JP2009173055A - 4輪駆動車の異常検出装置 - Google Patents

4輪駆動車の異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない部品点数でフロントデファレンシャル装置或いはリヤデファレンシャル装置のギヤ比異常を簡単に検出することができるようにする。
【解決手段】センタデファレンシャル装置5の入力側に連設する変速機2の出力軸2aに配設した車速センサ19で検出した変速機出力軸回転速度Ntoと前輪出力軸10に配設した前輪出力軸回転速度センサ20で検出した前輪出力軸回転速度Ncofとに基づき後輪出力軸6の回転速度Ncorを算出し、次いで両回転速度Ncof,Ncorの比から前後出力軸速度比εNを算出し、この前後出力軸速度比εNと各駆動輪の車輪速度に基づいて算出した前後車輪速比εvとに基づき前後デフギヤ比異常率αを算出する。そして前後デフギヤ比異常率αが許容範囲以内か否かを調べ、許容範囲から外れている場合、デフギヤ比異常と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、センタデファレンシャル装置に設けた2つの出力軸の回転速度と、各駆動輪の回転速度とに基づき、リヤデファレンシャル装置と前記フロントデファレンシャル装置とのデフギヤ比異常を検出する4輪駆動車の異常検出装置に関する。
4輪駆動車では、エンジンから出力される駆動力を前後輪に配分するセンタデファレンシャル装置を備えているものが多い。このセンタデファレンシャル装置は差動回転することで前後出力軸間の差回転が吸収され、又、LSD(Limited Slip Differential)クラッチが併設されている場合、このLSDクラッチの締結力にて前後の駆動力配分が制御される。
4輪の何れかに、テンポラリータイヤ、指定タイヤとは異なる径のタイヤ、タイヤの空気圧が不足しているために見かけ上径が小さくなっているタイヤ等、標準タイヤに較べて径の小さいタイヤ(以下「異径タイヤ」と称する)が装着されている場合、この異径タイヤの回転速度は、標準タイヤに比し速くなる。その結果、図6に示すように、例えば異径タイヤが前側の左右輪の何れかに装着されている場合、前側左右輪の回転速度の加算値(Vfl+Vfr)は、後側左右輪の回転速度の加算値(Vrl+Vrr)よりも速くなる。センタデファレンシャル装置では、前後輪の車輪速差を吸収するために、直進走行時においても常時高速で相対回転することになり、耐久性の低下を招いてしまう。
又、差動を制限するLSDクラッチが併設されているセンタデファレンシャル装置では、異径タイヤを装着している間、前後輪で大きな車輪速差が検出されるために駆動輪が常時スリップしていると判定し、LSDクラッチを締結動作させてしまう。しかし、実際にはスリップが発生していないため、LSDクラッチに無理なすべりが発生し、LSDクラッチの耐久性が損なわれてしまう問題がある。
そのため、異径タイヤが装着されているか否かを検出する技術が従来から種々提案されている。一般的には、特許文献1(特開平6−107015公報)、特許文献2(特開2002−79843号公報)、或いは特許文献3(特開2004−131010号公報)等に見られるように、各駆動輪の回転数を、各駆動輪に配設されている車輪速センサの出力信号から読込み、前後輪の車輪速度の差が大きい場合、異径タイヤが装着されていると判定する技術が多く知られている。
特開平6−107015公報 特開2002−79843号公報 特開2004−131010号公報
ところで、センタデファレンシャル装置が常時相対回転する要因としては、異径タイヤの装着以外に、フロントデファレンシャル装置或いはリヤデファレンシャル装置の仕様違いがある。フロントデファレンシャル装置及びリヤデファレンシャル装置のギヤ比は、予め車両毎に指定された仕様がある。又、フロントデファレンシャル装置及びリヤデファレンシャル装置のデフギヤ比は同じ車種であっても、グレード毎に相違している。
従って、フロントデファレンシャル装置やリヤデファレンシャル装置は、デフケースの外観が同一或いは近似していても、デフギヤ比の仕様が異なるものが多数存在している。そのため、デファレンシャル装置を交換する際、或いは、既存のデファレンシャル装置を、LSD付きのデファレンシャル装置にグレードアップする際などにおいて、違う仕様のデファレンシャル装置を誤って組み付けてしまう場合がある。
駆動系の間違った部品の組み付け対策としては、異径タイヤの装着を自己診断する手段として、上述した車輪速センサで検出した各駆動輪の車輪速度に基づいて、前側左右輪の平均車輪速度(前輪車輪速度)と後側左右輪の平均車輪速度(後輪車輪速度)とを算出し、両車輪速度を比較して、異径タイヤの装着を検出することが考えられているが、デファレンシャル装置の仕様違いを特定することはできない。
この対策として、各駆動輪の車輪速を検出する車輪速センサに加えて、センタデファレンシャル装置の前輪出力軸と後輪出力軸とに出力軸速度センサを各々配設し、この両出力軸速度センサで検出した前輪出力軸の回転速度と後輪出力軸の回転速度とを比較して、デファレンシャル装置の仕様違いを検出することが考えられる。
しかし、前輪出力軸と後輪出力軸とに出力軸速度センサを個別に配設することは、部品点数が増加し、コスト増となる問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、製品のコストアップを抑制し、少ない部品点数でフロントデファレンシャル装置或いはリヤデファレンシャル装置のギヤ比異常を簡単に検出することのできる4輪駆動車の異常検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、エンジンの駆動力を前輪出力軸と後輪出力軸とを介して前後輪に配分するセンタデファレンシャル装置と、前輪に配分された駆動力を前側左右輪に配分するフロントデファレンシャル装置と、後輪に配分された駆動力を後側左右輪に配分するリヤデファレンシャル装置と、各駆動輪の回転速度を各々検出する車輪速検出手段と、前記センタデファレンシャル装置の入力軸と前記前輪出力軸と前記後輪出力軸との内の2つの軸の回転速度を個別に検出する軸速度検出手段とを有し、前記軸速度検出手段で検出した前記2つの軸の回転速度と前記各車輪速検出手段で検出した前記各駆動輪の車輪速度とに基づき前後デフギヤ比異常率を算出する前後デフギヤ比異常率算出手段と、前記前後デフギヤ比異常率に基づき前後デフギヤ比異常を判定する前後デフギヤ比異常判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、2つの軸速度検出手段で検出したセンタデファレンシャル装置を構成する2つの軸の回転速度に基づき、他の軸の回転速度を算出するようにしたので、1つの軸の回転速度を検出する軸速度検出手段が不要となり、その分製品のコストアップを抑制することができると共に、少ない部品点数でフロントデファレンシャル装置或いはリヤデファレンシャル装置のギヤ比異常を簡単に検出することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は4輪駆動車両の駆動系の概略構成図、図2は制御ユニットの構成図である。
図1の符号1はエンジンであり、このエンジン1に変速機2が連設されている。尚、本実施形態では変速機2として自動変速機を採用しているが、手動変速機であっても良い。
エンジン1の出力は変速機2により所定に変速及びトルク増幅されて出力軸2aから出力される。この出力軸2aに動力伝達系を構成するドライブギヤ3が設けられており、このドライブギヤ3に、センタデファレンシャル装置5に設けられているドリブンギヤ4が噛合されている。
センタデファレンシャル装置5は、変速機2から入力された駆動力を、前後輪に配分するもので、このセンタデファレンシャル装置5から後輪側に後輪出力軸6、プロペラシャフト7、ドライブピニオン軸8を介してリヤデファレンシャル装置9が連設されている。又、センタデファレンシャル装置5から前輪側に前輪出力軸10を介してフロントデファレンシャル装置11が連設されている。
又、リヤデファレンシャル装置9から左右にリヤアクスル軸12rl,12rrが延出されており、この各リヤアクスル軸12rl,12rrに後側左右駆動輪としての左右輪13rl,13rrが連設されている。又、フロントデファレンシャル装置11から左右にフロントアクスル軸12fl,12frが延出されており、この各フロントアクスル軸12fl,12frに、前側左右駆動輪としての左右輪13fl,13frが連設されている。
センタデファレンシャル装置5は、周知のプラネタリギヤ式デファレンシャル機構16を有し、そのリングギヤ16aがドリブンギヤ4に連設されている。又、プラネタリピニオン16bを支持する、入力軸としてのプラネタリキャリア16cにドリブンギヤ4が連設されている。更に、サンギヤ16dに後輪出力軸6が連設されている。この後輪出力軸6に、湿式多板クラッチ等で構成された差動制限装置であるLSD(Limited Slip Differential)クラッチ17のドリブンプレートが設けられ、この各ドリブンプレートを挟持自在なドライブプレートがリングギヤ16aに連設されている。
LSDクラッチ17の締結力は電磁或いは油圧式アクチュエータ(図示せず)により制御される。LSDクラッチ17の締結によりデファレンシャル機構16が直結状態になると、後輪出力軸6と前輪出力軸10との差動が制限され、前後輪に対して等分(50:50)にトルク配分される。又、LSDクラッチ17が開放されると差動制限が解除されるため、デファレンシャル機構16で設定されている前後配分比でトルク配分される。このLSDクラッチ17は後述するトランスミッション制御装置(TCU)23から出力される締結力指示出力信号に従って、直結状態から開放状態まで連続的に動作される。
ここで、デファレンシャル機構16の動作について簡単に説明する。変速機2の出力軸2aから出力される駆動力がデファレンシャル機構16のプラネタリキャリア16cに伝達されると、このプラネタリキャリア16cが回転する。すると、この回転力が、プラネタリキャリア16cに支持されているプラネタリピニオン16bを介してサンギヤ16dとリングギヤ16aとに、予め設定されている前後配分比に従って配分され、サンギヤ16dに連設されている後輪出力軸6と、リングギヤ16aに連設されている前輪出力軸10とを介して、リヤデファレンシャル装置9とフロントデファレンシャル装置11とにそれぞれ伝達される。又、LSDクラッチ17が締結されると、後輪出力軸6と前輪出力軸10との一方から他方へ駆動力の一部が、LSDクラッチ17を介して直接伝達される。
各デファレンシャル装置9(11)は、センタデファレンシャル装置5から伝達される駆動力を左右リヤアクスル軸12rl,12rr(左右フロントアクスル軸12fl,fr)に各々配分すると共に、内装するデファレンシャル機構の相対回転により、リヤアクスル軸12rl,12rr(フロントアクスル軸12fl,fr)間に生じる差回転が吸収される。
又、各アクスル軸12fl,12fr,12rl,12rrに、各駆動輪13fl,13fr,13rl,13rrの車輪速度Vfl,Vfr,Vrl,Vrrを検出する、車輪速検出手段としての車輪速センサ18fl,18fr,18rl,18rrが各々配設されている。尚、この各車輪速センサ18fl,18fr,18rl,18rrは、後述するABS制御を実行するために、車両に予め標準装備されている部品である。
更に、変速機2の出力軸2a、及び前輪出力軸10に、軸速度検出手段としての車速センサ19、及び前輪出力軸回転速度センサ20が各々配設されている。この車速センサ19は、出力軸2aの回転速度から車速を検出するもので、一般的な車両には標準装備されている。
この車速センサ19により出力軸2aの回転速度(変速機出力軸回転速度)Ntoが検出され、前輪出力軸回転速度センサ20により前輪出力軸10の回転速度(前輪出力軸回転速度)Ncofが検出される。
又、図2に示すように、車両には、CAN(Controller Area Network)通信等の車内通信回線を通じて、各演算手段を構成するABS(Antilock Brake System)制御装置(ABS_ECU)21、メータ制御装置(メータ_ECU)22、TCU23等の車両を制御し、或いは車両の運転状態を表示する制御装置が相互通信可能に接続されている。各制御装置21,22,23は、マイクロコンピュータを主体に構成され、周知のCPU,ROM,RAM,及びEEPROM等の不揮発性記憶手段を有している。
以下、各制御装置21,22,23の主な機能について簡単に説明する。ABS_ECU21は、制動時、各車輪速センサ18fl,18fr,18rl,18rrで検出した車輪速度Vfl,Vfr,Vrl,Vrrを読込み、この各車輪速度Vfl,Vfr,Vrl,Vrrに基づいて、車輪のロック状態を検出し、ロックが検出された駆動輪に対しては、図示しないブレーキ系統の油圧を減圧してブレーキ操作時の車輪のロックを回避する。又、メータ_ECU22は、運転席前のインストルメントパネルに配設されているコンビネーションメータ(図示せず)の表示状態を制御するものであり、出力側に、運転席前方のインストルメントパネルに配設されているウォーニングランプ31等が接続されている。
又、TCU23は、車両の運転状態に基づき、ROMに格納されている変速点特定データに従い変速機2の変速制御を行うと共に、エンジントルク、スロットル開度、車速に応じてLSDクラッチ17を締結動作させるためのクラッチトルクを設定し、このクラッチトルクにてLSDクラッチ17の締結度を制御し、前後輪に対する最適な駆動力配分を行う。
更に、TCU17の入力側に、車速センサ19、前輪出力軸回転速度センサ20が接続されている。TCU17は、上述した変速制御、及び前後輪に対する駆動力配分制御等の通常の制御以外に、リヤデファレンシャル装置9、及びフロントデファレンシャル装置11に内装されているデファレンシャル機構のギヤ比異常を検出する機能を備えている。
TCU17で実行されるデファレンシャルギヤ比異常の検出は、具体的には、図3、図4に示すデフギヤ比異常検出ルーチンに従って実行される。このルーチンは、イグニッションスイッチをONした後、LSDクラッチ17が開放状態にあるとき、設定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS1で、車速センサ19で検出した変速機出力軸回転速度Ntoを読込み、この変速機出力軸回転速度Ntoと、変速機2の出力軸2aに設けられているドライブギヤ3とセンタデファレンシャル装置5のドリブンギヤ4とのギヤ比に基づきプラネタリキャリア16cの回転速度(プラネタリキャリア回転速度)Nco算出し、ステップS2で、前輪出力軸回転速度センサ20で検出した前輪出力軸回転速度Ncofを読込む。
そして、ステップS3で、プラネタリキャリア回転速度Ncoと前輪出力軸回転速度Ncofとに基づき、後輪出力軸回転速度Ncorを次式から算出する。
Ncor←((ρ1+ρ2)・Nco−ρ1・Ncof)/ρ2…(1)
ここで、ρ1はリングギヤ16aとプラネタリキャリア16cとの間のギヤ比、ρ2はサンギヤ16dとプラネタリキャリア16cとの間のギャ比である。
尚、(1)式は、図1に示すプラネタリギヤ式デファレンシャル機構16の構成から導き出されたものであり、本実施形態とは異なる構成のデファレンシャル機構を備えるセンタデファレンシャル装置では、(1)式は異なる計算式となる。
上述した(1)式は、プラネタリギヤ式デファレンシャル機構16の回転要素に対する力学的な関係式である。図5にプラネタリギヤ式デファレンシャル機構16を構成する各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表す共線図を示す。同図において、左側の縦軸は前輪出力軸回転速度Ncofであるリングギヤ16aの回転速度を示し、中程の縦軸は、プラネタリキャリア回転速度Ncoであるプラネタリキャリア16cの回転速度を示し、右側の縦軸は、後輪出力軸回転速度Ncorを示すサンギヤ16dの回転数を示す。又、横軸にデフギヤ比ρ1,ρ2を示す。この共線図を用いれば、(1)式を容易に導くことができる。
次いで、ステップS4へ進み、前輪出力軸回転速度Ncofと後輪出力軸回転速度Ncorとに基づき、前後出力軸速度比εNを次式から算出する。
εN←Ncof/Ncor…(2)
その後、ステップS5へ進み、各車輪速センサ18fl,18fr,18rl,18rrで検出した、各駆動輪13fl,13fr,13rl,13rrの車輪速度Vfl,Vfr,Vrl,Vrrを読込み、続く、ステップS6で、前輪車輪速度Vfと後輪車輪速度Vrとを、次式から各々算出する。
Vf←(Vfl+Vfr)/2…(3)
Vr←(Vrl+Vrr)/2…(4)
図6に一点鎖線で示すように、全輪に標準タイヤが装着されている場合、Vf≒Vrとなる。又、同図に実線で示すように、何れかの車輪(図においては、前側左右輪の何れか)に、小径の異径タイヤが装着されている場合、前輪車輪速度Vfと後輪車輪速度Vrとにアンバランスが生じる。
次いで、ステップS7で、前後車輪速比εvを次式から算出する。
εv←Vf/Vr
そして、ステップS8へ進み、前後出力軸速度比εNと前後車輪速比εvとに基づき、次式から前後デフギヤ比異常率αを算出する。尚、上述したステップS1〜S8までの処理が前後デフギヤ比異常率算出手段に対応している。
α←(1/εN)・εv…(5)
その後、ステップS9へ進み、センタデファレンシャル装置5のデファレンシャル機構16で設定されている前後配分比と前後車輪速比εvに基づいて設定されている異常判定基準率ηと前後デフギヤ比異常率αとの差分(η−α)の絶対値|η−α|と異常率判定値αoとを比較する。この異常率判定値αoは、異常判定基準率ηを基準として予め実験などから求めた、前後デフギヤ比異常率αの許容幅である。そして、|η−α|≦αoの場合は、許容範囲内であるため正常と判定し、ステップS10へ分岐し、正常信号を出力してルーチンを抜ける。尚、ステップS9での処理が前後デフギヤ比異常判定手段に対応している。
又、|η−α|>αoの場合は、許容範囲から外れているため異常と判定し、ステップS11へ進み、LSDクラッチ17の締結力を制限し、直結状態を回避させて、LSDクラッチ17に無理なすべりが発生することを防止する。
次いで、ステップS12へ進み、異常信号を出力してルーチンを抜ける。この異常信号は、図2に示すメータ_ECU22で読込まれ、ウォーニングランプ31を点灯、或いは点滅させて、リヤデファレンシャル装置9、或いはフロントデファレンシャル装置11の何れかのデフギヤ比が異常であることを、運転者に知らせる。この場合、デフギヤ比の異常を、メータ_ECU22に接続されているスピーカを介して音声で報知するようにしても良い。
尚、デフギヤ比の異常は、リヤデファレンシャル装置9、或いはフロントデファレンシャル装置11の仕様違いが原因であり、何れのデファレンシャル装置9,11に異常が発生しているかは運転者が把握していると考えられるため、異常の発生しているデファレンシャル装置9,11を特定する必要はない。
又、TCU17から出力される異常信号はエンジン制御装置で読込まれる。エンジン制御装置では、TCU17から異常信号が入力された場合、スロットル弁の開度を制限して、急加速、及び最高速度を制限する等のフェイルセーフ制御を実行する。
尚、図に示すフローチャートでは明記されていないが、前後車輪速比εvから異形タイヤの装着の有無が検出される。すなわち、全輪に標準タイヤが装着されてい場合、εv≒1であるため、絶対値|1−εv|と異径タイヤ判定値(許容幅)とを比較することで、異径タイヤ装着の有無を判定することができる。
このように、本実施形態によれば、プラネタリキャリア回転速度Ncoと前輪出力軸回転速度Ncofとに基づき、後輪出力軸回転速度Ncorを算出するようにしたので、後輪出力軸回転速度Ncorを検出する速度センサが不要となり、又、変速機出力軸回転速度Ntoは、車両に標準装備されている車速センサ19の出力値から検出することができ、更に、後輪出力軸回転速度センサを設ける必要はなく、従って、前輪出力軸回転速度センサ20のみを増設すれば良いので、部品点数が大幅に増加せず、相対的に製品コストの低減を図ることができる。
そして、前輪出力軸回転速度Ncofと後輪出力軸回転速度Ncorから算出した前後出力軸速度比εNと前後車輪速比εvとに基づき前後デフギヤ比異常率αを算出するようにしたので、簡単な計算でフロントデファレンシャル装置11或いはリヤデファレンシャル装置9のギヤ比異常を容易に検出することができる。更に、前後デフギヤ比異常率αを算出する過程で求められる、前後車輪速比εvから異径タイヤの装着の有無を簡単に識別することができる。
その結果、少ない部品点数で、フロントデファレンシャル装置11或いはリヤデファレンシャル装置9の仕様違いを簡単に検出することができ、しかも、演算途中で異径タイヤの装着の有無も検出することができるため、確実にフェイルセーフ制御を実行させることができる。
尚、本実施形態では、変速機2の出力軸2aの回転速度Ntoに基づいて算出したプラネタリキャリア回転速度Ncoと、デファレンシャル機構16の1つの出力である前輪出力軸10の前輪出力軸回転速度Ncofとに基づき前後デフギヤ比異常率αを算出しているが、デファレンシャル機構16は、1つの入力系と2つの出力系とが互いに力学的な関係を有しているため、何れか2つの系の回転速度が判明されれば、デフギヤ比ρ1,ρ2の仕様に基づき、他の1つの系の回転速度は容易に算出することができる。従って、例えばデファレンシャル機構16の後輪出力軸6の回転速度Ncorを検出し、この後輪出力軸6の回転速度Ncorとプラネタリキャリア回転速度Ncoとに基づいて、前輪出力軸回転速度Ncofを算出するようにしても良い。
又、変速機2の出力軸2aに車速センサ19が装備されていない車両では、エンジン回転数から変速機出力軸回転速度Ntoを算出することもできる。すなわち、エンジン回転数センサは、変速機2の入力軸に直結するエンジン1の出力軸の回転数を検出しているため、このエンジン回転数と変速機2の変速比とにより、変速機出力軸回転速度Ntoを算出することができる。
更に、変速機2の出力軸2aに設けたドライブギヤ3とデファレンシャル機構16に設けたドリブンギヤ4とが同一歯数の場合は、ギャ比が1となるため、プラネタリキャリア回転速度Ncoに変えて変速機出力軸回転速度Ntoをそのまま適用することができる。
4輪駆動車両の駆動系の概略構成図 制御ユニットの構成図 デフギヤ比異常検出ルーチンを示すフローチャート(その1) デフギヤ比異常検出ルーチンを示すフローチャート(その2) プラネタリギヤ式デファレンシャル機構を構成する各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表す共線図 前輪車輪速と後輪車輪速との相対関係を直線状で表す図表
符号の説明
2…変速機、
2a…出力軸、
5…センタデファレンシャル装置、
6…後輪出力軸、
10…前輪出力軸、
11…フロントデファレンシャル装置、
16…デファレンシャル機構、
17…LSDクラッチ、
18fl,18fr,18rl,18rr…車輪速センサ、
19…車速センサ、
20…前輪出力軸回転速度センサ、
23…制御装置、
α…前後デフギヤ比異常率、
αo…異常率判定値、
εN…前後出力軸速度比、
εv…前後車輪速比、
η…異常判定基準率、
ρ1,ρ2…デフギヤ比、
Nco…プラネタリキャリア回転速度、
Ncof…前輪出力軸回転速度、
Ncor…後輪出力軸回転速度、
Nto…変速機出力軸回転速度、
Vf…前輪車輪速度、
Vr…後輪車輪速度、
Vfl,Vfr,Vrl,Vrr…車輪速度

Claims (5)

  1. エンジンの駆動力を前輪出力軸と後輪出力軸とを介して前後輪に配分するセンタデファレンシャル装置と、
    前輪に配分された駆動力を前側左右輪に配分するフロントデファレンシャル装置と、
    後輪に配分された駆動力を後側左右輪に配分するリヤデファレンシャル装置と、
    各駆動輪の回転速度を各々検出する車輪速検出手段と、
    前記センタデファレンシャル装置の入力軸と前記前輪出力軸と前記後輪出力軸との内の2つの軸の回転速度を個別に検出する軸速度検出手段と
    を有し、
    前記軸速度検出手段で検出した前記2つの軸の回転速度と前記各車輪速検出手段で検出した前記各駆動輪の車輪速度とに基づき前後デフギヤ比異常率を算出する前後デフギヤ比異常率算出手段と、
    前記前後デフギヤ比異常率に基づき前後デフギヤ比異常を判定する前後デフギヤ比異常判定手段と
    を備えることを特徴とする4輪駆動車の異常検出装置。
  2. 前記軸速度検出手段は、前記入力軸の回転速度を検出する入力軸速度検出手段と前記前輪出力軸と前記後輪出力軸との一方の回転速度を検出する出力軸速度検出手段から成り、
    前記前後デフギヤ比異常率算出手段は、前記入力軸速度検出手段と前記出力軸速度検出手段で検出した前記2つの軸の回転速度に基づき他方の出力軸の回転速度を算出し、前記前輪出力軸の回転速度と前記後輪出力軸の回転速度とに基づき前後出力軸速度比を算出し、前記各車輪速検出手段で検出した前記各駆動輪速度に基づき前後車輪速比を算出し、前記前後出力軸速度比と前記前後車輪速比とに基づき前記前後デフギヤ比異常率を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の異常検出装置。
  3. 前記入力軸の回転速度を検出する前記入力軸速度検出手段は、変速機の出力軸に配設されている
    ことを特徴とする請求項2記載の4輪駆動車の異常検出装置。
  4. 前記軸速度検出手段は車速を検出する車速センサで兼用している
    ことを特徴とする請求項3記載の4輪駆動車の異常検出装置。
  5. 前記入力軸の回転速度を検出する前記入力軸速度検出手段は、変速機の入力側に配設されているタービン回転数を検出する回転数センサであり、前記入力軸の回転速度は、該回転数センサで検出したタービン回転数と前記変速機の変速比とに基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の4輪駆動車の異常検出装置。
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