JP5547389B2 - 油圧−機械式変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業車両等に備えられる油圧−機械式変速装置における駆動軸の連れ回りを防止する技術に関する。
従来、油圧式無段変速装置(HST)と遊星歯車機構とを組み合わせた、油圧−機械式変速装置(HMT)が知られている。HSTは可変容量型の油圧ポンプの可動斜板を主変速操作手段と連結連動して、該主変速操作手段を回動操作することにより油圧ポンプからの吐出量を変更して出力回転数を変更して主変速を行い、主変速操作手段を中立位置から逆方向に回動することにより前後進を切り換えて、同時に変速を行えるようにしている。
そして、HMTにおいて、HSTクラッチとHMTクラッチが設けられており、変速装置の変速比が設定値より低速側にあるときは、HSTクラッチが係合されてHSTの出力回転を車軸に出力する「HSTモード」とし、増速されて前記変速比が前記設定値を上回った場合は、HMTクラッチが係合されてHSTの出力回転とエンジンの出力回転とを合成して車軸に出力する「HMTモード」として、後進域の全域〜前進低速域で「HSTモード」、前進の中速域〜高速域で「HMTモード」とするよう構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、前述のような変速装置においては、HMTクラッチおよびHSTクラッチが係合解除されている場合であり、HSTの可動斜板が中立位置の状態でも、エンジン作動時にはHMTクラッチに係るギアが常時回転しているため、湿式クラッチを用いた場合、その回転に伴い潤滑油が攪拌され、その攪拌抵抗により出力軸に回転力が働くようになるため、負荷が小さい場合には出力軸が連れ回りを起こすことがあった。
特開2003−182398号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、駆動軸の連れ回りを防止する手段を設けた油圧−機械式変速装置の提供を課題とする。
本発明を解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、少なくとも一方が可動斜板を有する可変容量型の油圧ポンプ(22)と油圧モータ(23)とからなる油圧式無段変速装置(21)と、該油圧式無段変速装置(21)の出力とエンジン(3)の出力を合成して出力する遊星歯車機構(40)と、前記油圧式無段変速装置(21)の出力部に配置されるHSTクラッチ(34)と、前記遊星歯車機構(40)の出力部に配置されるHMTクラッチ(33)とを備える油圧−機械式変速装置(20)において、前記HMTクラッチ(33)とHSTクラッチ(34)を構成する出力部材(102)に、前記HMTクラッチ(33)の連れ回り防止手段(100)を構成し、該出力部材(102)は、略円筒状のクラッチケースに構成し、軸心側に設けた軸孔に駆動軸(31)を挿入固設し、該出力部材(102)の左右両側にはシリンダを形成し、一側のシリンダに、HMTクラッチピストン(103)とHMTクラッチスプリング(105)を収納し、他側のシリンダに、HSTクラッチピストン(104)とHSTクラッチスプリング(106)を収納し、該出力部材(102)の外周部の左右両側には、HMTクラッチ(33)とHSTクラッチ(34)の複数のクラッチ板(33a・34a)を係合し、該出力部材(102)の外周部の左右中央には、該駆動軸(31)と並行に取付孔を開口し、該取付孔に前記連れ回り防止手段(100)を構成する棒材(101)を摺動可能に挿入し、該HMTクラッチピストン(103)の外周部には、外側に突出した鍔部を形成し、前記棒材(101)との当接部(103a)とし、前記棒材(101)の一端が、該当接部(103a)に当接可能とし、該棒材(101)の他端がHSTクラッチ(34)のクラッチ板(34a)に当接可能な構成としたものである。
請求項2においては、請求項1記載の油圧−機械式変速装置において、前記HMTクラッチ(33)とHSTクラッチ(34)のいずれか一方に圧油を送油してクラッチ「入」とし、他方をドレンさせてクラッチ「切」とし、変速モードを切り換え、該HMTクラッチ(33)およびHSTクラッチ(34)の両クラッチが「切」とされる場合、HMTクラッチピストン(103)は作動油が排出されることによって、HMTクラッチスプリング(105)のリターンスプリング力によって「切」方向に移動し、前記摺動自在に設けられた棒材(101)の一端がHMTクラッチピストン(103)の当接部(103a)に当接して移動し、該棒材(101)の他端がHSTクラッチ(34)のクラッチ板(34a)に当接し、該HSTクラッチ(34)が「入」の状態となるように構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、出力部材に棒材を設けるだけで、HMTクラッチの出力部材の連れ回りを防止することができ、簡単で安価に連れ回り防止手段を構成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、車両が停止中で、HMTクラッチ33およびHSTクラッチ34の両クラッチが「切」とされる場合は、HMTクラッチピストン103がHMTクラッチスプリング105のリターンスプリング力により強制的に中立側に戻る力を利用して、棒材101を押圧することによりHSTクラッチ34を「入」とする。
よって、車両が停止中では、HMTクラッチ33が「切」のときHSTクラッチ34は「入」と同じ状態となっているため、エンジンが作動しているとHMTクラッチギア41は回転しており、その回転によりクラッチ板33a・41a・・・、出力部材102を介して駆動軸31を回転させようとする力、所謂、連れ回りさせようとする力が働いたとしても、HST21の可動斜板は中立位置に保持されているため、モータ出力軸25は回転できず、HSTクラッチギア32、クラッチ板32a・34a・・・、出力部材102を介して駆動軸31は回転することがないのである。
これにより、副変速機構50の変速操作を行うときに異音を発生することがなくなるのである。
以下では、本発明に係る油圧−機械式変速装置の一実施形態である変速装置20を備える作業車両1について説明する。
まず、作業車両1の全体構成について説明する。図1に示すように、作業車両1は、ロータリ等の耕耘装置やローダ等の作業機を装着可能とするトラクタであって、機体フレーム2、エンジン3、ボンネット4、キャビン5、前輪6、後輪7、変速装置20等が具備される。
機体フレーム2は、作業車両1の主たる構造体となるものであり、長手方向を前後方向として、複数の板材等により構成される。
エンジン3は、作業車両1が駆動するための動力を発生する駆動源となるものであり、機体フレーム2の前部に配置される。
ボンネット4は、エンジン3等の機器を覆うものであり、機体フレーム2の前部に配置される。
キャビン5は、操縦者が乗車する空間を覆うものであり、機体フレーム2の前後略中央から後部にかけて配置される。キャビン5内には、ハンドル8、座席9等が具備される。ハンドル8は、作業車両1を操向操作するものであり、キャビン5内の前部に配置される。座席9は、操縦者が着座するものであり、ハンドル8の後方に配置される。座席9の側部には主変速レバー10、副変速レバー11等が突設される。主変速レバー10は、操縦者が回動する量に応じて車速が設定される。副変速レバー11は、操縦者が操作することにより、低速、または高速が選択される。
次に、連れ回り防止手段100が設けられた変速装置20について説明する。変速装置20は、油圧式伝動部と機械式伝動部が備えられている。
油圧式伝動部には、主変速機構としてHST21が設けられている。図2に示すように、HST21は、油圧ポンプ22と油圧モータ23とからなり、本実施形態においては、油圧ポンプ22を可変容量型とし、油圧モータ23を固定容量型として構成されている。なお、HST21は、油圧ポンプと油圧モータの少なくとも一方を可変容量型とする構成とされる。
HST21では、油圧ポンプ22にポンプ出力軸24が貫通されており、ポンプ出力軸24によりエンジン3からの動力が伝達されることで、油圧ポンプ22が駆動可能とされている。また、ポンプ出力軸24により、エンジン3からの動力が後述する差動機構40と、PTO変速機構80のPTO軸92とに伝達可能とされている。
可変容量型の油圧ポンプ22には出力調整部材が設けられ、該出力調整部材に備えられた可動斜板が傾倒されることで、油圧ポンプ22の容量が変更可能とされている。そして、油圧ポンプ22により吐出された作動油が固定容量型の油圧モータ23に送られることにより、油圧モータ23が駆動可能とされ、その出力軸であるモータ出力軸25の回転数および回転方向が制御されるようになっている。これにより、HST21の変速状態と、駆動輪である後輪7の回転方向、つまり作業車両1の進行方向が変更可能とされている。
一方、機械式伝動部には、変速モード切換機構30、差動機構40、副変速機構50、後輪デフ機構60、前輪増速切換機構70、PTO変速機構80等が設けられている。図2に示すように、変速モード切換機構30は、駆動軸31にHSTクラッチギア32と差動機構40のHMTクラッチギア41が遊嵌されて、駆動軸31とHMTクラッチギア41との間にHMTクラッチ33が介装され、駆動軸31とHSTクラッチギア32との間にHSTクラッチ34が介装されている。
HSTクラッチギア32は、HST21の油圧モータ23から延設されたモータ出力軸25に固設されたギア35と噛合されている。
HMTクラッチ33とHSTクラッチ34は、それぞれ油圧クラッチからなり、図示しない電磁バルブを制御手段により切り換えることにより、両クラッチ33・34のいずれか一方に圧油を送油してクラッチ「入」(接)とし、他方をドレンさせてクラッチ「切」(断)として二つの変速モードを切り換える。こうして、作業車両1の走行速度が検知されて制御手段に入力され、その走行速度が設定速度になると、変速モードを切り換えて、増速または減速に応じてHMTクラッチギア41、またはHSTクラッチギア32から駆動軸31に動力を伝達させることができるように構成されている。
HMTクラッチ33とHSTクラッチ34とで切り換える二つの変速モードとは、HST21を単独で用いて変速する油圧変速モードである「HSTモード」と、HST21に加え、差動機構40を用いて変速する油圧−機械変速モードである「HMTモード」であり、各変速モードでは後述するように動力の伝達が行われる。
差動機構40は、遊星歯車機構であり、駆動軸31にリングギアであるHMTクラッチギア41が遊嵌されるとともに、サンギア42およびキャリア43がHMTクラッチギア41と同心的に遊嵌されている。キャリア43には複数のプラネタリギア44が自転しながらキャリア43とともに公転し得るように回転自在に支持され、各プラネタリギア44がHMTクラッチギア41とサンギア42とに噛合されている。
サンギア42の前部にはギア45が固設され、これがHST21の油圧モータ23から延設されたモータ出力軸25に固設されたモータ側入力ギア36と噛合されて、これらのギア36・45を介してモータ出力軸25からサンギア42に動力が伝達されるようになっている。続いて、このサンギア42からサンギア42に噛合されたプラネタリギア44に動力が伝達されるようになっている。
キャリア43の前部にはギア43aが形成され、これがHST21の油圧ポンプ22から延設されたポンプ出力軸24に固設されたポンプ側入力ギア37と噛合されて、これらのギア37・43aを介してポンプ出力軸24からキャリア43に動力が伝達されるようになっている。続いて、キャリア43からキャリア43に支持されたプラネタリギア44に動力が伝達されるようになっている。
このようにして、プラネタリギア44でサンギア42から伝達された動力とキャリア43から伝達された動力が合成され、その合成された動力がプラネタリギア44からHMTクラッチギア41に伝達されるようになっている。HMTクラッチギア41に伝達された動力は、HMTクラッチ33を介して駆動軸31に伝達可能とされている。そして、駆動軸31から副変速機構50を介して副変速軸51に動力が伝達されるようになっている。
副変速機構50は、副変速軸51に二つのギア52・53が遊嵌され、駆動軸31に連動連結された伝動軸54に同じく二つのギア55・56が固設されている。これらの副変速軸51のギア52・53は伝動軸54のギア55・56とそれぞれ噛合され、各ギア55・56を介して伝動軸54から伝達される動力により互いに異なる回転数で回転されるようになっている。
副変速軸51には副変速クラッチ57が設けられ、副変速クラッチ57の作動によって、異なる回転数で回転するギア52・53のいずれか一方から副変速軸51に動力が伝達可能とされている。こうして、副変速クラッチ57の係合状態に応じて、副変速機構50が高速側、または低速側に切換可能、つまり副変速機構50の変速状態が切換可能とされている。
また、副変速軸51の後端部にベベルギア58が設けられ、ベベルギア58を介して副変速軸51から後輪デフ機構60に変速動力が伝達されるようになっている。一方、副変速軸51の前部に前輪増速切換機構70が備えられ、前輪増速切換機構70を介して副変速軸51から前輪出力軸71に動力が伝達可能とされている。
後輪デフ機構60は、出力軸61が左右両側方に突出されて、出力軸61から後車軸63に動力が伝達され、後車軸63に固設された後輪7が回転駆動されるようになっている。出力軸61にはブレーキ機構62が設けられ、ブレーキ機構62の作動によって、駆動輪となる後輪7が制動可能とされている。
前輪増速切換機構70は、前輪出力軸71に二つのギア72・73が遊嵌され、副変速軸51に同じく二つのギア74・75が固設されている。これらの前輪出力軸71のギア72・73は副変速軸51のギア74・75とそれぞれ噛合され、各ギア74・75を介して副変速軸51から伝達される動力により互いに異なる回転数で回転されるようになっている。
前輪出力軸71には二つの油圧クラッチ76・77が設けられ、これらの油圧クラッチ76・77の作動によって、異なる回転数で回転するギア72・73のいずれか一方から前輪出力軸71、延いては前輪6の前車軸に動力が伝達可能とされている。こうして、油圧クラッチ76・77の係合状態に応じて、前輪増速切換機構70が前輪増速、または四輪駆動、または二輪駆動に切換可能とされている。
PTO変速機構80は、PTO入力軸82がPTOクラッチ81を介してHST21の油圧ポンプ22から延設されたポンプ出力軸24に連結され、PTOクラッチ81の作動によって、ポンプ出力軸24からPTO入力軸82に動力が伝達可能とされている。そして、PTO入力軸82からPTO変速軸83に動力が伝達可能とされている。
PTO変速軸83に二つのギア84・85が遊嵌され、PTO入力軸82に同じく二つのギア86・87が固設されている。これらのPTO変速軸83のギア84・85は、PTO入力軸82のギア86・87とそれぞれ噛合され、各ギア86・87を介してPTO入力軸82から伝達される動力により各々が異なる回転数で回転されるようになっている。
PTO変速軸83にはPTO変速クラッチ88が設けられ、PTO変速クラッチ88の作動によって、異なる回転数で回転するギア84・85のうちのいずれか一つからPTO変速軸83に動力が伝達可能とされている。こうして、PTO変速機構80の変速状態が二段階に変速可能とされ、その変速後の動力がギア89・90・91を介してPTO軸92に伝達されるようになっている。
以上のような構成の変速装置20において、「HMTモード」と「HSTモード」の二つの変速モードのうち、「HMTモード」が選択されると、変速モード切換機構30でHMTクラッチ33が「入」とされる一方、HSTクラッチ34が「切」とされる。
この場合、エンジン3からの動力がポンプ出力軸24からキャリア43にポンプ側入力ギア37およびキャリア43のギア43aを介して伝達される。同時に、HST21による変速動力がモータ出力軸25からサンギア42にモータ側入力ギア36およびギア45を介して伝達される。
そして、キャリア43とサンギア42のそれぞれからプラネタリギア44に動力が伝達されて、キャリア43からの動力とサンギア42からの動力が合成され、この合成された動力がプラネタリギア44からHMTクラッチギア41に伝達される。次いで、HMTクラッチ33が係合されていることから、動力がHMTクラッチギア41から駆動軸31に伝達される。
こうして、差動機構40でエンジン3からの動力とHST21からの変速後の動力が合成されて、その合成された動力が駆動軸31から副変速機構50等を介して後輪7に伝達されるとともに、前輪6に前輪増速切換機構70等を介して伝達可能とされる。
一方、「HMTモード」と「HSTモード」の二つの変速モードのうち、「HSTモード」が選択されると、変速モード切換機構30でHMTクラッチ33が「切」とされる一方、HSTクラッチ34が「入」とされる。
この場合、HSTクラッチ34が「入」とされていることから、HST21からの変速後の動力がモータ出力軸25からHSTクラッチギア32にギア35を介して伝達される。
前記同様に、エンジン3からの動力とHST21からの変速後の動力が合成され、その動力によりHMTクラッチギア41も回転されるが、HMTクラッチ33が「切」とされていることから、HMTクラッチギア41から駆動軸31に動力は伝達されない。
こうして、HST21からの変速後の動力だけが駆動軸31から副変速機構50等を介して後輪7に伝達されるともに、前輪6に前輪増速切換機構70等を介して伝達可能とされる。
以下において、変速装置20に設けられた連れ回り防止手段100について説明する。図3bに示すように、連れ回り防止手段100は、棒材101、出力部材102、HMTクラッチピストン103、HMTクラッチスプリング105等から構成される。なお、便宜上、図示の通り左右方向を決定する。図4および図5も同様である。
棒材101は、棒状の鋼材で構成され、出力部材102の外周近傍に複数左右摺動自在に設けられる。棒材101の一端はHMTクラッチピストン103の非作動側(右側)に当接可能に配置され、棒材101の他端はHSTクラッチ34のクラッチ板34aに当接可能に配置される。こうして、HMTクラッチ33の「切」動作に連動して棒材101が摺動されて出力部材102をHSTクラッチ34側に固定するようにしている。なお、棒材101は、HSTクラッチ34を係合させるのに十分な長さおよび硬さを有する。
出力部材102は、略円筒状のクラッチケースに構成され、軸心側に設けた軸孔に駆動軸31が挿入され固設される。出力部材102の左右両側にはシリンダが形成され、左側のシリンダにHMTクラッチピストン103とHMTクラッチスプリング105等が収納され、右側のシリンダにHSTクラッチピストン104とHSTクラッチスプリング106等が収納されている。出力部材102の外周部の左右中央には軸心と平行に棒材101を挿入するための取付孔が所定間隔をあけて開口され、図3aに示すように、本実施形態では四箇所開口されて棒材101を摺動可能としている。出力部材102の外周部の左右両側には、複数のクラッチ板33a・34a・・・を係合している。このように、出力部材102はHMTクラッチ33の出力部材とHSTクラッチの出力部材が一体的に構成された形となっている。また、HMTクラッチギア41の右側のボス部は出力部材102の左側のシリンダ内に挿入され、該ボス部上にクラッチ板41a・41a・・・を係合し、出力部材102のクラッチ板33a・33a・・・と交互に配置している。HSTクラッチギア32の左側のボス部は出力部材102の右側のシリンダ内に挿入され、該ボス部上にクラッチ板32a・32a・・・を係合し、出力部材102のクラッチ板34a・34a・・・と交互に配置している。こうして、出力部材102は変速モードに応じてHMTクラッチギア41、またはHSTクラッチギア32から、出力部材102を介して駆動軸31に動力を伝達させることができるように構成されている。
HMTクラッチピストン103は、HMTクラッチ33のアクチュエータであり、出力部材102とHMTクラッチギア41の間に介装されている。出力部材102とHMTクラッチピストン103の間にHMTクラッチスプリング105が介装され、HMTクラッチピストン103が非作動側方向(右方向)に付勢されている。また、HMTクラッチピストン103の外周部には、外側に突出した鍔部が形成され、棒材101との当接部103aとしている。図3aに示すように、当接部103aは本実施形態では前記取付孔の位置に合わせて外方向に4箇所突設している。こうして、棒材101の一端が当接部103aに当接可能とし、他端がクラッチ板34aに当接可能な構成としている。
HSTクラッチピストン104は、HSTクラッチ34のアクチュエータであり、出力部材102とHSTクラッチギア32の間に介装されている。出力部材102とHSTクラッチピストン104の間にHSTクラッチスプリング106が介装され、HSTクラッチピストン104が非作動側方向(左方向)に付勢されている。
以上のような構成の連れ回り防止手段100において、前記二つの変速モードのうち、「HMTモード」が選択された場合には、前述の通り、HMTクラッチ33が「入」とされる一方、HSTクラッチ34が「切」とされる。これは、図4に示すように、HMTクラッチピストン103はシリンダ内に圧送された作動油によって、HMTクラッチスプリング105を圧縮しながら左方向に移動し、HMTクラッチ33のクラッチ板33a・41a・・・を圧接してクラッチ「入」とする一方、HSTクラッチピストン104は作動油が排出されることによって、HSTクラッチスプリング106のリターンスプリング力によって左方向に移動し、HSTクラッチ34のクラッチ板32a・34a・・・の圧接が解除されてクラッチ「切」とされる。一方、「HSTモード」が選択された場合には、「HMTモード」が選択された場合と略同様にHMTクラッチ33のクラッチ板33a・41a・・・の圧接が解除されてクラッチ「切」とする一方、HSTクラッチ34のクラッチ板32a・34a・・・が圧接されてクラッチ「入」とされる。
そして、HMTクラッチ33およびHSTクラッチ34の両クラッチが「切」とされる場合、図5に示すように、HMTクラッチピストン103は作動油が排出されることによって、HMTクラッチスプリング105のリターンスプリング力によって右方向に移動する。この時、出力部材102に摺動自在に設けられた棒材101の左側端がHMTクラッチピストン103の当接部103aに当接し、棒材101も右方向に移動し、棒材101の右側端がHSTクラッチ34のクラッチ板34aに当接する。そして、HSTクラッチ34のクラッチ板32a・34aが棒材101により圧接されことになるため、HSTクラッチ34は「入」の状態となる。一方、HSTクラッチピストン104はHSTクラッチ34のクラッチ板32a・34aを押圧していない。つまり、HMTクラッチ33およびHSTクラッチ34の両クラッチが「切」とされる場合は、HMTクラッチピストン103がHMTクラッチスプリング105のリターンスプリング力により強制的に中立側に戻る力を利用して、棒材101を押圧することによりHSTクラッチ34を「入」とする。よって、車両が停止中では、HMTクラッチ33が「切」のときHSTクラッチ34は「入」と同じ状態となっているため、エンジンが作動しているとHMTクラッチギア41は回転しており、その回転によりクラッチ板33a・41a・・・、出力部材102を介して駆動軸31を回転させようとしても、所謂、連れ回りさせようとする力が働いたとしても、HST21の可動斜板は中立位置に保持されているため、モータ出力軸25は回転できず、HSTクラッチギア32、クラッチ板32a・34a・・・、出力部材102を介して駆動軸31は回転することがなく、副変速機構50の変速操作を行うときに異音を発生することがなくなるのである。
以上説明したように、作業車両1に設けられた変速装置20において、HMTクラッチ33とHSTクラッチ34の間に、連れ回り防止手段100を設けたので、HMTクラッチギア41による駆動軸31の連れ回りを防止できるため、副変速レバー11によって副変速クラッチ57を操作するとき、HMTクラッチギア41による駆動軸31の連れ回りのために発生していた異音を防止することができる。また、連れ回り防止手段100は、駆動軸31に固設された出力部材102に棒材101を摺動自在に設け、棒材101の一端をHMTクラッチピストン103に設けた当接部103aであって、HMTクラッチピストン103の非作動側に当接可能に配置し、棒材101の他端をHSTクラッチ34のクラッチ板34aに当接可能に配置したものであるので、出力部材102に棒材101を設けるだけで、HMTクラッチギア41による駆動軸31の連れ回りを防止することができ、簡単で安価に連れ回りを防止する手段を構成することができる。
本発明の一実施形態に係る変速装置を備える作業車両の構成を示す側面図。 本発明の一実施形態に係る変速装置を備える作業車両の動力伝達機構の構成を示した図。 (a)は変速装置における連れ回り防止手段の構成を示す断面図(図3bのB−B線断面図)、(b)は変速装置における連れ回り防止手段の構成を示す断面図(図3aのA−A線断面図)。 変速装置における連れ回り防止手段の要部断面図。 変速装置における連れ回り防止手段の要部断面図。
1 作業車両
20 変速装置
21 HST
33 HMTクラッチ
34 HSTクラッチ
100 連れ回り防止手段
101 棒材
103 HMTクラッチピストン
104 HSTクラッチピストン

Claims (2)

  1. 少なくとも一方が可動斜板を有する可変容量型の油圧ポンプ(22)と油圧モータ(23)とからなる油圧式無段変速装置(21)と、該油圧式無段変速装置(21)の出力とエンジン(3)の出力を合成して出力する遊星歯車機構(40)と、前記油圧式無段変速装置(21)の出力部に配置されるHSTクラッチ(34)と、前記遊星歯車機構(40)の出力部に配置されるHMTクラッチ(33)とを備える油圧−機械式変速装置(20)において、前記HMTクラッチ(33)とHSTクラッチ(34)を構成する出力部材(102)に、前記HMTクラッチ(33)の連れ回り防止手段(100)を構成し、該出力部材(102)は、略円筒状のクラッチケースに構成し、軸心側に設けた軸孔に駆動軸(31)を挿入固設し、該出力部材(102)の左右両側にはシリンダを形成し、一側のシリンダに、HMTクラッチピストン(103)とHMTクラッチスプリング(105)を収納し、他側のシリンダに、HSTクラッチピストン(104)とHSTクラッチスプリング(106)を収納し、該出力部材(102)の外周部の左右両側には、HMTクラッチ(33)とHSTクラッチ(34)の複数のクラッチ板(33a・34a)を係合し、該出力部材(102)の外周部の左右中央には、該駆動軸(31)と並行に取付孔を開口し、該取付孔に前記連れ回り防止手段(100)を構成する棒材(101)を摺動可能に挿入し、該HMTクラッチピストン(103)の外周部には、外側に突出した鍔部を形成し、前記棒材(101)との当接部(103a)とし、前記棒材(101)の一端が、該当接部(103a)に当接可能とし、該棒材(101)の他端がHSTクラッチ(34)のクラッチ板(34a)に当接可能な構成としたこと特徴とする油圧−機械式変速装置。
  2. 請求項1記載の油圧−機械式変速装置において、前記HMTクラッチ(33)とHSTクラッチ(34)のいずれか一方に圧油を送油してクラッチ「入」とし、他方をドレンさせてクラッチ「切」とし、変速モードを切り換え、該HMTクラッチ(33)およびHSTクラッチ(34)の両クラッチが「切」とされる場合、HMTクラッチピストン(103)は作動油が排出されることによって、HMTクラッチスプリング(105)のリターンスプリング力によって「切」方向に移動し、前記摺動自在に設けられた棒材(101)の一端がHMTクラッチピストン(103)の当接部(103a)に当接して移動し、該棒材(101)の他端がHSTクラッチ(34)のクラッチ板(34a)に当接し、該HSTクラッチ(34)が「入」の状態となるように構成したことを特徴とする油圧−機械式変速装置。
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