JP3474157B2 - 農作業機の操向装置 - Google Patents

農作業機の操向装置

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JP3474157B2 JP2000267002A JP2000267002A JP3474157B2 JP 3474157 B2 JP3474157 B2 JP 3474157B2 JP 2000267002 A JP2000267002 A JP 2000267002A JP 2000267002 A JP2000267002 A JP 2000267002A JP 3474157 B2 JP3474157 B2 JP 3474157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右一対のクロー
ラ型の走行装置を備えた農作業機の操向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記操向装置としては、例えば、特開2
000−118434号公報に開示されているように、
左右一対のクローラ型の走行装置のそれぞれにサイドク
ラッチが装備されるとともに、サイドクラッチが切られ
た一方の走行装置を減速駆動、あるいは、制動、もしく
は、逆転駆動する旋回用伝動手段が備えられ、ステアリ
ング操作具が、中立位置から左右一方へ操作されると、
先ず、一方の走行装置のサイドクラッチが切られ、引き
続きステアリング操作具が同方向への操作されると、サ
イドクラッチの切られた走行装置と前記旋回用伝動手段
とを旋回用クラッチを介して連動連結するよう構成した
ものが知られており、前記旋回用伝動手段は、シフトギ
ヤを、減速伝動用ギヤに咬合させる緩旋回位置と、逆転
伝動用ギヤに咬合させる超信地旋回位置と、ミッション
ケースの爪部に咬合させるブレーキ旋回位置とのいずれ
かに選択切換え自在に構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構造において
は、ブレーキ旋回モードを現出するのに、シフトギヤを
ミッションケースの内面に形成した爪部に咬合させるよ
うにしていたので、この爪部を無加工で形成しようとす
ればミッションケースの金型が複雑で高価になり、爪部
を機械加工で形成しようとすれば加工コストが高くつく
ことになり、いずれにしてもコストアップを招くもので
あった。
【0004】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであって、安価な構造でブレーキ旋回モードを現
出することができるようにすることを主たる目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の
構成、作用および効果〕
【0006】(構成) 請求項1に係る発明の農作業機
の操向装置は、左右一対のクローラ型の走行装置のそれ
ぞれにサイドクラッチが装備されるとともに、サイドク
ラッチが切られた一方の走行装置を減速駆動、あるい
は、制動、もしくは、逆転駆動する旋回用伝動手段が備
えられ、ステアリング操作具が、中立位置から左右一方
へ操作されると、先ず、一方の走行装置のサイドクラッ
チが切られ、引き続きステアリング操作具が同方向への
操作されると、サイドクラッチの切られた走行装置と前
記旋回用伝動手段とを旋回用クラッチを介して連動連結
するよう構成した農作業機の操向装置において、前記旋
回用伝動手段を、シフトギヤを、減速伝動用のギヤにの
み咬合させる緩旋回位置と、逆転伝動用のギヤにのみ咬
合させる超信地旋回位置と、前記減速伝動用のギヤと前
記逆転伝動用ギヤとに同時咬合させるブレーキ旋回位置
とのいずれかに選択切換え自在に構成してあることを特
徴とする。
【0007】(作用) 上記構成によると、ステアリン
グ操作具を中立位置から左右一方へ操作することで、先
ず、一方のサイドクラッチが切られ、サイドクラッチが
切られた側の走行装置は自由状態となり、サイドクラッ
チが切られない他方の走行装置のみの駆動力によって機
体は緩やかに旋回する。
【0008】また、引き続きステアリング操作具を同方
向に大きく操作すると、サイドクラッチの切られた走行
装置が旋回用伝動手段に連動連結され、予め選択された
旋回モードでの旋回が行われる。例えば、シフトギヤを
減速伝動用のギヤにのみ咬合する緩旋回位置に選択シフ
トしておいた場合には、サイドクラッチの切られた側の
走行装置は他方の走行装置と同方向で減速駆動され、サ
イドクラッチが切られない他方の走行装置との速度差に
基づいた緩旋回が実行される。また、シフトギヤを逆転
伝動用のギヤにのみ咬合する超信地旋回位置に選択シフ
トしておいた場合には、サイドクラッチの切られた側の
走行装置は他方の走行装置と逆方向で駆動されて、機体
は急旋回される。また、シフトギヤを減速伝動用のギヤ
と逆転伝動用のギヤとに同時咬合させるブレーキ旋回位
置に選択シフトしておいた場合には、ギヤの二重咬合に
よって旋回用クラッチの駆動側が回転不能状態になり、
サイドクラッチの切られた側の走行装置は制動され、サ
イドクラッチが切られない他方の走行装置のみの駆動に
よって旋回されてゆく。
【0009】(効果) 従って、請求項1に係る発明に
よると、従来のように、ミッションケースの壁面にシフ
トギヤとの咬合部を形成しなくても、シフトギヤの幅を
二重咬合が可能となる幅に変更するだけでブレーキ旋回
状態を得ることができ、従来と同等の機能をもたらしな
がら構造の簡素化を図ることができ、安価に実施するこ
とが可能となる。
【0010】〔請求項2に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0011】(構成) 請求項2に係る発明の農作業機
の操向装置は、請求項1の発明において、前記旋回用ク
ラッチを多板摩擦クラッチで構成するとともに、ステア
リング操作具の操作量が大きくなるほど旋回用クラッチ
の操作圧が大きくなるように構成してある。
【0012】(作用) 上記構成によると、サイドクラ
ッチが切られた片駆動による旋回モードから予め選択さ
れた旋回モードへの切り換わりは、旋回用クラッチが入
れられることによるが、この旋回用クラッチの入り作動
は多板摩擦式によるので、かみ合い式のクラッチに比較
して衝撃なく滑らかに行われる。また、サイドクラッチ
が切られた後のステアリング操作具の操作量の加減によ
って、旋回用クラッチによる半クラッチでのトルク伝達
状態を得ることができる。
【0013】(効果) 従って、請求項2に係る発明に
よると、選択した旋回モードでの旋回具合を、ステアリ
ング操作具の操作具合で滑らかに変化させることがで
き、希望する機体旋回を自由に行うことができるように
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に、本発明を適用した農作業
機の一例であるコンバインの右側面図が示されている。
このコンバインは、左右一対のクローラ型の走行装置1
L,1Rを備えた走行機体2の前部に、刈取り前処理部
3を昇降自在に連結するとともに、機体上に、脱穀装置
4、穀粒回収タンク5、エンジン6、操縦部7、などを
搭載した構造となっている。
【0015】図2に示すように、前記エンジン6の動力
は、前後進の切換えが可能な主変速装置としての静油圧
式無段変速装置(HST)8に伝達され、その変速出力
が第1軸9を介してミッションケース10に入力され
る。入力された動力は、ギヤG1 ,G2 を介して副変速
機構11に伝達されるとともに、ギヤG1 ,G3 、およ
び、ワンウエイクラッチOCを介して作業用出力軸12
にも伝達され、その正転動力のみがプーリ13を介して
前記刈取り前処理部3にベルト伝達される。なお、前記
静油圧式無段変速装置8は、操縦部7に備えた主変速レ
バー14によって操作される。
【0016】前記副変速機構11は、ギヤG2 を介して
第2軸15に伝達された動力を3段にギヤ変速して第3
軸16に伝達するものであり、ギヤG2 を固着した第2
軸15に、遊嵌ギヤG4 が装着されるとともに、大小の
ギヤG5 ,G6 を一体化したシフトギヤSGがスプライ
ン装着され、他方、第3軸16には、遊嵌ギヤG4 に常
時咬合されるギヤG7 と、シフトギヤSGのギヤG5 ,
G6 に選択咬合されG8 ,G9 を備えている。これによ
ると、シフトギヤSGのギヤG6 をギヤG9 に咬合させ
ることで「低速」が得られ、シフトギヤSGのギヤG5
をギヤG8 に咬合させることで「中速」が得られ、ま
た、シフトギヤSGを同軸上の遊嵌ギヤG4 に側方から
係合連結することで「高速」が得られるようになってい
る。なお、この副変速機構11は、操縦部7に備えた副
変速レバー40によって操作される。
【0017】上記のようにして第3軸16に伝達された
動力は、中央のギヤG8を介して第4軸17のセンター
ギヤG10に伝達された後、左右のサイドクラッチ18
L,18R、ギヤ19L,19R、減速ギヤ機構20
L,20R、および、車軸21L,21Rを介して左右
の走行装置1L,1Rに伝達される。
【0018】前記サイドクラッチ18L,18Rは、第
4軸17に遊嵌されるとともに前記ギヤ19L,19R
に常時咬合されたサイドクラッチギヤ22L,22Rを
シフトして、前記センターギヤG10に側方から咬合ある
いは離脱させることで、センターギヤG10から車軸21
L,21Rへの動力伝達を断続するよう構成されたもの
であり、サイドクラッチギヤ22L,22Rはバネ23
によってセンターギヤG10側、つまり、クラッチ入り方
向に付勢されている。そして、このサイドクラッチギヤ
22L,22Rに作用するシフトフォーク24L,24
Rが、ミッションケース10の外部に配備した操向シリ
ンダ25L,25Rによって操作されるようになってい
る。
【0019】また、前記サイドクラッチギヤ22L,2
2Rは、センターギヤG10との咬合が外れたクラッチ切
り位置に到達した後、第4軸17の両端部位に配備され
た旋回用サイドギヤ26L,26Rに、多板式の旋回用
クラッチ27L,27Rを介して接続可能となってい
る。
【0020】そして、ミッションケース10の左右に連
結したサイドケース10L,10R内には、左右の旋回
用サイドギヤ26L,26Rに作用する旋回モード切換
え用のギヤ切換え機構28L,28Rが配備されてい
る。このギヤ切換え機構28L,28Rは、旋回用サイ
ドギヤ26L,26RをセンターギヤG10の回転方向と
同方向で減速駆動する状態と、センターギヤG10の回転
方向と逆方向で減速駆動する状態と、旋回用サイドギヤ
26L,26Rを固定する状態とに切換えるものであ
る。
【0021】詳述すると、前記第3軸16の左右には一
対のシフトギヤ29L,29Rがスプライン装着される
とともに、左右の各逆転軸30L,30Rには、径の異
なる一対の逆転ギヤ31L,31R、および、32L,
32Rがそれぞれ固着され、かつ、シフトギヤ29L,
29Rは大径の逆転ギヤ31L,31Rに咬合可能、か
つ、旋回用サイドギヤ26L,26Rにも直接咬合可能
に構成されている。また、小径の逆転ギヤ32L,32
Rは、旋回用サイドギヤ26L,26Rにそれぞれ常時
咬合されている。
【0022】ここで、図5に示すように、シフトギヤ2
9L,29Rにおける内周の一端にはスプライン部s1
が部分的に形成されるとともに、内周の他端側には、第
3軸16の外周スプラインsに嵌合するスプラインボス
sbが遊転自在に内嵌装着され、これらによるスプライ
ン嵌合によってシフトギヤ29L,29Rの第3軸16
に対する姿勢が安定保持されている。他方、第3軸16
の両端近くにはシフトギヤ29L,29Rのスプライン
部s1 との咬合を回避するための咬合逃がし溝mが形成
され、シフトギヤ29L,29Rが大径の逆転ギヤ31
L,31Rと旋回用サイドギヤ26L,26Rの両者に
共に咬合する位置にある時(図7参照)、スプライン部
s1 が咬合逃がし溝mに位置して、シフトギヤ29L,
29Rが第3軸16に対して遊転状態となるように構成
されている。また、第3軸16における咬合逃がし溝m
の軸端側にはスプライン部s2 が残されている。
【0023】なお、左右のシフトギヤ29L,29Rは
それぞれシフトフォーク33に係合されて同時に同方向
に同量だけシフト操作されるものであり、図4に示すよ
うに、各シフトフォーク33の操作軸34が連係リンク
35を介して旋回モード選択レバ−36に機械的に連動
連結されている。
【0024】図3に、前記操向シリンダ25L,25R
を操作する操向用の油圧回路図および制御系統図が示さ
れている。図において、V1 は、前記サイドクラッチ1
8L,18Rのサイドクラッチギヤ22L,22Rを択
一的にシフト操作するための操向切換え弁であって、操
縦部7に立設した1本のステアリングレバー37(ステ
アリング操作具)の左右揺動操作に伴って、中立、およ
び、正逆の3位置が選択されるように、ステアリングレ
バー37に機械的に連動連結されている。また、V2
は、操向シリンダ25L,25R操向シリンダ25L,
25Rのストローク中間から導出された排油路dに介在
された可変リリーフ弁であり、前記ステアリングレバー
37が中立位置nから左または右へ大きく離れるほどリ
リーフ圧が高くなるように、ステアリングレバー37に
機械的に連動連結されている。
【0025】本発明に係る操向装置は以上のように構成
されており、以下、その操向作動について説明する。
【0026】前記ステアリングレバー37が中立nにあ
る時には、サイドクラッチ18L,18Rは共にクラッ
チ入り状態にあり、左右のクローラ走行装置1L,1R
は同速で駆動され、機体は直進走行する。
【0027】ステアリングレバー37が中立nから左右
方向の一方、例えば右方の第1操作位置R1 まで揺動操
作されると、操向切換え弁V1 が右旋回位置に切換えら
れ、ポンプPからの圧油を受けて右旋回用の操向シリン
ダ25Rのみが伸出作動する。操向シリンダ25Rのス
トローク途中には排油路dが連通接続されており、圧油
供給を受けた操向シリンダ25Rは伸出作動してサイド
クラッチギヤ22Rがクラッチ切り方向にシフトされ
る。図6中に示すように、サイドクラッチギヤ22Rが
クラッチ切り位置までシフトされたところで、操向シリ
ンダ25Rは排油路dに連通した状態となる。ここで、
ステアリングレバー37が第1操作位置R1 まで揺動操
作されている状態では、可変リリーフ弁V2 のリリーフ
圧は低く、このため操向シリンダ25Rはサイドクラッ
チ切り位置以上に伸長作動することができず、サイドク
ラッチギヤ22Rはクラッチ切り位置に保持される。つ
まり、サイドクラッチ18Rが切られた右側のクローラ
走行装置1Rは遊転状態となり、左側のクローラ走行装
置1Lのみの駆動により機体は右方向に旋回してゆく。
【0028】ステアリングレバー37が第1操作位置R
1 を超えて第2操作位置R2 まで大きく揺動操作される
と、可変リーフ弁V2 のリリーフ圧が高くなって操向シ
リンダ25Rがバネ23に抗して更に伸長し、サイドク
ラッチギヤ22Rがクラッチ切り位置を超えて更にシフ
トされ、右側の旋回用クラッチ27Rが入れられる。装
置の結果、旋回用サイドギヤ26Rの駆動力がサイドク
ラッチギヤ22Rを介して右側のクローラ走行装置1R
に伝達されて、左右のクローラ走行装置1L,1Rの速
度差に基づく右方向旋回が行われる。
【0029】この場合、旋回用のギヤ切換え機構28
L,28Rの選択によって以下のような3種の旋回モー
ドが選られる。
【0030】[ 緩旋回モード]
【0031】この緩旋回モードでは、図6に示すよう
に、ギヤ切換え機構28L,28Rにおけるシフトギヤ
29L,29Rが図中右方にシフトされて旋回用サイド
ギヤ26L,26Rにのみ直接に咬合される状態が選択
されている。この状態では、シフトギヤ29L,29R
のスプライン部s1 が第3軸16のスプライン部sに咬
合して、シフトギヤ29L,29Rは第3軸16と一体
に回転駆動される。従って、シフトギヤ29L,29R
に咬合された旋回用サイドギヤ26L,26Rは中央ギ
ヤG10と同方向に減速駆動され、上記のように右側のサ
イドクラッチギヤ22Rがシフトされてサイドクラッチ
18Rが切られた後、旋回用クラッチ27Rが入れられ
ると、右側のサイドクラッチギヤ22Rが中央ギヤG10
と同方向に減速駆動されることになり、右側の走行装置
1Rは左側の走行装置1Lと同方向に減速駆動され、左
右走行装置1L,1Rの速度差に基づいて機体は右側に
旋回してゆく。この場合、ステアリングレバー37の右
方への操作量が大きくなるほど可変リリーフ弁V2 のリ
リーフ圧が高くなって、旋回用クラッチ27Rの押圧操
作力が大きくなるので、ステアリングレバー37の右方
への倒し具合で旋回用クラッチ27Rを半クラッチ状態
でつなぐことができ、右側の走行装置1Rの減速駆動ト
ルクを加減しながら右旋回することも可能となる。
【0032】[ ブレーキ旋回モード]
【0033】このブレーキ旋回モードでは、図7に示す
ように、ギヤ切換え機構28L,28Rにおけるシフト
ギヤ29L,29Rが、旋回用サイドギヤ26L,26
Rと大径の逆転ギヤ31L,31Rに同時に咬合される
状態が選択されている。この状態では、シフトギヤ29
L,29Rのスプライン部s1 が第3軸16の咬合逃が
し溝mに位置して遊転状態となり、シフトギヤ29L,
29Rは第3軸16に対して自由となる。従って、旋回
用サイドギヤ26L,26Rはシフトギヤ29L,29
Rを介した正転系と逆転系の2重咬合によって回転不能
となるので、上記のように右側のサイドクラッチギヤ2
2Rがシフトされてサイドクラッチ18Rが切られた
後、旋回用クラッチ27Rが入れられると、右側のサイ
ドクラッチギヤ22Rが固定されることになり、右側の
走行装置1Rは制動固定された状態で左側の走行装置1
Lのみが駆動され、機体は右側に大きく旋回してゆく。
この場合、ステアリングレバー37の右方への操作量が
大きくなるほど可変リリーフ弁V2 のリリーフ圧が高く
なって、旋回用クラッチ27Rの押圧操作力が大きくな
るので、ステアリングレバー37の右方への倒し具合で
旋回用クラッチ27Rを半クラッチ状態でつなぐことが
でき、右左側の走行装置1Lの制動トルクを加減しなが
ら旋回することも可能となる。
【0034】[ 超信地旋回モード]
【0035】この超信地旋回モードでは、図8に示すよ
うに、ギヤ切換え機構28L,28Rにおけるシフトギ
ヤ29L,29Rが図中左方にシフトされて大径の逆転
ギヤ31L,31Rに直接に咬合される状態が選択され
ている。この状態では、シフトギヤ29L,29Rのス
プライン部s1 が第3軸16のスプライン部s2 に咬合
するので、旋回用サイドギヤ26L,26Rには逆転ギ
ヤ31R,32Rを介して動力伝達され、中央ギヤG10
と逆方向に減速駆動される。従って、上記のように右側
のサイドクラッチギヤ22Rがシフトされてサイドクラ
ッチ18Rが切られた後、旋回用クラッチ27Rが入れ
られると、右側のサイドクラッチギヤ22Rが中央ギヤ
G10と逆方向に減速駆動されることになり、右側の走行
装置1Rは左側の走行装置1Lと逆方向に減速駆動さ
れ、左右走行装置1L,1Rの速度差に基づいて機体は
右側に急旋回してゆく。この場合、ステアリングレバー
37の右方への操作量が大きくなるほど可変リリーフ弁
V2 のリリーフ圧が高くなって、旋回用クラッチ27R
の押圧操作力が大きくなるので、ステアリングレバー3
7の右方への倒し具合で旋回用クラッチ27Rを半クラ
ッチ状態でつなぐことができ、右側の走行装置1Rの逆
転減速駆動トルクを加減しながら旋回することも可能と
なる。
【0036】また、言うまでもないが、ステアリングレ
バー37が左旋回方向に操作される場合も上記と同様
に、第1操作位置L1 では、左側のサイドクラッチ18
Lのみを切っての左旋回が行われ、第1操作位置L1 を
超える操作では、旋回用クラッチ27Lを入り操作して
の旋回モードとなり、旋回用のギヤ切換え機構28L,
28Rの選択にもとづいて、左側のクローラ走行装置1
Lを減速駆動、あるいは、制動、もしくは、逆転減速し
ての左方への旋回が行われることになる。
【0037】なお、図中の符号Bは、第3軸16の端部
に備えられた内拡式のブレーキであり、操縦部7の足元
に配備された停止ペダル38に連係されている。この停
止ペダル38は、エンジン6から主変速装置8への伝動
系に備えたベルトテンション式の主クラッチ39にも連
係されており、ペダル踏み込みによって主クラッチ39
が切られるとともにブレーキBを制動操作するようにな
っている。また、この停止ペダル38を踏み込み位置で
固定することで駐車ブレーキをかけることができるよう
にもなっている。
【0038】前記ステアリング操作具としては、上記の
ようにステアリングレバー37を利用する他に、回転操
作式のステアリングハンドルを利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの右側から見た全体側面図
【図2】走行用の伝動系を示す正面図
【図3】操向操作系の構成図
【図4】右側のギヤ切換え機構を示す側面図
【図5】ギヤ切換え機構におけるシフトギヤの断面図
【図6】緩旋回モードに選択されているギヤ切換え機構
およびその周辺の縦断正面図
【図7】ブレーキ旋回モードに選択されているギヤ切換
え機構およびその周辺の縦断正面図
【図8】超信地旋回モードに選択されているギヤ切換え
機構およびその周辺の縦断正面図
【符号の説明】
1L,1R 走行装置 18L,18R サイドクラッチ 26L,26R 減速伝動用のギヤ 27L,27R 旋回用クラッチ 29L,29R シフトギヤ 31L,31R 逆転伝動用のギヤ 37 ステアリング操作具

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のクローラ型の走行装置のそれ
    ぞれにサイドクラッチが装備されるとともに、サイドク
    ラッチが切られた一方の走行装置を減速駆動、あるい
    は、制動、もしくは、逆転駆動する旋回用伝動手段が備
    えられ、ステアリング操作具が、中立位置から左右一方
    へ操作されると、先ず、一方の走行装置のサイドクラッ
    チが切られ、引き続きステアリング操作具が同方向への
    操作されると、サイドクラッチの切られた走行装置と前
    記旋回用伝動手段とを旋回用クラッチを介して連動連結
    するよう構成した農作業機の操向装置において、 前記旋回用伝動手段を、シフトギヤを、減速伝動用のギ
    ヤにのみ咬合させる緩旋回位置と、逆転伝動用のギヤに
    のみ咬合させる超信地旋回位置と、前記減速伝動用のギ
    ヤと前記逆転伝動用ギヤとに同時咬合させるブレーキ旋
    回位置とのいずれかに選択切換え自在に構成してあるこ
    とを特徴とする農作業機の操向装置。
  2. 【請求項2】 前記旋回用クラッチを多板摩擦クラッチ
    で構成するとともに、ステアリング操作具の操作量が大
    きくなるほど旋回用クラッチの操作圧が大きくなるよう
    に構成してある請求項1記載の農作業機の操向装置。
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