JPS6312069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動二輪車、自動三輪車等の小型車
両のシートロツク装置に関する。

（従来の技術） 自動二輪車、自動三輪車のシートとして、ヒン
ジ等を介して車体に対し起倒動作を可能とし開閉
自在とするとともに、ロツク装置によつてシート
を閉状態にロツクするようなものが提供されてい
る。

斯かるシートのロツク装置は、例えばシートに
設けた係止部材に車体側に設けたフツクを係脱す
ることでシートのロツク及び解除を行い、そして
フツクには遠隔操作用のリンク機構が連結されて
いる。又フツクの遠隔操作用のリンク機構をなる
べく小型にし、シート下方に有用な空間を作るた
めロツク装置をシートの車幅方向端部近傍に配設
していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記の如くフツクに遠隔操作手
段としてのリンク機構を付設したのではフツク部
の構造が複雑化するだけでなく、これの配置にも
制約を受け、またシート下方の車体側にはシート
リフターとしてのダンパーラバー或いはその他の
補器類等が配設されること等によりこれらの配置
の自由度も損なわれる。又ロツク装置をシート側
端部近傍に配設したものにおいてはシートの支持
部をシート中央部に配設せざるを得ないが、この
結果運転者の脚部等により生じるシート両側の荷
重に対してシート底板の剛性を大きくせざるを得
ず、シートのクツシヨン性に問題が生じる恐れが
あると共にシートに車体幅方向のがたつきが生じ
やすく、更にロツク装置も外部へ露出して外観上
好ましくなかつた。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための手段は、シート
を車体に対して開閉自在とし、シート底板から垂
設された係止部材を車体側に設けたフツク部材に
て保持させるようにした自動二輪車等のシートロ
ツク装置において、前記シート下方の車体に車体
幅方向に設けられ、その両端部にシート底板の荷
重受部を有するクロス部材と該クロス部材の中央
部に当該クロス部材に沿つて固定され、その中央
部に切欠きを有して前記係止部材の進入を案内す
る保持板と、該保持板に沿わせて車体幅方向に揺
動自在に設けられたフツク部材を前記係止部材と
の係合方向に弾圧付勢するバネ部材と、車体幅方
向に移動し、前記バネ部材の弾圧力に反して前記
フツク部材を揺動させるワイヤーケーブルとから
自動二輪車等のシートロツク装置を構成したこと
にある。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本考案に係るシートロツク装置を適用
した自動三輪車の側面図、第２図は同自動三輪車
の平面図である。

自動三輪車１は前車体２と後車体３とを備え、
前車体２の最前部には一輪の操向輪をなす前輪４
を設け、上部にはハンドル５を設け、これら前輪
４とハンドル５との間にレツグシールド６を取り
付けている。そして前車体２と後車体３との中間
部には低床式のフロア７を設け、このフロア７の
後部にシートポスト８を立設し、このシートポス
ト８上に腰あて用或いは背もたれ用の起立部９ａ
を備えたシート９を設けている。

そして上記前車体２はジヨイント１０を介して
後車体３に対し左右に揺動自在に連結され、この
後車体３に駆動輪をなす二輪の後輪１１を設けて
いる。

第３図は、シート９の取付構造を示すものであ
り、シートポスト８内には左右のフレーム１２
（第３図では左側のフレームのみを示している）
が配設され、このフレーム１２の周端部を外方に
折曲してフランジ部１３を形成している。そして
左右のフレーム１２の上端部間に上メンバ１４ａ
と下メンバ１４ｂとを接合してなる燃料タンク１
４を臨ませ、この燃料タンク１４のフランジ部１
５を上記フレーム１２のフランジ部１３上に載置
し、ボルト１６…によつて燃料タンク１４をフレ
ーム１２間に固定している。

そして燃料タンク１４の上面前端部に支持板１
７を溶着一体化し、この支持板１７の先端部にヒ
ンジ１８を枢着し、このヒンジ１８にシート底板
９ａの前端部をボルト等で一体的に固着してい
る。しかしてシート９はヒンジ１８の枢着部を中
心として前後方向に起倒自在となつており、起こ
した状態でシート９は開状態、倒れた状態で閉状
態となる。

また前記左右のフレーム１２の後部間には燃料
タンク１４と略面一で、これと離間する如くクロ
スメンバ１９を架設し、このクロスメンバ１９の
部分には第４図に示すシート９のロツク装置２０
が設けられ、第４図は第３図の一部縦断正面図
で、シート９のロツク状態を示している。

シート底板９ｂの下面には燃料タンク１４とク
ロスメンバ１９間に垂下する如く略Ｕ字状の係止
部材２１が前後方向に取り付けられ、一方、クロ
スメンバ１９には上記係止部材２１が嵌り込む切
欠き２２ａを形成した保持板２２が取り付けら
れ、該保持板２２と一体に燃料タンク１４方向へ
突設した軸２３には係止部材２１に係合するフツ
ク２５が挿着され、フツク２５の基部には軸２３
に巻回されて一端が保持板２２に係合するスプリ
ング２４の他端が係合し、フツク２５はこのスプ
リング２４によつて係止部材２１と係合する方向
に付勢されている。またフツク２５には係止部材
２１と反対側の部位に切欠き２６が形成され、こ
の切欠き２６にはピン２７が嵌着され、ピン２７
には遠隔操作用のワイヤケーブル２８の一端が連
結され、ワイヤケーブル２８の他端は例えばシー
トポスト８の部分の左側のフレーム１２或いはハ
ンドル５近傍等に設けた施錠装置としてのキーシ
リンダ等に連結される。而してキーシリンダ等を
回動操作してワイヤケーブル２８を引つ張ること
により、フツク２５はスプリング２４の弾発力に
抗して係止部材２１との係合を解除する方向に回
動する。

また上記クロスメンバ１９の両端部（図では一
側部のみを示している）にはダンパーラバー２９
を貼着している。このダンパーラバー２９はその
上部を３本の突部３０，３１，３２によつて構成
し、中央の突部３１の高さを両側の突部３０，３
２よりも高くし、且つ突部３１の高さはシート９
を倒し、係止部材２１にフツクが係合した状態
で、シート底板９ｂによつて突部３１が圧縮せし
められる高さとし、突部３０，３２の高さは上記
係止部材２１にフツク２５が係合した状態で、そ
の上端部がシート底板９ｂに接する程度のものと
している。これによりシート９を倒して閉状態と
し、係止部材２１にフツク２５を係合した第４図
の状態においては、ダンパーラバー２９の中央の
突部３１が圧縮せしめられているので、シート９
には上方向への弾発力が作用している。

以上において、ワイヤケーブル２８を引つ張り
操作すれば、フツク２５は解除方向（図中時計方
向）に回動し、係止部材２１とフツク２５との係
合状態が解除され、シート９はダンパーラバー２
９の中央の突部３１の弾発力によつて上方へ若干
持ち上がる。すると、ワイヤケーブル２８の引つ
張り状態を解除し、フツク２５がスプリング２４
の弾発力で係合方向に回動しても、第５図に示す
如く、フツク２５の先端部が係止部材２１に当接
するだけで、フツク２５と係止部材２１とは係合
しない。したがつてワイヤケーブル２８を引くだ
けで、シート９は若干持ち上げられることとな
り、その後片手でシート９を起こし開状態とする
ことができる。

一方、シート９を閉じ状態とするには第５図に
示す如くフツク２５の先端部が係止部材２１に当
接しているので、シート９を下方に押し下げるだ
けで係止部材２１にフツク２５が係合し、ロツク
状態とすることができる。

尚、以上は本考案の単なる実施の一例に過ぎ
ず、本考案に係るシートロツク装置は自動三輪車
に限らず、自動二輪車等の各種小型車両に適用で
きるものであり、またワイヤケーブルはボーデン
ワイヤの如きプツシユプル式のものだけでなくプ
ル式のものでも良い。

（考案の効果） 以上の説明で明らかな如く本考案によれば、フ
ツクの揺動方向が車体幅方向となるので車体の長
手方向にフツクの揺動空間が不要となり、その分
シート下方の長手方向に有効な空間を形成できる
とともに、ワイヤーケーブルにてバネ部材の弾圧
力に反して揺動されるフツクをクロス部材の中央
部に配設し、クロス部材の両側に荷重受部を設け
てシートを支持させたため、シートの荷重受部配
設の自由度が向上し、又シート底板の剛性を減少
させることができて、シートのクツシヨン性の向
上が図れる。

又フツクとシート底板から垂設された係止部材
とのがたつきをおさえることができフツクの耐久
性が向上する。更に保持板をフツクに沿わせて２
つの支持部材の中央部に配設したため、保持板の
取付剛性を最小限にすることができ保持板の構造
の簡素化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好適一実施例を示すものであ
り、第１図は本考案に係るシートロツク装置を適
用した自動三輪車の側面図、第２図は同自動三輪
車の平面図、第３図はシートの取付状態を示す側
面図、第４図はロツク状態を示す要部の一部断面
図、第５図はロツクを解除した状態を示す第４図
と同様の断面図である。 尚図面中９はシート、２１は係止部材、２２は
保持板、２４はスプリング、２５はフツク、２８
はワイヤケーブルである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートを車体に対して開閉自在とし、シート底
   板から垂設された係止部材を車体側に設けたフツ
   ク部材にて保持させるようにした自動二輪車等の
   シートロツク装置において、 前記シート下方の車体に車体幅方向に設けら
   れ、その両端部にシート底板の荷重受部を有する
   クロス部材と 該クロス部材の中央部に当該クロス部材に沿つ
   て固定され、その中央部に切欠きを有して前記係
   止部材の進入を案内する保持板と、 該保持板に沿わせて車体幅方向に揺動自在に設
   けられたフツク部材を前記係止部材との係合方向
   に弾圧付勢するバネ部材と、 車体幅方向に移動し、前記バネ部材の弾圧力に
   反して前記フツク部材を揺動させるワイヤーケー
   ブルと からなることを特徴とする自動二輪車等のシート
   ロツク装置。