JP3618260B2 - 作業機の操向装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバイン等の作業機の操向装置に係り、詳しくは、1本レバー等の単一の操向操作具の一方への移動操作により、一方のサイドクラッチが切り操作されての緩旋回状態と、引き続きの一方への移動操作によってサイドクラッチが切れた状態でサイドブレーキによる制動力が作動しての急旋回状態とが行えるとともに、操向操作具の移動量が多くなるに連れて制動力が強くなって、急旋回状態での旋回半径が次第に小さくなるように構成された操向装置において、操向弁のコンパクト化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
単一の操向操作具を用いて操向させるようにした作業機としては、例えば、特開平10−37903号公報に示されたものが知られており、左右一対のサイドクラッチ・ブレーキ(符号20)を操作する一対の操向油圧シリンダ(符号34)の制御弁(符号38)と、両油圧シリンダの排出油路に備えた可変リリーフ弁(符号39)とを、1本の操向レバー(符号37)で連係操作するように構成した周知の技術である。
【0003】
例えば、操向レバー(符号37)を右に傾倒操作すると、制御弁(符号38)を中立位置から切換えて右側のサイドクラッチ(符号20A )を切り操作し、右クローラ(符号6)を自由状態として機体は右へ緩旋回するとともに、引続き右へ傾倒操作すると、右サイドクラッチの切りが維持されたままで右側のサイドブレーキ(符号20B )が効き始めて、右クローラが制動されて右へブレーキ旋回する。
【0004】
そして、尚も操向レバーを右傾倒すると、可変リリーフ弁(符号39)のリリーフ圧が次第に高くなって右操向油圧シリンダ(符号34)の押圧力が増大させて制動力が強くなり、ブレーキ旋回の旋回半径が次第に小さくなり、ついには、右クローラが制動ロックされて急旋回するのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのための制御弁と可変リリーフ弁とは、従来では、図10に示すように、制御弁47と可変リリーフ弁48とが単一のケーシングBに内装されており、制御弁47のスプール60のスライド移動方向と、可変リリーフ弁48の弁体71の移動方向とを一致させるとともに、可変リリーフ弁48の弁体71を油路遮断方向に押圧するバネ73の端部位置を操作するアーム70’と、スプール60をスライド移動させるアーム70とを各別に設け、これら両アーム70’,70を操作ワイヤー等の操作部材59を介して操向操作具に連動してあった。
【0006】
つまり、制御弁と可変リリーフ弁とはケーシングを共有しているが、構成としては互いに独立した状態として操向操作具に連係されていたので、操向弁全体としては比較的大きなものであった。そのため、ミッションケースの側面に弁ブロックとして一体構成させる等、スペース的に余裕の少ない所に配置し難いとか、他の機械装置類を伴ったレイアウト変更作業が繰り返し必要とされる等、設計面の難しさもあり、改善の余地が残されていた。
【0007】
本発明の目的は、制御弁と可変リリーフ弁との構造工夫により、操向弁全体としてのコンパクト化を図り、前述した種々の難しさを解消させる点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
第1発明は、左右一対の走行装置の各伝動系に操向用油圧シリンダによって選択的に入切り操作される左右一対のサイドクラッチ及び操向用摩擦制動機構と、一対の油圧シリンダに選択的に圧油を給排する制御弁と、各油圧シリンダの排出側油路に作用する可変リリーフ弁とを設け、
単一の操向操作具の1段目操作で制御弁を切換操作してサイドクラッチを切り操作し、1段目を越える操作によって制御弁の切換わり状態を維持しながら可変リリーフ弁のリリーフ圧を高めて操向用摩擦制動機構の摩擦力が次第に強められるように、これら操向操作具と制御弁と可変リリーフ弁とを連係してある作業機の操向装置において、
操向操作具で操作されてスライド移動するカム体に制御弁のスプールを連動連結し、前記可変リリーフ弁を前記カム体のスライド移動方向と直交する方向に配置し、可変リリーフ弁におけるリリーフ圧設定用のバネをカム体のスライド移動による変位によって調節変位させるように構成してあることを特徴とする。
【0009】
第2発明は、第1発明において、カム体とスプールとを弾性機構を介して連動連結し、カム体のスライド移動開始に伴って弾性機構が介されたスプールのみのスライド操作が開始され、引き続きのスライド操作では弾性機構が弾性変位してスプールは動かないように構成されていることを特徴とする。
【0010】
〔作用〕
請求項1の構成によれば、詳しくは実施形態の項で説明するが、操向操作具を操作すると、先ず制御弁のみが操作されてサイドクラッチが切れ、その後にサイドブレーキ等の操向用摩擦制動機構が作動し始めるように作用する従来通りの機能が、制御弁のスプール操作と可変リリーフ弁のリリーフ圧設定用バネとの双方をスライド移動するカム体の動きに連動するように構成して得られるものである。つまり、従来では制御弁の操作系と可変リリーフ弁の操作系とが各別に必要であったが、本願のものではカム体のスライド移動による移動方向の操作力により制御弁のスプールを操作するとともにカム体のカム面によるカム体の移動方向と直交する方向への操作力により可変リリーフ弁のリリーフ圧を調節するようにして制御弁と可変リリーフ弁との双方の操作をスライド移動するカム体の操作系のみ行うことができたので、1組の操作系を省略することが可能になった。
【0011】
請求項2の構成によれば、スライド移動するスプールとカム体とを弾性機構を介して連動させたので、スプールを切換操作した後にリリーフ圧を強めるべくリリーフ圧設定用のバネを調節変位させるときには、弾性機構だけが伸縮変位して切換操作されたスプールがそれ以上スライド移動しないようにすることができる。例えば、スプールとカム体とをダイレクトに連動させた場合には、リリーフ圧を変更させる操作範囲においてもサイドクラッチを切り続けるべくスプールの切換え作動範囲を広く取ることになるので、スプールを動かし続けるための余剰スペースが必要である。これに対して本請求項の構成では、その余剰スペースが不要な分、スプールの全スライド量を短くしての小型化が可能になる。
【0012】
〔効果〕
請求項1及び2に記載の操向装置では、操向油圧シリンダ用の制御弁と制動力変更用の可変リリーフ弁との双方を単一のカム体で連係操作させる工夫により、1組の弁操作系を省略してこれら2組の操向用弁全体としてのコンパクト化を図ることができ、配置スペースやレイアウト設計に有利なものにできた。
【0013】
請求項2に記載の操向装置では、弾性機構の介装によって制御弁スプールのスライド可動領域を必要最小限にでき、よりコンパクト化が図れる利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、運転部108、脱穀装置109、グレンタンク110等を備えた機体を左右のクローラ走行装置4,4で走行可能に支持するとともに、機体の前部に昇降シリンダ57で昇降自在に刈取部111を支持してコンバインを構成してある。
【0015】
図2にはコンバインの伝動装置が示され、1はエンジン動力を受ける入力プーリ、2は刈取部111を駆動するためのPTO出力プーリ、3はクローラ走行装置4を駆動する車軸、5は走行用のサイドクラッチ・ブレーキ、6は走行用の主変速機構、7は走行用の第1副変速機構、8は走行用の第2副変速機構、9はPTO変速機構である。第2副変速機構8とPTO変速機構9とはクラッチ操作が必要であるが、第1副変速機構7と主変速機構6とはクラッチ操作が不要である。一対のサイドクラッチ・ブレーキ5,5は、クラッチ部5Aとブレーキ部5Bとを備えた周知のものである。
【0016】
第1副変速機構7は、低速油圧クラッチ7aと高速油圧クラッチ7bとを備えた2段変速であり、入力軸10に相対回転自在に外嵌された筒軸状の第2伝動軸12と第1伝動軸11とに亘って構成されている。すなわち、低速油圧クラッチ7aと高速油圧クラッチ7bとを、夫々のアウタクラッチボディ7ao,7boが一体となる背中合わせ状態で第1伝動軸11の軸中央部に配置するとともに、軸方向の両外側に、インナクラッチボディ7ai,7biに一体化された低速及び高速の駆動ギヤ40,41を配備してある。
【0017】
低速駆動ギヤ40に咬合する低速従動ギヤ42と、高速駆動ギヤ41に咬合する高速従動ギヤ43とは、共に第2伝動軸12に一体回転状態に装備されるとともに、高速従動ギヤ43を、第3伝動軸13に相対回転自在に嵌装される中間ギヤ44に咬合させてある。
【0018】
第2副変速機構8は、前述した中間ギヤ44の噛合部44aに横側方から咬合可能な噛合部45aと、低速従動ギヤ42咬合するギヤ部45bとを備えたシフト回転体45を、一体回転状態で、かつ、軸方向にシフト自在に第3伝動軸13に嵌装して構成されており、図外の変速レバーでシフト回転体45を人力操作する手動操作式の変速機構である。
【0019】
主変速機構6は、第1速油圧クラッチ6aと第2速油圧クラッチ6bと第3速油圧クラッチ6c、及び後進油圧クラッチ6rとを備えた4段変速である。第1速油圧クラッチ6aと第3速油圧クラッチ6cとを嵌装した第4伝動軸14の駆動小径ギヤ14gと、第2速油圧クラッチ6bと後進油圧クラッチ6rとを嵌装した第5伝動軸15の駆動小径ギヤ15gとは、共にサイドクラッチ・ブレーキの支軸である第6伝動軸16の大径従動ギヤ16gに咬合している。そして、各駆動小径ギヤ14g,15gどうしは咬合していない。
【0020】
動力伝動系の構造を述べると、入力プーリ1を備えた入力軸10の回転を、第1ギヤ10gを用いて先ず第1伝動軸11に伝動し、低速油圧クラッチ7aと高速油圧クラッチ7bとのいずれかを経た動力が、入力軸10に相対回転自在に外嵌された筒軸状の第2伝動軸12に伝動される。そして、第2副変速機構8を経た動力は、小径ギヤSgと、大径ギヤDgを備えた第3伝動軸13に伝動される。尚、小径ギヤSgと第1ギヤ10gとは咬合していない。
【0021】
小径ギヤSgは、第1速油圧クラッチ6aの第1ギヤ6agにのみ咬合し、第1ギヤ6agは後進油圧クラッチ6rの後進ギヤ6rgに咬合している。大径ギヤDgは、第2速油圧クラッチ6bの第2ギヤ6bgと第3速油圧クラッチ6cの第3ギヤ6cgの双方に咬合しており、第2ギヤ6bgと第3ギヤ6cgとは咬合していない。
【0022】
第1副変速機構7、及び第2副変速機構8は、共に高低2段変速であるので、前進3段で後進1段の主変速機構6との組合わせにより、走行用としては、前進12段で後進4段の変速段を有している。図3に、各軸の配置関係を示す。次に、主変速機構6の各変速段の動力流れを説明する。
【0023】
−主変速の前進第1速−
4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第1速油圧クラッチ6aのみを入り操作し、第3伝動軸13の小径ギヤSg→第1ギヤ6ag→第4伝動軸14→駆動小径ギヤ14g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0024】
−主変速の前進第2速−
4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第2速油圧クラッチ6bのみを入り操作し、第3伝動軸13の大径ギヤDg→第2ギヤ6bg→第5伝動軸15→駆動小径ギヤ15g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0025】
−主変速の前進第3速−
4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第3速油圧クラッチ6cのみを入り操作し、第3伝動軸13の大径ギヤDg→第3ギヤ6cg→第4伝動軸14→駆動小径ギヤ14g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0026】
−主変速の後進−
4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの後進油圧クラッチ6rのみを入り操作し、第3伝動軸13の小径ギヤSg→第1ギヤ6ag→後進ギヤ6rg→第5伝動軸15→駆動小径ギヤ15g→大径従動ギヤ16gとなる。
【0027】
PTO伝動系については、PTO出力軸35に嵌装された高低の従動ギヤ17,18のうちのいずれかをシフト回転体21で選択して咬合させることにより、高低2段の変速が行えるPTO変速機構9を備えている。高速従動ギヤ17に咬合する高速駆動ギヤ19と、低速従動ギヤ18に咬合する低速駆動ギヤ20とは第1伝動軸11の左右端に備えてあり、高速駆動ギヤ19と第1ギヤ10gとを介して動力入力する。高速駆動ギヤ19と低速駆動ギヤ20とは、第1副変速機構7における低速及び高速の駆動ギヤ40,41の横外側に位置しており、第1伝動軸11とPTO出力軸35とを近づけることに寄与している。
【0028】
図2、図3に示すように、共に第6伝動軸16に咬合連動する第4及び第5伝動軸14,15の間における上側に第3伝動軸13が位置しており、その上側に入力軸10が配置されるとともに、第1伝動軸11は、入力軸10と第3伝動軸13との上下方向の間で、かつ、第4伝動軸14側の横位置に配置されている。従って、油圧クラッチ7a,7bを備えた第1伝動軸11は、油圧クラッチを備えた第4及び第5伝動軸14,15のいずれの軸にも隣合っていない。
【0029】
そして、第1副変速機構7のギヤ咬合部と、PTO変速機構9のギヤ咬合部とが共に、油圧クラッチ7a,7bの横外側に位置していて、軸心間方向で互いに入り込み配置させてあるので、入力軸10(第2伝動軸12)と第1伝動軸11との軸心間距離、及び第1伝動軸11とPTO出力軸35との軸心間距離を狭くすることに成功している。
【0030】
次に、油圧装置関係について説明する。図4に油圧回路が示され、46は、油圧ピストン46pを駆動伸縮させてサイドクラッチ・ブレーキ5,5を操作する操向用油圧シリンダ、47は左右一対の油圧シリンダ46,46に択一的に圧油供給する3位置型の制御弁、48は油圧シリンダ46,46の排出側油路に作用する可変リリーフ弁、49は主変速機構6と第1副変速機構7との計6個の油圧クラッチ6a〜6d,7a,7bへの圧油給排を司るロータリ弁である。
【0031】
50は油圧ポンプ、51は圧が立つと制動解除し、圧が立たないと制動する中立ブレーキ用のアキュムレータ、52は圧が立つと動力伝達され、圧が立たないと動力断絶されるPTOクラッチ、53はクラッチ圧設定用のリリーフ弁(レギュレータ弁)、54は副油圧ポンプ、55は副弁ブロック、56は各油圧クラッチ6a〜6d,7a,7bへの潤滑油路32に対する潤滑圧設定用のリリーフ弁、57は刈取部昇降用の油圧シリンダである。
【0032】
図4、図5に示すように、運転部(図示せず)に備えた単一の操向レバー(操向操作具の一例)58の1段目操作で制御弁47を切換操作してサイドクラッチ・ブレーキ5のクラッチ部5Aを切り操作し、1段目を越える操作によって制御弁47の切換わり状態を維持しながら可変リリーフ弁48のリリーフ圧を高めてサイドクラッチ・ブレーキ5のブレーキ部5B(操向用摩擦制動機構の一例)制動力が次第に強められるように、これら操向レバー58と制御弁47と可変リリーフ弁48とを連係する公知(例えば、前述の特開平10−37903号公報等)の操向装置Aを備えてある。
【0033】
操向装置Aの概略作動を説明すると、操向レバー58を、例えば、直立した中立位置Nから右に傾倒操作して右第1位置R1 に揺動操作すると、制御弁47が右位置に操作されて右操向用油圧シリンダ46のピストン46pが伸長作動して右クラッッチ部5Aが切り操作され、右クローラ4が自由状態になって左クローラ4のみ駆動されての右緩旋回状態になる。
【0034】
そして、操向レバー58を引続き右に傾倒操作して右第2位置R2 になると、右操向用油圧シリンダ46のピストン46pがさらに伸長して右ブレーキ部5Bが作動し始め、右クローラ4を制動しての右ブレーキ旋回状態になる。尚も操向レバー58を右傾倒操作すると、操向用油圧シリンダ46の排出側油路46bに作用する可変リリーフ弁48のリリーフ圧が高められて、右操向用油圧シリンダ46の押圧力が増して右クローラ4の制動力が強くなり、右第3位置R3 になると遂には右クローラ4が制動ロックされての急旋回状態が得られる。
【0035】
次に、操向装置Aの主要部分である制御弁47と可変リリーフ弁48とについて説明する。図5〜図7に示すように、これら制御弁47と可変リリーフ弁48、及びクラッチ圧設定用のリリーフ弁53とは、前述のカバーケース25に重ねて装備される蓋状の弁ブロックBに一体的に形成されている。
【0036】
制御弁47は、スライド移動自在なスプール60と、これを巻きバネ62及びその両端のワッシャ61,61とによって中立位置に復帰付勢する復帰機構63とを備えて構成されるとともに、入力ポート64、2箇所のドレンポート65、一対の操向用油圧シリンダ46,46に対する供給ポート66,66の各ポートを弁ブロックBに形成してある。スプール60には、2枚のワッシャ67,67と巻きバネ68とで成る弾性機構Eを介してカム体69が連動連結されるとともに、このカム体69をスライド操作するカムレバー70に、プッシュプル型の操作ワイヤー59を介して操向レバー58が連動連結されている。
【0037】
可変リリーフ弁48は、ボール状の弁体71と、ボール72と、これらの間に介装される巻きバネ73とを備えており、ボール72がカム体69に押圧接当される状態で、スプール60のスライド移動方向と直交する方向に配列されて構成されている。リリーフ弁53は、弁体74とこれを押圧する巻きバネ75とで構成されており、スプール60のスライド移動方向と平行に配列されている。
【0038】
断面円形のカム体69は、弾性機構Eを介してスプールを内嵌する第1端部69Aと、カムレバー70のアーム部70aが係合される第2端部69Bと、これらの間のカム部69Cとから構成されている。カム部69Cは、径の細い細径部sとその両側のテーパ部t,tとを備えて構成されており、制御弁47の中立状態(図5の状態)では、ボール72が細径部sに接当している。
【0039】
操向レバー58の操作による作用は次のようである。左旋回の場合で説明すると、先ず、操向レバー58を左に緩旋回する左第1位置L1 に操作すると、スプール60がカム体69と一体でスライドして、入力ポート64と左供給油路46Lの供給ポート66が連通し、かつ、ドレンポート65と右供給油路46Rの供給ポート66とが連通する。
【0040】
このとき、ボール72はテーパ部tに接触しそうな程に近寄っているが、依然として細径部sに位置しており、この状態では可変リリーフ弁48のリリーフ圧が操向用油圧シリンダ46の復帰バネ46aの圧に負けているので、クラッチ部5Aは切りで、かつ、ブレーキ部5Bは非作動状態となっている。
【0041】
操向レバー58を左第2位置L2 に操作すると、弾性機構Eが圧縮されることでスプール60は切換わり位置に維持されたままで、カム体69だけがスライド移動してボール72がテーパ部tに乗り上がる。それによって可変リリーフ弁48のリリーフ圧が上昇して復帰バネ46aの圧に勝り、左操向用油圧シリンダ46が再び伸長移動し始めて左ブレーキ部5Bが制動作動し始めるのである。尚、スプール60のスライド限界は、巻きバネ62の密着で決定されている。
【0042】
操向レバー58が操作され続けると、テーパ部tがボール72を押すことによる巻きバネ73の圧縮量が増えることで、リリーフ圧が次第に増加して左油圧ピストン46pによる押付け力が増大し、左クローラ4の制動力が次第に増加する。そして、操向レバー58が左第3位置L3 に到達すると、図7に示すように、ボール72はテーパ部tを通り越して大径の第1端部69Aに乗り上がり、可変リリーフ弁48のリリーフ圧が最大に設定されて左ブレーキ部5Bが制動ロック状態になるのである。
【0043】
つまり、操向操作具58でスライド操作されるカム体69に制御弁47のスプール60を連動連結し、可変リリーフ弁48における弁体71を油路遮断方向に押圧付勢するバネ73の端部とカム体69のカム部69Cとを接当させ、カム体69のスライド移動開始に伴って、クラッチ部5Aを切り操作するべくスプール60のみのスライド操作が開始されるとともに、引き続きのスライド操作ではクラッチ部5Aの切り状態を維持しながら、弁体71の押圧付勢力を強める方向に巻きバネ73の端部位置が変更操作されるように構成されている。
【0044】
又、カム体69とスプール60とを弾性機構Eを介して連動連結してあるので、カム体69のスライド移動開始に伴って弾性機構Eが介されたスプール60のみのスライド操作が開始され、引き続きのスライド操作ではスプール60は動かずに弾性機構69が弾性変位するように構成されている。
【0045】
図6には、右旋回の場合において操向レバー58が右第3位置L3 に操作されたときの弁ブロックBを示しており、ボール72が第2端部69Bの大径部に乗り上がった状態になっている。この右旋回のときでも、スプール60のスライド限界は、巻きバネ62の密着で決定されている。
【0046】
〔別実施形態〕
特開平10−24859号公報に示されたミッションに本発明を適用しても良い。すなわち、図8、図9に示すように、一対のサイドクラッチ5A,5Aの伝動方向上手側位置に、センタギヤ16gに伝動される動力よりも減速された動力を伝動させるための緩旋回クラッチ76と、多板摩擦ブレーキ77と、逆転クラッチ78とを同軸上に設けてコンバインのミッションを構成する。
【0047】
緩旋回クラッチ76と多板摩擦ブレーキ77と逆転クラッチ78とのうちのいずれかを選択する選択弁79と、その選択スイッチ80、及び制御装置81等を設け、選択された一つの操向用摩擦制動機構76又は77又は78の圧接力を、操向レバー58の傾倒操作量に応じて可変リリーフ弁48のリリーフ圧を高めることで強くするように構成されている。
【0048】
つまり、選択したのが緩旋回クラッチ76であると、その圧接力が強くてロックすれば、所定の減速比でもって一方の車軸3に遅い回転動力が伝わって緩旋回するとともに、圧接力が弱いと、所定の減速比よりも遅い回転動力を伝えることができる。同様に、多板摩擦ブレーキ77を選択すれば、その圧接力が強いとブレーキ旋回半径が小さくなり、圧接力が弱いとブレーキ旋回半径が大きくなるとともに、逆転クラッチ78を選択すれば、その圧接力が強いと信地旋回半径が小さくなり、圧接力が弱いと信地旋回半径が大きくなるのである。
【0049】
操向用摩擦制動機構とは、サイドブレーキ5Bや、緩旋回クラッチ76、多板摩擦ブレーキ77、逆転クラッチ78等の、圧接力の大小によってその作用力の調節が行えるものである。又、制御弁47がロータリ型のものに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの走行伝動系を示す線図
【図3】各軸の配置関係を示す側面図
【図4】油圧回路図
【図5】弁ブロックの内部構造を示す断面図
【図6】制御弁が切換操作された状態での弁ブロックの断面図
【図7】制御弁が図6とは反対方向に切換操作された状態での弁ブロックの断面図
【図8】別構造のミッションを示す線図
【図9】図8に示すミッションに用いられる油圧回路図
【図10】従来の弁ブロック構造を示す概略図
【符号の説明】
4 走行装置
5 サイドクラッチ・ブレーキ
46 操向用油圧シリンダ
46b 排出側油路
47 制御弁
48 可変リリーフ弁
58 操向操作具
60 スプール
69 カム体
69C カム部
71 弁体
73 バネ
E 弾性機構

Claims (2)

  1. 左右一対の走行装置(4)の各伝動系に操向用油圧シリンダ(46)によって選択的に入切り操作される左右一対のサイドクラッチ(5A)及び操向用摩擦制動機構(5B)と、前記一対の油圧シリンダ(46)に選択的に圧油を給排する制御弁(47)と、前記各油圧シリンダ(46)の排出側油路(46b)に作用する可変リリーフ弁(48)とを設け、
    単一の操向操作具(58)の1段目操作で前記制御弁(47)を切換操作して前記サイドクラッチ(5A)を切り操作し、前記1段目を越える操作によって前記制御弁(47)の切換わり状態を維持しながら前記可変リリーフ弁(48)のリリーフ圧を高めて前記操向用摩擦制動機構(5B)の摩擦力が次第に強められるように、これら操向操作具(58)と制御弁(47)と可変リリーフ弁(48)とを連係してある作業機の操向装置であって、
    前記操向操作具(58)で操作されてスライド移動するカム体(69)に前記制御弁(47)のスプール(60)を連動連結し、前記可変リリーフ弁(48)を前記カム体(69)のスライド移動方向と直交する方向に配置し、前記可変リリーフ弁(48)におけるリリーフ圧設定用のバネ(73)を前記カム体(69)のスライド移動による変位によって調節変位させるように構成してある作業機の操向装置。
  2. カム体(69)とスプール(60)とを弾性機構(E)を介して連動連結し、前記カム体(69)のスライド移動開始に伴って前記弾性機構(E)が介された前記スプール(60)のみのスライド操作が開始され、引き続きのスライド操作では前記スプール(60)は動かずに前記弾性機構(E)が弾性変位するように構成されている請求項1に記載の作業機の操向装置。
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