JP2001255951A - 走行車両の操向装置 - Google Patents

走行車両の操向装置

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JP2001255951A
JP2001255951A JP2000070495A JP2000070495A JP2001255951A JP 2001255951 A JP2001255951 A JP 2001255951A JP 2000070495 A JP2000070495 A JP 2000070495A JP 2000070495 A JP2000070495 A JP 2000070495A JP 2001255951 A JP2001255951 A JP 2001255951A
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traveling
hst
steering
arm
shaft
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JP2000070495A
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English (en)
Inventor
Yuji Kitasaka
雄治 北坂
Akihiro Niikuma
章浩 新熊
Masaki Nanko
政樹 南光
Norihiko Sakamoto
訓彦 坂本
Susumu Nochi
晋 野知
Eiichi Okamoto
栄一 岡本
Masakazu Komatsu
正和 小松
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業走行時等でブレーキを操作して停止し、
再開するときの変速レバーの位置を容易に再現できるよ
うにする。 【解決手段】 操向ハンドル7の操作で旋回用HST2
0及び走行用HST22の出力を調整して旋回可能とす
る走行車両において、走行用HSTの変速アーム63と
主変速レバー65と操向ハンドル7と中立戻し機構15
2を連動連結する連結部に、主変速位置保持機構150
を設け、前記連結部を主変速位置保持機構と同一軸上に
配置し、前記主変速位置保持機構をブレーキ装置により
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラトラクタ
やコンバイン等の走行車両の走行駆動を、走行用HST
で行う構成において、走行用HSTと旋回用HSTと操
向ハンドルと主変速レバーを連結する機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、丸型の操向ハンドルを装着して旋
回機構と連動連結し、該操向ハンドルの回動によってク
ローラー式走行装置の左右のクローラーの回転数を調整
して旋回するようにした技術は公知となっている。この
ような操向装置において、主変速レバーの回動によって
走行速度は無段階に調整でき、ニュートラル位置で機体
が移動しないようにHSTの中立を保持するための機構
が設けられている。例えば、特開平10−54462号
の如く、HSTの変速アームにカム部を形成し、該カム
部に形成した凹部にローラーを当接させることで中立を
保持するようにしていた。しかし、変速アームを中立に
戻す機構はなかった。また、特開平8−24260号の
技術ではHSTにより操向及び走行駆動する構成におい
て、ブレーキペダルを有し、走行装置を制動するように
し、また、主変速レバーの回動でガイド体の傾斜を維持
するようにし、ブレーキペダルの操作でHSTの変速ア
ームを中立に戻す機構はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
において、作業時において、一定速度で走行して、障害
物があったりしてブレーキペダルを踏むと、主変速レバ
ーも中立に戻して車両を停止させる。そして、再び走行
を再開するときには、主変速レバーを元の位置まで回動
するのであるが、その位置は判り難いために、従前と同
じように作業ができないことがあった。例えば、耕耘作
業時においては深さが変更されたり、コンバインでは選
別精度が変化したりしていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、請求項1においては、操向ハンドルの操作で旋回用
HST及び走行用HSTの出力を調整して旋回可能とす
る走行車両において、走行用HSTの変速アームと主変
速レバーと操向ハンドルと中立戻し機構を連動連結する
連結部に、主変速位置保持機構を設けた。
【0005】また、請求項2においては、前記連結部を
主変速位置保持機構と同一軸上に配置した。
【0006】また、請求項3においては、前記主変速位
置保持機構をブレーキ装置により構成した。
【0007】また、請求項4においては、前記連結部
を、主変速レバーに連結されるアームと、中立戻し機構
および操向変速用円錐リンク機構に連結されるアームを
トルクバネで連結する構成とした。
【0008】また、請求項5においては、前記連結部を
コラムカバーで覆い、該コラムカバー下方に開口部を設
けて連係部材を挿通させた。
【0009】また、請求項6においては、操向ハンドル
の操作で旋回用HST及び走行用HSTの出力を調整し
て旋回可能とする走行車両において、ブレーキペダル
を、中立戻し機構と主変速位置保持機構と機体ブレーキ
装置とに連結し、前記ブレーキペダルの第一段階の操作
により、走行用HSTを中立に戻し、第二段階の操作で
ブレーキ装置を制動するようにした。
【0010】また、請求項7においては、前記ブレーキ
ペダルと中立戻し機構、ブレーキペダルと主変速位置保
持機構との間に、それぞれ緩衝部材を配置した。
【0011】また、請求項8においては、操向ハンドル
の操作で旋回用HST及び走行用HSTの出力を調整し
て旋回可能とする走行車両において、走行用HSTの変
速アームと主変速レバーと操向ハンドルをリンク機構を
介して連結し、該変速アームと操向変速用円錐リンク機
構に連結されるリンクとの連結部に融通機構を設けた。
【0012】また、請求項9においては、前記融通機構
を長孔とした。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の解決すべき課題及び手段
は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の
一実施例を説明する。図1は本発明の一実施例であるク
ローラトラクタの側面図、図2はエンジンとHSTとミ
ッションケースの配置を示す側面図、図3は駆動伝達経
路を示すスケルトン図、図4は操向変速用円錐リンク機
構と操向ハンドルと主変速レバーと変速アームの連係機
構を示す側面図、図5は上コラム内の減速機構を示す側
面断面図、図6はニュートラルデテント機構と中立戻し
機構を示す平面図、図7は操向変速用円錐リンク機構の
模式斜視図、図8は操向変速用円錐リンク機構とブレー
キペダルとの連結を示す後面断面図、図9は同じく拡大
後面断面図、図10はパンタグラフ式リンク機構の平面
図、図11はブレーキペダルの連結を示す側面図、図1
2は融通機構の側面図、図13は同じく後面断面図、図
14は操向変速用円錐リンク機構の作動を示す模式図、
図15はハンドル角度と走行速度の関係を示す図であ
る。
【0014】まず、本発明に係る操向装置を具備した一
実施例であるクローラトラクタの概略構成について説明
する。図1に示すように、クローラ式走行装置1の前部
上方にはエンジン3が配置され、後部上方にはリアミッ
ションケース5が配置されている。エンジン3はボンネ
ット4に覆われ、該エンジン3は左右下側のエンジンブ
ラケット6・6間に固定されている。ボンネット4の後
部には本発明のステアリングコラム2を設け、該ステア
リングコラム2上に操向操作を行う丸型の操向ハンドル
7を配置し、該操向ハンドル7の後方にシート8を配設
し、該ステアリングコラム2とシート8の間の下方にス
テップ18を配置して、運転部を構成している。これら
運転部はキャビン9によって覆っている。また、車両後
端部には、各種作業機を装着するための三点リンク式の
装着装置10が設けられている。
【0015】前記クローラ式走行装置1は、クローラフ
レーム15に支持されており、該クローラフレーム15
の前端部にフロントミッションケース16を固設して駆
動スプロケット11を支持し、後端部にアイドラ12、
及び、駆動スプロケット11とアイドラ12との間に転
輪13・13・・・を回転自在に支持し、該駆動スプロ
ケット11とアイドラ12と転輪13・13・・・の周
囲をクローラベルト14で巻回している。
【0016】次に、クローラトラクタの駆動伝達系につ
いて、図2、図3を用いて説明する。前記エンジン3の
後部にダンパーケース19を介して走行用油圧式無段変
速装置(以下走行用HST)22が付設され、該走行用
HST22の後方に副変速装置43やPTO変速装置4
4等を収納したリアミッションケース5が配置され、副
変速装置43には前記走行用HST22の出力が副変速
入力軸48を介して伝えられ、PTO変速装置44へは
伝動軸42を介して伝えられる。該伝動軸42、副変速
入力軸48は走行用HST22とリアミッションケース
5とを連結する連結ケース17によって覆われている。
【0017】また、エンジン3の前方に旋回用油圧式無
段変速装置(以下旋回用HST)20を前面に付設した
フロントミッションケース16が配置され、エンジンブ
ラケット6の前部に支持され、機体の前部位置に配置し
ている。そして、エンジン3からの動力により旋回用H
ST20を駆動し、該旋回用のHST20の出力と前記
副変速装置43からの出力を合成して駆動スプロケット
11を駆動する構成としている。このように、走行用H
ST22と、副変速装置43とPTO変速装置44を収
納したリアミッションケース5と、旋回用HST20は
それぞれ独立して配置され、メンテナンス等を個別にで
き、また、仕様毎の変更も容易にできるようにしてい
る。
【0018】次に、動力伝達構成の具体的構成を説明す
る。前記エンジン3のクランク軸は前後方向水平に配置
されて、前方及び後方に突出されている。後方の出力軸
3aはダンパー21を介して走行用HST22に入力さ
れ、該走行用HST22はエンジン3の後部にダンパー
ケース19を介して連結され、該走行用HST22はス
テアリングコラム2の下方、つまり、ステップ18の下
方に配置され、ステップ18下方の空間を有効に利用し
ている。前記走行用HST22の入力軸23は走行用H
ST22を貫通して後方へ延設され、該入力軸23の後
端がリアミッションケース5内に収容したPTOクラッ
チ24に入力され、該PTOクラッチ24の出力は伝動
軸25を介してPTO入力軸26に伝えられ、該PTO
入力軸26上にはPTO1速ギヤ27、PTO2速ギヤ
28、PTO逆転ギヤ29が固設されている。
【0019】また、前記PTO入力軸26と平行に逆転
軸30、PTO変速軸31、カウンター軸33、PTO
軸34が支持され、PTO変速軸31上にはPTO1速
従動ギヤ35、PTO2速従動ギヤ36、PTO逆転従
動ギヤ37が遊嵌され、PTO1速従動ギヤ35は前記
PTO1速ギヤ27と、PTO2速従動ギヤ36はPT
O2速ギヤ28と、PTO逆転従動ギヤ37は逆転軸3
0上の逆転歯車38を介してPTO逆転ギヤ29とそれ
ぞれ噛合している。
【0020】そして、前記PTO変速軸31上には摺動
ギヤ39が摺動自在にスプライン嵌合され、前記PTO
1速従動ギヤ35、PTO2速従動ギヤ36、PTO逆
転従動ギヤ37とそれぞれPTO変速レバーの回動によ
って噛合可能とし、PTO変速を可能としてPTO変速
装置44を構成している。そして、前記PTO変速軸3
1上には更に伝動ギヤ40が固設され、該伝動ギヤ40
はカウンター軸33軸上のカウンターギヤを介してPT
O軸32上に固設したギヤ41に動力を伝達可能として
いる。該PTO軸32は後方に突出され、走行車両後端
に接続される作業機を駆動可能としている。
【0021】また、前記走行用HST22は可変容量型
の油圧ポンプ45と定容量型の油圧モータ46からな
り、油圧ポンプ45の可動斜板は走行用HST22のケ
ース側面に設けた変速アーム63と連結され、該変速ア
ーム63はリンク機構を介して運転部に設けた主変速レ
バー65と連動連結され、該主変速レバー65の回動に
より油圧ポンプ45からの吐出量と吐出方向を変更し
て、油圧モータ46の回転数と回転方向を変更可能とし
ている。つまり、主変速を可能としている。
【0022】前記油圧モータ46の出力軸47はリアミ
ッションケース5に軸支した副変速入力軸48と連結さ
れ、該副変速入力軸48上には高速ギヤ50と低速歯ギ
ヤ51が固設され、副変速軸48と平行に軸架した副変
速軸52上に遊嵌した高速従動ギヤ53と低速従動ギヤ
54にそれぞれ噛合している。そして、前記副変速軸5
2上の高速従動ギヤ53と低速従動ギヤ54との間には
摺動ギヤ55がスプライン嵌合されて、図示しない副変
速レバーまたはスイッチ等の操作で高低変速を可能と
し、副変速装置43を構成している。
【0023】そして、副変速軸52上に伝動ギヤ56が
固設され、該伝動ギヤ56は出力軸57上に固設したギ
ヤ58と噛合されている。該出力軸57の前端はリヤミ
ッションケース5より前方に突出され、ユニバーサルジ
ョイント60及び伝動軸を介してフロントミッションケ
ース16より後方に突出した入力軸61に伝えられる。
該フロントミッションケース16内の入力軸61上には
機体のブレーキ装置62が配置され、該入力軸61の他
端にはベベルギヤ141が固設され、該ベベルギヤ14
1は遊星歯車機構140で構成される差動装置のサンギ
ヤ軸143上に固設したベベルギヤ142と噛合されて
いる。
【0024】一方、前記フロントミッションケース16
はエンジンブラケット6の前後中途部に固設され、該フ
ロントミッションケース16は遊星歯車機構140と左
右の最終減速装置133・133と入力減速機構132
を収容し、フロントミッションケース16の前面に旋回
用HST20を付設している。前記最終減速装置133
・133から突出した出力軸上にはそれぞれ駆動スプロ
ケット11・11が固設されている。
【0025】前記入力減速機構132の入力軸134は
ユニバーサルジョイント135を介してエンジン3より
前方へ突出した出力軸3bと連結され、該入力減速機構
132は複数の歯車により減速して、その出力は旋回用
HST20の油圧ポンプ121の入力軸122に伝えら
れて入力され、該旋回用HST20は可変容量型の油圧
ポンプ121と固定容量型の油圧モータ124より構成
して、該油圧ポンプ121の可動斜板は旋回用HST2
0のケース側面に設けた変速アーム64と連結されて、
該変速アーム64は前記操向ハンドル7と連動連結され
て、該操向ハンドル7の操作量に応じて油圧ポンプ12
1からの吐出量が調整され、該油圧ポンプ121の吐出
量に応じて駆動する油圧モータ124の出力軸125の
回転数と回転方向を変更して駆動させるのである。
【0026】前記油圧モータ124の出力軸125は旋
回用HST20の後部側に延設してその先端にベベルギ
ヤ126を固設し、該ベベルギヤ126は左右ベベルギ
ヤ127・127と噛合し、左右に逆回転の動力を伝え
る。該ベベルギヤ127・127から回転駆動力を遊星
歯車機構140に伝達している。
【0027】次に、前記遊星歯車機構140の構成につ
いて説明する。尚、左右対称に構成されているので、一
方について説明する。エンジン3の出力は前記リアミッ
ションケース5よりフロントミッションケース16に入
力される。入力軸61の駆動力はベベルギヤ141・1
42を介してサンギヤ軸143に伝達される。そして、
サンギヤ軸143の回転出力が左右に伝達され、左右の
遊星歯車機構140・140に入力される。左右一方の
遊星歯車機構140は、サンギヤ144、プラネタリア
ギヤ145、キャリア146及び出力ギヤ147等で構
成されている。
【0028】前記サンギヤ軸143の回転出力は、サン
ギヤ軸143の左右端に固設されたサンギヤ144を同
方向、同回転数で回転駆動する。そして、サンギヤ14
4はプラネタリアギヤ145に刻設された2つのギヤの
内の一方であるギヤ145aに噛合し、さらに他方のギ
ヤ145bは出力ギヤ147に噛合している。ここでプ
ラネタリアギヤ145は、サンギヤ軸143上に遊嵌さ
れたキャリア146より突設した軸に回転自在に軸支さ
れており、該キャリア146はサンギヤ軸143(駆動
出力軸149)の外周上を回転する。また、前記キャリ
ア146の外周に歯車155を形成し、該歯車155は
前記ベベルギヤ127を固定する軸153上に固設した
歯車154と噛合している。
【0029】以上の構成において、前記操向ハンドル7
による操作が中立位置を維持している場合には、前記旋
回用HST20の油圧モータ124の出力軸125が回
転駆動しないため、該出力軸125上に固設されたベベ
ルギヤ126が固定され(回転することができない)、
さらに軸153・153上にそれぞれ固設されたベベル
ギヤ127・127及び歯車154・154も固定さ
れ、該歯車154・154に噛合する左右のキャリア1
46・146にブレーキ作用を発生させる。これにより
該キャリア146・146はサンギヤ軸143上で回転
することなく略固定状態を維持する。
【0030】これにより、サンギヤ144の回転駆動
は、固定されたキャリア146で回転自在に支持される
プラネタリアギヤ145を介して伝達されるのである。
そして、プラネタリアギヤ145のギヤ145bに噛合
する出力ギヤ147を回転駆動させることにより、左右
の駆動出力軸149・149を回転駆動する。つまり、
前記操向ハンドル7が中立位置を保持している場合に
は、エンジン3からはリアミッションケース5を介した
出力のみが遊星歯車機構140に入力され、左右の駆動
出力軸149・149を同方向、同回転数で回転駆動す
るのである。
【0031】一方、操向ハンドル7の左右旋回操作時に
は、該操向ハンドル7の操作量に応じて前記旋回用HS
T20の油圧ポンプ124の吐出量が調整され、これに
従って油圧モータ124の出力軸125が回転駆動され
る。そして、前記出力軸125により遊星歯車機構14
0に入力された回転出力は、前記ベベルギヤ126を介
して、左右の旋回逆転軸153・153上に固設された
ベベルギヤ152・152を互いに逆回転、同回転数で
回転駆動させる。
【0032】これにより、歯車154・154に噛合す
る左右のキャリア146・146も逆回転、同回転数で
サンギヤ軸143の外周を回転運動するのである。そし
てキャリア146・146の回転により前記プラネタリ
アギヤ145・145がキャリア146・146と一体
となってサンギヤ軸143の外周上を逆回転、同回転数
で回転運動する。そして、前記プラネタリアギヤ145
・145のキャリア146・146に対する回転方向
と、該プラネタリアギヤ145・145のサンギヤ軸1
43に対する回転方向が逆方向であれば、出力ギヤ14
9・149の回転数は加算され、同方向であれば出力ギ
ヤ149・149の回転数は減算される。
【0033】つまり、前記走行用HST22及び副変速
装置43で変速された後のエンジン3からの出力と、前
記旋回用HST20を介するエンジン3の出力が遊星歯
車機構140で合成され、操向ハンドル7が中立では直
進し、左右に回転すると、左右の駆動出力軸149・1
49に回転差を生じさせ、これにより左右のクローラ式
走行装置1の駆動スプロケット11・11に回転差が生
じ、左方向若しくは右方向への旋回走行が行えるのであ
る。このようにして、主変速レバー65で設定した走行
速度で前進または後進し、操向ハンドル7の回転操作で
左右のクローラーの回転数を変更して、左右一側の駆動
が停止されることなく、略両側のクローラーが回転した
状態で旋回できるのである。
【0034】次に、操向装置の構成について説明する。
図4に示すように、ステアリングコラム2は上コラム2
aと下コラム2bからなり、上コラム2aを下コラム2
bに対して着脱可能として分割できるようにしている。
該上コラム2aの中央にハンドル軸71が上下方向に回
転自在に支持され、本実施例では上コラム2aに固定し
たブラケット70に支持され、該ハンドル軸71は上ハ
ンドル軸71aと下ハンドル軸71bからなり、該上ハ
ンドル軸71aの上端は操向ハンドル7が固設されて入
力軸とし、下端が下ハンドル軸71bの上端に回転自在
に嵌合されて同一軸心上に配置している。
【0035】該下ハンドル軸71bは出力軸として、そ
の下端はユニバーサルジョイント72を介して後述する
操向変速用円錐リンク機構66及び連結リンク機構を介
して、前記走行用HST22の変速アーム63及び旋回
用HST20の変速アーム64と連結されている。そし
て、下ハンドル軸71bの下端をスプラインに構成し
て、ユニバーサルジョイント72の上部にスプライン嵌
合して、上コラム2aと共に容易に着脱可能としてい
る。
【0036】また、前記ハンドル軸71と平行に減速軸
73が回転自在に上コラム2aに支持され、この軸上に
減速機構を設けている。つまり、上ハンドル軸71aの
下部には減速歯車74が固設され、該減速歯車74は減
速軸73に固設した歯車75と噛合している。そして、
該歯車75の下方の減速軸73上に歯車76が固設さ
れ、該歯車76は下ハンドル軸71bの上部に固設した
歯車77と噛合させている。このようにして二段の減速
を行い減速比を大きくし、ホイルトラクタや乗用車等と
同様の操作フィーリングで操向ハンドル7を約360°
の回転で緩旋回からスピンターンまでできるようにして
いる。
【0037】そして、図5、図6に示すように、上ハン
ドル軸71aと下ハンドル軸71bの中途部にはそれぞ
れニュートラルデテント機構と中立戻し機構が一体的に
設けられている。このニュートラルデテント機構と中立
戻し機構を下ハンドル軸71bに設けた実施例について
説明すると、下ハンドル軸71b上にカム79が固設さ
れ、該カム79は平面視において大径の略半円と小径の
略半円を組み合わせたもので、大径部79aの外側に平
面視「く」字状のアーム80が配置されて、該アーム8
0の一端が枢支軸81によって枢支され、中央部にはロ
ーラー82が回転自在に配置され、他端がバネ83に係
止されて、該バネ83によってローラー82が大径部7
9aに当接するようにアーム80が付勢されて配置して
いる。
【0038】そして、前記カム79の大径部79aの中
央に凹部79bが形成され、ローラー82が嵌まるよう
にしてニュートラルデテント機構を構成し、該凹部79
bから徐々に半径が大きくなるように大径部79aを構
成し、ローラー82で付勢することで中立方向へ戻すよ
うにして中立戻し機構を構成している。また、上ハンド
ル軸71a上にも前記と同様にカム84が固設され、該
カム84の大径部84aにローラー85が当接するよう
に配置し、該ローラー85はアーム86に枢支され、該
アーム86はバネによって付勢されている。
【0039】このように構成することによって、前記減
速歯車74と歯車75及び歯車76と歯車77の間には
バックラッシュによってガタが生じているが、操向ハン
ドル7の入力側の軸(上ハンドル軸71a)と出力側の
軸(下ハンドル軸71b)上にそれぞれデテント機構を
設けているので、軸におけるガタはなくなり、操向ハン
ドル7は何もしていないときでもフラツクことはなく、
遊びはガタで発生させ、中立位置も容易に判る。そし
て、中立戻し機構によって、入力側では操向ハンドル7
を直進位置から旋回するために回動して手を放すと中立
に戻り、出力軸側においては操向ハンドル7の回動力を
なくすことで旋回用HST20の変速アーム64を中立
に戻し、操作フィーリングを向上することができるので
ある。
【0040】但し、前記中立戻し機構は上下一方だけで
もよく、他方は単にデテントとするだけでもよい。つま
り、他方のカムには大径部を設けずカムを円形として、
その一部に凹部だけを設けて中立位置だけ判るようにす
るだけでもよい。こうして、上コラム2a内に減速機構
とニュートラルデテントと中立戻し機構をコンパクトに
配置して、該上コラム2aを着脱可能とすることで、組
立が容易となるばかりでなく、メンテナンスも容易にで
きるのである。
【0041】また、前記ユニバーサルジョイント72の
屈曲中心は、前記上コラム2aと下コラム2bの連結軸
89と一致させており、該連結軸89の軸心は左右方向
として、前記上コラム2aは前後方向にチルト可能に構
成して、オペレーターの伸長に合わせて操向ハンドル7
を前後に傾倒可能に構成している。
【0042】次に、下コラム2b内に配置する操向変速
用円錐リンク機構66について、図4、図7、図8、図
9により説明する。前記ユニバーサルジョイント72の
下部には操向入力軸90が連結され、該操向入力軸90
の下端はユニバーサルジョイント104を介して旋回方
向を前後進変速に合わせる変更機構の揺動部材101と
連結され、該揺動部材101は略円錐状に構成して、中
央部を軸受を介して揺動軸92の端部に設けた受部92
aに支持されている。該揺動部材101は前記操向ハン
ドル7の回動とともに操向入力軸90を中心回動でき、
かつ、揺動軸92を中心に傾倒可能としている。該揺動
軸92は軸受を介して下コラム2bの内壁部に左右水平
方向を軸心として回動自在に支持されている。
【0043】そして、該揺動部材101からアーム部1
01aが側方に延出され、該アーム部101aの先端に
連結体106が連結され、該連結体106の一端にユニ
バーサルジョイント等のジョイント103aを介して操
向用リンク103と連結され、連結体106の他端に後
述するジョイント111aを介して走行用リンク111
と連結している。前記ジョイント103aは操向ハンド
ル7が直進位置のとき前記揺動軸92の軸心の延長上に
位置し、該揺動軸92は左右方向で中立時の前記受部9
2aの軸心O1の延長線上と交差するように配置してい
る。また、前記操向用リンク103の下端は球形ジョイ
ント103bを介してアーム107aと連結され、該ア
ーム107aより後述する融通機構130やワイヤー1
16等を介して前記旋回用HST20の変速アーム64
と連結されている。
【0044】また、前記操向変速用円錐リンク機構66
の揺動部材101に設けた連結体106の他端に、ジョ
イント111aを介して走行用リンク111が連結さ
れ、該ジョイント111aは前記軸心O1を中心として
前記ジョイント103aと90度離れた位置に配置さ
れ、本実施例では軸心O1の前方に配置している。そし
て、該走行用リンク111の下端はジョイント111b
を介してアーム112aに連結され、該アーム112a
を固設したパイプ軸112bはステアリングコラム2に
回転自在に支持された切換軸113に遊嵌され、後述す
るアームやパンタグラフ式リンク機構を介して走行用H
ST22の変速アーム63と連結されている。そして、
前記操向用リンク103の下端のジョイント103b
と、走行用リンク111の下端のジョイント111bは
軸心O1の延長上に配置されている。
【0045】また、前記揺動軸92の受部92aには前
記ジョイント111aと反対方向に(180°ズラした
位置)アーム92bが突出され、該アーム92bの先端
に主変速用リンク160の上端のジョイント160aが
連結され、該主変速用リンク160の下端がアーム16
1と連結され、該アーム161より後述するリンクやア
ーム等を介して主変速レバー65と連結されている。
【0046】このような構成において、図14に示すよ
うに、主変速レバー65を例えば前進側(F)へ回動し
て変速操作を行うと、図14(a)の如く、リンクやア
ーム等を介して主変速用リンク160が上方へ持ち上げ
られ、アーム92bの回動と共に受部92aと揺動部材
101(アーム部101a)が傾倒され、走行用リンク
111が下方へ下げられて、アーム112やリンク等を
介して走行用HST22の変速アーム63が前進側へ回
動されて走行変速される。
【0047】この揺動部材101が傾倒された状態で操
向ハンドル7を例えば左側へ旋回するように回動する
と、主変速レバー65で設定された傾斜の状態で回動
し、操向用リンク103を下方へ押し下げるのである。
しかし、前記連結体106によって操向用リンク103
の上端と走行用リンク111の上端が連結されているこ
とによって、操向用リンク103は中立側から下方へ押
し下げるが、走行用リンク111は90度位相が異なっ
ているので、最下降位置から中立側に向かって上げられ
ることになり、走行速度が減少されるのである。言い換
えれば、主変速レバー65で設定した走行速度で機体は
走行しているが、操向ハンドル7の回動に従って徐々に
走行速度(機体中心速度)は低下し、急ハンドルをきっ
ても機体の速度が低下されて機体が大きく傾くことがな
いようにしている。
【0048】つまり、図15に示すように、旋回中心側
の速度は二点鎖線で示し、旋回外側の速度は破線で示
し、機体中心速度は一点鎖線で示しており、旋回角度が
大きくなるほど、機体の中心速度が徐々に低下するよう
にしているのである。そして更に、操向ハンドル7を回
動すると内側のクローラーの回転数が減少して、逆転す
るようになり、遊星歯車機構を左右互いに同回転数で逆
方向に駆動するようになると、芯地旋回をさせることが
できるのである。
【0049】また、前記主変速レバー14を逆に後進側
へ回動して、操向ハンドル7を左に回転した場合には、
図14(b)の如く、走行用リンク111は持ち上げら
れ、操向ハンドル7の左回転によって操向用リンク10
3は持ち上げられ、前記と同様に変速される。つまり、
前進と後進では操向ハンドル7を同方向に回動しても、
操向用HST90は前進と後進で逆方向に駆動するよう
にして、旋回方向を一致させているのである。
【0050】また、前記主変速レバー65を中立の状態
で操向ハンドル7を回動した場合、ジョイント103b
・111bは軸心O1の延長上の定点に位置した状態の
まま操向用リンク103、走行用リンク111が回動さ
れるだけであり、言い換えれば、ジョイント103b・
111bは逆円錐状の下端の頂点に位置し、ジョイント
103a・111aは逆円錐状の上部に位置する底面の
円周外周上に位置することとなり、該底面は中立時に軸
心O1に対して直角となり、ジョイント103a・11
1aが外周上を移動するだけで、操向用リンク103、
及び、走行用リンク111は上下に移動することがな
く、機体は停止したままとなるのである。よって、走行
中立位置で操向ハンドル7を回動しても、旋回用HST
20は駆動されず、不意に芯地旋回するようなことがな
いようにしている。このように構成した操向変速用円錐
リンク機構66が下コラム2b内に収納されているので
ある。
【0051】次に、主変速レバー65と操向変速用円錐
リンク機構66とフロントミッションケース16内に設
けた機体のブレーキ装置62との連係機構を説明する。
図9に示すように、前記主変速用リンク160の下端に
連結されたアーム161はパイプ軸162に固定され、
該パイプ軸162は前記軸102に回転自在に遊嵌され
ている。該軸102の一端は下コラム2bより突出して
主変速位置保持機構150を構成するブレーキ装置16
5に連結され、該ブレーキ装置165を制動操作するブ
レーキアーム166は緩衝部材となるダンパー167を
介してブレーキペダル軸168に固定したアームに連結
されている。該ブレーキペダル軸168からブレーキペ
ダル169が下コラム2bの側部のステップ18上方ま
で延設されている。但し、前記ブレーキ装置165はド
ラム式に限定するものではない。こうして、ブレーキペ
ダル169を踏むことにより、主変速位置保持機構15
0を作動させ、ダンパー167によって更に踏み込める
ようにしている。
【0052】また、前記軸102の他端は前記と反対方
向に下コラム2aより突出して、アーム164を固設
し、図4に示すように、リンク170、ベルクランクア
ーム171、リンク172を介して主変速レバー65と
連結されている。そして、前記パイプ軸162の端部に
アーム162aを突設して、該アーム162aと前記ア
ーム164を対向させてそれぞれピン162c・164
aを突設して、軸102に外嵌したトルクバネ163の
両端を前記ピン162c・164aを挟むように配置し
ている。こうして連結部151を構成している。
【0053】この連結部151は下コラム2bの進行方
向左側下部に配置し、コラムカバー156(図8)によ
って覆っている。該下コラム2bはコラムベース157
上に載置固定され、前記連結部151の下方のコラムベ
ース157には開口が設けられて、前記アーム164を
臨ませて、後述するパンタグラフ式リンク機構と連結で
きるようにしている。そして、前記コラムカバー156
を外すことによって容易に前記リンク長やアーム長等を
調整できるようにしている。
【0054】更に、前記パイプ軸162よりアーム16
2bを突設して、図11に示すように、該アーム162
bの先端にピン162dを突設し、該ピン162dを緩
衝部材となるダンパー173の先端に設けた長孔173
aに挿入している。こうして中立戻し機構152を構成
している。該ダンパー173の他端は前記ブレーキペダ
ル軸168より突設したアーム174の先端に枢結され
て、ダンパー173で無理な力がかからないようにして
いる。そして更に、ブレーキペダル軸168よりアーム
175を突設して、該アーム175先端にリンク176
が連結され、該リンク176からさらにリンク機構を介
して前記フロントミッションケース16内に設けた機体
のブレーキ装置62を制動させるアームと連結してい
る。
【0055】このような構成において、主変速レバー6
5を回動して前進速または後進速に変速すると、図8、
図11において、主変速レバー65にリンク機構を介し
て連結されるアーム164が回動して、バネ163を介
してアーム162bも回動され、ピン162aは長孔1
73a内を摺動してダンパー173は上部の枢支部を中
心に回動する。そして走行しているときに、ブレーキペ
ダル169を踏むと、ストローク途中の第一段階では、
前記アーム174を介してダンパー173が引き上げら
れて、該ダンパー173に設けた長孔173a内の端部
でピン162aを引っ張り、図11の二点鎖線の如く、
アーム162bを中立方向に回動し、該アーム162b
に連結されるアーム161、主変速用リンク160を介
して揺動軸92のアーム92bを中立方向に回動して走
行用リンク111等を介して走行用HST22の変速ア
ーム63を中立に戻し、クラッチ「切」と同様の作用を
させて走行を停止させる。
【0056】この第一段階では、同時に、ダンパー16
7を介してブレーキアーム166を引っ張って、ブレー
キ装置165を作動させて軸102を回動しないように
固定し、アーム162bの回動に対してはバネ163が
撓むようにする。つまり、ブレーキペダル169を踏ん
でも、軸102他端のアーム164に連結される主変速
レバー65の位置は固定維持されて、変速レバー65は
中立に戻ることがなく、ブレーキペダル169を離す
と、バネ163の付勢力によって、アーム162aを元
の位置まで回動して、変速アーム63を回動して、元の
変速位置に戻すのである。こうして、ブレーキペダル1
69を踏む度に主変速レバー169を再設定する必要が
なく、その手間を省くようにして操作性を向上してい
る。
【0057】そしてブレーキペダル169を更に踏み込
む第二段階では、主変速位置保持機構150はそのまま
で、アーム175、リンク176を介して機体のブレー
キ装置62を作動させて、機体を停止ロックさせるので
ある。ブレーキペダル169の踏み込みを開放すると前
述のように、主変速レバー65を回動した変速位置まで
変速アーム63は戻される。
【0058】次に、操向変速用円錐リンク機構66の走
行用リンク111と走行用HST22の変速アーム63
を連結するパンタグラフ式リンク機構を説明する。図
4、図8、図10において、前記走行用リンク111に
連結される切換軸113にはアーム114が固設され、
該アーム114の端部は下方に延設されてリンク115
の一端と連結されている。該リンク115は後方へ延設
されて、該リンク115の他端はアーム135の上部に
枢支され、該アーム135の基部はリアミッションケー
ス5または連結ケース17の側面より突設したカウンタ
ー軸137に枢支され、該アーム135の中途部には更
にリンク136が枢支され、該リンク136の他端を前
方に延設して、走行用HST22の変速アーム63と枢
結させている。こうして該リンク115とアーム135
とカウンター軸137とリンク136をステップ18下
方の連結ケース17側方に配置して、ステップ18下方
の空間を有効利用している。但し、カウンター軸137
の位置は限定されるものではなく、操向変速用円錐リン
ク機構66の出力側と変速アーム63とを連結するリン
ク機構の上下方向の途中から、水平方向に離れた位置に
カウンター軸137を配置する構成であれば、前方に配
置することも側方に配置することも可能である。
【0059】このような構成において、操向変速用円錐
リンク機構66や主変速レバー65等はキャビン9に取
り付けられ、アーム135、変速アーム63はリアミッ
ションケース5や連結ケース17や走行HST22等の
機体フレーム側に取り付けられている。そして、キャビ
ン9は機体フレームに防振機構等を介して取り付けられ
ている。従って、キャビン9はエンジンやミッションケ
ース等からの振動は伝わり難くなっているのであるが、
相対的に上下動するのでズレが生じることになる。よっ
て、主変速レバー65を止めた位置で作業を行うと、機
体フレームとキャビン9との間で振動する度にズレが生
じて、そのズレは変速位置のズレとなって現れることに
なり、振動の度に走行速度が変わるおそれがあった。そ
こで、前述のように、パンタグラフ式のリンク機構を設
けることで、上下の振動はリンク115・136の上下
回動により吸収して、変速位置がかわらないようにして
いる。
【0060】そして、前記リンク136と変速アーム6
3との連結部分において、変速アーム63の先端にはリ
ンク136の移動方向と略平行に長孔63aが開口さ
れ、該長孔63aにリンク136から突出した枢支ピン
136aを枢支して、該長孔63aによって不感帯を構
成している。このように構成することによって、中立位
置が拡大されるとともに、低速走行時における旋回速度
が低下しないようにしている。即ち、主変速レバー65
を中立位置から若干回動した、つまり、長孔63aの範
囲内は不感帯となっており、操向変速用円錐リンク機構
66における揺動部材101は傾倒されるが、変速アー
ム63は回動されず、機体は停止したままとなる。
【0061】そして、長孔63aを少し越えた位置の低
速走行時においては、走行HST22の変速アーム63
の回動よりも揺動部材101のほうが大きく回動されて
いることになり、この状態で操向ハンドル7を回動する
と、長孔63aなしで同じ走行速度の場合と比べて、旋
回HST20の出力が大きくなり、旋回速度を速くする
ことができ、スムースな旋回ができるのである。つま
り、低速走行変速位置で旋回するときに機体中心速度が
低下して、機体を旋回するときの速度が遅くなりすぎて
しまうことがあり、旋回性能が低下する。これを前記長
孔63aで回避して低速位置でもスタックすることなく
旋回できるようにするものである。
【0062】次に、操向変速用円錐リンク機構66と旋
回用HST20の変速アーム64との連結機構を説明す
る。前記走行用リンク103に連結されるアーム107
aのボスは軸102に回転自在に支持され、該ボスから
はさらにアーム107bが突設され、該アーム107b
先端に連結ロッド108が枢結され、該連結ロッド10
8の他端は融通機構130、ワイヤー116を介して前
記旋回用HST20の変速アーム64と連結され、操向
ハンドル7の回動により旋回用HST20を作動させ
て、左右のクローラーの回転数を変更して旋回できるよ
うにしている。
【0063】前記融通機構130は図12、図13に示
すように、前記連結ロッド108の他端がアーム109
の先端に枢結され、該アーム109はそのボス部109
aが機体側に固定したブラケット117に軸支された支
持軸118に遊嵌され、更に、該ボス部109aからア
ーム110が突設されている。一方、アーム120のボ
ス部120aが前記ブラケット117内の支持軸118
上に遊嵌され、該アーム120と前記アーム110には
前記ボス部120aに外嵌したトルクバネ119の両端
部119a・119bのそれぞれ両側から挟むように係
合させている。そして、前記アーム120の先端にワイ
ヤー116の一端が枢支され、該ワイヤー116の他端
が前記旋回用HST20の変速アーム64に連結されて
いる。但し、融通機構130は前記操向変速用円錐リン
ク機構66の出力部、例えばアーム107と、旋回用H
ST20の変速アーム64の間であれば、取付位置は限
定するものではない。
【0064】そして、前記操向変速用円錐リンク機構6
6から旋回HST20の変速アーム64までのリンク
と、操向変速用円錐リンク機構66から主変速レバー6
5までのリンクとの比は、旋回用HST20の変速アー
ム64の回動に対して走行用HST22の主変速レバー
65の操作がオーバーストロークするリンク比に設定し
ている。つまり、旋回用HST20の変速アーム64の
操作範囲は、走行HST22の変速アーム63の操作範
囲より大きくなるようにリンク機構を構成しているので
ある。
【0065】このように構成することによって、旋回時
において旋回用HST20の変速アーム64がストロー
クエンドに位置しているとき、更に、操向ハンドル7を
回動したり、或いは、操向ハンドル7を最大回転した状
態で主変速レバー65を増速側に回動すると、更に変速
アーム64を回動することはできないので、リンクやア
ーム等を破損するおそれがあるが、このとき、トルクバ
ネ119が撓んで逃げるようにしているのである。つま
り、オーバーストロークをトルクバネ119で吸収する
ようにしているのである。
【0066】また、前記操向変速用円錐リンク機構66
と変速アーム64の間にストローク誤差調整部131を
設けている。尚、本実施例では融通機構130に配置す
るアームを利用してストローク誤差調整ができるように
しており、操向変速用円錐リンク機構66と融通機構1
30の間にストローク誤差調整部131を設けている。
即ち、該ストローク誤差調整部131は前記アーム10
7bとアーム109を連結する連結ロッド108からな
り、該連結ロッド108の長さを調節することによって
簡単にストローク誤差をなくすように調整できるように
しているのである。
【0067】つまり、前記操向変速用円錐リンク機構6
6において、主変速レバー65を回動して変速し、揺動
部材101を傾倒させた状態で、操向ハンドル7を同じ
角度回動しても、図16に示すように、右側に操向ハン
ドル7を回動してアーム107aを上方に回動した距離
H1は、左側に操向ハンドル7を回動してアーム107
aが下方に回動した距離H2に比べて長くなってしま
う。つまり、操向ハンドル7を左右同じだけ回転して
も、左右で旋回速度が異なってしまい操作フィーリング
が悪くなってしまうのである。
【0068】そこで、上記左右の回転誤差を調整できる
ように、融通機構130の入力部のアーム109を連結
ロッド108の移動方向に対して傾斜させることで、前
記揺動部材101の傾斜によって生じた上下方向の誤差
を補正するようにして、ストローク誤差調整部131を
形成し、操作フィーリングの向上を図っている。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したことに
より、次のような効果が得られる。即ち、請求項1の如
く、操向ハンドルの操作で旋回用HST及び走行用HS
Tの出力を調整して旋回可能とする走行車両において、
走行用HSTのHSTアームと主変速レバーと操向ハン
ドルと中立戻し機構を連動連結する連結部に、主変速位
置保持機構を設けたので、走行時に中立戻し機構を操作
しても、主変速レバーの変速位置はそのままで、中立戻
しを解除したときに元の変速位置に戻すことができるよ
うになり、主変速装置を元の位置に戻す手間が省ける。
また、連結部でコンパクトに保持機構が構成できる。
【0070】また、請求項2の如く、前記連結部を主変
速位置保持機構と同一軸上に配置したので、伝動経路を
簡略化できて、機構自体をコンパクトに構成できる。
【0071】また、請求項3の如く、前記主変速位置保
持機構をブレーキ装置により構成したので、任意の変速
位置で確実に変速位置を保持できる。
【0072】また、請求項4の如く、前記連結部を、主
変速レバーに連結されるアームと、中立戻し機構および
操向変速用円錐リンク機構に連結されるアームをトルク
バネで連結する構成としたので、軸上でコンパクトに連
結することができ、連結構造も簡単となり、安価に連結
できる。
【0073】また、請求項5の如く、前記連結部をコラ
ムカバーで覆い、該コラムカバー下方に開口部を設けて
連係部材を挿通させたので、開いた空間を利用でき、コ
ラムカバーを外すことによってリンク機構や連結部の調
整ができ、メンテナンスも容易にできる。
【0074】また、請求項6の如く、操向ハンドルの操
作で旋回用HST及び走行用HSTの出力を調整して旋
回可能とする走行車両において、ブレーキペダルを、中
立戻し機構と主変速位置保持機構と機体ブレーキ装置と
に連結し、前記ブレーキペダルの第一段階の操作によ
り、走行用HSTを中立に戻し、第二段階の操作でブレ
ーキ装置を制動するようにしたので、第一段階の操作で
クラッチを切った操作と略同じ作用となり、第二段階で
ブレーキ装置が作動して機体を確実に停止させることが
でき、安定した停止性能の確保ができ、操作フィーリン
グが向上できる。
【0075】また、請求項7の如く、前記ブレーキペダ
ルと中立戻し機構、ブレーキペダルと主変速位置保持機
構との間に、それぞれ緩衝部材を配置したので、ブレー
キペダルの操作や主変速レバーの操作や操向ハンドルの
操作等が中立戻し機構や主変速位置保持機構と互いに干
渉することがなくなり、それぞれの機能を確実に発揮さ
せることができる。
【0076】また、請求項8の如く、操向ハンドルの操
作で旋回用HST及び走行用HSTの出力を調整して旋
回可能とする走行車両において、走行用HSTの変速ア
ームと主変速レバーと操向ハンドルをリンク機構を介し
て連結し、該変速アームと操向変速用円錐リンク機構に
連結されるリンクとの連結部に融通機構を設けたので、
低速時の旋回速度を遅くすることなく、スタック等が生
じることなくスムースに旋回できるようになった。
【0077】また、請求項9の如く、前記融通機構を長
孔としたので、構成が簡単となり、融通機構を安価に構
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるクローラトラクタの側
面図である。
【図2】エンジンとHSTとミッションケースの配置を
示す側面図である。
【図3】駆動伝達経路を示すスケルトン図である。
【図4】操向変速用円錐リンク機構と操向ハンドルと主
変速レバーと変速アームの連係機構を示す側面図であ
る。
【図5】上コラム内の減速機構を示す側面断面図であ
る。
【図6】ニュートラルデテント機構と中立戻し機構を示
す平面図である。
【図7】操向変速用円錐リンク機構の模式斜視図であ
る。
【図8】操向変速用円錐リンク機構とブレーキペダルと
の連結を示す後面断面図である。
【図9】同じく拡大後面断面図である。
【図10】パンタグラフ式リンク機構の平面図である。
【図11】ブレーキペダルの連結を示す側面図である。
【図12】融通機構とストローク誤差調整部の側面図で
ある。
【図13】融通機構の後面断面図である。
【図14】操向変速用円錐リンク機構の作動を示す模式
図である。
【図15】ハンドル角度と走行速度の関係を示す図であ
る。
【図16】操向変速用円錐リンク機構の左右旋回時の作
動を示す模式図である。
【符号の説明】
7 操向ハンドル 20 旋回用HST 22 走行用HST
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05G 5/06 G05G 5/06 B (72)発明者 新熊 章浩 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 南光 政樹 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 坂本 訓彦 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 (72)発明者 野知 晋 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 岡本 栄一 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 小松 正和 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 Fターム(参考) 3D052 AA06 AA12 BB11 DD04 EE01 FF01 FF02 GG03 HH01 JJ08 JJ21 3J067 AA01 AB01 AC42 BA12 BA42 BB03 BB07 DA04 FA04 FA15 FA22 GA14 3J070 AA02 AA13 AA32 BA07 BA09 BA34 CB15 CC03 CD11 DA24 EA11 EA31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向ハンドルの操作で旋回用HST及び
    走行用HSTの出力を調整して旋回可能とする走行車両
    において、走行用HSTの変速アームと主変速レバーと
    操向ハンドルと中立戻し機構を連動連結する連結部に、
    主変速位置保持機構を設けたことを特徴とする走行車両
    の操向装置。
  2. 【請求項2】 前記連結部を主変速位置保持機構と同一
    軸上に配置したことを特徴とする請求項1記載の走行車
    両の操向装置。
  3. 【請求項3】 前記主変速位置保持機構をブレーキ装置
    により構成したことを特徴とする請求項1記載の走行車
    両の操向装置。
  4. 【請求項4】 前記連結部を、主変速レバーに連結され
    るアームと、中立戻し機構および操向変速用円錐リンク
    機構に連結されるアームをトルクバネで連結する構成と
    したことを特徴とする請求項1記載の走行車両の操向装
    置。
  5. 【請求項5】 前記連結部をコラムカバーで覆い、該コ
    ラムカバー下方に開口部を設けて連係部材を挿通させた
    ことを特徴とする請求項1記載の走行車両の操向装置。
  6. 【請求項6】 操向ハンドルの操作で旋回用HST及び
    走行用HSTの出力を調整して旋回可能とする走行車両
    において、ブレーキペダルを、中立戻し機構と主変速位
    置保持機構と機体ブレーキ装置とに連結し、前記ブレー
    キペダルの第一段階の操作により、走行用HSTを中立
    に戻し、第二段階の操作でブレーキ装置を制動するよう
    にしたことを特徴とする走行車両の操向装置。
  7. 【請求項7】 前記ブレーキペダルと中立戻し機構、ブ
    レーキペダルと主変速位置保持機構との間に、それぞれ
    緩衝部材を配置したことを特徴とする請求項6記載の走
    行車両の操向装置。
  8. 【請求項8】 操向ハンドルの操作で旋回用HST及び
    走行用HSTの出力を調整して旋回可能とする走行車両
    において、走行用HSTの変速アームと主変速レバーと
    操向ハンドルをリンク機構を介して連結し、該変速アー
    ムと操向変速用円錐リンク機構に連結されるリンクとの
    連結部に融通機構を設けたことを特徴とする走行車両の
    操向装置。
  9. 【請求項9】 前記融通機構を長孔としたことを特徴と
    する請求項8記載の走行車両の操向装置。
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