JP3498684B2 - コンバインにおける走行装置の伝動機構 - Google Patents
コンバインにおける走行装置の伝動機構Info
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- JP3498684B2 JP3498684B2 JP2000208360A JP2000208360A JP3498684B2 JP 3498684 B2 JP3498684 B2 JP 3498684B2 JP 2000208360 A JP2000208360 A JP 2000208360A JP 2000208360 A JP2000208360 A JP 2000208360A JP 3498684 B2 JP3498684 B2 JP 3498684B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインにおけ
る走行装置の伝動機構に係るものである。 【0002】 【従来技術】従来、特開平4−103472号公報に記
載されているように、車軸の駆動機構をサイドクラッチ
式に構成し、ミッションケ−スの外部に差動機構を設
け、該差動機構のケ−スの回転をベルト変速装置で変速
調節することによって、サイドクラッチ切り側の車軸を
変速駆動して旋回できるように構成する技術が知られて
いる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平4−103472号公報に記載された技術では、
操向操作具の操作量に応じてベルト変速装置の変速比率
を変更せねばならないが、走行状態でベルト変速装置が
回転駆動されている状態でなければ、この割プ−リから
成るベルト変速装置を変速作動させることができず、微
速走行状態ではこのベルト変速装置の変速作動が円滑に
行われず、旋回を適確に行えない欠点がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するために、以下のような技術的手段を講じ
る。即ち、走行用油圧変速装置16から駆動される副変
速軸26に、一体的に形成した小歯車27と大歯車28
を摺動のみ可能に取付け、該小歯車27と伝達駆動歯車
25または大歯車28と伝達歯車24との一方の噛合い
を選択するものとして副変速機構Sを構成し、該副変速
後の駆動歯車29をサイドクラッチ軸31に固定の受動
歯車30に噛合わせ、該受動歯車30とサイドクラッチ
歯車32、32’との間に左右のサイドクラッチ33、
33’を形成し、該サイドクラッチ歯車32,32’に
常時噛合いの歯車38,38’を介して車軸37,3
7’を駆動する構成とし、前記サイドクラッチ軸31の
近傍に左右に分割された左右の出力軸45、45’をそ
れぞれ軸装し、該左出力軸45には左歯車46を固定
し、右出力軸45’には右歯車46’を固定し、前記左
歯車46と右歯車46’との間に左右の出力軸45、4
5’相互の回転数を変更させる差動機構50を設け、該
差動機構50のケ−ス51をミッションケース1内に回
転自在に設け、該差動機構50のケース51内に前記左
右の出力軸45、45’の先端を臨ませて該左右の出力
軸45、45’の先端に左右の傘歯車52、52’を相
対峙するように設け、該左右の傘歯車52、52’には
差動機構50のケース51側の軸53、53’に設けた
中間傘歯車54、54’を噛合わせ、前記差動機構50
のケース51の外周に受動歯車55を設け、該受動歯車
55を制御軸56に固定の駆動伝達歯車57に噛合わ
せ、該制御軸56の一端側にディスク式の制動機構73
を設けると共に前記差動機構50のケ−ス51を前記左
右の出力軸45,45’に対して回転させるクラッチ式
の回転機構77を設けて、該制動機構73および回転機
構77の作動によってサイドクラッチ33の切り側の車
軸37を変速駆動して旋回できるように構成したことを
特徴とするコンバインにおける走行装置の伝動機構とし
たものである。 【0005】 【発明の効果】本発明によると、制御軸56の一端側に
設けるディスク式の制動機構73および差動機構50の
ケ−ス51を左右の出力軸45,45’に対して回転さ
せるクラッチ式の回転機構77の作動によってサイドク
ラッチ33の切り側の車軸37を変速駆動して適確に旋
回することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明する。まず、図1から図9を参考に説明するに、1
はコンバイン等の作業機の走行装置のミッションケース
で、上部位置に入力軸2を横設し、入力軸2にはエンジ
ンからの回転が伝達される入力プーリー3を設け、ミッ
ションケース1内の入力軸2には大歯車4と小歯車5と
を遊嵌し、大歯車4および小歯車5と入力軸2との間に
増速クラッチ6を設ける。増速クラッチ6は入力軸2に
回転ドラム8を固定し、回転ドラム8内の中央部には該
回転ドラム8と一体回転する仕切部材9を設け、仕切部
材9の左右両側にシリンダ室10、11をそれぞれ形成
し、前記シリンダ室10、11内にはピストン12、1
3を設け、回転ドラム8の内周に設けたクラッチディス
クと大歯車4および小歯車5側に設けたクラッチディス
クを接離させるようにして構成する。14はピストン1
2とピストン13を連結する連結ロッドである。しかし
て、ミッションケース1の側部には油圧式主変速装置
(ハイドロスタチックトランスミッション(走行用油圧
変速装置))16を設ける。油圧式主変速装置16はH
STポンプ17の入力軸となる伝達軸15をミッション
ケース1に軸装し、伝達軸15には前記大歯車4と常時
噛合う入力歯車18を固定する。19は前記油圧式主変
速装置16のHSTモータであり、前記HSTポンプ1
7と油路20により接続する。油圧式主変速装置16
は、伝達軸15の回転によりHSTポンプ17を作動さ
せ、HSTポンプ17が無段階に送油量を増減させなが
らHSTモータ19に送油して回転を伝達する。23は
前記HSTモータ19と出力伝達軸22の間に設けた主
変速入切クラッチ、24は出力伝達軸22に設けた前記
小歯車5に常時噛合う伝達歯車、25は伝達駆動歯車で
ある。 【0007】26は副変速軸であり、副変速軸26には
一体的に形成した小歯車27と大歯車28を摺動のみ可
能に取付け、小歯車27と伝達駆動歯車25または大歯
車28と伝達歯車24との一方の噛合いを選択する(こ
れが副変速機構Sである)。29は副変速軸26に固定
の駆動歯車、30はサイドクラッチ軸31に固定の受動
歯車であり、前記駆動歯車29と常時噛合っている。受
動歯車30の左右両側には左右内歯(図示省略)を形成
し、サイドクラッチ軸31には左右内歯に対して継脱自
在の爪部(図示省略)を形成したサイドクラッチ歯車3
2、32’を摺動自在に取付け、前記受動歯車30の左
右内歯とサイドクラッチ歯車32、32’の爪部により
左右サイドクラッチ33、33’を形成する。34、3
4’はシフター、35、35’はシリンダー、36、3
6’はシリンダー35、35’のソレノイド、37、3
7’は車軸、38、38’はサイドクラッチ歯車32、
32’と常時噛合いの歯車である。しかして、サイドク
ラッチ軸31の近傍には、左右に分割された左右出力軸
45、45’をそれぞれ軸装し、左出力軸45には左歯
車46を固定し、右出力軸45’には右歯車46’を固
定し、左歯車46は前記サイドクラッチ歯車32と一体
回転する歯車48に常時噛合わせ、右歯車46’は前記
サイドクラッチ歯車32’と一体回転する歯車48’に
常時噛合わせる。前記左歯車46と右歯車46’の間の
出力軸45、45’には該出力軸45、45’相互の回
転数を変更させる差動機構50を設ける。差動機構50
は、ミッションケース1内に回転自在にケース51を設
け、ケース51内には前記出力軸45、45’の先端を
臨ませ、出力軸45、45’の先端には左右傘歯車5
2、52’を相対峙するように設け、左右傘歯車52、
52’にはそれぞれケース51に固定の軸53、53’
に回転自在に取付けた中間傘歯車54、54’を噛合わ
せ、前記ケース51の外周には受動歯車55を設け、受
動歯車55には制御軸56に固定の駆動伝達歯車57を
常時噛合わせて構成している。 【0008】前記差動機構50は、左出力軸45をXと
し、右出力軸45’をYとし、前記ケース51をZとす
ると、2Z=X+Yとなるように構成する。即ち、ケー
ス51が左出力軸45および右出力軸45’に対して停
止すると、Zは0となり、0=X+Yとなり、ゆえに、
X=−Yとなり、XとYは互いに逆転し、また、Yの回
転はY=2Z−Xとなり、例えば、Xを100とし、Z
を150とすると、Yは200となり、Xに対してYを
倍速く回転させる(XとYの関係は逆も可)。そこで、
ミッションケース1の側部にパワステレバー(操向操作
具)60の傾倒操作により作動するパワステ用油圧式変
速装置(旋回用油圧変速装置)61を設け、パワステ用
油圧式変速装置61により前記制御軸56を回転および
停止させるように構成する。パワステ用油圧式変速装置
61はHSTポンプ62とHSTモータ63とにより構
成され、前記出力伝達軸22がHSTポンプ62の入力
軸となり、制御軸56がHSTモータ63からの出力軸
となり、この前記出力伝達軸22とHSTポンプ62と
の間および制御軸56とHSTモータ63の間にそれぞ
れパワステ用クラッチ64、65を設ける。したがっ
て、差動機構50は、パワステ用油圧式変速装置61に
よりケース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸
37、37’を互いに逆転させるスピンターンを行な
え、ケース51をパワステ用油圧式変速装置61により
所定回転させると、旋回外側となる車軸を旋回内側の車
軸よりも速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえ
る。 【0009】図5は油圧回路を示し、前記油圧式主変速
装置16の操作する主変速レバー66に前記差動機構5
0を作動させる差動スイッチ68を設け、差動スイッチ
68はリレー69により前記ソレノイド36、36’の
作動を反対にする(図6)。即ち、通常右旋回のときは
ソレノイド36’により右サイドクラッチ33’を切に
するが、倍速ターンでは、ソレノイド36により左サイ
ドクラッチ33を切にし、旋回内側の右車軸37’を定
速回転させ、旋回外側となる左車軸37を旋回内側の右
車軸37’よりも速く駆動回転させるので、前記ソレノ
イド36、36’の作動を反対にさせる。また、70は
ロックアップスイッチであり、ロックアップスイッチ7
0を操作すると、主変速入切クラッチ23を切にし、入
力軸2の回転を増速クラッチ6→小歯車5→伝達歯車2
4→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29と、油圧式主変速装置16
を介さずに直接回転を伝達する。図7は前記パワステレ
バー60の操作機構に係る実施例であり、パワステレバ
ー60と前記パワステ用油圧式変速装置61とを接続
し、図8のように、パワステレバー60を溝71内を左
右に傾倒させると前記左右サイドクラッチ33、33’
を切にして旋回し、この状態から前側に倒すと倍速旋回
し、後側に倒すとスピンターンを行なう(なお、傾倒方
向と旋回方向の組合せは任意である)。72は走行装置
の左右のクローラーを示す。また、パワステ用油圧式変
速装置61は倍速ターンを行うように操作したとき作動
するように、前記差動スイッチ68の操作およびサイド
クラッチ33、33’の入り切りに起因させて行うよう
に構成すると、パワステ用油圧式変速装置61を作動さ
せるための馬力損失を回避できる。 【0010】図10は、前記差動機構50のケース51
を停止させるブレーキ機構73とケース51を左右出力
軸45、45’に対して回転させる回転機構77を設け
た構成であり、制御軸56の一端側にはブレーキケース
74を設け、該ブレーキケース74と制御軸56とにそ
れぞれ接離するディスクを設けて前記ブレーキ機構73
を構成し、また、前記駆動伝達歯車57には前記副変速
軸26に設けた倍速ターン用クラッチ75を介して設け
た伝達歯車76に常時噛合わせ、副変速軸26の駆動歯
車29と受動歯車30とにより伝達されたサイドクラッ
チ軸31の回転数に対して、伝達歯車76と駆動伝達歯
車57と受動歯車55の噛合いにより差動機構50は速
く回転するようにして前記回転機構77を形成する。し
たがって、差動機構50は、ブレーキ機構73によりケ
ース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸37、
37’を互いに逆転させるスピンターンを行なえ、ケー
ス51を回転機構77により所定回転させると、旋回外
側となる車軸37’を旋回内側の車軸37より速く駆動
回転させて行なう倍速ターンを行なえる。図11は油圧
回路図を示し、78は主変速レバー66に設けた緊急停
止スイッチであり、左右サイドクラッチ33、33’を
切にしてブレーキケース74を作動させる。また、前記
ロックアップスイッチ70は、これを操作すると、ロッ
クアップさせるだけでなく、走行速度を設定し、設定し
た走行速度より速度が低下したときは、スロットルを自
動的に開いて設定走行速度で走行する速度自動制御する
ようにしたものにおいて、エンジンの最大出力状態また
は設定走行速度が設定時間続くと、そのときの車速で自
動的にロックアップするように構成することもある。7
9はスロットルセンサー、80はエンジン回転数検知セ
ンサー、81はスピードセンサーである(図12)。ま
た、図11で、82は油圧調整バルブであり、油圧回路
の作動初期の油圧を設定するが、この油圧調整バルブ8
2により初期の油圧の設定を高くすると、各シリンダ等
の作動を速くすることができる。そして、図示は省略す
るが、走行装置には機体を圃場の傾斜に対して水平にす
るローリング機構を設けており、該機構を作動させるロ
ーリング用シリンダの油圧を検出する左右水平センサー
83を設け、重量が重いと前記油圧調整バルブ82によ
り圧力を上げ、軽いと下げる。また、84は穀稈センサ
ーであり、刈取部の作業の有無を感知し、作業中は前記
油圧調整バルブ82により油圧を零にしてスピンターン
をさせない。また、85は傾斜センサーであり、所定角
度以上機体が傾斜しているときはスピンターンさせな
い。86は機体沈下センサーであり、機体が沈下すると
旋回トルクがアップするので前記油圧調整バルブ82に
より圧力アップさせる。87は前後バランスセンサーで
あり、前側が重いと旋回が容易でないので圧力アップさ
せ、後が重いときは圧力をダウンさせる。また、88は
左右バランスセンサーであり、機体の左右のいずれか重
い側が旋回時の旋回外側となるときは、油圧調整バルブ
82の圧力アップさせる。 【0011】次に作用を述べる。エンジンからの回転が
入力プーリー3に伝達され、入力プーリー3により回転
する入力軸2の回転が増速クラッチ6を介して大歯車4
に伝達され、大歯車4は常時噛合いしている入力歯車1
8を回転させ、入力歯車18は伝達軸15を回転させ、
伝達軸15は油圧式主変速装置16のHSTポンプ17
を作動させてHSTモータ19に送油して回転を伝達
し、HSTモータ19の回転が、主変速入切クラッチ2
3→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29→受動歯車30を介してサ
イドクラッチ軸31に伝達される。通常の走行では、左
右サイドクラッチ33、33’を入にし、サイドクラッ
チ軸31の回転が、サイドクラッチ歯車32、32’に
伝達され、サイドクラッチ歯車32、32’は常時噛合
いの歯車38、38’を回転させ、歯車38、38’は
車軸37、37’に回転を伝達して走行装置を駆動させ
て、走行させる。そして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方を切にすると、切にした方を旋回内側として
旋回する。 【0012】しかして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方の例えば、右サイドクラッチ33’を切にす
ると、サイドクラッチ歯車32’はフリー状態となり、
歯車48’と噛合う右歯車46’を設けた右出力軸4
5’も差動機構50のケース51に対してフリーとな
る。そして、パワステ用油圧式変速装置61を倍速旋回
用に操作すると、これに対応してパワステ用クラッチ6
4とパワステ用クラッチ65が入となり、制御軸56の
回転が駆動伝達歯車57と受動歯車55を介して差動機
構50のケース51に伝達させて回転させる。前記差動
機構50は、左出力軸45をXとし、右出力軸45’を
Yとし、前記ケース51をZとすると、2Z=X+Yと
なるように構成しているから、例えば、Xを100と
し、Zを150とすると、Yは200となり、Xに対し
てYを倍速く回転させる。このように、パワステレバー
60の傾倒操作によりパワステ用油圧式変速装置61を
介してケース51の回転を無段階に変更することで、旋
回外側となる車軸を旋回内側の車軸より速く駆動回転さ
せて行なう倍速ターンを行なえる。即ち、左旋回のとき
は、右クローラが旋回外側になるので、これに対応する
右サイドクラッチ33’を切にし、サイドクラッチ歯車
32’と歯車48’と右歯車46’と右出力軸45’と
をケース51に対してフリー状態にすると、ケース51
の回転により右出力軸45’(Y側)は左出力軸45
(X側)よりも速く回転して倍速ターンを行なえる。 【0013】また、パワステ用油圧式変速装置61によ
りケース51を左出力軸45および右出力軸45’に対
して停止させると、Zは0となり、0=X+Yとなり、
ゆえに、X=−Yとなり、XとYは互いに逆転するの
で、左右サイドクラッチ33、33’の一方である例え
ば右サイドクラッチ33’を切にすると、これに対応す
る右出力軸45’はケース51に対してフリーとなっ
て、左出力軸45の回転が差動機構50により逆回転と
なって右出力軸45’に伝達され、右出力軸45’の回
転が右歯車46’と歯車48’とサイドクラッチ歯車3
2’と歯車38’を介して伝達され、左車軸37と右車
軸37’とが互いに逆回転となってその場で旋回する所
謂スピンターンを行なえる。しかして、前記パワステ用
油圧式変速装置61はパワステレバー60により前記制
御軸56の回転停止および変速を操作できるので、前記
したように、左右の旋回、倍速ターン、スピンターンを
一本のパワステレバー60により行なえる。なお、通常
走行で左右サイドクラッチ33、33’の一方の左クラ
ッチ33を切にすると、他方のY側の駆動力により旋回
するが、このとき、X側はクローラの回転が反対に戻っ
てきて回転させられ、定速駆動のYと接触抵抗により回
転するXとにより、2Z=X+Yは、Z≠0となり差動
機構50のケース51を回転させようと作用するが、こ
のとき、HSTモータ63を切にしておけば、ケース5
1は自由回転する。この場合、Z=Y/2とすると、X
=0となるので、このように左クラッチ33を切にしパ
ワステ用油圧式変速装置61によりケース51をYに対
して回転させると、X側を完全に停止させた状態で旋回
する。また、前記パワステ用油圧式変速装置61は、左
右サイドクラッチ33、33’の一方の入切操作のとき
作動するようにすると、エンジンの出力ロスを防止し、
耐久性も向上させる。 【0014】しかして、図10の構成では、パワステ用
油圧式変速装置61の代わりに、副変速軸26に設けた
伝達歯車76と該伝達歯車76に噛合う駆動伝達歯車5
7と、該駆動伝達歯車57に噛合う受動歯車55の増速
比率によりケース51は、XとYとに相当する左右出力
軸45、45’よりも速く回転し、倍速ターンを行なえ
る。また、ブレーキ機構73により制御軸56の回転を
停止させることで、ケース51の回転を停止させ、左出
力軸45と右出力軸45’とを逆に回転させてスピンタ
ーンを行なう。 【0015】以上のように、差動機構50により左右の
車軸37、37’を互いに逆転させてスピンターンでき
るばかりでなく、旋回外側となる車軸を旋回内側の車軸
より速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえる。
る走行装置の伝動機構に係るものである。 【0002】 【従来技術】従来、特開平4−103472号公報に記
載されているように、車軸の駆動機構をサイドクラッチ
式に構成し、ミッションケ−スの外部に差動機構を設
け、該差動機構のケ−スの回転をベルト変速装置で変速
調節することによって、サイドクラッチ切り側の車軸を
変速駆動して旋回できるように構成する技術が知られて
いる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平4−103472号公報に記載された技術では、
操向操作具の操作量に応じてベルト変速装置の変速比率
を変更せねばならないが、走行状態でベルト変速装置が
回転駆動されている状態でなければ、この割プ−リから
成るベルト変速装置を変速作動させることができず、微
速走行状態ではこのベルト変速装置の変速作動が円滑に
行われず、旋回を適確に行えない欠点がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するために、以下のような技術的手段を講じ
る。即ち、走行用油圧変速装置16から駆動される副変
速軸26に、一体的に形成した小歯車27と大歯車28
を摺動のみ可能に取付け、該小歯車27と伝達駆動歯車
25または大歯車28と伝達歯車24との一方の噛合い
を選択するものとして副変速機構Sを構成し、該副変速
後の駆動歯車29をサイドクラッチ軸31に固定の受動
歯車30に噛合わせ、該受動歯車30とサイドクラッチ
歯車32、32’との間に左右のサイドクラッチ33、
33’を形成し、該サイドクラッチ歯車32,32’に
常時噛合いの歯車38,38’を介して車軸37,3
7’を駆動する構成とし、前記サイドクラッチ軸31の
近傍に左右に分割された左右の出力軸45、45’をそ
れぞれ軸装し、該左出力軸45には左歯車46を固定
し、右出力軸45’には右歯車46’を固定し、前記左
歯車46と右歯車46’との間に左右の出力軸45、4
5’相互の回転数を変更させる差動機構50を設け、該
差動機構50のケ−ス51をミッションケース1内に回
転自在に設け、該差動機構50のケース51内に前記左
右の出力軸45、45’の先端を臨ませて該左右の出力
軸45、45’の先端に左右の傘歯車52、52’を相
対峙するように設け、該左右の傘歯車52、52’には
差動機構50のケース51側の軸53、53’に設けた
中間傘歯車54、54’を噛合わせ、前記差動機構50
のケース51の外周に受動歯車55を設け、該受動歯車
55を制御軸56に固定の駆動伝達歯車57に噛合わ
せ、該制御軸56の一端側にディスク式の制動機構73
を設けると共に前記差動機構50のケ−ス51を前記左
右の出力軸45,45’に対して回転させるクラッチ式
の回転機構77を設けて、該制動機構73および回転機
構77の作動によってサイドクラッチ33の切り側の車
軸37を変速駆動して旋回できるように構成したことを
特徴とするコンバインにおける走行装置の伝動機構とし
たものである。 【0005】 【発明の効果】本発明によると、制御軸56の一端側に
設けるディスク式の制動機構73および差動機構50の
ケ−ス51を左右の出力軸45,45’に対して回転さ
せるクラッチ式の回転機構77の作動によってサイドク
ラッチ33の切り側の車軸37を変速駆動して適確に旋
回することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明する。まず、図1から図9を参考に説明するに、1
はコンバイン等の作業機の走行装置のミッションケース
で、上部位置に入力軸2を横設し、入力軸2にはエンジ
ンからの回転が伝達される入力プーリー3を設け、ミッ
ションケース1内の入力軸2には大歯車4と小歯車5と
を遊嵌し、大歯車4および小歯車5と入力軸2との間に
増速クラッチ6を設ける。増速クラッチ6は入力軸2に
回転ドラム8を固定し、回転ドラム8内の中央部には該
回転ドラム8と一体回転する仕切部材9を設け、仕切部
材9の左右両側にシリンダ室10、11をそれぞれ形成
し、前記シリンダ室10、11内にはピストン12、1
3を設け、回転ドラム8の内周に設けたクラッチディス
クと大歯車4および小歯車5側に設けたクラッチディス
クを接離させるようにして構成する。14はピストン1
2とピストン13を連結する連結ロッドである。しかし
て、ミッションケース1の側部には油圧式主変速装置
(ハイドロスタチックトランスミッション(走行用油圧
変速装置))16を設ける。油圧式主変速装置16はH
STポンプ17の入力軸となる伝達軸15をミッション
ケース1に軸装し、伝達軸15には前記大歯車4と常時
噛合う入力歯車18を固定する。19は前記油圧式主変
速装置16のHSTモータであり、前記HSTポンプ1
7と油路20により接続する。油圧式主変速装置16
は、伝達軸15の回転によりHSTポンプ17を作動さ
せ、HSTポンプ17が無段階に送油量を増減させなが
らHSTモータ19に送油して回転を伝達する。23は
前記HSTモータ19と出力伝達軸22の間に設けた主
変速入切クラッチ、24は出力伝達軸22に設けた前記
小歯車5に常時噛合う伝達歯車、25は伝達駆動歯車で
ある。 【0007】26は副変速軸であり、副変速軸26には
一体的に形成した小歯車27と大歯車28を摺動のみ可
能に取付け、小歯車27と伝達駆動歯車25または大歯
車28と伝達歯車24との一方の噛合いを選択する(こ
れが副変速機構Sである)。29は副変速軸26に固定
の駆動歯車、30はサイドクラッチ軸31に固定の受動
歯車であり、前記駆動歯車29と常時噛合っている。受
動歯車30の左右両側には左右内歯(図示省略)を形成
し、サイドクラッチ軸31には左右内歯に対して継脱自
在の爪部(図示省略)を形成したサイドクラッチ歯車3
2、32’を摺動自在に取付け、前記受動歯車30の左
右内歯とサイドクラッチ歯車32、32’の爪部により
左右サイドクラッチ33、33’を形成する。34、3
4’はシフター、35、35’はシリンダー、36、3
6’はシリンダー35、35’のソレノイド、37、3
7’は車軸、38、38’はサイドクラッチ歯車32、
32’と常時噛合いの歯車である。しかして、サイドク
ラッチ軸31の近傍には、左右に分割された左右出力軸
45、45’をそれぞれ軸装し、左出力軸45には左歯
車46を固定し、右出力軸45’には右歯車46’を固
定し、左歯車46は前記サイドクラッチ歯車32と一体
回転する歯車48に常時噛合わせ、右歯車46’は前記
サイドクラッチ歯車32’と一体回転する歯車48’に
常時噛合わせる。前記左歯車46と右歯車46’の間の
出力軸45、45’には該出力軸45、45’相互の回
転数を変更させる差動機構50を設ける。差動機構50
は、ミッションケース1内に回転自在にケース51を設
け、ケース51内には前記出力軸45、45’の先端を
臨ませ、出力軸45、45’の先端には左右傘歯車5
2、52’を相対峙するように設け、左右傘歯車52、
52’にはそれぞれケース51に固定の軸53、53’
に回転自在に取付けた中間傘歯車54、54’を噛合わ
せ、前記ケース51の外周には受動歯車55を設け、受
動歯車55には制御軸56に固定の駆動伝達歯車57を
常時噛合わせて構成している。 【0008】前記差動機構50は、左出力軸45をXと
し、右出力軸45’をYとし、前記ケース51をZとす
ると、2Z=X+Yとなるように構成する。即ち、ケー
ス51が左出力軸45および右出力軸45’に対して停
止すると、Zは0となり、0=X+Yとなり、ゆえに、
X=−Yとなり、XとYは互いに逆転し、また、Yの回
転はY=2Z−Xとなり、例えば、Xを100とし、Z
を150とすると、Yは200となり、Xに対してYを
倍速く回転させる(XとYの関係は逆も可)。そこで、
ミッションケース1の側部にパワステレバー(操向操作
具)60の傾倒操作により作動するパワステ用油圧式変
速装置(旋回用油圧変速装置)61を設け、パワステ用
油圧式変速装置61により前記制御軸56を回転および
停止させるように構成する。パワステ用油圧式変速装置
61はHSTポンプ62とHSTモータ63とにより構
成され、前記出力伝達軸22がHSTポンプ62の入力
軸となり、制御軸56がHSTモータ63からの出力軸
となり、この前記出力伝達軸22とHSTポンプ62と
の間および制御軸56とHSTモータ63の間にそれぞ
れパワステ用クラッチ64、65を設ける。したがっ
て、差動機構50は、パワステ用油圧式変速装置61に
よりケース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸
37、37’を互いに逆転させるスピンターンを行な
え、ケース51をパワステ用油圧式変速装置61により
所定回転させると、旋回外側となる車軸を旋回内側の車
軸よりも速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえ
る。 【0009】図5は油圧回路を示し、前記油圧式主変速
装置16の操作する主変速レバー66に前記差動機構5
0を作動させる差動スイッチ68を設け、差動スイッチ
68はリレー69により前記ソレノイド36、36’の
作動を反対にする(図6)。即ち、通常右旋回のときは
ソレノイド36’により右サイドクラッチ33’を切に
するが、倍速ターンでは、ソレノイド36により左サイ
ドクラッチ33を切にし、旋回内側の右車軸37’を定
速回転させ、旋回外側となる左車軸37を旋回内側の右
車軸37’よりも速く駆動回転させるので、前記ソレノ
イド36、36’の作動を反対にさせる。また、70は
ロックアップスイッチであり、ロックアップスイッチ7
0を操作すると、主変速入切クラッチ23を切にし、入
力軸2の回転を増速クラッチ6→小歯車5→伝達歯車2
4→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29と、油圧式主変速装置16
を介さずに直接回転を伝達する。図7は前記パワステレ
バー60の操作機構に係る実施例であり、パワステレバ
ー60と前記パワステ用油圧式変速装置61とを接続
し、図8のように、パワステレバー60を溝71内を左
右に傾倒させると前記左右サイドクラッチ33、33’
を切にして旋回し、この状態から前側に倒すと倍速旋回
し、後側に倒すとスピンターンを行なう(なお、傾倒方
向と旋回方向の組合せは任意である)。72は走行装置
の左右のクローラーを示す。また、パワステ用油圧式変
速装置61は倍速ターンを行うように操作したとき作動
するように、前記差動スイッチ68の操作およびサイド
クラッチ33、33’の入り切りに起因させて行うよう
に構成すると、パワステ用油圧式変速装置61を作動さ
せるための馬力損失を回避できる。 【0010】図10は、前記差動機構50のケース51
を停止させるブレーキ機構73とケース51を左右出力
軸45、45’に対して回転させる回転機構77を設け
た構成であり、制御軸56の一端側にはブレーキケース
74を設け、該ブレーキケース74と制御軸56とにそ
れぞれ接離するディスクを設けて前記ブレーキ機構73
を構成し、また、前記駆動伝達歯車57には前記副変速
軸26に設けた倍速ターン用クラッチ75を介して設け
た伝達歯車76に常時噛合わせ、副変速軸26の駆動歯
車29と受動歯車30とにより伝達されたサイドクラッ
チ軸31の回転数に対して、伝達歯車76と駆動伝達歯
車57と受動歯車55の噛合いにより差動機構50は速
く回転するようにして前記回転機構77を形成する。し
たがって、差動機構50は、ブレーキ機構73によりケ
ース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸37、
37’を互いに逆転させるスピンターンを行なえ、ケー
ス51を回転機構77により所定回転させると、旋回外
側となる車軸37’を旋回内側の車軸37より速く駆動
回転させて行なう倍速ターンを行なえる。図11は油圧
回路図を示し、78は主変速レバー66に設けた緊急停
止スイッチであり、左右サイドクラッチ33、33’を
切にしてブレーキケース74を作動させる。また、前記
ロックアップスイッチ70は、これを操作すると、ロッ
クアップさせるだけでなく、走行速度を設定し、設定し
た走行速度より速度が低下したときは、スロットルを自
動的に開いて設定走行速度で走行する速度自動制御する
ようにしたものにおいて、エンジンの最大出力状態また
は設定走行速度が設定時間続くと、そのときの車速で自
動的にロックアップするように構成することもある。7
9はスロットルセンサー、80はエンジン回転数検知セ
ンサー、81はスピードセンサーである(図12)。ま
た、図11で、82は油圧調整バルブであり、油圧回路
の作動初期の油圧を設定するが、この油圧調整バルブ8
2により初期の油圧の設定を高くすると、各シリンダ等
の作動を速くすることができる。そして、図示は省略す
るが、走行装置には機体を圃場の傾斜に対して水平にす
るローリング機構を設けており、該機構を作動させるロ
ーリング用シリンダの油圧を検出する左右水平センサー
83を設け、重量が重いと前記油圧調整バルブ82によ
り圧力を上げ、軽いと下げる。また、84は穀稈センサ
ーであり、刈取部の作業の有無を感知し、作業中は前記
油圧調整バルブ82により油圧を零にしてスピンターン
をさせない。また、85は傾斜センサーであり、所定角
度以上機体が傾斜しているときはスピンターンさせな
い。86は機体沈下センサーであり、機体が沈下すると
旋回トルクがアップするので前記油圧調整バルブ82に
より圧力アップさせる。87は前後バランスセンサーで
あり、前側が重いと旋回が容易でないので圧力アップさ
せ、後が重いときは圧力をダウンさせる。また、88は
左右バランスセンサーであり、機体の左右のいずれか重
い側が旋回時の旋回外側となるときは、油圧調整バルブ
82の圧力アップさせる。 【0011】次に作用を述べる。エンジンからの回転が
入力プーリー3に伝達され、入力プーリー3により回転
する入力軸2の回転が増速クラッチ6を介して大歯車4
に伝達され、大歯車4は常時噛合いしている入力歯車1
8を回転させ、入力歯車18は伝達軸15を回転させ、
伝達軸15は油圧式主変速装置16のHSTポンプ17
を作動させてHSTモータ19に送油して回転を伝達
し、HSTモータ19の回転が、主変速入切クラッチ2
3→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29→受動歯車30を介してサ
イドクラッチ軸31に伝達される。通常の走行では、左
右サイドクラッチ33、33’を入にし、サイドクラッ
チ軸31の回転が、サイドクラッチ歯車32、32’に
伝達され、サイドクラッチ歯車32、32’は常時噛合
いの歯車38、38’を回転させ、歯車38、38’は
車軸37、37’に回転を伝達して走行装置を駆動させ
て、走行させる。そして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方を切にすると、切にした方を旋回内側として
旋回する。 【0012】しかして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方の例えば、右サイドクラッチ33’を切にす
ると、サイドクラッチ歯車32’はフリー状態となり、
歯車48’と噛合う右歯車46’を設けた右出力軸4
5’も差動機構50のケース51に対してフリーとな
る。そして、パワステ用油圧式変速装置61を倍速旋回
用に操作すると、これに対応してパワステ用クラッチ6
4とパワステ用クラッチ65が入となり、制御軸56の
回転が駆動伝達歯車57と受動歯車55を介して差動機
構50のケース51に伝達させて回転させる。前記差動
機構50は、左出力軸45をXとし、右出力軸45’を
Yとし、前記ケース51をZとすると、2Z=X+Yと
なるように構成しているから、例えば、Xを100と
し、Zを150とすると、Yは200となり、Xに対し
てYを倍速く回転させる。このように、パワステレバー
60の傾倒操作によりパワステ用油圧式変速装置61を
介してケース51の回転を無段階に変更することで、旋
回外側となる車軸を旋回内側の車軸より速く駆動回転さ
せて行なう倍速ターンを行なえる。即ち、左旋回のとき
は、右クローラが旋回外側になるので、これに対応する
右サイドクラッチ33’を切にし、サイドクラッチ歯車
32’と歯車48’と右歯車46’と右出力軸45’と
をケース51に対してフリー状態にすると、ケース51
の回転により右出力軸45’(Y側)は左出力軸45
(X側)よりも速く回転して倍速ターンを行なえる。 【0013】また、パワステ用油圧式変速装置61によ
りケース51を左出力軸45および右出力軸45’に対
して停止させると、Zは0となり、0=X+Yとなり、
ゆえに、X=−Yとなり、XとYは互いに逆転するの
で、左右サイドクラッチ33、33’の一方である例え
ば右サイドクラッチ33’を切にすると、これに対応す
る右出力軸45’はケース51に対してフリーとなっ
て、左出力軸45の回転が差動機構50により逆回転と
なって右出力軸45’に伝達され、右出力軸45’の回
転が右歯車46’と歯車48’とサイドクラッチ歯車3
2’と歯車38’を介して伝達され、左車軸37と右車
軸37’とが互いに逆回転となってその場で旋回する所
謂スピンターンを行なえる。しかして、前記パワステ用
油圧式変速装置61はパワステレバー60により前記制
御軸56の回転停止および変速を操作できるので、前記
したように、左右の旋回、倍速ターン、スピンターンを
一本のパワステレバー60により行なえる。なお、通常
走行で左右サイドクラッチ33、33’の一方の左クラ
ッチ33を切にすると、他方のY側の駆動力により旋回
するが、このとき、X側はクローラの回転が反対に戻っ
てきて回転させられ、定速駆動のYと接触抵抗により回
転するXとにより、2Z=X+Yは、Z≠0となり差動
機構50のケース51を回転させようと作用するが、こ
のとき、HSTモータ63を切にしておけば、ケース5
1は自由回転する。この場合、Z=Y/2とすると、X
=0となるので、このように左クラッチ33を切にしパ
ワステ用油圧式変速装置61によりケース51をYに対
して回転させると、X側を完全に停止させた状態で旋回
する。また、前記パワステ用油圧式変速装置61は、左
右サイドクラッチ33、33’の一方の入切操作のとき
作動するようにすると、エンジンの出力ロスを防止し、
耐久性も向上させる。 【0014】しかして、図10の構成では、パワステ用
油圧式変速装置61の代わりに、副変速軸26に設けた
伝達歯車76と該伝達歯車76に噛合う駆動伝達歯車5
7と、該駆動伝達歯車57に噛合う受動歯車55の増速
比率によりケース51は、XとYとに相当する左右出力
軸45、45’よりも速く回転し、倍速ターンを行なえ
る。また、ブレーキ機構73により制御軸56の回転を
停止させることで、ケース51の回転を停止させ、左出
力軸45と右出力軸45’とを逆に回転させてスピンタ
ーンを行なう。 【0015】以上のように、差動機構50により左右の
車軸37、37’を互いに逆転させてスピンターンでき
るばかりでなく、旋回外側となる車軸を旋回内側の車軸
より速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケ−スの展開状態の縦断面略図。
【図2】同側面図。
【図3】増速クラッチ断面図。
【図4】作動機構の略図。
【図5】油圧回路図。
【図6】回路図。
【図7】斜視図。
【図8】パワステレバ−構成図。
【図9】作用状態図。
【図10】ミッションケ−スの展開状態の縦断面略図。
【図11】油圧回路図。
【図12】ブロック図。
【符号の説明】
1 ミッションケース
16 走行用油圧変速装置
24 伝達歯車
25 伝達駆動歯車
26 副変速軸
27 小歯車
28 大歯車
S 副変速機構
29 駆動歯車
30 受動歯車
31 サイドクラッチ軸
32 サイドクラッチ歯車
32’サイドクラッチ歯車
33 サイドクラッチ
33’サイドクラッチ
37 車軸
37’車軸
38 歯車
38’歯車
45 左出力軸
45’右出力軸
46 左歯車
46’右歯車
50 差動機構
51 ケ−ス
52 傘歯車
52’傘歯車
53 軸
53’軸
54 中間傘歯車
54’中間傘歯車
55 受動歯車
56 制御軸
57 駆動伝達歯車
73 制動機構(ブレ−キ機構)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 走行用油圧変速装置16から駆動される
副変速軸26に、一体的に形成した小歯車27と大歯車
28を摺動のみ可能に取付け、該小歯車27と伝達駆動
歯車25または大歯車28と伝達歯車24との一方の噛
合いを選択するものとして副変速機構Sを構成し、該副
変速後の駆動歯車29をサイドクラッチ軸31に固定の
受動歯車30に噛合わせ、該受動歯車30とサイドクラ
ッチ歯車32、32’との間に左右のサイドクラッチ3
3、33’を形成し、該サイドクラッチ歯車32,3
2’に常時噛合いの歯車38,38’を介して車軸3
7,37’を駆動する構成とし、前記サイドクラッチ軸
31の近傍に左右に分割された左右の出力軸45、4
5’をそれぞれ軸装し、該左出力軸45には左歯車46
を固定し、右出力軸45’には右歯車46’を固定し、
前記左歯車46と右歯車46’との間に左右の出力軸4
5、45’相互の回転数を変更させる差動機構50を設
け、該差動機構50のケ−ス51をミッションケース1
内に回転自在に設け、該差動機構50のケース51内に
前記左右の出力軸45、45’の先端を臨ませて該左右
の出力軸45、45’の先端に左右の傘歯車52、5
2’を相対峙するように設け、該左右の傘歯車52、5
2’には差動機構50のケース51側の軸53、53’
に設けた中間傘歯車54、54’を噛合わせ、前記差動
機構50のケース51の外周に受動歯車55を設け、該
受動歯車55を制御軸56に固定の駆動伝達歯車57に
噛合わせ、該制御軸56の一端側にディスク式の制動機
構73を設けると共に前記差動機構50のケ−ス51を
前記左右の出力軸45,45’に対して回転させるクラ
ッチ式の回転機構77を設けて、該制動機構73および
回転機構77の作動によってサイドクラッチ33の切り
側の車軸37を変速駆動して旋回できるように構成した
ことを特徴とするコンバインにおける走行装置の伝動機
構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000208360A JP3498684B2 (ja) | 1993-09-27 | 2000-07-10 | コンバインにおける走行装置の伝動機構 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26296193A JP3319085B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 走行装置の伝動機構 |
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JP26296193A Division JP3319085B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 走行装置の伝動機構 |
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Family Applications (1)
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2000
- 2000-07-10 JP JP2000208360A patent/JP3498684B2/ja not_active Expired - Lifetime
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