車軸に、前記差動機構50からの作動動力を伝達する
    構成とし、前記差動機構50は、該差動機構50のデフ
    ケース51自体を別途設けた旋回用の油圧式無段変速装
    置61により無段階に変速して回転するようにすると共
    に、前記左右車軸37、37’の上手側の伝動経路中に
    設け、さらに、前記走行用の油圧式変速装置16を介さ
    ずに、動力源からの回転を前記左右サイドクラッチ3
    3、33’へ伝達可能に構成したことを特徴とする走行
    装置の伝動機構。
  2. 【請求項2】 前記左右サイドクラッチ33、33’は
    油圧シリンダにより夫々伝動を切るようにしたことを特
    徴とする請求項1に記載の走行装置の伝動機構。
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