JPH11310047A - 車両用駆動装置 - Google Patents

車両用駆動装置

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JPH11310047A
JPH11310047A JP11741798A JP11741798A JPH11310047A JP H11310047 A JPH11310047 A JP H11310047A JP 11741798 A JP11741798 A JP 11741798A JP 11741798 A JP11741798 A JP 11741798A JP H11310047 A JPH11310047 A JP H11310047A
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JP
Japan
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drive
drive shaft
gear
shaft
power
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JP11741798A
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English (en)
Inventor
Toshio Kobayashi
利雄 小林
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトで側面衝突時の充分なクラッシュ
ストローク、作業空間が確保でき、かつ構成の簡素化が
得られる車両用駆動装置を提供する。 【解決手段】 横置きエンジン10、トルクコンバータ
20、ベルト式無段変速機30を同軸上に配置し、エン
ジン10のクランク軸11に対してフロントドライブ軸
51及びリヤドライブ軸52を各々に平行配置し、フロ
ントドライブ軸51と同軸上に減速装置45を配置する
と共に、フロントドライブ軸51にサンギヤ56が結合
されたダブルピニオン式プラネタリギヤ55、第1、第
2、第3、第4の各多板クラッチ68、78、84、9
3及び第5多板ブレーキ102を有し、各多板クラッチ
及び多板ブレーキを作動せしめて変速機30からの出力
をフロントドライブ軸51及びリヤドライブ軸52に動
力配分及び前後進切換して動力伝達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横置き配置された
エンジンに用いられる車両用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンを横置き配置した車両の
駆動装置に関しては、特開平4−83948号公報の先
行技術がある。この先行技術には、エンジンと、トルク
コンバータと、ダブルピニオン式プラネタリギヤ及び多
板クラッチからなる前後進切換装置と、ベルト式無段変
速機のプライマリ軸とを車体幅方向に同軸で配置し、こ
の無段変速機のセカンダリ軸の下方にディファレンシャ
ル装置が設けられ、無段変速機のセカンダリ軸からの出
力を減速機を介してディファレンシャル装置に伝動して
前輪または後輪へ動力伝達する駆動系が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先行技術
のものにあっては、横置きに配置されるエンジンに、こ
のエンジンと同軸上に順次トルクコンバータ、前後進切
換装置、ベルト式無段変速機が設けられ、更にベルト式
無段変速機のセカンダリ軸の下方にディファレンシャル
装置が設けられ、これらが一体構成されたトランスミッ
ションケースが接合されることから、車幅方向において
駆動装置全長が長大となり、車載状態においてエンジン
ルーム側壁と駆動装置とが接近配置され、側面衝突時の
クラッシュストロークを充分に確保しようとすると車体
設計の自由度が制限され、またエンジンルーム内の作業
空間が得難く、駆動装置の着脱時や整備等の円滑な作業
が妨げられるおそれがある。
【0004】更にこの駆動装置をベースとする4輪駆動
車用駆動装置にあってはベルト式無段変速機のセカンダ
リ軸側にセンタディファレンシャル装置を更に設けるこ
とから構造及びそれらを制御する制御装置が複雑にな
り、コストの高騰を招く等の不具合がある。
【0005】また、同一形状を有するエンジンルーム構
造体内にベルト式無段変速機、手動変速機(マニュアル
トランスミッション、MT)及び自動変速機(オートマ
ッチクトランスミッション、AT)等との車載互換性を
有することが望ましく、比較的コンパクトに設計可能な
手動変速機と全長寸法やトランスミッションケース外周
寸法、いわゆる胴廻り寸法を略同一にすれば車載のため
の支持部材や排気系の共用化が可能になる。
【0006】従って、本発明はかかる点に鑑みなされた
ものであって、その目的は、駆動装置、特に駆動装置の
車体幅方向の短縮を図り、車体設計の自由度及びクラッ
シュストローク、トランスミッション脱着時等の作業空
間を確保しつつ従来のエンジンルームに搭載可能でしか
も、構造及びその制御装置の簡素化が得られる車両用駆
動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載の車両用駆動装置の発明は、横置きエンジン
と、該エンジンのクランク軸と同軸上に配置されてエン
ジンからの出力が入力される無段変速機と、該無段変速
機からの変速出力を伝達する駆動手段と、該駆動手段と
同軸上でかつ前記クランク軸に対して平行配置されて一
方のディファレンシャル装置に動力伝達する第1ドライ
ブ軸と、前記クランク軸に対して平行配置されて他方の
ディファレンシャル装置に動力伝達する第2ドライブ軸
と、前記第1ドライブ軸と同軸上に配置されかつ駆動手
段からの入力を所定の比率で動力配分及び前後進切換し
て第1及び第2ドライブ軸に動力伝達するダブルピニオ
ン式プラネタリギヤとを有することを特徴とする。
【0008】この請求項1の車両用駆動装置によると、
横置きエンジンのクランク軸と同軸上に無段変速機を配
置し、無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手段と
第1ドライブ軸を同軸上でかつクランク軸に対して平行
配置し、第2ドライブ軸をクランク軸に対して平行配置
し、前記駆動手段からの入力を所定の比率で動力配分及
び前後進切換して第1及び第2ドライブ軸に動力伝達す
るダブルピニオン式プラネタリギヤを第1ドライブ軸と
同軸上に配設することから、駆動装置全体の車幅方向及
び高さ方向寸法を抑えるコンパクト化が得られてエンジ
ンルーム内への収納性が良好になり、車体設計の自由度
及びクラッシュストローク、駆動装置脱着時等の作業空
間を等確保しつつ従来のエンジンルームに搭載可能にな
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1の車両
用駆動装置において、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
が、複数の摩擦係合要素の制御によって駆動手段からの
入力を所定の比率で動力分配及び前後進切換して第1及
び第2ドライブ軸に動力伝達することを特徴ととする。
【0010】この請求項2の発明によると、複数の摩擦
係合要素によってダブルピニオン式プラネタリギヤを制
御することによって、単一のダブルピニオン式プラネタ
リギヤによって動力分配及び前後進切換の両機能が達成
できる。
【0011】請求項3に記載の車両用駆動装置は、横置
きエンジンと、該エンジンのクランク軸と同軸上に配置
されてエンジンからの出力が入力される無段変速機と、
該無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手段と、該
駆動手段と同軸上でかつ前記クランク軸に対して平行配
置されて一方のディファレンシャル装置に動力伝達する
第1ドライブ軸と、前記クランク軸に対して平行配置さ
れて他方のディファレンシャル装置に動力伝達する第2
ドライブ軸と、第1ドライブ軸と同軸上に配置されたダ
ブルピニオン式プラネタリギヤと、該プラネタリギヤの
リングギヤ及びキャリヤに前記駆動手段からの出力を選
択的に動力伝達する入力切換手段と、前記プラネタリギ
ヤのサンギヤからの出力を第1ドライブ軸に動力伝達す
る手段と、前記プラネタリギヤのキャリヤからの出力を
第2ドライブ軸に動力伝達する第3摩擦係合要素と、前
記第1ドライブ軸と第2ドライブ軸との間を動力伝達す
る第4摩擦係合要素と、前記リングギヤの回転をに係止
する第5摩擦係合要素とを有し、上記入力切換手段及び
各摩擦係合要素を作動せしめて前記無段変速機からの入
力を前記プラネタリギヤを介して所定の比率で動力配分
及び前後進切換して第1及び第2のドライブ軸に動力伝
達することを特徴とする。
【0012】この請求項3に発明は、請求項1に記載の
発明をより具体化したものであって、請求項1の発明と
同様に、駆動装置全体の車幅方向及び高さ方向寸法を抑
えるコンパクト化が得られてエンジンルーム内への収納
性が良好になり、車体設計の自由度及びクラッシュスト
ローク、駆動装置脱着時等の作業空間を等確保しつつ従
来のエンジンルームに搭載可能になり、かつ第1から5
の各摩擦係合要素によってダブルピニオン式プラネタリ
ギヤを制御することによって、単一のダブルピニオン式
プラネタリギヤによって動力分配及び前後進切換の両機
能が達成できる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3の車両
駆動装置において、前進段は、入力切換手段が駆動手段
からの出力をリングギヤへ動力伝達状態であって、第5
の摩擦係合要素がリングギヤ回転許容状態でありダブル
ピニオン式プラネタリギヤがキャリヤとサンギヤに所定
の比率で動力配分するセンタディファレンシャル装置と
して機能し、第3摩擦係合要素が動力伝達状態であり、
かつ第4摩擦係合要素を動力伝達状態にしてキャリヤと
サンギヤとの間の差動制限を行うことを特徴とする。
【0014】この請求項4の発明によると、前進段にお
いて無段変速機からの出力をダブルピニオン式プラネタ
リギヤのリングギヤへ入力し、ダブルピニオン式プラネ
タリギヤの諸元によって動力配分して第1及び第2ドラ
イブ軸に動力伝達すると共に、第4摩擦係合要素によっ
て第1ドライブ軸と第2ドライブ軸の作動制限を行うこ
とにより良好な走行性が得られる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項4の車両
用駆動装置において、前進段において、第4の摩擦係合
要素が走行状態に基づいて伝達トルクを可変制御して動
力伝達することを特徴とする。
【0016】請求項5の発明によると、走行状態に基づ
いて第4摩擦係合要素の伝達トルクを可変制御すること
によって、第1ドライブ軸及び第2ドライブ軸への伝達
トルクの配分が走行状態に応じて可変制御されて適切な
トルク配分での走行が可能になる。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の
車両用駆動装置において、後退段は、前記入力切換手段
が駆動手段からの出力をキャリヤへ動力伝達状態であっ
て、第5摩擦係合要素が締結してリングギヤ回転係止状
態であり第3摩擦係合要素が解放状態で、ダブルピニオ
ン式プラネタリギヤが変速動力をサンギヤに出力し、第
4摩擦係合要素が動力伝達状態であることを特徴とす
る。
【0018】請求項6の発明によると、後退段において
駆動手段からの動力を、第5摩擦係合要素によってリン
グギヤが回転係止状態のダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのキャリヤへ入力し、サンギヤにキャリヤと逆回転及
び減速して出力し、第1ドライブ軸及び第2ドライブ軸
に前進時と逆回転の駆動力を伝達する。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項6の車両
用用駆動装置において、後退段において、第4の摩擦係
合要素が走行状態に基づいて伝達トルクを可変制御して
動力伝達することを特徴とする。
【0020】この請求項7の発明によると、走行状態に
おいて第4摩擦係合要素の伝達トルクを可変制御するこ
とによって、第1ドライブ軸及び第2ドライブ軸への伝
達トルクの配分が走行状態に応じて可変制御され適切な
トルク配分での走行が可能になる。
【0021】請求項8に記載の発明は、請求項3〜7の
車両用駆動装置において、入力切換手段が、前進段にお
いて係合して駆動手段からの出力をリングギヤへ動力伝
達する第1摩擦係合要素及び後退段において係合して駆
動手段からの出力をキャリヤへ動力伝達する第2摩擦係
合要素を有することを特徴とする。
【0022】この請求項8の発明によると、入力切換手
段が第1摩擦係合要素と第2摩擦係合要素によって構成
され、第1ドライブ軸上にコンパクトに配置することが
できる。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の
車両用駆動装置において、無段変速機が前記クランク軸
と同軸上に配置されたプライマリ軸と、該プライマリ軸
と平行配置されたセカンダリ軸と、前記プライマリ軸及
びセカンダリ軸に各々設けられたプライマリプーリ及び
セカンダリプーリと、該プライマリプーリとセカンダリ
プーリとの間に巻き掛けられた駆動ベルトとを有し、駆
動ベルトのプライマリプーリとセカンダリプーリとに対
する巻付径の比率を変えて無段階に変速するベルト式無
段変速機であることを特徴とする。
【0024】この請求項9の発明によると、無段変速機
としてベルト式無段変速機を用いることによって駆動装
置の特に車幅方向に全幅の削減が得られ、駆動装置のコ
ンパクト化が達成される。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項9の車
両用駆動装置において、ベルト式無段変速機のセカンダ
リ軸がプライマリ軸に対して車体後方に、前記第1ドラ
イブ軸がセカンダリ軸に対して下方に、かつ前記第2ド
ライブ軸が第1ドライブ軸の後方に各々平行配置するこ
とを特徴とし、この請求項10の発明によると、駆動装
置の全高及び車体前後方向の短縮が得られて駆動装置の
コンパクト化が達成される。
【0026】請求項11に記載の車両用駆動装置の発明
は、横置きエンジンと、該エンジンのクランク軸と同軸
上に配置されてエンジンからの出力が入力される無段変
速機と、該無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手
段と、該駆動手段と同軸上でかつ前記クランク軸に対し
て平行配置されてディファレンシャル装置に動力伝達す
るドライブ軸と、該ドライブ軸と同軸上に配置されて駆
動手段からの出力を前後進切り換えしてドライブ軸に動
力伝達する前後進切換装置とを有することを特徴とす
る。
【0027】この請求項11の車両用駆動装置によると
駆動装置全体の車幅方向及び高さ方向寸法を抑えるコン
パクト化が得られてエンジンルーム内への収納性が良好
になり、車体設計の自由度及びクラッシュストローク、
駆動装置脱着時等の作業空間を確保しつつ従来のエンジ
ンルームに搭載可能になる。
【0028】請求項12に記載の発明は、請求項11の
車両用駆動装置において、前後進切換装置が、ドライブ
軸にサンギヤが動力伝達可能に結合するダブルピニオン
式プラネタリギヤと、該ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのサンギヤに駆動手段からの出力を動力伝達する第6
摩擦係合要素と、前記ダブルピニオン式プラネタリギヤ
のキャリヤに動力伝達する入力手段と、ダブルピニオン
式プラネタリギヤのリングギヤを係止固定する第7摩擦
係合要素とを有することを特徴とする。請求項12の発
明は、請求項11の車両用駆動装置における前後進切換
装置を具体化してものであって、前後進切換装置をドラ
イブ軸にサンギヤが動力伝達可能に結合するダブルピニ
オン式プラネタリギヤと、ダブルピニオン式プラネタリ
ギヤのサンギヤに減速機からの出力を動力伝達する第6
摩擦係合要素と、ダブルピニオン式プラネタリギヤのキ
ャリヤに動力伝達する入力手段と、リングギヤを係止固
定する第7摩擦係合要素とによって構成することによっ
て、よりコンパクト配置することが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0030】図1において、本発明が適用される車両用
駆動装置としてベルト式無段変速機付4輪駆動車用駆動
装置の駆動系について説明する。
【0031】符号10は横置きに配置されたエンジンで
あり、このエンジン10に接合されてトルクコンバータ
20を収容するトルクコンバータケース1、このトルク
コンバータケース1の側方に位置してベルト式無段変速
機30、ディファレンシャル装置、例えばフロントディ
ファレンシャル装置40及び駆動手段となる減速機45
を収容するデフアンドコンバータハウジング2及びサイ
ドケース3、前記トルクコンバータケース1と協働して
トランスファユニット50を収容するケース4及びエン
ドカバー5、トルクコンバータケース1の後方に位置し
てトランスファユニット50からの出力を後輪へ伝達す
る動力伝達機構を収容するエクステンションケース6が
接合されてトランスミッションケース7を形成し、トラ
ンスミッションケース7の下部にオイルパン(図示せ
ず)が設けられる。
【0032】横置きエンジン10のクランク軸11がト
ルクコンバータケース1内部のトルクコンバータ20に
連結し、トルクコンバータ20からの入力軸21がデフ
アンドコンバータハウジング2内部のベルト式無段変速
機30のプライマリ軸31と一体に形成され、クランク
軸11からの動力をトルクコンバータ20を介して無段
変速機30のプライマリ軸31に伝動構成される。
【0033】そして無段変速機30で無段変速した動力
をセカンダリ軸32に出力し、減速機45を介してトラ
ンスファユニット50に入力し、トランスファユニット
50によってディファレンシャル装置、例えばフロント
ディファレンシャル装置40を介して前輪に伝動構成す
る一方、プロペラ軸116及び他方のディファレンシャ
ル装置、例えばリヤディファレンシャル装置117等を
介して後輪に伝動構成される。
【0034】トランスミッションケース7内にはトルク
コンバータ20に設けられるオイルポンプドライブ軸2
4aに連結して常に駆動されるオイルポンプ8が設けら
れ、オイルポンプ8により常時油圧を発生してトルクコ
ンバータ20等に給油し、無段変速機30の油圧制御を
可能にし、かつ車速センサ9a、スロットルセンサ9
b、シフトセンサ9c、前輪回転数センサ9d、後輪回
転数センサ9e、舵角センサ9f等の各信号に基づいて
油圧制御ユニット9によってコントロールバルブ12を
制御してトランスファユニット50の油圧制御を可能に
している。
【0035】次に図2乃至図10によってトルクコンバ
ータ20、ベルト式無段変速機30、ディファレンシャ
ル装置40、減速機45及びトランスファユニット50
について順次説明する。
【0036】トルクコンバータ20は、図2に要部断面
を示すようにデフアンドコンバータハウジング2及びサ
イドカバー3に各々ボールベアリングを介して軸支され
るプライマリ軸31の入力軸21部でデフアンドコンバ
ータハウジングから2から延出されたステータ軸22に
軸支されクランク軸1と一体のドライブプレート26に
取り付けられて回転自在に軸支されている。
【0037】入力軸21の外周は略円筒状で基端に設け
られたフランジ部がオイルポンプハウジングを介在して
トルクコンバータケース1にボルト結合されたステータ
軸22によって回転自在に囲まれ、ステータ軸22には
インペラ24に一体的に結合されたオイルポンプドライ
ブ軸24aが回転自在に嵌合している。
【0038】インペラ24は、その外周がフロントカバ
ー25の外周と一体的に結合されるドライブプレート2
6を介してクランク軸11に結合することによってクラ
ンク軸11と一体的に回転駆動される。
【0039】インペラ24と対向して入力軸21に嵌合
するタービン27が配置され、インペラ24とタービン
27との間のステータ軸22にワンウエイクラッチを介
して支持されるステータ28が介装されている。
【0040】更にタービン27とフロントカバー25と
の間にロックアップクラッチ29が介装され、ステータ
軸22の基端にはオイルポンプドライブ軸によって回転
駆動されるオイルポンプ8が設けられている。
【0041】そしてエンジン10のクランク軸11が回
転すると、インペラ24が回転駆動され、インペラ24
の回転によりオイルを介してタービン27にインペラ2
4の回転と同方向のトルクを伝達することによりタービ
ン27とスプライン嵌合する入力軸21を回転駆動す
る。
【0042】ベルト式無段変速機30は互に平行配置さ
れたプライマリ軸31とセカンタリ軸32に各々設けら
れたプライマリプーリ33及びセカンダリプーリ34
と、これら両プーリ33、34間に巻き掛けられた駆動
ベルト35とを有し、各プーリ33、34のプーリ溝巾
を変えることにより各プーリ33、34に対する駆動ベ
ルト35の有効巻付け径の比率を変えて無段階に変速す
るよう構成されている。
【0043】このため上記入力軸21と一体に形成され
たプライマリ軸31に設けられるプライマリプーリ33
は、プライマリ軸31と一体形成された固定シーブ33
aと、この固定シーブ33aに対して軸方向への移動を
可能にする可動シーブ33bを有している。
【0044】固定シーブ33aと可動シーブ33bとは
円滑な無段変速を確保するため駆動ベルト35を所定の
クランプ力で挾持してトルク伝達すると共に、固定シー
ブ33aと可動シーブ33bによって形成されるプーリ
溝巾を円滑に可変制御する必要から、プライマリ軸31
と可動シーブ33bとの嵌合部には各々軸方向に延在し
て互いに対向する複数のボール溝を形成し、対向するボ
ール溝の間に介在するボールを介してトルク伝達する手
段が採られている。
【0045】可動シーブ33bの固定シーブ33aと反
対側の背面には略円筒状のピストン37aが固定され、
このピストン37aはプライマリ軸31に中心部が固定
された有底円筒状のシリンダ37bと協働して油圧室3
7Aを形成すると共に、プーリ溝巾を狭くする方向に可
動シーブ33bを付勢するスプリングを具備する油圧ア
クチュエータ37が設けられている。
【0046】プライマリ軸31には油圧室37Aに連通
する油路が形成され、スロットル開度等に基づいて油圧
制御ユニット9によって制御されて油圧アクチュエータ
37の油圧室37A内に給排する油圧によって可動シー
ブ33bをプライマリ軸31に沿って移動させることに
よってプーリ溝巾を可変制御している。
【0047】一方セカンダリ軸32は、デフアンドコン
バータハウジング2及びサイドカバー3にローラベアリ
ング及びボールベアリングを介して回転自在に軸支さ
れ、セカンダリプーリ34は、セカンダリ軸32と一体
に形成された固定シーブ34aと、この固定シーブ34
aに対して軸方向への移動を可能にする可動シーブ34
bを有し、セカンダリ軸32と可動シーブ34bの嵌合
部には、各々軸方向に互いに対向延在して形成された複
数のボール溝間に介在するボールを介してトルク伝達す
るよう構成されている。
【0048】可動シーブ34bの背面には略円筒状のシ
リンダ36aが固定され、このシリンダ36aはセカン
ダリ軸32に中心部が固定されたピストン36bと協働
して油圧室36Aを形成すると共に、プーリ溝巾を狭く
する方向に可動シーブ34bを付勢するスプリングを具
備する油圧アクチュエータ36が設けられている。
【0049】セカンダリ軸32には油圧室36Aに連通
する油路が形成され、スロットル開度等に基づいて油圧
制御ユニット9によって制御された油圧が油圧アクチュ
エータ36の油圧室36Aに給排されるように構成さ
れ、かつセカンダリ軸32の一端には減速機45のドラ
イブギヤ46が設けられている。
【0050】ここでセカンダリプーリ34の可動シーブ
34bが油圧作用を受ける受圧面積に比べ、プライマリ
プーリ33の可動シーブ33bが油圧作用を受ける受圧
面積が大であることから油圧室37A及び36Aに給排
される油圧に従ってプライマリプーリ33とセカンダリ
プーリ34の各プーリ溝巾が逆の関係に変化して各プー
リ33、34に対する駆動ベルト35の有効巻付け径の
比率を無段階に変換し、無段変速した動力をセカンダリ
軸32に出力する。
【0051】セカンダリ軸32からの変速出力は減速機
45の前記ドライブギヤ46に出力され、リダクション
ギヤ47によって減速され、リダクションギヤ47と一
体形成された伝動軸53を介してトランスファユニット
50へ伝動構成される。
【0052】次に図2及び図2の要部拡大を示す図3に
よってフロントディファレンシャル装置40及びトラン
スファユニット50の部分について述べる。
【0053】フロントディファレンシャル装置40は、
ボールベアリング41aを介してデフアンドコンバータ
ハウジング2に軸支されるファイナルドリブンギヤ41
と、ボールベアリング42aを介してトルクコンバータ
ケース1に軸支される拡径形成されたデフケース42を
有し、中空状のデフケース42内にはデフケース42に
両端が支持されたピニオン軸43aにより一対のピニオ
ン43bが回転自在に支持され、両ピニオン43bに左
右のサイドギヤ43c、43dが噛み合ってディファレ
ンシャルギヤ43を構成している。
【0054】一方のサイドギヤ43cに連結する駆動軸
44aはデフケース42からデフアンドコンバータハウ
ジング2を貫通して等速継手、アクスル軸等を介して一
方の前輪に動力伝達し、他方のサイドギヤ43dに連結
する駆動軸44bはデフケース42及びトルクコンバー
タケース1を貫通してエンドカバー5から突出して等速
継手、アクスル軸等を介して他方の前輪に動力伝達す
る。
【0055】トランスファユニット50は、エンジン1
0のクランク軸11に対して平行配置されて減速機45
のリダクションギヤ47と同軸上に第1ドライブ軸とな
るフロントドライブ軸51及びフロントドライブ軸51
に対して平行配置された第2ドライブ軸となるリヤドラ
イブ軸52を有している。
【0056】互に平行配置されるクランク軸11、プラ
イマリ軸31、セカンダリ軸32、フロントドライブ軸
51及びリヤドライブ軸52等は、図2における矢視A
方向からの配置を図4に示すように、クランク軸11の
回転軸芯11a及びプライマリ軸31が車体幅方向に同
軸上に位置し、セカンダリ軸32がプライマリ軸31に
対して車体後方で高位置に平行配置されてプライマリプ
ーリ33に対してセカンダリプーリ34が車体後方で高
位置に対向配置される。そして減速機45のリダクショ
ンギヤ47及びフロントドライブ軸51が同軸上でクラ
ンク軸11の車体後方において略セカンダリ軸32の下
方に、更にリヤドライブ軸52がフロントドライブ軸5
1の車体後方に各々平行配置することにより駆動装置全
体の車幅方向及び高さ方向寸法を抑えてコンパクト化を
図っている。
【0057】前記フロントドライブ軸51は、一端がニ
ードルベアリング51cを介してデフアンドコンバータ
ハウジング2に、更に一端近傍が前記リダクションギヤ
47と一体形成された伝動軸53及び伝動軸53を軸支
するボールベアリング53aを介在してトルクコンバー
タケース1に、他端部がニードルベアリング51dを介
してエンドカバー5に各々回転自在に支持されている。
【0058】またフロントドライブ軸51の一端には前
記ファイナルドリブンギヤ41と噛み合うファイナルド
ライブギヤ54が設けられ、軸方向中央部外周にはダブ
ルピニオン式プラネタリギヤ55のサンギヤ56が嵌合
するスプライン51aが、端部外周には第4の摩擦係合
要素となる第4多板クラッチ93のクラッチドラム94
が嵌合するスプライン51bが各々形成されている。
【0059】一方フロントドライブ軸51と平行配置さ
れるリヤドライブ軸52の一端にはトランスファドリブ
ンギヤ52aが、また他端には後述する出力軸113の
一端に設けられるベベルギヤ113aと噛み合うベベル
ギヤ52bが取り付けられ、複数のボールベアリング5
2cによってトランスミッションケース7のトルクコン
バータケース1及びエンドカバー5に回転自在に軸支さ
れている。
【0060】フロントドライブ軸51のスプライン51
aに嵌合するダブルピニオン式プラネタリギヤ55は、
スプライン51aにスプライン嵌合されるサンギヤ56
と、リングギヤ57と、サンギヤ56及びリングギヤ5
7に各々が噛み合いかつ互に噛み合う第1及び第2ピニ
オン58、59と、第1及び第2ピニオン58、59を
ニードルベアリングを介して回転自在に支持するキャリ
ヤ60によって構成されている。
【0061】そしてリングギヤ57に入力する動力をサ
ンギヤ56とリングギヤ57との歯車諸元によるトルク
配分でサンギヤ56とキャリヤ60に伝達する一方、リ
ングギヤ57をトランスミッションケース7に係止する
ことによりキャリヤ60への入力に対してサンギヤ56
を逆方向に回転せしめる機能を有する。
【0062】伝動軸53はトルクコンバータケース1に
設けられた略円筒状の固定軸62によって囲まれ、伝動
軸53と前記ダブルピニオン式プラネタリギヤ55との
間に伝動軸53からの出力をリングギヤ57或いはキャ
リヤ60に入力する前記第1多板クラッチ68と第2摩
擦係合要素となる第2多板クラッチ78とを有する入力
切換手段67が設けられている。
【0063】第1多板クラッチ68は、固定軸62に回
転自在に軸支されたクラッチドラム69が伝動軸53の
先端にスプライン嵌合し、クラッチハブ70がダブルピ
ニオン式プラネタリギヤ55のリングギヤ57に結合し
て伝動軸53とリングギヤ57との間に介設される。
【0064】そして油圧室71の油圧でピストン72を
介してクラッチドラム69とクラッチハブ70との間に
配設されたドライブプレート及びドリブンプレート7を
圧接することによって伝動軸53とリングギヤ57との
間が動力伝達するように構成される。
【0065】またピストン72の油圧室71と反対側に
はピストン74を介してリテーナ75aが設けられ、ピ
ストン72にはピストン74を介してリターンスプリン
グ76の押圧力が付勢される。
【0066】第2多板クラッチ78は、クラッチドラム
69を第1多板クラッチ68と共用し、クラッチハブ7
9がキャリヤ60に結合して伝動軸53とキャリヤ60
との間に介設される。そして油圧室80の油圧でピスト
ン74を介してクラッチドラム69とクラッチハブ79
との間に配設されたドライブプレートとドリブンプレー
トを圧接することによって伝動軸53とキャリヤ60と
の間が動力伝達するように構成され、かつピストン74
にはリターンスプリング76の押圧力が付勢される。
【0067】ダブルピニオン式プラネタリギヤ55に対
して入力切換手段67と反対側にはボールベアリング8
2aを介して回転自在にケース4に軸支され、かつニー
ドルベアリング82bを介してフロントドライブ軸51
に回転自在にトランスファドライブギヤ82が軸支さ
れ、前記駆動軸44bに回転自在に支持されたアイドル
ギヤ83を介してリヤドライブ軸52のトランスファド
リブンギヤ52aに動力伝達可能に噛合している。
【0068】ダブルピニオン式プラネタリギヤ55とト
ランスファドライブギヤ82との間にはキャリヤ60か
らの出力をトランスファドライブギヤ82に動力伝達す
る第3摩擦係合要素となる第3多板クラッチ84が設け
られる。
【0069】第3多板クラッチ84は、クラッチドラム
85がトランスファドライブギヤ82にスプライン結合
し、クラッチハブ86がキャリヤ60に結合してキャリ
ヤ60とトランスファドライブギヤ82との間に介設さ
れる。
【0070】そして油圧室87の油圧によってピストン
88を介してクラッチドラム85とクラッチハブ86と
の間に配設されたドライブプレートとドリブンプレート
の圧接を図ることによって動力伝達するよう構成され、
ピストン88にはリターンスプリング90の押圧力が付
勢される。
【0071】フロントドライブ軸51の端部とトランス
ファドライブギヤ82との間には、フロントドライブ軸
51とトランスファドライブギヤ82とを動力伝達する
第4摩擦係合要素となる第4多板クラッチ93が配設さ
れる。
【0072】第4多板クラッチ93はクラッチドラム9
4がフロントドライブ軸51のスプライン51bにスプ
ライン嵌合し、クラッチハブ95がトランスファドライ
ブギヤ82に結合してフロントドライブ軸51とトラン
スファドライブギヤ82との間に介設される。
【0073】そして油圧室96の油圧でピストン97を
介してクラッチドラム94とクラッチハブ95の間に配
設されたドライブプレートとドリブンプレートを圧接す
ることによって動力伝達するよう構成され、かつピスト
ン97にはリターンスプリング98の圧力が付勢され
る。
【0074】トランスミッションケース7のケース4と
ダブルピニオン式プラネタリギヤ55のリングギヤ57
との間には、第5摩擦係合要素となる第5多板ブレーキ
102が配設される。
【0075】第5多板ブレーキ102は、クラッチハブ
70を第1多板クラッチ68と共用し、油圧室103の
油圧でピストン104を介してケース4と前記クラッチ
ハブ70との間に配設されたドライブプレートとドリブ
ンプレートの圧接を図ることによってリングギヤ57を
トランスミッションケース7に係止固定するよう構成さ
れ、かつピストン104にはリターンスプリング106
の押圧力が付勢される。
【0076】トルクコンバータケース1の後端に設けら
れるエクステンションケース6内にはリテーナ110に
よってエクステンションケース6に支持され、かつスペ
ーサ111を介して所定寸法離間する一対のローラベア
リング112によって出力軸113が軸支されている。
【0077】出力軸113の先端にリヤドライブ軸52
に設けられたベベルギヤ52bと噛み合うベベルギヤ1
13aが設けられ、他端は自在継手、プロペラ軸116
等を介してリヤディファレンシャル装置117に動力伝
達可能に構成される。
【0078】トランスミッションケース7の下部に設け
られるオイルパン内には、オイルポンプ8からの油圧を
車速センサ9a、スロットルセンサ9b、シフトセンサ
9c、前輪回転数センサ9d、後輪回転数センサ9e、
舵角センサ9f等からの信号に基づいて油圧制御ユニッ
ト9によって制御され、上記入力切換手段67、第3、
第4の多板クラッチ84、93及び第5多板ブレーキ1
02の各油圧室71、80、87、96、103及び無
段変速機30に切換供給するためのコントロールバルブ
(図示せず)が設けられている。
【0079】次にこのように構成された4輪駆動車用駆
動装置の作用を図5乃至図9に示す概略説明図及び図1
0に示す各走行レンジにおける各多板クラッチ68、7
8、84、93及び第5多板ブレーキ102の作動状態
を示す摩擦係合要素作動説明図に従って説明する。この
摩擦係合要素作動説明図において印は、係合或いは作動
していることを示し、()は後述する必要に応じて係合
或いは作動していることを示している。
【0080】先ずエンジン10の動力は、クランク軸1
1からトルクコンバータ20を介して無段変速機30の
プライマリ軸31に入力する。そしてプライマリ軸3
1、プライマリプーリ33、駆動ベルト35及びセカン
ダリプーリ34により無段階に変速してセカンダリ軸3
2に出力する。
【0081】セカンダリ軸32からの変速出力は、減速
機45のドライブギヤ46及びリダクションギヤ47の
諸元によって減速されて伝動軸53、クラッチドラム6
9を介して第1多板クラッチ68及び第2多板クラッチ
78へ入力される。
【0082】ここでニュートラル(N)レンジ、パーキ
ング(P)レンジでは第1及び第2の多板クラッチ6
8、78は解放されて動力伝達遮断状態となり、これ以
降の動力伝達はしなくなる。
【0083】前進段となるドライブ(D)レンジでは、
第1多板クラッチ68及び第3多板クラッチ84が係合
し、図5に動力伝達状態を太線で示すようになる。すな
わち油圧室71へ油圧が供給され、ピストン72を介し
てクラッチドラム69及びクラッチハブ70の間に配設
されたドライブプレートとドリブンプレートが圧接して
係合した第1多板クラッチ68により伝動軸53からダ
ブルピニオン式プラネタリギヤ55のリングギヤ57に
動力伝達すると共に、油圧室87へ供給される油圧によ
り結合される第3多板クラッチ84によりキャリヤ60
とトランスファドライブギヤ82とが動力伝達可能に連
結する。
【0084】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
55は図6に示すように入力側のリングギヤ57が第1
ピニオン58に噛み合い、第1ピニオン58に噛み合う
第2ピニオン59がサンギヤ56に噛み合いサンギヤ5
6及びキャリヤ60をリングギヤ57と同一方向に回転
させて、サンギヤ56とキャリヤ60とに所定の配分比
でトルクを伝達しながら差動回転するように構成され、
サンギヤ56とスプライン嵌合するフロントドライブ軸
51及びキャリヤ60に第3多板クラッチ84によって
動力伝達可能に結合するトランスファドライブギヤ82
をリングギヤ57と同一方向に回転せしめる。
【0085】そしてフロントドライブ軸51に設けたフ
ァイナルドライブギヤ54からフロントディファレンシ
ャル装置40に伝達すると共に、トランスファドライブ
ギヤ82からアイドルギヤ83を介してトランスファド
リブンギヤ52aに出力してリヤドライブ軸52をリン
グギヤ57と同方向に回転駆動する。一方トルク伝達時
に第1及び第2のピニオン58、59の自転と公転とに
よりサンギヤ56とキャリヤ60との回転差を吸収する
所謂センタディファレンシャル装置として機能する。
【0086】ここで図6の略図を用いてダブルピニオン
式プラネタリギヤ55のトルク配分について説明する。
【0087】リングギヤ57の入力トルクをTi、サン
ギヤ56からフロントドライブ軸51へのフロント側ト
ルクをTF、キャリヤ60によるリヤ側トルクをTR、
サンギヤ56の歯数をZS、リングギヤ57の歯数をZ
Rとすると、 Ti=TF+TR TF:TR=ZS:(ZR−ZS) が成立する。このことからサンギヤ56の歯数ZSとリ
ングギヤ57の歯数ZRとを適切に設定することでフロ
ント側トルクTF及びリヤ側トルクTRの基準トルク配
分を自由に設定し得ることがわかる。
【0088】ここでZS=37、ZR=82にすると、 TF:TR=37:(82−37) になる。従って前後輪トルク配分率は TF:TR≒45:55 になり、前輪に略45%、後輪に略55%各々配分され
充分に後輪偏重の基準トルク配分に設定し得る。
【0089】一方第4多板クラッチ93は油圧室96の
油圧でピストン97を介してクラッチドラム94とクラ
ッチハブ95の間のドライブプレートとドリブンプレー
トの圧接を図ることによってクラッチトルクTcを生じ
るように構成され、油圧制御ユニット9によって制御さ
れるコントロールバルブからの油圧によってクラッチト
ルクTcを可変制御する。
【0090】ここで、前輪回転数センサ9d及び後輪回
転数センサ9eにより検出された前輪回転数NF、後輪
回転数NRは、油圧制御ユニット9に入力されるが滑り
易い路面走行時にはTF<TRの後輪偏重の基準トルク
配分で常に後輪が先にスリップすることから、スリップ
率S=NF/NR(S>O)に算出される。このスリッ
プ率Sと舵角センサ9fから油圧制御ユニット9に入力
される舵角ψとは制御ユニット9の図7に示すマップか
らクラッチ圧Pcを検索する。ここでS≧1のノンスリ
ップではクラッチ圧Pcは低い値に設定されてあり、S
<1のスリップ状態でスリップ率の減少に応じてクラッ
チ圧Pcを増大し、スリップ率Sが設定値S1以下にな
るとPmax に定める。このクラッチ圧Pcにライン圧が
調圧され第4多板ラッチ94のクラッチトルクTcを可
変制御する。
【0091】従って第4多板クラッチ93によってサン
ギヤ56からフロントドライブ軸51、トランスファド
ライブギヤ82を介してサンギヤ56に至るバイパス系
115が各別に構成される。このバイパス系115で
は、後輪がスリップすると、トランスファユニット50
内で後輪回転数NR>リングギヤ57の回転数>前輪回
転数NFの差動機能が成立し、クラッチトルクTcに応
じてトランスファドライブギヤ82から第4多板クラッ
チ93を介しフロントドライブ軸51にトルクがTcだ
け増加して伝達し、更にトランスファドライブギヤ82
にアイドルギヤ83を介して噛み合うトランスファドリ
ブンギヤ52aにはクラッチトルクTc分を減じたトル
クが伝達されてリヤドライブ軸52に伝達するものであ
り、この結果、前後輪トルクTF、TRは以下のように
なる。
【0092】TF=0.45Ti+Tc TR=0.55Ti−Tc
【0093】従ってノンスリップ状態では、クラッチト
ルクTcが零のためTF:TR=45:55の後輪偏重
にトルク配分され、後輪スリップ発生時にクラッチトル
クTcが生じると、このクラッチトルクTcに応じてク
ラッチトルクTcが大きい程バイパス系115を経由し
て入力トルクTiが前輪側に流れ、図7に示すようT
F:TR=TF1 :TR1 に変化して前輪トルクが積極
的に増大制御され、後輪トルクは減じてスリップが生じ
なくなり走破性も良好になる。そして上述のスリップS
が設定値以下になると、第4多板クラッチ93の油圧と
共に差動制限トルクが最大になってサンギヤ56とキャ
リヤ60とを直結する。このためトランスファユニット
50はディファレンシャルロックされ、前後輪の軸重配
分に相当したトルク配分の直結式4輪駆動走行になり走
破性が最大に発揮される。
【0094】一方前輪がスリップすると、トランスファ
ユニット50内で後輪回転数NR<リングギヤ57の回
転数<前輪回転数NFの差動機能が成立し、クラッチト
ルクTcに応じてフロントドライブ軸51からトランス
ファドライブギヤ82にトルクが伝達し、かつフロント
ドライブ軸51から前輪には後輪に流れたクラッチトル
クTc分を減じたトルクが伝達するものであり、この結
果前後輪トルクTF、TRは以下のようになる。
【0095】TF=0.45Ti−Tc TR=0.55Ti+Tc
【0096】従ってノンスリップ状態では、クラッチト
ルクTcが零のためTF:TR=45:55の後輪偏重
にトルク配分され、前輪スリップ発生時にクラッチトル
クTcが生じると、このクラッチトルクTcに応じて入
力トルクTiが後輪側に流れて後輪トルクが積極的に増
大制御され、前輪トルクは減じてスリップを生じなくな
り走破性も良好になる。またスリップ率が設定値以下に
なると、第4多板クラッチ93の油圧と共に差動制限ト
ルクが最大になってサンギヤ56とキャリヤ60が直結
するため、前後輪の軸重配分に相当したトルク配分の直
結式4輪駆動走行になり走破性が充分に発揮される。こ
うしてスリップ状態に応じ、それを回避すべく幅広く前
後輪へのトルクが制御される。
【0097】また、上述のスリップの発生に伴うトルク
配分制御において旋回する場合にはその舵角ψにより第
4多板クラッチ93の差動制限トルクが減少補正され
る。このためトランスファユニット50の差動制限は減
じて回転数差を充分に吸収することが可能になり、タイ
トコーナーブレーキング現象が回避され、操縦性が良好
に確保される。
【0098】後退段となるリバース(R)レンジでは、
第1多板クラッチ68及び第3多板クラッチ84が解放
され、第2多板クラッチ78、第4多板クラッチ93及
び第5多板ブレーキ102が係合して図8に示す動力伝
達状態を太線で示すようになる。すなわち油圧室80へ
油圧を供給して第2多板クラッチ78を係合して伝動軸
53からキャリヤ60に動力伝達すると共に、油圧室1
03を油圧を供給して第5多板ブレーキ102によりリ
ングギヤ57をトランスミッションケース7に係止固定
する。
【0099】そして油圧室96の油圧によりピストン9
7を介してドライブプレートとドリブンプレートを圧接
して第4多板クラッチ93によりフロントドライブ軸5
1からトランスファドライブギヤ82に動力伝達可能に
する。
【0100】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
55は図9に示すように入力側のキャリヤ60の回転に
より互に噛合した第1及び第2のピニオン58、59は
互に逆回転しつつリングギヤ57に沿って回転し、サン
ギヤ56をキャリヤ60と逆方向に回転してフロントド
ライブ軸51を入力側に対して逆方向に回転せしめ、か
つフロントドライブ軸51は第4多板クラッチ93を介
してトランスファドライブギヤ82に動力伝達し、リヤ
ドライブ軸52をフロントドライブ軸51と同方向に回
転駆動する。
【0101】従って、伝動軸53からの入力は、ダブル
ピニオン式プラネタリギヤ55のリングギヤ57を第5
多板ブレーキ102によってトランスミッションケース
7に係止することによりドライブ(D)レンジ状態と逆
方向にフロントドライブ軸51及びリヤドライブ軸52
に出力され、このダブルピニオン式プラネタリギヤ55
は前後進切換機能を有する。
【0102】この場合、キャリヤ60の入力に対するフ
ロントドライブ軸51及びリヤドライブ52に出力され
る変速比は次式で設定される。
【0103】変速比=[ZS+(−ZR)]/ZS ここで前記同様ZS=37、ZR=82にすると、 変速比=[37+(−82)]/37=−1.216 となり、リバース(R)レンジでの減速比が適切に確保
される。
【0104】一方、キャリヤ60に入力するトルクTi
はクラッチトルクTcに応じてトランスファドライブギ
ヤ82に伝達し、前輪には後輪に伝達したクラッチトル
クTc分を減じたトルクが入力され、この結果前後輪ト
ルクTF、TRは以下のようになる。
【0105】Ti=TF+TR TF=Ti−Tc TR=Tc
【0106】従って、前輪スリップ時にはクラッチトル
クTcを増大させることにより入力トルクTiを後輪側
に流し、後輪トルクを積極的に増大制御して前輪トルク
を減じてスリップを生じなくして走破性を良好にする。
またスリップ率が設定値以下になると、第4多板クラッ
チ93の油圧と共に差動制限トルクTcを最大にしてフ
ロントドライブ軸51とトランスファドライブギヤ82
を直結にして前後輪の軸重配分に相当したトルク配分の
直結式4輪駆動走行にして走破性が最大に発揮される。
更に旋回する場合には、その舵角ψにより第4多板クラ
ッチ93の差動制限トルクが減少され、回転数差を充分
に吸収することが可能になり、タイトコーナーブレーキ
ング現象が回避され、操縦性が良好になる。
【0107】従って、横置き配置されるエンジン10の
クランク軸11及びプライマリ軸31が車体幅方向に同
軸上に位置し、セカンダリ軸32がプライマリ軸31に
対して車体後方で高位置に平行配置され、減速機45の
リダクションギヤ47及びフロントドライブ軸51が同
軸上でクランク軸11の車体後方において略セカンダリ
軸32の下方に、更にリヤドライブ軸52がフロントド
ライブ軸51の車体後方に各々平行配置することにより
駆動装置全体の車幅方向及び高さ方向寸法を抑えてコン
パクト化が得られ、エンジンルーム内への収納性が良好
になり、手動変速機(MT)、自動変速機(AT)搭載
車体との互換性に優れる。
【0108】更にフロントドライブ軸51にサンギヤ5
6が結合するダブルピニオン式プラネタリギヤ55を設
け、無段変速機30からの出力をリングギヤ57に伝達
する第1多板クラッチ68、キャリヤ60に伝達する第
2多板クラッチ78、キャリヤ60とトランスファドラ
イブギヤ82とを動力伝達可能に連結する第3多板クラ
ッチ84、フロントドライブ軸51とリヤドライブ軸5
2とを動力伝達可能に連結する第4多板クラッチ93及
びリングギヤ57を係止する第5多板ブレーキ102を
設け、これら各多板クラッチ68、78、84、93及
び第5多板ブレーキ102を選択的に制御することによ
り前進段であるドライブ(D)レンジ及び後退段である
リバース(R)レンジではフロントドライブ軸51及び
リヤドライブ軸52へ適切なトルク配分及び差動制限を
可能にするセンターディファレンシャル装置として機能
して良好な走行性が得られ、かつドライブ(D)レン
ジ、リバース(R)レンジへの切換時の前後進切換装置
として機能する。
【0109】よって従来センターディファレンシャル装
置用及び前後進切換装置用として各単独機能する各々専
用のダブルピニオン式プラネタリギヤを要したが、単一
のダブルピニオン式プラネタリギヤによって両機能が達
成され、高機能を維持しつつ駆動装置の構成及び制御の
簡素化及び軽量化が可能になり、コスト低減及びコンパ
クト化、特に車幅方向の全長及び全高が短縮され、この
コンパクト化に伴い、車載状態においてエンジンルーム
側壁と駆動装置とが充分に離間し、エンジンルーム側壁
と駆動装置との間の増大に伴って側面衝突時のクラッシ
ュストロークが確保され、かつトランスミッション脱着
時の作業空間として充分に有効活用できると共に、エン
ジンフードの前部を低くするいわゆるスラントノーズ化
が可能になり車両設計の自由度が増大する。
【0110】更に本実施の形態における4輪駆動装置に
あっては、図11に駆動系の概要を示し、対応する部分
に図1と同一符号を付することで詳細な説明を省略する
が、トランスファ50にかえて前後進切換装置120を
配置し、トランスファドライブギヤ82、リヤドライブ
軸52等の後輪駆動部を廃止することによって容易に2
輪駆動車用駆動装置に容易に変更し得る。
【0111】符号121は2輪駆動車用のフロントドラ
イブ軸であり、フロントドライブ軸121は、その一端
がデフアンドコンバータハウジングに、また他端部はボ
ールベアリングによってエンドカバーに回転自在に支持
されている。
【0112】フロントドライブ軸121の一端にはフロ
ントディファレンシャル装置40のファイナルドりブン
ギヤ41と噛み合うファイナルドライブギヤ54が設け
られ、フロントドライブ軸121の他端にダブルピニオ
ン式プラネタリギヤ55のサンギヤ56がスプライン嵌
合している。
【0113】伝動軸53と前記ダブルピニオン式プラネ
タリギヤ55との間に伝動軸53からの出力をフロント
ドライブ軸121に動力伝達する第6摩擦係合要素とな
る第6多板クラッチ125とキャリヤ60に入力する入
力手段130とを有する入力切換手段124が設けられ
ている。
【0114】入力手段130は、第6多板クラッチ12
5のクラッチドラムとキャリヤ60を連結部材131を
有し、伝動軸53とキャリヤ60を第6多板クラッチ1
25のクラッチドラム及び連結部材131によって動力
伝達可能に連結している。
【0115】トランスミッションケース7とプラネタリ
ギヤ55のリングギヤ57の間には、トランスミッショ
ンケース7に係止してリングギヤ57を固定するための
第7摩擦係合要素となる第7多板ブレーキ135が配設
されている。
【0116】そして、互に平行配置されるクランク軸1
1、プライマリ軸31、セカンダリ軸32、フロントド
ライブ軸121は、図11における矢視B方向からの配
置を図12に示すように、横置き配置されるエンジン1
0のクランク軸11及びプライマリ軸31が車体幅方向
に同軸上に位置し、セカンダリ軸32がプライマリ軸3
1に対して車体後方で高位置に平行配置され、このプラ
イマリプーリ33に対してセカンダリプーリ34が車体
後方で高位置に対向配置され、そして減速機45のリダ
クションギヤ47と同軸上でクランク軸11の車体後方
にフロントドライブ軸121及び前後進切換装置が配置
され、特に駆動装置の車幅方向の全長及び全高が短縮さ
れ、車載状態においてエンジンルーム側壁と駆動装置と
が充分に離間し、エンジンルーム側壁と駆動装置との間
の増大に伴って側面衝突時のクラッシュストロークが確
保され、かつトランスミッション脱着時の作業空間とし
て充分に有効活用できる。
【0117】次にこのように形成された2輪駆動車用駆
動装置の作用を図13及び図14に示す概略説明図に従
って説明する。
【0118】先ず、エンジン10の動力はクランク軸1
1からトルクコンバータ20を介して無段変速機30の
プライマリ軸31に入力され、プライマリプーリ33、
駆動ベルト35及びセカンダリプーリ34によって無段
階に変速してセカンダリ軸32に出力され、セカンダリ
軸32からの変速出力は、減速機45のドライブギヤ4
6及びリダクションギヤ47の諸元によって減速されて
伝動軸53を介して第6多板クラッチ125のクラッチ
ドラムに入力される。
【0119】ここでニュートラル(N)レンジ、パーキ
ング(P)レンジでは第6多板クラッチ125及び第7
多板ブレーキ135は共に解放されて動力遮断状態とな
り、これ以降の動力伝達はしなくなる。
【0120】前進段となるドライブ(D)レンジでは、
第6多板クラッチ125が係合されると共に、第7多板
ブレーキ135が解放して図13に動力伝達状態を太線
で示すようになる。
【0121】従って、伝動軸53からの入力は、第6多
板クラッチ125を介してフロントドライブ軸121へ
動力伝達され、フロントドライブ軸121を伝動軸53
と同方向に回転駆動する。
【0122】一方後退段となるリバース(R)レンジで
は、第6多板クラッチ125が解放され、第7の多板ブ
レーキ135によってダブルピニオン式プラネタリギヤ
55のリングギヤ57をトランスミッションケース7に
係止することによって図14に動力伝達状態を太線で示
すようにする。
【0123】これにより伝動軸53からの入力は、ダブ
ルピニオン式プラネタリギヤ55のキャリヤ60に動力
伝達され、キャリヤ60の回転により互いに噛合した第
1及び第2のピニオン58、59は互いに逆回転しつつ
リングギヤ57に沿って回転してサンギヤ56をキャリ
ヤ60と逆方向に回転させてフロントドライブ軸121
を入力側に対して減速すると共に逆方向に回転駆動す
る。
【0124】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
55、第6多板クラッチ125及び第7多板ブレーキ1
35を主要部とする前後進切換装置が構成される。
【0125】前記各実施形態では、発進クラッチとして
トルクコンバータを用いた場合を例に説明したが、トル
クコンバータに代えて電磁クラッチや湿式クラッチを用
いることも可能であり、本発明は上記実施形態に限定さ
れることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更
可能である。
【0126】
【発明の効果】以上説明した本発明の車両用駆動装置に
よると、4輪駆動車用駆動装置において、横置きエンジ
ンのクランク軸と同軸上に無段変速機を配置し、無段変
速機からの変速出力を伝達する駆動手段と第1ドライブ
軸を同軸上でかつクランク軸に対して平行配置し、第2
ドライブ軸をクランク軸に対して平行配置し、前記駆動
手段からの入力を所定の比率で動力配分及び前後進切換
して第1及び第2のドライブ軸に動力伝達するダブルピ
ニオン式プラネタリギヤを第1ドライブ軸と同軸上に配
設することから、駆動装置全体の車幅方向及び高さ方向
寸法を抑えるコンパクト化が得られ、コンパクト化に伴
い車載状態において駆動装置とエンジンルーム側壁とが
充分に離間され側面衝突時のクラッシュストローク及び
組立て、整備等の作業空間を確保しつつ車体設計の自由
度が得られ、また単一のダブルピニオン式プラネタリギ
ヤによってセンターディファレンシャル装置及び前後進
切換装置としての両機能が達成され、高機能を維持しつ
つ駆動装置の構成及び制御の簡素化が得られる。
【0127】また、2輪駆動車用駆動装置において、横
置きエンジンのクランク軸と同軸上に無段変速機を配置
し、無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手段とデ
ィファレンシャル装置に動力伝達するドライブ軸を同軸
上でクランク軸に対して平行配置し、ドライブ軸と同軸
上に駆動手段からの出力を前後進切り換えしてドライブ
軸に動力伝達する前後進切換装置を配置することから、
駆動装置全体の車幅方向及び高さ方向寸法を抑えるコン
パクト化が得られ、コンパクト化に伴い車載状態におい
て駆動装置とエンジンルーム側壁とが充分に離間され側
面衝突時のクラッシュストローク及び組立て、整備等の
作業空間を確保しつつ車体設計の自由度が得られ、従来
のエンジンルームにも搭載可能である等本発明特有の効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用駆動装置をベルト式無段変
速機付4輪駆動車用駆動装置に適用した実施形態の駆動
系を示す図である。
【図2】同じく、ベルト式無段変速機付4輪駆動車用駆
動装置の要部断面図である。
【図3】同じく、図2の要部拡大断面図である。
【図4】同じく、図2における矢視A方向から見た要部
配置説明図である。
【図5】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図6】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図7】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図8】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図9】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図10】同じく、摩擦係合要素作動説明図である。
【図11】本発明による車両用駆動装置をベルト式無段
変速機付2輪駆動車用駆動装置に適用した実施形態の駆
動系を示す図である。
【図12】同じく、図11における矢視B方向から見た
要部配置説明図である。
【図13】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図14】同じく、作用を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10 エンジン 11 クランク軸 20 トルクコンバータ(発進クラッチ) 30 ベルト式無段変速機 31 プライマリ軸 32 セカンダリ軸 33 プライマリプーリ 34 セカンダリプーリ 35 駆動ベルト 40 フロントディファレンシャル装置(一方のディフ
ァレンシャル装置) 45 減速機(駆動手段) 46 ドライブギヤ 47 リダクションギヤ 50 トランスファユニット 51 フロントドライブ軸(第1ドライブ軸) 52 リヤドライブ軸(第2ドライブ軸) 55 ダブルピニオン式プラネタリギヤ 56 サンギヤ 57 リングギヤ 60 キャリヤ 67 入力切換手段 68 第1多板クラッチ(第1摩擦係合要素) 78 第2多板クラッチ(第2摩擦係合要素) 84 第3多板クラッチ(第3摩擦係合要素) 93 第4多板クラッチ(第4摩擦係合要素) 102 第5多板ブレーキ(第5摩擦係合要素) 117 リヤディファレンシャル装置(他方のディファ
レンシャル装置) 120 前後進切換装置 121 フロントドライブ軸(ドライブ軸) 125 第6多板クラッチ(第6摩擦係合要素) 130 入力手段 135 第7多板ブレーキ(第7摩擦係合要素)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横置きエンジンと、 該エンジンのクランク軸と同軸上に配置されてエンジン
    からの出力が入力される無段変速機と、 該無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手段と、 該駆動手段と同軸上でかつ前記クランク軸に対して平行
    配置されて一方のディファレンシャル装置に動力伝達す
    る第1ドライブ軸と、 前記クランク軸に対して平行配置されて他方のディファ
    レンシャル装置に動力伝達する第2ドライブ軸と、 前記第1ドライブ軸と同軸上に配置されかつ駆動手段か
    らの入力を所定の比率で動力配分及び前後進切換して第
    1及び第2ドライブ軸に動力伝達するダブルピニオン式
    プラネタリギヤとを有することを特徴とする車両用駆動
    装置。
  2. 【請求項2】 ダブルピニオン式プラネタリギヤが、複
    数の摩擦係合要素の制御によって駆動手段からの入力を
    所定の比率で動力分配及び前後進切換して前記第1及び
    第2のドライブ軸に動力伝達することを特徴とする請求
    項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 【請求項3】 横置きエンジンと、 該エンジンのクランク軸と同軸上に配置されてエンジン
    からの出力が入力される無段変速機と、 該無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手段と、 該駆動手段と同軸上でかつ前記クランク軸に対して平行
    配置されて一方のディファレンシャル装置に動力伝達す
    る第1ドライブ軸と、 前記クランク軸に対して平行配置されて他方のディファ
    レンシャル装置に動力伝達する第2ドライブ軸と、 第1ドライブ軸と同軸上に配置されたダブルピニオン式
    プラネタリギヤと、 該プラネタリギヤのリングギヤ及びキャリヤに前記駆動
    手段からの出力を選択的に動力伝達する入力切換手段
    と、 前記プラネタリギヤのサンギヤからの出力を第1ドライ
    ブ軸に動力伝達する手段と、 前記プラネタリギヤのキャリヤからの出力を第2ドライ
    ブ軸に動力伝達する第3摩擦係合要素と、 前記第1ドライブ軸と第2ドライブ軸との間を動力伝達
    する第4摩擦係合要素と、 前記リングギヤの回転を係止する第5摩擦係合要素とを
    有し、 上記入力切換手段及び各摩擦係合要素を作動せしめて前
    記無段変速機からの入力を前記プラネタリギヤを介して
    所定の比率で動力配分及び前後進切換して第1及び第2
    ドライブ軸に動力伝達することを特徴とする車両用駆動
    装置。
  4. 【請求項4】 前進段は、前記入力切換手段が駆動手段
    からの出力をリングギヤへ動力伝達状態であって、第5
    摩擦係合要素が解放したリングギヤ回転許容状態であり
    前記ダブルピニオン式プラネタリギヤがキャリヤとサン
    ギヤに所定の比率で動力配分するセンタディファレンシ
    ャル装置として機能し、第3摩擦係合要素が動力伝達状
    態であり、かつ第4摩擦係合要素を動力伝達状態にして
    キャリヤとサンギヤとの間の差動制限を行うことを特徴
    とする請求項3に記載の車両用駆動装置。
  5. 【請求項5】 前進段において、第4摩擦係合要素が走
    行状態に基づいて伝達トルクを可変制御して動力伝達す
    ることを特徴とする請求項4に記載の車両用駆動装置。
  6. 【請求項6】 後退段は、前記入力切換手段が駆動手段
    からの出力をキャリヤへ動力伝達状態であって、第5摩
    擦係合要素が締結してリングギヤ回転係止状態であり第
    3摩擦係合要素が解放状態で、ダブルピニオン式プラネ
    タリギヤが変速動力をサンギヤに出力し、第4摩擦係合
    要素が動力伝達状態であることを特徴とする請求項3〜
    5に記載の車両用駆動装置。
  7. 【請求項7】 後退段において、第4摩擦係合要素が走
    行状態に基づいて伝達トルクを可変制御して動力伝達す
    ることを特徴とする請求項6に記載の車両用用駆動装
    置。
  8. 【請求項8】 入力切換手段が、前進段において係合し
    て駆動手段からの出力を前記リングギヤへ動力伝達する
    第1摩擦係合要素及び後退段において係合して駆動手段
    からの出力を前記キャリヤへ動力伝達する第2摩擦係合
    要素を有することを特徴とする請求項3〜7に記載の車
    両用駆動装置。
  9. 【請求項9】 無段変速機が前記クランク軸と同軸上に
    配置されたプライマリ軸と、 該プライマリ軸と平行配置されたセカンダリ軸と、 前記プライマリ軸及びセカンダリ軸に各々設けられたプ
    ライマリプーリ及びセカンダリプーリと、 該プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛
    けられた駆動ベルトとを有し、 駆動ベルトのプライマリプーリとセカンダリプーリとに
    対する巻付径の比率を変えて無段階に変速するベルト式
    無段変速機であることを特徴とする請求項1〜8に記載
    の車両用駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記セカンダリ軸がプライマリ軸に対
    して車体後方に、前記第1ドライブ軸がセカンダリ軸に
    対して下方に、かつ前記第2ドライブ軸が第1ドライブ
    軸の車体後方に各々平行配置されたことを特徴とする請
    求項9に記載の車両用駆動装置。
  11. 【請求項11】 横置きエンジンと、 該エンジンのクランク軸と同軸上に配置されてエンジン
    からの出力が入力される無段変速機と、 該無段変速機からの変速出力を伝達する駆動手段と、 該駆動手段と同軸上でかつ前記クランク軸に対して平行
    配置されてディファレンシャル装置に動力伝達するドラ
    イブ軸と、 該ドライブ軸と同軸上に配置されて駆動手段からの出力
    を前後進切り換えしてドライブ軸に動力伝達する前後進
    切換装置とを有することを特徴とする車両用駆動装置。
  12. 【請求項12】 前後進切換装置が、ドライブ軸にサン
    ギヤが動力伝達可能に結合するダブルピニオン式プラネ
    タリギヤと、 該ダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤに駆動手
    段からの出力を動力伝達する第6摩擦係合要素と、 前記ダブルピニオン式プラネタリギヤのキャリヤに動力
    伝達する入力手段と、 ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを係止固
    定する第7摩擦係合要素とを有することを特徴とする請
    求項11に記載の車両用駆動装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009173055A (ja) * 2008-01-21 2009-08-06 Fuji Heavy Ind Ltd 4輪駆動車の異常検出装置
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