JPS6255565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、灯油その他の液体燃料を初期の生燃
焼状態から蒸発気化して気化燃焼させる液体燃料
気化バーナに関する。

灯油その他の液体燃料を微粒化して生燃焼さ
せ、以後その燃焼熱で微粒化された液体燃料を蒸
発気化し、同時に空気と混合させて混合ガスを起
成せしめ、これを燃焼させる液体燃料気化バーナ
にあつては、液体燃料の完全な微粒化と蒸発気化
を図り、同時に蒸発気化ガスと空気とを均等に混
合させて均質な混気ガスを起成せしめることが、
安定燃焼を図ることと、異常燃焼および不完全燃
焼を防止するために重要である。そして、液体燃
料の微粒化およびその蒸発気化が不完全な場合に
は、気化燃焼へ移行後も混気ガス中に生燃料が混
入し、燃焼が不安定になる許りか、異常燃焼や不
完全燃焼を生ずる原因となる。

本発明は前記に鑑み、液体燃料の微粒化と蒸発
気化の促進ならびに混気ガスを起成せしめる回転
気化体内に、上端中央部に通風口を有しかつ下端
を開放した気化体内套を一体に装着してたもので
あつても、前記気化体内套の外周面と回転気化体
の内周面との間に混気ガス通路を形成し、該気化
体内套の上端部には水平面状の燃油拡散面と燃油
飛散端部とを連続して形成せしめると共に燃料拡
散面上には液体燃料供給管の先端側を臨ませたこ
とにより、回転気化体内における液体燃料の拡散
面積の拡大と燃料の噴散衝突による微粒化を完全
ならしめ、かつ微粒化燃料の蒸発面積の拡大と混
気ガス通路の延長を図り、もつて、燃料の完全な
蒸発気化と空気との均等な混合を促進し、均質な
混気ガスを起成せしめて、安定した燃焼状態を維
持させ、異常燃焼および不完全燃焼の発生を未然
に防止することができる目的をもつた液体燃料気
化バーナを提供しようとしたものであつて、以下
に本発明の構成を添附図面に示された好適な実施
例について説明する。

第１図において、１は上端を開放し底面を閉じ
た燃焼筒、２はその外筒であつて、燃焼筒１と外
筒２との間に通風間隙３が形成されており、燃焼
筒１と外筒２の中央部には送風路４が形成され、
該送風路４は外筒２の底面側に連設した送風室５
に連通されている。また、上記送風路４の周囲に
は燃焼筒１と外筒２間に噴気室６が形成され、該
噴気室６に上記通風間隙３が連通されており、噴
気室６は噴気導入口７によつて連通されている。

一方、前記燃焼筒１内の中央部には、送風室５
から回転軸８が挿通されており、該回転軸８の先
端には、先端を閉じ基端を開放した筒状の回転気
化体９が回転軸８に被せたように固着されてい
る。１０は気化体内套であつて、該気化体内套１
０は回転気化体９よりやや小径のほぼ同形の筒状
をなしており、その基端側裾部が複数の支柱１１
によつて一体に回転するように回転気化体９の基
端裾部に固着されていて、気化体内套１０の外周
面と回転気化体９の内周面との間に混気ガス通路
１２が形成されている。上記気化体内套１０の中
央部には通風口１３が形成されており、その上部
には水平状の燃料拡散面１４が形成され、該燃料
拡散面１４の周端は燃料飛散端部１５となつてい
る。１６は液体燃料供給管であつて、その先端側
は上記燃料拡散面１４上に近接して臨ませてあ
る。１７は点火栓である。なお、前記混気ガス通
路１２の開口端はガス噴気口１８となつており、
気化体内套１０の基端側裾部と燃焼筒１の底面間
との回転間隙は燃焼二次空気噴出口１９となつて
いる。燃焼筒１の底面周辺部には生燃料の溜り凹
部２０が形成されている。

第２図に示したものは、以上説明した第１図の
ものの他例であつて、回転気化体９の先端の水平
面を広くとり、かつ気化体内套１０の上端部の燃
料拡散面１４′を中央に向けた傾斜面１４a′と
し、その傾斜下部に水平の燃油受皿部１４b′とし
た点で第１図の実施例と相違しているが、その他
の構成は両実施例とも同じである。

次に本発明の作用について説明する。

今、バーナの始動にあたつては、回転気化体９
を高速回転させ、送風室５から燃焼筒１へ向けて
強制風を送風すると共に、液体燃料供給管１６よ
り液体燃料の供給を開始すれば、液体燃料は液体
燃料供給管１６の先端から気化体内套１０の燃油
拡散面１４上に流出し、回転気化体９の回転によ
る遠心力作用で燃料飛散端部１５より微粒状とな
つて混気ガス通路１２内へ噴散される。そして、
この微粒化された燃料は混気ガス通路１２内を通
つてガス噴出口１８より燃焼筒１内の底面に沿つ
て噴出されるので、点火栓１７により点火すれ
ば、燃焼筒１内で生燃焼が生ずる。燃焼筒１内で
生燃焼が生ずると、その燃焼焔によつて回転気化
体９が加熱され、該回転気化体９は急速に燃料の
蒸発気化温度に達する。このため、気化体内套１
０の燃料飛散端部１５から混気ガス通路１２内へ
向けて微粒状に噴散される燃料は、回転気化体９
の内周面に触れて蒸発気化される。そして、その
蒸発気化ガスは、送風室５から送風路４、気化体
内套１０の通風口１３を通つて混気ガス通路１２
へ流通する強制風と均等に混合されて混気ガスが
起成され、混気ガスはガス噴気口１８から燃焼筒
１内へ噴散して気化燃焼が生ずる。気化燃焼へ移
行後は、その燃焼焔によつて回転気化体９が常時
高温に加熱され続けるので、気化燃焼状態が持続
する。なお、燃焼筒１内には燃焼二次空気噴出口
１９より二次空気が供給され、完全燃焼が図られ
ると共に、燃焼筒１と外筒２間の通風間隙３には
送風室５から噴気室６を経て強制風の一部が流通
せられ、燃焼筒１と外筒２の過熱焼損が防止され
る。また、生燃焼中に、燃焼筒１内に未燃焼の余
剰生燃料が生じた場合には、これが燃焼筒１の底
面に形成した凹部２０に一旦溜まり、燃焼筒１の
温度上昇によつて蒸発気化されて燃焼されるの
で、生燃料による異常燃焼の発生を防止すること
ができる。

ところで、回転気化体９内に形成されている混
気ガス通路１２は回転気化体９のほぼ内周全面に
わたつているので、燃料の蒸発気化面積が広く、
また混気ガス通路１２のガス噴出口１８に至る距
離を長くとることができ、混気ガス通路１２内に
噴散された微粒化燃油の完全蒸発気化と、該混気
ガス通路１２内を流通する強制風とを均等に混気
させて、均質な混気ガスを起成せしめることがで
きる。しかも、液体燃料を微粒化する燃料拡散面
１４は、気化体内套１０の上端部に広くとられて
おり、かつその周端に燃料飛散端部１５が形成さ
れているので、燃料の供給量の多少にかかわらず
その完全な微粒化を図ることができ、生燃焼を安
定させることができる許りでなく、燃料の完全な
微粒化により混気ガス通路１２内における燃料の
蒸発気化作用を促進して、一層均質化された混気
ガスを起成せしめることができる。特に第２図に
示した実施例にあつては、気化体内套１０の燃料
拡散面１４′の形状が起伏に富んでいるので、遠
心力による燃料の拡散微粒化の作用が一段と強化
され、前記作用を一層効果的にすることができ
る。

要するに本発明は、前記のような具体的な構成
を具備せしめたから、供給した液体燃料を広く形
成した水平面状の拡散面１４，１４′で効率的に
均等に拡散して薄層とした後、燃料飛散端部１５
より回転気化体９内面に向け噴散させて燃料の微
粒化をより図ることができる許りか、微粒化燃料
の蒸発面積の拡大と混気ガス通路１２の延長を図
ることができ、燃料の完全な蒸発気化と空気との
均等な混合を促進し、均質な混気ガスを起成せし
めて、安定した燃焼状態を維持させ、異常燃焼お
よび不完全燃焼の発生を防止することができる効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る液体燃料気化バーナの実施
例を示すものであつて、第１図は一部切欠した縦
断正面図、第２図は他の実施例の一部切欠した縦
断面図である。 １……燃焼筒、５……送風室、９……回転気化
体、１０……気化体内套、１２……混気ガス通
路、１３……通風口、１４，１４′……燃料拡散
面、１５……燃料飛散端部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上端を開放し底面中央部に送風室を連設した
   燃焼筒内に、上端を閉じ基端を開放した筒状の回
   転気化体を設け、該回転気化体内に、上端中央部
   に通風口を有しかつ下端を開放した気化体内套を
   一体に装着したものにおいて、前記気化体内套の
   外周面と回転気化体の内周面との間に混気ガス通
   路を形成し、上記気化体内套の上端部には水平面
   状の燃料拡散面と燃料飛散端部とを連続して形成
   せしめると共に燃料拡散面上には液体燃料供給管
   の先端側を臨ませたことを特徴とする液体燃料気
   化バーナ。