JP3498686B2 - コンバインにおける走行装置の伝動機構 - Google Patents

コンバインにおける走行装置の伝動機構

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JP3498686B2 JP2000209867A JP2000209867A JP3498686B2 JP 3498686 B2 JP3498686 B2 JP 3498686B2 JP 2000209867 A JP2000209867 A JP 2000209867A JP 2000209867 A JP2000209867 A JP 2000209867A JP 3498686 B2 JP3498686 B2 JP 3498686B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインにおけ
る走行装置の伝動機構に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来のコンバインにおける走行装置の伝動
機構として、例えば特開平4−103472号公報に開
示されたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平4−103472号公報に開示された走行装置の
伝動機構には、旋回用の変速装置としてベルト式の変速
装置を用いているために、操向操作具の操作量に応じて
ベルト変速装置の変速比率を変更せねばならないが、走
行状態でベルト変速装置が回転駆動されている状態でな
ければ、この割プ−リから成るベルト変速装置を変速作
動させることができず、微速走行状態ではこのベルト変
速装置の変速作動が円滑に行われず、旋回を適確に行え
ない欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するために、以下のような技術的手段を講じ
る。即ち、請求項1記載の発明は、走行用油圧変速装置
16から副変速機構S及び受動歯車30を介して差動機
構50の軸45へ回転駆動力を入力し、旋回用油圧変速
装置61から制御軸56に設けた駆動伝達歯車57を介
して前記差動機構50外周の受動歯車55へ回転駆動力
を入力し、該走行用油圧変速装置16及び旋回用油圧変
速装置61からの回転駆動力の入力を差動機構50で合
成して出力して左右の車軸37,37’を差動させて旋
回できるように構成し、前記制御軸56部にクラッチ6
5を設け、旋回操作に基づく該クラッチ65の作動によ
って前記旋回用油圧変速装置61から制御軸56を回転
駆動して前記差動機構50外周の受動歯車55へ回転駆
動力を入力し、該差動機構50からの合成出力によって
左右の車軸37,37’を差動させて旋回するように構
成し、前記差動機構50をミッションケ−ス1に内蔵し
て設け、該差動機構50の軸45へ回転駆動力を入力さ
せる走行用油圧変速装置16をミッションケ−ス1の一
側から入力するように設けると共に前記差動機構50外
周の受動歯車55に回転駆動力を入力させる旋回用油圧
変速装置61をミッションケ−ス1の他側から入力する
ように設けて、前記差動機構50に対して走行用油圧変
速装置16と旋回用油圧変速装置61とを左右に振り分
けて配置したことを特徴とするコンバインにおける走行
装置の伝動機構としたものである。
【0005】また、請求項2記載の発明は、走行用油圧
変速装置16から駆動される駆動歯車29をサイドクラ
ッチ軸31に固定の受動歯車30に噛合わせ、該受動歯
車30とサイドクラッチ歯車32、32’との間に左右
のサイドクラッチ33、33’を形成し、該サイドクラ
ッチ歯車32,32’に常時噛合いの歯車38,38’
を介して車軸37,37’を駆動する構成とし、左右の
出力軸45、45’をそれぞれ軸装して、該左出力軸4
5には左歯車46を固定し、右出力軸45’には右歯車
46’を固定し、該左歯車46と右歯車46’との間に
差動機構50を設け、該差動機構50のケース51内に
前記左右の出力軸45、45’の先端を臨ませて該左右
の出力軸45、45’の先端に左右の傘歯車52、5
2’を相対峙するように設け、該左右の傘歯車52、5
2’には差動機構50のケース51側の軸53、53’
に設けた中間傘歯車54、54’を噛合わせ、前記差動
機構50のケース51の外周に受動歯車55を設け、該
受動歯車55を制御軸56に固定の駆動伝達歯車57に
噛合わせ、制御軸56の一端側にディスク式の制動機
構73を設けると共に前記差動機構50のケ−ス51を
前記左右の出力軸45,45’に対して回転させるクラ
ッチ式の回転機構77を設けて、該制動機構73および
回転機構77の作動によってサイドクラッチ33の切り
側の車軸37を差動させて旋回できるように構成したこ
とを特徴とするコンバインにおける走行装置の伝動機構
としたものである。
【0006】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、次のような効果
を奏する。即ち、ベルト変速装置に代えて油圧式の旋回
用油圧変速装置61を用いることで、微速走行状態であ
っても差動機構50のケ−ス51の回転調節を円滑に行
うことができ、旋回を適確に行うことができる。
【0007】尚、走行用油圧変速装置16をミッション
ケ−ス1の一側から入力するように設けると共に旋回用
油圧変速装置61をミッションケ−ス1の他側から入力
するように設けて、差動機構50に対して走行用油圧変
速装置16と旋回用油圧変速装置61とを左右に振り分
けて配置することで、ミッションケ−ス1及び両変速装
置16,61からなるコンバインの走行装置の伝動機構
全体を左右重量バランス良く構成しやすくなる。
【0008】請求項2記載の発明は、次のような効果を
奏する。即ち、制御軸56の一端側に設けるディスク式
の制動機構73および差動機構50のケ−ス51を左右
の出力軸45,45’に対して回転させるクラッチ式の
回転機構77の作動によってサイドクラッチ33の切り
側の車軸37を差動させて適確に旋回することができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明すると、1はコンバイン等の作業機の走行装置のミ
ッションケースで、上部位置に入力軸2を横設し、入力
軸2にはエンジンからの回転が伝達される入力プーリー
3を設け、ミッションケース1内の入力軸2には大歯車
4と小歯車5とを遊嵌し、大歯車4および小歯車5と入
力軸2との間に増速クラッチ6を設ける。増速クラッチ
6は入力軸2に回転ドラム8を固定し、回転ドラム8内
の中央部には該回転ドラム8と一体回転する仕切部材9
を設け、仕切部材9の左右両側にシリンダ室10、11
をそれぞれ形成し、前記シリンダ室10、11内にはピ
ストン12、13を設け、回転ドラム8の内周に設けた
クラッチディスクと大歯車4および小歯車5側に設けた
クラッチディスクを接離させるようにして構成する。1
4はピストン12とピストン13を連結する連結ロッド
である。しかして、ミッションケース1の側部には油圧
式主変速装置(ハイドロスタチックトランスミッション
(走行用油圧変速装置))16を設ける。油圧式主変速
装置16はHSTポンプ17の入力軸となる伝達軸15
をミッションケース1に軸装し、伝達軸15には前記大
歯車4と常時噛合う入力歯車18を固定する。19は前
記油圧式主変速装置16のHSTモータであり、前記H
STポンプ17と油路20により接続する。油圧式主変
速装置16は、伝達軸15の回転によりHSTポンプ1
7を作動させ、HSTポンプ17が無段階に送油量を増
減させながらHSTモータ19に送油して回転を伝達す
る。23は前記HSTモータ19と出力伝達軸22の間
に設けた主変速入切クラッチ、24は出力伝達軸22に
設けた前記小歯車5に常時噛合う伝達歯車、25は伝達
駆動歯車である。
【0010】26は副変速軸であり、副変速軸26には
一体的に形成した小歯車27と大歯車28を摺動のみ可
能に取付け、小歯車27と伝達駆動歯車25または大歯
車28と伝達歯車24との一方の噛合いを選択する(こ
れが副変速機構Sである)。29は副変速軸26に固定
の駆動歯車、30はサイドクラッチ軸31に固定の受動
歯車であり、前記駆動歯車29と常時噛合っている。受
動歯車30の左右両側には左右内歯(図示省略)を形成
し、サイドクラッチ軸31には左右内歯に対して継脱自
在の爪部(図示省略)を形成したサイドクラッチ歯車3
2、32’を摺動自在に取付け、前記受動歯車30の左
右内歯とサイドクラッチ歯車32、32’の爪部により
左右サイドクラッチ33、33’を形成する。34、3
4’はシフター、35、35’はシリンダー、36、3
6’はシリンダー35、35’のソレノイド、37、3
7’は車軸、38、38’はサイドクラッチ歯車32、
32’と常時噛合いの歯車である。しかして、サイドク
ラッチ軸31の近傍には、左右に分割された左右出力軸
45、45’をそれぞれ軸装し、左出力軸45には左歯
車46を固定し、右出力軸45’には右歯車46’を固
定し、左歯車46は前記サイドクラッチ歯車32と一体
回転する歯車48に常時噛合わせ、右歯車46’は前記
サイドクラッチ歯車32’と一体回転する歯車48’に
常時噛合わせる。前記左歯車46と右歯車46’の間の
出力軸45、45’には該出力軸45、45’相互の回
転数を変更させる差動機構50を設ける。差動機構50
は、ミッションケース1内に回転自在にケース51を設
け、ケース51内には前記出力軸45、45’の先端を
臨ませ、出力軸45、45’の先端には左右傘歯車5
2、52’を相対峙するように設け、左右傘歯車52、
52’にはそれぞれケース51に固定の軸53、53’
に回転自在に取付けた中間傘歯車54、54’を噛合わ
せ、前記ケース51の外周には受動歯車55を設け、受
動歯車55には制御軸56に固定の駆動伝達歯車57を
常時噛合わせて構成している。
【0011】前記差動機構50は、左出力軸45をXと
し、右出力軸45’をYとし、前記ケース51をZとす
ると、2Z=X+Yとなるように構成する。即ち、ケー
ス51が左出力軸45および右出力軸45’に対して停
止すると、Zは0となり、0=X+Yとなり、ゆえに、
X=−Yとなり、XとYは互いに逆転し、また、Yの回
転はY=2Z−Xとなり、例えば、Xを100とし、Z
を150とすると、Yは200となり、Xに対してYを
倍速く回転させる(XとYの関係は逆も可)。そこで、
ミッションケース1の側部にパワステレバー(操向操作
具)60の傾倒操作により作動するパワステ用油圧式変
速装置(旋回用油圧変速装置)61を設け、パワステ用
油圧式変速装置61により前記制御軸56を回転および
停止させるように構成する。パワステ用油圧式変速装置
61はHSTポンプ62とHSTモータ63とにより構
成され、前記出力伝達軸22がHSTポンプ62の入力
軸となり、制御軸56がHSTモータ63からの出力軸
となり、この前記出力伝達軸22とHSTポンプ62と
の間および制御軸56とHSTモータ63の間にそれぞ
れパワステ用クラッチ64、65を設ける。したがっ
て、差動機構50は、パワステ用油圧式変速装置61に
よりケース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸
37、37’を互いに逆転させるスピンターンを行な
え、ケース51をパワステ用油圧式変速装置61により
所定回転させると、旋回外側となる車軸を旋回内側の車
軸よりも速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえ
る。
【0012】図5は油圧回路を示し、前記油圧式主変速
装置16の操作する主変速レバー66に前記差動機構5
0を作動させる差動スイッチ68を設け、差動スイッチ
68はリレー69により前記ソレノイド36、36’の
作動を反対にする(図6)。即ち、通常右旋回のときは
ソレノイド36’により右サイドクラッチ33’を切に
するが、倍速ターンでは、ソレノイド36により左サイ
ドクラッチ33を切にし、旋回内側の右車軸37’を定
速回転させ、旋回外側となる左車軸37を旋回内側の右
車軸37’よりも速く駆動回転させるので、前記ソレノ
イド36、36’の作動を反対にさせる。また、70は
ロックアップスイッチであり、ロックアップスイッチ7
0を操作すると、主変速入切クラッチ23を切にし、入
力軸2の回転を増速クラッチ6→小歯車5→伝達歯車2
4→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29と、油圧式主変速装置16
を介さずに直接回転を伝達する。図7は前記パワステレ
バー60の操作機構に係る実施例であり、パワステレバ
ー60と前記パワステ用油圧式変速装置61とを接続
し、図8のように、パワステレバー60を溝71内を左
右に傾倒させると前記左右サイドクラッチ33、33’
を切にして旋回し、この状態から前側に倒すと倍速旋回
し、後側に倒すとスピンターンを行なう(なお、傾倒方
向と旋回方向の組合せは任意である)。72は走行装置
の左右のクローラーを示す。また、パワステ用油圧式変
速装置61は倍速ターンを行うように操作したとき作動
するように、前記差動スイッチ68の操作およびサイド
クラッチ33、33’の入り切りに起因させて行うよう
に構成すると、パワステ用油圧式変速装置61を作動さ
せるための馬力損失を回避できる。
【0013】図10は、前記差動機構50のケース51
を停止させるブレーキ機構73とケース51を左右出力
軸45、45’に対して回転させる回転機構77を設け
た構成であり、制御軸56の一端側にはブレーキケース
74を設け、該ブレーキケース74と制御軸56とにそ
れぞれ接離するディスクを設けて前記ブレーキ機構73
を構成し、また、前記駆動伝達歯車57には前記副変速
軸26に設けた倍速ターン用クラッチ75を介して設け
た伝達歯車76に常時噛合わせ、副変速軸26の駆動歯
車29と受動歯車30とにより伝達されたサイドクラッ
チ軸31の回転数に対して、伝達歯車76と駆動伝達歯
車57と受動歯車55の噛合いにより差動機構50は速
く回転するようにして前記回転機構77を形成する。し
たがって、差動機構50は、ブレーキ機構73によりケ
ース51の回転を停止させると、所謂左右の車軸37、
37’を互いに逆転させるスピンターンを行なえ、ケー
ス51を回転機構77により所定回転させると、旋回外
側となる車軸37’を旋回内側の車軸37より速く駆動
回転させて行なう倍速ターンを行なえる。図11は第2
実施例の油圧回路図を示し、78は主変速レバー66に
設けた緊急停止スイッチであり、左右サイドクラッチ3
3、33’を切にしてブレーキケース74を作動させ
る。また、前記ロックアップスイッチ70は、これを操
作すると、ロックアップさせるだけでなく、走行速度を
設定し、設定した走行速度より速度が低下したときは、
スロットルを自動的に開いて設定走行速度で走行する速
度自動制御するようにしたものにおいて、エンジンの最
大出力状態または設定走行速度が設定時間続くと、その
ときの車速で自動的にロックアップするように構成する
こともある。79はスロットルセンサー、80はエンジ
ン回転数検知センサー、81はスピードセンサーである
(図12)。また、図11で、82は油圧調整バルブで
あり、油圧回路の作動初期の油圧を設定するが、この油
圧調整バルブ82により初期の油圧の設定を高くする
と、各シリンダ等の作動を速くすることができる。そし
て、図示は省略するが、走行装置には機体を圃場の傾斜
に対して水平にするローリング機構を設けており、該機
構を作動させるローリング用シリンダの油圧を検出する
左右水平センサー83を設け、重量が重いと前記油圧調
整バルブ82により圧力を上げ、軽いと下げる。また、
84は穀稈センサーであり、刈取部の作業の有無を感知
し、作業中は前記油圧調整バルブ82により油圧を零に
してスピンターンをさせない。また、85は傾斜センサ
ーであり、所定角度以上機体が傾斜しているときはスピ
ンターンさせない。86は機体沈下センサーであり、機
体が沈下すると旋回トルクがアップするので前記油圧調
整バルブ82により圧力アップさせる。
【0014】87は前後バランスセンサーであり、前側
が重いと旋回が容易でないので圧力アップさせ、後が重
いときは圧力をダウンさせる。また、88は左右バラン
スセンサーであり、機体の左右のいずれか重い側が旋回
時の旋回外側となるときは、油圧調整バルブ82の圧力
アップさせる。
【0015】次に作用を述べる。エンジンからの回転が
入力プーリー3に伝達され、入力プーリー3により回転
する入力軸2の回転が増速クラッチ6を介して大歯車4
に伝達され、大歯車4は常時噛合いしている入力歯車1
8を回転させ、入力歯車18は伝達軸15を回転させ、
伝達軸15は油圧式主変速装置16のHSTポンプ17
を作動させてHSTモータ19に送油して回転を伝達
し、HSTモータ19の回転が、主変速入切クラッチ2
3→出力伝達軸22→伝達駆動歯車25→小歯車27→
副変速軸26→駆動歯車29→受動歯車30を介してサ
イドクラッチ軸31に伝達される。通常の走行では、左
右サイドクラッチ33、33’を入にし、サイドクラッ
チ軸31の回転が、サイドクラッチ歯車32、32’に
伝達され、サイドクラッチ歯車32、32’は常時噛合
いの歯車38、38’を回転させ、歯車38、38’は
車軸37、37’に回転を伝達して走行装置を駆動させ
て、走行させる。そして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方を切にすると、切にした方を旋回内側として
旋回する。
【0016】しかして、左右サイドクラッチ33、3
3’の一方の例えば、右サイドクラッチ33’を切にす
ると、サイドクラッチ歯車32’はフリー状態となり、
歯車48’と噛合う右歯車46’を設けた右出力軸4
5’も差動機構50のケース51に対してフリーとな
る。そして、パワステ用油圧式変速装置61を倍速旋回
用に操作すると、これに対応してパワステ用クラッチ6
4とパワステ用クラッチ65が入となり、制御軸56の
回転が駆動伝達歯車57と受動歯車55を介して差動機
構50のケース51に伝達させて回転させる。前記差動
機構50は、左出力軸45をXとし、右出力軸45’を
Yとし、前記ケース51をZとすると、2Z=X+Yと
なるように構成しているから、例えば、Xを100と
し、Zを150とすると、Yは200となり、Xに対し
てYを倍速く回転させる。このように、パワステレバー
60の傾倒操作によりパワステ用油圧式変速装置61を
介してケース51の回転を無段階に変更することで、旋
回外側となる車軸を旋回内側の車軸より速く駆動回転さ
せて行なう倍速ターンを行なえる。即ち、左旋回のとき
は、右クローラが旋回外側になるので、これに対応する
右サイドクラッチ33’を切にし、サイドクラッチ歯車
32’と歯車48’と右歯車46’と右出力軸45’と
をケース51に対してフリー状態にすると、ケース51
の回転により右出力軸45’(Y側)は左出力軸45
(X側)よりも速く回転して倍速ターンを行なえる。
【0017】また、パワステ用油圧式変速装置61によ
りケース51を左出力軸45および右出力軸45’に対
して停止させると、Zは0となり、0=X+Yとなり、
ゆえに、X=−Yとなり、XとYは互いに逆転するの
で、左右サイドクラッチ33、33’の一方である例え
ば右サイドクラッチ33’を切にすると、これに対応す
る右出力軸45’はケース51に対してフリーとなっ
て、左出力軸45の回転が差動機構50により逆回転と
なって右出力軸45’に伝達され、右出力軸45’の回
転が右歯車46’と歯車48’とサイドクラッチ歯車3
2’と歯車38’を介して伝達され、左車軸37と右車
軸37’とが互いに逆回転となってその場で旋回する所
謂スピンターンを行なえる。しかして、前記パワステ用
油圧式変速装置61はパワステレバー60により前記制
御軸56の回転停止および変速を操作できるので、前記
したように、左右の旋回、倍速ターン、スピンターンを
一本のパワステレバー60により行なえる。なお、通常
走行で左右サイドクラッチ33、33’の一方の左クラ
ッチ33を切にすると、他方のY側の駆動力により旋回
するが、このとき、X側はクローラの回転が反対に戻っ
てきて回転させられ、定速駆動のYと接触抵抗により回
転するXとにより、2Z=X+Yは、Z≠0となり差動
機構50のケース51を回転させようと作用するが、こ
のとき、HSTモータ63を切にしておけば、ケース5
1は自由回転する。この場合、Z=Y/2とすると、X
=0となるので、このように左クラッチ33を切にしパ
ワステ用油圧式変速装置61によりケース51をYに対
して回転させると、X側を完全に停止させた状態で旋回
する。また、前記パワステ用油圧式変速装置61は、左
右サイドクラッチ33、33’の一方の入切操作のとき
作動するようにすると、エンジンの出力ロスを防止し、
耐久性も向上させる。
【0018】しかして、第2実施例では、パワステ用油
圧式変速装置61の代わりに、副変速軸26に設けた伝
達歯車76と該伝達歯車76に噛合う駆動伝達歯車57
と、該駆動伝達歯車57に噛合う受動歯車55の増速比
率によりケース51は、XとYとに相当する左右出力軸
45、45’よりも速く回転し、倍速ターンを行なえ
る。また、ブレーキ機構73により制御軸56の回転を
停止させることで、ケース51の回転を停止させ、左出
力軸45と右出力軸45’とを逆に回転させてスピンタ
ーンを行なう。
【0019】以上のように、差動機構50により左右の
車軸37、37’を互いに逆転させてスピンターンでき
るばかりでなく、旋回外側となる車軸を旋回内側の車軸
より速く駆動回転させて行なう倍速ターンを行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケ−スの展開状態の縦断面略図。
【図2】同側面図。
【図3】増速クラッチ断面図。
【図4】作動機構の略図。
【図5】油圧回路図。
【図6】回路図。
【図7】斜視図。
【図8】パワステレバ−構成図。
【図9】作用状態図。
【図10】第2実施例図。
【図11】第2実施例図の油圧回路図。
【図12】第2実施例図のブロック図。
【符号の説明】
1 ミッションケ−ス 16 走行用油圧変速装置 S 副変速機構 29 駆動歯車 30 受動歯車 31 サイドクラッチ軸 32 サイドクラッチ歯車 32’サイドクラッチ歯車 33 サイドクラッチ 33’サイドクラッチ 37 車軸 37’車軸 38 歯車 38’歯車 50 差動機構 45 軸(出力軸) 45’出力軸 46 左歯車 46’右歯車 51 ケース 52 傘歯車 52’傘歯車 53 軸 53’軸 54 中間傘歯車 54’中間傘歯車 55 受動歯車 56 制御軸 57 駆動伝達歯車 61 旋回用油圧変速装置 65 クラッチ 73 制動機構

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行用油圧変速装置16から副変速機構
    S及び受動歯車30を介して差動機構50の軸45へ回
    転駆動力を入力し、旋回用油圧変速装置61から制御軸
    56に設けた駆動伝達歯車57を介して前記差動機構5
    0外周の受動歯車55へ回転駆動力を入力し、該走行用
    油圧変速装置16及び旋回用油圧変速装置61からの回
    転駆動力の入力を差動機構50で合成して出力して左右
    の車軸37,37’を差動させて旋回できるように構成
    し、前記制御軸56部にクラッチ65を設け、旋回操作
    に基づく該クラッチ65の作動によって前記旋回用油圧
    変速装置61から制御軸56を回転駆動して前記差動機
    構50外周の受動歯車55へ回転駆動力を入力し、該差
    動機構50からの合成出力によって左右の車軸37,3
    7’を差動させて旋回するように構成し、前記差動機構
    50をミッションケ−ス1に内蔵して設け、該差動機構
    50の軸45へ回転駆動力を入力させる走行用油圧変速
    装置16をミッションケ−ス1の一側から入力するよう
    に設けると共に前記差動機構50外周の受動歯車55に
    回転駆動力を入力させる旋回用油圧変速装置61をミッ
    ションケ−ス1の他側から入力するように設けて、前記
    差動機構50に対して走行用油圧変速装置16と旋回用
    油圧変速装置61とを左右に振り分けて配置したことを
    特徴とするコンバインにおける走行装置の伝動機構。
  2. 【請求項2】 走行用油圧変速装置16から駆動される
    駆動歯車29をサイドクラッチ軸31に固定の受動歯車
    30に噛合わせ、該受動歯車30とサイドクラッチ歯車
    32、32’との間に左右のサイドクラッチ33、3
    3’を形成し、該サイドクラッチ歯車32,32’に常
    時噛合いの歯車38,38’を介して車軸37,37’
    を駆動する構成とし、左右の出力軸45、45’をそれ
    ぞれ軸装して、該左出力軸45には左歯車46を固定
    し、右出力軸45’には右歯車46’を固定し、該左歯
    車46と右歯車46’との間に差動機構50を設け、該
    差動機構50のケース51内に前記左右の出力軸45、
    45’の先端を臨ませて該左右の出力軸45、45’の
    先端に左右の傘歯車52、52’を相対峙するように設
    け、該左右の傘歯車52、52’には差動機構50のケ
    ース51側の軸53、53’に設けた中間傘歯車54、
    54’を噛合わせ、前記差動機構50のケース51の外
    周に受動歯車55を設け、該受動歯車55を制御軸56
    に固定の駆動伝達歯車57に噛合わせ、制御軸56の
    一端側にディスク式の制動機構73を設けると共に前記
    差動機構50のケ−ス51を前記左右の出力軸45,4
    5’に対して回転させるクラッチ式の回転機構77を設
    けて、該制動機構73および回転機構77の作動によっ
    てサイドクラッチ33の切り側の車軸37を差動させて
    旋回できるように構成したことを特徴とするコンバイン
    における走行装置の伝動機構。
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