JPS6231429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 ［産業上の利用分野］ 本考案は、製造工場で完成した自動二輪車を遠
隔地に輸送する場合に用いる梱包箱に関するもの
である。

［従来の技術］ この種の梱包箱において、箱容積を小さくする
ため、前輪を外して車高を低くした自動二輪車を
底板に載置し、前輪軸受部と後輪とによつて底板
に位置決めし、さらに外装枠の天面に設けた横杆
で車体の上部部材を、また外装枠の後部妻面に設
けた横杆で後輪をそれぞれ押えるようにしたもの
がある（例えば実開昭53−142175号公報）。

また自動二輪車をそのままの状態で底板に載置
し、車体の前部および後部において車体上部の任
意箇所と底板との間にワイヤ等の斜張具を張つて
固定し、その上から外装枠を施したものがある
（例えば特開昭50−24923号公報）。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが上記前者の梱包箱は、その外装枠の天
面の一部および妻面の一部を車体に接触させて車
体を固定するので、車体を傷つけないようにその
接触部に緩衝材を介在させる必要があり、外装枠
の装着が面倒である。

また自動二輪車を梱包した箱を段積みした場
合、上段の梱包箱の荷重が外装枠を経て車体に加
わるので積み重ね段数に限度がある。

後者の梱包箱は、外装枠が車体に接触しない構
造であるから段積みした場合、車体に上段の箱の
荷重が加わることはないけれども、前輪を付けた
まま梱包する構造であるから箱容積が大きい。

従つて才数が増え大型コンテナに収容する場合
あるいは船積みの際不利である。

また上記後者の梱包箱におけるワイヤ等の斜張
具による車体の固定は手数を要し、確実に固定す
るのが難しい。従つて輸送中箱の中で車体が揺
れ、傷がつく虞がある。

前者の梱包箱のように、自動二輪車を前輪を外
して梱包する場合、その前輪軸受部が車軸抜差し
式のものにおいては、軸受部の車軸通し穴に固定
用の軸棒を通し、その軸棒を底板に止めるなどし
て、前輪軸受部を底板に比較的容易に固定できる
けれども、前輪軸受部が上下分割形の場合、前輪
を外した後、再び軸受部の下部ホルダを元の位置
に装着してその軸受部を底板に固定するのでは手
間が掛かり、梱包の作業能率を低下させる。

本考案は従来の自動二輪車用梱包箱、特に前輪
の軸受部が上下分割形の自動二輪車を、その前輪
を外して梱包し、かつ段積みした場合、荷重が外
装枠を介して車体に加わらないように構成した梱
包箱において生じる問題点を解決することを目的
とする。

ロ 考案の構成 ［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記の目的を達成するために、フロン
トフオークＡ１の下端の前輪軸受部Ａ１１が上下
分割形の自動二輪車Ａを、前輪を外して載置固定
する底板１と、その底板１上の自動二輪車Ａを包
囲して底板１に固定する底面が開放した５面一体
で段積み耐強度を持つ外装枠２とから成る梱包箱
において、その底板１上に、上下分割形前輪軸受
部Ａ１１を、その軸受部Ａ１１の下部ホルダを外
した状態で固定する枕状受け金具３と、後輪Ａ２
を落し込ませて位置決めする凹部４と、車体Ａを
底板１に結合する固着具５とを備え、上記枕状受
け金具３は、前輪軸受部Ａ１１の分割面に重ねて
その軸受部Ａ１１の締結用ボルト穴を利用してボ
ルト締めする平面部３１を上面に、底板１に重ね
合せてボルト締めするための取付け座３２を前後
に有し、車体固着具５の底板１と反対側の部分
は、車体フレームの両側下部のステツプバー取付
穴Ａ３にボルト１３で止めるように構成したもの
である。

［作用］ 下部ホルダを取つて前輪を外した上下分割形前
輪軸受部Ａ１１の分割面に枕状受け金具３の上面
平面部３１を重ね合せ、その平面部３１の裏か
ら、平面部３１を貫いて分割面の下部ホルダ締着
用ボルトねじ込み穴にボルト７をねじ込むことに
よつて、軸受部Ａ１１に枕状受け金具３をあらか
じめ取付ける。

前輪を外してその上下分割形前輪軸受部Ａ１１
の分割面に枕状受け金具３を取付けた自動二輪車
Ａを底板１の上に載せて、後輪Ａ２を位置決め凹
部４に落し込ませ、かつ枕状受け金具３の取付け
座３２を底板１に、その取付け座３２を貫くボル
ト１５によつて固定する。

上記底板１に載置された自動二輪車Ａの両側の
ステツプバー近傍において一端を底板１に固定し
た車体固着具５の他端を車体フレームに、ステツ
プバーを外すことによつて空けた車体フレームの
ステツプバー取付穴Ａ３を利用してボルト１３で
固定する。

外した前輪や軸受部の下部ホルダは底板１上の
空いた所に置いて適宜固定し、外装枠２を施して
外装枠２の下周縁を底板１にくぎ・ビス等１６で
止めるものである。外装枠２は車体Ａに接触しな
い。

［実施例］ 図示の底板１は木製のすのこ状のものである
が、金属板・合成樹脂板その他任意の板材を使用
できる。底板１の下面にはフオークリフトトラツ
クによる荷役に備えて滑材６が取付けられてい
る。

外装枠２は、補強リブ入りの金属板・合成樹脂
板等で形成した箱状のもの、四隅の柱と天面の四
周枠と筋交いのみから成る透かし箱、あるいはそ
の透かし箱の内側または外側にボール箱・金属薄
板・合成樹脂板を張つたもの等任意である。

枕状受け金具３は、第３図に示すように鋼板・
アルミニウム板等をプレス成形して上面に平面部
３１、前後に取付け座３２を形成している。そし
て平面部３１に上下分割形軸受部Ａ１１の分割面
に対する取付用ボルトの通し穴３３を、また取付
け座３２に底板１に対する固定用ボルトの通し穴
３４を設けている。

後輪位置決め凹部４は、底板１の上に横材８・
９を井桁状に組むことによつて構成されている
が、凹形桁材を底板１に取付けることもある。

車体Ａと底板１との固着具は、例えば第１図・
第２図例のターンバツクル５、あるいは第４図例
の三角形支持板５２を用いることができる。

上記ターンバツクル５の下端は底板１にあらか
じめ固着されているフツク１０に引つ掛け、他端
をステツプバー取付穴Ａ３に重ねてボルト１３で
止める。

三角形支持板５２は、その底辺の座５２１を底
板１にボルト１４で固定し、頂点のボルト穴をス
テツプバー取付穴Ａ３に重ねてボルト１３をねじ
込むものである。三角形支持板５２は三角形の枠
でもよい。また左右別々、あるいは左右一体等任
意である。

ハ 考案の効果 本考案の自動二輪車用梱包箱は上記の構成であ
るから、前輪軸受部Ａ１１が上下分割形の自動二
輪車Ａを、前輪を外して車高を低くして梱包する
に当り、その前輪を外すために外した下部ホルダ
を元の位置に付け直す必要がなくて手間が省け、
梱包作業能率を向上させる。

下部ホルダおよび前輪を外した前輪軸受部Ａ１
１は、その分割面を利用して取付けた枕状受け金
具３を介して底板１に容易かつ確固に固定され
る。また軸受部Ａ１１の分割面を傷めることがな
い。

車体Ａの中央部は、底板１に近い車体両側で車
体Ａのステツプバー取付穴Ａ３を利用して固着具
５で固定され、車体Ａと底板１を結合するのに、
車体Ａに特別の加工をしたり、また補助部品を用
意する必要がなくて簡単である。

上記枕状受け金具３による上下分割形前輪軸受
部Ａ１１と、固着具５によるステツプバー取付穴
Ａ３を利用した車体中央下部と、位置決め凹部４
に対する後輪Ａ２の落し込みの３点によつて車体
Ａが底板１に確実に固定され、外装枠２の包囲装
着によつて段積みも可能となり、その場合上段の
ものの荷重が車体Ａに加わることがなくて新車を
安全に運ぶことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車を梱包した本考案梱包箱の
縦断正面図、第２図は第１図−線に沿う縦断
側面図、第３図は枕状受け金具の斜視図、第４図
は車体固定部の他の実施例を示す側面図。 １は底板、２は外装枠、３は枕状受け金具、３
１は平面図、３２は取付け座、４は位置決め凹
部、５は固着具、Ａは自動二輪車、Ａ１はフロン
トフオーク、Ａ１１は上下分割形前輪軸受部、Ａ
２は後輪、Ａ３はステツプバー取付穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントフオークの下端の前輪軸受部が上下分
   割形の自動二輪車を、前輪を外して載置固定する
   底板と、その底板上の自動二輪車を包囲して底板
   に固定する底面が開放した５面一体で段積み耐強
   度を持つ外装枠とから成る梱包箱において、その
   底板上に、上下分割形前輪軸受部を、その軸受部
   の下部ホルダを外した状態で固定する枕状受け金
   具と、後輪を落し込ませて位置決めする凹部と、
   車体を底板に結合する固着具とを備え、上記枕状
   受け金具は、前輪軸受部の分割面に重ねてその軸
   受部の締結用ボルト穴を利用してボルト締めする
   平面部を上面に、底板に重ね合せてボルト締めす
   るための取付け座を前後に有し、車体固着具の底
   板と反対側の部分は、車体フレームの両側下部の
   ステツプバー取付穴にボルトで止めるように構成
   した自動二輪車の梱包箱。