JPS621164B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、燃油を着火時の生燃焼状態から蒸発
気化し、燃焼用空気との混気ガスを起成せしめて
気化燃焼させる気化バーナに関する。

燃焼筒内に設けた回転気化体内に燃油と燃焼用
空気を供給し、着火時に燃油を微粒化して生燃焼
させたうえ、生燃焼焔による回転気化体の高温加
熱で燃油を蒸発気化し、燃焼用空気と混合させた
混気ガスを起成せしめて気化燃焼させる気化バー
ナにおいては、燃油の均一かつ完全な微粒化と、
その蒸発気化ガスを燃焼用空気と十分に混合させ
て均質な混気ガスを起成せしめることが、着火を
確実にして生燃焼焔を速かに安定させ、気化燃焼
状態への急速な移行と安定した気化燃焼状態を維
持せしめるために必要である。

ところで、従来のこの種気化バーナにあつて
は、特に燃油の供給量が少い状態やその供給量が
多い状態で燃油の微粒化が不完全となり、かつ混
気ガスが不均質となりがちであるから、燃焼量の
調節が極くせまい範囲でしかできない欠点を有し
ていた。

本発明は前記に鑑み、回転気化体内における燃
油の拡散作用面を大きくとつて燃油供給量の多少
にかかわらずその均一かつ完全な噴散微粒化を図
り、併せて混気通路を蛇行状に長くとつて燃油の
蒸発気化ガスと燃焼用空気とを十分に混合させて
均質な混気ガスを起成せしめ、もつて着火を確実
にして生燃焼焔を速かに安定させると共に、気化
燃焼への急速な移行と安定した気化燃焼状態を維
持せしめることができる気化バーナを提供しよう
としたものであつて、以下に本発明の構成を添附
図面に示された好適な実施例について説明する。

第１図において、１は先端を開放し基端を閉じ
た燃焼筒であつて、該燃焼筒１の基端側には送気
室２が連設されている。３は先端を閉じ基端を開
放した筒状の回転気化体であつて、該回転気化体
３は、送気室２側から燃焼筒１内に挿通された回
動軸４の先端に、該回動軸４に被せた状態で取付
けられている。５は送風筒であつて、該送風筒５
は前記送気室２に連通され、その先端は回転気化
体３内の先端部に臨んでいる。６は燃油拡散体で
あつて、該燃油拡散体６は送風筒５の先端と回転
間隙７を隔てて回転気化体３の内壁方向へ延出す
る燃油拡散平面６ａを有し、かつ燃焼筒１の基端
方向へ延出された筒状部６ｂを有する形状をなし
ており、その筒状部６ｂは複数の間隔保持片８，
８………によつて回転気化体３にそれと共に回転
するように取付けられている。そして燃油拡散平
面６ａの外周縁は燃油飛散端６ｃとなつている。
燃焼筒１の基端側と回転気化体３の基端側間には
ガス室底壁９およびガス混気壁１０によつてガス
室１１が形成されている。すなわち、ガス室底壁
９は内端が送風筒５の基端部に接続され、その外
端部は上方へ屈曲延出されており、このガス室底
壁９の上方にガス混気壁１０が対向され、それら
の間がガス室１１となつている。ガス室１１の外
周端側には噴焔口１２が形成されている。上記ガ
ス混気壁１０の内端側には、送風筒５と燃油拡散
体６の筒状部６ｂとの間に介在する筒状部１０ａ
が一体に延出形成されており、燃油拡散体６とガ
ス混気壁１０とによつて、回転気化体３内の先端
部からガス室１１に至る蛇行状の混気通路１３が
形成されている。１４は燃油拡散体６をガス混気
壁１０に固定支持する複数の保持片である。ま
た、上記ガス混気壁１０と回転気化体３の基端側
屈曲縁３ａ間には燃油飛散間隙１５が形成されて
おり、ガス混気壁１０の外端縁は燃油飛散端１６
となつている。１７は給油管であつて、該給油管
１７の先端は燃油拡散体６の燃油拡散平面６ａの
内側上面に近接して臨ませてある。なお、燃焼筒
１の底面とガス室底壁９間には送気室２から燃焼
筒１内への通気間隙１８が形成されている。１９
は点火栓である。

第２図は以上説明したものの他例であつて、バ
ーナを横型としたものである。そして、この他例
のものにあつては、燃油拡散体６の燃油拡散平面
６ａをその内方へかけて燃焼筒１の基端方向へ傾
斜させた形状をなしており、さらに噴焔口１２は
多孔状となつている。

次に、本発明の作用について説明する。

今、バーナの始動操作をすれば、回転気化体３
が高速回転され、送気室２から燃焼筒１方向へ燃
焼用空気が強制送風されると共に、給油管１７よ
り燃油が供給される。このため、回転気化体３内
では燃油が燃油拡散体６の燃油拡散平面６ａで受
止められたうえ、その高速回転に伴う遠心力作用
を受けて回転気化体３内に微粒状に拡散され、送
風筒５から送風される強制風と共に燃油飛散間隙
１５より燃焼筒１内に噴散されるので、点火栓１
９によつて点火されると、燃焼筒１内において生
燃焼が生ずる。燃焼筒１内で生燃焼焔が生ずる
と、その燃焼熱で回転気化体３が急速に高温に加
熱されるので、以後回転気化体５内に供給される
燃油は蒸発気化されて気化ガスとなり、この気化
ガスが混気通路１３内で強制風と混合されて混気
ガスとなり、この混気ガスはガス室１１に蓄気さ
れたうえ、噴焔口１２より燃焼筒１内に一定圧力
で噴出し、燃焼筒１内で気化燃焼する。そして、
気化燃焼への移行後はその燃焼熱で回転気化体３
が高温に加熱され続けるので、気化燃焼状態が持
続する。なお、送気室２から通気間隙１８にも常
時強制風が流通せられるので、燃焼筒１の底面お
よびガス室底壁９が空冷されて過熱防止が図られ
ると共に、燃焼筒１内に燃焼用二次空気を供給し
て良好な燃焼状態を維持せしめる作用をする。

ところで、回転気化体３内において、前記の如
く給油管１７の先端から燃油を受止める燃油拡散
体６の燃油拡散平面６ａは広いため、給油管１７
を介し燃油拡散平面６ａの上に供給された燃油は
強力な遠心作用を受けて均一かつ完全に微粒化さ
れながら回転気化体３内壁面に向け噴散供給さ
れ、さらに微粒化せられる。そして、この作用は
微量供給状態であつても、また多量供給状態であ
つても同様に保持されるので、着火が確実で生燃
焼焔が速かに安定し、気化燃焼への急速な移行が
図られる。さらに燃油拡散体６の筒状部３ｂによ
つて混気通路１３は蛇行状とされ、かつそれが長
くなつているので、燃油の蒸発気化ガスと燃焼用
空気との混合作用が十分になされ、均質な混気ガ
スが起成される。したがつて、気化燃焼へ移行後
は安定した気化燃焼状態を維持せしめることがで
きる。なお、回転気化体３内の先端部は、送風筒
５から吹出す強制風を直接受けるので、回転気化
体３と回動軸４との取付部分の過熱焼損が防止さ
れる。

第２図に示された他の実施例にあつては、バー
ナが横型となつているが、燃油拡散体６の燃油拡
散平面６ａは内方へかけて燃焼筒１の基端方向へ
傾斜させてあり、給油管１７からの燃油が確実に
受止められるので、前記第１図に示された実施例
のものと同効作用が営まれる。

要するに本発明は、燃焼筒１内に、先端を閉じ
基端を開放した筒状の回転気化体３を設け、該回
転気化体３内に、燃焼筒１の基端側に連設された
送気室２と連通しかつ先端が回転気化体３内の先
端部に臨む送風筒５を設けると共に、該送風筒５
の先端部と回転間隙７を隔てて回転気化体３の内
壁方向へ延出する燃油拡散平面６ａを有しかつ燃
焼筒１の基端方向へ延出された筒状部６ｂを有す
る燃油拡散体６を回転気化体３と一体回転するよ
うに設けて、回転気化体３内の先端部から前記燃
焼筒１の基端側と回転気化体３の基端側間に形成
されたガス室１１との間に蛇行状の混気通路１３
を形成せしめたから、回転気化体３内における燃
油の拡散作用面を大きくとつて給油管１７より供
給された燃油を拡散しながら回転気化体３内壁面
に向け噴散供給して燃油供給量の多少にかかわら
ずその均一かつ完全な微粒化を図り生燃焼の発生
は勿論のこと蒸発気化ガスの発生を良好ならしめ
る許りか、混気通路１３を蛇行状に長くとつて燃
油の蒸発気化ガスと燃焼用空気とを十分に混合さ
せて均質な混気ガスを起成せしめることができ、
着火を確実にして生燃焼焔を速かに安定させ、気
化燃焼への急速な移行と安定した気化燃焼状態を
維持せしめることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの実施例を示す
ものであつて、第１図は一部を切欠した縦断正面
図、第２図は他例の一部を切欠した縦断側面図で
ある。 １……燃焼筒、２……送気室、３……回転気化
体、５……送風筒、６……燃焼拡散体、６ａ……
その燃油拡散平面、６ｂ……その筒状部、７……
回転間隙、１１……ガス室、１３……混気通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼筒内に、先端を閉じ基端を開放した筒状
   の回転気化体を設け、該回転気化体内に、燃焼筒
   の基端側に連設された送気室と連通し、かつ先端
   が回転気化体内の先端部に臨む固定の送風筒を設
   け、該送風筒の先端部と回転間隙を隔てて回転気
   化体の内壁方向へ延出する燃油拡散平面を有し、
   かつ燃焼筒の基端方向へ延出された筒状部を有す
   る燃油拡散体を回転気化体と一体回転するように
   設け、又、燃焼筒の基端側と回転気化体の基端側
   間にはガス室底壁およびガス混気壁とによつてガ
   ス室を形成し、上記ガス混気壁の内端側には送風
   筒と燃油拡散体の筒状部６ｂとの間に介在する筒
   状部１０ｂを一体に延出形成せしめて、燃油拡散
   体とガス混気壁とによつて回転気化体内の先端部
   からガス室に至る蛇行状の混気通路を形成せしめ
   ると共に、燃油拡散平面の内側上面には給油管の
   先端をのぞませたことを特徴とする気化バーナ。