JPS61266435A - 導電性有機重合体薄膜の製造方法 - Google Patents

導電性有機重合体薄膜の製造方法

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JPS61266435A
JPS61266435A JP60109988A JP10998885A JPS61266435A JP S61266435 A JPS61266435 A JP S61266435A JP 60109988 A JP60109988 A JP 60109988A JP 10998885 A JP10998885 A JP 10998885A JP S61266435 A JPS61266435 A JP S61266435A
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JP
Japan
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polymer
thin film
aniline
oxidizing agent
conductive organic
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Pending
Application number
JP60109988A
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English (en)
Inventor
Shohei Tamura
田村 正平
Yoshimi Yumoto
湯本 恵視
Sadamitsu Sasaki
佐々木 貞光
Masao Abe
正男 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な導電性有機重合体薄膜の製造方法に関し
、詳しくは、アニリン又はその誘導体の酸化重合により
得られる新規な導電性有機重合体薄膜の製造方法に関す
る。
(従来の技術) 殆どの有機物質は電気的に絶縁性であるが、しかし、有
機半導体として知られる導電性を有する有機重合体の一
群が近年、注目を集めている。一般にそれ自体が導電性
である有機物質は3種類に分類される。第1はグラファ
イトである。グラファイトは厳密には有機物質とはみな
されていないが、有機共役系の極限構造を有するとみる
こともできる。このグラファイトはそれ自体で既にかな
り高い導電性を有するが、これに種々の化合物をインタ
ーカレートすることにより、一層高い導電性を有せしめ
ることができ、遂には超電導体となる。しかし、グラフ
ァイトは二次元性が強く、成形加工が困難であるので、
その応用面において障害となっている。
第2は電荷移動錯体であって、例えば、テトラチアフル
バレンとテトラシアノキノジメタンをそれぞれ電子供与
体及び電子受容体として得られる結晶性物質は、室温で
400〜500S/alという非常に大きい電導性を有
するが、このような電荷移動錯体は重合体でないために
、実用的な応用を図るにはグラファイトと同様に成形加
工性に難点がある。
第3はポリアセチレンによって代表されるように、ドー
ピングによって高導電性を有するに至るπ電子共役系有
機重合体である。ドーピング前のポリアセチレンの電導
度は、トランス型が1O−5S/c11、シス型が10
−’S/amであり、半導体乃至絶縁体に近い性質を有
している。しかし、このようなポリアセチレンに五フッ
化ヒ素、ヨウ素、二酸化イオウ、塩化第二鉄等のような
電子受容性化合物或いはアルカリ金属のような電子供与
性化合物をドーピングすることにより、それぞれp型半
導体及びn型半導体を形成させることができ、更には1
0”S/cmもの導体レベルの高い導電性を与えること
もできる。上記ポリアセチレンは理論的には興味深い導
電性有機重合体であるが、反面、ポリアセチレンは極め
て酸化を受けやすく、空気中で容易に酸化劣化して性質
が大幅に変化する。ドーピングされた状態では一層酸化
に対して敏感であり、空気中の僅かな湿気によっても電
導度が急激に減少する。この傾向はn型半導体に特に著
しい。
また、ポリ (p−フェニレン)やポリ (p−フェニ
レンサルファイド)もドーピング前はその電導度がそれ
ぞれ10−”S/e1m及び10−IbS/csaであ
るが、例えば前記した五フッ化ヒ素をドーピングするこ
とにより、それぞれ電導度は500S/cI11及び1
3/cmである導電性有機重合体とすることができる。
これらのドーピングされた有機重合体の電気的性質も程
度の差こそあれ、やはり不安定である。
このようにドーピングされた導電性有機重合体の電気的
性質が一般に環境に対して非常に不安定であることは、
この種の導電性有機重合体に共通する現象であって、こ
れらの実用的な応用の障害となっている。
以上のように、従来より種々の有機導電性物質が知られ
ているが、その実用的な応用を展開する観点からは成形
加工性にすぐれる重合体形態が好ましい。
一方、酸化染料としてのアニリンの酸化重合体に関する
研究も、アニリンブラックに関連して古くより行なわれ
ている。特に、アニリンブラック生成の中間体として、
式(I)で表わされるアニリンの8量体がエメラルデイ
ン(emeraldine)として確認されており (
A、 G、 Green et al、、 J。
これは80%酢酸、冷ピリジン及びN、N−ジメチルホ
ルムアミドに可溶性である。また、このエメラルデイン
はアンモニア性媒体中で酸化されて、式(n)で表わさ
れるニグラニリン(nigraniline)を生成し
、これもエメラルデインと類似した溶解特性を有するこ
とが知られている。
更に、近年になって、R,Buvetらによってこのエ
メラルデインの硫酸塩が高い導電性を有することが見い
出されている(J、 PolyIwer Sci、+ 
C+ 16+2931 ; 2943(1967); 
 22.1187(1969))  。
また、既にアニリンの電解酸化重合によってエメラルデ
イン類似の有機物質を得ることができることも知られて
いる(D、 M、 Mohilner et at、、
 J。
Amer、 Chew、 Sac、、 84.3618
(1962)) 、即ち、これによれば、アニリンの硫
酸水溶液を白金電極を用い、水の電気分解を避けるため
に、標準カロメル電極に対して+0.8vの酸化電位に
て電解酸化重合し、80%酢酸、ピリジン及びN、N−
ジメチルホルムアミドに可溶性である物質が得られる。
そのほか、Diazら(J、 Electroanal
、 Chem、。
111、111(1980)や、小山ら(高分子学会予
稿集。
30+ (7)+ 1524(1981); J、 E
lectroanal、 Chem、。
161、399(1984))もアニリンの電解酸化重
合を試みているが、いずれも高分子被覆化学修飾電極を
目的としたものであって、電解はIV以下の電位で行な
っている。
更に、このような電解酸化重合によるときは、絶縁性基
板上に導電性重合体の薄膜を形成することは不可能であ
る。
(発明の目的) 本発明者らは、安定で高導電性を有する有機重合体を得
るために、アニリン及びその誘導体の酸化重合に関する
研究を鋭意重ねた結果、アニリンの酸化重合の反応条件
を選択することにより、上記エメラルデインよりも温か
に高分子量を存し、且つ、既にその酸化重合段階でドー
ピングされているために、新たなドーピング操作を要せ
ずして安定で且つ高導電性を有する有機重合体を得るこ
とができることを見出しく特願昭58−212280号
及び特願昭58−212281号)、更にその後、この
導電性有機重合体がキノンジイミン構造を主たる繰返し
単位として有する実質的に線状の高分子量重合体である
ことを見出した(特願昭59−198873号)。
このようにして得られる重合体は、上記のように従来に
ない安定性を有する特異な導電性重合体であるが、アニ
リン又はその誘導体を化学酸化剤にて酸化重合する方法
によるときは、導電性有機重合体は粉末としてのみ得る
ことができ、薄膜又は緻密なフィルムとして得ることは
困難である。
そこで、本発明者らは、上記導電性有機重合体の製造に
ついて鋭意研究した結果、このような高導電性有機重合
体を得るためには、ある群よりなる酸化剤を用いること
が好適であると共に、アニリン又はその誘導体を酸化剤
にて酸化重合させる際に、反応系に重合開始前に、又は
重合開始直後に基材を存在させておくことによって、上
記導電性重合体が基材上に薄膜として析出成長すること
を見出して、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、新規な導電性重合体薄膜の製造方法
を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、アニリン、その誘導体又はこれらの塩を化学
酸化重合して、一般式 (但し、Rは水素又はアルキル基を示す。)で表わされ
るキノンジイミン構造体を主たる繰返し単位として有す
る実質的に線状の重合体であって、ドーパントとしての
電子受容体を含み、電導度が1O−bS/am以上であ
る導電性有機重合体を製造する方法において、反応系内
に基材を存在させて、標準水素電極を基準とする還元半
電池反応における起電力として定められる標準電極電位
が0.6v以上である酸化剤にてアニリン、その誘導体
又はこれらの塩を酸化重合させ、上記基材上に上記導電
性重合体を薄膜として析出させることを特徴とする。
本発明の方法によって、アニリン、その誘導体又はこれ
らの塩を酸化重合して得られる導電性有機重合体薄膜は
、一般式 (但し、Rは水素又はアルキル基を示す、)で表わされ
るキノンジイミン構造体を主たる繰返し単位として有す
る実質的に線状の重合体であって、反応系中に存在する
電子受容体によって重合時に既にドーピングされてなる
薄膜であって、かかる電子受容体をドーパントとして含
む本発明による導電性有機重合体薄膜は、電導度が10
−63/cIm以上である。
このようなアニリン又はその誘導体の酸化重合によって
基材上に析出されてなる薄膜は、乾燥状態において、ま
た、基材より分離して粉末とした状態において、通常、
緑色乃至黒縁色を呈し、一般に導電性が高いほど、鮮や
かな緑色を呈している。しかし、基材上の薄膜を更に加
圧し、又は粉末を加圧成形したとき、通常、光沢のある
青色を示す。
本発明の方法による導電性有機重合体薄膜は水及び殆ど
の有機溶剤に不溶性であるが、通常、濃硫酸に僅かに溶
解し、又は溶解する部分を含む。
濃硫酸への溶解度は、重合体を生成させるための反応方
法及び反応条件によっても異なるが、後述するように、
アニリン、その誘導体又はこれらの塩を化学酸化剤で酸
化重合して得られる導電性有機重合体は、通常、0.2
〜10重量%の範囲であり、殆どの場合、0.25〜5
重量%の範囲である。
但し、この溶解度は、特に高分子量の重合体の場合には
、重合体が上記範囲の溶解度を有する部分を含むとして
理解されるべきである。前記したように、エメラルデイ
ンが80%酢酸、冷ピリジン及びN、N−ジメチルホル
ムアミドに可溶性であるのと著しい対照をなす。
本発明による重合体は、97%濃硫酸の0.5g/d1
溶液が30℃において0.1〜1.0の範囲の対数粘度
を有し、殆どの場合、0.2〜0.6である。この場合
においても、特に高分子量の重合体の場合には、濃硫酸
に可溶性の部分が上記範囲の対数粘度を有するとして理
解されるべきである。これに対して、同じ条件下でのエ
メラルデイン及びアニリンブラックの対数粘度はそれぞ
れ0.02及び0゜005であり、本発明による重合体
が高分子量重合体であることが示される。更に、示差熱
分析結果も本発明による重合体が高分子量重合体である
ことを示している。
本発明の方法によって得られる導電性有機重合体薄膜の
代表例として、アニリンの酸化重合によって得られた導
電性重合体の偏光反射法による赤外線吸収スペクトルを
第1図に示し、比較のためにエメラルデイン及びアニリ
ンブラック(市販顔料としてのダイヤモンド・ブラック
)の赤外線吸収スペクトルをそれぞれ第2図及び第3図
に示す。
本発明による導電性重合体薄膜の赤外線吸収スペクトル
はエメラルデインのそれに類以するが、一方において、
本発明による重合体薄膜においては、エメラルデインに
明瞭に認められる一置換ベンゼンのC−H面外変角振動
に基づく吸収が殆どみられないのに対して、バラ置換ベ
ンゼンに基づく吸収が相対的に大きい。即ち、重合体鎖
において末端に位置する一置換ベンゼンBtと、重合体
鎖において末端以外に位置するベンゼン環Bとの数的な
比率Bt/Bが小さい。しかし、本発明の方法による重
合体薄膜のスペクトルはアニリンブラックとは大幅に異
なる。従って、本発明の方法による重合体薄膜はバラ置
換ベンゼンを多数含むエメラルデイン類以の構造を有す
る。
本発明の方法によるl!導電性有機重合体薄膜、アニリ
ン又はその誘導体の酸化重合の段階で系中に存在する電
子受容体によってドーピングされており、この結果とし
て高導電性を有する。即ち、重合体から電子受容体への
電荷移動が生じて、重合体と電子受容体との間に電荷移
動錯体を形成している。本発明による重合体薄膜に一対
の電極を取付け、これら電極間に温度差を与えて半導体
に特有の熱起電力を生ぜしめるとき、低温電極側がプラ
ス、高温電極側がマイナスの起電力を与えるので、本発
明による重合体はp型半導体であることが示される。
′更に、本発明の方法によって得られる重合体薄膜は、
アンモニア等にて化学補償することによって導電性が大
幅に減少し、また、外観的にも黒縁色から紫色に変化し
、これを再度硫酸等の電子受容体にてドーピングするこ
とにより、色も黒縁色に戻ると共に、当初の高導電性を
回復する。この変化は可逆的であり、化学補償及びドー
ピングを繰り返して行なっても同じ結果が得られる。第
4図にこの化学補償及び再ドーピングによる重合体の赤
外線吸収スペクトルの変化を示す。(A)は当初の重合
体、(B)は化学補償した重合体、及び(C)は再ドー
ピングした重合体を示す。(C)のスペクトルが(A)
とほぼ完全に一致することが明らかであり、従って、上
記化学補償及び再ドーピングは重合体の骨格構造の変化
ではなく、重合体と化学補償試薬或いは電子受容体との
間の電子の授受である。このようにして、本発明による
重合体が酸化重合の段階で電子受容体にてドーピングさ
れ、かくして、本発明による重合体はドーパントを含ん
でいることが理解される。
本発明による導電性重合体が含むドーパントとしては、
例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、塩化第二鉄
、四塩化スズ、二基化銅等のルイス酸、塩化水素、臭化
水素、硫酸、硝酸等の無機酸やピクリン酸、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機酸を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
本発明による導電性有機重合体薄膜の化学構造は、上記
した赤外線吸収スペクトルのほか、重合体の元素分析に
よって確認され、また、本発明による重合体をアンモニ
ア等で化学補償した重合体(以下、補償重合体という、
)の元素分析からも確認され、実質的に、前記繰返し単
位からなる線状高分子重合体であり、π電子共役系がド
ーパントを含むことによって高導電性を有するとみられ
る。
しかしながら、本発明の方法による重合体は、上記キノ
ンジイミン構造からなる繰返し単位と共に、その還元構
造である次の繰返し単位(IV)(rV) (但し、Rは水素又はアルキル基を示す。)を含んでい
てもよい。このような還元構造を含む重合体は、例えば
、本発明による重合体を部分的に還元することによって
容易に得ることができる。
また、前記(I[)式で表わされる繰返し単位を有する
本発明の方法による導電性有機重合体を還元剤にて還元
し、上記(IV)式で表わされる繰返し単位を有する還
元構造重合体を得た後、電子受容体として有効な酸化剤
により再び酸化することによって、本発明の方法による
導電性有機重合体を得ることもできる。
以上のように、本発明の方法に従って、アニリン又はそ
の誘導体の酸化重合によって得られる導電性有機重合体
薄膜は、好ましくは、実質的に前記繰返し単位からなり
、その重合段階で既にプロトン酸等の電子受容体によっ
てドーピングされているために、新たなドーピング処理
を要せずして高導電性を有し、しかも、長期間にわたっ
て空気中に放置しても、その導電性は何ら変化せず、従
来より知られているドーピングした導電性有機重合体に
比較して、特異的に高い安定性を有している。
本発明による導電性有機重合体薄膜の製造方法は、アニ
リン、その誘導体又はこれらの塩を化学酸化剤にて化学
酸化重合させるに際して、反応系内にその重合開始前又
は重合開始直後に基材を存在させ、標準水素電極を基準
として還元過程によって定まる標準を極電位が0.6 
V以上である酸化剤と、必要に応じてプロトン供給体と
を含む酸化剤液にてアニリン、その誘導体又はこれらの
塩を酸化重合させるのである。
アニリン誘導体としては、0−メチルアニリン、m−メ
チルアニリン、0−エチルアニリン、m −エチルアニ
リン等のアルキルアニリンが好ましく用いられる。また
、アニリン及びその誘導体の塩としては、反応媒体に溶
解すれば特に制限されるものではないが、例えば、反応
媒体が水であるとき、無機酸の水溶性塩が好ましく用い
られる。通常、塩酸、硫酸等の鉱酸塩が好適であるが、
これらに限定されるものではない。アニリン及びこれら
のアルキルアニリンのなかでは、特に、高導電性重合体
を与えるアニリンが好ましく用いられる。
一般に、酸化剤の酸化力の強さを表わす指標として、標
準電極電位が知られている。この標準電極電位とは、酸
化剤が被酸化物から電子を得て、自身は還元されるとき
の化学反応を、外部回路から電子を受は入れる電極から
なる半電池とみて、この場合の半電池の起電力の大きさ
をいい、従って、この標準電極電位によって酸化剤の酸
化力を定量化することができる。電気化学の分野におい
ては、よく知られているように、かかる標準電極電位の
ための基準電極として、水素圧が1気圧であって、且つ
、溶液中の水素イオン活量が単位活量である標準水素電
極を用い、この標準水素電極の電位をOVとして、標準
電極電位が定められる。
本発明においては、この標準電極電位は、標準水素電極
を基準とする還元半電池反応における起電力として定義
される。
即ち、一般に、酸化剤Oxが電子e−を得て、自身は還
元剤Redになる電極反応、 Ox + n e−−Red における電極電位Eは、標準電極電位をEoとして、次
のネルンスト式で与えられる。
(但し、Fはファラデ一定数、nは反応に関与する電子
の数、aは活量、Rは気体定数、Tは絶対温度を示す。
) ここで、すべての活量aが1である標準状態においては
、上記式中の対数項が0となって、E−Eoである。即
ち、電極電位Eは標準電極電位EOと等しい。
実際の酸化重合条件下での反応系における酸化剤の電位
は、厳密には、上記ネルンスト式によって活量を含む対
数項を考慮して計算する必要があるが、しかし、本発明
の方法に従って、酸化剤を選択するに際しては、酸化剤
の酸化力の序列はこの標準電極電位の序列にほぼ一致す
るので、活量項を含まない標準状態での電位、即ち、標
準電極電位を用いても、実質的に何ら問題がない。
尚、本発明の方法においては、標準電極電位は、Cr2
0y”−のように、その還元半電池反応にプロトンが関
与する場合は、プロトンが関与する反応における標準電
極電位によるものとし、アニリン又はその誘導体を酸化
重合させる反応においては、反応系には所要量又はそれ
以上のプロトンを供給するプロトン供与体、代表的には
硫酸、塩酸等のプロトン酸を存在させるものとする。反
対に、ペルオキソ硫酸塩やセリウム(IV)塩は、その
還元半電池反応にプロトンは関与しない。従って、これ
らを本発明の方法において酸化剤として用いる場合は、
反応系にはプロトン供与体を存在させる必要はないが、
しかし、反応系にプロトン供与体を存在させることは何
ら差支えなく、また、反応によって得られる有機重合体
に高導電性を付与するために、プロトン供与体を存在さ
せることが好ましい場合がある。
このような標準電極電位は、例えば、rCRCハンドブ
ック・オブ・ケミストリー・アンド・フィジックスJ 
 (CRCプレス社)D−155〜D−160や、電気
化学便覧編「電気化学便覧」(丸善@)第71〜74頁
に記載されている。
更に、本発明の方法においては、標準電極電位の高い酸
化剤を用いる場合は、プロトン酸を選択して用いること
が望ましい。例えば、酸化剤として、標準電極電位がそ
れぞれ1.36V及び1.09Vである塩素及び臭素よ
りも高い標準電極電位を有する酸化剤を用いる場合、プ
ロトン酸として塩酸や臭化水素酸を用いるとき、それぞ
れ2CI−−Ch + 2e − 2Br−−Brz + 2e − なる反応がアニリンやその誘導体の酸化よりも優先して
起こり、得られる導電性有機重合体の電導度及び収率が
低くなるので、プロトン酸としては硫酸を用いることが
好ましい。
種々の酸化剤の25℃における還元半電池反応とその標
準電極電位、本発明の方法における適用性及び得られた
アニリンの酸化重合による導電性有機重合体の電導度を
第1表に示す。
この結果から、標準電極電位が0.6V以上である酸化
剤を用いることによって、電導度が10−’S/cff
i以上である導電性有機重合体を得ることができること
が理解される。尚、第1表に示す結果は、塩酸アニリン
を水溶液中で酸化剤によって酸化重合させたときの結果
であり、且つ、酸化重合の条件として、反応系中にプロ
トン酸が存在する方が高導電性の重合体を得やすいので
、反応系中には酸化剤に対して十分な量の硫酸が添加さ
れている。また、上記電導度は、基材の不存在下にアニ
リンを酸化重合させ、得られた粉末状の重合体を圧縮成
形した成形物について測定したものである。
重合体の生成速度は、酸化剤によって異なる。
標準電極電位が高いほど、反応速度が速く、誘導期間が
短い傾向は認められるが、厳密には標準電極電位の序列
とは一致しない。即ち、標準電極電位が高くとも、誘導
期間の長い酸化剤もあれば、また、標準電極電位が高い
にもかかわらず、酸化剤単独ではアニオン又はその誘導
体の酸化重合を引き起こし難いが、少量の触媒を添加す
ることによって、重合が直ちに開始され、反応速度が著
しく速くなる酸化剤もある。このような酸化剤として、
例えば、塩素酸塩や過酸化水素を挙げることができる。
酸化剤が過塩素酸塩の場合、触媒として、例えば、塩化
第二銅、三塩化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウ
ム等が好適である。
誘導期間、即ち、アニリン又はその誘導体の酸化重合体
が実質的に析出する前の期間が比較的長い酸化剤として
、例えば、ペルオキソ硫酸塩を挙げることができる。こ
の酸化剤は、誘導期間は比較的長いにもかかわらず、重
合が開始された後は、重合体の生成速度が速く、短時間
に重合が完了するので、本発明において好ましく用いる
ことができる酸化剤の一つである。
本発明の方法において、重合反応速度は、また、単量体
としてのアニリン又はその誘導体の濃度や酸化剤の濃度
にも依存する。一般に、これらの濃度が高いほど、重合
速度は大きい、一般的には、アニリン又はその誘導体の
濃度は、0.1〜90重量%であるが、好ましくは0.
5〜50重量%、特に好ましくは1〜20重量%である
。酸化剤濃度についても、同様である。従って、例えば
、前述したように、アニリン又はその誘導体の溶液に酸
化剤を添加した後に基材をアニリン又はその誘導体溶液
中に浸漬する場合は、単量体濃度や酸化剤濃度を調整す
ることによって、誘導期間や重合体の実質的な析出が開
始される時期を適宜に調整することができる。
反応媒体としては水、水混和性有機溶剤及び水非混和性
有機溶剤の1種又は2種以上の混合物を用いることがで
きるが、アニリンスはアルキルアニリンの水溶性塩が用
いられるときは、反応媒体には通常、これら水溶性塩を
溶解する水、水混和性有機溶剤又はこれらの混合物が用
いられる。この場合、用いる酸化剤もこれらの溶剤に溶
解することが好ましい。また、アニリンやアルキルアニ
リン自体が用いられるときは、反応媒体としては、これ
らを溶解する水混和性有機溶剤又は水非混和性有機溶剤
が用いられる。尚、上記有機溶剤はいずれも用いる酸化
剤によって酸化されないことが必要である。例えば、水
混和性有機溶剤としては、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸等のケトン類、エーテル類、グリコール類、セ
ロソルブ類、アセトニトリルのようなニトリル類、又は
有機酸類が用いられ、また、水非混和性有機溶剤として
は、クロロホルム、四塩化炭素、炭化水素等が用いられ
る。本発明においては、上記したように、反応媒体はア
ニリン又はその誘導体と酸化剤の両者を溶解することが
好ましいが、しかし、本発明においては、不均一系での
反応を除外するものではない。
本発明の方法において、アニリン又はその誘導体を上記
した酸化剤にて酸化重合させるに際して、特に好ましい
製造方法は、アニリン若しくはアルキルアニリン又はこ
れらの塩を反応媒体中に溶解させ、この溶液に酸化剤液
を徐々に加えて、酸化重合させる方法である。しかし、
アニリン、その誘導体又はこれらの塩を溶解させた溶液
中に所要量の酸化剤液を一度に加えてもよい。また、酸
化剤液中にアニリン、その誘導体又はこれらの塩を溶解
させた溶液を添加してもよい。前記したように、反応系
中にプロトン供与体を存在させる必要がある場合は、ア
ニリン又はその誘導体溶液及び/又は酸化剤液中に含有
させればよい。
本発明の方法において重要なことは、アニリン又はその
誘導体の酸化重合の開始前又は重合開始直後に反応系内
に基材を存在させることである。
従って、例えば、アニリン又はその誘導体の溶液に酸化
剤液を徐々に加えて、酸化重合させる場合であれば、酸
化剤液の添加の前に予め基材をアニリン又はその誘導体
溶液中に浸漬しておくか、又は酸化剤液の添加後の誘導
期間内に基材をアニリン又はその誘導体溶液中に浸漬す
ればよい。好ましくは、酸化剤液の添加直後に基材をア
ニ−リン又はその誘導体溶液中に浸漬する。即ち、反応
系内に重合体が実質的に析出する前、即ち、アニリン又
はその誘導体溶液が着色するが、重合体が実質的に析出
しない誘導期間内に基材を浸漬する。前述したように、
用いる酸化剤によって、この誘導期間は異なる。重合体
が実質的に析出し始めた後に、反応系内に基材を浸漬し
ても、基材上には導電性有機重合体の薄膜が形成されな
いか、又は部分的にしか形成されないので、均一な薄膜
を得ることができない。
反応温度は溶剤の沸点以下であれば特に制限されないが
、反応温度が高温になるほど、得られる酸化重合体の導
電性が小さくなる傾向があるので、高い導電性を有する
重合体を得る観点からは常温以下が好ましい。
本発明の方法において用いる基材は、何ら制限されるも
のではないが、例えば、ガラス、セラミックス、多孔質
膜や構造的に等方性若しくは異方性の膜を含む有機重合
体シートやフィルム、不織布や織布、金属や半導体の成
形物又はシート等を挙げることができる。しかし、基材
の形状は特に限定されず、上記したようなシート若しく
はフィルムのほか、例えば、塊状、繊維状の基材や、よ
り複雑な表面を有する種々の成形物や中空の成形物も基
材として用いることができる。本発明によれば、反応媒
体に接触するすべての基材表面に前述したような導電性
有機重合体の薄膜が形成される。尚、基材として金属を
用いた場合、蒸着膜のような導電性有機重合体薄膜を得
ることができる。
但し、金属を基材として用いるときは、反応系中の酸化
剤によって酸化されないものを選ぶ必要がある。また、
本発明の方法によれば、このようにして、特に絶縁性基
材上にも、導電性有機重合体薄膜を形成させることがで
きる。このようにして基材上に形成される導電性有機重
合体薄膜は、通常、数μm以下の厚みを有する。
前述したように、反応系内において、導電性有機重合体
が実質的に析出しはじめた後に、反応系内に基材を存在
させても、基材上には重合体薄膜が形成されないか、若
しくはされても部分的であって、均一な薄膜を形成させ
ることができない。
この理由については、必ずしも明らかではないが、酸化
重合体の成長過程において、溶解性のオリゴマーから不
溶性の高分子重合体に変化する際に、基材が存在すると
き、結晶が種から成長するように、基材表面を核として
、ここで不溶性重合体が成長するものとみられる。但し
、本発明は、このように推定される重合体の成長機構に
よって何ら制限を受けるものではない。
本発明の方法においては、反応開始後、通常、数分乃至
数時間程度の誘導期間を経た後、重合体が基材上に析出
する。反応終了後、通常、その後数分乃至数時間、熟成
のために攪拌してもよい。
次いで、重合体薄膜が形成された基材を取出し、水洗し
、必要に応じてアセトン等の有機溶剤にて洗滌し、真空
乾燥して、本発明による導電性有機重合体薄膜を得る。
(発明の効果) 以上のように、本発明の方法によれば、標準電極電位が
0.6 V以上である酸化剤を用いて、基材の存在下に
アニリン又はその誘導体を酸化重合することによって、
キノンジイミン構造を主たる繰返し単位として有する実
質的に線状の高分子量重合体であって、既にその酸化重
合段階でドーピングされている高導電性有機重合体の薄
膜を上記基材上に形成させることができる。この導電性
重合体薄膜は、新たなドーピング操作を要せずして高導
電性を有し、更に、長期間にわたって空気中に放置して
も、その導電性が何ら変化せず、従来より知られている
ドーピングした導電性有機重合体に比較して、特異的に
高い安定性を有する。従って、本発明の方法によれば、
例えば、金属のような導電性基材は勿論、樹脂フィルム
のような絶縁性基材上にも高導電性重合体薄膜を形成さ
せることができる。
このようにして得られる導電性有機重合体薄膜は、種々
の用途に用いることができる。例えば、金、白金等の不
活性金属上に形成された重合体薄膜は、その上にアルミ
ニウム、インジウム等の金属を蒸着によって接合すれば
、ショットキー接合素子を得ることができる。また、シ
リコン半導体上に形成された薄膜は、ヘテロ接合素子と
することができる。
更に、樹脂フィルム上に導電性有機重合体薄膜を形成さ
せたときは、電磁波シールド材、反射防止膜、光学フィ
ルター素子、延伸樹脂フィルムと組み合わせた偏光光学
素子等に利用することができる。また、薄膜型プラスチ
ック・バッテリーや太陽電池等への応用も可能である。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 (導電性有機重合体薄膜の製造) 500ml容量のフラスコ中に蒸溜水203gと塩酸1
0m1を入れ、これにアニリン9.3g(0,10モル
)を溶解させ、更に、これに硫酸9.9g(0,10モ
ル)を加えて攪拌した。このアニリン溶液(4重量%)
60g (アニリン2.4g5O,026モル)を20
0m1容量ビーカーにとった。
別に、ペルオキソ硫酸アンモニウム5.9g(0゜02
6モル)を蒸留水53gに溶解させた酸化剤液水溶液(
10重量%)を上記アニリン溶液に冷却しながら加え、
攪拌した。反応混合物は無色のままであった。
この反応混合物中にポリエチレンテレフタレート(ポリ
エステル)フィルム、ポリエステルフィルム上に約50
00人の厚みに金を蒸着した金蒸着フィルム、及びスラ
イドガラスをそれぞれ基材として浸漬した。数分後、反
応混合物は変色し初め、最初は淡青色となり、時間の経
過と共に黒青色を経て黒縁色に変色すると共に、黒縁色
の沈殿が生成し、約1時間後にはビーカー内は重合体で
満たされた。
3時間後に基材をビーカーから取出し、蒸留水にて数回
洗浄した後、アセトンにて洗浄し、この後、五酸化リン
上、室温で5時間真空乾燥して、それぞれ基材上に導電
性有機重合体薄膜を得た。
これらはいずれも鮮やかな緑色を呈した。また、スライ
ドガラス上の導電性有機重合体薄膜の厚みは0.9μm
であった。
(2)  重合体の物性 上で得た重合体を室温において濃度97%の濃硫酸に溶
解させ、濃度0.5 g/dlとしたこの重合体の温度
30℃における対数粘度は0.45であった。
比較のために、エメラルデイン及びダイヤモンド・ブラ
ックの同じ条件下での粘度はそれぞれ0.02及び0.
005であった。
更に、本発明による上記重合体及びエメラルデインにつ
いての空気中における熱重量分析の結果を第5図に示す
。昇温速度は10℃/分である。
次に、上で得たポリエステルフィルム上の導電性有機重
合体薄膜に、幅約1nの銅箔4本を銀ペースト又はグラ
ファイトペーストにて四隅に接着し、空気中でファン・
デル・ボウ法に従って測定した結果、電導度は3.2X
10−”S/amであった。
また、10−gTorrの真空中で測定しても、はぼ同
じ電導度を示した。更に、この重合体薄膜を10か月間
空気中に放置したが、電導度は実質的に変化しなかった
この重合体薄膜は、高倍率の透過型電子顕微鏡写真によ
る観察の結果、粒子の集合体ではなくて、緻密なフィル
ム状であることが確認された。
(3)  重合体の赤外線吸収スペクトル上で得た金蒸
着したポリエステルフィルム上の重合体薄膜の赤外線吸
収スペクトルをFT−IRを用いた偏光反射法にて測定
した。第1図に示す。
比較のために、エメラ)レゾイン及び市販ダイヤモンド
・ブラックの赤外線吸収スペクトルをそれぞれ第2図及
び第3図に示す。尚、エメラルデインは A、 G、 
Greenらの方法によって調製した(A。
G、 Green et al、、 J、 Chew、
 Soc、+97+ 2388(1910) ”)。
本発明による重合体薄膜め赤外線吸収スペクトルは、エ
メラルデインのそれと類似するが、同時に大きい差違も
ある。即ち、エメラルデインには一置換ベンゼンに基づ
<、C−H面外変角振動による690cm一覧及び74
0aa−’の明瞭な吸収が認められるが、本発明による
重合体薄膜においては、これらの吸収は殆ど認められず
、代わりにバラ置換ベンゼンを示す800〜840(J
−’の吸収が強く認められる。これはエメラルデインが
低分子量体であるために、分子末端の一置換ベンゼンに
基づく吸収が相対的に強く現われるのに対して、本発明
による重合体薄膜は高分子量重合体からなるために、高
分子鎖をなすバラ置換ベンゼンに基づく吸収が相対的に
強く現われるからである。これに対して、アニリンブラ
ックの赤外線吸収スペクトルは本発明による重合体薄膜
及びエメラルデインのいずれとも顕著に相違し、特に、
3200〜3400cm−’付近の広幅の吸収、168
0c11−’にあるキノン性カルボニル基と認められる
吸収、1200〜1300cm−’のC−N伸縮振動領
域、600cm−’以下の領域等において異なることが
明らかである。
本発明による重合体における赤外線吸収スペクトルの帰
属は次のとおりである。
1610c1m−’ (ショルダー、C=N伸縮振動)
1580.1490cm−’ (ベンゼン環C−C伸縮
振動) 1320.1240cm−’ (C−N伸縮振動)11
60C1l−’(ドーパントに基づく吸収。ドーパント
の種類によらず、はぼ同じ位置に吸収を有する。) 830cm−’(バラ置換ベンゼンC−H面外片角振動
) 740.690備−′(−置換ベンゼンC−H面外変角
振動) また、本発明による上記重合体をアンモニア補償したと
きの赤外線吸収スペクトルを第4図(B)に示し、これ
を5N硫酸で再びドーピングした後の赤外線吸収スペク
トルを第4図(C)に示す。
この再ドーピング後のスペクトル(C)は、第4図(A
)に示す当初のそれとほぼ完全に同じであり、更に、電
導度もアンモニア補償前とほぼ同じである。即ち、電導
度の変化は、補償前(A)は3.2 X 10−”37
cm、補償後(B)は1.6X10−”S/c11、再
ドーピング後(C)は8.8X10”S/cfflであ
った。従って、本発明による重合体薄膜は、その酸化重
合の段階で用いたプロトン酸によって既にドーピングさ
れていることが示される。
(4)重合体の化学構造 上で得た本発明による導電性重合体薄膜の元素分析値を
示す。アンモニアにて化学補償した重合体についても結
果を示す。
+8)硫酸をドーパントとして含む重合体C+zHsN
z()IzSO4)。、5゜理論値   測定値 C61,3061,06 H3,914,13 N   11゜91   11.58 S   7.63    7.54 0  (15,24)   (15,05)尚、理論式
における硫酸量は、イオウの実測値から算出し、この硫
酸量に基づいて理論値における酸素量を算出した。また
、測定値における酸素量は、イオウの測定値から硫酸量
を算出し、この硫酸量から算出した。
(b)補償重合体 CIzHsNt 理論値   測定値 C79,98,80,06 H4,484,75 N   15.54   15.19 また、金蒸着したポリエステルフィルム上の導電性重合
体薄膜の上にアルミニウムを真空蒸着し、これらの金属
蒸着膜とアルミニウム蒸着膜とにリード線を接続するこ
とにより、ショットキー・ダイオードを製作することが
できた。
実施例2 実施例1において、ベルオキソ硫酸ナトリウムに代えて
、重クロム酸カリウム2.55 g (0,0087モ
ル)と硫酸6.4 g (0,065モル)を蒸留水に
溶解して調製した酸化剤液を用いた以外は、実施例1と
同様にして、基材上に導電性有機重合体薄膜を形成させ
た。但し、本実施例においては、基材として、スライド
ガラ・ス板と共に、n型シリコンウェハー及びアルミナ
を主成分とするセラミック板を用い、反応容器内のアニ
リン溶液にこれら基材を予め浸漬した後、上記酸化剤液
を加えた。
酸化剤液を添加して30分後に基材を取出し、実施例1
におけると同様に洗浄、乾燥して、基材上に緑色の導電
性有機重合体薄膜を得た。スライドガラス板上に生成し
た導電性重合体薄膜の膜厚及び電導度はそれぞれ0,6
μm及び9.3X10−”S/ellであった。また、
n型シリコンウェハー上に生成した重合体薄膜は、この
上に電極としての金を蒸着し、リード線を接続すること
により、ヘテロ接合型ダイオードを製作することができ
た。
実施例3 実施例1において、ペルオキソ硫酸ナトリウムに代えて
、塩化第二鉄6水和物14.1g(0,052モル)を
蒸留水80gに溶解して調製した酸化剤液を用いた以外
は、実施例1と同様にして、基材上に導電性有機重合体
薄膜を形成させた。但し、本実施例においては、基材と
して、31角のポリテトラフルオロエチレンシート(厚
み5日)・、外径8N、内径5 mmの硬質ガラス管、
2cm角の白金板(厚み0.5■)、及び直径2flの
貫通円孔が多数穿設されてなる直径3cmのポリ塩化ビ
ニル製円盤を用いた。
アニリン溶液に上記酸化剤液を添加した後、上記各基材
を浸漬し、2日間放置した。この後、基材を実施例1に
おけると同様に処理して、各基材上に緑色の導電性有機
重合体薄膜を得た。一般に表面が不活性であるとされて
いるポリテトラフルオロエチレンシートや複雑な表面を
有する基材上にも、同様に導電性有機重合体薄膜を生成
させることができた。
ポリテトラフルオロエチレンシート上の導電性有機重合
体薄膜の膜厚及び電導度はそれぞれ0.5μm及び4.
8×10′″!S / cmであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法による導電性有機重合体薄膜の偏
光反射法による赤外線吸収スペクトル、第2図及び第3
図はそれぞれエメラルデイン及びアニリン・ブラックの
赤外線吸収スペクトル、第4図は、本発明による導電性
有機重合体薄膜の化学補償による赤外線吸収スペクトル
の変化を示し、スペクトル(A)は補償前の重合体薄膜
、スペクトル(B)は本発明の重合体薄膜をアンモニア
補償したときのスペクトル、(C)は上記CB)の重合
体薄膜を硫酸で再ドーピングしたときの赤外線吸収スペ
クトルである。第5図は本発明の方法による導電性有機
重合体薄膜及びエメラルデインの加熱による重量残存率
を示すグラフである。 手続補正書(自発) 昭和60年 9月;Lρ日

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アニリン、その誘導体又はこれらの塩を化学酸化
    重合して、一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ (但し、Rは水素又はアルキル基を示す。)で表わされ
    るキノンジイミン構造体を主たる繰返し単位として有す
    る実質的に線状の重合体であつて、ドーパントとしての
    電子受容体を含み、電導度が10^−^6S/cm以上
    である導電性有機重合体を製造する方法において、反応
    系内に基材を存在させて、標準水素電極を基準とする還
    元半電池反応における起電力として定められる標準電極
    電位が0.6V以上である酸化剤にてアニリン、その誘
    導体又はこれらの塩を酸化重合させ、上記基材上に上記
    導電性重合体を薄膜として析出させることを特徴とする
    導電性有機重合体薄膜の製造方法。
  2. (2)重合体の0.5g/dl濃硫酸溶液が30℃にお
    いて0.10以上の対数粘度を有することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の導電性有機重合体薄膜の製
    造方法。
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