JPS639451Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車体フロアパネルのトンネル部にお
いて変速機を支持するようにした自動車の変速機
支持装置に関するものである。

〔従来技術〕

一般に、後輪駆動自動車の変速機は、フロアパ
ネルの中央部に上方に突出形成されたトンネル内
に収容され、該トンネル部に支持されている。と
ころで上記変速機は相当に重いものであり、これ
を支持する上記トンネル部には大きな荷重が作用
することとなり、該トンネル部にはかなりの強度
が要求される。

そこで、従来、上記トンネル部の強度を向上せ
しめるようにしたものとして、実開昭56−73977
号公報に記載されているように、トンネル部下面
にレインフオースメントを固着し、該レインフオ
ースメントの両下端付近の水平部分にマウントメ
ンバーを取付け、該マウントメンバーでもつてミ
ツシヨンを支持するようにしたものがあつた。

しかしながら、この従来装置では、レインフオ
ースメントとフロアとの溶接部に主として該溶接
部を剥離する方向に力が作用するため、強度はそ
れほど向上しないものであり、またフロアに局部
変形が生じ易い等の問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、変速機支持メンバーの支持部の強
度を大きく向上でき、変速機の荷重をトンネル部
全体に分散してフロアの局部変形を防止できる自
動車の変速機支持装置を提供することを目的とし
ている。

〔考案の構成〕

本考案は、自動車の変速機支持装置において、
車体フロアのトンネル部の下面に、該トンネル部
とでフロアパネルの水平部からトンネル部にかけ
て閉断面を形成する断面Ｕ字上のレインフオース
メントを接合し、該レインフオースメントの両縦
壁部の各々に、トンネル部中心に向かつて膨出し
た突出部を有するミツシヨンブラケツトを、その
前後両側をフロアパネルに固定して取付け、上記
突出部下面に変速機支持メンバーを取付けたもの
であり、これにより上記変速機支持メンバーの支
持部を二重の閉断面構造としたものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図について説明する。

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、図において、１は車体フロアパネルであり、
該フロアパネル１の中央部には、横断面Ｕ字状で
上方に突出し、かつ車体前後（紙面に垂直）方向
に延びたトンネル部１ａが形成されている。

上記トンネル部１ａの下面には、レインフオー
スメント２が固着されている。該レインフオース
メント２は、その側面は上記トンネル部１ａと同
じく略Ｕ字状をなし、該トンネル部１の下面に沿
つて車幅（図示左右）方向に延び、その左，右端
部には左，右のフランジ部２ａが一体形成されて
おり、該左，右のフランジ部２ａはフロアパネル
１の水平部１ｂの下面に固着されている。また該
レインフオースメント２の横断面はＵ字状をにな
つており、その前，後端部には前，後のフランジ
部２ｂが一体形成されており、該前，後のフラン
ジ部２ｂはフロアパネル１のトンネル部１ａの下
面に固着され、これによりフロアパネル１とレイ
ンフオースメント２とで第１の閉断面３が形成さ
れている。

また、上記レインフオースメント２の左，右の
縦壁部２ｃ部分、ひいては上記トンネル部１ａの
左，右の縦壁部１ｃには、ミツシヨンブラケツト
４，５が各々取付られている。該ミツシヨンブラ
ケツト４，５は上記レインフオースメント２と同
様の前，後のフランジ部４ａ，５ａを有する横断
面Ｕ字状のもので、該フランジ部４ａ，５ａはレ
インフオースメント２のフランジ部２ｂあるいは
フロアパネル１にスポツト溶接により固着されて
いる。また該ミツシヨンブラケツト４，５の中央
付近には、トンネル部１ａの中心側に向かつて膨
出した突出部４ｂ，５ｂが一体形成されており、
該突出部４ｂ，５ｂの各々と上記レインフオース
メント２及びフロアパネル１とで第２の閉断面６
が形成されている。

そして上記ミツシヨンブラケツト４，５の突出
部４ｂ，５ｂの下面４ｃ，５ｃには、変速機支持
メンバー７の左，右端部が取付ボルト８により締
付固着されている。該変速機支持メンバー７は横
断面コ字状のもので、その底面上には、防振用ラ
バー１０ａを有する変速機取付台１０が固着され
ており、該変速機取付台１０上には変速機９が取
付けられている。

次に本実施例装置の作用効果を説明する。

本実施例装置において、変速機９の重量は、変
速機支持メンバー７及びミツシヨンブラケツト
４，５からレインフオースメント２を介して、及
び直接フロアパネル１の主としてトンネル部１ａ
に伝えられる。そして変速機支持メンバー７の支
持部である突出部４，５付近は、第１の閉断面３
及び第２の閉断面６からなる二重の閉断面構造と
なつているため、強度が非常に大きくなつてお
り、また、上記変速機９の重量は上記ミツシヨン
ブラケツト４，５及びレインフオースメント２を
介してフロアパネル１に広く分散されるため、フ
ロアパネル１のトンネル部１ａに局部変形が生じ
るのを防止できる。さらにまた、上記変速機９の
重量を主としてトンネル部１ａの両縦壁部１ｃで
もつて負担しているため、上記重量はスポツト溶
接の剥離方向と略直角方向に作用し、従つてスポ
ツト溶接部が剥離してしまうこともない。

〔考案の効果〕

以上のように本考案に係る自動車の変速機支持
装置によれば、トンネル部下面に接合されフロア
パネルの水平部からトンネル部にかけて閉断面を
形成するレインフオースメントの両縦壁部の各々
に、トンネル部の中心側に膨出した突出部を有す
るミツシヨンブラケツトを、その前後両側をフロ
アパネルに固定して取付け、上記突出部に変速機
支持メンバーを取付け、さらに該支持メンバーの
支持部を２重の閉断面構造としたので、支持強度
を大きく向上できる効果があり、また変速機から
の荷重を分散してトンネル部の局部変形を防止で
きる効果がある。さらにトンネルレインフオース
メントによつて閉断面が車幅方向に延びているた
め、ミツシヨンブラケツトの取付け位置を自由に
設定でき、例えばこれをトンネル部の縦壁部分に
設けることも可能となり、フロアパネル下面から
の下方への突出量を小さくすることができ、この
結果最低地上高の関係から車両の車高を低くする
こともできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による自動車の変速
機支持装置の断面正面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は第１図の−線断面図で
ある。 １……車体フロアパネル、１ａ……トンネル
部、１ｃ……縦壁部両側部分、２……レインフオ
ースメント、４，５……ミツシヨンブラケツト、
４ａ，５ａ……突出部の前後両側、４ｂ，５ｂ…
…突出部、４ｃ，５ｃ……突出部下面、７……変
速機支持メンバー、９……変速機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フロアパネルの中央部に上方に突出しかつ
   前後方向に延びたトンネル部が形成され、該トン
   ネル部の下面に沿い、かつフロアパネルの水平部
   まで車幅方向に延びて閉断面を形成する断面Ｕ字
   状のトンネルレインフオースメントが接合され、
   上記トンネル部の縦壁部両側部分のトンネルレイ
   ンフオースメントにはミツシヨンブラケツトがそ
   れぞれ取付けられており、上記ミツシヨンブラケ
   ツトにはトンネル部中心側に向かつて膨出し該ミ
   ツシヨンブラケツトとトンネルレインフオースメ
   ントとで二重の閉断面を構成する突出部が形成さ
   れ、該突出部の前後両側はフロアパネルに固定さ
   れ、上記突出部下面に変速機を支持した変速機支
   持メンバーが固定されていることを特徴とする自
   動車の変速機支持装置。