JP2000185565A - 走行用伝動装置 - Google Patents

走行用伝動装置

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JP2000185565A
JP2000185565A JP10367027A JP36702798A JP2000185565A JP 2000185565 A JP2000185565 A JP 2000185565A JP 10367027 A JP10367027 A JP 10367027A JP 36702798 A JP36702798 A JP 36702798A JP 2000185565 A JP2000185565 A JP 2000185565A
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brake
steering
transmission
clutch
gear
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JP10367027A
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Yutaka Yoneda
豊 米田
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操向クラッチと操向ブレーキを油圧ピストン
で操作して機体の操向操作を行う走行用伝動装置を、油
圧ピストンが構造簡単な操作油路で操作できるとともに
油圧ピストンを使用しないでも操向ブレーキが操作でき
る状態に得る。 【解決手段】 センタギヤ26の回転支軸28と、走行
装置駆動ギヤ12bに噛み合いながら回転支軸28に摺
動自在に外嵌している伝動体32と間に操向クラッチ3
0bを設けてある。操向ブレーキ60bのブレーキディ
スク61が伝動体32に摺動及び一体回動自在に係合し
ている。油圧ピストンPbが伝動体32を摺動操作して
操向クラッチ30bを操作し、かつ、伝動体32を介し
てブレーキディスク63を操作して操向ブレーキ60b
を入り切り操作する。ブレーキ操作部材65を回転操作
すると、このブレーキ操作部材65がブレーキディスク
61を受止め部20eに押圧操作して操向ブレーキ60
bを入りに操作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動回動自在なセ
ンタギヤの横側に位置する走行装置駆動ギヤ、この走行
装置駆動ギヤに噛み合うとともに前記センタギヤの支軸
に摺動自在に外嵌する伝動体、前記センタギヤから走行
装置への回動力伝達を入り切りして機体操向を行うよう
に前記伝動体に付設した操向クラッチ、前記伝動体に一
体回転及び摺動自在に係合するブレーキディスクが押圧
されることによって走行装置に制動力を付与して機体操
向を行わせる操向ブレーキのそれぞれを備えるととも
に、前記伝動体を前記走行装置駆動ギヤに噛み合わせた
ままで摺動操作することによって前記操向クラッチを操
作して、かつ、前記ブレーキディスクを操作することに
よって前記操向ブレーキを操作して、前記操向クラッチ
が入りで前記操向ブレーキが切りの操向状態と、前記操
向クラッチが切りで前記操向ブレーキが入りの操向状態
とを現出させる油圧ピストンを備えてある走行用伝動装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記走行用伝動装置において、従来、た
とえば特開平9‐323560号公報に示されるものが
あった。すなわち、走行装置駆動ギヤとしてのファイナ
ルギヤに対してセンタギヤとしての駆動ギヤが位置する
側で駆動ギヤの支軸に油圧ピストンが外嵌され、駆動ギ
ヤのボス部と支軸とが形成する油室に圧油を供給する
と、油圧ピストンがファイナルギヤの方に摺動操作さ
れ、伝動体としての従動回転体を摺動操作して操向クラ
ッチを切りに切り換え操作する。さらに油圧ピストンが
摺動操作されると、従動回転体をさらに摺動操作して従
動回転体の突出リング部を制動プレートに押圧作用させ
ることによってブレーキディスクとしてのブレーキプレ
ートを操作リングに押圧させ、操向ブレーキを入りに切
り換え操作する。前記操作リングがブレーキカムによっ
て回動操作でき、この回動操作を行うと、操作リングが
乗上がりカム機構の作用で駆動ギヤの側に押されてブレ
ーキプレートを制動プレートに押圧して操向ブレーキを
入りに切り換え操作する。つまり、油圧ピストンのため
のバルブ操作を行うだけの軽い操作で操向クラッチと操
向ブレーキとを操作して機体の操向が行えるとともに、
操向ブレーキを、油圧ピストンとは異なる操作手段によ
って操作して駐車用や走行用のブレーキに使用できるも
のがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の上記走行用伝動
装置の場合、センタギヤの支軸の内部に設ける支軸内油
路と、ミッションケースの内部に設けるケース内油路と
によって油圧ピストンのための操作油路を形成するとと
もに、支軸内油路とケース内油路とを接続するロータリ
ジョイントを支軸とミッションケースとの間に設けるこ
とにより、油圧ピストンをミッションケースの外部から
操作できるようになるのであり、操作油路の構造が複雑
になっていた。本発明の目的は、油圧ピストンが比較的
構造簡単な操作油路で操作できるとともに操向ブレーキ
が油圧ピストンを使用しないでも操作できる走行用伝動
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構
成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕駆動回動自在なセンタギヤの横側
に位置する走行装置駆動ギヤ、この走行装置駆動ギヤに
噛み合うとともに前記センタギヤの支軸に摺動自在に外
嵌する伝動体、前記センタギヤから走行装置への回動力
伝達を入り切りして機体操向を行うように前記伝動体に
付設した操向クラッチ、前記伝動体に一体回転及び摺動
自在に係合するブレーキディスクが押圧されることによ
って走行装置に制動力を付与して機体操向を行わせる操
向ブレーキのそれぞれを備えるとともに、前記伝動体を
前記走行装置駆動ギヤに噛み合わせたままで摺動操作す
ることによって前記操向クラッチを操作して、かつ、前
記ブレーキディスクを操作することによって前記操向ブ
レーキを操作して、前記操向クラッチが入りで前記操向
ブレーキが切りの操向状態と、前記操向クラッチが切り
で前記操向ブレーキが入りの操向状態とを現出させる油
圧ピストンを備えてある走行用伝動装置において、前記
油圧ピストンを前記走行装置駆動ギヤに対して前記セン
タギヤとは反対側に配置し、前記ブレーキディスクに受
け止め作用して制動力を発揮させる受止め部を、前記ブ
レーキディスクに対して前記油圧ピストンが位置する側
に設け、前記ブレーキディスクを前記受止め部に押圧操
作するブレーキ入り位置と、ブレーキディスクの前記受
止め部に対する押圧操作を解除するブレーキ切り位置と
に摺動自在なブレーキ操作部材を、前記ブレーキディス
クに対して前記油圧ピストンとは反対側に設けるととも
に、前記ブレーキ操作部材を前記ブレーキ入り位置と前
記ブレーキ切り位置とに切り換え操作する操作手段を備
えてある。
【0006】〔作用〕油圧ピストンを走行装置駆動ギヤ
に対してセンタギヤとは反対側に配置してあるから、油
圧ピストンをミッションケースなどの固定部に設けて、
ミッションケースの内部に設けたケース内油路によって
油圧ピストンの操作油路を形成し、上記した支軸内油路
及びロータリジョイントを不要にしながら油圧ピストン
をミッションケースの外部から操作できるものである。
ブレーキ操作手段によってブレーキ操作部材をブレーキ
入り位置に操作すると、このブレーキ操作部材がブレー
キディスクをこのブレーキディスクに対して油圧ピスト
ンが位置する側の受止め部に押圧操作して操向ブレーキ
を入りに操作する。ブレーキ操作部材をブレーキ切り位
置に操作すると、このブレーキ操作部材がブレーキディ
スクの前記受止め部に対する押圧操作を解除して操向ブ
レーキを切りに操作するものだから、油圧ピストンを操
作しなくとも、ブレーキ操作手段を操作するだけで操向
ブレーキを入り切り操作操作できる。
【0007】〔効果〕したがって、操向ブレーキを油圧
ピストンとは別の操作手段によって操作して駐車用や走
行用のブレーキに利用でき、しかも、油圧ピストンの操
作油路を構造簡単に形成して構造面や経済面で有利に得
られる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成におい
て、前記ブレーキ操作部材がミッションケースに回動自
在に支持され、ブレーキ操作部材がミッションケースに
対して回動するに伴ってブレーキ操作部材を前記伝動体
の摺動方向に移動操作するカム機構と、ミッションケー
スに回転操作自在に支持されてブレーキ操作部材を回転
操作する回転操作軸とによって前記操作手段を構成して
ある。
【0010】〔作用〕回転操作軸を回転操作してブレー
キ操作部材を回転操作すると、ブレーキ操作部材がカム
機構のための伝動体の摺動方向に移動操作されて操向ブ
レーキを操作するものである。
【0011】〔効果〕構造面や経済面での有利化を図り
ながら操向ブレーキを駐車用や走行用のブレーキに利用
できるものが、操向ブレーキを駐車用や走行用に利用す
る際、回転操作軸を回転させるだけで操作簡単に操作で
きるように操作面でも有利な状態に得えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示すように、左右一対のク
ローラ走行装置10a,10bによって自走し、搭乗型
の運転部、運転座席1の下方に位置する原動部を備える
自走機体の前部に、刈取り前処理装置2をリフトシリン
ダ3によって上下に揺動操作するように連結するととも
に、この刈取り前処理装置2の後方に位置する脱穀装置
4、この脱穀装置4の横側に位置する穀粒タンク5を前
記自走機体に設けて、コンバインを構成してある。すな
わち、刈取り前処理装置2は、稲、麦などの植立穀稈を
引き起こし装置2aによって引き起し処理するとともに
バリカン型の刈取り装置2bによって刈取り処理し、刈
取り装置2bからの刈取り穀稈を株元側に作用する株元
側挟持搬送装置部と穂先側に作用する穂先側係止搬送装
置部とで成る搬送装置2cによって縦姿勢で機体後方側
に搬送するとともに搬送終端部で横倒れ姿勢に姿勢変更
して脱穀装置4の脱穀フィードチェーン4aの始端部に
供給していく。脱穀装置4は、脱穀フィードチェーン4
aによって刈取り穀稈の穂先側を扱室に供給し、機体前
後方向に沿う方向の軸芯まわりで回動する扱胴で脱穀処
理し、脱穀粒を穀粒タンク5に搬送して供給していく。
【0013】前記原動部にエンジン6を設け、このエン
ジン6の回転出力を図2及び図3に示す走行用伝動装置
によって前記両走行装置10a,10bに伝達するよう
に構成してある。すなわち、エンジン6の出力軸6aの
回動力をベルトテンションクラッチ7を介してミッショ
ンケース20の入力軸21に伝達する。ミッションケー
ス20の内部において、前記入力軸21の回動力をギヤ
機構22を介して第1副変速装置23の入力軸23aに
伝達し、前記入力軸21に相対回転自在に外嵌している
筒軸で成る第1副変速装置23の出力軸23bの回動力
を、二つの変速クラッチ24a,24bを備える第2副
変速装置24に伝達し、この第2副変速装置24の出力
軸24cの回動力を四つの変速クラッチ25a〜25d
を備える主変速装置25に伝達し、この主変速装置25
の一対の出力軸25e,25fそれぞれに一体回転自在
に支持されている出力ギヤ25g,25hが一つのセン
タギヤ26に噛み合って回動力を伝達する。このセンタ
ギヤ26の回動力を、一対の走行装置10a,10bの
うちの左走行装置10aのクローラ駆動軸11aが一体
回動自在に備えているとともに前記センタギヤ26の横
側近くに位置する左走行装置駆動ギヤ12aに左操向ク
ラッチ30aを介して伝達し、前記センタギヤ26の回
動力を、一対の走行装置10a,10bのうちの右走行
装置10bのクローラ駆動軸11bが一体回動自在に備
えているとともに前記センタギヤ26の横側近くに位置
する右走行装置駆動ギヤ12bに右操向クラッチ30b
を介して伝達する。すなわち、主変速装置25からの回
動力をセンタギヤ26によって左走行装置10aの側と
右走行装置10bの側に分岐させて伝達する。
【0014】第1副変速装置23は、前記入力軸23a
にこれとのスプライン噛み合いために一体回転及び摺動
自在に支持されるシフトギヤ体23cを備えている。こ
のシフトギヤ体23cをこれに連動する変速レバー(図
示せず)の人為操作によってスライド操作し、前記出力
軸23bが一体回動自在に支持している変速ギヤに兼用
の出力ギヤ23dと変速ギヤ23eとに掛け換えること
により、第1副変速装置23が高速と低速の2段階に変
速する。すなわち、シフトギヤ体23cが備える一対の
ギヤのうちの一方のギヤが前記出力ギヤ23dに噛み合
うと、入力軸23aの回動力をシフトギヤ体23cを介
して出力ギヤ23dに伝達するように低速状態になる。
シフトギヤ体23cの他方のギヤが前記変速ギヤ23e
に噛み合うと、入力軸23aの回動力をシフトギヤ体2
3c、変速ギヤ23e、出力軸23bを介して出力ギヤ
23fに伝達するように高速状態になる。
【0015】第2副変速装置24の前記二つの変速クラ
ッチ24a,24bのうちの一方24aは、低速クラッ
チであり、第1副変速装置23の前記出力ギヤ23fに
噛み合う状態で出力軸24cに相対回転自在に支持され
ている低速伝動ギヤ24dを出力軸24cに一体回転す
るように連結したり、この連結を解除したりする。二つ
の変速クラッチ24a,24bのうちの他方24bは、
高速クラッチであり、第1副変速装置23の前記出力ギ
ヤ23dに噛み合う状態で出力軸24cに相対回転自在
に支持されている高速伝動ギヤ24eを出力軸24cに
一体回転するように連結したり、この連結を解除したり
する。これにより、二つの変速クラッチ24a,24b
を一方が入りで他方が切りになるように操作することに
より、第2副変速装置24が高速と低速の2段階に変速
する。すなわち、低速クラッチ24aを入りで高速クラ
ッチ24bを切りに操作することにより、第1副変速装
置23の出力ギヤ23fの回動力を低速伝動ギヤ24
d、低速クラッチ24aを介して出力軸24cに伝達す
るように低速状態になる。低速クラッチ24aを切りで
高速クラッチ24bを入りに操作することにより、第1
副変速装置23の出力ギヤ23dの回動力を高速伝動ギ
ヤ24e、高速クラッチ24bを介して出力軸24cに
伝達するように高速状態になる。
【0016】主変速装置25の四つの変速クラッチ25
a〜25dのうちのクラッチ25aは、第1速クラッチ
であり、第2副変速装置24の出力軸24cが一体回転
自在に支持する一対の出力ギヤ24f,24gのうちの
一方の出力ギヤ24fに噛み合う状態で前記出力軸25
eに相対回転自在に支持されている伝動ギヤ25jを出
力軸25eに一体回転するように連結したり、この連結
を解除したりする。四つの変速クラッチ25a〜25d
のうちのクラッチ25bは、第2速クラッチであり、第
2副変速装置24の前記出力ギヤ24gに噛み合う状態
で前記出力軸25fに相対回転自在に支持されている伝
動ギヤ25kを出力軸25fに一体回転するように連結
したり、この連結を解除したりする。四つの変速クラッ
チ25a〜25dのうちのクラッチ25cは、第3速ク
ラッチであり、第2副変速装置24の前記出力ギヤ24
gに噛み合う状態で前記出力軸25eに相対回転自在に
支持されている伝動ギヤ25mを出力軸25eに一体回
転するように連結したり、この連結を解除したりする。
四つの変速クラッチ25a〜25dのうちのクラッチ2
5dは、後進クラッチであり、前記出力軸25eが相対
回転自在に支持する前記伝動ギヤ25jに噛み合う状態
で前記出力軸25fに相対回転自在に支持されている伝
動ギヤ25nを出力軸25fに一体回転するように連結
したり、この連結を解除したりする。出力軸25eが一
体回転自在に支持している前記出力ギヤ25gも、出力
軸25fが一体回転自在に支持している前記出力ギヤ2
5hも前記センタギヤ26に噛み合っている。これによ
り、四つの変速クラッチ25a〜25dをいずれか一つ
が入りで他の三つが切りになるように操作することによ
り、主変速装置25が前進3段と後進1段の計4段階に
変速する。すなわち、第1速クラッチ25aを入りで他
のクラッチ25b〜25dを切りに操作することによ
り、第2副変速装置24の出力ギヤ24fの回動力を伝
動ギヤ25j、第1速クラッチ25a、出力軸25e、
出力ギヤ25gを介してセンタギヤ26に伝達するよう
に前進第1速になる。第2速クラッチ25bを入りで他
のクラッチ25a,25c,25dを切りに操作するこ
とにより、第2副変速装置24の出力ギヤ24cの回動
力を伝動ギヤ25k、第2速クラッチ25b、出力軸2
5f、出力ギヤ25hを介してセンタギヤ26に伝達す
るように前進第2速になる。第3速クラッチ25cを入
りで他のクラッチ25a,25b,25dを切りに操作
することにより、第2副変速装置24の出力ギヤ24c
の回動力を伝動ギヤ25m、第3速クラッチ25c、出
力軸25e、出力ギヤ25gを介してセンタギヤ26に
伝達するように前進第3速になる。後進クラッチ25d
を入りで他のクラッチ25a〜25cを切りに操作する
ことにより、第2副変速装置24の出力ギヤ24fの回
動力を伝動ギヤ25j、伝動ギヤ25n、後進クラッチ
25d、出力軸25f、出力ギヤ25hを介してセンタ
ギヤ26に伝達するように後進状態になる。
【0017】第2副変速装置24の前記二つの変速クラ
ッチ24a,24b、主変速装置25の前記四つの変速
クラッチ25a〜25dのそれぞれを、クラッチボディ
の内部に位置する油圧ピストンPL,PH,P1〜P
3,PRによって入り切り操作するように油圧クラッチ
に構成するとともに、前記六つの油圧ピストンPL,P
H,P1〜P3,PRを操作する一つの変速バルブ41
を前記運転部に設けた1本の変速レバー42によって切
り換え操作して機体の前後進切り換えや走行変速を行う
変速操作装置40を図5に示す如く構成してある。
【0018】すなわち、変速バルブ41は、中立位置
N、六つの前進位置F1〜F6、二つの後進位置RL,
RHを備えるロータリバルブに構成してある。この変速
バルブ41の入力側を、クラッチ圧設定用の減圧弁43
を備えている給油路44を介して圧油供給されるように
油圧ポンプ45に接続するとともに、アキュムレータ4
6を備える遅延回路47に接続し、この変速バルブ41
の出力側を、前記六つの変速クラッチ24a,24b,
25a〜25dそれぞれの前記油圧ピストンPL,P
H,P1〜P3,PRを備えるピストン室に操作油路4
8〜53を介して操作油の供給と排出とを行うように接
続してある。
【0019】つまり、変速レバー42を機体前後方向に
揺動操作して変速バルブ41を前記中立位置Nに操作す
ると、変速バルブ41が第2副変速装置24の二つの変
速クラッチ24a,24bそれぞれの油圧ピストンP
L,PHも、主変速装置25の四つの変速クラッチ25
a〜25dそれぞれの油圧ピストンP1〜P3,PRも
クラッチ切り位置に操作する。これにより、第2副変速
装置24も主変速装置25も伝動を停止するように中立
状態になり、機体が走行停止する。変速レバー42をさ
らに機体前方側に揺動操作して変速バルブ41を前進位
置F1に操作すると、変速バルブ41が第2副変速装置
24の低速クラッチ24aの油圧ピストンPLをクラッ
チ入り位置で高速クラッチ24bの油圧ピストンPHを
クラッチ切り位置に操作し、主変速装置25の第1速ク
ラッチ25aの油圧ピストンP1をクラッチ入り位置で
その他の変速クラッチ25b〜25dそれぞれの油圧ピ
ストンP2〜P3,PRをクラッチ切り位置に操作す
る。これにより、第2副変速装置24が低速で主変速装
置25が前進第1速になり、機体が前進1速で走行す
る。変速レバー42をさらに機体前方側に操作して変速
バルブ41を前進位置F2に操作すると、変速バルブ4
1が第2副変速装置24の低速クラッチ24aの油圧ピ
ストンPLをクラッチ入り位置で高速クラッチ24bの
油圧ピストンPHをクラッチ切り位置に操作し、主変速
装置25の第2速クラッチ25bの油圧ピストンP2を
クラッチ入り位置でその他の変速クラッチ25a,25
c,25dそれぞれの油圧ピストンP1,P3,PRを
クラッチ切り位置に操作する。これにより、第2副変速
装置24が低速で主変速装置25が前進第2速になり、
機体が前進2速で走行する。変速レバー42をさらに機
体前方側に揺動して変速バルブ41を前進位置F3に操
作すると、変速バルブ41が第2副変速装置24の低速
クラッチ24aの油圧ピストンPLをクラッチ入り位置
で高速クラッチ24bの油圧ピストンPHをクラッチ切
り位置に操作し、主変速装置25の第3速クラッチ25
cの油圧ピストンP3をクラッチ入り位置でその他の変
速クラッチ25a,25b,25dそれぞれの油圧ピス
トンP1,P2,PRをクラッチ切り位置に操作する。
これにより、第2副変速装置24が低速で主変速装置2
5が前進第3速になり、機体が前進3速で走行する。変
速レバー42をさらに機体前方側に揺動操作して変速バ
ルブ41を前進位置F4に操作すると、変速バルブ41
が第2副変速装置24の低速クラッチ24aの油圧ピス
トンPLをクラッチ切り位置で高速クラッチ24bの油
圧ピストンPHをクラッチ入り位置に操作し、主変速装
置25の第1速クラッチ25aの油圧ピストンP1をク
ラッチ入り位置でその他の変速クラッチ25b〜25d
それぞれの油圧ピストンP2,P3,PRをクラッチ切
り位置に操作する。これにより、第2副変速装置24が
高速で主変速装置25が前進第1速になり、機体が前進
4速で走行する。変速レバー42をさらに機体前方側に
揺動操作して変速バルブ41を前進位置F5に操作する
と、変速バルブ41が第2副変速装置24の低速クラッ
チ24aの油圧ピストンPLをクラッチ切り位置で高速
クラッチ24bの油圧ピストンPHをクラッチ入り位置
に操作し、主変速装置25の第2速クラッチ25bの油
圧ピストンP2をクラッチ入り位置でその他の変速クラ
ッチ25a,25c,25dそれぞれの油圧ピストンP
1,P3,PRをクラッチ切り位置に操作する。これに
より、第2副変速装置24が高速で主変速装置25が前
進第2速になり、機体が前進5速で走行する。変速レバ
ー42をさらに機体前方側に揺動操作して変速バルブ4
1を前進位置F6に操作すると、変速バルブ41が第2
副変速装置24の低速クラッチ24aの油圧ピストンP
Lをクラッチ切り位置で高速クラッチ24bの油圧ピス
トンPHをクラッチ入り位置に操作し、主変速装置25
の第3速クラッチ25cの油圧ピストンP3をクラッチ
入り位置でその他の変速クラッチ25a,25b,25
dそれぞれの油圧ピストンP1,P2,PRをクラッチ
切り位置に操作する。これにより、第2副変速装置24
が高速で主変速装置25が前進第3速になり、機体が前
進6速で走行する。変速レバー42を中立位置から機体
後方側に揺動操作して変速バルブ41を後進位置RLに
操作すると、変速バルブ41が第2副変速装置24の低
速クラッチ24aの油圧ピストンPLをクラッチ入り位
置で高速クラッチ24bの油圧ピストンPHをクラッチ
切り位置に操作し、主変速装置25の後進クラッチ25
dの油圧ピストンPRをクラッチ入り位置でその他の変
速クラッチ25a〜25cそれぞれの油圧ピストンP1
〜P3をクラッチ切り位置に操作する。これにより、第
2副変速装置24が低速で主変速装置25が後進状態に
なり、機体が後進1速で走行する。変速レバー42をさ
らに機体後方側に揺動操作して変速バルブ41を後進位
置RHに操作すると、変速バルブ41が第2副変速装置
24の低速クラッチ24aの油圧ピストンPLをクラッ
チ切り位置で高速クラッチ24bの油圧ピストンPHを
クラッチ入り位置に操作し、主変速装置25の後進クラ
ッチ25dの油圧ピストンPRをクラッチ入り位置でそ
の他の変速クラッチ25a〜25cそれぞれの油圧ピス
トンP1〜P3をクラッチ切り位置に操作する。これに
より、第2副変速装置24が高速で主変速装置25が後
進状態になり、機体が後進2速で走行する。変速レバー
42を前進側、後進側いずれの走行用の操作位置に操作
した際にも、遅延回路47のアキュムレータ46による
蓄圧作用により、第2副変速装置24における変速クラ
ッチ25a,25bの油圧ピストンPL,PHに作用す
る油圧が所定の伝動用圧力に達した後に、主変速装置2
5における変速クラッチ25a〜25dの油圧ピストン
P1〜P3,PRに作用する油圧が所定の伝動用圧力ま
で上昇する。これにより、第2副変速装置24の変速ク
ラッチ24a,24bが伝動用クラッチ圧に到達した後
に主変速装置25の変速クラッチ25a〜25dが伝動
用クラッチ圧に到達する。尚、図5に示す潤滑油路54
は、前記リフトシリンダ3を操作する油圧回路からの排
油を第2副変速装置24及び主変速装置25の変速クラ
ッチ24a,24b,25a〜25dに潤滑用に供給す
るものである。
【0020】図4に示すように、前記左走行装置駆動ギ
ヤ12aと左操向クラッチ30aとの間に、左操向ブレ
ーキ60aを左走行装置10aに制動作用するように構
成して設け、前記右走行装置駆動ギヤ12bと右操向ク
ラッチ30aとの間に、右操向ブレーキ60bを右走行
装置10bに制動作用するように構成して設けてある。
【0021】左操向クラッチ30aと右操向クラッチ3
0bのそれぞれは、前記センタギヤ26のボス部を貫通
してこのセンタギヤ26を支持するように、かつ、両端
部でミッションケース20の一部分20aにボールベア
リング27を介して相対回転自在に支持されるように構
成した回転支軸28のうちの前記走行装置駆動ギヤ12
a,12bに対してセンタギヤ26とは反対側に位置す
る支軸部分に外嵌する駆動側のクラッチ体31と、前記
回転支軸27に相対回転及び摺動自在に外嵌する筒型の
伝動体32の端部に備えさせたクラッチ爪で成る受動側
のクラッチ体32aとによって構成してある。支軸28
は、中間部でセンタギヤ26のボス部の内周面側のスプ
ライン部に噛み合っていることにより、センタギヤ26
に対してこれと一体回転するように連結している。クラ
ッチ体31は、回転支軸28の外周面側のスプライン部
に噛み合っていることによって回転支軸28と一体回転
する。伝動体32は、これの外周面側に備えてあるギヤ
部Gの作用により、走行装置駆動ギヤ12a,12bに
回動力を伝達するように噛み合い、かつ、この噛み合い
を維持したままで支軸28に対して摺動して、受動側の
クラッチ体32aが駆動側のクラッチ体31のクラッチ
爪部31aに噛み合う入り状態と、受動側のクラッチ体
32aが駆動側のラッチ体31のクラッチ爪31aから
外れる切り状態とに切り換わるように構成してある。こ
れにより、左操向クラッチ30aも右操向クラッチ30
bも、伝動体32が摺動操作され、受動側のクラッチ体
32aが駆動側のクラッチ体31のクラッチ爪部31a
に噛み合うことによって入り状態になり、受動側のクラ
ッチ体32aが駆動側のクラッチ体31のクラッチ爪部
31aから外れることによって切り状態になる。そし
て、入り状態になると、センタギヤ26と一体回転する
回転支軸28と、走行装置駆動ギヤ12a,12bに噛
み合っている伝動体32とを一体回転するように連結す
ることにより、センタギヤ26の回動力を走行装置駆動
ギヤ12a,12bに伝達する。切り状態になると、回
転支軸28と伝動体32とが相対回転するように両者の
連結を解除することにより、センタギヤ26から走行装
置駆動ギヤ12a,12bへの伝動を切る。
【0022】左操向ブレーキ60aと右操向ブレーキ6
0bのそれぞれは、前記伝動体32の前記ギヤ部Gに内
周側が噛み合うことによって伝動体32と一体回動する
複数枚のブレーキディスク61と、これらのブレーキデ
ィスク61どうしの間に内周側が入り込む状態で外周側
がミッションケース20の係止部20bに係合すること
によってミッションケース20に回転不能に支持されて
いる複数枚の摩擦ディスク62とで成る多板式の摩擦ブ
レーキ本体、このブレーキ本体に対して走行装置駆動ギ
ヤ12a,12bとは反対側で前記係止部20bに摺動
自在に支持されるリング型プレートで成る第1ブレーキ
操作部材63を備えている。左操向ブレーキ60aと右
操向ブレーキ60bのうちの右操向ブレーキ60bは、
前記ブレーキ本体に対して前記油圧ピストンPbとは反
対側で前記係止部20bに支持されるリング型の第2ブ
レーキ操作部材65を備えている。すなわち、左操向ブ
レーキ60aにおいては、第1ブレーキ操作部材63が
走行装置駆動ギヤ12aの方に押圧操作されてブレーキ
ディスク61及び摩擦ディスク62をミッションケース
20の一部分で成る受止め部64に押圧すると、ブレー
キ本体が走行装置駆動ギヤ12aに噛み合っている伝動
体32に摩擦制動力を付与することにより、走行装置1
0aに制動作用するように入り状態になる。そして、第
1ブレーキ操作部材63によるブレーキディスク61、
摩擦ディスク62の受止め部64に対する押圧を解除す
ると、ブレーキ本体が伝動体32に対する摩擦制動力の
付与を解除することにより、走行装置10aに対する制
動作用を解除するように切り状態になる。
【0023】右操向ブレーキ60aにおいては、第1ブ
レーキ操作部材63が走行装置駆動ギヤ12bの方に押
圧操作されてブレーキディスク61及び摩擦ディスク6
2をミッションケース20の一部分で成る受止め部64
で受け止め支持される前記第2ブレーキ操作部材65に
押圧すると、ブレーキ本体が走行装置駆動ギヤ12bに
噛み合っている伝動体32に摩擦制動力を付与すること
により、走行装置10bに制動作用するように入り状態
になる。そして、第1ブレーキ操作部材63によるブレ
ーキディスク61、摩擦ディスク62の第2ブレーキ操
作部材65に対する押圧を解除すると、ブレーキ本体が
伝動体32に対する摩擦制動力の付与を解除することに
より、走行装置10bに対する制動作用を解除するよう
に切り状態になる。
【0024】前記左操向クラッチ30aと左操向ブレー
キ60aとの両方を操作する一つの左油圧ピストンP
a、前記右操向クラッチ30bと右操向ブレーキ60b
との両方を操作する一つの右油圧ピストンPb、二つの
油圧ピストンPa,Pbを操作する一つの操向バルブ7
1、二つの油圧ピストンPa,Pbに作用する油圧を調
節する一つの可変リリーフ弁72、この可変リリーフ弁
72及び前記操向バルブ71に連動機構79を介して連
動させて前記運転部に機体横方向に揺動操作自在に設け
た1本の操向レバー73を備える操向操作装置70を次
の如く構成してある。
【0025】すなわち、図4に示すように、左油圧ピス
トンPaは、左走行装置駆動ギヤ12aに対してセンタ
ギヤ26とは反対側に配置してミッションケース部分2
0aの内面部に取り付け、右油圧ピストンPbは、右走
行装置駆動ギヤ12bに対してセンタギヤ26とは反対
側に配置してミッションケース部分20aの内面部に取
り付けてあり、左油圧ピストンPaも右油圧ピストンP
bも操向クラッチ30a,30bと操向ブレーキ60
a,60bを次の如く操作する。すなわち、油圧ピスト
ンPa,Pbを摺動自在に支持するようにミッションケ
ース部分20aに形成してあるピストン室20cに操作
油を供給すると、この圧油が油圧ピストンPa,Pbを
ピストン室20cから突出する側に摺動操作する。する
と、油圧ピストンPa,Pbがこの油圧ピストンPa,
Pbと伝動体32との相対回転をスムーズにするプレー
トで成る伝動体32の操作部32bに押圧作用して先ず
伝動体32のみをセンタギヤ26の方に摺動操作し、受
動側クラッチ体32aを駆動側クラッチ体31のクラッ
チ爪部31aから離脱させる。この後、前記操作部32
bの外周側が前記ブレーキ操作プレート63に当接し、
油圧ピストンPa,Pbが伝動体32の操作部32bを
介してブレーキ操作プレート63をセンタギヤ26の方
に押し操作し、ブレーキ操作プレート63がブレーキデ
ィスク61及び摩擦ディスク62を受止め部64に押圧
するまで押し操作する。この状態から、ピストン室20
cを排油状態に操作すると、伝動体32の内部に伝動体
32を駆動側クラッチ体31の方に摺動付勢するように
設けてあるリターンばね34が油圧ピストンPa,Pb
をピストン室20cに引退する側に摺動操作する。する
と、油圧ピストンPa,Pbがブレーキ操作プレート6
3に対する押圧操作を解除し、ブレーキ操作プレート6
3によるブレーキディスク61及び摩擦ディスク62の
受止め部64に対する押圧を解除させる。この後、油圧
ピストンPa,Pbがピストン室20cに引退する側に
さらに摺動し、伝動体32をリターンばね34によって
駆動側クラッチ体31の方に摺動させて受動側クラッチ
体32aを駆動側クラッチ体31のクラッチ爪部31a
に係合させる。これにより、左走行装置10aの側にお
いても、右走行装置10bの側においても、一つの油圧
ピストンPa,Pbによって操向クラッチ30a,30
bと操向ブレーキ60a,60bとを操作できるととも
に、操向クラッチ30a,30bが入りで操向ブレーキ
60a,60bが切りの直進操向状態と、操向クラッチ
30a,30b及び操向ブレーキ60a,60bが切り
の緩旋回状態と、操向クラッチ30a,30bが切りで
操向ブレーキ60a,60bが入りの急旋回状態とが択
一的に現出されるように操作できる。
【0026】図5に示すように、操向バルブ71は、ス
プール(図示せず)を摺動操作することによって左右の
油圧ピストンPa,Pbに排油させる中立位置Nと、左
油圧ピストンPaに圧油を供給する左操向位置Lと、右
油圧ピストンPbに圧油を供給する右操向位置Rとの三
つの操作位置に切り換わる三位置切り換えバルブに構成
し、前記ミッションケース20の機体後方側の側壁の外
面側に取り付けてある。この操向バルブ71の入力側
を、ピストン操作圧設定用の圧力調節弁74を備えてい
る給油路75を介して圧油供給されるように前記油圧ポ
ンプ45に接続し、この操向バルブ71の出力側を、左
油圧ピストンPaを備える前記ピストン室20cに操作
油路76を介して操作油の供給と排出とを行うように接
続し、右油圧ピストンPbを備える前記ピストン室20
cに操作油路77を介して操作油の供給と排出とを行う
ように接続してある。
【0027】可変リリーフ弁72は、前記ミッションケ
ース20の機体後方側の側壁の外面側に前記操向バルブ
71と機体横方向に並べて取り付けるとともに、前記左
右一対のピストン室20cの両方から操作油をタンクに
排出する排油路78における油の流動抵抗を変更して油
圧ピストンPa,Pbの作動ストロークを調節するよう
に前記排油路78に作用させてある。すなわち、可変リ
リーフ弁72を緩旋回用に設定してある低圧のリリーフ
圧状態に操作すると、操向バルブ71を左操向位置Lに
操作して油圧ピストンPaを駆動させたり、右操向位置
Rに操作して油圧ピストンPbを駆動させたりしても、
排油路78の流動抵抗が小になって油圧ピストンPa,
Pbの作動ストロークが小になり、油圧ピストンPa,
Pbを操向クラッチ30a,30b及び操向ブレーキ6
0a,60bの両方を切りに操作する状態に維持でき
る。そして、可変リリーフ弁72を急旋回用に設定して
ある高圧のリリーフ圧状態に操作すると、操向バルブ7
1を左操向位置Lに操作して油圧ピストンPaを駆動さ
せる場合も、右操向位置Rに操作して油圧ピストンPb
を駆動させる場合も、排油路78の流動抵抗が大になっ
て油圧ピストンPa,Pbの作動ストロークが大にな
り、油圧ピストンPa,Pbが操向クラッチ30a,3
0bを切りで操向ブレーキ60a,60bを入りに操作
するように駆動できる。
【0028】前記連動機構79は、可変リリーフ弁72
の操作部を操向レバー73に連動させるリリーフ弁連動
機構79aと、このリリーフ弁連動機構79aのうちの
リリーフ弁72の操作部に直接に連結する連動部材の作
動を操向バルブ71の操作部に伝達する終端連動部79
bとで成り、操向レバー73が直進位置Sに切り換わる
と操向バルブ71が中立位置Nに切り換わり、操向レバ
ー73が第1左旋回位置L1に切り換わると、可変リリ
ーフバルブ72が緩旋回用の低圧側のリリーフ圧状態に
切り換わるとともに操向バルブ71が左操向位置Lに切
り換わり、操向レバー73が第1右旋回位置R1に切り
換わると、可変リリーフバルブ72が緩旋回用の低圧側
のリリーフ圧状態に切り換わるとともに操向バルブ71
が右操向位置Rに切り換わるように構成してある。前記
終端連動部79bには弾性変形自在な連動部材でなる弾
性連動部(図示せず)を備えてあり、操向レバー73が
第1左旋回位置L1から第2左旋回位置L2に切り換わ
った際には、操向バルブ71が先に左操向位置Lに切り
換わっていてその操作部がストロークエンドに達してい
ることにより、弾性連動部が弾性変形し、操向バルブ7
1を左操向位置Lに維持しながら可変リリーフ弁72が
急旋回用の高圧側のリリー圧状態に切り換わるように、
かつ、操向レバー73が第1右旋回位置R1から第2右
旋回位置R2に切り換わった際には、操向バルブ71が
先に右操向位置Rに切り換わっていてその操作部がスト
ロークエンドに達していることにより、弾性連動部が弾
性変形し、操向バルブ71を右操向位置Lに維持しなが
ら可変リリーフ弁72が急旋回用の高圧側のリリー圧状
態に切り換わるように構成してある。
【0029】つまり、操向レバー73を揺動操作して機
体の操向操作を行うのである。すなわち、操向レバー7
3を直進位置Sに操作すると、操向バルブ71が中立位
置Nになって左油圧ピストンPaも右油圧ピストンPb
もクラッチ入りでブーキ切りの操作位置に操作する。こ
れにより、左走行装置10aも右走行装置10bも操向
クラッチ30a,30bが入りで操向ブレーキ60a,
60bが切りの直進操向状態になり、機体は直進してい
く。操向レバー73を直進位置Sから機体左側に揺動操
作して第1左旋回位置L1に操作すると、操向バルブ7
1が左操向位置Lになって左油圧ピストンPaに給油す
るとともに右油圧ピストンPbを排油側に操作し、可変
リリーフ弁72が緩旋回用のリリーフ圧状態になって左
油圧ピストンPaの作動ストロークを前記小ストローク
に調節する。これにより、左走行装置10aは左操向ク
ラッチ30aも左操向ブレーキ60aも切りの緩旋回操
向状態なり、右走行装置10bは右操向クラッチ30b
が入りで右操向ブレーキ60bが切りの直進操向状態に
なり、機体は左向きに大旋回半径で向き変更して走行し
ていく。操向レバー73を第1左旋回位置L1からさら
に機体左側に揺動操作して第2左旋回位置L2に操作す
ると、操向バルブ71が左操向位置Lになって左油圧ピ
ストンPaに給油するとともに右油圧ピストンPbを排
油側に操作し、可変リリーフ弁72が急旋回用のリリー
フ圧状態になって左油圧ピストンPaの作動ストローク
を前記大ストロークに調節する。これにより、左走行装
置10aは左操向クラッチ30aが切りで左操向ブレー
キ60aが入りの急旋回操向状態なり、右走行装置10
bは右操向クラッチ30bが入りで右操向ブレーキ60
bが切りの直進操向状態になり、機体は左向きに小旋回
半径で向き変更して走行していく。操向レバー73を直
進位置Sから機体右側に揺動操作して第1右旋回位置R
1に操作すると、操向バルブ71が右操向位置Rになっ
て右油圧ピストンPbに給油するとともに左油圧ピスト
ンPaを排油側に操作し、可変リリーフ弁72が緩旋回
用のリリーフ圧状態になって右油圧ピストンPbの作動
ストロークを前記小ストロークに調節する。これによ
り、左走行装置10aは左操向クラッチ30aが入りで
左操向ブレーキ60aが切りの直進操向状態なり、右走
行装置10bは右操向クラッチ30bも右操向ブレーキ
60bも切りの緩旋回操向状態になり、機体は右向きに
大旋回半径で向き変更して走行していく。操向レバー7
3を第1右旋回位置R1からさらに機体右側に揺動操作
して第2右旋回位置R2に操作すると、操向バルブ71
が右操向位置Rになって右油圧ピストンPbに給油する
とともに左油圧ピストンPaを排油側に操作し、可変リ
リーフ弁72が急旋回用のリリーフ圧状態になって右油
圧ピストンPaの作動ストロークを前記大ストロークに
調節する。これにより、左走行装置10aは左操向クラ
ッチ30aが入りで左操向ブレーキ60aが切りの直進
操向状態なり、右走行装置10bは右操向クラッチ30
bが切りで右操向ブレーキ60bが入りの急旋回操向状
態になり、機体は右向きに小旋回半径で向き変更して走
行していく。
【0030】図4及び図6に示すように、右操向ブレー
キ60bが備える前記第2ブレーキ操作部材65を、ミ
ッションケース20に対して伝動体32とは各別に伝動
体32の摺動方向に摺動するように、かつ、支軸28の
軸芯まわりで回動するようにミッションケース20の前
記係止部20aに摺動及び回動自在に支持させてある。
そして、前記ミッションケース部分20aが機体前後向
きに沿う方向の軸芯81bまわりで回動自在に支持する
ブレーキ操作軸81と、このブレーキ操作軸81のミッ
ションケース外に突出している端部が一体回動自在に備
えている操作レバー82に連動機構83によって連動し
ているブレーキペダル84及びブレーキシリンダ85を
備えている操作部と、前記第2ブレーキ操作部材63と
前記ミッションケース部分20aとの間に設けたカム機
構86とのそれぞれにより、油圧ピストンPbを操作し
ないで右操向ブレーキ60bを操作するためのブレーキ
操作手段80を構成してある。すなわち、ブレーキペダ
ル84を踏み込み操作するか、又は、ブレーキシリンダ
85の排油操作を行うことによってブレーキシリンダ8
5に内装してあるスプリングでブレーキシリンダ85を
短縮側に操作する。すると、連動機構83によって伝達
されるブレーキペダル84又はブレーキシリンダ85の
操作力により、操作レバー82が切り位置OFFから入
り位置ONに揺動操作されてブレーキ操作軸81を操作
レバー82の揺動方向と同一の回動方向に回動操作す
る。すると、ブレーキ操作軸81のミッションケース内
側の端部に一体回転自在に備えてある半月形状の操作カ
ム部81aが、第2ブレーキ操作部材65の外周部に前
記操作カム部81aの先端側が入り込むように形成して
ある切欠き65aの内壁面で成るカムフォロワ部に押圧
作用して第2ブレーキ操作部材65をミッションケース
20に対して回転方向Aに回転操作する。すると、前記
カム機構86は、第2ブレーキ操作部材65の側面にブ
レーキ操作部材の周方向に分散させて備えてある複数の
突出部65bと、ミッションケース20の前記受止め部
64の端面に第2ブレーキ操作部材65の周方向に分散
させて突出させてある複数の押出しカム20dとで成っ
ており、図7(ロ)に示す如く第2ブレーキ操作部材6
5の前記複数の突出部65bそれぞれが前記押出しカム
20dに乗り上がることにより、その押出しカム20d
のカム面の傾斜による押し出し作用によって第2ブレー
キ操作部材65を油圧ピストンPbの方に押し出し操作
する。このため、図9に示すように、第2ブレーキ操作
部材65はブレーキ入り位置になり、ブレーキディスク
61、摩擦ディスク62及び前記第1ブレーキ操作部材
63をブレーキディスク61に対して油圧ピストンPb
が位置する側において前記ミッションケース部分20a
の一部で成る受止め部20eに押し寄せ操作することに
よってブレーキディスク61及び摩擦ディスク62を第
1ブレーキ操作部材65を介して前記受止め部20eに
押圧操作し、右操向ブレーキ60bを入りに操作するよ
うに構成してある。この状態からブレーキペダル84を
リターンバネによる復元力によって切り位置に操作させ
るとともに、ブレーキシリンダ85に圧油を供給してブ
レーキシリンダ85を伸長側に操作する。すると、操作
レバー82が切り位置OFFに戻るとともに、図7
(イ)に示す如く第2ブレーキ操作部材65が受止め部
20eからの押圧反力のために第2ブレーキ操作部材6
5の突出部65bが押出しカム20dの傾斜カム面から
降りる側に回転してブレーキ切り位置になり、ブレーキ
ディスク61及び摩擦ディスク62の受止め部20eに
対する押圧操作を解除する。これにより、右操向ブレー
キ60bが切りに戻る。つまり、機体を駐車する際、右
操向ブレーキ60bを入りに切り換え操作するととも
に、左操向クラッチ30aと右操向クラッチ30bのい
ずれもを入りに操作しておくことにより、右操向ブレー
キ60bが左走行装置10aと右走行装置10bのいず
れにも制動作用し、右操向ブレーキ60bを駐車ブレー
キに利用しながら駐車できる。また、直進走行している
際、ブレーキペダル84を踏み込み操作することによ
り、ブレーキシリンダ85が伸長状態にあってもブレー
キシリンダ85に連結する操作ケーブルがたわむために
操作レバー82を入り位置ONに操作して右操向ブレー
キ60bを入りに操作し、左右の走行装置10a,10
bにブレーキを掛けられる。
【0031】〔別実施形態〕クローラ走行装置10a,
10bに替え、複数個の車輪が機体前後方向に並んで成
る車輪式走行装置を採用する場合にも、本発明は適用で
きる。したがって、これらクローラ走行装置、車輪式走
行装置を総称して走行装置と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】走行用伝動装置の概略図
【図3】走行用伝動装置の伝動軸及び伝動ギヤの配置の
説明図
【図4】操向クラッチ及び操向ブレーキの配置部の断面
【図5】変速操作装置及び操向操作装置の概略図
【図6】ブレーキ操作構造の概略図
【図7】カム機構の側面図
【図8】ブレーキ操作部材の正面図
【図9】操向ブレーキの入り操作状態での説明図
【符号の説明】
10b 走行装置 12b 走行装置駆動ギヤ 20 ミッションケース 20e 受止め部 26 センタギヤ 28 支軸 30b 操向クラッチ 32 伝動体 60b 操向ブレーキ 61 ブレーキディスク 65 ブレーキ操作部材 80 ブレーキ操作手段 81 回転操作軸 86 カム機構 Pb 油圧ピストン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動回動自在なセンタギヤの横側に位置
    する走行装置駆動ギヤ、この走行装置駆動ギヤに噛み合
    うとともに前記センタギヤの支軸に摺動自在に外嵌する
    伝動体、前記センタギヤから走行装置への回動力伝達を
    入り切りして機体操向を行うように前記伝動体に付設し
    た操向クラッチ、前記伝動体に一体回転及び摺動自在に
    係合するブレーキディスクが押圧されることによって走
    行装置に制動力を付与して機体操向を行わせる操向ブレ
    ーキのそれぞれを備えるとともに、前記伝動体を前記走
    行装置駆動ギヤに噛み合わせたままで摺動操作すること
    によって前記操向クラッチを操作して、かつ、前記ブレ
    ーキディスクを操作することによって前記操向ブレーキ
    を操作して、前記操向クラッチが入りで前記操向ブレー
    キが切りの操向状態と、前記操向クラッチが切りで前記
    操向ブレーキが入りの操向状態とを現出させる油圧ピス
    トンを備えてある走行用伝動装置であって、 前記油圧ピストンを前記走行装置駆動ギヤに対して前記
    センタギヤとは反対側に配置し、 前記ブレーキディスクに受け止め作用して制動力を発揮
    させる受止め部を、前記ブレーキディスクに対して前記
    油圧ピストンが位置する側に設け、 前記ブレーキディスクを前記受止め部に押圧操作するブ
    レーキ入り位置と、ブレーキディスクの前記受止め部に
    対する押圧操作を解除するブレーキ切り位置とに摺動自
    在なブレーキ操作部材を、前記ブレーキディスクに対し
    て前記油圧ピストンとは反対側に設けるとともに、前記
    ブレーキ操作部材を前記ブレーキ入り位置と前記ブレー
    キ切り位置とに切り換え操作する操作手段を備えてある
    走行用伝動装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ操作部材がミッションケー
    スに回動自在に支持され、ブレーキ操作部材がミッショ
    ンケースに対して回動するに伴ってブレーキ操作部材を
    前記伝動体の摺動方向に移動操作するカム機構と、ミッ
    ションケースに回転操作自在に支持されてブレーキ操作
    部材を回転操作する回転操作軸とによって前記操作手段
    を構成してある請求項1記載の走行用伝動装置。
JP10367027A 1998-12-24 1998-12-24 走行用伝動装置 Pending JP2000185565A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005262918A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Iseki & Co Ltd トラクタのブレーキシリンダ取付構造

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JP2005262918A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Iseki & Co Ltd トラクタのブレーキシリンダ取付構造
JP4635460B2 (ja) * 2004-03-16 2011-02-23 井関農機株式会社 トラクタ

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