JP2007022159A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 前後輪の左右車輪間にそれぞれ配置され、軸心回りに回転可能なステアリングシャフト4f,4rと、車輪のナックル回転軸に設けられた車輪操向歯車8f,8rと、ステアリングシャフト4f,4rの回転を車輪操向歯車8f,8rに伝達する第2交差軸歯車7f,7rと、運転者の操舵に応じて前輪側のステアリングシャフト4fを転舵させる操舵力アシストモータ15fおよび第1交差軸歯車3と、運転者の操舵に応じて後輪側のステアリングシャフト4rを転舵させる転舵モータ15rと、ステアリングシャフト4f,4rを左右2分割した間に介装され、分割された左右ステアリングシャフト(4fR,4fL),(4rR,4rL)の回転方向を正逆方向で切り替える正逆転切替機構5f,5rと、を備える。
【選択図】 図1
Description
前後輪の左右車輪間にそれぞれ配置され、軸心回りに回転可能なステアリングシャフトと、
車輪のナックル回転軸に設けられた車輪操向歯車と、
前記ステアリングシャフトの回転を前記車輪操向歯車に伝達する交差軸歯車と、
運転者の操舵に応じて前後ステアリングシャフトをそれぞれ回転させる転舵手段と、
前記ステアリングシャフトを左右2分割した間に介装され、分割された左右ステアリングシャフトの回転方向を正逆方向で切り替える正逆転切替手段と、
を備えることを特徴とする。
図1は、実施例1のステアリング装置の全体構成図である。
実施例1のステアリング装置は、前輪ステアリング装置Aと、後輪ステアリング装置Bと、操舵モード設定スイッチ(操舵モード設定手段)20と、コントロールユニット(転舵制御手段)21と、アクチュエータドライバ22と、を備えている。
図2は、前輪ステアリング装置Aの構成図である。
ハンドル1が連結されたコラムシャフト上には、操舵角、操舵速度の検出手段である操舵角センサ(操舵状態検出手段)2fが配置されている。
図3は、後輪ステアリング装置Bの構成図である。このステアリング装置は、転舵モータ(転舵手段)15rにより駆動される。転舵モータ15rには、転舵モータ15rの回転角を検出するモータ角度センサ2rが付設されている。
操舵モード設定スイッチ20は、運転者が通常走行、小回り、その場回転あるいは横移動のいずれかを選択するスイッチであり、操舵モード設定スイッチ20から出力されるモード選択信号は、コントロールユニット21へ出力される。
コントロールユニット21は、操舵角センサ2f、モータ角度センサ2r、操舵モード設定スイッチ20からのモード選択信号、車速等の走行状態に応じて、目標アシスト量、左右輪の目標転舵方向、目標後輪転舵量をそれぞれ算出し、アクチュエータドライバ22へ出力する。
図4(a)は、実施例1の正逆転切替機構5fの構成図である。なお、正逆転切替機構5rも同一構造であるため、説明を省略する。
実施例1の正逆転切替機構5fには、ダブルピニオン式遊星歯車が用いられており、サンギヤ51が右側のステアリングシャフト4fRに連結され、キャリア52が左側のステアリングシャフト4fLに連結されている。サンギヤ51とリングギヤ53の歯数比は、0.5に設定されている。なお、これらの結合は左右入れ替えてもよい。
[その場回転、横移動モード]
運転者が操舵モード設定スイッチ20により図5に示すその場回転あるいは図6に示す横移動を選択した場合、コントロールユニット21の指令により、アクチュエータドライバ22が前後輪の正逆転切替機構5f、5rと前輪の操舵力アシストモータ15fと後輪の転舵モータ15rの出力制御を行い、自動的の所定の角度まで車輪を操向する。なお、操舵モード設定スイッチ20はデフォルトで通常操舵モードとなるようにしておく。すなわち、エンジンスタート時は常に通常操舵モードとし、車輪が小回り、その場回転、横移動のまま放置されている場合には中立状態に戻す。
運転者が図7に示す小回りモードを選択した場合には、後輪切れ角が前輪切れ角と大きさが同じで逆位相となるように後輪の転舵モータ15rを出力制御する。
通常操舵モードでは、操舵角センサ2fにより検出される操舵角度と操舵速度および車速から前輪の操舵力アシストモータ15fを最適に制御する。また、操舵角度と操舵速度および車速に応じて後輪の切れ角を前輪と同位相方向にわずかに転舵することにより安定性のある操縦性を得、あるいは逆位相方向にわずかに転舵することによりアンダーステアを少なくすることもできる。図8は、後輪を前輪と同位相でわずかに操舵した例である。
図9は、非円形歯車列からなる車輪走行歯車8fR,8fLのピッチ曲線を示す。第2交差軸歯車7fR,7fLのピッチ曲線は、中立点から外輪駆動側では比が一定の円弧となっており、内輪駆動側では前記外輪駆動側ピッチ曲線で決まる外輪切れ角βに対して所定の切れ角α0までは下記の式(1)
W/L=cotβ-cotα …(1)
すなわちアッカーマン・ジャントの式を満たし、それ以上の切れ角に対しては、下記の式(2)を満たすピッチ曲線からなっている。
2W/L=cotβ-cotα …(2)
ここで、Lは前後輪の車軸間距離を、Wは左右キングピン間距離を表す。
OE/CE=cotα
OF/DF=cotβ
∴ 2W/L=cotβ-cotα
特開平4−262971号公報に記載の操舵装置では、タイロッド長さ、左右タイロッド間距離あるいは車輪とナックルアームの成す角を変化させるアクチュエータを備えたリンク機構を要するため、アクチュエータの制御が複雑になるという問題があった。さらに、通常のリンク機構を用いているため、実施例1に示した左右輪逆位相操舵(前後輪逆ハの字)によるその場回転や前後輪を完全に90°転舵させる横移動は不可能である。
これに対し、実施例1のステアリング装置では、非円形歯車列からなる車輪走行歯車8fR,8fLのピッチ曲線を内外輪の切れ角が所定の関係(所定の切れ角α0までは式(1)、それ以上の角度では式(2))を満たすように設定し、後輪を転舵可能としたため、通常の2輪操舵や高速走行時の前後輪同位相操舵(平行移動)、低速時の大舵角前後輪逆位相操舵(小回り)が可能となるだけでなく、ステアリングシャフトの正逆転切換機構5f,5rを備えるため、左右輪の逆位相操舵が可能となり、前後輪逆ハの字によるその場回転や完全横移動も実現できる。
実施例1のステアリング装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
図13は、実施例2の正逆転切替機構の構成図である。なお、図4に示した実施例1と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
実施例2のステアリング装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果が得られる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1,2に限定されるものではなく、例えば、本発明のステアリング装置は、電動車両以外の車両にも適用できる。
B 後輪ステアリング装置
1 ハンドル
3 第1交差軸歯車
4fR,4fL ステアリングシャフト
5f,5r 正逆転切替機構
7fR,7fL 第2交差軸歯車
8fR,8fL 車輪走行歯車
9fR,9fL ナックル
10fR,10fL 車輪
11fR,11fL サスペンションサポート
12fR,12fL アッパアーム
13fR,13fL ロアアーム
14fR,14fL 駆動モータ
15f 操舵力アシストモータ
20 操舵モード設定スイッチ
21 コントロールユニット
22 アクチュエータドライバ
51 サンギヤ
52 キャリア
53 リングギヤ
54 ロック機構
55 一体回転クラッチ
56 電磁石
57 ケース
58 アクチュエータ
Claims (8)
- 前後輪の左右車輪間にそれぞれ配置され、軸心回りに回転可能なステアリングシャフトと、
車輪のナックル回転軸に設けられた車輪操向歯車と、
前記ステアリングシャフトの回転を前記車輪操向歯車に伝達する交差軸歯車と、
運転者の操舵に応じて前後ステアリングシャフトをそれぞれ回転させる転舵手段と、
前記ステアリングシャフトを左右2分割した間に介装され、分割された左右ステアリングシャフトの回転方向を正逆方向で切り替える正逆転切替手段と、
を備えることを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1に記載のステアリング装置において、
前記正逆転切替手段をダブルピニオン式の遊星歯車とし、
この遊星歯車のリングギヤをハウジングに対して断接するロック機構と、サンギヤとキャリアを断接する一体回転クラッチと、を備え、
前記ロック機構および前記一体回転クラッチをそれぞれ電磁式ツーウェイクラッチで構成し、
前記分割された左右ステアリングシャフトの一方を前記サンギヤに連結し、他方を前記キャリアに連結したことを特徴とするステアリング装置。 - 請求項2に記載のステアリング装置において、
前記サンギヤと前記リングギヤの歯数比を、0.5に設定したことを特徴とするステアリング装置。 - 請求項2または請求項3に記載のステアリング装置において、
前記ロック機構は、非通電時に前記リングギヤを前記ハウジングに固定するとともに、通電時にロック解除し、
前記一体回転クラッチは、非通電時に前記サンギヤと前記キャリアの締結を解放するとともに、通電時に締結することを特徴とするステアリング装置。 - 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のステアリング装置において、
前記ロック機構と前記一体回転クラッチは、1つの電磁石を共用することを特徴とするステアリング装置。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のステアリング装置において、
前記一体回転クラッチを、前記ステアリングシャフトの左右があらかじめ決められた位相で噛み合うドグクラッチとしたことを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のステアリング装置において、
前記車輪操向歯車は、旋回内外輪の切れ角を所定の関係に保つ非円形歯車列であることを特徴とするステアリング装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のステアリング装置において、
車両の操舵モードを設定する操舵モード設定手段と、
ハンドルの操舵角度と操舵速度を検出する操舵状態検出手段と、
設定された操舵モードと検出された操舵角度および操舵速度と車速とに応じて、前後輪の転舵手段を駆動制御する転舵制御手段と、
を備えることを特徴とするステアリング装置。
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