JP2589701Y2

JP2589701Y2 - 水田作業車輌における変速装置

Info

Publication number: JP2589701Y2
Application number: JP1992022275U
Authority: JP
Inventors: 周二田中; 輝彦津田; 克佐々木; 幸雄加藤
Original assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Current assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Priority date: 1992-03-13
Filing date: 1992-03-13
Publication date: 1999-02-03
Anticipated expiration: 2007-03-13
Also published as: JPH0574213U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、乗用田植機等の作業車
輌に用いて好適な変速装置に係り、詳しくは前後進切替
え装置及び無段変速装置の切換え操作を、１本の変速操
作レバーによって行う水田作業車輌における変速装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自走しながら苗の植付作業を行う
乗用田植機の変速装置において、前後進切換え装置と無
段変速装置との操作を、１本の変速操作レバーによって
行うものが知られている。

【０００３】この変速操作レバーは、走行機体の運転席
に配置されたステアリングホイールの側方に、運転席下
方のステップから上方に延びるようにして配設されてい
る。作業者は、ステアリングホイールを操作しながら、
必要に応じ、変速操作レバーの先端部を手で軽く握って
揺動させる。例えば、左右方向に揺動させることにより
前後進切替え装置を操作する一方、前後方向に揺動させ
て無段変速装置を操作する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述の従来例
によると、変速操作レバーの操作性が必ずしも良好でな
い場合が多かった。すなわち、乗用田植機の走行作業中
に、変速操作レバーの頻繁に使用するシフトが着座姿勢
の作業者から遠い側に設定されていたり、前後方向の揺
動ストロークが大きかったりして、操作性が損なわれる
虞れがあった。

【０００５】そこで、本考案は、前後進の切換えについ
ては作業者に近い側を前進とすると共に、変速操作レバ
ーの揺動をＵ字形に行ってそのストロークを短縮するこ
とにより、変速操作レバーの操作性を向上させ、また、
変速操作レバーによる前後進の切換え及び高速・低速の
変速をより確実に行なうようにした水田作業車輌におけ
る変速装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、走行機体（５）の進行方向
の前進・後進を切換える前後進切換え装置（７）と、前
進・後進についてそれぞれ高速・低速方向に無段変速す
る無段変速装置（１７）と、を備え、前記走行機体
（５）の運転席（９）の側方に配置した１本の変速操作
レバー（４１）の操作によって前記前後進切換え装置
（７）及び無段変速装置（１７）を操作してなる水田作
業車輌における変速装置において、前記変速操作レバー
（４１）を左右方向に揺動することで前記前後進切換え
装置（７）の前進・後進を切換えると共に、該変速操作
レバー（４１）の左右の揺動限においてそれぞれ該変速
操作レバー（４１）を前後方向に揺動することで前記無
段変速装置（１７）の無段変速を行い、かつ、前記運転
席（９）に近接する側の揺動限に前記変速操作レバー
（４１）をセットすることで前記前後進切換え装置
（７）を前進側に切換えると共に、前記運転席（９）か
ら離反する側の揺動限に前記変速操作レバー（４１）を
セットすることで前記前後進切換え装置（７）を後進側
に切換えるように構成し、さらに、前記変速操作レバー
（４１）の基端部（４１ａ）にガイドピン（４６）を固
定し、該ガイドピン（４６）をガイドするガイドプレー
ト（４７）を配設すると共に、該ガイドプレート（４
７）に前記ガイドピン（４６）の左右方向の揺動をガイ
ドする左右溝と、該左右溝の両端において該ガイドピン
（４６）の前後方向の揺動をそれぞれガイドする前後溝
とを組み合わせたＵ字形の案内溝（４７ａ）を設け、さ
らに、前記前後進切換え装置（７）に接続されるととも
に、前記ガイドピン（４６）が係脱可能な前後進切換え
部材（１９）を設け、前記ガイドピンは、前記案内溝
（４７）の左右溝にあるときに前記前後進切換え部材
（１９）に係合し前記変速操作レバー（４１）の左右方
向の揺動動作を前記前後進切換え部材（１９）に伝達し
て前進・後進の切換えを行なう一方、前記案内溝（４
７）の前後溝にあるときに前記前後進切換え部材（１
９）から離脱して前記変速操作レバー（４１）の前後方
向の揺動動作を前記前後進切換え部材（１９）に伝達し
ない、ことを特徴とする。

【０００７】この場合、前記変速操作レバー（４１）の
基端部（４１ａ）にガイドピン（４６）を固定し、該ガ
イドピン（４６）をガイドするガイドプレート（４７）
を配設すると共に、該ガイドプレート（４７）に前記ガ
イドピン（４６）の左右方向の揺動をガイドする左右溝
と、該左右溝の両端において該ガイドピン（４６）の前
後方向の揺動をそれぞれガイドする前後溝とを組み合わ
せたＵ字形の案内溝（４７ａ）を設けた構成とすると好
ましい。

【０００８】

【作用】以上構成に基づき、変速操作レバー（４１）に
ついて、後進側に比べて使用頻度の高い前進側を運転席
（９）に近い側に配置することによって、作業者はその
大部分の操作を変速操作レバー（４１）を身近に引き寄
せた状態で容易に行うことができる。

【０００９】さらに、変速操作レバー（４１）の基端部
（４１ａ）にガイドピン（４６）を固定し、このガイド
ピン（４６）をＵ字形の案内溝（４７ａ）でガイドする
ことにより、変速操作レバー（４１）全体の動きを規制
し、作業者が手で直接操作する変速操作レバー（４１）
の先端側の動きについて、Ｕ字形の動きによってすべて
の操作を行うことができ、その動作ストローク、特に前
後方向の動作ストロークを短縮することができる。加え
て、前記ガイドピン（４６）は、前記案内溝（４７）の
左右溝にあるときに前記前後進切換え部材（１９）に係
合し前記変速操作レバー（４１）の左右方向の揺動動作
を前記前後進切換え部材（１９）に伝達して前進・後進
の切換えを行なう一方、前記案内溝（４７）の前後溝に
あるときに前記前後進切換え部材（１９）から離脱して
前記変速操作レバー（４１）の前後方向の揺動動作を前
記前後進切換え部材（１９）に伝達しないので、高速・
低速の変速時に前後進の切換えが行なわれることはな
い。

【００１０】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によると、
使用頻度の低い後進についての操作を運転席（９）から
離反した側で行う一方、使用頻度の高い前進についての
操作を作業者に近接した側で行うようにすることによっ
て、変速操作レバー（４１）の操作性を格段に向上させ
ることができる。

【００１１】さらに、変速操作レバー（４１）の先端側
の動きをＵ字形の揺動とし、これにより、前後方向の短
いストロークによって変速装置の操作をすることができ
るので、容易でしかも確実なシフト操作を実現すること
ができる。加えて、高速・低速の変速時には、前後進切
換え部材（１９）に対するガイドピン（４６）の係合が
解除されるので、前後進の切換えが行なわれることはな
くはなく、したがって、より一層確実なシフト操作を行
なうことができる。

【００１２】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、何等本考案の構成を限定する
ものではない。

【００１３】

【実施例】以下、図面に沿って、本考案の実施例につい
て説明する。

【００１４】乗用田植機Ｐは、図１に示すように、前輪
２及び後輪３にて支持されている走行機体５を有してお
り、該機体５の前部にはエンジン６及びミッションケー
ス７が搭載され、かつその後部にはシート８を有する運
転席９が配置されている。また、走行機体５の後方には
リンク１０を介して植付装置１１が昇降自在に支持され
ており、かつ該植付装置１１は苗のせ台１２、プランタ
１３及びフロート１５等を備えると共に、油圧シリンダ
装置１６により昇降駆動される。

【００１５】そして、図２(a) に示すように、エンジン
６の出力軸６ａとミッションケース７（前後進切換え装
置）から突出したミッション入力軸７ａとの間にはベル
ト式無段変速装置（無段変速装置）１７が配置されてい
る。更に、ミッションケース７の側方には前後進切換え
シャフト１９が上下方向に延びており、該シャフト１９
のミッションケース７から突出した上端部には、図２
(b) に示すように溝２０ａを有するヨーク２０が固定さ
れている。また、該シャフト１９の下端には、図２(c)
及び図６に示すようにシフトアーム２１が固定されてお
り、該アーム２１はシフト軸２８を介してミッションケ
ース７に内蔵された前後進切換えギヤ（図示せず）を操
作して、前進状態Ｆ、中立状態Ｎ及び後進状態Ｒに切換
え得る。

【００１６】一方、上記ベルト式無段変速装置１７は、
エンジン出力軸６ａに装着された駆動側プーリ２２及び
ミッション入力軸７ａに装着された従動側プーリ２３を
有しており、これらの間にＶベルト２４が巻掛けられて
いる。駆動側プーリ２２及び従動側プーリ２３は、図３
に示すように、それぞれ固定シーブ２５，２６及び可動
シーブ２７及び２９からなり、それぞれ固定シーブボス
２５ａ，２６ａ上に可動シーブボス２７ａ，２９ａがキ
ー３８により摺動のみ自在に嵌挿されている。そして、
駆動側プーリ２２の軸先端側及び従動側プーリ２３のケ
ース側にはそれぞれ変速調節部材３０，３１が配設され
ている。

【００１７】駆動側調節部材３０は、駆動側固定シーブ
ボス２５ａの先端にベアリングを介してかつ固定部材３
４に連結して支持されているローラ支持体３２を有して
おり、該ローラ支持体３２は環状からなると共に１８０
度位相を隔ててローラ３２ａが回転自在に支持されてい
る。また、駆動側可動シーブボス２７ａ上にはベアリン
グを介してカム部材３３が回転のみ自在に支持されてお
り、該カム部材３３は前記ローラ３２ａと当接している
端面カム部３３ａを有すると共に、外径方向に延びるア
ーム部３３ｂを有している。

【００１８】また、従動側調節部材３１は、ミッション
ケース７の外側面に固定されているローラ支持体３５及
び可動シーブボス２９ａ上にベアリングを介して回転の
み自在に支持されているカム部材３６を有しており、ロ
ーラ支持体３５は２個のローラ３５ａを回転自在に支持
しており、またカム部材３６はローラ３５ａに当接して
いる端面カム部３６ａ及び外径方向に延びるアーム部３
６ｂを有している。

【００１９】そして、ローラ支持体３５は、図８(a) ，
(b) に示すように、所定角度に亘って欠除された切欠き
環状体（Ｃ字体）よりなり、１８０度隔ててローラ３５
ａ支持用のボルト３７が外周方向に植設されていると共
に、ボルト３９によりミッションケース７の側壁に固定
されている。なお、ミッションケース７は、軸７ａ用の
ベアリング４０を保持する部分７ｃ及びそれに隣接して
凸部が形成されているが、ローラ支持体３５は、その環
状部がベアリング保持部分７ｃを囲むようにかつその切
欠き部３５ｃが凸部に対応するように配置してある。ま
た、端面カム部３６ａの凹み部がローラ３５ａに当接し
ている際（図３の下平図参照）、該カム部３６ａの突出
部が切欠き部３５ｃに位置するように設定してある。こ
れにより、ローラ支持体３５のケース側面からの突出量
を最少に押え、従動側プーリ２３を、ミッションケース
７に近接すると共に、前記前後進切換えシャフト１９と
の干渉を防止して配置し、コンパクト化を図っている。

【００２０】前述のＶベルト２４をはじめとする無段変
速装置１７は、その側方に配設したベルトカバー１７ａ
によって保護されている（図１１参照）。ベルトカバー
１７ａは、その基端部を、フロントアクセル合せボルト
１７ｃによって、フロントアクセル１７ｂと一体にボル
ト締めされており、これによりビビリ等を防止してい
る。

【００２１】そして、無段変速装置１７部分から変速操
作レバー４１（操作レバー）が運転席９に向けて上方に
延びている。該操作レバー４１は、図２及び図６に示す
ように、ステアリングコラム４２にブラケット４２ａを
介して固設されている軸４３に機体前後方向揺動自在に
支持されている基端部４１ａと、該基端部４１ａにピン
４４にて機体左右方向揺動自在に支持されているレバー
本体４１ｂとからなる。更に、レバー本体４１ｂの根本
部分にはプレート４５が固定されており、該プレート４
５には、上記ピン４４が支持されていると共に、該プレ
ートを貫通してボルトピン（ガイドピン）４６が固定さ
れている。該ボルトピン４６の一端部分４６ａは前述し
た前後進切換え用シャフト１９のヨーク溝２０ａに係合
又は離脱自在となっており、また他端部分４６ｂは、ス
テアリングコラム４２にブラケット４２ａを介して固定
されているガイドプレート４７のＵ字状案内溝４７ａに
嵌挿している（図６参照）。この案内溝４７ａは、ボル
トピン４６の左右方向の揺動をガイドする左右溝と、該
左右溝の両端においてボルトピン４６の前後方向の揺動
をガイドする２本の前後溝とを組み合せてＵ字形に形成
されている。従って、作業者が直接手で操作する変速操
作レバー４１の先端部は、図９の点線に示すように、案
内溝４７ａと同様のＵ字形に揺動するようになってい
る。そして、先端部は、基端部４１ａのボルトピン４６
が左右溝に沿って左右に移動するのに伴い、運転席９に
近接する側（内側）の揺動限に移動して前述ミッション
ケース７を前進側に切換える一方、運転席９から離反す
る側（外側）の揺動限に移動してミッションケース７を
後進側に切換える（図１０参照）。さらに先端部は、ボ
ルトピン４６が各前後溝に沿って前後に移動するのに伴
い、内側にて前後に揺動して無段変速装置１７を切換え
て高速前進Ｆ（Ｈ）、低速前進Ｆ（Ｌ）及び外側にて前
後に揺動して高速後退Ｒ（Ｈ）、低速後退Ｒ（Ｌ）を実
現している。このように、変速操作レバー４１は、頻繁
に使用される前進側が運転席９（作業者）に近い側に設
定されているので、操作性がよい。また、先端部のシフ
トがＵ字形に行われるから、特に前後方向のストローク
を短縮することができると共に、シフト時の勢い余った
誤操作を有効に防止する。なお、図９、図１０中の４２
ｂは、ステアリングコラム４２によって回動自在に支持
されたステアリングホイールである。さらに、高速・低
速の変速時には、前後進切換え部材（１９）に対するガ
イドピン（４６）の係合が解除（離脱）されるので、前
後進の切換えが行なわれることはなくはなく、したがっ
て、より一層確実なシフト操作を行なうことができる。

【００２２】そして、図４(a) ，(b) 及び図５(a) ，
(b) に示すように、操作レバー４１の基端部４１ａには
操作アーム４１ｃが軸４３に対してベルクランク状に延
びており、該一体のアーム４１ｃの先端と前記駆動側調
節部材３０におけるカム部材３３のアーム部３３ｂとの
間にはカム作動ロッド４９が連結されている。該ロッド
４９は雄ネジ４９ａ及び雌ネジ４９ｂを有する２部材か
らなり、その長さを調節し得る。また、前記駆動側調節
部材３０におけるカム部材３３のアーム部３３ｂと、前
記従動側調節部材３１におけるカム部材３６のアーム部
３６ｂとの間にはカム連結ロッド５０が介在・連結され
ており、両カム部材３３，３６は一体に移動し得る。更
に、図５に詳示するように、駆動側及び従動側の両カム
部材３３，３６は同一形状からなり、従って連結ロッド
５０は平行リンク機構を構成し、該ロッドにより連結さ
れている両カム部材３３，３６はカム作動ロッド４９に
基づき同量移動する。即ち、エンジン出力軸（即ち駆動
側プーリ軸）６ａの中心線Ｏ₁ とミッション入力軸（即
ち従動側プーリ軸）７ａの中心線Ｏ₂ を結ぶ線Ｏ₁ −Ｏ
₂ に平行に連結ロッド５０が移動し、そして駆動側カム
部材３３及び従動側カム部材３６において、該中心線Ｏ
₁ −Ｏ₂ に直交する線Ｏ₁ −ｃ₁ ，Ｏ₂ −ｃ₂を中心に
高速側Ｈ及び低速側Ｌに操作するように配置されてい
る。従って、駆動側カム部材３３において、エンジン出
力軸６ａの中心線Ｏ₁ と連結ロッド５０とアーム部３６
との連結ピン５２とを結ぶ線が連結ロッド５０の中心線
に対して９０度になる線Ｏ₁ −ｃ₁ を中心として、無段
変速装置１７の高速側Ｈ及び低速側Ｌが振り分けられて
おり、同様に従動側カム部材３６においても、ミッショ
ン入力軸７ａと連結ピン５３とを結ぶ線が連結ロッド５
０に対して９０度になる線Ｏ₂ −ｃ₂ を中心として、高
速側Ｈ及び低速側Ｌが振り分けられている。

【００２３】そして、連結ロッド５０の駆動側カム部材
３３との連結ピン５２は作動ロッド４９との共通連結ピ
ンとなっており、かつ該作動ロッド４９は、前記連結ロ
ッド５０と側面視において略々ラップするように、即ち
作動ロッド４９が連結ロッド５０の平行線に近似して移
動するように、作動ロッド４９及び操作アーム４１ｃの
長さが設定されている。更に、図５(a) に詳示するよう
に、連結ロッド５０は、プーリ２２の先側に位置する駆
動側調節部材３０とプーリ２３の基側に位置する従動側
調節部材３１とを連結すべく、かつラップして位置する
作動ロッド４９と干渉しないように、中間部分にて大き
く屈曲している。

【００２４】なお、図５及び図３において、符号５５は
エンジン出力軸６ａに固定されている油圧プーリ、５６
は油圧ポンプに連結しているプーリ、５７は両プーリ５
５，５６に巻掛けられているベルト、５９はそのタイト
プーリである。そして、６０は無段変速装置のベルト２
４に所定張力を付与するタイトプーリ、６１は固定部材
に植設されたピン、６２は該ピンに回転自在に支持され
かつ一端に前記タイトプーリ６０を支持すると共に他端
にスプリング６３が張設されているタイトアームであ
る。

【００２５】一方、図４(b) 及び図７に示すように、軸
４３に支持されている操作レバー基端部４１ａには扇形
の位置決め用プレート６６が一体に固定されており、該
プレート６６の先端部分には多数の凹凸部６６ａが形成
されている。また、固定部材に揺動自在に支持されたア
ーム６７にはその中間部分にローラ６９が回転自在に支
持されていると共に、その先端部分にスプリング７０が
張設されている。そして、ローラ６９がスプリング７０
に基づく付勢力によりプレート６６の凹凸部６６ａに弾
接して、操作レバー４１及び無段変速装置１７を所定変
速操作位置に位置決め保持している。

【００２６】ついで、上述した乗用田植機Ｐにおける変
速装置の作用について説明する。

【００２７】変速操作レバー４１を、そのボルトピン４
６がガイドプレート４７の案内溝４７ａに案内されて、
例えば前進位置Ｆにおいて前方、即ち低速位置Ｌから高
速Ｈ方向に操作すると、該レバー４１の基端部４１ａと
一体の操作アーム４１ｃが軸４３を中心として反時計方
向に回動する。すると、該操作アーム４１ｃに連結して
いる作動ロッド４９を介して駆動側のカム部材３３を低
速位置Ｌから高速位置Ｈに移動し、更に該カム部材３３
に連結している連結ロッド５０を介して従動側のカム部
材３６を同様に移動する。この際、駆動側及び従動側の
カム部材３３，３６は、そのアーム部３３ｂ，３６ｂが
連結ロッド５０及び作動ロッド４９に対して直交する位
置を中心に左右に振り分けられているので、操作アーム
４１ｃから作動ロッド４９に、作動ロッド４９から駆動
側カム部材アーム部３３ｂに、該アーム部３３ｂから連
結ロッド５０に、そして連結ロッド５０から従動カム部
材アーム部３６ｂに、それぞれ直交に近い状態で効率よ
く力が伝達され、少ないレバー操作力にて確実に両カム
部材３３，３６を移動し得る。

【００２８】そして、両カム部材３３，３６は、その端
面カム部３３ａ，３６ａが公転方向及び軸方向に固定さ
れているローラ３２ａ，３５ａに当接しながら回動する
ことに基づき、軸方向に移動して、駆動側プーリ２２の
可動シーブ２７をプーリ有効径が小さくなるように、か
つ従動側プーリ２３の可動シーブ２９をプーリ有効径が
大きくなるように、調節する。これにより、ベルト式無
段変速装置１７は高速側に変速され、該高速回転が、ミ
ッションケース７内のミッションを介して車輪２及び
３、そして植付装置１１のプランタ１３及び苗のせ台１
２に伝達される。なお、変速操作レバー４１を高速側か
ら低速側に操作すると、同様に無段変速装置が低速側に
変速される。

【００２９】また、操作レバー４１を低速位置Ｌに操作
すると、レバー本体４１ｂと一体のプレート４５に植設
されたピン４６ａがヨーク２０の溝２０ａに係合する。
この状態で、操作レバー４１を、ピン４４を中心にかつ
ピン４６ｂを案内溝４７ａに沿って左右方向に操作する
と、ヨーク２０、シャフト１９及びシフトアーム２１を
介してシフト軸２２を軸方向に操作する。これにより、
操作レバー４１の横操作位置Ｆ，Ｎ，Ｒに応じて、ミッ
ションケース７内の前後進切換えギヤがそれぞれ前進位
置Ｆ、中立位置Ｎ及び後進位置Ｒに操作される。

【００３０】なお、上述実施例は、乗用田植機に搭載し
た変速装置について説明したが、これに限らず、コンバ
イン等の他の作業車輌にも同様に適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ベルト式無段変速装置を搭載した乗用田植機を
示す側面図。

【図２】(a) は無段変速装置及び正逆転切換え装置用の
操作装置を示す側面図、(b) はそのヨークの正面図、
(c) はその正逆転シフトアームを示す平面図。

【図３】無段変速装置を示す断面図。

【図４】無段変速装置の操作装置を示す図で、(a) は平
面図、(b) は側面図。

【図５】操作装置の主要部を示す図で、(a) は平面図、
(b) は側面図。

【図６】操作装置を示す後面図。

【図７】その要部を示す図。

【図８】従動側のローラ支持体及びローラを示す図で、
(a) を正面図、(b) は側面図。

【図９】運転席を示す平面図。

【図１０】運転席を示す後面図。

【図１１】ベルトカバーの取付状態を示す平面図。

【符号の説明】

５走行機体７前後進切換え装置（ミッションケース）９運転席１７無段変速機（ベルト式無段変速装置）１９前後進切換え部材（前後進切換えシャフト）４１変速操作レバー（操作レバー）４１ａ基端部４６ガイドピン（ボルトピン）４７ガイドプレート４７ａ案内溝

フロントページの続き (72)考案者加藤幸雄島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内 (56)参考文献実開昭50−1786（ＪＰ，Ｕ) 実開昭57−105825（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01C 11/02 330 B60K 20/02

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】走行機体の進行方向の前進・後進を切換
える前後進切換え装置と、前進・後進についてそれぞれ
高速・低速方向に無段変速する無段変速装置と、を備
え、前記走行機体の運転席の側方に配置した１本の変速
操作レバーの操作によって前記前後進切換え装置及び無
段変速装置を操作してなる水田作業車輌における変速装
置において、前記変速操作レバーを左右方向に揺動することで前記前
後進切換え装置の前進・後進を切換えると共に、該変速
操作レバーの左右の揺動限においてそれぞれ該変速操作
レバーを前後方向に揺動することで前記無段変速装置の
無段変速を行い、かつ、前記運転席に近接する側の揺動
限に前記変速操作レバーをセットすることで前記前後進
切換え装置を前進側に切換えると共に、前記運転席から
離反する側の揺動限に前記変速操作レバーをセットする
ことで前記前後進切換え装置を後進側に切換えるように
構成し、さらに、前記変速操作レバーの基端部にガイドピンを固
定し、該ガイドピンをガイドするガイドプレートを配設
すると共に、該ガイドプレートに前記ガイドピンの左右
方向の揺動をガイドする左右溝と、該左右溝の両端にお
いて該ガイドピンの前後方向の揺動をそれぞれガイドす
る前後溝とを組み合わせたＵ字形の案内溝を設け、さらに、前記前後進切換え装置に接続されるとともに、
前記ガイドピンが係脱可能な前後進切換え部材を設け、前記ガイドピンは、前記案内溝の左右溝にあるときに前
記前後進切換え部材に係合し前記変速操作レバーの左右
方向の揺動動作を前記前後進切換え部材に伝達して前進
・後進の切換えを行なう一方、前記案内溝の前後溝にあ
るときに前記前後進切換え部材から離脱して前記変速操
作レバーの前後方向の揺動動作を前記前後進切換え部材
に伝達しない、ことを特徴とする水田作業車輌における変速装置。