JP2770259B2 - 電極およびそれを用いた電気化学表示素子 - Google Patents

電極およびそれを用いた電気化学表示素子

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JP2770259B2 JP5299148A JP29914893A JP2770259B2 JP 2770259 B2 JP2770259 B2 JP 2770259B2 JP 5299148 A JP5299148 A JP 5299148A JP 29914893 A JP29914893 A JP 29914893A JP 2770259 B2 JP2770259 B2 JP 2770259B2
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示素子の電極として
好適な電極およびそれを用いた電気化学表示素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、導電性高分子化合物は、電気化
学的にドープ・脱ドープあるいは酸化・還元が可能であ
り、近年、この現象を利用して、導電性高分子化合物を
二次電池の電極物質として使用することが実施され始め
ている。また、導電性高分子化合物は、ドープ・脱ドー
プ或いは酸化・還元に伴い、色変化を引き起こすので、
表示素子を構成する表示材料としての応用の可能性も高
まっている。更に固体電解質を用いることにより、全固
体型の二次電池や表示材料を作製することも可能性があ
り、それらに関する研究も数多くなされている。表示素
子に使用するエレクトロクロミック材料としては、酸化
タングステンや酸化モリブデン等の遷移金属酸化物やビ
オロゲン等の有機物で見出だされているが、一般的に
は、導電性高分子もまた高分子のエレクトロクロミック
材料である。これらの物質を表示素子に利用する場合、
通常は図1に示すような層構成の表示素子が作製されて
いる。図1において、1は第1電極、2は第2電極、3
は電解質層を示し、そして、第1電極として、導電性の
基体にエレクトロクロミック材料層が積層されたものが
使用されており、表示素子の両電極間に電圧をかけるこ
とによって、発色・消色の制御が行われる。
【0003】しかしながら、これらのエレクトロクロミ
ック表示素子に色変化を起こさせるためには、エレクト
ロクロミック材料に対して直接的に酸化・還元反応を行
わせる必要がある。この酸化還元プロセスは理想的には
可逆過程であるが、現実にはエレクトロクロミック材料
の分解等の副反応を伴いやすいという問題があり、その
ため、発色・消色のサイクル寿命が短いことが実用化に
おいてネックとなっている。特に、ポリアニリンに関し
ては、Kobayashi et al.,Jouro
nal of Electroanalytical
Chemistry,161(1984)281および
I.Watanabe et al.,Macromo
lecules,20(1987),1793等をはじ
め、数多くの研究報告がなされている。しかしながら、
ポリアニリンを利用したエレクトロクロミック表示素子
の場合、電解質として固体電解質を用いると応答が遅く
なり、サイクル寿命が短いことが問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点を解決することを目的とす
るものである。すなわち、本発明の目的は、固体電解質
を用いても応答が遅くならず、色変化のサイクル寿命お
よび安定性に優れた表示素子を構成することを可能にす
る電極を提供するものである。本発明の他の目的は、応
答速度が速く、色変化のサイクル寿命および安定性に優
れた電気化学表示素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、膜状あるいは板状の導電
性基体の表面に、ポリアニリン系化合物と特定の有機ス
ルホン酸とを特定の比率で同時に配した電極を、電気化
学表示素子の少なくとも一方の電極に用いることによ
り、固体電解質を用いても応答が速く、色変化のサイク
ルが非常に安定になることを見出だし、本発明を完成す
るに至った。
【0006】すなわち、本発明の電極は、膜状または板
状の導電性基体の表面に電極活物質層を設けてなるもの
であって、その電極活物質層が、ポリアニリンまたはそ
の誘導体と、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数4
〜25の脂肪族スルホン酸、芳香族核にハロゲン、ニト
ロ基、水酸基、炭素数4〜25のアルキル基または炭素
数4〜25のアルコキシ基を含んでいてもよい炭素数6
〜30の芳香族スルホン酸、ショウノウスルホン酸、お
よびスルホンフタレイン系染料から選択された1種また
は2種以上よりなる有機スルホン酸とを含有し、該ポリ
アニリンまたはその誘導体の主鎖中の窒素原子と有機ス
ルホン酸のモル比が1:0.20〜1:2.0である
とを特徴とする。また、本発明の電気化学表示素子は、
第1電極・電解質層・第2電極からなる積層構造を有す
るものであって、第1電極および第2電極のいずれか一
方または両者が、請求項1記載の電極よりなることを特
徴とする。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電極に用いられる板状または膜状の導電性基体は、導電
性を有するものであれば特に制限はないが、通常、金属
板、金属箔、金属繊維の抄造体、および紙、フィルム、
ガラス板または焼結体ガラス等の表面に金属または金属
酸化物を蒸着したもの等をあげることができる。蒸着す
る金属としては、通常、金、白金、銀、銅、ニッケル、
スズ、アルミニウム等の単体やステンレス鋼、金−スズ
等の合金が用いられる。また、金属酸化物としては、酸
化インジウム、酸化スズ等が使用可能である。蒸着方法
としては、公知の方法、例えば真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、あるいはCVD法等
の中から任意の方法を適宜選択して用いることができ
る。本発明の電極を、表示素子として用いる場合には、
導電性基体として、白金または金属酸化物を蒸着したガ
ラスやフィルムの様に、無色または白色のものが好まし
い。
【0008】本発明の電極を作製する方法としては、次
の2つの方法が簡便であり、ポリアニリンまたはその誘
導体と有機スルホンとからなる電極活物質層を効果的に
形成することができるので好ましい。その一つは、酸化
剤を利用してアニリンまたはその誘導体を低温で重合
し、ポリアニリンまたはその誘導体を形成する方法を利
用するものである。その重合の一例をあげれば、過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン
酸塩、塩化第二鉄等を酸化剤として、アニリンまたはそ
の誘導体を低温、例えば−20〜50℃の範囲の温度で
酸化重合し、このアニリン系酸化重合体をアンモニア水
で処理することにより、可溶型ポリアニリンを得る。こ
の可溶型ポリアニリンは、数平均分子量は2,000〜
500,000[GPC(N−メチル−2−ピロリドン
溶媒)で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量]であ
るのが好ましい。何故ならば、ポリアニリンの数平均分
子量が2,000よりも低くなると、電極活物質層を構
成したときにその層の強度が十分に得られなくなり、一
方、500,000を越えると、溶剤に対する溶解性が
低くなり、電極活物質層を形成するための加工の点で好
ましくなくなるからである。上記のようにして得られた
可溶型ポリアニリンは、N−メチル−2−ピロリドンま
たはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等アミ
ド系溶剤には可溶であるが、他の汎用有機溶剤、例え
ば、クロロホルムおよびテトラヒドロフランには殆ど不
溶である。この可溶型ポリアニリンに対し、所望の有機
スルホン酸の適当な溶液を加え24時間撹拌する。それ
により有機スルホン酸でドープされたポリアニリンが溶
解する。ここで用いられる溶媒は、脱ドープ状態のポリ
アニリンが溶解するNMPやDMAc等のアミド系溶剤
だけでなく、キシレン、トルエン、ベンゼン、クロロベ
ンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、クレゾール、
ニトロメタン、テトラヒドロフラン等の汎用溶媒を用い
ることが可能である(A. J. Heeger et al., Synthetic
Metals, (1992), 91-97) 。後者の汎用溶媒を用いて得
られた可溶型ポリアニリンおよび有機スルホン酸を含有
する溶液を、導電性基体にキャストやスピンコート法に
よって塗布し、乾燥することにより、容易に本発明の電
極を得ることができる。
【0009】他の一つは、アニリンまたはその誘導体
を、所望の有機スルホン酸の存在下において導電性基体
上で電解重合させる方法である。アニリンまたはその誘
導体を0.1〜2mol/リットルの濃度で用い、それ
よりも2倍から10倍過剰の有機スルホン酸と共に、水
または電気化学的に不活性な溶媒、例えばニトロベンゼ
ン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、炭酸プロ
ピレン等に溶解し、作用極側に所望の導電性基体を、対
極には白金等の不活性な電極を設け、0.5〜30Vの
間の電圧をかけてアニリンまたはその誘導体を電解重合
させる。それによって本発明の電極を得ることができ
る。電解重合は、定電位電解、定電流電解、周期的な電
位の掃引による電解等、いずれの方法で行ってもよく、
また必要に応じて参照電極を用いて電位の制御を行って
もよい。なお、この方法で得られたポリアニリンは架橋
していることが多く、正確な分子量を知ることはできな
いが、水やアルコール、アセトニトリル等の溶媒に溶解
しない程度のものであれば十分である。上記の方法によ
って形成される電極活物質の膜厚は、一般に100nm
〜100,000nmオングストロームの範囲に設定す
ればよい。
【0010】上記いずれの方法においても、原料とし
て、アニリンまたはその誘導体が使用される。アニリン
の誘導体としては、具体的には、o−トルイジン、m−
トルイジン、o−アニシジン、m−アニシジン、2,5
−キシリジン、2,3−キシリジン、2−エチルアニリ
ン、3−エチルアニリン、2−ヒドロキシアニリン、3
−ヒドロキシアニリン、N−メチルアニリン、N−エチ
ルアニリン、N−プロピルアニリン、N−ブチルアニリ
ン、N−ペンチルアニリン、N−ヘキシルアニリン、N
−オクチルアニリン、N−デシルアニリン、N−ドデシ
ルアニリン、N−ドコシルアニリン、ジフェニルアミン
等の、第一級または第二級のアミノ基を有する芳香族系
の化合物をあげることができる。
【0011】また、有機スルホン酸としては、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素数4〜25の脂肪族スルホ
ン酸、芳香族核にハロゲン、ニトロ基、水酸基、炭素数
4〜25のアルキル基または炭素数4〜25のアルコキ
シ基を含んでいてもよい炭素数6〜30の芳香族スルホ
ン酸、ショウノウスルホン酸、およびスルホンフタレイ
ン系染料から選択された1種または2種以上のものが使
用される。具体的には、ブタンスルホン酸、ペンタンス
ルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、
オクタンスルホン酸、ペンタデカフルオロオクタンスル
ホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸等の脂
肪族スルホン酸およびそのハロゲン誘導体;d−ショウ
ノウ−3−スルホン酸、d−ショウノウ−10−スルホ
ン酸、l−ショウノウ−10−スルホン酸、dl−ショ
ウノウ−10−スルホン酸、d−ショウノウ−8−スル
ホン酸、dl−ショウノウ−8−スルホン酸等のショウ
ノウスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、ニトロトルエン
スルホン酸、クレゾールスルホン酸、ジノニルナフタレ
ンスルホン酸等の芳香族スルホン酸;およびクレゾール
パープル、クレゾールレッド、クロルフェノールレッ
ド、チモールブルー、フェノールレッド、ブロムクレゾ
ールグリーン、ブロムチモールブルー、ブロムフェノー
ルブルー、ブロムクレゾールパープル、ピロガロールレ
ッド、ピロカテコールレッド等のスルホンフタレイン系
染料等があげられる。
【0012】上記した電極を用いて形成される本発明の
電気化学表示素子は、基本的には図1に示す層構成を有
するが、具体的には、図2ないし図4に示される3つの
形態の場合が存在する。図2においては、発色層に本発
明の電極を使用した構成を示し、図3においては、ポリ
アニリン或いは酸化タングステンの様なエレクトロクロ
ミック層の対極に本発明の電極を使用した構成を示し、
図4においては、両電極に本発明の電極を使用した構成
を示す。
【0013】これらの電気化学表示素子において、電解
質層は、十分なイオンの伝導度さえあれば、構成や種類
は特に限定するものではなく、例えば、溶液、ゲル、固
体の形態のいずれであっても構わない。電解質層が固体
電解質よりなる場合、マトリックスポリマーと電解質と
からなっており、マトリックスポリマーとしては、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の主鎖が
ポリエーテルのもの、側鎖にポリエーテル構造を有する
シロキサンやホスファゼン系ポリマー、或いはニトリル
ゴム等のポリマーが一般的に使用され、また、電解質と
しては、過塩素酸アルカリ金属塩、アルカリ金属のハロ
ゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩等、解離しや
すいものが用いられる。
【0014】また、図3に記載の場合におけるエレクト
ロクロミック層は、導電性基体上に、例えば、ポリアニ
リンよりなる層を設けたもの、酸化タングステンや酸化
モリブデンの様な遷移金属酸化物の蒸着膜を形成したも
の等をあげることができる。膜厚は、一般に100nm
〜100,000nm程度に設定すればよい。
【0015】本発明の電気化学表示素子は、上記のよう
な電極を準備した後、各電極の上に電解質層を設け、更
にそれを張り合わせる等の方法によって製造することが
できる。電解質層として、溶液やゲルを用いる場合に
は、先にセルを製造し、その後、電極間に電解質を流し
込み、封止する方法によって電気化学表示素子を製造す
ることができる。
【0016】次に、本発明の電極を使用して形成された
電気化学表示素子を用いた場合の表示の状態を説明す
る。図2に記載の層構成を有する電気化学表示素子にお
いては、本発明の電極(太い枠で囲んだ部分)側に1〜
3V程度の電位をかけると、緑色を呈している電極は青
色に変化する。また、本発明の電極側に0〜−3V程度
の電位をかけると、青色を呈している電極は緑色ないし
黄緑色に変化する。図3に記載の層構成を有する電気化
学表示素子においては、エレクトロクロミック層の発色
条件によって異なり、一概に言うことはできないが、本
発明の電極(太い枠で囲んだ部分)側に1〜3V程度の
電位をかけると、緑色を呈している電極が青色に変化す
るので、このとき対極上のエレクトロクロミック層が無
色であれば電気化学表示素子そのものは青色になり、逆
に本発明の電極側に0〜−3V程度の電位をかけると、
青色を呈している電極は緑色ないし黄緑色あるいは無色
に変化するので、このとき対極側の色に応じた発色(本
発明の電極が無色であればエレクトロクロミック層の
色)をする。また、図4に記載の層構成を有する電気化
学表示素子においては、第1の電極側に1〜3V程度の
電位をかけると、緑色を呈している電極は青色に変化
し、0Vで緑色に戻り、更にマイナス電位では、第2電
極の方が青色に発色するので緑→青→緑→青の色変化が
可能である。なお、図2〜図4において、PAnはポリ
アニリンを示す。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1g、濃塩酸21.9gを水に溶かして1
00mlとし、−5℃に冷却した。濃塩酸21.9gお
よび過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶解して10
0mlとし、この溶液もまた−10℃に冷却し、先のア
ニリン溶液にゆっくりと滴下し、−10℃で6時間撹拌
を続けた。生成した固形物を瀘過し、水で十分に洗浄し
た後、更に1規定のアンモニア水で10時間、脱ドープ
処理を行った。これを十分に乾燥した。このアニリン酸
化重合体(以下、ポリアニリンという)の数平均分子量
は12,000(GPC、NMP中で測定、ポリスチレ
ン換算の数平均分子量)であった。クロロホルム35g
にドデシルベンゼンスルホン酸0.18gを溶解し、更
に上記ポリアニリン0.1gを加えて被覆用の溶液とし
た。クロロホルムに溶解しているポリアニリンとドデシ
ルベンゼンスルホン酸の比率(ポリアニリンの窒素原子
に対するドデシルベンゼンスルホン酸のモル比による)
を、脱ドープ前後の重量変化より求めたところ、1:
0.5であることが確認された。この溶液をITOガラ
ス(Indium Tin Oxide蒸着ガラス)に塗布し、150℃
で乾燥して、膜厚900nmの電極活物質層を形成し、
本発明の電極を得た。
【0018】実施例2 実施例1でドデシルベンゼンスルホン酸に代わりに、d
l−ショウノウ−10−スルホン酸を用い、同様にして
本発明の電極を作製した。ポリアニリンの窒素原子に対
するdl−ショウノウ−10−スルホン酸のモル比を脱
ドープ前後の重量変化より求めたところ、1:0.9で
あることが確認された。 実施例3 アニリン0.1mol/リットルおよびニトロトルエン
スルホン酸0.5mol/リットルを含む水溶液中で、
ITOガラスを作用極とし、白金板を対極として、飽和
カロメル電極に対して1Vの電位で20秒間電解重合を
行った。これを軽く水で洗って100℃で乾燥し、膜厚
10,000nmの電極活物質層を形成した。ポリアニ
リンの窒素原子に対するニトロベンゼンスルホン酸のモ
ル比を脱ドープ前後の重量変化より求めたところ、1:
1.2であることが確認された。 実施例4 実施例1おいて、アニリンの代わりにアニシジンを用い
て同様に本発明の電極を作製した。ポリアニリンの窒素
原子に対するニトロベンゼンスルホン酸のモル比を脱ド
ープ前後の重量変化より求めたところ、1:1であるこ
とが確認された。
【0019】以下の実施例では電気化学表示素子の作製
例について述べる。なお、実施例5〜11および比較例
1〜5においては、固体電解質のマトリックスポリマー
としてポリエチレンオキシドを用い、エチレンオキシド
単位1モルに対して0.22モルの過塩素酸リチウムを
加え、それらをアセトニトリルに溶解して2wt%の溶
液を調製し、得られた溶液を第1電極および第2電極の
それぞれに塗布し、乾燥後圧着することによって電気化
学表示素子を作製した。 実施例5および比較例1 実施例1の電極とITOガラスを組み合わせて図2に示
した本発明の電気化学表示素子を作製した。比較のため
に、実施例1の電極を2規定アンモニア水に1時間浸
し、次いで10%ヒドラジン水溶液に完全に脱ド−プし
た電極を作製し、上記と同様にITOと組み合わせて、
従来型の電気化学表示素子を作製した。(比較例1)こ
れらの表示素子の両端に、それぞれ0V→+2V→0V
の矩形波を2秒周期でかけた。いずれの素子も緑→青→
緑の変化を繰り返したが、比較例1の従来型の電気化学
表示素子は、徐々にコントラストがとれなくなり、10
0回程度で青くなったまま変化しなくなった。これに対
して、本発明の電気化学表示素子は、500回まで変化
が可能であった。
【0020】実施例6および比較例2 実施例2の電極を用いて、実施例5と同様にして本発明
の電気化学表示素子と比較のための従来型の電気化学表
示素子(比較例2)を作製した。これらの電気化学表示
素子の両端に、それぞれ0V→+2V→0Vの矩形波を
2秒間周期でかけた。いずれの電気化学表示素子も緑→
青→緑の変化を繰り返したが、従来型の電気化学表示素
子は、徐々にコントラストが取れなくなり、100回程
度で青くなったまま変化しなくなった。これに対して、
本発明の電気化学表示素子は、500回まで変化が可能
であった。
【0021】実施例7および比較例3 実施例3の電極を用いて、実施例5と同様にして本発明
の電気化学表示素子と比較のための従来型の電気化学表
示素子(比較例3)を作製した。これらの電気化学表示
素子の両端に、それぞれ0V→+2V→0Vの矩形波を
2秒間周期でかけた。いずれの電気化学表示素子も緑→
青→緑の変化を繰り返したが、従来型の電気化学表示素
子は、徐々にコントラストが取れなくなり、100回程
度で青くなったまま変化しなくなった。これに対して、
本発明の電気化学教示素子は、400回まで変化が可能
であった。
【0022】実施例8および比較例4 実施例4の電極を用いて、実施例5と同様にして本発明
の電気化学表示素子と比較のための従来型の電気化学表
示素子(比較例4)を作製した。これらの電気化学表示
素子の両端に、それぞれ0V→+2V→0Vの矩形波を
2秒間周期でかけた。いずれの電気化学表示素子も緑→
青→緑の変化を繰り返したが、従来型の電気化学表示素
子は、徐々にコントラストが取れなくなり、110回程
度で青くなったまま変化しなくなった。これに対して、
本発明の電気化学表示素子は、550回まで変化が可能
であった。
【0023】実施例9および比較例5 実施例1の電極を2規定アンモニア水に一時間浸し、次
いで10%ヒドラジシン水溶液に完全に脱ドープした電
極を作製し、この電極と実施例1の電極とを組み合わせ
て図3に示す層構成を有する本発明の電気化学表示素子
を作製した。一方、比較の目的で、実施例1の電極を、
2規定アンモニア水に一時間浸し、次いで10%ヒドラ
ジシン水溶液に完全に脱ドープした電極を作製し、同様
にITOと組み合わせて、従来型の電気化学表示素子
(比較例5)を作製した。これらの電気化学表示素子の
両端に、それぞれ0V→+2V→0Vの矩形波を2秒間
周期でかけた。いずれの電気化学表示素子も緑→青→緑
の変化を繰り返したが、従来型の電気化学表示素子は、
徐々にコントラストが取れなくなり、100回程度で青
くなったまま変化しなくなった。これに対して、本発明
の電気化学表示素子は、2,500回まで十分にコント
ラストがとれ安定して色変化が可能であった。
【0024】実施例10 実施例1の電極を2枚組み合わせて、図4に示す層構成
を有する本発明の電気化学表示素子を作製した。これら
の表示素子の両端にそれぞれ0V→+2V→0V→−2
V→0Vの矩形波を4秒間周期で印加した。この印加条
件に対応して、緑→青→緑→青→緑の変化を10,00
0回以上繰り返したが、十分にコントラストがとれ安定
した色変化が可能であった。
【0025】実施例11 実施例2の電極を2枚組み合わせて、図4に示す層構成
を有する本発明の電気化学表示素子を作製した。これら
の表示素子の両端に0V→+2V→0V→−2V→0V
の矩形波を4秒間周期で印加した。この印加条件に対応
して、緑→青→緑→青→緑の変化を10,000回以上
繰り返したが、十分にコントラストがとれ安定した色変
化が可能であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の電極は、膜状または板状の導電
性基体の表面にポリアニリンまたはその誘導体と上記特
定の有機スルホン酸を特定の比率で含有する電極活物質
層を設けてなるから、発色・消色サイクルが非常に安定
であり、表示素子用の電極として非常に有用である。ま
た、この電極を用いて形成された本発明の電気化学表示
素子は、電解質層として固体電解質を用いた場合でも応
答が速く、発色・消色サイクルが非常に安定であって長
寿命を有するという優れた性質を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気化学表示装置の基本構成を示す図であ
る。
【図2】 本発明の電極を用いた電気化学表示装置の一
例の層構成を示す図である。
【図3】 本発明の電極を用いた電気化学表示装置の他
の一例の層構成を示す図である。
【図4】 本発明の電極を用いた電気化学表示装置のさ
らに他の一例の層構成を示す図である。
【符号の説明】 1…第1電極、2…第2電極、3…電解質層。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜状または板状の導電性基体の表面に電
    極活物質層を設けてなる電極において、該電極活物質層
    が、ポリアニリンまたはその誘導体と、ハロゲンで置換
    されていてもよい炭素数4〜25の脂肪族スルホン酸、
    芳香族核にハロゲン、ニトロ基、水酸基、炭素数4〜2
    5のアルキル基または炭素数4〜25のアルコキシ基を
    含んでいてもよい炭素数6〜30の芳香族スルホン酸、
    ショウノウスルホン酸、およびスルホンフタレイン系染
    料から選択された1種または2種以上よりなる有機スル
    ホン酸とを含有し、該ポリアニリンまたはその誘導体の
    主鎖中の窒素原子と有機スルホン酸のモル比が1:0.
    20〜1:2.0であることを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 第1電極・電解質層・第2電極からなる
    積層構造を有する電気化学表示素子において、第1電極
    および第2電極のいずれか一方または両者が、請求項1
    記載の電極よりなることを特徴とする電気化学表示素
    子。
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