JP2001090820A - 作業機の伝動装置 - Google Patents

作業機の伝動装置

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JP2001090820A
JP2001090820A JP26575099A JP26575099A JP2001090820A JP 2001090820 A JP2001090820 A JP 2001090820A JP 26575099 A JP26575099 A JP 26575099A JP 26575099 A JP26575099 A JP 26575099A JP 2001090820 A JP2001090820 A JP 2001090820A
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Japan
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clutch
transmission
hydraulic
piston
oil
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JP26575099A
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Inventor
Teruo Minami
照男 南
Masayoshi Nakada
昌義 中田
Yutaka Yoneda
豊 米田
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行伝動系の変速用油圧クラッチへの圧油給
排を利用して作動する刈取クラッチを、構造簡単でコン
パクトに構成する。 【解決手段】 前進3段、後進1段の油圧クラッチ変速
型の主変速機構を備えたコンバインにおいて、油圧クラ
ッチへの圧給排に伴って自動的に入切りされる刈取クラ
ッチ52を、PTO軸35とこれに外嵌される刈取変速
用のシフト回転体120と、油圧機構hとを設けて構成
する。油圧機構hを、ピストン112を備えた油室11
3と、ピストン112で出退移動されるボール114
と、戻しバネ115とをPTO軸35に内装し、圧供給
でボール114をPTO軸35とシフト回転体120と
に跨がる位置に押出してのクラッチ入りと、圧解除でボ
ール114がPTO軸35内に退入してのクラッチ切り
とが現出自在に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等の作
業機の伝動装置に係り、詳しくは、変速用の油圧クラッ
チへの圧油給排を利用して刈取部等の作業装置のクラッ
チを入り切り制御させるようにした油圧PTOクラッチ
操作構造を、簡素化やコンパクト化させる技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の作業機としては、特開平8−2
0250号公報に示されたコンバインの伝動装置が知ら
れている。これは、前進用油圧クラッチと後進用油圧ク
ラッチとを備えた変速機構と刈取部への伝動系に備えた
油圧多板摩擦式のPTOクラッチとを備え、いずれかの
油圧クラッチに圧が供給されているときにはPTOクラ
ッチが入りになり、いずれの油圧クラッチにも圧が供給
されない走行中立時にはPTOクラッチが切りとなるよ
うに油圧回路が構成されていた。
【0003】又、4個の変速用油圧クラッチを備えて、
前進3段で後進1段の主変速機構を構成するとともに、
刈取部へのベルト伝動機構に作業クラッチであるテンシ
ョンクラッチを備え、いずれかの油圧クラッチに圧供給
されているときにはテンションクラッチが入りになり、
いずれの油圧クラッチにも圧供給されない走行中立時に
はテンションクラッチが切りになるように構成されたも
のもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記前者の従来技術で
は、ショック少なく徐々にクラッチ接続及び断絶が行え
るという利点はあるが、作業クラッチとしての構造が比
較的複雑になるとともに、ミッションケース内での必要
スペースが大きくなって伝動装置の大型化を招き易いも
のである。又、前記後者の従来技術では、作業クラッチ
の構造は簡素にすることができるが、テンションクラッ
チはミッションケース外に大きなスペースを要するもの
であり、いずれの技術でも改善の余地が残されていた。
【0005】本発明の目的は、変速用油圧クラッチへの
圧油給排を利用して作動する作業クラッチを、構造簡単
でコンパクトに構成させる点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、走
行装置への伝動系に、伝動比が互いに異なる複数の伝動
経路の夫々に介装した油圧クラッチを択一的に入り作動
させることで複数段の変速が可能な変速機構を備えると
ともに、作業装置への伝動系に、油圧クラッチへの圧油
供給に伴って伝動状態になり、油圧クラッチへの圧油供
給解除に伴って伝動断絶状態になる作業クラッチを備え
た作業機の伝動装置において、作業クラッチを、回転軸
と、これに相対回転自在に外嵌される筒状回転体とを備
えるとともに、圧油供給に伴って回転軸と筒状回転体と
を一体回転させ、かつ、圧油供給解除に伴って回転軸と
筒状回転体との相対回転を許容する油圧機構を設けて構
成し、油圧機構を、軸方向にスライド自在なピストンを
備えた油室と、ピストンの一方向へのスライドで外径側
に強制的に押出され、他方向へのスライドで内径側に退
避移動自在な伝動体と、ピストンを他方向に押圧付勢す
るバネとを回転軸に内装して構成するとともに、油室へ
の圧油供給により、バネの付勢力に抗してピストンが一
方向にスライドして、押出された伝動体が回転軸と筒状
回転体とに跨がる伝動状態が現出され、油室への圧油供
給解除により、バネがピストンを他方向に押戻して、伝
動体が内径側に退避移動した伝動断絶状態が現出される
ように設定してあることを特徴とする。
【0007】第2発明は、第1発明において、作業装置
が刈取部で、かつ、作業クラッチが刈取クラッチである
とともに、筒状回転体は、刈取部への動力を変速する刈
取変速機構においてシフト操作されるシフト回転体であ
ることを特徴とする。
【0008】〔作用〕請求項1の構成によれば、詳しく
は実施形態の項にて説明するが、変速用油圧クラッチに
圧油供給されている走行状態のときには回転軸内の油室
にも圧油供給されるので、外径方向に押し出された伝動
体によって回転軸と筒状回転体とが一体回転する作業ク
ラッチの入り状態が現出される。そして、いずれの変速
用油圧クラッチにも圧油供給されない走行中立時には、
回転軸内の油室にも圧油供給されないので、伝動体が回
転軸内に退入移動自在な状態となり、回転軸と筒状回転
体とのトルク伝達が不能な状態、すなわち作業クラッチ
の切り状態が現出されるようになる。
【0009】作業クラッチを構成するピストン、伝動
体、バネ等の主要部品が回転軸に内装されているため、
回転軸の径が若干太くなることはあるが、従来の作業ク
ラッチに比べて必要スペースが格段に小さくなるととも
に、ミッションケース内に装備することができて伝動装
置全体の小型化やシンプル化が可能になった。
【0010】請求項2の構成によれば、コンバイン等に
おける刈取変速機構を構成するシフト回転体を、刈取ク
ラッチの構成部品である筒状回転体に兼用させたので、
刈取クラッチのみに必要なスペースのさらなるコンパク
ト化が可能になった。
【0011】〔効果〕請求項1及び2に記載の伝動装置
では、回転軸とこれに外嵌する筒状回転とに亘る作業ク
ラッチの油圧機構を、ピストンと伝動体とバネとで作動
する状態で回転軸に内装させたので、変速用油圧クラッ
チへの油圧給排を用いて作業クラッチを自動的に入り切
り制御する構造を、比較的シンプルでコンパクトに構成
することができ、ミッショケースの小型化が行えるよう
になった。
【0012】請求項2に記載の伝動装置では、刈取部へ
の変速機構が刈取クラッチの構成を兼ねるようにできた
ので、必要な機能を得ながら刈取クラッチをさらに合理
化できる利点がある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1に示すように、運転部10
8、脱穀装置109、グレンタンク110等を備えた機
体を左右のクローラ走行装置4,4で走行可能に支持す
るとともに、機体の前部に昇降シリンダ57で昇降自在
に刈取部111を支持してコンバインを構成してある。
【0014】図2にはコンバインの伝動装置が示され、
1はエンジン動力を受ける入力プーリ、2は刈取部11
1を駆動するためのPTO出力プーリ、3はクローラ走
行装置4を駆動する車軸、5は走行用のサイドクラッチ
・ブレーキ、6は走行用の主変速機構、7は走行用の第
1副変速機構、8は走行用の第2副変速機構、9は刈取
変速機構である。第2副変速機構8と刈取変速機構9と
はクラッチ操作が必要であるが、第1副変速機構7と主
変速機構6とはクラッチ操作が不要である。一対のサイ
ドクラッチ・ブレーキ5,5は、クラッチ部5Aとブレ
ーキ部5Bとを備えて成る周知のものである。
【0015】第1副変速機構7は、低速油圧クラッチ7
aと高速油圧クラッチ7bとを備えた2段変速であり、
入力軸10に相対回転自在に外嵌された筒軸状の第2伝
動軸12と第1伝動軸11とに亘って構成されている。
すなわち、低速油圧クラッチ7aと高速油圧クラッチ7
bとを、夫々のアウタクラッチボディ7ao,7boが
一体となる背中合わせ状態で第1伝動軸11の軸中央部
に配置するとともに、軸方向の両外側に、インナクラッ
チボディ7ai,7biに一体化された低速及び高速の
駆動ギヤ40,41を配備してある。
【0016】低速駆動ギヤ40に咬合する低速従動ギヤ
42と、高速駆動ギヤ41に咬合する高速従動ギヤ43
とは、共に第2伝動軸12に一体回転状態に装備される
とともに、高速従動ギヤ43を、第3伝動軸13に相対
回転自在に嵌装される中間ギヤ44に咬合させてある。
【0017】第2副変速機構8は、前述した中間ギヤ4
4の噛合部44aに横側方から咬合可能な噛合部45a
と、低速従動ギヤ42に咬合するギヤ部45bとを備え
たシフト回転体45を、一体回転状態で、かつ、軸方向
にシフト自在に第3伝動軸13に嵌装して構成されてお
り、図外の変速レバーでシフト回転体45を人力操作す
る手動操作式の変速機構である。
【0018】主変速機構6は、第1速油圧クラッチ6a
と第2速油圧クラッチ6bと第3速油圧クラッチ6c、
及び後進油圧クラッチ6rとを備えた4段変速である。
第1速油圧クラッチ6aと第3速油圧クラッチ6cとを
嵌装した第4伝動軸14の駆動小径ギヤ14gと、第2
速油圧クラッチ6bと後進油圧クラッチ6rとを嵌装し
た第5伝動軸15の駆動小径ギヤ15gとは、共にサイ
ドクラッチ・ブレーキの支軸である第6伝動軸16のセ
ンタギヤ16gに咬合している。そして、各駆動小径ギ
ヤ14g,15gどうしは咬合していない。
【0019】動力伝動系の構造を述べると、入力プーリ
1を備えた入力軸10の回転を、第1ギヤ10gを用い
て先ず第1伝動軸11に伝動し、低速油圧クラッチ7a
と高速油圧クラッチ7bとのいずれかを経た動力が、入
力軸10に相対回転自在に外嵌された筒軸状の第2伝動
軸12に伝動される。そして、第2副変速機構8を経た
動力は、小径ギヤSgと、大径ギヤDgを備えた第3伝
動軸13に伝動される。尚、小径ギヤSgと第1ギヤ1
0gとは咬合していない。
【0020】小径ギヤSgは、第1速油圧クラッチ6a
の第1ギヤ6agにのみ咬合し、第1ギヤ6agは後進
油圧クラッチ6rの後進ギヤ6rgに咬合している。大
径ギヤDgは、第2速油圧クラッチ6bの第2ギヤ6b
gと第3速油圧クラッチ6cの第3ギヤ6cgの双方に
咬合しており、第2ギヤ6bgと第3ギヤ6cgとは咬
合していない。
【0021】第1副変速機構7、及び第2副変速機構8
は、共に高低2段変速であるので、前進3段で後進1段
の主変速機構6との組合わせにより、走行用としては、
前進12段で後進4段の変速段を有している。図3に、
各軸の配置関係を示す。次に、主変速機構6の各変速段
の動力流れを説明する。
【0022】−主変速の前進第1速− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第
1速油圧クラッチ6aのみを入り操作し、第3伝動軸1
3の小径ギヤSg→第1ギヤ6ag→第4伝動軸14→
駆動小径ギヤ14g→センタギヤ16gとなる。
【0023】−主変速の前進第2速− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第
2速油圧クラッチ6bのみを入り操作し、第3伝動軸1
3の大径ギヤDg→第2ギヤ6bg→第5伝動軸15→
駆動小径ギヤ15g→センタギヤ16gとなる。
【0024】−主変速の前進第3速− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの第
3速油圧クラッチ6cのみを入り操作し、第3伝動軸1
3の大径ギヤDg→第3ギヤ6cg→第4伝動軸14→
駆動小径ギヤ14g→センタギヤ16gとなる。
【0025】−主変速の後進− 4個の変速用油圧クラッチ6a〜6c,6rのうちの後
進油圧クラッチ6rのみを入り操作し、第3伝動軸13
の小径ギヤSg→第1ギヤ6ag→後進ギヤ6rg→第
5伝動軸15→駆動小径ギヤ15g→センタギヤ16g
となる。
【0026】PTO伝動系については、PTO出力軸3
5に嵌装された高低の従動ギヤ17,18のうちのいず
れかをシフト回転体120で選択して咬合させることに
より、高低2段の変速が行える刈取変速機構9を備えて
いる。高速従動ギヤ17に咬合する高速駆動ギヤ19
と、低速従動ギヤ18に咬合する低速駆動ギヤ20とは
第1伝動軸11の左右端に備えてあり、高速駆動ギヤ1
9と第1ギヤ10gとを介して動力入力する。高速駆動
ギヤ19と低速駆動ギヤ20とは、第1副変速機構7に
おける低速及び高速の駆動ギヤ40,41の横外側に位
置しており、第1伝動軸11とPTO出力軸35とを近
づけることに寄与している。
【0027】図3に示すように、共に第6伝動軸16に
咬合連動する第4及び第5伝動軸14,15の間におけ
る上側に第3伝動軸13が位置しており、その上側に入
力軸10が配置されるとともに、第1伝動軸11は、入
力軸10と第3伝動軸13との上下方向の間で、かつ、
第4伝動軸14側の横位置に配置されている。従って、
油圧クラッチ7a,7bを備えた第1伝動軸11は、油
圧クラッチを備えた第4及び第5伝動軸14,15のい
ずれの軸にも隣合っていない。
【0028】そして、第1副変速機構7のギヤ咬合部
と、PTO変速機構9のギヤ咬合部とが共に、油圧クラ
ッチ7a,7bの横外側に位置していて、軸心間方向で
互いに入り込み配置させてあるので、入力軸10(第2
伝動軸12)と第1伝動軸11との軸心間距離、及び第
1伝動軸11とPTO出力軸35との軸心間距離を狭く
することに成功している。
【0029】次に、油圧装置関係について説明する。図
4に油圧回路が示され、46,46はサイドクラッチ・
ブレーキ5,5操作用の操向用油圧シリンダ、47は左
右一対の油圧シリンダ46,46に択一的に圧油供給す
る3位置型の制御弁、48は油圧シリンダ46,46の
排出側油路に作用する可変リリーフ弁、49は主変速機
構6と第1副変速機構7との計6個の油圧クラッチ6a
〜6c,6r,7a,7bへの圧油給排を司るロータリ
弁であり、前進1〜6速位置F1 〜F6と、後進1,2
速位置B1,B2 とを有している。
【0030】50は油圧ポンプ、51は圧が立つと制動
解除し、圧が立たないと制動する中立ブレーキ用のアキ
ュムレータ、52は圧が立つと動力伝達され、圧が立た
ないと動力断絶される刈取クラッチ、53はクラッチ圧
設定用のリリーフ弁(レギュレータ弁)、54は副油圧
ポンプ、55は副弁ブロック、56は各油圧クラッチ6
a〜6c,6r,7a,7bへの潤滑油路32に対する
潤滑圧設定用のリリーフ弁、57は刈取部昇降用の油圧
シリンダである。
【0031】図4に示すように、運転部108に備えた
単一の操向レバー58の1段目操作で制御弁47を切換
操作してサイドクラッチ・ブレーキ5のクラッチ部5A
を切り操作し、1段目を越える操作によって制御弁47
の切換わり状態を維持しながら可変リリーフ弁48のリ
リーフ圧を高めてサイドクラッチ・ブレーキ5のブレー
キ部5Bの制動力が次第に強められるように、操向レバ
ー58と制御弁47と可変リリーフ弁48とを連係する
公知(例えば、前述の特開平10−37903号公報
等)の操向装置Aを備えてある。
【0032】操向装置Aの概略作動を説明すると、操向
レバー58を、例えば、直立した中立位置Nから右に傾
倒操作して右第1位置R1 に揺動操作すると、制御弁4
7が右位置Rに操作されて右操向用油圧シリンダ46が
伸長作動して右クラッッチ部5Aが切り操作され、右ク
ローラ4が自由状態になって左クローラ4のみ駆動され
ての右緩旋回状態になる。
【0033】そして、操向レバー58を引続き右に傾倒
操作して右第2R2 位置になると、右操向用油圧シリン
ダ46がさらに伸長して右ブレーキ部5Bが制動作動開
始状態になり、右クローラ4に制動力を作用しての右ブ
レーキ旋回状態になる。尚も操向レバー58を右傾倒操
作すると、操向用油圧シリンダ46の排出側油路46b
に作用する可変リリーフ弁48のリリーフ圧が高めら
れ、右操向用油圧シリンダ46の押圧力が増して右クロ
ーラ4の制動力が強くなり、右第3位置R3 になると遂
には右クローラ4を制動ロックしての急旋回状態が得ら
れるのである。
【0034】図6に示すように、中立ブレーキ用のアキ
ュムレータ51は、シリンダ筒76に内嵌されるピスト
ンロッド77が、内外の巻きバネ78で短縮作動方向に
引込み付勢された油圧シリンダで構成されており、基端
の油室79に連通する第1ポート80と、そこから先端
側に少し離れて位置する第2ポート81とを備えてい
る。ピストンロッド77基端のピストン77Aは、シリ
ンダ筒76に密着内嵌する両端の圧力リング部82,8
2と、1段径の細い本体部83と、さらに径の細い谷部
84と、これらの内側に位置する内室部85とを備えた
略中空状に形成されるとともに、谷部84部分で内外に
貫通する小孔で成るオリフィス86を形成してある。
【0035】圧油が供給されない状態では、巻きバネ7
8によってピストンロッド77が図示の位置まで引込ま
れており、谷部84が第1ポート80に開通している。
第2ポート81から圧油が供給されると、本体部83及
び谷部84とシリンダ筒76内周面との間の空間を通っ
て第1ポート80及び油室79に迅速に流れ、基端側の
圧力リング部82が第1ポート80を遮断するまでは、
ピストンロッド77が迅速に伸長移動する。
【0036】第1ポート80が圧力リング部82で遮断
された後は、第2ポート81からの圧油はオリフィス8
6のみを通って油室79に供給される状態になり、基端
側圧力リング部82が第2ポート81に差し掛かるまで
の間は、オリフィス86の絞り作用によってピストンロ
ッド77は緩速で伸長移動する。そして、基端側圧力リ
ング部82が通過して第2ポート81が再開して直接油
室79に連通すると、再びピストンロッド77は迅速に
伸長移動するのである。
【0037】図7に示すように、ピストンロッド77の
先端には、支点Pで回動自在な作動アーム90を連結
し、これに形成された長孔90aにブレーキレバー87
先端のピン部87aを挿入してあるとともに、そのピン
部87aは、ブレーキペダル88で操作されるブレーキ
ロッド89の長孔89aにも挿入されている。図7
(イ)は走行中立時を示しており、巻きバネ78の付勢
力がブレーキレバー87を引張ってブレーキカム101
を回動操作してブレーキ91が制動作動した駐車ブレー
キ状態が現出されている。このとき、ピン部87aはブ
レーキロッド89の長孔89aの前端部付近に位置して
いる。
【0038】アキュムレータ51に圧油供給される走行
時には、図7(ロ)に示すように、ピストンロッド77
が伸長移動して、ピン部87aが作動アーム90の長孔
90aにおける根元側付近に位置しており、ブレーキレ
バー87の引っ張りが解除されて駐車ブレーキの解除状
態が現出されている。従って、このときにブレーキペダ
ル88を踏込み操作すれば、作動アーム90とは無関係
にブレーキレバー87を引張り操作して制動させること
ができる。つまり、互いの長孔90a,89aの存在が
お互いの融通操作域となり、アキュムレータ51による
制動操作とブレーキペダルによる制動操作とが独立して
行えるように構成されている。
【0039】そして、アキュムレータ51を経た圧油が
ロータリ弁49を通っていずれかの油圧クラッチに供給
されるように直列接続してあるとともに、前述したピス
トン部77Aと各ポート80,81との関係により、油
圧クラッチの切り状態からクラッチミート迄の間におい
ては、オリフィス86が作用せず迅速にピストンロッド
77が伸長作動する状態にアキュムレータ51が構成さ
れている。つまり、アキュムレータ51は、圧が立つと
ブレーキ91が制動解除され、圧が立たないとブレーキ
91が制動作動するネガティヴブレーキとして機能する
ものである。
【0040】クラッチミート後は、オリフィス86の作
用によってクラッチ圧が緩慢に増大するので、駐車ブレ
ーキを解除しながら、スロースタートによるショックの
少ない円滑な発進操作が自動的に行われるのであり、ブ
レーキ操作用のアキュムレータ51を設けることで、従
来における変速用油圧クラッチに対する昇圧バルブの機
能も発揮できるようになっている。
【0041】次に、刈取変速機構9に装備される刈取ク
ラッチ52について説明する。図2、図5に示すよう
に、作業クラッチの一例である刈取クラッチ52は、P
TO出力軸(回転軸の一例)35と、これに相対回転自
在に外嵌されるシフト回転体(筒状回転体の一例)12
0とを備えるとともに、圧油供給に伴ってPTO出力軸
35とシフト回転体120とを一体回転させ、かつ、圧
油供給解除に伴ってPTO出力軸35とシフト回転体1
20との相対回転を許容する油圧機構hを設けて構成さ
れている。
【0042】油圧機構hを、軸方向にスライド自在なピ
ストン112を備えた油室113と、ピストン112の
一方向(図5中で右方向)へのスライドで外径側に強制
的に押出され、他方向(図5中で左方向)へのスライド
で内径側に退避移動自在な複数のボール(伝動体の一
例)114と、ピストン112を前記他方向に押圧付勢
する巻きバネ115とをPTO出力軸35に内装して構
成する。
【0043】そして、油室113への圧油供給により、
巻きバネ115の付勢力に抗してピストン112が一方
向にスライドして、押出されたボール115がPTO出
力軸35とシフト回転体120とに跨がる伝動状態〔図
5(イ)の状態〕が現出され、油室113への圧油供給
解除により、巻きバネ115がピストン112を他方向
に押戻して、ボール115が内径側に退避移動した伝動
断絶状態〔図5(ロ)の状態〕が現出されるように設定
されている。
【0044】ピストン112は、油圧を受けるヘッド部
112aと、ボール113をシフト回転軸35の径方向
に出退移動させる傾斜カム部112bと、巻きバネ11
5の受圧部112cと、巻きバネ115をガイドすると
ともにピストン112の移動限界を決める先端部112
dを備えたスプール状部品に構成されている。尚、図示
しないが、ヘッド部112aには圧を逃がさないための
シールリングが複数装備されている。シフト回転軸35
における油室113を形成する大径穴部分の開口部に
は、巻きバネ115及び先端部112dの受け部材とな
る孔付きのストッパリング116を装備し、又、油室1
13に圧油給排するための給排油路117を形成してあ
る。
【0045】ミッションケース24には、シフト回転軸
35の軸方向中間部に形成した給排油路117の開口部
117aに連通させる取出し油路118を形成してあ
り、開口部117aの軸方向両側にはシールリング11
9,119を嵌装してある。ミッションケース24外面
とカバーケース25とで形成される取出し油路118
は、アキュムレータ51への供給側油路51aに接続し
てある(図4参照)。
【0046】シフト回転体120の内径側には、ボール
114が嵌まり込むための咬合部120aが軸方向の全
域に亘って形成してあり、高低のシフト操作如何に拘わ
らずにボール114との咬合状態が維持可能としてあ
る。又、シフト回転体120の軸方向両端には、高低の
従動ギヤ17,18の爪部17a,18aと噛合うため
のクラッチ爪120b,120cが形成されている。
【0047】刈取クラッチ52の作用を説明する。ロー
タリ弁49が中立位置Nに操作されている走行中立状態
では、アキュムレータ51への供給側油路51aには圧
が立たず、PTO出力軸35の給排油路117には圧油
が供給されないので、巻きバネ115の付勢力によって
ピストン112が他方向(図5中で左方向)に移動され
ている。この図5(ロ)に示す状態では、ボール114
はピストン112の細径部112eに位置しており、P
TO出力軸35の径内に完全に退入移動できることか
ら、シフト回転体120の回転力がPTO出力軸35に
伝わらないクラッチ切り状態が現出される。
【0048】ロータリ弁49が中立位置N以外の位置に
操作されて走行状態になると、アキュムレータ51への
供給側油路51aに圧が立って給排油路117にも圧油
供給されるので、ピストン112が一方向(図5中で右
方向)に押され、カム部112bがボール114を軸外
径側に押し出して咬合部120aと咬合し、ボール11
4がシフト回転体120とPTO出力軸35とに跨がっ
た位置で維持されるので、図5(イ)に示すように、こ
れら両者21,35が一体回転するクラッチ入り状態が
現出される。
【0049】つまり、変速用の油圧クラッチ6a〜6
c,6r,7a,7bのいずれかへの圧油供給に伴って
刈取クラッチ52が自動的に入り操作され、いずれの油
圧クラッチ6a〜6d,7a,7bにも圧油供給されな
いことに伴って刈取クラッチ52が自動的に切り操作さ
れるのである。
【0050】〔別実施形態〕図5に示すPTO回転軸3
5では、油室113と油路117を形成するのに、高速
従動ギヤ17側から穿孔加工しているが、図8に示すよ
うに、PTO出力プーリ2側から穿孔加工する構造でも
良い。すなわち、油室113の径である太い給排油路1
17を形成して、巻きバネ115を奥止まり状の穴の最
奥に位置させるのであり、ピストン112は先端部11
2dの無い短いもので済む。この場合には、高圧の給排
油路117端を閉塞するボルト等の蓋121が必要であ
る。
【0051】ボール114に代えて、円筒状のピンや、
軸径方向の両端が球面加工された多角柱状の部材でも良
く、これらを総称して「伝動体」と定義する。又、作業
機としては、コンバインの他、キャリーバインダーやハ
ーベスタ、或いはトラクタ等種々のものが考えられると
ともに、作業装置としては、刈取部の他、モーアや耕耘
ロータリ、苗植付装置等種々のものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの伝動構造を示す線図
【図3】各軸の配置関係を示す側面図
【図4】油圧回路図
【図5】刈取クラッチの構造を示す断面図
【図6】アキュムレータの構造を示す断面図
【図7】ブレーキの操作構造を示す側面図
【図8】刈取クラッチの別構造を示す断面図
【符号の説明】
4 走行装置 6 変速機構 6a〜6c,6r 油圧クラッチ 35 回転軸 111 作業装置 112 ピストン 113 油室 114 伝動体 115 バネ 120 筒状回転体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米田 豊 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 3J052 AA18 CA11 EA06 GC01 HA01 KA01 KA15 LA07 3J057 AA04 BB01 CA13 DA17 DC05 GA11 GA12 HH05 JJ07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置への伝動系に、伝動比が互いに
    異なる複数の伝動経路の夫々に介装した油圧クラッチを
    択一的に入り作動させることで複数段の変速が可能な変
    速機構を備えるとともに、作業装置への伝動系に、前記
    油圧クラッチへの圧油供給に伴って伝動状態になり、前
    記油圧クラッチへの圧油供給解除に伴って伝動断絶状態
    になる作業クラッチを備えた作業機の伝動装置であっ
    て、 前記作業クラッチを、回転軸と、これに相対回転自在に
    外嵌される筒状回転体とを備えるとともに、圧油供給に
    伴って前記回転軸と前記筒状回転体とを一体回転させ、
    かつ、圧油供給解除に伴って前記回転軸と前記筒状回転
    体との相対回転を許容する油圧機構を設けて構成し、 前記油圧機構を、軸方向にスライド自在なピストンを備
    えた油室と、該ピストンの一方向へのスライドで外径側
    に強制的に押出され、他方向へのスライドで内径側に退
    避移動自在な伝動体と、前記ピストンを前記他方向に押
    圧付勢するバネとを前記回転軸に内装して構成するとと
    もに、 前記油室への圧油供給により、前記バネの付勢力に抗し
    て前記ピストンが前記一方向にスライドして、押出され
    た前記伝動体が前記回転軸と前記筒状回転体とに跨がる
    伝動状態が現出され、前記油室への圧油供給解除によ
    り、前記バネが前記ピストンを前記他方向に押戻して、
    前記伝動体が内径側に退避移動した伝動断絶状態が現出
    されるように設定してある作業機の伝動装置。
  2. 【請求項2】作業装置が刈取部で、かつ、作業クラッチ
    が刈取クラッチであるとともに、筒状回転体は、前記刈
    取部への動力を変速する刈取変速機構においてシフト操
    作されるシフト回転体である請求項1に記載の作業機の
    伝動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220048247A (ko) * 2020-10-12 2022-04-19 대호 (주) 트랙터용 클러치 장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220048247A (ko) * 2020-10-12 2022-04-19 대호 (주) 트랙터용 클러치 장치
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