JPH0111598Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として、比較的小さな圃場内にお
いて往復移動形態をもつて順次耕耘するテーラ型
耕耘機等の歩行型作業機で、詳しくは、機体に対
して操縦ハンドルと変速操作レバーを各別に機体
後方に位置する正規の姿勢から機体前方に位置す
る逆向きの姿勢に向き変更自在に取付け、前記変
速操作レバーに、前進低速用シフター部材と前進
高速用シフター部材に対して択一的に係合するシ
フターフオークを備えさせるとともに、前記操縦
ハンドルの機体前方側への位置変更に伴つてハン
ドル延出方向への後進高速を牽制する牽制機構を
設けてある歩行型作業機に関する。

この種の歩行型作業機で、従来から一般的に知
られているものとして、例えば実開昭51−138514
号公報に記載のものがあり、これは圃場内を往復
走行するべく、圃場端部でハンドルと変速操作レ
バーとを逆向き、つまり、機体前方に切換えて進
行方向を180゜切換えた場合に、変速操作レバーが
機体振動等により不測に高速側に切換つて、機体
がハンドル延出側即ち操縦者側に高速で走行する
危険を防止するべく、前記変速操作レバーの延出
方向切換に運動して、その変速操作レバーの後進
高速変速位置への移動を牽制する牽制機構を具備
していたのである。ところが、幅の狭い圃場等に
おいて、頻繁に往復走行しなければならない場合
等においては、操縦ハンドルは、操縦者が走行し
易いように向きの切換えが行われても変速操作レ
バーの向き切換えまでは切換操作の煩雑さから行
なわれない場合が多いのであり、その場合には、
変速操作レバーの切換に連動して作動するよう構
成されている前記牽制機構が作動しないこととな
り、不測に高速状態に切換わつて操縦者側に機体
が高速で突進して来る危険性があつた。

そこで、前記操縦ハンドルの機体前方側への位
置変更に伴つて、ハンドル延出方向への後進高速
の牽制をはかるものとして実公昭51−38808号公
報に記載の技術がある。

この構造のものは、前進シフター部材としての
前進シフターステーと後進シフター部材としての
後進シフターステーの端面に対して、夫々、択一
的に接当する規制突起を備えた牽制部材としての
規制軸を上下軸芯周りに回動自在に設け、その規
制軸を、操縦ハンドルの基部に設けた突起により
操縦ハンドルの機体前方側への位置変更に伴つて
後進シフターステーを牽制する状態から前進シフ
ターステーを牽制する状態に切換えて、前記操縦
ハンドルの機体前方側への位置変更に伴つてハン
ドル延出方向への後進高速の牽制をはかるもので
あるが、その牽制状態を牽制部材としての規制軸
に設けたボールデテント機構により維持するもの
であるから、変速レバーを誤つて思い切り操作し
た場合に、牽制状態が切り換わるといつた不都合
があつた。

本考案は、操縦ハンドルの機体前方側への位置
変更に伴つて、ハンドル延出方向への後進高速の
牽制をはかるものであり乍ら、牽制状態におい
て、変速レバーを誤つて思い切り操作しても牽制
状態が切り換わることがないようにすることを目
的とする。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
前記牽制機構を、前記変速操作レバー先端のシフ
ターフオークに接当して、前記シフターフオーク
が前進高速用シフター部材側に移行することを接
当阻止する牽制状態と牽制を解除する状態とに横
軸周りで回動自在で、かつ、牽制解除側に付勢さ
れた揺動部材と、前記操縦ハンドルの機体前方側
への位置変更に伴つて前記揺動部材を牽制状態側
に押付けてその状態を維持する操縦ハンドル基部
に設けたカムとから構成した点にあり、斯かる構
成から次の作用効果を奏する。

つまり、前記牽制機構が、機体進行方向の切換
に際して必らず向きの切換えが行なわれる操縦ハ
ンドルの姿勢切換えに連動しているために、圃場
一端部等において、機体進行方向を切換えた状態
で機体が操縦ハンドル側即ち操縦者側に不測に高
速で突進して来る危険な事態を、前記牽制機構に
より変速操作レバーの後進高速操作位置への移動
を接当阻止すると云う確実且つ簡単な手段により
回避でき、安全性の高い歩行型作業機を提供し得
るに至つた。

しかも、牽制状態においては、向きが固定され
る操縦ハンドルのその基部に設けたカムによつ
て、揺動部材を、牽制作用側に押しつづけている
から、不測に変速操作レバーを操作しても、揺動
部材が牽制解除側に操作されようとするのを前記
カムが接当阻止し、牽制状態が不測に切換わるこ
とがなく安全である。さらに、圃場他端部等にお
いて、機体進行方向を再び切換えたとしても、前
記変速操作レバーが低速操作位置側にある状態で
牽制作用が解除されるために、操作レバーを高速
操作位置に切換えて操作すると云う操縦者の人為
的な行為があつて初めて機体が高速走行するので
あり、牽制作用解除と同時に不測に機体が高速走
行する危険性がないのである。

次に、本考案構成の実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図に示すように、エンジン１を搭載する前
フレーム２の後部に、左右一対の車軸３，３を支
承するミツシヨンケース４を固定連結し、このミ
ツシヨンケース４の上部に固着されたホルダー１
２に、縦軸芯周りでの回動によつて前後に向き変
更自在な操縦用ハンド５を設けるとともに、前記
エンジン１の駆動軸６と前記ミツシヨンケース４
の入力軸７との間に、テンシヨンアーム８Ａ，８
Ｂの選択揺動によつて高低２段に変速可能なベル
ト式変速装置８を設け、かつ、前記ミツシヨンケ
ース４内の上部で、前記入力軸６から車軸３，３
への伝動系には、前記ハンドル５に沿つて設けた
変速操作レバー９の揺動操作によつて前後方向で
近接配設した２種のシフター部材１０Ａ，１０Ｂ
を横向き姿勢のシフター軸１０Ｃ，１０Ｄ軸芯方
向に選択的にシフトさせることにより、正転３
段、逆転１段に変速可能なギヤ式変速装置１０を
介在させてある歩行型移動農機において、前記ハ
ンドル５を前向き姿勢に変更したとき、前記ギヤ
式走行変速装置１０の正転高速状態、つまり、正
転第３速状態への変速を阻止する牽制機構１１を
設けている。

而して、前記牽制機構１１を構成するに、第２
図、第３図でも示す如く、前記ハンドルホルダー
１２にピン１３により揺動自在に枢支された揺動
部材１４の一端部１４ａを、前記変速操作レバー
９の基端部付近に固定されたシフターフオーク１
５上方に近接させると共に、その一端部１４ａが
前記シフターフオーク１５から上方に離間する方
向に前記揺動部材１４をつる巻きバネ１６により
弾性付勢し、前記揺動部材１４の揺動により、前
記変速操作レバー９の操作に伴なう前記シフター
フオーク１５の正転第３速用のシフター部材１０
Ｂへの移動を揺動部材１４に設けたボルト１７に
より接当阻止する牽制作用姿勢と、前記一端部１
４ａが上方に後退した非牽制作用姿勢とに切換え
られるよう構成すると共に、前記ハンドル５の取
付け基端部には、これの前向き姿勢への回動に伴
つて、前記揺動部材１４をつる巻きバネ１６の付
勢力に抗して前記の牽制作用姿勢に押圧切換えす
るカム２０を設けている。

そして、前記揺動部材１４を、前記ハンドル５
が前向き姿勢一定角度ｌ範囲内にある状態でその
一端部１４ａが前記カム２０により下方へ揺動し
て前記変速操作レバー９の正転第３速操作位置へ
の移動を接当阻止するように構成してあり、又、
前記変速操作レバー９が正転第３速操作位置にあ
る状態では、前記ハンドル５を前向き姿勢に変更
すると、牽制作用姿勢に切換える前記揺動部材１
４により前記変速操作レバー９が正転第３速操作
位置から変速中立位置に強制的に復帰されるよう
構成してある。

又、第４図に示すように、前記揺動部材１４の
一端部１４ａが、前記シフターフオーク１５のシ
フター部材側とは逆方向に延出させた部分１８に
接当して、正転第３速への切換えを阻止するよう
構成してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型作業機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は要部平面図、
第３図は要部側面図、第４図は別実施例を示す側
面図である。 ５……操縦ハンドル、９……変速操作レバー、
１０Ａ……前進低速用シフター部材、１０Ｂ……
前進高速用シフター部材、１１……牽制機構、１
４……揺動部材、１５……シフターフオーク、２
０……カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に対して操縦ハンドル５と変速操作レバー
   ９を各別に機体後方に位置する正規の姿勢から機
   体前方に位置する逆向きの姿勢に向き変更自在に
   取付け、前記変速操作レバー９に、前進低速用シ
   フター部材１０Ａと前進高速用シフター部材１０
   Ｂに対して択一的に係合するシフターフオーク１
   ５を備えさせるとともに、前記操縦ハンドル５の
   機体前方側への位置変更に伴つてハンドル５延出
   方向への後進高速を牽制する牽制機構１１を設け
   てある歩行型作業機において、前記牽制機構１１
   を、前記変速操作レバー先端のシフターフオーク
   １５に接当して、前記シフターフオーク１５が前
   進高速用シフター部材１０Ｂ側に移行することを
   接当阻止する牽制状態と牽制を解除する状態とに
   横軸周りで回動自在で、かつ、牽制解除側に付勢
   された揺動部材１４と、前記操縦ハンドル５の機
   体前方側への位置変更に伴つて前記揺動部材１４
   を牽制状態側に押付けてその状態を維持する操縦
   ハンドル５基部に設けたカム２０とから構成して
   ある歩行型作業機。