JP2001278093A - 作業機の伝動装置 - Google Patents

作業機の伝動装置

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JP2001278093A
JP2001278093A JP2000095546A JP2000095546A JP2001278093A JP 2001278093 A JP2001278093 A JP 2001278093A JP 2000095546 A JP2000095546 A JP 2000095546A JP 2000095546 A JP2000095546 A JP 2000095546A JP 2001278093 A JP2001278093 A JP 2001278093A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝動装置の構造工夫により、サイドクラッチ
操作に起因したショックを、大幅なコストアップ無く解
消させる。 【解決手段】 左右の走行伝動系夫々に、サイドクラッ
チ・ブレーキ5を備え、操向レバーの1段目操作でサイ
ドクラッチ5Aが切られ、1段目を越える操作によって
サイドクラッチ5A切りのままサイドブレーキ5Bが作
動するように、操向レバーとサイドクラッチ・ブレーキ
5とを連係したコンバインにおいて、一方のサイドクラ
ッチ5Aが切りで他方のサイドクラッチ5Aが入りの片
駆動状態が現出されるに伴なって、他方のサイドクラッ
チ5Aが装備される側の伝動系の動力を、所定以上の負
荷の作用に伴なってスリップ自在に、一方のサイドクラ
ッチ5Aが装備される側のクローラ4に伝達する臨時伝
動手段Cを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン、バッ
クホウ、多輪駆動型運搬車等の作業機の伝動装置に係
り、詳しくは、旋回走行するべく左右いずれか一方のサ
イドクラッチを切り操作したときのショックを軽減又は
解消させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】左右の走行装置の速度差によって操向さ
せるようにした速度差操向式の作業機の伝動装置、即
ち、左右一対の走行装置の各伝動系夫々に、選択的に入
切り操作されるサイドクラッチ及びサイドブレーキを備
え、操向操作具のクラッチ切り操作でサイドクラッチが
切り操作され、操向操作具のクラッチ切り操作を越える
操作によって前記サイドクラッチの切り状態を維持しな
がら前記サイドブレーキが制動作動されるように、前記
操向操作具と前記サイドクラッチと前記サイドブレーキ
とを連係してある作業機の伝動装置としては、例えば、
特開平10−37903号公報に示されたコンバインが
知られている。
【0003】つまり、左右一対のサイドクラッチ・ブレ
ーキ(符号20)を操作する一対の操向油圧シリンダ(符
号34)の制御弁(符号38)と、両油圧シリンダの排出油
路に備えた可変リリーフ弁(符号39)とを、1本の操向
レバー(符号37)で連係操作するように構成した周知の
技術である。この装置を操作しての旋回状態は次のよう
に現出される。
【0004】例えば、操向レバー(符号37)を右に傾倒
操作すると、制御弁(符号38)を中立位置から切換えて
右側のサイドクラッチ(符号20A )を切り操作し、右ク
ローラ(符号6)を自由状態として機体は右へ緩旋回す
るとともに、引続き右へ傾倒操作すると、右サイドクラ
ッチの切りが維持されたままで右側のサイドブレーキ
(符号20B )が効き始めて、右クローラが制動されて右
へブレーキ旋回する。
【0005】そして、尚も操向レバーを右傾倒すると、
可変リリーフ弁(符号39)のリリーフ圧が次第に高くな
って右操向油圧シリンダ(符号34)の押圧力が増大して
制動力が強くなって、ブレーキ旋回の旋回半径が次第に
小さくなって行き、ついには、右クローラが制動ロック
されて急旋回するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この場合、左右の走行
装置を駆動しての直進状態から、左右一方の片駆動によ
る緩旋回状態に移行するべく片側のサイドクラッチを切
りにした際にショックのでることが多く、改善が望まれ
ていた。即ち、圃場や水田等の悪路を走ることの多いコ
ンバインでは、クローラ走行装置に作用する走行負荷が
元々大きいものであるため、サイドクラッチを切って一
方の走行装置を自由状態にしても、空回りせずに制動が
効いたような状態になるからである。つまり、クラッチ
切りに伴なっていきなり旋回内側の走行装置が制動され
たようになるという、クラッチ切りショックである。
【0007】しかしてその反対に、旋回内側の走行装置
を自由状態にしての緩旋回状態から、旋回内側のサイド
クラッチを入りにした際には、あたかも制動状態の走行
装置がいきなり駆動されるようになることに起因したシ
ョック、つまり、クラッチ入りショックが生じるもので
もあった。そこで、本発明の目的は、伝動装置の構造工
夫により、サイドクラッチ操作に起因した前記ショック
を、大幅なコストアップ無く解消させんとする点にあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1の構成
は、図2,3に例示する如く、左右一対の走行装置4,
4の各伝動系夫々に、選択的に入切り操作されるサイド
クラッチ5A及びサイドブレーキ5Bを備え、操向操作
具58のクラッチ切り操作でサイドクラッチ5Aが切り
操作され、操向操作具58のクラッチ切り操作を越える
操作によってサイドクラッチ5Aの切り状態を維持しな
がらサイドブレーキ5Bが制動作動されるように、操向
操作具58とサイドクラッチ5Aとサイドブレーキ5B
とを連係してある作業機の伝動装置において、一対のサ
イドクラッチ5A,5Aのうちの一方のサイドクラッチ
5Aが切りで他方のサイドクラッチ5Aが入りとなる片
駆動状態が現出されるに伴なって、他方のサイドクラッ
チ5Aが装備される側の伝動系の動力を、所定以上の負
荷の作用に伴なってスリップ自在に、一方のサイドクラ
ッチ5Aが装備される側の走行装置4に伝達する臨時伝
動手段Cを設けてあることを特徴とする。
【0009】請求項2の構成は、図3,7に例示する如
く、請求項1の構成において、臨時伝動手段Cは、左右
の伝動系におけるサイドクラッチ5Aの動力伝達方向下
手側部分どうしを、所定以上の負荷によってスリップ自
在に動力伝達する伝動状態から、伝動を遮断する非伝動
状態に切換え及び復帰自在な動力伝達機構34を介して
伝動連結することで構成され、操向操作具58を、サイ
ドクラッチ5Aが入りとなる第1状態が現出される操作
位置Nからクラッチ切り側に操作するに伴なって、サイ
ドクラッチ5Aが切りで、かつ、動力伝達機構34が伝
動状態となる第2状態と、動力伝達機構34が伝動状態
で、かつ、サイドブレーキ5Bが制動作動する第3状態
と、動力伝達機構34が非伝動状態であり、かつ、サイ
ドブレーキ5Bが制動作動する第4状態とがこの順で現
出されるとともに、操向操作具58を、第4状態が現出
される操作位置L3又はR3からクラッチ入り側へ操作
するに伴なって、第3状態と、第2状態と、第1状態と
がこの順で現出されるように、操向操作具58とサイド
クラッチ5Aとサイドブレーキ5Bと動力伝達機構34
とを連係させる制御手段37を設けてあることを特徴と
するものである。
【0010】請求項3の構成は、図2に例示する如く、
請求項1又は2の構成において、各サイドクラッチ5
A,5Aを経た動力が入力される左右の走行装置駆動用
ギヤ22,22に交合する左右一対の伝動ギヤ23,2
3と、これら両伝動ギヤ23,23を嵌装する支軸24
とを設けるとともに、左右の伝動ギヤ23,23どうし
を所定以上の負荷の作用でスリップ自在に連動連結する
伝動機構25を支軸24に装備することにより、臨時伝
動手段Cが構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】請求項4の構成は、図5に例示する如く、
請求項1又は2の構成において、各サイドクラッチ5
A,5Aを経た動力を、単一の中間軸64を設けて構成
される左右一対のギヤ減速機構b,bを介して左右の走
行装置駆動用ギヤ22,22夫々に伝動させるととも
に、左右のギヤ減速機構b,bどうしを、所定以上の負
荷の作用でスリップ自在に連動連結する伝動機構25を
中間軸64に装備することにより、臨時伝動手段Cが構
成されていることを特徴とするものである。
【0012】請求項5の構成は、図2,7に例示する如
く、請求項1〜4の構成において、臨時伝動手段Cは、
摩擦クラッチ25,34を用いて構成されたものである
ことを特徴とする。
【0013】尚、上述のように、図面との対照を便利に
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の構成に限定されるものではない。
【0014】〔作用〕請求項1の構成によれば、一方の
サイドクラッチを切ると、そのサイドクラッチが切られ
た側の走行装置に、サイドクラッチが入り状態にある他
方の伝動系の動力が伝達されて駆動状態が続行されるの
で、従来のように、いきなり制動が効いたような状態に
なってショックが生じるということが起きない。そし
て、臨時伝動手段は、所定以上の負荷の作用に伴なって
スリップ自在であるから、サイドクラッチが切られた側
の走行装置のサイドブレーキを作動させた場合には、制
動力の増加に伴なって臨時伝動手段のスリップ力と釣り
合い、走行装置が実質的に自由状態となって緩旋回状態
を現出可能である。
【0015】そこからサイドブレーキの制動力を強めて
行くと、臨時伝動手段による伝動トルクよりも制動力が
勝るので、旋回内側の走行装置が制動され始めてブレー
キ旋回状態に移行し、さらに制動力を増加して行くと、
遂には旋回内側の走行装置が制動ロックされた急旋回状
態がもたらされるようになる。つまり、従来では、サイ
ドクラッチを切って動力を絶った途端に明確な制動力が
作用していたのが、本請求項のものでは、サイドクラッ
チ切ってから制動される迄の変化(及びこの逆の変化)
が連続的で、かつ、円滑に行われるようになり、それに
よってサイドクラッチの入り切りに伴なうショックが軽
減又は解消されるようになった。
【0016】請求項2の構成によれば、制御手段によっ
てサイドクラッチ・ ブレーキと臨時伝動手段とを制御さ
せるものであるから、スリップ開始時期やサイドブレー
キによる制動トルクと動力伝達機構の伝動トルクとの値
を、機種や使用状況或いは、走行ミッション特性等に合
わせて任意に設定することが可能になり、請求項1の構
成による前記作用を、より円滑に実施させることが可能
になる。
【0017】請求項3の構成によれば、(イ)所定の負
荷によってスリップする伝動機構によって臨時伝動手段
を構成したものであり、その他に専用の支軸と一対の伝
動ギヤを設ける程度の比較的簡単で、コストも大幅には
上昇しない状態で、請求項1の構成による前記作用を得
ることができる。この場合、伝動機構は、その伝動トル
クよりも制動トルクが上回る状態では常にスリップして
いるが、コンバインにおける枕地旋回等、作業機におけ
る制動旋回状態はそれほど長時間続くものではないの
で、実用上問題が無いものである。
【0018】請求項4の構成によれば、臨時伝動手段
を、所定以上の負荷の作用でスリップ自在に連動連結す
る伝動機構を、走行装置駆動用ギヤ夫々に伝動させる左
右のギヤ減速機構に亘って設けたので、専用に設けた中
間軸によって減速比を大きく取れるとか、車軸に装備さ
れる最終ギヤの径を小さくして、ミッションケースをコ
ンパクト化する等の作用を得ることが可能にしながら、
前記作用(イ)を有するものとなる。
【0019】請求項5の構成によれば、臨時伝動手段
を、構造簡単で比較的廉価に構成できる多板摩擦クラッ
チを利用して構成したものであり、構造簡単で廉価に所
期の作用、すなわち、請求項1の構成による前記作用を
得ることが可能になる。
【0020】〔効果〕請求項1〜5のいずれに記載の作
業機の伝動装置でも、(a)操向操作具を操作するに従
って、緩旋回状態、制動旋回状態、急旋回状態が現出で
きる機能を維持しながら、サイドクラッチの入り切りに
伴なうショックが軽減又は解消でき、乗車感及び操向操
作性を向上させることができた。
【0021】請求項2に記載の作業機の伝動装置では、
サイドクラッチ・ブレーキと臨時伝動手段との作動状況
を制御することにより、機種や仕様或いは緒元が異なっ
ても前記効果(a)が容易に得られるとか、より円滑に
前記効果(a)を奏することができる利点がある。
【0022】請求項3に記載の作業機の伝動装置では、
所定以上の負荷でスリップする機械的な伝動機構で臨時
伝動手段を構成したので、比較的廉価で必要スペースも
コンパクトになる状態で前記効果(a)を得ることがで
きた。
【0023】請求項4に記載の作業機の伝動装置では、
臨時伝動手段を構成するに必要な軸を用いて、走行装置
へのギヤ減速機構の段数を1段増やせたので、ミッショ
ンケースのコンパクト化を図りながら、或いは、サイド
クラッチや伝動機構の容量小型化を図りながら前記効果
(a)が得られる利点がある。
【0024】請求項5に記載の作業機の伝動装置では、
比較的構造簡単で廉価に臨時伝動手段を構成できながら
前記効果(a)が得られる利点がある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、運転部67、
脱穀装置68、グレンタンク69等を備えた機体を左右
のクローラ走行装置4,4で走行可能に支持するととも
に、機体の前部に昇降シリンダ57で昇降自在に刈取部
70を支持してコンバインを構成してある。
【0026】図2にはコンバインの伝動装置が示され、
1はエンジン動力を受ける入力プーリ、2は刈取部70
を駆動するためのPTO出力プーリ、3はクローラ走行
装置4を駆動する車軸、5は走行用のサイドクラッチ・
ブレーキ、6は走行用の主変速機構、7は走行用の第1
副変速機構、8は走行用の第2副変速機構、9はPTO
変速機構である。第2副変速機構8とPTO変速機構9
とはクラッチ操作が必要であるが、第1副変速機構7と
主変速機構6とはクラッチ操作が不要である。一対のサ
イドクラッチ・ブレーキ5,5は、サイドクラッチ5A
とサイドブレーキ5Bとを備えた周知のものである。
【0027】第1副変速機構7は、低速油圧クラッチ7
aと高速油圧クラッチ7bとを備えた2段変速であり、
入力軸10に相対回転自在に外嵌された筒軸状の第2伝
動軸12と第1伝動軸11とに亘って構成されている。
すなわち、低速油圧クラッチ7aと高速油圧クラッチ7
bとを、夫々のアウタクラッチボディ7ao,7boが
一体となる背中合わせ状態で第1伝動軸11の軸中央部
に配置するとともに、軸方向の両外側に、インナクラッ
チボディ7ai,7biに一体化された低速及び高速の
駆動ギヤ40,41を配備してある。
【0028】低速駆動ギヤ40に咬合する低速従動ギヤ
42と、高速駆動ギヤ41に咬合する高速従動ギヤ43
とは、共に第2伝動軸12に一体回転状態に装備される
とともに、高速従動ギヤ43を、第3伝動軸13に相対
回転自在に嵌装される中間ギヤ44に咬合させてある。
【0029】第2副変速機構8は、前述した中間ギヤ4
4の噛合部44aに横側方から咬合可能な噛合部45a
と、低速従動ギヤ42咬合するギヤ部45bとを備えた
シフト回転体45を、一体回転状態で、かつ、軸方向に
シフト自在に第3伝動軸13に嵌装して構成されてお
り、図外の変速レバーでシフト回転体45を人力操作す
る手動操作式の変速機構である。
【0030】主変速機構6は、第1速油圧クラッチ6a
と第2速油圧クラッチ6bと第3速油圧クラッチ6c、
及び後進油圧クラッチ6rとを備えた4段変速である。
第1速油圧クラッチ6aと第3速油圧クラッチ6cとを
嵌装した第4伝動軸14の駆動小径ギヤ14gと、第2
速油圧クラッチ6bと後進油圧クラッチ6rとを嵌装し
た第5伝動軸15の駆動小径ギヤ15gとは、共にサイ
ドクラッチ・ブレーキの支軸である第6伝動軸16の大
径従動ギヤ16gに咬合している。そして、各駆動小径
ギヤ14g,15gどうしは咬合していない。
【0031】動力伝動系の構造を述べると、入力プーリ
1を備えた入力軸10の回転を、第1ギヤ10gを用い
て先ず第1伝動軸11に伝動し、低速油圧クラッチ7a
と高速油圧クラッチ7bとのいずれかを経た動力が、入
力軸10に相対回転自在に外嵌された筒軸状の第2伝動
軸12に伝動される。そして、第2副変速機構8を経た
動力は、小径ギヤSgと、大径ギヤDgを備えた第3伝
動軸13に伝動される。尚、小径ギヤSgと第1ギヤ1
0gとは咬合していない。
【0032】小径ギヤSgは、第1速油圧クラッチ6a
の第1ギヤ6agにのみ咬合し、第1ギヤ6agは後進
油圧クラッチ6rの後進ギヤ6rgに咬合している。大
径ギヤDgは、第2速油圧クラッチ6bの第2ギヤ6b
gと第3速油圧クラッチ6cの第3ギヤ6cgの双方に
咬合しており、第2ギヤ6bgと第3ギヤ6cgとは咬
合していない。
【0033】第1副変速機構7、及び第2副変速機構8
は、共に高低2段変速であるので、前進3段で後進1段
の主変速機構6との組合わせにより、走行用としては、
前進12段で後進4段の変速段を有している。次に、主
変速機構6の各変速段の動力流れを説明する。
【0034】−主変速の前進第1速− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第
1速油圧クラッチ6aのみを入り操作し、第3伝動軸1
3の小径ギヤSg→第1ギヤ6ag→第4伝動軸14→
駆動小径ギヤ14g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0035】−主変速の前進第2速− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第
2速油圧クラッチ6bのみを入り操作し、第3伝動軸1
3の大径ギヤDg→第2ギヤ6bg→第5伝動軸15→
駆動小径ギヤ15g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0036】−主変速の前進第3速− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第
3速油圧クラッチ6cのみを入り操作し、第3伝動軸1
3の大径ギヤDg→第3ギヤ6cg→第4伝動軸14→
駆動小径ギヤ14g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0037】−主変速の後進− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの後
進油圧クラッチ6rのみを入り操作し、第3伝動軸13
の小径ギヤSg→第1ギヤ6ag→後進ギヤ6rg→第
5伝動軸15→駆動小径ギヤ15g→大径従動ギヤ16
gとなる。
【0038】PTO伝動系については、PTO出力軸3
5に嵌装された高低の従動ギヤ17,18のうちのいず
れかをシフト回転体21で選択して咬合させることによ
り、高低2段の変速が行えるPTO変速機構9を備えて
いる。高速従動ギヤ17に咬合する高速駆動ギヤ19
と、低速従動ギヤ18に咬合する低速駆動ギヤ20とは
第1伝動軸11の左右端に備えてあり、高速駆動ギヤ1
9と第1ギヤ10gとを介して動力入力する。高速駆動
ギヤ19と低速駆動ギヤ20とは、第1副変速機構7に
おける低速及び高速の駆動ギヤ40,41の横外側に位
置しており、第1伝動軸11とPTO出力軸35とを近
づけることに寄与している。
【0039】因みに、共に第6伝動軸16に咬合連動す
る第4及び第5伝動軸14,15の間における上側に第
3伝動軸13が位置しており、その上側に入力軸10が
配置されるとともに、第1伝動軸11は、入力軸10と
第3伝動軸13との上下方向の間で、かつ、第4伝動軸
14側の横位置に配置されている。従って、油圧クラッ
チ7a,7bを備えた第1伝動軸11は、油圧クラッチ
を備えた第4及び第5伝動軸14,15のいずれの軸に
も隣合っていない。
【0040】そして、第1副変速機構7のギヤ咬合部
と、PTO変速機構9のギヤ咬合部とが共に、油圧クラ
ッチ7a,7bの横外側に位置していて、軸心間方向で
互いに入り込み配置させてあるので、入力軸10(第2
伝動軸12)と第1伝動軸11との軸心間距離、及び第
1伝動軸11とPTO出力軸35との軸心間距離を狭く
することに成功している。
【0041】次に、油圧装置関係について説明する。図
3に油圧回路が示され、46は、バネ46aで退入付勢
される油圧ピストン46pを駆動伸縮させてサイドクラ
ッチ・ブレーキ5,5を、具体的にはクラッチボディ2
6をシフト操作する操向用油圧シリンダ、47は左右一
対の油圧シリンダ46,46に択一的に圧油供給する3
位置型の制御弁、48は油圧シリンダ46,46の排出
側油路に作用する可変リリーフ弁、49は主変速機構6
と第1副変速機構7との計6個の油圧クラッチ6a〜6
d,7a,7bへの圧油給排を司るロータリ弁であり、
中立位置N、前進1速〜6速位置F1〜F6、後進1,
2速位置B1,B2を備えている。
【0042】50は油圧ポンプ、51は圧が立つと制動
解除し、圧が立たないと制動する中立ブレーキ用のアキ
ュムレータ、52は圧が立つと動力伝達され、圧が立た
ないと動力断絶されるPTOクラッチ、53はクラッチ
圧設定用のリリーフ弁(レギュレータ弁)、54は副油
圧ポンプ、55は副弁ブロック、56は各油圧クラッチ
6a〜6d,7a,7bへの潤滑油路32に対する潤滑
圧設定用のリリーフ弁、57は刈取部昇降用の油圧シリ
ンダである。
【0043】制御弁47には、一対の給排ポート65,
65と、左右の供給油路46L,46Rに対する一対の
供給ポート66,66とを備えており、可変リリーフ弁
48には、プッシュプル型ボーデンワイヤー等の連動手
段59を介して、運転部108に備えた単一の操向レバ
ー58(操向操作具の一例)が連動連結されている。
【0044】操向レバー58の1段目操作で、制御弁4
7を切換操作してサイドクラッチ・ブレーキ5のサイド
クラッチ5Aを切り操作し、1段目を越える操作によっ
て、制御弁47の切換わり状態を維持しながら可変リリ
ーフ弁48のリリーフ圧を高めてサイドクラッチ・ブレ
ーキ5のサイドブレーキ5B(操向用摩擦制動機構の一
例)制動力が次第に強められるように、これら操向レバ
ー58と制御弁47と可変リリーフ弁48とを連係する
公知(例えば、前述の特開平10−37903号公報
等)の操向装置Aを備えてある。
【0045】ここで、後述の臨時伝動手段Cを持たない
状態での操向装置A(即ち、従来の操向装置)の概略作
動を説明すると、操向レバー58を、例えば、直立した
中立位置Nから右に傾倒操作して右第1位置R1に揺動
操作すると、制御弁47が右位置に操作されて右操向用
油圧シリンダ46のピストン46pが伸長作動して右ク
ラッッチ部5Aが切り操作され、右クローラ4が自由状
態になって左クローラ4のみ駆動されての右緩旋回状態
になる。
【0046】そして、操向レバー58を引続き右に傾倒
操作して右第2位置R2になると、右操向用油圧シリン
ダ46のピストン46pがさらに伸長して右サイドブレ
ーキ5Bが作動し始め、右クローラ4を制動しての右ブ
レーキ旋回状態になる。尚も操向レバー58を右傾倒操
作すると、操向用油圧シリンダ46の排出側油路46b
に作用する可変リリーフ弁48のリリーフ圧が高められ
て、右操向用油圧シリンダ46の押圧力が増して右クロ
ーラ4の制動力が強くなり、右第3位置R3になると遂
には右クローラ4が制動ロックされての急旋回状態が得
られる。尚、L1,L2,L3は、夫々左第1位置、左
第2位置、左第3位置である。
【0047】本コンバインでは、サイドクラッチの入り
切りに伴なうショックを解消するための機構が装備され
ており、次に、その構造について説明する。図2に示す
ように、左右一対のサイドクラッチ5A,5Aのうちの
一方のサイドクラッチ5Aが切りで他方のサイドクラッ
チ5Aが入りとなる片駆動状態が現出されるに伴なっ
て、他方のサイドクラッチ5Aが装備される側の伝動系
の動力を、所定以上の負荷の作用に伴なってスリップ自
在に、一方のサイドクラッチ5Aが装備される側の走行
装置4に伝達する臨時伝動手段Cを設けてある。この臨
時伝動手段Cは、請求項1と3の内容を有している
【0048】臨時伝動手段Cは、各サイドクラッチ5
A,5Aを経た動力が入力される左右の走行装置駆動用
ギヤ22,22に交合する左右一対の伝動ギヤ23,2
3と、これら両伝動ギヤ23,23を嵌装する支軸24
とを設けるとともに、左右の伝動ギヤ23,23どうし
を所定以上の負荷の作用でスリップ自在に連動連結する
伝動機構25を支軸24に装備して構成されている。走
行装置駆動用ギヤ22は、第6伝動軸16に相対回転自
在に嵌装されるクラッチボディ26の幅広ギヤ部26g
に、サイドクラッチ・ブレーキ5の状態如何に拘わらず
に常時交合する。
【0049】伝動機構25は、巻きバネ等の弾性機構2
5aによってクラッチ入り側に付勢された状態の多板摩
擦クラッチで構成されており、インナクラッチ体25i
と一方の伝動ギヤ23とが支軸24に一体回転状態に支
持されるとともに、他方の伝動ギヤ23が一体的に形成
されているアウタクラッチ体25oを、支軸24に相対
回転自在に支承してある。弾性機構25aの付勢力によ
る多板摩擦クラッチ25の伝達トルク限界、即ち、完全
スリップトルクは、一方のサイドブレーキ5Bの制動力
が或る程度強くなると釣合う程度に設定してある。
【0050】次に、臨時伝動手段Cを持つ操向装置Aの
作用を説明する。先ず、操向レバー58が中立位置Nに
あるときは、両サイドクラッチ5A,5Aが共に入りの
直進走行状態であり、かつ、多板摩擦クラッチ25は伝
動状態である(非伝動状態であっても差し支えない)。
次に、操向レバー58を、例えば、左旋回側に操作して
左第1位置L1に位置させると、左サイドクラッチ5A
のみが切りになるが、多板摩擦クラッチ25が伝動状態
にあることから、左走行装置駆動用ギヤ22に右走行装
置駆動用ギヤ22からの動力が臨時伝動手段Cを介して
伝達されるので、左クローラ走行装置4の駆動状態が続
行されている。つまり、サイドクラッチ5Aを切っても
クローラ走行装置4は自由状態にはならない。
【0051】操向レバー58を左第1位置L1から左第
2位置L2に操作すると、左サイドブレーキ5Bが作動
し始め、左クローラ走行装置4を制動しての左ブレーキ
旋回状態が開始されるはずであるが、多板摩擦クラッチ
25の限界伝達トルクの方がブレーキの効き始めの制動
トルクに勝っているので、伝達トルクは低下するが、依
然として臨時伝動手段Cを介して左クローラ走行装置が
駆動される状態が続行されている。
【0052】操向レバー58を左第2位置L2から左第
3位置L3に向けて操作して行くと、左サイドサイドブ
レーキ5Bによる制動トルクの増大に伴なって、多板摩
擦クラッチ25がスリップし始めて伝達トルクが減少し
て行き、遂には、制動トルクと伝達トルクとが釣合い、
左クローラ走行装置が実質的に自由状態になるバランス
状態(即ち、緩旋回状態)がもたらされる。このバラン
ス状態は、操向レバー58が左第2位置L2と左第3位
置L3との中間の左バランス位置Lb位置において現出
される(同様に、右第2位置R2と右第3位置R3との
中間に右バランス位置Rbが存在する)。
【0053】そして、尚も操向レバー58を傾倒操作す
ると、左サイドブレーキ5Bによる制動トルクの多板摩
擦クラッチ25の伝達トルクに対する上回りレベルが増
して、ブレーキ旋回の旋回半径が次第に小さくなって行
き、操向レバー58が左第3位置L3に操作されると、
左クローラ走行装置4が制動ロック状態になって急旋回
状態になるのである。即ち、操向レバー58が左バラン
ス位置Lbから左第3位置L3にある間は、多板摩擦ク
ラッチ25は完全なスリップ状態になっている。
【0054】つまり、操向レバー58が中立位置Nにあ
ると、両サイドクラッチ5A,5Aが共に入りとなる第
1状態が現出され、操向レバー58を左又は右第1位置
L1又はR1に操作すると、左又は右のサイドクラッチ
5Aが切りで、かつ、伝動機構25がクラッチ入りの伝
動状態となる第2状態が現出される。操向レバー58を
左又は右第2位置L2又はR2に操作すると、伝動機構
25が伝動状態で、かつ、左又は右のサイドブレーキ5
Bが制動作動する第3状態が現出され、操向レバー58
を左又は右第3位置L3又はR3に操作すると、伝動機
構25がクラッチ切りの非伝動状態であり、かつ、左又
は右のサイドブレーキ5Bが制動作動する第4状態が現
出されるのである。
【0055】〔第1別実施形態〕臨時伝動手段Cを、次
の〜のように構成して配置しても良い。 図4に示すように、図2に示される構造(支軸24
を新たに設ける構造)の臨時手段Cにおける一対の伝動
ギヤ23,23を、クラッチボディ26の幅広ギヤ部2
6gに直接交合させた構造。この手段では、多板摩擦ク
ラッチ25の弾性機構の強さを適宜に設定することで、
旋回内側の走行装置4を旋回外側の走行装置4よりも遅
い速度(例えば3分の1の速度)で駆動させる旋回状
態、所謂「ソフトターン」を強制的に現出させることが
可能である。又、このの構造よりも、図2に示す構造
を採る方が、ミッションケースとしての大きさをコンパ
クトに構成することが可能である。
【0056】 図5に示すように、図2に示される構
造の臨時伝動手段Cにおける一対の伝動ギヤ23,23
を、幅広ギヤ部26gに交合する大径従動ギヤ23a
と、走行装置駆動用ギヤ22に交合する小径駆動ギヤ2
3bから成る伝動ギヤ23を、総体回転自在に中間軸6
4に嵌装させて左右一対備え、一方の伝動ギヤ23にイ
ンナクラッチ体25iを、かつ、他方の伝動ギヤ23に
アウタクラッチ体25oを夫々結合させた構造。
【0057】つまり、各サイドクラッチ5A,5Aを経
た動力を、単一の中間軸64を設けて構成される左右一
対のギヤ減速機構b,bを介して左右の走行装置駆動用
ギヤ22,22夫々に伝動させるとともに、左右のギヤ
減速機構b,bどうしを、所定以上の負荷の作用でスリ
ップ自在に連動連結する多板摩擦クラッチ25を中間軸
64に装備して臨時伝動手段Cが構成されており、請求
項4の内容を有している。
【0058】この構造では、支軸24を第6伝動軸16
と車軸3との間に介装して2段減速させるものであり、
走行装置駆動用ギヤ22を極端な大径ギヤにしなくて済
み、ミッションケースのコンパクト化を図りながら十分
な減速比が得られるとか、高速回転低トルク化によっ
て、多板摩擦クラッチ25やサイドクラッチ・ブレーキ
5を小型化できるといった利点がある。
【0059】 図6に示すように、弾性機構25aで
入り付勢される前述の多板摩擦クラッチ25を、左右の
車軸3,3に亘って介装して臨時伝動手段Cを構成す
る。即ち、インナクラッチ体25iを一方の車軸3に、
かつ、アウタクラッチ体25oを他方の車軸3に夫々一
体回転状に設けた構造であり、図2に示す構造や前記
、のものに比べて、専用の支軸24が不要であり、
さらにコンパクト化できる利点がある。
【0060】〔第2別実施形態〕図7に示すように、第
6伝動軸における大径従動ギヤ16g部位に設けたアウ
タクラッチ体34oと、クラッチボディ26に設けたイ
ンナクラッチ体34iとで成る多板摩擦クラッチ構造の
ロッククラッチ(動力伝達機構の一例)34を左右一対
備えて臨時伝動手段Cを構成しても良い。すなわち、油
室27への圧油供給によって伸長移動し、圧油排出によ
る戻しバネ29の押圧付勢力で短縮移動するピストン2
8を設け、このピストン28で多板摩擦クラッチ25の
入り切り、及び入り作動圧調節が行なえるように構成す
る。
【0061】左右の油室27,27への圧油供給を司る
電磁比例弁30と、油圧ポンプ31と、操向用油圧シリ
ンダ46,46への作動油の圧を検出する圧力計等の圧
検出手段33(図2の仮想線参照)とを制御装置36に
接続して成るクラッチ圧制御手段37を設けてある。ロ
ッククラッチ34への供給圧であるロッククラッチ圧
と、圧検出手段33で検出される圧(サイドクラッチ・
ブレーキ圧)のうちのサイドブレーキ5Bを作動する成
分であるブレーキ圧との関係は、制御装置36により、
図8に示すグラフのように設定されている。
【0062】すなわち、サイドクラッチ5Aが切りとな
る第1位置L1又はR1から操向レバー58を操作量α
動かすと、それまで最高圧(Pmax)に維持されてい
たロッククラッチ圧が下がり始めるとともに、その操作
量αよりも大きい操作量βになると、それまでゼロ圧で
あったブレーキ圧が正圧になり始める第2位置L2又は
R2が現出される。
【0063】操向レバー58の操作に伴なってロックク
ラッチ圧は下がり、ブレーキ圧は上昇するので、操向レ
バー58がバランス位置Lb又はRbになるとロックク
ラッチ34の伝達トルクとサイドブレーキ5Bの制動ト
ルクとが釣り合うバランス状態が現出される。そして、
操向レバー58が第3位置L3又はR3に操作される
と、ロッククラッチ圧がゼロになって、ブレーキ圧がロ
ック圧(Pb)に達して旋回内側の走行装置4が制動ロ
ックされる状態がもたらされる。尚も操向レバー58を
操作するとブレーキ圧がさらに上昇し、フルストローク
まで制動ロック状態が維持される。
【0064】つまり、クラッチ圧制御手段37は、操向
レバー58を、サイドクラッチ5Bが入りとなる第1状
態が現出される操作位置Nからクラッチ切り側に操作す
るに伴なって、サイドクラッチ5Bが切りで、かつ、ロ
ッククラッチ34が伝動状態となる第2状態と、ロック
クラッチ34が伝動状態で、かつ、サイドブレーキ5B
が制動作動する第3状態と、ロッククラッチ34が非伝
動状態であり、かつ、サイドブレーキ5Bが制動作動す
る第4状態とがこの順で現出される。
【0065】そして、操向レバー58を、第4状態が現
出される操作位置L3又はR3からクラッチ入り側へ操
作するに伴なって、第3状態と、第2状態と、第1状態
とがこの順で現出されるように、操向レバー58とサイ
ドクラッチ5Aとサイドブレーキ5Bとロッククラッチ
34とを連係させるように機能する。
【0066】〔第3別実施形態〕図9に示すように、図
2に示す多板摩擦クラッチ25の弾性機構25aを、油
圧シリンダ60に置き換え、かつ、支軸24上における
一対の伝動ギヤ23,23の外側に配置させたに相当す
る構造の臨時伝動手段Cでも良い。
【0067】油圧シリンダ60は、インナクラッチ体2
5iに作用するピストン61と、入り油室62と切り油
室63を備えて構成されており、入り油室62における
ピストン61を押す面積A1よりも、切り油室63にお
けるピストン61を押す面積A2の方が大となる(A1
<A2)ように形成されている。そして、入り油室62
には、油圧ポンプ50の吐出圧を導く油路38が接続さ
れ、切り油室63には、操向用油圧シリンダ46への供
給圧を導く油路39が接続されている。
【0068】この臨時伝動手段Cでは、両油室62,6
3の面積A1,A2の差を適宜に設定することにより、
前述したクラッチ圧制御手段37と同じ機能が出るよう
になっている。すなわち、中立位置Nにある操向レバー
58を、サイドクラッチ5Aの切り位置である第1位置
L1又はR1に操作した状態では、ポンプ50圧が多板
摩擦クラッチ25に作用し、かつ、操向用油圧シリンダ
46に圧が立っていないので、旋回内側となる走行装置
4に依然として動力が伝達されている。
【0069】操向レバー58が、ブレーキ開始位置であ
る第2位置L2又はR2からバランス位置Lb又はRb
の間にある状態では、ポンプ50圧に面積A1を乗じた
値である入り圧が、操向用油圧シリンダ46への供給圧
に面積A2を乗じた値である切り圧に勝っており、多板
摩擦クラッチ25は入りであるが、その伝達トルクは次
第に低下する。
【0070】操向レバー58がバランス位置Lb又はR
bに操作されると、前記入り圧と前記切り圧とがバラン
スし、旋回内側の走行装置4が自由状態になり、バラン
ス位置Lb又はRbを越えると、旋回内側の走行装置4
が制動され始める。そして、操向レバー58が第3位置
L3又はR3に操作されると、旋回内側の走行装置4が
制動ロックされるのである。
【0071】所定以上の負荷の作用に伴なってスリップ
自在な臨時伝動手段Cとして、上記の実施形態では多板
摩擦クラッチ25を用いているが、例えば、トルクコン
バーター等のように、粘性を有した流体を利用した伝動
手段を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの走行伝動系の構造を示す線図
【図3】操向用の油圧回路図
【図4】伝動機構の別配置構造その1を示す要部の線図
【図5】伝動機構の別配置構造その2を示す要部の線図
【図6】伝動機構の別配置構造その3を示す要部の線図
【図7】臨時伝動手段の別構造を示す要部の系統図
【図8】図7の臨時伝動手段における圧力制御グラフを
示す図
【図9】臨時伝動手段の他の別構造を示す要部の系統図
【符号の説明】
4 走行装置 5A サイドクラッチ 5B サイドブレーキ 22 走行装置駆動用ギヤ 23 伝動ギヤ 24 支軸 25 伝動機構 34 動力伝達機構 37 制御手段 58 操向操作具 64 中間軸 C 臨時伝動手段 b ギヤ減速機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の走行装置の各伝動系夫々に、
    選択的に入切り操作されるサイドクラッチ及びサイドブ
    レーキを備え、操向操作具のクラッチ切り操作で前記サ
    イドクラッチが切り操作され、前記操向操作具のクラッ
    チ切り操作を越える操作によって前記サイドクラッチの
    切り状態を維持しながら前記サイドブレーキが制動作動
    されるように、前記操向操作具と前記サイドクラッチと
    前記サイドブレーキとを連係してある作業機の伝動装置
    であって、 前記一対のサイドクラッチのうちの一方のサイドクラッ
    チが切りで他方のサイドクラッチが入りとなる片駆動状
    態が現出されるに伴なって、前記他方のサイドクラッチ
    が装備される側の伝動系の動力を、所定以上の負荷の作
    用に伴なってスリップ自在に、前記一方のサイドクラッ
    チが装備される側の走行装置に伝達する臨時伝動手段を
    設けてある作業機の伝動装置。
  2. 【請求項2】 前記臨時伝動手段は、前記左右の伝動系
    における前記サイドクラッチの動力伝達方向下手側部分
    どうしを、所定以上の負荷によってスリップ自在に動力
    伝達する伝動状態から、伝動を遮断する非伝動状態に切
    換え及び復帰自在な動力伝達機構を介して伝動連結する
    ことで構成され、 前記操向操作具を、前記サイドクラッチが入りとなる第
    1状態が現出される操作位置からクラッチ切り側に操作
    するに伴なって、前記サイドクラッチが切りで、かつ、
    前記動力伝達機構が前記伝動状態となる第2状態と、前
    記動力伝達機構が前記伝動状態で、かつ、前記サイドブ
    レーキが制動作動する第3状態と、前記動力伝達機構が
    前記非伝動状態であり、かつ、前記サイドブレーキが制
    動作動する第4状態とがこの順で現出されるとともに、
    前記操向操作具を、前記第4状態が現出される操作位置
    からクラッチ入り側へ操作するに伴なって、前記第3状
    態と、前記第2状態と、前記第1状態とがこの順で現出
    されるように、前記操向操作具と前記サイドクラッチと
    前記サイドブレーキと前記動力伝達機構とを連係させる
    制御手段を設けてある請求項1に記載の作業機の伝動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記各サイドクラッチを経た動力が入力
    される左右の走行装置駆動用ギヤに交合する左右一対の
    伝動ギヤと、これら両伝動ギヤを嵌装する支軸とを設け
    るとともに、前記左右の伝動ギヤどうしを所定以上の負
    荷の作用でスリップ自在に連動連結する伝動機構を前記
    支軸に装備することにより、前記臨時伝動手段が構成さ
    れている請求項1又は2に記載の作業機の伝動装置。
  4. 【請求項4】 前記各サイドクラッチを経た動力を、単
    一の中間軸を設けて構成される左右一対のギヤ減速機構
    を介して左右の走行装置駆動用ギヤ夫々に伝動させると
    ともに、前記左右のギヤ減速機構どうしを、所定以上の
    負荷の作用でスリップ自在に連動連結する伝動機構を前
    記中間軸に装備することにより、前記臨時伝動手段が構
    成されている請求項1又は2に記載の作業機の伝動装
    置。
  5. 【請求項5】 前記臨時伝動手段は、摩擦クラッチを用
    いて構成されたものである請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の作業機の伝動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013129382A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Yanmar Co Ltd 作業車両
JP2016132348A (ja) * 2015-01-19 2016-07-25 株式会社 神崎高級工機製作所 操向制御システム

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