JPH11278077A - 4輪駆動車用駆動装置 - Google Patents

4輪駆動車用駆動装置

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JPH11278077A
JPH11278077A JP8360298A JP8360298A JPH11278077A JP H11278077 A JPH11278077 A JP H11278077A JP 8360298 A JP8360298 A JP 8360298A JP 8360298 A JP8360298 A JP 8360298A JP H11278077 A JPH11278077 A JP H11278077A
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JP
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drive
shaft
drive shaft
transmission
power
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JP8360298A
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Toshio Kobayashi
利雄 小林
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動装置のコンパクト化を図り、充分な居住空
間及びクラッシュストローク及び脱着時等の作業空間を
確保しつつ車載互換性に優れ、構造及びその制御装置の
簡素化が得られる4輪駆動車用駆動装置を提供する。 【解決手段】縦置きエンジン10、トルクコンバータ2
0、ベルト式無段変速機30を順次連結し、エンジン1
0のクランク軸11と同軸上に出力軸51、リヤドライ
ブ軸52を配設し、出力軸51に対して下方にフロント
ドライブ軸53を配設し、出力軸51にサンギヤ57が
スプライン嵌合するダブルピニオン式プラネタリギヤ5
6、リヤドライブ軸52、第1、第2、第3、第4の多
板クラッチ68、78、84、94及び第5多板ブレー
キ102を有し、これらを選択的に作動せしめて変速機
30からの出力をリヤドライブ軸52及びフロントドラ
イブ軸53に動力配分及び前後進切換えして動力伝達す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦置きエンジンに
用いられる4輪駆動車用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン及び変速機を縦置きに配
置した駆動装置に関しては実開昭63−84453号公
報及び特開平2−150539号公報の先行技術があ
る。この先行技術には、エンジンと、トルクコンバータ
と、ベルト式無段変速機のプライマリ軸と、プラネタリ
ギヤ式の前後進切換装置を車体前後方向に同軸上で配置
し、ベルト式無段変速機のセカンダリ軸を上記入力駆動
系の下方に配置し、このセカンダリ軸上に別のプラネタ
リギヤ式の減速機を設け、前輪または後輪へ動力伝達す
る駆動系が示されている。
【0003】しかし、前者の駆動装置にあっては、エン
ジン、トルクコンバータ、前後進切換装置及び変速機の
プライマリ軸等の入力駆動系が車体前後方向に同軸上で
配置されることから車体前後方向の長さが大となり、か
つ上記入力駆動系の下方にセカンダリ軸等の出力駆動系
が軸間を離して配置されているため、上記入力駆動系は
比較的高い位置となり、駆動系の後部が車室下部に形成
されるトンネル内に大きく張り出した状態でエンジンル
ーム内に収容設置される。
【0004】後者の先行技術では更に4輪駆動化された
ものであるが、全体的には前者と同様の配置であり、駆
動装置の張り出しに伴ってトンネルが車室内に大きく張
り出し、かつエンジンルームと車室とを区画するトーボ
ードが車室側に押しやられて車室内の有効居住区間が制
限されて居住性に影響を及ぼすと共に、駆動装置とトー
ボードが接近して配置され、前面衝突時のクラッシュス
トロークを充分に確保しようとすると更に居住性に影響
を与え、またエンジンルーム内の作業空間が得難く、駆
動装置の脱着時や整備等の円滑な作業が妨げられるおそ
れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この対策としては、エ
ンジン、トルクコンバータ及びベルト式無段変速機のプ
ライマリ軸を車体前後方向で同軸上に配置し、エンジン
の下方のベルト式無段変速機の出力駆動系であるセカン
ダリ軸側に前後進切換装置を配置して変速機からの出力
を前後進切換装置を介してドライブ軸によりディファレ
ンシャル装置に動力伝達するように構成して車体前後方
向の長さの縮小化を図ることが考えられる。
【0006】しかし、上記先行技術のものにあっては、
トルクコンバータとベルト式無段変速機との間に介装さ
れる前後進切換装置がエンジンの下方に位置することか
ら車体前後方向の長さは縮小されるが、エンジンの下方
に前後進切換装置が上下関係に配置することから駆動装
置の全高が増大され、エンジンフードを低くする、いわ
ゆるスラントノーズ化が制限されて車両設計の自由度が
拘束される。またこれをベースとした4輪駆動車用駆動
装置に変更する場合には、前後進切換装置からの出力を
更に分岐する必要があり、前後進切換装置とディファレ
ンシャル装置との間に動力分配装置を介在させなければ
ならず、エンジンの下方が大きく張り出し、かつ構造が
複雑になり好ましくない。また駆動装置の全高の低減化
としては、エンジン側を右或いは左方向に傾倒させる等
が考えられるが、他の駆動装置との車載互換性等の点で
問題が生じる。
【0007】一方、一般に4輪駆動車用駆動装置にあっ
ては、フロントディファレンシャル装置、ベルト式無段
変速機、前後進切換装置及び動力分配装置を収容するト
ランスミッションケースは連続して一体的に構成され、
これらの内デフオイルが用いられるフロントディファレ
ンシャル装置を除く、ベルト式無段変速機及び動力分配
装置等は同一の潤滑油(ATF)で潤滑する構造となっ
ているが、これらを収容するケース下部に貯留するスペ
ースを確保すると、上記前後進切換装置及び動力分配装
置等の一部が潤滑油の制止油面下に没することになる。
【0008】この状態で車両を運転すると、前後進切換
装置及び動力分配装置に潤滑油がつれ回る。この連れ回
り現象は、車速の増大に伴って顕著に表れ、潤滑油の攪
拌抵抗が増大し動力伝達効率が低下し、燃費を悪化させ
る。
【0009】更に、リヤドライブ軸がフロントドライブ
軸と同軸上に配置されることから車体後方に長く延設さ
れるプロペラ軸等の充分なロードクリアランスが得難
く、特にオフロード走行には不利なものとなる
【0010】また、同一形状のエンジンルーム構造体内
にベルト式無段変速機、手動変速機(マニュアルトラン
スミッション、MT)及び有段自動変速機(オートマチ
ックトランスミッション、AT)等との車載互換性を有
することが望ましく、比較的コンパクトに設計可能な手
動変速機と全長寸法やトランスミッションケース外周寸
法、いわゆる胴回り寸法を略同一にすれば車載搭載の支
持部材や排気系の共用化が可能になる。
【0011】従って、本発明はかかる点に鑑みなされた
ものであって、その目的は、駆動装置のコンパクト化を
図ることにより充分な居住空間及びクラッシュストロー
クが確保でき、他の駆動装置との車載互換性を容易にす
ると共に、潤滑油の攪拌抵抗が極めて小となり、かつロ
ードクリアランスを確保し得る4輪駆動車用駆動装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載の4輪駆動車用駆動装置の発明は、縦置きに
配置されたエンジンと、該エンジンからの出力が入力さ
れる変速機と、上記エンジンのクランク軸に対して略同
軸上に配置されて一方のディファレンシャル装置に動力
伝達する第1ドライブ軸と、該第1ドライブ軸に対して
下方に平行配置されて他方のディファレンシャル装置に
動力伝達する第2ドライブ軸と、上記第1ドライブ軸と
同軸上に配置され、上記変速機からの入力を所定の比率
で動力配分及び前後進切換えして上記第1及び第2のド
ライブ軸に動力伝達するダブルピニオン式プラネタリギ
ヤとを有することを特徴とする。
【0013】請求項1の発明によると、エンジン側から
の入力を第1ドライブ軸と同軸上に配置したダブルピニ
オン式プラネタリギヤに入力し、この入力を単一のダブ
ルピニオン式プラネタリギヤにより所定の比率で動力配
分及び前後進切り換えして第1及び第2のドライブ軸に
動力伝達することから、単一のダブルピニオン式プラネ
タリギヤによってセンターディファレンシャル装置及び
前後進切換装置として両機能が達成されることから、コ
ンパクト化が得られると共に、エンジンのクランク軸と
略同軸上に第1ドライブ軸、ダブルピニオン式プラネタ
リギヤ等が配置されて、従来使用される駆動装置におけ
る駆動系のレイアウトとほぼ同様のレイアウトが可能に
なり、車載互換性に優れ、かつ第1ドライブ軸及びダブ
ルピニオン式プラネタリギヤ等が比較的高位置に配置さ
れて潤滑油の攪拌抵抗が抑制される。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1の4輪
駆動車用駆動装置において、上記ダブルピニオン式プラ
ネタリギヤが、第1ドライブ軸と同軸上に配置された複
数の摩擦係合要素の選択的制御によって上記変速機から
の入力を所定の比率で動力配分及び前後進切換えして上
記第1及び第2のドライブ軸に動力伝達することを特徴
とする。
【0015】請求項2の発明によると、ダブルピニオン
式プラネタリギヤへの入出力を第1ドライブ軸と同軸上
に配置された複数の摩擦係合要素の選択的制御によって
実行することにより、請求項1の発明を効率的に実行で
きる。
【0016】請求項3に記載の4輪駆動車用駆動装置の
発明は、縦置きに配置されたエンジンと、該エンジンか
らの出力が入力される変速機と、上記エンジンのクラン
ク軸に対して略同軸上に配置されて一方のディファレン
シャル装置に動力伝達する第1ドライブ軸と、該第1ド
ライブ軸に対して下方に平行配置されて他方のディファ
レンシャル装置に動力伝達する第2ドライブ軸と、上記
第1ドライブ軸と同軸上に配置されたダブルピニオン式
プラネタリギヤと、該ダブルピニオン式プラネタリギヤ
のリングギヤ及びキャリヤに変速機からの出力を選択的
に動力伝達する入力切換手段と、上記ダブルピニオン式
プラネタリギヤのサンギヤからの出力を第2ドライブ軸
に動力伝達する手段と、上記第1ドライブ軸と同軸上に
配置されて上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのキャ
リヤからの出力を第1ドライブ軸に動力伝達する第3摩
擦係合要素と、上記第1ドライブ軸と同軸上に配置され
て第1ドライブ軸と第2ドライブ軸との間を選択的に動
力伝達する第4摩擦係合要素と、上記第1ドライブ軸と
同軸上に配置されて上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのリングギヤを選択的に回転係止する第5摩擦係合要
素と、上記入力切換手段及び上記各摩擦係合要素を作動
せしめて上記変速機からの入力を上記ダブルピニオン式
プラネタリギヤを介して所定の比率で動力配分及び前後
進切り換えして上記第1及び第2ドライブ軸に動力伝達
することを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、上記請求項1の発明の
構成をより具体化したものであって、上記請求項1の発
明に記載と同様の効果を有する。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3の4輪
駆動車用駆動装置において、上記エンジンのクランク軸
と略同軸上に配置されて上記第2ドライブ軸に動力伝達
する出力軸を有し、該出力軸を介して上記第4摩擦係合
要素が第1ドライブ軸と第2ドライブ軸との間を動力伝
達することを特徴とする。
【0019】請求項4の発明によると、上記エンジンの
クランク軸と略同軸上に第2ドライブ軸に動力伝達する
出力軸を配置し、出力軸を介して第1ドライブ軸と第2
ドライブ軸との間を第4摩擦係合要素によって選択的に
動力伝達することにより請求項3に記載の発明を効率的
に実施できる。
【0020】請求項5の発明は、請求項3または4の4
輪駆動車用駆動装置において、前進段は、上記入力手段
が変速機からの出力をリングギヤへ動力伝達状態であっ
て、上記第5摩擦係合要素が解放したリングギヤ回転許
容状態でありダブルピニオン式プラネタリギヤがキャリ
ヤとサンギヤに所定の比率で動力配分するセンタディフ
ァレンシャル装置として機能し、第3摩擦係合要素が動
力伝達状態であり、かつ第4摩擦係合要素を動力伝達状
態にしてキャリヤとサンギヤとの間の差動制限を行うこ
とを特徴とする。
【0021】請求項5の発明によると、前進段において
は変速機からの出力をダブルピニオン式プラネタリギヤ
のリングギヤへ入力し、ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤの諸元によって動力配分してキャリヤから第3摩擦係
合要素を介して第1ドライブ軸へ、サンギヤから第2ド
ライブ軸へ各々動力伝達すると共に、第4摩擦係合要素
によって第1ドライブ軸と第2ドライブ軸の差動制限を
行う。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項5の4輪
駆動車用駆動装置において、前進段において第4摩擦係
合要素が走行状態に基づいて伝達トルクを可変制御して
動力伝達することを特徴とする。
【0023】請求項6の発明によると、走行状態に基づ
いて第4摩擦係合要素の伝達トルクを可変制御すること
によって、第1ドライブ軸及び第2ドライブ軸への伝達
トルクの配分が走行状態に応じて可変制御され適切なト
ルク配分での走行が可能になる。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の
4輪駆動車用駆動装置において、後退段は、上記入力切
換手段が変速機からの出力をキャリヤへ動力伝達状態で
あって、上記第5摩擦係合要素が締結してリングギヤが
回転係止状態でありダブルピニオン式プラネタリギヤが
変速動力をサンギヤに出力し、第4摩擦係合要素が動力
伝達状態で第3摩擦係合要素が解放状態であることを特
徴とする。
【0025】請求項7の発明によると、変速機からの出
力を第5摩擦係合要素によってリングギヤが回転係止状
態のダブルピニオン式プラネタリギヤのキャリヤへ入力
し、ダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤに反転
及び減速して出力し、サンギヤから第2ドライブ軸及び
第4摩擦係合要素を介して第1ドライブ軸に前進時とは
逆回転の駆動力を伝達する。
【0026】請求項8に記載の発明は、請求項7の4輪
駆動車用駆動装置において、後退段において第4摩擦係
合要素が走行状態に基づいて伝達トルクを可変制御する
ことを特徴とする。
【0027】この請求項8の発明によると走行状態に基
づいて第4摩擦係合要素の伝達トルクを可変制御するこ
とによって、第1ドライブ軸及び第2ドライブ軸への伝
達トルクの配分が走行状態に応じて可変制御され適切な
トルク配分での走行が可能になる。
【0028】請求項9に記載の発明は、請求項3〜8の
4輪駆動車用駆動装置において、入力切換手段が、上記
第1ドライブ軸と同軸上に配置され、前進段において係
合して変速機からの出力をリングギヤへ動力伝達する第
1摩擦係合要素と、上記第1ドライブ軸と同軸上に配置
され、後退段において係合して変速機からの出力をキャ
リヤへ動力伝達する第2摩擦係合要素とを有することを
特徴とする。
【0029】請求項9の発明によると、入力切換手段が
第1ドライブ軸と同軸上に配置した第1及び第2摩擦係
合要素によって構成され、入力切換手段を第1ドライブ
軸と同軸上にコンパクトに配置することができる。
【0030】請求項10に記載の発明は、請求項1〜9
の4輪駆動車用駆動装置において、上記変速機が、上記
エンジンのクランク軸と同軸上に配置されたプライマリ
軸と、該プライマリ軸と平行配置されたセカンダリ軸
と、上記プライマリ軸及びセカンダリ軸に各々設けられ
たプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、該プライ
マリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられた
駆動ベルトとを有し、上記駆動ベルトのプライマリプー
リとセカンダリプーリとに対する巻付径の比率を換えて
無段階に変速するベルト式無段変速機であることを特徴
とする。
【0031】請求項10の発明によると、変速機をエン
ジンのクランク軸と同軸上に配置されたプライマリ軸を
具備するベルト式無段変速機により構成することによっ
て、特に駆動装置の長さ方向の短縮によるコンパクト化
が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。
【0033】図1において、本発明が適用される4輪駆
動車用駆動装置としてベルト式無段変速機付4輪駆動車
用駆動装置の駆動系について説明する。
【0034】符号10は縦置きに配置されたエンジンで
あり、この縦置きエンジン10に接合されてトルクコン
バータ20を収容するトルクコンバータケース1、この
トルクコンバータケース1の後方にベルト式無段変速機
30及びフロントディファレンシャル40を収容するデ
フアンドコンバータハウジング2、このデフアンドコン
バータハウジング2の後方に後述する軸承板3を介して
トランスファユニット50を収容するケース4及びケー
ス4の後方に位置してトランスファユニット50からの
出力を後輪へ伝達する動力伝達機構を収容するエクステ
ンションケース5が順次接合されてトランスミッション
ケース6を形成し、トランスミッションケース6の下部
にオイルパン7が取り付けられる。
【0035】縦置きエンジン10のクランク軸11がト
ルクコンバータケース1内部のトルクコンバータ20に
連結し、トルクコンバータ20からの入力軸21がデフ
アンドコンバータハウジング2内部のベルト式無段変速
機30のプライマリ軸31に連結することにより、クラ
ンク軸11からの動力をトルクコンバータ20を介して
無段変速機30のプライマリ軸31に伝動構成される。
【0036】そして無段変速機30で無段変速した動力
をセカンダリ軸32に出力し、セカンダリ軸32からの
出力をケース4及びエクステンションケース5内部のト
ランスファユニット50に入力し、トランスファユニッ
ト50によってディファレンシャル装置、例えばフロン
トディファレンシャル装置40を介して前輪に伝動する
一方、プロペラ軸115及び他方のディファレンシャル
装置、例えばリヤディファレンシャル装置116等を介
して後輪に伝動される。
【0037】トルクコンバータケース1内には、トルク
コンバータ20に設けられるオイルポンプドライブ軸に
連結して駆動されるオイルポンプ8が設けられ、オイル
ポンプ8により常時油圧を発生してトルクコンバータ2
0等を給油し、無段変速機30の油圧制御を可能にし、
かつ車速センサ9a、スロットルセンサ9b、シフトス
イッチ9c、前輪回転差センサ9d、後輪回転数センサ
9e、蛇角センサ9f等からの各信号に基づいて油圧制
御ユニット9によって制御してトランスファユニット5
0の油圧制御を可能にしている。
【0038】次に、図2乃至図12によってトルクコン
バータ20、ベルト式無段変速機30、フロントディフ
ァレンシャル装置40及びトランスファユニット50に
ついて順次説明する。
【0039】トルクコンバータ20は、図2に要部断面
を示すようにデフアンドコンバータハウジング2及び軸
承板3に各々ボールベアリングを介して軸支されるプラ
イマリ軸31の入力軸21部でコンバータハウジング2
から延出されたステータ軸22に軸支されクランク軸1
1と一体のドライブプレート26に取り付けられて回転
自在に軸支されている。
【0040】入力軸21は、その外周が円筒状で基端に
設けられたフランジ部がデフアンドコンバータハウジン
グ2にボルト結合されたステータ軸22によって回転自
在に囲まれ、ステータ軸22の外周にはインペラ24に
一体的に結合されたオイルポンプドライブ軸が回転自在
に嵌合している。
【0041】インペラ24は、その外周がフロントカバ
ー25の外周と一体的に結合され、フロントカバー25
の外周に設けられたスタータリングギヤ25a及びドラ
イブプレート26を介してクランク軸11にボルト結合
することによってクランク軸11と一体的に回転駆動さ
れる。
【0042】インペラ24と対向して入力軸21にスプ
ライン嵌合するタービン27が配置され、インペラ24
とタービン27との間においてステータ軸22にワンウ
ェイクラッチを介して支持されるステータ28が介装さ
れている。
【0043】更に、タービン27とフロントカバー25
との間にロックアップクラッチ29が介装され、ステー
タ軸22の基端にオイルポンプドライブ軸によって回転
駆動されるオイルポンプ8が設けられている。
【0044】そして、クランク軸11が回転すると、イ
ンペラ24が回転駆動され、インペラ24の回転によっ
てオイルを介してタービン27にインペラ24の回転と
同方向のトルク伝達することによりタービン27とスプ
ライン嵌合する入力軸21を回転駆動する。更に、一定
の車速または回転数に達したときロックアップクラッチ
29によりフロントカバー25を介してインペラ24と
タービン27とを直結状態にし、トルクコンバータ20
の滑りをなくしてその分エンジン10の回転数を低下さ
せることにより燃費の節約及び静粛性の向上を図ってい
る。
【0045】ベルト式無段変速機30は、互いに平行配
置されたプライマリ軸31及びセカンダリ軸32と、プ
ライマリ軸31とセカンダリ軸32に各々設けられたプ
ライマリプーリ33及びセカンダリプーリ34と、これ
ら両プーリ33、34間に巻き掛けられた駆動ベルト3
5とを有し、各プーリ33、34のプーリ溝巾を変える
ことにより、各プーリ33、34に対する駆動ベルト3
5の有効巻き付け径の比率を換えて無段階に変速するよ
うに構成されている。
【0046】このため上記入力軸21と一体に形成され
たプライマリ軸31に設けられるプライマリプーリ33
は、プライマリ軸31と一体に形成された固定シーブ3
3aと、この固定シーブ33aに対して軸方向への移動
を可能にする可動シーブ33bを有している。
【0047】可動シーブ33bの固定シーブ33aと反
対側の背面には、断面が略L字状の第1ピストン37a
が固定されており、この第1ピストン37aはプライマ
リ軸31に中心部が固定された有底円筒状の第1シリン
ダ37bと協働して油圧室37Aを形成し、更に可動シ
ーブ33bの背面に固定される第2ピストン37cが上
記第1シリンダ37bに連接された第2ピストン37d
に嵌合して油圧室37Bを形成すると共に、プーリ溝巾
を狭くする方向に可動シーブ33bを付勢するスプリン
グを具備する油圧アクチュエータ37が設けられてい
る。
【0048】プライマリ軸31には油圧室37A、37
Bに連通する油路が形成され、スロットル開度等に基づ
いて油圧制御ユニット9によって制御され、軸承板3に
形成される油路を介して油圧アクチュエータ37の油圧
室37A、37B内に給排する油圧によって可動シーブ
33bをプライマリ軸31に沿って移動させることによ
ってプーリ溝巾を可動制御している。
【0049】一方、プライマリ軸31と平行配置される
セカンダリ軸32は、デフアンドコンバータハウジング
2及び軸承板3にボールベアリングを介して回転自在に
軸支され、セカンダリ軸32に設けられるセカンダリプ
ーリ34は、セカンダリ軸32と一体形成された固定シ
ーブ34aと、この固定シーブ34aに対して軸方向へ
の移動を可能にする可動シーブ34bを有している。
【0050】可動シーブ34bの背面には略円筒状のシ
リンダ36aが固定されており、このシリンダ36aは
セカンダリ軸32に中心部が固定されたピストン36b
と協働して油圧室36Aを形成すると共に、プーリ溝巾
を狭くする方向に可動シーブ34bを付勢するスプリン
グを具備する油圧アクチュエータ36が設けられてい
る。
【0051】セカンダリ軸32には油圧室36Aに連通
する油路が形成され、スロット開度等に基づいて油圧制
御ユニット9によって制御されてケース4に形成される
油路、スリーブ等を介して油圧アクチュエータ36の油
圧室36Aに油圧を給排するように構成され、かつセカ
ンダリ軸32の一端にはドライブスプロケット39が設
けられている。
【0052】ここでセカンダリプーリ34の可動シーブ
34bが油圧作用を受ける受圧面積に比べて、プライマ
リプーリ33の可動シーブ33bの油圧面積が大である
ことから油圧室37A、37B及び36Aに給排される
油圧に従ってプライマリプーリ33とセカンダリプーリ
34のプーリ溝巾が逆の関係に変化して各プーリ33、
34に対する駆動ベルト35の有効巻き付け径の比率を
無段階に変化し、無段変速した動力をセカンダリ軸32
に出力する。
【0053】フロントディファレンシャル装置40は、
デフケース41のクラウンギヤ取付部材に取り付けたク
ラウンギヤ43に一対のテーパベアリング53aを介し
て回転自在に軸承板3に支持されたフロントドライブ軸
53が交差して噛み合っている。
【0054】一方、デフケース41にはピニオン軸44
aにより一対のピニオン44bが設けられ、両ピニオン
44bに噛み合う左右のサイドギヤ44cによってディ
ファレンシャルギヤ44を構成し、各サイドギヤ44c
に連結する駆動軸は、等速継手、アクスル軸等を介して
前車輪に動力伝達する。
【0055】次に図2及び図2の要部拡大を示す図3に
よってトランスファユニット50について説明する。
【0056】トランスファユニット50は、エンジン1
0のクランク軸11、入力軸21、プライマリ軸31等
に対して略同軸上に配置される出力軸51、第1ドライ
ブ軸となるリヤドライブ軸52及び、出力軸51に対し
て平行配置される第2ドライブ軸となるフロントドライ
ブ軸53を有している。
【0057】図2における矢視A方向からの配置を図4
に示すように、略車体幅中心線上にクランク軸11の回
転軸芯11a、入力軸21、プライマリ軸31、中間軸
51、リヤドライブ軸52が車体前後方向に同軸上に位
置し、セカンダリ軸32がプライマリ軸31に対して略
同一高さで側方に平行配置されてプライマリプーリ33
とセカンダリプーリ34とが略同一高さで配置される。
なお符号Bは車体下部に形成されるトンネルである。
【0058】そして上記のフロントドライブ軸53が平
面視プライマリ軸31とセカンダリ軸32との間で、か
つ下方にクランク軸11と平行に配置されて上記クラウ
ンギヤ43に噛合することにより無段変速機30との接
合性を良好にして全体の上下方向の寸法を抑えてコンパ
クト化を図っている。
【0059】また、リヤドライブ軸52をプライマリ軸
31と同軸上に配置することによりリヤドライブ軸52
の地上高を確保することにより、リヤドライブ軸52か
ら車体後方に自在継手を介して長く延設されるプロペラ
軸115等のロードクリアランスを確保してオフロード
走行を良好にしている。
【0060】出力軸51は、その先端にフロントドライ
ブ軸53に取り付けられたトランスファドリブンギヤ5
4と常時噛み合うトランスファドライブギヤ51aが形
成されると共に、先端部はボールベアリング51dを介
在して軸承板3にボルト結合された軸支部材48に回転
自在に軸支され、後端部はエクステンションケース5に
ボルト結合される軸保持部材45に回転自在に支持され
るリヤドライブ軸52にニードルベアリング51eを介
して回転自在に軸支されている。
【0061】また、出力軸51の軸方向中央部外周には
ダブルピニオン式プラネタリギヤ56のサンギヤ57が
嵌合するスプライン51bが、軸方向後端部外周には第
4摩擦係合要素となる第4多板クラッチ94のクラッチ
ハブ95が嵌合するスプライン51cが形成されてい
る。
【0062】出力軸51に形成されるスプライン51b
に嵌合するダブルピニオン式プラネタリギヤ56は、ス
プライン51bにスプライン嵌合するサンギヤ57と、
リングギヤ58と、サンギヤ57及びリングギヤ58に
各々が噛み合いかつ互いに噛み合う第1及び第2のピニ
オン59、60と、第1及び第2のピニオン59、60
をニードルベアリングを介して回転自在に支持するキャ
リヤ61によって構成され、リングギヤ58に入力する
動力をサンギヤ57とリングギヤ58との歯車諸元によ
るトルク配分でサンギヤ57とキャリヤ61に伝達し、
リングギヤ58をケース4に係止することによりキャリ
ヤ61に入力する動力によってサンギヤ57をキャリヤ
61に対して逆方向に回転せしめる機能を有する。
【0063】軸支持部材48には固定軸62が設けら
れ、固定軸62は、出力軸51を囲む略円筒状であっ
て、基端に設けられたフランジ部をボルトによって軸支
持部材48に固定することで取り付けられ、固定軸62
にはドライブスプロケット39とサイレントチエーン4
9によって動力伝達可能に連結されるドリブンスプロケ
ット63がニードルベアリング63aを介して回転自在
に設けられ、ドリブンスプロケット63と上記ダブルピ
ニオン式プラネタリギヤ56との間に選択的にドリブン
スプロケット63からの出力をリングギヤ58或いはキ
ャリヤ61に入力する第1摩擦係合要素となる第1多板
クラッチ68及び第2摩擦係合要素となる第2多板クラ
ッチ78とを有する入力切換手段67が設けられてい
る。
【0064】第1多板クラッチ68について述べると、
固定軸62にブッシュ69aを介して回転自在に軸支さ
れたクラッチドラム69がドリブンスプロケット63に
結合し、クラッチハブ70がダブルピニオン式プラネタ
リギヤ56のリングギヤ58に結合する。
【0065】このようにして第1多板クラッチ68はド
リブンスプロケット63とリングギヤ58との間にバイ
パスして動力伝達可能に介設される。そして油圧室71
の油圧でピストン72を介してクラッチドラム69とク
ラッチハブ70との間に配設されたドライブプレート7
3aとドリブンプレート73bとの圧接を図ることによ
り動力伝達するように構成されている。
【0066】またピストン72の油圧71と反対側にピ
ストン74を介してリテーナ75aが設けられ、ピスト
ン72にはピストン74を介してリターンスプリング7
6の押圧力が付勢される。
【0067】第2多板クラッチ78について述べると、
クラッチドラム69を第1多板クラッチ68と共用し、
クラッチハブ79がダブルピニオン式プラネタリギヤ5
6のキャリヤ61に結合する。こうして第2多板クラッ
チ78は、ドリブンスプロケット63とキャリヤ61と
の間に動力伝達可能に介設される。
【0068】そして油圧室80の油圧でピストン74を
介してクラッチドラム69とクラッチハブ79との間に
配設されたドライブプレート81aとドリブンプレート
81bとの圧接を図ることにより動力伝達するように構
成され、ピストン74にはリターンスプリング76の押
圧力が付勢される。
【0069】なお、第1及び第2多板クラッチ68及び
78の油圧室71及び80に発生する遠心油圧は、バラ
ンス油圧室75の油圧に相殺される。
【0070】ダブルピニオン式プラネタリギヤ56に対
して入力切換手段67と反対側には、ダブルピニオン式
プラネタリギヤ56のキャリヤ61からの出力をリヤド
ライブ軸52に選択的に動力伝達する際に第3摩擦係合
要素となる第3多板クラッチ84が設けられる。
【0071】第3多板クラッチ84は、クラッチハブ8
5がボールベアリング85aを介在して回転自在にケー
ス4に軸支され、かつブッシュ85bを介して出力軸5
1に回転自在に軸支されると共に、キャリヤ61にスプ
ライン嵌合する一方、クラッチドラム86がリヤドライ
ブ軸52に結合されている。
【0072】そして油圧室87の油圧でピストン88を
介してクラッチドラム86とクラッチハブ85との間に
配設されたドライブプレート89aとドリブンプレート
89bとの圧接を図ることにより動力伝達するように構
成される。
【0073】出力軸51とクラッチドラム86との間に
は出力軸51とクラッチドラム86とを選択的に動力伝
達する第4摩擦係合要素となる第4多板クラッチ94が
配設される。
【0074】第4多板クラッチ94は、クラッチドラム
86を第3多板クラッチ84と共用し、クラッチハブ9
5が出力軸51のスプライン51cにスプライン嵌合し
て出力軸51とクラッチドラム86との間に動力伝達可
能に介設される。
【0075】そして油圧室96の油圧でピストン97を
介してクラッチドラム86とクラッチハブ95との間に
配設されたドライブプレート98aとドリブンプレート
98bとの圧接を図ることにより動力伝達するように構
成され、かつリテーナ99により油圧室96による遠心
油圧を相殺するバランス室100が設けられ、ピストン
97にはリターンスプリング101の押圧力が付勢され
る。
【0076】トランスミッションケース6のケース4と
ダブルピニオン式プラネタリギヤ56のリングギヤ58
との間にはリングギヤ58を固定するための第5の摩擦
係合要素となる第5多板ブレーキ102が配設される。
【0077】第5多板ブレーキ102は、油圧室103
の油圧でピストン104を介してケース4とリングギヤ
58に設けられたクラッチハブ70との間に配設された
ドライブプレート105aとドリブンプレート105b
との圧接を図ることにより、リングギヤ58をケース4
に係止固定するよう構成され、かつピストン104には
リターンスプリング106の押圧力が付勢される。
【0078】トランスミッションケース6の下部に設け
られるオイルパン7内には、オイルポンプ8からの油圧
を車速センサ9a、スロットルセンサ9b、シフトスイ
ッチ9c、前輪回転数センサ9d、後輪回転数センサ9
e、蛇角センサ9f等からの信号に基づく油圧制御ユニ
ット9によって制御され、上記第1、第2、第3、第
4、第5の多板クラッチ68、78、84、93、10
2の各油圧室71、80、87、96、103及び無段
変速機30に選択的に切り換え供給するためのコントロ
ールバルブ112が設けられている。
【0079】次に、このように構成された4輪駆動車用
駆動装置の作動を図5乃至図9に示す概略説明図及び図
10に示す各走行レンジにおける第1、第2、第3、第
4の多板クラッチ68、78、84、93及び第5多板
ブレーキ102の連結状態を示す摩擦係合要素作動説明
図に従って説明する。この摩擦係合要素作動説明図にお
いて○印は、対応する多板クラッチ或いは多板ブレーキ
が係合或いは作動していることを示し、(○)は後述す
る必要に応じて係合或いは作動していることを示してい
る。
【0080】先ず、エンジン10の動力は、クランク軸
11からトルクコンバータ20を介して無段変速機30
のプライマリ軸31に入力する。そしてプライマリ軸3
1、プライマリプーリ33、駆動ベルト35及びセカン
ダリプーリ34により無段階に変速してセカンダリ軸3
2に出力する。
【0081】セカンダリ軸32からの変速出力は、ドラ
イブスプロケット39からサイレントチエーン49を介
してドリブンスプロケット63に伝達され、ドライブス
プロケット39とドリブンスプロケット63の歯数諸元
に従って減速されてクラッチドラム69を介して第1多
板クラッチ68及び第2多板クラッチ78へ入力され
る。ここでニュートラル(N)レンジ、パーキング
(P)レンジでは第1及び第2の多板クラッチ68、7
8は解放されて動力伝達遮断状態となり、これ以降の動
力伝達はしなくなる。
【0082】前進段となるドライブ(D)レンジでは、
第1多板クラッチ68及び第3多板クラッチ84が係合
し、図5に動力伝達状態を太線で示すようになる。即ち
係合した第1多板クラッチ68によりドリブンスプロケ
ット63からダブルピニオン式プラネタリギヤ56のリ
ングギヤ58に動力伝達すると共に、第3多板クラッチ
84によりダブルピニオン式プラネタリギヤ56のキャ
リヤ61とリヤドライブ軸52とを動力伝達可能に連結
する。
【0083】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
56は、図6に示すように入力側のリングギヤ58が第
2ピニオン60に噛み合い、第2ピニオン60に噛み合
う第1ピニオン59がサンギヤ57に噛み合いサンギヤ
57及びキャリヤ61をリングギヤ58と同一方向に回
転させてサンギヤ57とキャリヤ61とに所定の配分比
でトルクを伝達しながら差動回転するように構成され
る。
【0084】そしてサンギヤ57とスプライン嵌合する
出力軸51を介して出力軸51のトランスファドライブ
ギヤ51aに噛み合うトランスファドリブンギヤ54に
出力してフロントドライブ軸53をリングギヤ58に対
して逆方向に回転駆動すると共に、キャリヤ61にスプ
ライン嵌合するクラッチハブ85及び第3多板クラッチ
84のクラッチドラム86を介してリヤドライブ軸52
をリングギヤ58と同一方向に回転駆動する。
【0085】また、トルク伝達時に第1ピニオン59及
び第2ピニオン60の自転と公転とによりサンギヤ57
とキャリヤ61との回転差を吸収するいわゆるセンタデ
ィファレンシャル装置として機能する。
【0086】ここで図6の略図を用いてダブルピニオン
式プラネタリギヤ56のトルク配分について説明する。
【0087】リングギヤ58の入力トルクをTi、サン
ギヤ57によるフロント側トルクをTF、キャリヤ61
によるリヤ側トルクをTR、サンギヤ57の歯数をZ
S、リングギヤ58の歯数をZRとすると、 Ti=TF+TR TF:TR=ZS:(ZR−ZS) が成立する。
【0088】このことからサンギヤ57の歯数ZSとリ
ングギヤ58の歯数ZRとを適切に設定することでフロ
ント側トルクTF及びリヤ側トルクTRの基準トルク配
分を自由に設定し得ることがわかる。
【0089】ここでZS=37、ZR=82に仮定する
と、 TF:TR=37:(82−37) になる。従って前後輪トルク配分率は TF:TR≒45:55 になり、前輪に約45%、後輪に約55%各々配分され
充分に後輪偏重の基準トルク配分に設定し得る。
【0090】一方第4多板クラッチ94は油圧室96の
油圧でピストン97を介してドライブプレート98aと
ドリブンプレート98bを圧接せしめてクラッチトルク
Tcを生じるように構成され、油圧制御ユニット9によ
って制御されるコントロールバルブ112からの油圧に
よってクラッチトルクTcを可変制御する。
【0091】ここで、前輪回転数センサ9d及び後輪回
転数センサ9eにより検出された前輪回転数NF、後輪
回転数NRは、油圧制御回路9に入力されるが滑り易い
路面走行時にはTF<TRの後輪偏重の基準トルク配分
で常に後輪が先にスリップすることから、スリップ率S
=NF/NR(S>0)に算出される。
【0092】このスリップ率Sと蛇角センサ9fから油
圧制御ユニット9に入力される蛇角ψとによって油圧制
御ユニット9の図7に示すマップからクラッチ圧Pcを
検索する。ここでS≧1のノンスリップではクラッチ圧
Pcは低い値にされていて、S<1のスリップ状態では
スリップ率Sの減少に応じてクラッチ圧Pcを増大し、
所定のスリップ率S1 以下になるとPmax に定める。こ
のクラッチ圧Pcにライン圧が調圧され第4多板クラッ
チ94のクラッチトルクTcを可変制御する。
【0093】従って第4多板クラッチ94によってサン
ギヤ57からの出力軸51と、キャリヤ61からのリヤ
ドライブ軸52との間にバイパス系113が別個に構成
される。
【0094】このバイパス系113では、後輪がスリッ
プすると、トランスファユニット50内で後輪回転数N
R>リングギヤ58の回転数>前輪回転数NFの差動機
能が成立し、クラッチトルクTcに応じて第4多板クラ
ッチ94を介して出力軸51にトルクがTcだけ増加し
て伝達し、出力軸51のトランスファドライブギヤ51
aに噛み合うトランスファドリブンギヤ54を介してフ
ロントドライブ軸53に伝達され、一方リヤドライブ軸
52にはクラッチトルクTc分を減じたトルクが伝達さ
れる。この結果、前後輪トルクTF、TRは以下のよう
になる。
【0095】TF=0.45Ti+Tc TR=0.55Ti−Tc
【0096】従って、ノンスリップ状態においては、ク
ラッチトルクTcが零であることからTF:TR=4
5:55の後輪偏重にトルク配分され、後輪スリップ発
生時にクラッチトルクTcが生じると、このクラッチト
ルクTcに応じてクラッチトルクTcが大きい程バイパ
ス系113を経由して入力トルクTiが前輪側に流れ、
図7に示すようにTF:TR=TF1 :TR1 に変化し
て前輪トルクが積極的に増大制御され、後輪トルクが減
じてスリップの発生がなくなり走破性も良好になる。
【0097】そして上述のスリップ率Sが設定値以下に
なると、第4多板クラッチ94の油圧と共に差動制限ト
ルクが最大になってサンギヤ57とキャリヤ61とを直
結する。このためトランスファユニット50のセンター
ディファレンシャル機構はディファレンシャルロックさ
れ、前後輪の軸重配分に相当したトルク配分の直結式4
輪走行になり走破性が最大に発揮される。
【0098】一方前輪がスリップすると、トランスファ
ユニット50内で後輪回転数NR<リングギヤ58の回
転数<前輪回転数NFの作動機能が成立し、クラッチト
ルクTcに応じて出力軸51から第4多板クラッチ94
を介してリヤドライブ軸52にトルクが伝達し、かつ出
力軸51からトランスファドライブギヤ51aに噛み合
うトランスファドリブンギヤ54を介してフロントドラ
イブ軸53にはクラッチトルクTc分を減じたトルクが
伝達されるものであり、この結果前後輪トルクTF、T
R配下のようになる。
【0099】TF=0.45Ti−Tc TR=0.55Ti+Tc
【0100】従ってノンスリップ状態では、クラッチト
ルクTcが零のためTF:TR=45:55の後輪偏重
にトルク配分され、前輪スリップ発生時にクラッチトル
クTcが生じると、このクラッチトルクTcに応じて入
力トルクTiが後輪側に流れて後輪トルクが積極的に増
大制御され、前輪トルクが減じてスリップの発生がなく
なり走破性も良好になる。
【0101】またスリップ率Sが設定値以下になると、
第4多板クラッチ94の油圧と共に差動制限トルクが最
大になってサンギヤ57とキャリヤ61とを直結するた
め、前後輪の軸重配分に相当したトルク配分の直結式4
輪走行になり走破性が充分に発揮される。こうしてスリ
ップ状態に応じ、それを回避すべく幅広く前後輪へのト
ルクが制御される。
【0102】一方、上述のスリップの発生に伴うトルク
配分制御において旋回する場合にはその蛇角ψにより第
4多板クラッチ94の差動制限トルクが減少補正され
る。このためトランスファユニット50の差動制限は減
じて回転数差を充分に吸収することが可能になり、タイ
トコーナーブレーキング現象が回避され、良好な操縦性
が確保される。
【0103】後退段にとなるリバース(R)レンジで
は、第1多板クラッチ68及び第3多板クラッチ84が
解放され、第2多板クラッチ78、第4多板クラッチ9
4及び第5多板ブレーキ102が係合して図8に示す動
力伝達状態を太線で示すようになる。すなわち第2多板
クラッチ78を係合してドリブンスプロケット63から
ダブルピニオン式プラネタリギヤ56のキャリヤ61に
動力伝達すると共に、第5多板ブレーキ102によりリ
ングギヤ58をケース4に係止固定する。そして第4多
板クラッチ94によって出力軸51からリヤドライブ軸
52にに動力伝達可能にする。
【0104】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
56は図9に示すように、入力側のキャリヤ61の回転
により互いに噛合した第1及び第2のピニオン59、6
0は互いに逆方向に回転しつつリングギヤ58に沿って
回転してサンギヤ57をキャリヤ61と逆方向に回転し
て出力軸51を入力側に対して逆方向に回転せしめ、出
力軸51のトランスファドライブギヤ51aに噛み合う
トランスファドリブンギヤ54に出力してフロントドラ
イブ軸53をキャリヤ61と同方向に回転駆動する一
方、第4多板クラッチ94を介してリヤドライブ軸52
をフロントドライブ軸53に対して逆方向に回転駆動す
る。
【0105】従ってドリブンスプロケット63からの入
力は、ダブルピニオン式プラネタリギヤ56のリングギ
ヤ58を第5多板クラッチ102によってケース4に係
止することによりドライブ(D)レンジ状態と逆方向に
フロントドライブ軸53及びリヤドライブ軸52に出力
され、このダブルピニオン式プラネタリギヤ56は前後
進切換機能を有する。
【0106】この場合、キャリヤ61の入力に対する出
力軸51、即ちフロントドライブ軸53及びリヤドライ
ブ軸52に出力される変速比は次式で設定される。
【0107】変速比=[ZS+(−ZR)]/ZS ここで上記同様ZS=37、ZR=82とすると、 変速比=[37+(−82)]/37=−1.216 となり、リバース(R)レンジでの減速比が適切に確保
される。
【0108】一方、キャリヤ61に入力するトルクTi
はクラッチトルクTcに応じてリヤドライブ軸52に伝
達し、前輪には後輪に伝達したクラッチトルクTc分を
減じたトルクが入力され、この結果前後輪トルクTF、
TRは以下のようになる。
【0109】Ti=TF+TR TR=Ti−Tc TF=Tc
【0110】従って、前輪スリップ時にはクラッチトル
クTcを増大して、後輪トルクを積極的に増大制御して
前輪トルクを減じてスリップを生じなくして走破性を良
好にする。
【0111】またスリップ率が設定値以下になると、第
4多板クラッチ94の油圧と共に差動制限トルクTcを
最大にして出力軸51とリヤドライブ軸52を直結状態
にして前後輪の軸重配分に相当したトルク配分の直結式
4輪駆動走行にして走破性が最大に発揮される。
【0112】更に旋回する場合には、その蛇角ψにより
第4多板クラッチ94の差動制限トルクが減少され、回
転数差を充分に吸収することが可能になり、タイトコー
ナーブレーキング現象が回避され、操作性が良好にな
る。
【0113】従って、以上説明した本実施の形態では、
ベルト式無段変速機30の出力側に伝動構成した出力軸
51、リヤドライブ軸52を縦置きエンジン10のクラ
ンク軸11の回転軸芯と略同軸上に配置し、フロントド
ライブ軸53を出力軸51の下方に平行配置し、出力軸
51にサンギヤ57が結合するダブルピニオン式プラネ
タリギヤ56を設け、無段変速機30からの出力をリン
グギヤ58に伝達する第1多板クラッチ68、キャリヤ
61に伝達する第2多板クラッチ78、キャリヤ61と
リヤドライブ軸52を動力伝達可能に連結する第3多板
クラッチ84、出力軸51とリヤドライブ軸52とを動
力伝達可能に連結する第4多板クラッチ94及びリング
ギヤ58を係止する第5多板ブレーキ102を設け、こ
れら第1、第2、第3、第4の各多板クラッチ68、7
8、84、94及び第5多板ブレーキ102を選択的に
制御することにより、前進段であるドライブ(D)レン
ジ及び後退段であるリバース(R)レンジでは前後輪に
適切なトルク配分及び差動制限を可能にするセンターデ
ィファレンシャル装置として機能して良好な走行が得ら
れ、かつドライブ(D)レンジ、リバース(R)レンジ
への切換時の前後進切換装置として機能する。
【0114】よって、従来センターディファレンシャル
装置用及び前後進切換装置用として各々専用のダブルピ
ニオン式プラネタリギヤを要したが単一のダブルピニオ
ン式プラネタリギヤによって両機能が達成され、高性能
を維持しつつ駆動装置の構成及び制御の簡素化及び軽量
化が可能になり、コスト低減及び全長が短縮されてコン
パクト化が得られ、トーボードと駆動装置との間が充分
に離間し、車室内の居住区間が容易に確保されて良好な
居住性がもたされると共に、特に出力軸51、リヤドラ
イブ軸52、ダブルピニオン式プラネタリギヤ56及び
各多板クラッチ68、78、84、94及び第5多板ブ
レーキ102がエンジン10のクランク軸11の回転軸
芯と略同軸上に配置され、フロントドライブ軸53をそ
れらの下方に平行配置することから、手動変速機とトラ
ンスミッションケース6の外周寸法、いわゆる胴回り寸
法を略同一に形成可能でかつ、従来一般に使用される手
動変速機、有段自動変速機と略同一のレイアウトが可能
になり、手動変速機及び有段自動変速機等搭載車との車
載互換性に優れ、搭載のための支持部材や排気系の共用
化が可能になる。
【0115】またトーボードと駆動装置との間、即ちト
ーボードの前方空間の増大に伴って衝突時のクラッシュ
ストロークが確保され、駆動装置脱着時のの作業空間と
して有効活用できる。
【0116】更に、出力軸51、リヤドライブ軸52及
び各多板クラッチ68、78、84、94及び第5多板
ブレーキ102を同軸上に配置し、フロントドライブ軸
53をそれらの下方かつ前方に平行配置することから、
フロントドライブ軸53の後方で上記出力軸51等の下
方に潤滑油を貯留しコントロールバルブ112を格納す
るオイルパン7を効率的に配置することが可能になると
共に、出力軸51、ダブルピニオン式プラネタリギヤ5
6及び第1、第2、第3、第4の各多板クラッチ68、
78、84、94及び第5多板ブレーキ102の回転部
が比較的上方に配置され、第1及び第2の多板クラッチ
68、78がクラッチドラム69に、第3及び第4の多
板クラッチが84、94がクラッチドラム85及びドラ
ム部材85a内に格納されることから、走行中における
潤滑油による攪拌抵抗が減少して動力伝達効率の向上が
得られて燃費の向上が得れると共に潤滑油の劣化が防止
される。
【0117】更に、本実施の形態における4輪駆動装置
にあっては、図11に要部を示すように第1、第2、第
4の各多板クラッチ68、78、94及びリヤドライブ
軸52等の後輪駆動部を廃止し、伝達部材120により
ドリブンスプロケット63からの出力をダブルピニオン
式プラネタリギヤ56のキャリヤ61に直接入力し、か
つ第3多板クラッチ84のクラッチドラム86と出力軸
51のスプライン51cにスプライン嵌合すると共に、
エクステンションケース5を2輪駆動用のエンドカバー
123に変更することによって2輪駆動車用駆動装置に
容易に変更し得る。
【0118】この2輪駆動車用駆動装置への変更にあた
り、図11に図3と対応する部分に同一符号を付するこ
とで詳細な説明は省略するが、上記した連結部材12
0、エンドカバー123等以外の多くの部品は4輪駆動
車用駆動装置との共用化が得られる。
【0119】このように形成された2輪駆動車用駆動装
置は、前進段となるドライブ(D)レンジにおいて第3
多板クラッチ84が係合し、図12に動力伝達状態を太
線で示すようになる。即ち第3多板クラッチ84を係合
することで、ドリブンスプロケット63からの入力はダ
ブルピニオン式プラネタリギヤ56のキャリヤ61、第
3多板クラッチ84に伝達され、出力軸51をドリブン
スプロケット63と逆方向に回転駆動する。
【0120】一方後退段となるリバース(R)レンジで
は第3多板クラッチ84の係合を解除し、第5多板ブレ
ーキ102によりダブルピニオン式プラネタリギヤ56
のリングギヤ57をトランスミッションケース6に係止
することにより図13に動力伝達状態を太線で示すよう
にする。
【0121】これによりドリブンスプロケット63から
ダブルピニオン式プラネタリギヤ56のキャリヤ61へ
入力され、キャリヤ61の回転により互いに噛み合う第
1及び第2のピニオン59、60は互いに逆回転しつつ
リングギヤ58に沿って回転してサンギヤ57をキャリ
ヤ61と逆方向に回転して出力軸51に動力伝達し、ト
ランスファドライブギヤ51aと噛み合うトランスファ
ドリブンギヤ54を介してフロントドライブ軸53をド
ライブ(D)レンジと逆方向に回転駆動する。
【0122】この場合キャリヤ61の入力に対する出力
軸51に出力される変速比は上記同様次式で設定され
る。
【0123】変速比=[ZS+(−ZR)]/ZS ここで上記同様ZS=37、ZR=82とすると、 変速比=[37+(−82)]/37=−1.216 となり、リバース(R)レンジでの減速比が適切に確保
される。
【0124】従ってダブルピニオン式プラネタリギヤ5
6、第3多板クラッチ84及び第5多板ブレーキ102
を主要部とする前後進切換装置が構成される。
【0125】上記実施の形態ではトルクコンバータ20
を用いたが、トルクコンバータ20に代えて発進クラッ
チとして電磁クラッチや湿式クラッチを用いることも可
能であり、また無段変速機30のセカンダリ軸32に設
けられたドライブスプロケット39とトランスファユニ
ット50のドリブンスプロケット63との間にサイレン
トチエーン49を巻き掛けて無段変速機30からの出力
をトランスファユニット50に動力伝達したが、サイレ
ントチエーン49によらずアイドルギヤ等を介在して動
力伝達することも可能であり、またトランスファユニッ
ト50は略同芯上であればよく、必ずしも同軸上に配置
させる必要はなく、本発明は上記実施の形態に限定され
ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能である。
【0126】
【発明の効果】以上説明した4輪駆動車用駆動装置によ
ると、縦置きエンジンからの入力をダブルピニオン式プ
ラネタリギヤにより選択的に動力配分及び前後進切り換
えして第1及び第2のドライブ軸に動力伝達することか
ら、単一のダブルピニオン式プラネタリギヤによってセ
ンタディファレンシャル装置及び前後進切換装置として
の両機能が達成され、高性能を維持しつつ構成及び簡素
化が得られ軽量化、コンパクト化が得られ、コンパクト
化に伴い車載状態においてトンネル内への突出量の削減
によるトンネル断面積の削減が可能で車室内の居住空間
が確保されて居住性の向上がもたらされると共に、衝突
時のクラッシュストローク及び組立、整備等の作業空間
が確保できる。
【0127】また、縦置きエンジンのクランク軸に対し
て同軸上に一方のディファレンシャル装置に動力伝達す
る第1ドライブ軸を配置し、他方のディファレンシャル
装置に動力伝達する第2ドライブ軸を第1ドライブ軸に
対して下方に平行配置すると共に、ダブルピニオン式プ
ラネタリギヤを第1ドライブ軸と同軸上に配置すること
によって、一方のディファレンシャル装置に動力伝達す
る第1ドライブ軸及びダブルピニオン式プラネタリギヤ
等がエンジンのクランク軸と同軸上に配置され、従来一
般に使用される駆動装置と略同一の駆動系のレイアウト
が可能になり、他種類の駆動装置が搭載される車体構造
への車載互換性に優れ、搭載のための支持部材や排気系
の共用化が可能になる。
【0128】更に、第1ドライブ軸の下方に潤滑油を貯
留するオイルパン等を効率的に配置することが可能にな
ると共に、ダブルピニオン式プラネタリギヤ及び摩擦係
合要素等の回転部が比較的上方に配置され、走行中にお
ける潤滑油による攪拌抵抗が減少して動力伝達効率の向
上が得られて燃費の向上が図れかつ、潤滑油の劣化が防
止される等本発明特有の効果を有し、自動車の製造及び
利用分野に貢献すること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による4輪駆動車用駆動装置の一実施の
形態の概要を説明する駆動系を示す図である。
【図2】同じく、4輪駆動車用駆動装置を説明する要部
断面図である。
【図3】同じく、図2の要部拡大断面図である。
【図4】同じく、図2における矢視A方向から見た要部
配置説明図である。
【図5】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図6】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図7】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図8】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図9】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図10】同じく、作動を示す摩擦係合要素作動説明図
である。
【図11】同じく、本実施の形態の4輪駆動車用駆動装
置を2輪駆動車用駆動装置への転用を説明する要部断面
図である。
【図12】図10に示す2輪駆動車用駆動装置の作用を
示す概略説明図である。
【図13】同じく、2輪駆動車用駆動装置の作用を示す
概略説明図である。
【符号の説明】
10 エンジン 11 クランク軸 20 トルクコンバータ 30 ベルト式無段変速機 31 プライマリ軸 32 セカンダリ軸 33 プライマリプーリ 34 セカンダリプーリ 35 駆動ベルト 40 フロントディファレンシャル装置 48 リヤディファレンシャル装置 50 トランスファユニット 51 出力軸 52 リヤドライブ軸(第1ドライブ軸) 53 フロントドライブ軸(第2ドライブ軸) 56 ダブルピニオン式プラネタリギヤ 57 サンギヤ 58 リングギヤ 61 キャリヤ 68 第1多板クラッチ(第1摩擦係合要素、入力切
換手段) 78 第2多板クラッチ(第2摩擦係合要素、入力切
換手段) 84 第3多板クラッチ(第3摩擦係合要素) 94 第4多板クラッチ(第4摩擦係合要素) 102 第5多板ブレーキ(第5摩擦係合要素) 115 プロペラ軸 116 リヤディファレンシャル装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦置きに配置されたエンジンと、 該エンジンからの出力が入力される変速機と、 上記エンジンのクランク軸に対して略同軸上に配置され
    て一方のディファレンシャル装置に動力伝達する第1ド
    ライブ軸と、 該第1ドライブ軸に対して下方に平行配置されて他方の
    ディファレンシャル装置に動力伝達する第2ドライブ軸
    と、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置され、上記変速機か
    らの入力を所定の比率で動力配分及び前後進切換えして
    上記第1及び第2のドライブ軸に動力伝達するダブルピ
    ニオン式プラネタリギヤと、 を有することを特徴とする4輪駆動車用駆動装置。
  2. 【請求項2】上記ダブルピニオン式プラネタリギヤが、
    上記第1ドライブ軸と同軸上に配置された複数の摩擦係
    合要素の選択的制御によって上記変速機からの入力を所
    定の比率で動力配分及び前後進切換えして上記第1及び
    第2のドライブ軸に動力伝達することを特徴とする請求
    項1に記載の4輪駆動車用駆動装置。
  3. 【請求項3】縦置きに配置されたエンジンと、 該エンジンからの出力が入力される変速機と、 上記エンジンのクランク軸に対して略同軸上に配置され
    て一方のディファレンシャル装置に動力伝達する第1ド
    ライブ軸と、 該第1ドライブ軸に対して下方に平行配置されて他方の
    ディファレンシャル装置に動力伝達する第2ドライブ軸
    と、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置されたダブルピニオ
    ン式プラネタリギヤと、 該ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤ及びキ
    ャリヤに変速機からの出力を選択的に動力伝達する入力
    切換手段と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤからの
    出力を第2ドライブ軸に動力伝達する手段と、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置されて上記ダブルピ
    ニオン式プラネタリギヤのキャリヤからの出力を第1ド
    ライブ軸に動力伝達する第3摩擦係合要素と、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置されて第1ドライブ
    軸と第2ドライブ軸との間を選択的に動力伝達する第4
    摩擦係合要素と、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置されて上記ダブルピ
    ニオン式プラネタリギヤのリングギヤを選択的に回転係
    止する第5摩擦係合要素と、 上記入力切換手段及び上記各摩擦係合要素を作動せしめ
    て上記変速機からの入力を上記ダブルピニオン式プラネ
    タリギヤを介して所定の比率で動力配分及び前後進切り
    換えして上記第1及び第2ドライブ軸に動力伝達するこ
    とを特徴とする4輪駆動車用駆動装置。
  4. 【請求項4】上記エンジンのクランク軸と略同軸上に配
    置されて上記第2ドライブ軸に動力伝達する出力軸を有
    し、該出力軸を介して上記第4摩擦係合要素が第1ドラ
    イブ軸と第2ドライブ軸との間を動力伝達することを特
    徴とする請求項3に記載の4輪駆動車用駆動装置。
  5. 【請求項5】前進段は、上記入力切換手段が変速機から
    の出力をリングギヤへ動力伝達状態であって、上記第5
    摩擦係合要素が解放したリングギヤ回転許容状態であり
    ダブルピニオン式プラネタリギヤがキャリヤとサンギヤ
    に所定の比率で動力配分するセンタディファレンシャル
    装置として機能し、第3摩擦係合要素が動力伝達状態で
    あり、かつ第4摩擦係合要素を動力伝達状態にしてキャ
    リヤとサンギヤとの間の差動制限を行うことを特徴とす
    る請求項3または4に記載の4輪駆動車用駆動装置。
  6. 【請求項6】前進段において、第4摩擦係合要素が走行
    状態に基づいて伝達トルクを可変制御して動力伝達する
    ことを特徴とする請求項5に記載の4輪駆動車用駆動装
    置。
  7. 【請求項7】後退段は、上記入力切換手段が変速機から
    の出力をキャリヤへ動力伝達状態であって、上記第5摩
    擦係合要素が締結してリングギヤ回転係止状態でありダ
    ブルピニオン式プラネタリギヤが変速動力をサンギヤに
    出力し、第4摩擦係合要素が動力伝達状態で第3摩擦係
    合要素が解放状態であることを特徴とする請求項3〜6
    に記載の4輪駆動車用駆動装置。
  8. 【請求項8】後退段において、第4摩擦係合要素が走行
    状態に基づいて伝達トルクを可変制御することを特徴と
    する請求項7に記載の4輪駆動車用駆動装置。
  9. 【請求項9】入力切換手段が、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置され、前進段におい
    て係合して変速機からの出力をリングギヤへ動力伝達す
    る第1摩擦係合要素と、 上記第1ドライブ軸と同軸上に配置され、後退段におい
    て係合して変速機からの出力をキャリヤへ動力伝達する
    第2摩擦係合要素とを有することを特徴とする請求項3
    〜8に記載の4輪駆動車用駆動装置。
  10. 【請求項10】上記変速機が、 上記エンジンのクランク軸と同軸上に配置されたプライ
    マリ軸と、 該プライマリ軸と平行配置されたセカンダリ軸と、 上記プライマリ軸及びセカンダリ軸に各々設けられたプ
    ライマリプーリ及びセカンダリプーリと、 該プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛
    けられた駆動ベルトとを有し、 上記駆動ベルトのプライマリプーリとセカンダリプーリ
    とに対する巻付径の比率を換えて無段階に変速するベル
    ト式無段変速機であることを特徴とする請求項1〜9に
    記載の4輪駆動車用駆動装置。
JP8360298A 1998-03-30 1998-03-30 4輪駆動車用駆動装置 Withdrawn JPH11278077A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527548A (ja) * 2000-03-17 2003-09-16 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 変速ユニット
JP2007022159A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Nissan Motor Co Ltd ステアリング装置

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