JPH0333532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、走行作業機の変速連動装置に関す
るもので、走行しながら所定の作業を行う作業装
置を備えた例えば、農作業機のコンバインやハー
ベスター等に利用される。

従来の技術、および考案が解決しようとする問題
点 コンバイン作業機の場合、単に圃場内や路上走
行を行うときは、刈取装置や脱穀作業装置等の動
力連動を停止して、変速を高速走行域として連動
させることが多いが、この場合に高速走行域では
刈取や脱穀等の作業装置では作業を行い得ない状
態に設定されるのが普通である。しかも、このた
めには作業装置毎にクラツチ装置を設けることに
よつてこの各クラツチを切つたのちに該高速走行
域へ変速するが、或は、連動ギヤ機構等の内部
で、高速走行域へ変速ギヤを操作することによつ
て、この操作を連動して別に設けられた作業装置
への連動ギヤの噛合が離脱するように、牽制の連
動操作機構を設ける等によつて、操作又は機構が
複雑化されるものであつた。

問題点を解決するための手段 この考案は、作業装置へ連動する作業出力軸１
上に、この軸１方向へ移動操作させて高速走行域
の変速操作ではこの作業出力軸１に対して回転自
在であり、低速走行作業域の変速操作ではこの作
業出力軸１とスプライン２，３嵌合して該作業装
置への連動を行う変速ギヤ４を設けてなる走行作
業機の変速連動装置の構成とする。

考案の作用 変速ギヤ４を作業出力軸１に沿つて移動操作す
ることにより、高速走行域に位置させると、変速
ギヤ４は作業出力軸１に対して回転自在であるか
ら作業出力軸１は回転されないで、変速ギヤ４の
回転は走行装置の走行を高速連動し、又、この変
速ギヤ４を低速走行作業域へ変速操作すると、こ
の変速ギヤ４は低速走行域で走行装置を走行連動
すると共に、作業出力軸１との間ではスプライン
２，３嵌合して作業装置への動力連動をも同時に
行う。

考案の効果 このように変速ギヤ４を作業出力軸１上で移動
するだけで、走行変速の高速走行域では作業装置
の連動を停止状態におき、低速走行作業域ではこ
の作業出力軸１とスプライン嵌合して同時連動で
作業装置を連動させて、操作を簡単にすることが
できると共に、作業出力軸１を常時回転させる必
要はないからギヤ連動構成も簡単化できる。

実施例 なお、図例において、連動ケース５は、上端部
に油圧による無段変速装置（HST）６を装着し、
刈取装置へ出力する作業出力軸１を軸装し、下端
部には走行装置へ連動する左右一対の走行軸７，
７を軸装している。

作業出力軸１は、一端を連動ケース５外へ突出
させてプーリ８を設け、刈取装置へベルトテンシ
ヨンクラツチ等を介して連動しうる構成とし、他
端部は連動ケース５内にあつてスプライン２を設
け、この軸１に対して嵌合せる変速ギヤ４のスプ
ライン３部と軸１方向において嵌脱自在である。
９は変速ギヤ４内周に嵌合したブツシユであり、
この変速ギヤ４は、図例では低速域を二段階の中
速と低速とに分けてこれを高速域と合せて三段階
の径を異にするギヤ１０，１１，１２が設けら
れ、シフター操作で軸方向へ移動操作できる。

これらのギヤ１０，１１，１２と噛合するギヤ
１３，１４，１５が中間軸１６に設けられ、ギヤ
１７を介してサイドクラツチ機構等を経て走行軸
７，７を変速連動すべく構成されている。

無段変速装置６は、一側に原動機側から入力さ
れる入力プーリ１８を設け、他側には操作レバー
１９を設け、この操作レバー１９を回動すること
によつて内部の斜盤を回動させて出力軸２０を正
転方向と逆転方向とへ無段変速操作しうる構成で
ある。

連動ケース５の上端部には入力軸２１を、該出
力軸２０と同軸上にスプライン嵌合させて設け、
無段変速装置６と連動ケース５とを接合分離可能
に設け、入力軸２１上にはギヤ２２を設けて前記
ギヤ１０を常時噛合させている。

プーリ１８を回転させることによつて、操作レ
バー１９によつて出力軸２０を正転方向、中立位
置、又は逆転方向等回転させることができるが、
走行軸７を高速回転させて走行のみ行うときは、
変速ギヤ４を矢印イ方向へ操作して、ギヤ１０を
１３に噛合させて、高速走行域にすれば、ギヤ２
２，１０，１３及び１７を経て走行軸７が高速回
転される。このとき作業出力軸１は回転されな
い。

低速乃至中速の作業走行域に変速するときは、
変速ギヤ４を反矢印イ方向へ移動させて、ギヤ１
１を１４に噛合させて中速とするか、又はギヤ１
２を１５に噛合させて低速とすることによつて、
連動はギヤ２２からギヤ１１，１４又はギヤ１
２，１５等の経路を経て上記同様に走行軸７を連
動しうる。これらの中、低速の場合はいずれも、
変速ギヤ４のスプライン３が作業出力軸１のスプ
ライン２と噛合しているために、同回転数でプー
リ８から刈取装置を連動しうる。従つて、ギヤ１
２と１５との噛合による場合のように著しく低速
としたときでも、刈取装置は比較的高速に維持さ
せて刈取性能を低下させない。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図、第２図は一部の作用を示す断面図、第３図は
一部破断せる正面図である。 図中、符号１は作業出力軸、２，３はスプライ
ン、４は変速ギヤを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業装置へ回転動力を出力する作業出力軸１に
   走行軸７を変速する変速ギヤ４を軸方向に摺動自
   由に設け、該変速ギヤ４は入力軸２１の回転動力
   を高速又は、低速に変速して走行軸７側に伝動す
   る複数のギヤから構成し、該変速ギヤの低速走行
   域の変速操作では変速ギヤ４のスプライン３と作
   業出力軸１のスプライン２とが係合できる構成と
   し、該変速ギヤの高速走行域の変速操作では前記
   スプライン２，３の係合が離れて作業出力軸１が
   伝動停止状態となる構成とした走行作業機の変速
   連動装置。