JP4176381B2 - 車両用シートのスライド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用シート(座席)の前後位置を調節するためのスライド装置、詳しくは車床面からの高さが低いスライド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、例えばシートの前後調節範囲が広いスライド装置は、シート側のアッパーレールを車床側に固着するスライド自在に嵌合する長尺状のロアレールの高さを低く形成して車内の居住性を向上している。
【0003】
従って、ロアレールの高さを低く形成するために、図5に示すように、ロアレールを車床に締結するためのブラケット2Aは、全体が平板状のものを使用し、ロアレール1にアーク溶接W、Wしている。
【0004】
図5において、図中10はロアレールを構成する平担状の底部、11、11は、底部10の左右より起立状に延設する側壁部、12、12は同上面部、13、13は同補強部を各々示し、このロアレール1内に図7に示すように、アッパーレール3がスライド自在に嵌合する。
【0005】
そして、前記ブラケット2Aはロアレール1の前後に溶接される。そしてブラケット2Aの中央部20Aにはロアレール1の底部10が載置され、左右側部23A、23Aには図7に示す車床Fにボルト25、25、ワッシャ26で締結するための通孔24A、24Aが開示されている。
【0006】
前記溶接Wは図6に示すように、ロアレール1の側壁部11における下端部をブラケット2Aにアーク溶接で行っている。図中、Tはアーク溶接のトーチ、T1は同溶接用ワイヤを示す。
【0007】
図7は以上の全体が平板状のブラケット2Aを溶接したロアレール1の車床Fに対する取付状態を示し、ロアレール1内にはローラ32、32が転動自在に装着され、このローラ32、32はアッパーレール3の垂直部30下端に横架した軸31に取付けられ、垂直部30にはシートを固定する水平状の取付部33が上端に一体に設けてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来品は図6に示すようにブラケット2Aにロアレール1をアーク溶接する際、トーチTとブラケット2Aの上面との間隔Lが狭くなるため、その溶接性が著しく悪い不具合があった。
【0009】
また、アッパーレール3からロアレール1にシートベルトのアンカー荷重が負荷された際に、ボルト25、ワッシャ26に押さえ付けられているブラケット2Aの外側部23A′、23A′と中央部20Aとの間に剪断力が働き、図8に示すように、ロアレール1が車床Fから剥離される不具合がある。
【0010】
斯る不具合を除去するため、ブラケット2A全体の板厚を厚くしたり、ブラケット2Aの高張力化を図っている。しかし板厚を増加すると、前記ロアレールの車床からの高さが高くなる。また、ブラケットの高張力化は前記溶接性が損なわれる不具合が生じる。
【0011】
そこで、本発明は斯様に全体が平板状のブラケットを溶接によってロアレールに取付けて形成するスライド装置において、ブラケットの板厚を厚くすることなく、また、高張力化したブラケットを使用することなく、しかも、前記アーク溶接の溶接性を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するための本発明に係る車両用シートのスライド装置は、アッパーレールをスライド自在に嵌合し底部が平坦状でその底部の左右より起立状に側壁部を有するロアレールと、このロアレールを上面に載置して溶接すると共に車床に締結する全体が平板状のブラケットとを有する車両用シートのスライド装置において、前記ブラケットにおけるロアレールの側壁部側の全体に、平板状のブラケットを山形状に折曲させて上方に突出させロアレールに上向きの剥離荷重がかかった場合に延伸されるビード部をロアレールの側壁部に沿って設け、該ビード部と側壁部の下端とを溶接すると共に前記ビード部の外側に位置するブラケットの締結部を車床に締結してなることを特徴とする構成である。
【0013】
以上の構成により、アーク溶接する際に、ブラケットの上面より上方に突出するビード部によってトーチとブラケット上面との間隔が広くなり、アーク溶接の溶接性が向上する。
また、シートベルトのアンカー荷重がロアレールに入力されると、ビード部は山形状に折曲されているため、上方に延伸され、即ち、ビード部によって引張り荷重が生じ、ブラケットが剪断されない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
図1、図2は本発明の要部を示し、図中図5と同一符号は同一部材を示し、その説明を省略する。
【0015】
即ち、ロアレール1は従来と同様の長尺状ロアレール(ロングレール)で、車床からの高さが低くなるように、その前後がブラケット2に溶接W、Wされている。
【0016】
ブラケット2は平板状の金属板で、図1に示すように、そのブラケット2のロアレールの側壁部側全体を山形状に折曲させて形成したビード部21、21が上方に突出させて設けてあり、この左右のビード部21、21間の上面にロアレール1の底部10が載置される。
。
【0017】
従って、ビード部21、21は、ロアレール1の側壁部11、11に沿って配設され、このビード部21、21とロアレール1の側壁部11、11下端縁に沿って図2鎖線に示すようにアーク溶接によって溶接W、Wする。
【0018】
従って、ブラケット2は中央部20と、ビード部21、21の外側に位置する締結部23、23とが同一平面状に形成されているが、溶接W、W部分は締結部23、23の上面より高い位置になる。従って、ブラケット2の上面とトーチTとの間が広くなるため、前記アーク溶接の溶接性が向上する。
【0019】
なお、図1、図2において、図中24、24はボルト25の挿通孔を示す。
【0020】
図3は以上のブラケット2を溶接したロアレール1の車床Fに対する取付状態を示し、このロアレール1には従来と同様にアッパーレール3がスライド自在に嵌合される。
【0021】
アッパーレール3にはシートが載置固定されると共に着座者の身体を拘束するシートベルトのアンカー(不図示)が結着される。なお、アッパーレール3は前記従来品と同一構造のもので、図7と同一符号は同一部材を示し、その説明を省略する。
【0022】
また、ブラケット2は従来と同様にボルト25、ワッシャ26で締結部23、23が車床Fに締結され、このブラケット2の締結状態において、ブラケット2の中央部20は、締結部23、23と共に車床Fに接合している。
【0023】
図4はロアレール1にシートベルトのアンカー荷重が加わった状態を示し、ロアレール1に入力された上向きの剥離荷重によってブラケット2のビード部21が延伸されてブラケット2の中央部20がロアレール1の底部10と共に上方に持ち上がるが、ロアレール1は車床Fから離脱することがない。
【0024】
従って、ビード部21、21によってブラケット2に剪断力でなく、引張り力が働く。そのため、ブラケット2は板厚を増加させたり、高張力の金属板を使用する必要がない。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、ロアレールを溶接し車床に締結するブラケットに上向きにビード部を設け、このビード部とロアレールの側壁部の下端とを溶接しているため、アーク溶接の溶接性が前記従来品に対して向上し、また、ブラケットの板厚を厚くしたりしてブラケット自体を強化することなく、ロアレールに入力されるシートベルトのアンカー荷重に対処できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部を示す斜視図である。
【図2】図1のIIーII線断面図である。
【図3】図1に示すスライド装置の取付状態を示す正面図である。
【図4】図3の状態で、ロアレールに剥離荷重が加わった状態の正面図である。
【図5】従来品の部分斜視図である。
【図6】図5に示すロアレールのブラケットに対する溶接方法を示す部分拡大断面図である。
【図7】図5の取付状態を示す正面図である。
【図8】図7の状態より、ロアレールに剥離荷重が加わった状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ロアレール
2 ブラケット
10 ロアレールの底部
11 ロアレールの側壁部
11 ロアレールの側壁部
21 ビード部
21 ビード部
Claims (1)
- アッパーレールをスライド自在に嵌合し底部が平坦状でその底部の左右より起立状に側壁部を有するロアレールと、このロアレールを上面に載置して溶接すると共に車床に締結する全体が平板状のブラケットとを有する車両用シートのスライド装置において、
前記ブラケットにおけるロアレールの側壁部側の全体に、平板状のブラケットを山形状に折曲させて上方に突出させロアレールに上向きの剥離荷重がかかった場合に延伸されるビード部をロアレールの側壁部に沿って設け、該ビード部と側壁部の下端とを溶接すると共に前記ビード部の外側に位置するブラケットの締結部を車床に締結してなることを特徴とする車両用シートにおけるスライド装置。
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