JP2532384Y2 - 自動車用ジャッキマウンティングブラケット取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、ジャッキを保持するマウンティングブラ
ケットを、車体のリヤピラーインナとフロアーサイドと
の間に取り付ける構造に関するものである。

［従来の技術］ 従来のこの種のものとしては、例えば第１従来例とし
て第４図および第５図、第２従来例として第６図および
第７図に示すようなものがある。図中符号１はリヤフェ
ンダー、符号２はリヤピラーインナで、この両者の間に
ジャッキを保持するマウンティングブラケット３がピラ
ー側ステイ４およびフェンダー側ステイ５を介して支持
されている。

このピラー側ステイ４は、水平断面が略Ｌ字状を呈
し、ボルト６・ナット７を介してリヤピラーインナ２の
後端部に固定されると共に、マウンティングブラケット
３にスポット溶接されている。

また、フェンダー側ステイ５は、水平断面がハット型
を呈し、リヤフェンダ１にスポット溶接されると共に、
マウンティングブラケット３にボルト８・ナット９によ
り固定されている。

一方、第６図および第７図に示す第２従来例は、上記
フェンダー側ステイ５の代わりに、フロア側ステイ10が
設けられており、このマウンティングブラケット３はリ
ヤフェンダ１とフロアサイド11との間に支持されてい
る。

つまり、このフロア側ステイ10は、下端部10aがフロ
アサイド11の縦壁部11aにスポット溶接される一方、こ
のステイ10の上端部10bがマウンティングブラケット３
にボルト12・ナット13により固定されている。

図中符号14はリヤサイドメンバである。

なお、他のこの種のものとしては、例えば実開平２−
49660号公報に記載されたようなものがある。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような従来のものにあっては、第
１従来例では、マウンティングブラケット３の左右の振
れに対して、リヤフェンダ１とフェンダー側ステイ５と
のスポット溶接方向が剥離方向となっているため、スポ
ット溶接が剥がれたり亀裂が発生する虞があると共に、
リヤフェンダ１の外観にも影響を与える。

また、第２従来例では、同じくマウンティングブラケ
ット３の左右の振れに対してフロアサイド11とフロア側
ステイ下端部10aとのスポット溶接も剥離方向となって
いるため、スポット溶接が剥がれたり亀裂が発生する虞
がある。

［課題を解決するための手段］ この考案は、かかる従来の課題に着目してなされたも
ので、ジャッキを保持するマウンティングブラケット
を、ピラー側ステイとフロア側ステイとを介してリヤピ
ラーインナとフロアサイドとの間に支持するジャッキマ
ウンティングブラケット取付構造において、前記フロア
サイドにエンボス部を設け、該エンボス部内のリヤピラ
ーインナ面と略直交する面にフロア側ステイの下端部を
固定し、該フロア側ステイの上端部を、前記マウンティ
ングブラケットに固定した自動車用ジャッキマウンティ
ングブラケット取付構造としたことを特徴としている。

［作用］ かかる手段によれば、マウンティングブラケットに車
幅方向の振れが生じた場合には、この荷重は、ピラー側
ステイおよびフロア側ステイを介してリヤフェンダーお
よびフロアサイドで負担されることになる。

この際、フロア側ステイは下端部が、フロアサイドの
エンボス部のリヤピラーインナと直交する面に取り付け
られていることから、従来と異なり、スポット溶接部位
に剥離が生じることがなく、支持強度を確保することが
できる。

また、フロア側ステイの下端部は、フロアサイドのエ
ンボス部に取り付けることにより、この点においてもマ
ウンティングブラケットの支持強度が向上する。

［実施例］ 以下、この考案を実施例に基づいて説明する。

第１図ないし第３図はこの考案の一実施例を示す図で
ある。この説明において、従来と同一ないし均等な部位
又は部材については同一符号を付して説明する。

まず構成を説明すると、図中符号１は、リヤフェンダ
で、この内側にはリヤピラーインナ２が配設され、この
リヤピラーインナ２とリヤフェンダ１には、フロアサイ
ド21の両端部の縦壁部21aが接合されている（第２図参
照）。また、このフロアサイド21の下面側には、車両前
後方向に沿ってリヤサイドメンバ14が固定されている。

そして、このリヤピラーインナ２の後端部とフロアサ
イド21の間に、ピラー側ステイ４およびフロア側ステイ
22を介してマウンティングブラケット３が支持されてい
る。

詳しくは、フロアサイド21には両端部にエンボス部21
bが形成され、このエンボス部21bの車幅方向に沿う（リ
ヤピラーインナ２と直交する）取付面21cが形成されて
いる。

フロア側ステイ22は、断面が大略コ字状を呈し、下端
部22aがフロアサイド21の取付面21cにスポット溶接さ
れ、上端部22bがマウンティングブラケット３の車両前
後方向に沿う面、つまり、リヤピラーインナ２と直交す
る取付面3aにボルト23・ナット24により取り付けられて
いる。

また、ピラー側ステイ４は、水平断面がＬ字状を呈
し、車両前後方向に沿う前後方向壁面部4aが、リヤピラ
ーインナ２にボルト６・ナット７により固定されると共
に、車幅方向に沿う車幅方向壁面部4bが、マウンティン
グブラケット３の取付面3aにスポット溶接されている。

このマウンティングブラケット３には、内部にジャッ
キが保持されるようになっている。

次に、かかる構成よりなる自動車用ジャッキマウンテ
ィングブラケット取付構造の作用について説明する。

ジャッキの重さにより、マウンティングブラケット３
が車幅方向に振れると、この荷重は、ピラー側ステイ４
およびフロア側ステイ22を介してリヤフェンダ１および
フロアサイド21に伝達される。

この場合、フロア側ステイ22にあっては、上端部22b
および下端部22aがそれぞれリヤピラーインナ２と直交
する面に取り付けられているため、その荷重は、その取
付部位において、せん断方向に作用することになり、ス
ポット溶接強度が向上する。

なお、ピラー側ステイ４は、車幅方向壁面部4bがリヤ
ピラーインナ２と直交する面に溶接されているため、こ
の部位においても専断方向の力が作用することになる。

しかも、エンボス部21bを設け、このエンボス部21b内
にフロア側ステイ22の下端部22aを溶接することによ
り、この溶接位置を、従来よりリヤサイドメンバ14に接
近させることができ、フロア側ステイ22の下端部22aの
取付け強度が向上することとなる。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、この考案によれば、フロア
サイドにエンボス部を設け、このエンボス部内のリヤピ
ラーインナ面と略直交する面にフロア側ステイの下端部
を固定し、このフロア側ステイの上端部を、マウンティ
ングブラケットに固定することにより、ジャックマウン
トブラケットの左右の振れに対して、フロアサイドとレ
インフォースとのスポット溶接部分はせん断方向の荷重
を受けることになり、スポット強度が向上すると共に、
エンボス部にフロア側ステイの下端部を取り付けること
により、この下端部の取付け強度も向上する、という実
用上有益な効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の自動車用ジャッキマウ
ンティングブラケット取付構造の一実施例を示す図で、
第１図は車体の一部を示す斜視図、第２図は第１図の要
部の鉛直方向に沿う断面図、第３図は第１図の要部の水
平方向に沿う断面図、第４図および第５図は第１従来例
を示す図で、第４図は分解斜視図、第５図は第４図のＶ
−Ｖ線に沿う断面図、第６図および第７図は第２従来例
を示す図で、第６図は第４図に相当する斜視図、第７図
は第６図のVII−VII線に沿う断面図である。 ２……リヤピラーインナ ３……マウンティングブラケット 3a……取付面（リヤピラーインナ面と略直交する面） ４……ピラー側ステイ 21……フロアサイド 21b……エンボス部 21c……取付面（リヤピラーインナ面と略直交する面） 22……フロア側ステイ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ジャッキを保持するマウンティングブラケ
   ットを、ピラー側ステイとフロア側ステイとを介してリ
   ヤピラーインナとフロアサイドとの間に支持するジャッ
   キマウンティングブラケット取付構造において、 前記フロアサイドにエンボス部を設け、該エンボス部内
   のリヤピラーインナ面と略直交する面にフロア側ステイ
   の下端部を固定し、該フロア側ステイの上端部を、前記
   マウンティングブラケットに固定したことを特徴とする
   自動車用ジャッキマウンティングブラケット取付構造。