JP3612593B2 - クローラ式車両の走行旋回駆動装置 - Google Patents

クローラ式車両の走行旋回駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はコンバイン等のクローラ式車両において、車両の走行駆動及び旋回のために用いられる走行装置に、関するものである。
【0002】
【発明の背景】
クローラ式作業車両の旋回を、走行駆動機構により左右のクローラに対し積極的に回転数差を与えて行わせることとした技術が特公昭54−34972号公報、特開平6−343332号公報、特公平7−2468号公報等から公知である。
これらの公報に開示された従来技術は可逆転無段変速装置、つまり汎用されている油圧伝動装置とか実公昭49−26037号公報、特開昭56−18150号公報、特開昭59−190556号公報等から周知である摩擦機械式等の他の可逆転無段変速装置を、2組利用して左右のクローラを各別に駆動することとしている。
【0003】
この従来技術によれば左右の可逆転無段変速装置の回転方向を含めて出力回転数を互いに変更して車両の任意の旋回半径での旋回を得ることが容易であるが、逆に左右各別の可逆転無段変速装置を用いた走行駆動によることから、車両の直進性を確保するために複雑な制御装置を必要としていた。
すなわち左右のクローラを各別の無段変速装置によって駆動する構造によると、車両の荷重の左右のアンバランス、圃場面の走行抵抗の左右のアンバランス等により左右のクローラの等速回転が得難く、このため左右の回転数差を検出して補正する等の複雑な制御装置を必要としていたのである。
【0004】
また上述の技術に類似の旋回方式は、車速を有段に変更することとした作業車両には適用できない。何故なら左右各別の有段変速機構を設けるようなトランスミッションは、コストの面でおよそ実用的ではないからである。
【0005】
この発明の主たる目的とするところはコンパクトな構造で大幅な減速が可能である遊星歯車式の減速機構を、走行駆動系路中に配置する構成を利用して、車速を無段に変更制御することとした場合にも有段に変更制御することとした場合にも、上述の従来技術によるのと同様に車両の任意の旋回半径での旋回を得ることを容易としてある、クローラ式車両の新規な走行装置を提供するにある。
【0006】
そのためにこの発明は左右の遊星歯車式減速機構において内歯々車を形成する左右のリングに対し回転方向を含めて無段に変更可能である回転を、左右互いに逆方向で与えることで遊星歯車式減速機構の出力回転数を左右で異ならせることにより、左右のクローラに回転数差を与えて車両の旋回を得ようとするものである。
この発明の他の主要な目的は、上記した左右のリングを車両旋回のために互いに逆方向に回転させるための駆動機構を、車両の直進中には上記左右のリングを確実に回転不能にロックするものとして、左右の走行負荷が大きくアンバランスする状態の下でも車両の直進性が損なわれないように図ってある、クローラ式車両の新規な走行装置を提供するにある。
【0007】
【発明の要約】
この発明に係る作業車両の走行装置は、変速駆動される主駆動軸40、該主駆動軸の回転を減速して左右の走行駆動軸37L,37Rに対し伝達するための左右の遊星歯車装置41L,41Rであって、それぞれが主駆動軸により回転駆動される太陽歯車67、該太陽歯車の外周側に配置され内歯々車68を形成するリング71、各走行駆動軸に固定したキャリア69に回転可能に軸支され太陽歯車及び内歯々車に対し噛合されている複数個の遊星歯車70を備え、上記各リング71を回転可能に支持してある左右の遊星歯車装置41L,41R、出力回転数を無段に変更可能な可逆転回転駆動装置32;103、及び該可逆転回転駆動装置を左右の遊星歯車装置における左右の上記リング71に対し、該左右のリングを互いに逆方向に回転させるように連動連結する伝動装置76であって、上記左右のリングと一体回転する左右のウォームホィール73と該左右のウォームホィールに対し噛合されこれらのウォームホィールを回転駆動する左右のウォームギヤ83を備えた伝動装置76、を備えたものに、構成される。
【0008】
上記した主駆動軸40は、無段に変速駆動されるものであっても有段に変速駆動されるものであってもよく、この発明は車速を無段に変更制御することとする作業車両にも有段に変更制御することとする作業車両にも適用できるが、そのような主駆動軸40によって左右の走行駆動軸37L,37R、したがって左右のクローラを駆動することとしているから、この発明によれば他の制御手段を必要とすることなしに車両の直進性が確保される。
【0009】
車両の旋回は可逆転回転駆動装置32;103により伝動装置76を介し左右のリング71に対し互いに逆方向の回転を与えることにより、該リングの内歯々車68に噛合う遊星歯車70の公転速度、したがって遊転歯車の公転を走行駆動軸37L,37Rに伝達することとなるキャリア69の回転速度が、一側のキャリアについては増速され他側のキャリアについては減速されることになるから、主駆動軸40により等速回転せしめられている左右の走行駆動軸37L,37Rに対し回転数差が与えられることになり、これによって左右のクローラに回転数差が与えられることによって、達成される。
この車両旋回は可逆転回転駆動装置が出力回転数を無段に変更可能であることから、車両の前進中にも後進中にも任意の方向に任意の旋回半径で行わせることができる。
【0010】
車両の旋回のために左右のリング71を互いに逆方向に回転させることとする伝動装置76を、左右のリング71と一体回転する左右のウォームホィール73と該ウォームホィールに噛合されてそれを回転駆動する左右のウォームギヤ83とから成る左右のウォーム伝動機構を備えたものに構成しているから、ウォームホィールからウォームギヤへの動力伝達が不可能である事実に基づいてリング71から伝動装置76側に動力伝達が行われることはなく、車両を直進させている状態では左右のリング71が確実に回転不能にロックされる。
したがって車両の左右の走行負荷が極端にアンバランスする状態、例えば傾斜地を横切る方向に車両を走行させているとか、圃場内で左右クローラが接触する圃場面にぬかるみ度或は凹凸度の大きな左右のアンバランスがあるとき、コンバインにおいて機体上の一側に片寄せ配置されている穀粒タンクに作業の進行につれ多量の穀粒が貯留され機体の左右バランスが大きく崩れたとき等、にも走行負荷が大きい側のリング71から伝動装置76を介し走行負荷が小さい側のリング71に対し回転が伝えられて車両の直進性が不安定となるような現象は、起き得ないこととなる。
【0011】
左右のウォーム伝動機構を備えた伝動装置76を、簡単な構造で左右のリング71を互いに逆回転駆動するものに構成するには該伝動装置76に、前記可逆転回転駆動装置32;103によって回転駆動される駆動軸78と前記左右のウォームギヤ83と一体回転する左右の伝動軸82とを設け、該駆動軸と左右の伝動軸間を左右の傘歯車伝動機構86によって、左右の伝動軸が互いに逆方向に回転せしめられるように連動連結するのが、好ましい。
本構造は逆転用のアイドラ歯車を設ける構造と対比して部品点数が少なく、組立てを簡単とする。
【0012】
左右の遊星歯車装置41L,41Rをコンパクトに設けるには、前記主駆動軸40を左右の走行駆動軸37L,37R間に該走行駆動軸と同心配置し、左右の遊星歯車装置における左右の太陽歯車67を主駆動軸上に固定設置するのが好ましい。
【0013】
主駆動軸40を変速駆動することは、油圧伝動装置等の無段変速駆動装置のみ、又はギヤシフト式或は油圧クラッチ式等の有段変速装置のみによってもよいが、コンバイン等の作業車両においては該主駆動軸40を変速駆動するための無段変速駆動装置28と有段変速装置52とを、互いに直列接続して設けるのが好ましい。すなわち油圧伝動装置等の無段変速装置は作業条件に最適した車速を確保できる点で有利であるが、低速域では出力回転数が比較的不安定である。
そこで上記のように有段変速装置を組合せ、車速のおおまかなレンジ、すなわち路上走行時、乾田作業時、湿田作業時等にそれぞれ適合した車速レンジを、有段変速装置によって設定し、無段変速駆動装置はその出力回転数が安定する回転域で車速の無段制御を行うように使用できることとするのである。最初に述べた従来技術においては本構造を採用できないことは、前述した通りである。
【0014】
車両旋回用の前記可逆転回転駆動装置は低コストであり作用が確実である点で、可変容積形油圧ポンプ33と定容積形油圧モータ34を備えた油圧伝動装置34に構成するのが、好ましい。
【0015】
この発明の他の特徴と長所は、添付図面を参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0016】
【実施例】
図2は、本発明に係る走行装置の実施例を装備したコンバインを示している。
図示コンバインは通例のように左右のクローラ1により走行駆動され、機体前方の刈取部2で植立穀稈を刈取り、刈取られた穀稈について機体上の脱穀部3で脱穀して、穀粒は機体上の穀粒タンク4に収納し、排わらは機体後方の排わら処理装置(集束、結束、カッター装置又はその切替え式組合せ)5により処理するものとされている。
エンジン6は機体中寄りに設置され、該エンジンから入力伝動を受けるトランスミッション7が、エンジン6の前下方位置に配置されている。エンジン6の上前方側に座席8を備える操縦部9が配置されている。この操縦部9は車両操向用のステアリングホイール10、車速制御用の主変速レバー11及び副変速レバー12、駐車ブレーキレバー13等を備える。図2において14はクローラ駆動輪15を装備する車軸、16は刈刃、17は穀粒タンク4から穀粒を搬出するための揚穀装置である。
【0017】
図3が前記トランスミッション7の外観を示し、図4,5がその主な内部構造を示している。これらの図に示すようにトランスミッション7は下方側に左側のケース部19a、ほぼ板状の左右1対の中央ケース部19b,19c、及び右側下方部のケース部19dより成るミッションケース19を備え、右側中央ケース部19cの上部側面に上方向きに突出する略L字形の厚手のプレート部材20を装着し、このプレート部材20の左側面上半部に角形のハウジング21を、また右側面に該側面の全体にまたがるL字形のハウジング22を、それぞれ装着してなるケーシング構造を有する。図5に示すようにハウジング21,22とプレート部材20を貫通する入力軸23を設けてあり、図1−3に示すように該入力軸23にハウジング21外で入力プーリ24を嵌着して、エンジン6の出力プーリ6aからベルト25によって入力軸23への入力伝動を行ってある。
図3,4に示すように左右の前記車軸14は左右のケース部19a,19d内から、該ケース部に取付けた左右のアクスルケース26内を通して左右に突出させてある。
【0018】
図4,5に示すように入力軸23をポンプ軸とする油圧ポンプ29,33を、プレート部材20の上半部左面及び右面に装着してハウジング21,22内に設置すると共に、ミッションケース19内に突入させた出力軸31,35を備える油圧モータ30,34を、プレート部材20の下半部右面に装着してハウジング22内に設置している。各油圧ポンプ29,33は斜板29a,33aの傾角を変更調節して油吐出量と吐出方向を変更自在である可変容積形のものに構成されており、斜板29a,33aを傾動操作するための制御アーム29b,33bは図3に示すように、ハウジング21,22外で斜板支軸に取付けられている。
油圧ポンプ29と定容積形の油圧モータ30とを流体接続して、図1に示す第1の油圧伝動装置28が構成されており、また油圧ポンプ33と定容積形の油圧モータ34とを流体接続して図1に示す第2の油圧伝動装置32が構成されている。
なお各油圧ポンプ29,33と各油圧モータ30,34間を接続する油路、及び各油圧伝動装置28,32に付設のバルブ類は、プレート部材20内に設けてある。
【0019】
図1,4に示すようにミッションケース19内の下方位置で互いに同心配置した左右の走行駆動軸37L,37Rを設けてあり、左右の各走行駆動軸37L,37Rを左右の各歯車38,39減速機構によって左右の各車軸14に対し接続してある。左右の走行駆動軸37L,37R間にはこれらの軸と同心配置の主駆動軸40を配置してあり、この主駆動軸40の回転を左右の遊星歯車装置41L,41Rによって減速して、左右の走行駆動軸37L,37Rに対し伝達することとされている。
【0020】
そして、第1の油圧伝動装置28は左右の走行駆動軸37L,37Rに対し、出力軸31から主駆動軸40と左右の遊星歯車装置41L,41Rを介して動力を伝達して車両を変速駆動するためのものとされ、また第2の油圧伝動装置32は左右の走行駆動軸37L,37Rに対し選択的に、出力軸35により左右の遊星歯車装置41L,41Rを利用し互いに逆方向の付加回転を付与し、もって左右の走行駆動軸37L,37Rに対し回転数差を与えて車両を旋回させるためのものとされている。
第1の油圧伝動装置28のポンプ斜板操作用の制御アーム29bは、図2に示す前記主変速レバー11によって操作されるものとされ、第2の油圧伝動装置32のポンプ斜板操作用の制御アーム33bは図2に示す前記ステアリングホイール10によって操作されるものとされている。
【0021】
第1の油圧伝動装置28の出力軸31と主駆動軸40間の伝動機構は、図1,4に示してあり、これらの軸31,40に平行するクラッチ軸43、中間軸44及び副変速軸45を有する。
クラッチ軸43は出力軸31に対し、出力軸31上の出力歯車46をクラッチ軸43上の歯車47に対し噛合せて、出力軸31に対し接続されている。クラッチ軸43上には歯車48を遊嵌設置して、中間軸44上に固定設置の歯車49に対し噛合せてあり、歯車48を選択的にクラッチ軸43に対し結合するためのクラッチ50が、クラッチ軸43上に設置されている。
このクラッチ50はクラッチ軸43上に固定設置したクラッチシリンダ50aと歯車48のボス部とにそれぞれ摺動のみ自在に支持させた複数枚宛の摩擦エレメントを、ピストン50bの押圧作用で摩擦係合させてクラッチ入りを得る油圧多板式のものに、構成されている。
クラッチ50を入切制御する切換弁(図示せず)は車両のステップに装備された、図2に図示のクラッチペダル100に対し、該ペダル100を踏込むとクラッチ50が切られるように接続してある。
【0022】
中間軸44と副変速軸45間には機械式の副変速装置52を、配設してある。この副変速装置52は中間軸44上に摺動のみ自在に設置したシフト歯車53、中間軸44上に遊嵌設置した2個の歯車54,55、副変速軸45上に固定設置されシフト歯車53を噛合せ可能である歯車56、及び副変速軸45上に固定設置され歯車54,55に対し噛合せてある2個の歯車57,58を、備える。
シフト歯車53はその両側に設けたクラッチ爪を歯車54,55に設けたクラッチ爪に対し噛合せて、歯車54,55を中間軸44に対し選択的に結合可能であるものに構成されている。
以上により、副変速装置52は中間軸44により副変速軸45を、歯車54,57列を介し駆動する高速変速段(路上走行変速段)、歯車53,56列を介し駆動する中速変速段(乾田作業変速段)、及び歯車55,58列を介して駆動する低速変速段(湿田作業変速段)の、3段の変速段に切替え得るものとされている。
図6に示すように、ミッションケース19の側壁を貫通させてある回転操作軸59によりスライド操作されてシフト歯車53をシフトさせるシフトフォーク60を設けてあり、操作軸59の外端に取付けた変速アーム61は、図2に示す前記副変速レバー12に対し接続されている。
【0023】
図1,4に示すように副変速軸45の上記歯車58は、主駆動軸40上に固定設置した大径の入力歯車63に対し噛合せてある。副変速軸45の一端はミッションケース19の左側ケース部19aの外面上に形成したブレーキケース部内に突入させてあり、該ブレーキケース部内に副変速軸45を制動するための駐車ブレーキ64を、設けてある。
摩擦多板式のものに構成されカム軸64a及びボール64bを含むカム機構によって作動せしめられる該ブレーキ64を制動操作するためのカム軸64a外端のブレーキアーム65は、図2に示す前記駐車ブレーキレバー13に対し接続されている。
【0024】
主駆動軸40はしたがって、主変速レバー11によって正逆転を含め無段に出力回転数を制御される第1の油圧伝動装置28と、副変速レバー12により3段に変速制御される副変速装置52とにより変速駆動されるが、この主駆動軸40と左右の走行駆動軸37L,37R間を接続する左右の遊星歯車装置41L,41Rは、次のようなものに構成されている。
【0025】
すなわち図1,4、及び図4の一部を拡大して画いた図7に示すように各遊星歯車装置41L,41Rは通例のように太陽歯車67、この太陽歯車67の外周位置に設けた内歯々車68、及びキャリア69に遊転可能に軸支されて太陽歯車67と内歯々車68とに対し噛合せてある複数個(3個)の遊星歯車70とを備えるが、先ず左右の太陽歯車67は図8に示すように主駆動軸40の外周面上に一体に連らねて形成した歯形40aにより構成され、同歯形40aに対応する内歯67aを入力歯車63の中心穴内周面に形成し内歯67aを歯形40aに噛合せることにより入力歯車63を主駆動軸40上に嵌着してある。
入力歯車63の軸線方向位置は、主駆動軸40に嵌着する両側1対の止輪75により規制することとしてある。
【0026】
左右の各キャリア69は左右の走行駆動37L,37Rにスプライン嵌めにより固定して設けてあり、入力歯車63側に配置のリング69aをスペーサ69b及びボルト69cを介しキャリア69本体に連結し、リング69aにより抜止めしたピン69dを設けて、該ピン69d上に遊星歯車70を遊転自在に設けている。また内歯々車68は通例のように太陽歯車67の外周側に配置したリング71の内周面に形成してあるが、左右のリング71は、左右の走行駆動軸37L,37R上に、キャリア69のボス部と一対宛のボールベアリング72を介して遊嵌設置した左右のウォームホィール73に、リング71の内周面に形成した内歯71aとウォームホィール73のボス部に形成した外歯73aを互いに噛合せることで、相対回転不能に支持させてある。
そして、リング71に挿通したピン74を内歯71a及び外歯73aの側面に接当させてリング71の抜止めを行い、もってリング71を、ウォームホィール73に対し放射方向で可動であるように支持している。
【0027】
第2の油圧伝動装置32の出力軸35と左右の遊星歯車装置41L,41Rのリング71間には、図1及び図5,6に示す伝動装置76を設けてある。すなわち出力軸35に平行する支軸77及び駆動軸78を設け、出力軸35上に固定設置した歯車79を支軸77上に遊嵌設置した歯車80に対し噛合せると共に、後者の歯車80を駆動軸78上に固定設置した歯車81に対し噛合せて、駆動軸78がモータ出力軸35により減速回転駆動されることとしている。
また、駆動軸78の両端外方位置に前後方向に沿わせた左右の伝動軸82を配置して、該左右の伝動軸82に、左右のリング71と一体回転する左右の上記ウォームホィール73と噛合せる左右のウォームギヤ83を、一体形成してある。
そして駆動軸78の両端にスプライン嵌めして固定した左右の傘歯車84を左右の伝動軸82の一端部にスプライン嵌めして固定した傘歯車85に対し噛合せてなる左右の傘歯車伝動機構86を設けて、駆動軸78により左右の伝動軸82が互いに等速で逆方向に回転駆動されることとしている。
【0028】
したがって第2の油圧伝動装置32の出力軸35と左右の遊星歯車装置41L,41Rの左右のリング71間に配設された伝動装置76は、出力軸35の回転を左右のリング71に対し互いに回転方向を逆にして伝達するものとなっている。また左右のウォームギヤ83とウォームホィール73からなる左右のウォーム伝動機構は、左右の伝動軸82から左右のリング71方向へは動力を伝達するがその逆方向の動力伝達は不能であるから、第2の油圧伝動装置32ないしその油圧ポンプ33が中立状態にあるときに左右のリング71を回転不能にロックする。
【0029】
なお、図2に示す前記刈取部2を駆動するためには図1,3に示すように、ミッションケース19内から外部に突出させたPTO軸89を設け、このPTO軸89上に一方向クラッチ90を介してPTOプーリ91を設置し、該プーリ91と刈取部2の入力プーリ92間にベルト93を巻回している。
そして、図1に示すようにミッションケース19内で第1の油圧伝動装置28の出力軸31とPTO軸89間に中間軸94を設け、出力軸31上の前記出力歯車46と噛合せた歯車95を中間軸94上に設けると共に、中間軸94とPTO軸89間を歯車96,97により減速接続している。
上記一方向クラッチ90は出力軸31が車両前進方向に回転せしめられるときにのみ係合し、プーリ91をPTO軸89に対し結合するものとされている。図2の刈取部2からはさらに脱穀部3、排わら処理装置5等へ駆動力が伝達される。
【0030】
以上に説明した軸及び歯車の上下方向及び前後方向での配置は、トランスミッション7を右側から見て画いた図7に示されている。なお図7において伝動軸82は、90度位相をずらして図示されている。
【0031】
図2に示すコンバインはその走行条件に応じ副変速レバー12により図1,4に図示の副変速装置52に路上走行時には高速、乾田作業時には中速、湿田作業時には低速の変速段を選択セットし、主変速レバー11により図1及び図4,5に図示の第1の油圧伝動装置28のポンプ斜板29aを操作し進行方向の制御を含め車速を無段に変更制御して、走行せしめられる。
車両の直進時にはステアリングホイール10による図1,5に図示の第2の油圧伝動装置32のポンプ斜板33a操作は行われず、同油圧伝動装置32は中立状態に維持され、このとき前述したように左右の遊星歯車装置41L,41Rのリング71は左右のウォーム伝動機構により回転変位不能に拘束されている。
【0032】
図9の(L),(R)は左右の遊星歯車装置41L,41Rを模式的に示している。
第1の油圧伝動装置28の油圧モータ30が正転している状態では太陽歯車67が矢印A方向に回転し、これにより各遊星歯車70が矢印B方向に自転しつつ矢印C方向に、図9では図示省略のキャリア69を回転させつつ公転する。この場合にキャリア及び各走行駆動軸37L,37Rに与えられる回転数Rは、太陽歯車67の回転数を1とし、太陽歯車67の歯数をN1 、内歯々車68の歯数をN2 とすると、R=N1 /(N1 +N2 )で与えられるから、歯数N2 を適当に設定しておくことで大幅な減速が得られる。油圧モータ30の逆転時には回転方向が逆になるのみで、上記したのと事情は等しい。
【0033】
車両の前進中にステアリングホイール10を回動操作し第2の油圧伝動装置32の油圧モータ34を正転方向に回転させるときは、図1,5に示す伝動装置76の駆動軸78により、左側の傘歯車伝動機構86を介し、左側の遊星歯車装置41Lのリング71には矢印D1 方向の回転が与えられ、また右側の傘歯車伝動機構86を介し右側の遊星歯車装置41Rのリング71には矢印D2 方向の回転が与えられる。
左側のリング71の矢印D1 方向への回転によってはその回転速度分だけ遊星歯車70の矢印C方向への回転数、したがって左側キャリア69及び走行駆動軸37Lの回転数が減少され、逆に右側のリング71の矢印D2 方向への回転によってはその回転速度分だけ遊星歯車70の矢印C方向への回転数、したがって右側キャリア69及び走行駆動軸37Rの回転数が増加される。
したがって車両は左旋回せしめられ、その旋回半径はステアリングホイール10の操作量を加減し油圧モータ34の回転数を制御することによって、自在に選択できる。車両前進中の右旋回、後進中の左又は右旋回も類似して得ることができる。
【0034】
前述したようにウォームホィール73に相対回転不能に支持させたリング71の軸線方向への抜止めを図7のピン74により得て、リング71を放射方向で可動に支持していることによっては、何れかの遊星歯車70が内歯々車68に対し偏心した状態で噛合いすることがリング71の放射方向での逃げにより防止され、複数遊星歯車70に動力が等配分されて歯車の損傷とか遊星歯車装置での振動、騒音の発生とかが無くされる。
【0035】
以上に説明した実施例では左右の走行駆動軸37L,37Rに対し左右の遊星歯車装置41L,41Rを介し伝動する主駆動軸40の変速回転を、無段変速駆動装置の一例である第1の油圧伝動装置28と機械式有段の副変速装置52との組合せによって得たが、後者の副変速装置52を省略してよいのはもとより、逆に無段変速装置を省略し有段の変速機構のみによって主駆動軸40の変速回転を得ることも可能である。また以上の実施例では車両旋回のための駆動源として第2の油圧伝動装置32を用いたが、可逆転の無段変速電動モータのような駆動源を用いることも可能である。図10はこのような例に係る第2の実施例を示している。
【0036】
図10に示す第2の実施例は主駆動軸40を変速駆動するのに、機械式3段の副変速装置101と前進3速,後進1速の4段の変速段を有する油圧クラッチ式の主変速装置102とを用いている。また車両旋回のための駆動源として、可逆転無段変速電動モータ103を用いている。
【0037】
図10において105はエンジン6から前述同様の機構で入力される入力軸であり、副変速装置101は該入力軸105とそれに平行な副変速軸106間に配設されている。入力軸105上にはシフト歯車107を摺動のみ自在に設置してあると共に、該シフト歯車107のシフトによって入力軸105に対しクラッチ結合される2個の歯車108,109を遊嵌設置してある。副変速軸106上にはシフト歯車107を噛合せ得る歯車110、及び歯車108,109に対しそれぞれ噛合された歯車111,112を固定設置してある。したがって副変速装置101は、シフト歯車107のシフト操作により3段の変速を得るものに構成されている。
【0038】
上記各軸105,106に平行する2本のクラッチ軸114,115と出力軸116を設け、クラッチ軸114上には2個の歯車118,119と該歯車をクラッチ軸114に対し選択的に結合するための2個の油圧クラッチCF1 ,CF2 とを設置し、クラッチ軸115上には2個の歯車120,121と該歯車をクラッチ軸115に対し選択的に結合するための2個の油圧クラッチCF3 ,CRとを設置している。歯車118は副変速軸106に嵌着の歯車122と噛合されて前進方向に回転し、歯車119,120は副変速軸106に嵌着の歯車123と噛合されて前進方向に回転する。歯車121はクラッチ軸114上の上記歯車118と噛合されて、後進方向に回転する。クラッチ軸114,115に嵌着した歯車125,126を出力軸116に嵌着した歯車127に対し噛合せ、油圧クラッチ式の主変速装置102による変速回転を出力軸116に得ることとされている。出力軸116には油圧クラッチCF1 ,CF2 ,CF3 の各作動によって前進1速、前進2速、前進3速が得られ、油圧クラッチCRの作動によって後進1速が得られる。
【0039】
出力軸116はそれに嵌着した歯車128を前記のもの同様の主駆動軸40上の入力歯車63に対し噛合せて、主駆動軸40を減速駆動するものとされている。なお出力軸116には、内拡式の走行ブレーキ130を配設してある。
【0040】
以上よりして図10に図示の主駆動軸40は副変速装置101と主変速装置102の組合せにより前進9段、後進3段に変速駆動されるが、この主駆動軸40と左右の走行駆動軸37L,37R間には前述のものと全く同様の左右の遊星歯車装置41L,41Rを配設してある。
【0041】
図10の第2の実施例において可逆転の無段変速電動モータ103と左右の遊星歯車装置41L,41Rの左右のリング71間に設けられた伝動装置76は、前述のもの同様の駆動軸78、左右の傘歯車伝動機構86、及びそれぞれウォームギヤ83とウォームホィール73とを噛合せてなる左右のウォーム伝動機構を、備える。モータ出力軸132上には歯車133が固定設置され、駆動軸78に嵌着したより大径の歯車81と噛合されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を装備したコンバインにおける伝動機構を示す機構図である。
【図2】上記コンバインの概略側面図である。
【図3】上記コンバインに設けられたトランスミッションの外観を示す概略斜視図である。
【図4】上記トランスミッションの一部展開縦断背面図である。
【図5】上記トランスミッションの他の切断面に沿う一部省略、一部展開縦断背面図である。
【図6】上記トランスミッションにおける軸及び歯車配置を示す一部縦断、一部展開側面図である。
【図7】図4の一部分を拡大して示す拡大図である。
【図8】図4,7に示した主駆動軸と入力歯車の概略分解斜視図である。
【図9】作用を説明するための、遊星歯車装置の模式図である。
【図10】第2の実施例を示す機構図である。
【符号の説明】
1 クローラ
6 エンジン
15 車軸
19 ミッションケース
20 プレート部材
28 第1の油圧伝動装置
30 油圧モータ
32 第2の油圧伝動装置
33 油圧ポンプ
34 油圧モータ
35 出力軸
37L,37R 走行駆動軸
40 主駆動軸
41L,41R 遊星歯車装置
52 副変速装置
67 太陽歯車
68 内歯々車
69 キャリア
70 遊星歯車
71 リング
73 ウォームホィール
76 伝動装置
78 駆動軸
79,80,81 歯車
82 伝動軸
83 ウォームギヤ
84,85 傘歯車
86 傘歯車伝動機構
101 副変速装置
102 主変速装置
103 可逆転無段変速電動モータ

Claims (1)

  1. 変速駆動される主駆動軸(40)と、該主駆動軸の回転を減速して左右の走行駆動軸(37L,37R)に対し伝達するための左右の遊星歯車装置(41L,41R)を具備し、該遊星歯車装置(41L,41R)は、主駆動軸により回転駆動される太陽歯車(67)、該太陽歯車の外周側に配置され内歯々車(68)を形成するリング(71)、各走行駆動軸に固定したキャリア(69)に回転可能に軸支され太陽歯車及び内歯々車に対し噛合されている複数個の遊星歯車(70)により構成し、
    前記左右のリング(71,71)と一体回転する左右のウォームホィール(73,73)を設け、該ウォームホィール(73,73)と噛合する左右のウォームギヤ(83,83)を設け、
    該ウォームギヤ(83,83)が一体回転する左右の伝動軸(82,82)に傘歯車(85・85)を配置し
    該傘歯車(85・85)と噛合する他の傘歯車(84・84)を、共通の駆動軸(78)に設けた伝動装置(76)であって、
    該共通の駆動軸(78)は、前記走行駆動軸(37L,37R)と並行で、かつその両側に前記傘歯車(84,84)を備えると共に、該傘歯車間に、可逆転回転駆動装置(32;103)と連動連結する歯車(81)を備えたことを特徴とするクローラ式車両の走行旋回駆動装置。
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