JPS6230539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車におけるサスペンシヨン取付部
ボデイー構造の改良に関する。

従来、例えば特開昭48−53420号公報に示され
るようなサスペンシヨン取付部ボデイー構造が知
られているが、この従来構造においては次のよう
な問題点があつた。

すなわち、この従来構造においては、リヤフロ
アパンの下部にクロスメンバを設け、同クロスメ
ンバに緩衝装置を取付けたものであるが、同緩衝
装置から車体へ伝達される振動が全て該クロスメ
ンバを経由するため、上記リヤフロアパンが振動
して騒音を発生し易いという問題点があつた。ま
た上記クロスメンバの端部及び同クロスメンバに
対応する位置にあるフロアパンの端部がリヤホイ
ルハウスインナに固着された補助メンバに単に固
着されているだけであるので、上記緩衝装置から
上記クロスメンバに伝達された入力が上記補助メ
ンバとの該固着部にほとんど作用することにな
り、該固着部が強度上甚だ不利となる問題点があ
つた。

本考案は上記問題点を解消するために創案され
たもので、リヤフロアパンと、同リヤフロアパン
の側縁部に沿つて固着され外縁部が斜め上方に指
向して延びたリヤフロアサイドメンバと、前記リ
ヤフロアサイドメンバの外縁部に固着されたホイ
ルハウスインナと、前記リヤフロアパン上に固着
され車幅方向に延びたリヤフロアクロスメンバと
を備え、前記リヤフロアクロスメンバの端部に外
側斜上方に指向して取付けられたリヤフロアクロ
スメンバエキステンシヨンを、前記リヤフロアパ
ン、前記リヤフロアサイドメンバ及び前記リヤホ
イルハウスインナの各内側面に亘つて固着すると
ともに、同リヤホイルインナの内側面にその上下
方向に亘つて固着されたステイフナと前記リヤク
ロスメンバエキステンシヨンとの対向端部を互い
に固着してなるボデー構造において、前記エキス
テンシヨンは、前記リヤフロアパン、リヤフロア
サイドメンバ及びリヤホイルハウスインナの内側
面に亘つて固着されたフランジを両側部に有する
ハツト型断面をなし、前記ステイフナは、前記ホ
イルハウスインナの内側面に固着されたフランジ
を両側部に有するハツト型断面をなし、更に前記
エキステンシヨンのフランジは、同フランジと前
記リヤフロアサイドメンバと前記リヤホイルハウ
スインナとによつて囲まれる作業孔を形成するよ
うに一部が同リヤフロアサイドメンバ及びリヤホ
イルハウスインナから離隔され、前記リヤホイル
ハウスインナの下端部はリヤフロアサイドメンバ
との接合部よりも下方へ延長され、更に同リヤホ
イルハウスインナにおける該延長された下端部に
一端部を固着され他端部を前記リヤフロアパンと
前記リヤフロアサイドメンバとの固着部分に固着
されたスプリングブラケツトを具備したことを特
徴とする自動車におけるサスペンシヨン取付部ボ
デイー構造を要旨とする。

本考案によれば、前記スプリングブラケツトと
ホイルハウスインナとリヤフロアサイドメンバと
により閉断面が形成されると共に、前記リヤフロ
アクロスメンバの両端に取付けられたハツト型断
面の前記エキステンシヨンが、前記リヤフロアパ
ン、リヤフロアサイドメンバ及びリヤホイルハウ
スインナの各内側面に亘つて固着され、更に前記
リヤホイルハウスインナの内側面に上下方向に亘
つて固着されたハツト型断面の前記ステイフナと
前記エキステンシヨンとの対向端部が互いに固着
されているので、スプリングブラケツトから車体
へ入力される振動及び入力は、リヤホイルハウス
インナ、リヤフロアパン、リヤフロアサイドメン
バ、エキステンシヨン、リヤフロアクロスメンバ
及びステイフナに分散して伝達されるので、リヤ
フロアパンの振動による騒音を効果的に低減でき
ると共に、各部材間の各固着部に極所的に応力が
集中することも低減でき、したがつて前記従来構
造の問題点を大幅に改善することができる。

しかも本考案においては、前記エキステンシヨ
ンのフランジの一部が前記リヤフロアサイドメン
バ及びリヤホイルハウスインナから離隔されて作
業孔が形成されているので、前記エキステンシヨ
ンと前記ステイフナとのスポツト溶接及び前記リ
ヤホイルハウスインナと前記リヤフロアサイドメ
ンバとの間のシール加工を前記作業孔から容易に
施すことができる。

以下本案を図示の実施例について説明する。

１はリヤフロアパン４の側縁部に沿つて固着さ
れ外縁部が斜め上方に向けて延びたリヤフロアサ
イドメンバ、２は同メンバ１の外縁部に固着され
たリヤホイルハウスインナ、３はリヤフロアパン
４上に固着され車幅方向に延びたリヤフロアクロ
スメンバである。

リヤフロアクロスメンバ３の端部には外側斜上
方に指向して延びるリヤフロアクロスメンバエキ
ステンシヨン５が固着され、同エキステンシヨン
５はフロアパン４、リヤフロアサイドメンバ１及
びリヤホイルハウスインナ２の各内側面に亘つて
固着されている。また、リヤホイルハウスインナ
２の内側面には上下方向に延びるステイフナ６が
固着されており、同ステイフナ６とクロスメンバ
エキステンシヨン５との対向端部は互いに固着さ
れている。

クロスメンバエキステンシヨン５は、リヤフロ
アパン４、リヤフロアサイドメンバ１及びリヤホ
イルハウスインナ２の内側面に亘つて固着された
フランジを両側部に有するハツト型断面を成し、
ステイフナ６はホイルハウスインナ２の内側面に
固着されたフランジを両側部に有するハツト型断
面を成している。なお、第１図及び第２図におい
て、後述する符号１４及び１５を除く斜線部分
は、クロスメンバエキステンシヨン５及びステイ
フナ６に関する固着部分を示している。

前記リヤホイルハウスインナ２の外側面にはシ
ヨツクアブソーバブラケツト７が取付けられ、同
ブラケツト７にシヨツクアブソーバ８の上端がピ
ン９を介して取付けられる。リヤフロアサイドメ
ンバ１の下面には補助サイドメンバ１０が固着さ
れており、同補助サイドメンバ１０はリヤフロア
サイドメンバ１とリヤホイルハウスインナ２との
固着部に対し間〓を保つた状態で外方へ延びたフ
ランジ１０ａを有している。一方、リヤホイルハ
ウスインナ２の下端部はリヤフロアサイドメンバ
１との接合部よりも下方へ延長されている。補助
サイドメンバ１０のフランジ１０ａの下面に固着
されたスプリングブラケツト１１は、図に明らか
なように、一端部をリヤホイルハウスインナ２に
おける該延長された下端部に固着され他端部をリ
ヤフロアパン４とリヤフロアサイドメンバ１との
固着部分に固着されている。そして、同ブラケツ
ト１１にはサスペンシヨン部のコイルスペリング
１２の上端が取付けられている。なお、符号１３
は、補助サイドメンバ１０におけるリヤフロアサ
イドメンバ１に対する固着部分とフランジ１０ａ
との間に介装されたスプリングサポートリインフ
オースメントである。

また、クロスメンバエキステンシヨン５及びス
テイフナ６におけるリヤフロアサイドメンバ１及
びリヤホイルハウスインナ２に対し固着される前
述の各フランジは、同各フランジとリヤフロアサ
イドメンバ１とリヤホイルハウスインナ２とによ
つて囲まれる作業孔１４を形成すべく、その一部
が同リヤフロアサイドメンバ１及びリヤホイルハ
ウスインナ２から離隔されている。なお、図中１
５はリヤフロアサイドメンバ１とリヤホイルハウ
スインナ２との接合部シール部、１６はリヤフロ
アクロスメンバ３に設けられたシートベルトのア
ンカボルト取付孔、１７はシートバツククロスパ
ネル、１８はトランクルーム側のフロアパン４の
凹所（図示されてない）に載置されるスペアタイ
ヤである。

図示のボデイー構造は前記のように構成されて
いるので、スプリングブラケツト１１とホイルハ
ウスインナ２とリヤフロアサイドメンバ１とによ
り閉断面が形成されると共に、リヤフロアクロス
メンバ３の両端に取付けられたハツト型断面のク
ロスメンバエキステンシヨン５が、リヤフロアパ
ン４、リヤフロアサイドメンバ１及びリヤホイル
ハウスインナ２の各内側面に亘つて固着され、更
にリヤホイルハウスインナ２の内側面に上下方向
に亘つて固着されたハツト型断面のステイフナ６
とクロスメンバエキステンシヨン５との対向端部
が互いに固着されているので、スプリングブラケ
ツト１１から車体へ入力される振動及び入力は、
リヤホイルハウスインナ２、リヤフロアパン４、
リヤフロアサイドメンバ１、クロスメンバエキス
テンシヨン５、リヤフロアクロスメンバ３及びス
テイフナ６に分散して伝達されるので、リヤフロ
アパン４の振動による騒音を効果的に低減できる
と共に、各部材間の各固着部に極所的に応力が集
中することも低減でき、したがつて前記従来構造
の問題点を大幅に改善することができる。

しかも本考案においては、スプリングブラケツ
ト１１の取付部が、補助サイドメンバ１０及びリ
インフオースメント１３により補強されているの
で、前述の効果を一層優れたものとすることがで
きる。

また、クロスメンバエキステンシヨン５及びス
テイフナ６が作業孔１４を設けるべく形成されて
いるので、同孔内より工具を挿入して前記両部材
５，６のスポツト溶接、リヤホイルハウスインナ
２とリヤフロアサイドメンバ１との間のシール加
工を施すことができる。

また更に、前記したように剛強なボデー構造が
構成されるので、前記リヤフロアクロスメンバ３
におけるアンカボルト取付孔１６に装着されたア
ンカボルトによつて碇止されたシートベルトの強
度を増大しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々本案に係る自動車にお
けるサスペンシヨン取付部ボデイー構造の一実施
例を示す車体前方側並に車体側方よりみた斜面
図、第３図はその縦断面図、第４図及び第５図は
夫々第３図の矢視−図並に矢視−図であ
る。 １……リヤフロアサイドメンバ、２……リヤホ
イルハウスインナ、３……リヤフロアクロスメン
バ、４……リヤフロアパン、５……リヤフロアク
ロスメンバエキステンシヨン、６……ステイフ
ナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤフロアパンと、同リヤフロアパンの側縁部
   に沿つて固着され外縁部が斜め上方に指向して延
   びたリヤフロアサイドメンバと、前記リヤフロア
   サイドメンバの外縁部に固着されたホイルハウス
   インナと、前記リヤフロアパン上に固着され車幅
   方向に延びたリヤフロアクロスメンバとを備え、
   前記リヤフロアクロスメンバの端部に外側斜上方
   に指向して取付けられたリヤフロアクロスメンバ
   エキステンシヨンを、前記リヤフロアパン、前記
   リヤフロアサイドメンバ及び前記リヤホイルハウ
   スインナの各内側面に亘つて固着するとともに、
   同リヤホイルインナの内側面にその上下方向に亘
   つて固着されたステイフナと前記リヤクロスメン
   バエキステンシヨンとの対向端部を互いに固着し
   てなるボデー構造において、前記エキステンシヨ
   ンは、前記リヤフロアパン、リヤフロアサイドメ
   ンバ及びリヤホイルハウスインナの内側面に亘つ
   て固着されたフランジを両側部に有するハツト型
   断面をなし、前記ステイフナは、前記ホイルハウ
   スインナの内側面に固着されたフランジを両側部
   に有するハツト型断面をなし、更に前記エキステ
   ンシヨンのフランジは、同フランジと前記リヤフ
   ロアサイドメンバと前記リヤホイルハウスインナ
   とによつて囲まれる作業孔を形成するように一部
   が同リヤフロアサイドメンバ及びリヤホイルハウ
   スインナから離隔され、前記リヤホイルハウスイ
   ンナの下端部はリヤフロアサイドメンバとの接合
   部よりも下方へ延長され、更に同リヤホイルハウ
   スインナにおける該延長された下端部に一端部を
   固着され他端部を前記リヤフロアパンと前記リヤ
   フロアサイドメンバとの固着部分に固着されたス
   プリングブラケツトを具備したことを特徴とする
   自動車におけるサスペンシヨン取付部ボデー構
   造。