JPH0423708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両のシートブラケツト構造に関す
る。

（従来の技術） シートは一般に、車幅方向及び前後方向に間隔
をおいた複数のシート側取付部を有する。またフ
ロアパネル上には前記シート側取付部に対応して
シートブラケツトが突設される。そしてシート
は、シート側取付部を対応するシートブラケツト
に取付けることでフロアパネル上に配設される
が、シートを支持する関係上、シートブラケツト
は無論のことシートブラケツトの支持部分には所
定の強度、剛性が要求される。

そのため従来、例えばフロントシートにあつて
は第７図に示すように、ボデイ１０１のフロアパ
ネル１０３の前部に、センタートンネル１０５と
サイドシル１０７とにわたつてクロスメンバー１
０９を架設し、該クロスメンバー１０９をシート
ブラケツトとして用い、またクロスメンバー１０
９の後方におけるフロアパネル１０３上にセンタ
ートンネル１０５とサイドシル１０７に夫々近接
させてシートブラケツト１１１，１１３を配設
し、センタートンネル１０５やサイドシル１０７
の強度、剛性を利用して前後のシートブラケツト
１０９，１１１，１１３部分の強度、剛性を確保
するようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら斯かる従来構造では、特に後方の
シートブラケツト１１１，１１３は単にセンター
トンネル１０５やサイドシル１０７に近接して配
設されているのみであるので、シートブラケツト
１１１，１１３部分の強度、剛性を確保するた
め、シートブラケツト１１１，１１３自体が大型
化し重量増となる不具合がある。また、車幅外方
で後方のシートブラケツト１１３がサイドシル１
０７に近接して配設されるため、該シートブラケ
ツト１１３に取着される例えば車幅外方のシート
レール１１５はサイドシル１０７に近接して配設
されることになる。そのため、ドアを開けるとシ
ートレール１１５が外方から見えてしまい、車室
内の外観性を損なう不具合がある。

本考案は前記事情に鑑み案出されたものであつ
て、本考案の目的とする処は、シートブラケツト
のコンパクト化、軽量化を図り、また支持強度、
剛性を確保しつつ車幅外方のシートブラケツトを
車幅内方に寄せて設けることができ、ドアを開け
た場合シートレール等を外方から見えにくくし、
車室内の外観性を高めることができる車両のシー
トブラケツト構造を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、シートブラ
ケツト１５を、取付座面１５１と、取付座面１５
１の前後から夫々下方に延出する前後の脚片部１
５２，１５３と、取付座面の左右から夫々下方に
延出する左右の脚片部１５４，１５５とで構成し
て断面を略凸状に形成し、シートブラケツト１５
の取付座面１５１をフロアパネル５の取付面１９
Ａの下面に当接し、フロアパネル５下面に配設さ
れた補強メンバー１３の底面部１３１に前後の脚
片部１５２，１５３の取付片１５７を、補強メン
バー１３の取付面部１３３に形成した段部１４に
左右の脚片部１５４，１５５を夫々固着してシー
トブラケツト１５をフロアパネル５下面に配設
し、 前記フロアパネル５の取付面１９Ａとシートブ
ラケツト１５の取付座面１５１とでシートの取付
部３１を形成した。

（作用） シートブラケツト１５を既設の補強メンバー１
３を利用して設け、また取付部３１をフロアパネ
ル５を利用して構成し、更にはシートブラケツト
１５自体の構造によつて支持強度、剛性を確保し
つつシートブラケツト１５のコンパクト化、軽量
化を図る。また車幅外方のシートブラケツト１５
に本考案を適用した場合には、支持強度、剛性を
確保しつつシートブラケツト１５をサイドシル１
０７から離間して配設でき、ドアを開けた場合シ
ートレール２３等を外方から見えにくくし車室内
の外観性を高める。

（実施例） 以下、本考案の好適一実施例を添付図面に従つ
て説明する。

第１図はフロアパネル部分の斜視図、第２図は
補強メンバーにシートブラケツトが取付けられた
状態の側面図、第３図は同平面図、第４図はシー
トブラケツトの平面図、第５図及び第６図は夫々
第４図の矢視、矢視図を示す。

１はボデイで、ボデイ１のトンネル部３の両側
にはフロントフロアパネル５，５が形成され、フ
ロアパネル５の車幅外側にはサイドシル７が設け
られている。

フロアパネル５上にはトンネル部３とサイドシ
ル７にわたつてクロスメンバー９が設けられ、ク
ロスメンバー９の後方で車幅内方にはシートブラ
ケツト１１が設けられ、シートブラケツト１１は
シートブラケツト内側部をトンネル部３の側面３
Ａに、下面をフロアパネル５に夫々溶着して配設
されている。

１３は補強メンバーで、補強メンバー１３はト
ンネル部３とサイドシル７間におけるフロアパネ
ル５の中間部の下面に前後に延出して設けられ、
後部１３Ａは車幅外方に向けて湾曲状に延出され
ている。補強メンバー１３はフロアパネル５の強
度、剛性を確保し、また制振等の目的で設けられ
ている。

前記補強メンバー１３は断面がほぼ凹字状で、
底面部１３１と、左右の側面部１３２，１３２
と、左右の側面部１３２，１３２から屈曲された
取付面部１３３，１３３とを備え、取付面部１３
３，１３３がフロアパネル５下面に溶着されてい
る。前記補強メンバー１３の後部１３Ａにおける
取付面部１３３，１３３には前傾斜部１４１と後
傾斜部１４２とからなる段部１４が形成されてい
る。

車幅外方で後方に配設するシートブラケツト１
５は平坦状の取付座面１５１と、取付座面１５１
の前後から夫々下方に延出する前後の脚片部１５
２，１５３と、取付座面１５１の左右から夫々斜
め下方に延出する左右の脚片部１５４，１５５と
で構成し、断面を略凸状に形成する。

前記取付座面１５１の下面にはナツト部材１７
を溶着し、前後の脚片部１５２，１５３の下端に
は夫々取付片１５７を形成し、左右の脚片部１５
４，１５５の外端には傾斜前部１５８Ａと傾斜後
部１５８Ｂからなる取付片１５８を夫々形成す
る。

前記シートブラケツト１５は、前後の脚片部１
５２，１５３の取付片１５７，１５７を補強メン
バー１３の底面部１３１に溶着し、取付片１５
８，１５８の傾斜前部１５８Ａ，１５８Ａを補強
メンバー１３の前傾斜部１４１，１４１に重ね、
傾斜後部１５８Ｂ，１５８Ｂを後傾斜部１４２，
１４２に溶着することで補強メンバー１３に取付
ける。

フロアパネル５の前記シートブラケツト１５に
対応する箇所には突部１９を形成し、突部１９の
上面に平坦状の取付面１９Ａを形成する。

補強メンバー１３と、シートブラケツト１５
と、フロアパネル５とはフロアパネル５の取付面
１９Ａの下面にシートブラケツト１５の取付座面
１５１を当接させ、シートブラケツト１５の傾斜
前部１５８Ａ部分をスポツト溶接して接合する。

前記フロアパネル５の取付面１９Ａとシートブ
ラケツト１５の取付座面１５１とでシートの取付
部３１が構成され、実施例では前記取付座面１５
１は補強メンバー１３の取付面部１３３よりも上
方に位置させている。尚図面中１６１，１６３は
前後脚片部１５２，１５３に形成された屈曲片を
示す。

シートは左右一対のシートレール２１，２３を
介してフロアパネル５上に前後調節動自在に配設
する。

車幅内方に配設されるシートレール２１は前部
及び後部を前記クロスメンバー９とシートブラケ
ツト１１に夫々ボルト２５，２６で取着すること
でフロアパネル５上に設ける。

車幅外方に配設されるシートレール２３は前部
を前記クロスメンバー９に載置し、取付部２３Ａ
をクロスメンバー９の前面部９Ａにボルト２７で
固定する。

シートレール２３の後部は平坦状の取付部２３
Ｂを前記取付面１９Ａに載置し、ボルト２９及び
前記ナツト部材１７により取付部２３Ｂをフロア
パネル５と共にシートブラケツト１５に共締め固
定する。

本実施例は前記のように構成したので、車幅外
方に配設されるシートレール２３の前部はクロス
メンバー９を介して支持強度、剛性が確保され、
シートレール２３の後部はシートブラケツト１
５、フロアパネル５、既設の補強メンバー１３に
よつて支持強度、剛性が確保される。

また、シートレール２３の後部をフロアパネル
５と、シートブラケツト１５とにより構成した取
付部３１で支持し、且つシートブラケツト１５自
体も前後の脚片部１５２，１５３により略凸状に
形成したので、シートの支持強度、剛性を確保し
つつシートブラケツト１５のコンパクト化、軽量
化を図ることができる。

また、車幅外方に配設するシートレール２３の
後部を補強メンバー１３、シートブラケツト１５
を介してフロアパネル５に取付けるようにしたの
で、シートレール２３をサイドシル７とは離間し
て車幅内方に寄せて配設でき、従つてドアをあけ
た場合もシートレール２３を外方から見えにくく
して車室内の外観性を高めることができる。

尚、シートブラケツト１５の形状、取付構造等
は実施例のものに限定されず任意で、例えばシー
トブラケツト１５は左右の脚片部１５２，１５３
を補強メンバー１３の側面部１３２，１３２に
夫々溶接して補強メンバー１３から起設するよう
にしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
シートブラケツトのコンパクト化、軽量化を図る
ことができる。また車幅外方のシートブラケツト
に本考案を適用すれば、支持強度、剛性を確保し
つつシートブラケツトをサイドシルから離間して
配設でき、従つてドアを開けた場合シートレール
等を外方から見えにくくして車室内の外観性を高
めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフロアパネル部分の斜視図、第２図は
補強メンバーにシートブラケツトが取付けられた
状態の側面図、第３図は同平面図、第４図はシー
トブラケツトの平面図、第５図及び第６図は夫々
第４図の矢視、矢視図、第７図は従来構造の
斜視図である。 尚、図面中１はボデイ、３はトンネル部、５は
フロントフロアパネル、７はサイドシル、９はク
ロスメンバー、１１，１５はシートブラケツト、
１３は補強メンバー、２１，２３はシートレール
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フロアパネルに配設される車両のシートブラケ
   ツトにおいて、 前記シートブラケツトを、取付座面と、取付座
   面の前後から夫々下方に延出する前後の脚片部
   と、取付座面の左右から夫々下方に延出する左右
   の脚片部とで構成して断面を略凸状に形成し、 前記シートブラケツトの取付座面をフロアパネ
   ルの取付面の下面に当接し、フロアパネル下面に
   配設された補強メンバーの底面部に前後の脚片部
   の取付片を、補強メンバーの取付面部に形成した
   段部に左右の脚片部を夫々固着してシートブラケ
   ツトをフロアパネル下面に配設し、 前記フロアパネルの取付面とシートブラケツト
   の取付座面とでシートの取付部を形成したことを
   特徴とする車両のシートブラケツト構造。