JP4941885B2 - エレクトロクロミックディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミックディスプレイに関する。
米国、E‐Ink社(ボストン)が開発した電子ペーパー(e‐Paper)が市場に紹介されて以来、書き換え可能なフレキシブル薄膜型ディスプレイに多くの関心が集まっている。この電子ペーパーは2枚の電極間にプラスまたはマイナスの電荷を有する微粒子を絶縁性液体中に分散した極めて単純な構造の素子から構成されており、その作動原理は電荷を有する微粒子を電界中で電気泳動して反射率の変化を利用した簡単なものである。微粒子が異なる色をした顔料を用いて、帯電する電荷も正負異なるように工夫することで多色表示が可能である。微粒子を液体中で泳動させると摩擦抵抗が大きく応答速度が遅いため、これを改善するため帯電微粒子を空気中で移動させる方式も考案された(例えば、特許文献1〜6)。しかしながら、このような素子にはつぎのような問題点があった。
(イ)駆動電圧が高すぎる。
(ロ)粒子凝集により素子の寿命が短い。
(ハ)画像品質(解像度、コントラストなど)が不充分である。
(ニ)製造プロセスの経済性が良くない。
一方、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)は電子ペーパーが登場する以前から知られていた低電圧駆動ディスプレイ技術であり、その表示特性が紙に書いた文字に近いことから注目されてきたが、応答速度が遅いため応用分野が限られていた。しかしながら、上記のような技術が登場し電子ペーパーという新製品が市場で注目されるようになって以来、ECDタイプのフレキシブル薄膜型ディスプレイが改めて見直されている。
例えば、ビオロゲン誘導体をエレクトロクロミック材として、これをナノサイズの酸化チタン微粒子に化学吸着した新しいタイプのECDを開発し、それを電子ペーパーとして利用することが試みられている(非特許文献1)。また、ECDの応答速度を改善するための検討もなされており、例えば、表面に微細な凹凸構造を有する、膜厚が100nm以下のエレクトロクロミック材料層を用いることで高速化を試みたものが知られている(特許文献7)。また、微細孔を有する金属酸化物層の少なくとも1層を有するエレクトロクロミック材料であって、該微細孔の孔径度数分布が複数のピークを有することを特徴とするエレクトロクロミック材料を用いることで高速化を図ったものも知られている(特許文献8)。
特開2002−202532号公報 特開2002−107771号公報 特開2002−72256号公報 特開2004−46056号公報 特開2004−29700号公報 特開2003−315846号公報 特開2001−188264号公報 特開2000−89257号公報 U.Bach, et al., Adv. Mater.,14, 845 (2002).
しかしながら、従来のECDの応答速度は実用化のレベルには達しておらず、また、ECDを実用化するためには、応答速度の改善のほかに、繰り返し性、化学的安定性、環境耐性(酸素、水分などによる劣化)などの特性を改善する必要があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、新しいコンセプトの電子ペーパーとして、ペーパーライクバッテリーと組み合わせて駆動できる低電圧駆動モバイル型薄膜ディスプレイとして利用可能な、ECDを表示原理としたフレキシブル薄膜ディスプレイを実用化することを目的とし、応答速度、繰り返し性、化学的安定性、環境耐性などの特性を改善した、新規のエレクトロクロミックディスプレイを提供することを目的とする。
本発明者らは、これまで、ラジカルを含有するポリマーという新しい高分子材料を開発し、これを各種電子デバイスに応用してきた。特に、ラジカルを含有するポリマーの優れたレドックス性を利用することによって、充電速度の極めて速いバッテリー、あるいは、応答速度の速い不揮発性メモリー素子などの開発に成功している。本発明者らは、このようなラジカルを含有するポリマーの特性を利用して、従来のECDの持つ問題点を改善することを試みたところ、ラジカルポリマーを電極活物質とすることで、応答速度が速く、かつ、駆動安定性が高いECDを構成することができることを見出し、本発明に想到した。
本発明の請求項1記載のエレクトロクロミックディスプレイは、一対の電極基板の間に、電極活物質層と、電解質層と、エレクトロクロミック層とを挟持してなり、一方の前記電極基板に前記電極活物質層が形成され、他方の前記電極基板に前記エレクトロクロミック層が形成されたエレクトロクロミックディスプレイであって、前記電極活物質層と前記エレクトロクロミック層のうちの少なくとも一方がラジカルポリマーからなることを特徴とする。
本発明の請求項2記載のエレクトロクロミックディスプレイは、請求項1において、前記電極活物質層がラジカルポリマーからなることを特徴とする。
本発明の請求項3記載のエレクトロクロミックディスプレイは、請求項1又は2において、前記エレクトロクロミック層がラジカルポリマーからなることを特徴とする。
本発明の請求項4記載のエレクトロクロミックディスプレイは、請求項1〜3のいずれか1項において、前記電解質層は、白色微粒子を分散したイオン伝導性ポリマーからなることを特徴とする。
本発明のエレクトロクロミックディスプレイによれば、電極活物質層とエレクトロクロミック層のうちの少なくとも一方にラジカルポリマーという新規の電極活物質を用いることで、応答速度、繰り返し性、化学的安定性、環境耐性などの特性を改善し、フレキシブル薄膜ディスプレイとして実用化可能な、新しいタイプのエレクトロクロミックディスプレイを提供することができる。
以下、本発明のエレクトロクロミックディスプレイの一実施例について説明する。
図1は、本実施例のエレクトロクロミックディスプレイの基本構成を模式的に示す断面図であり、1aは電極基板であり、基板2aと、この基板2a上に形成された電極層3aとから構成されている。そして、1bは電極基板1aと対をなす電極基板であり、基板2bと、この基板2b上に形成された電極層3bとから構成されている。
基板2a,2bは透明なガラスから形成されている。基板2a,2bの材料としては、ガラスのほか、プラスチックなどを用いることができ、透明あるいは透光性を有するものであれば、特定のものに限定されない。また、電極層3a,3bはITO(Indium Tin Oxide)から形成されている。電極層3a,3bの材料としては、ITOのほか、ZnO,SnOなどを用いることができ、透明で導電性を有するものであれば、特定のものに限定されない。
一方の電極基板1aの電極層3a上には、ラジカルポリマーからなる電極活物質層4が形成されている。ここで用いられるラジカルポリマーは、酸化,還元が可逆的かつ迅速に行われる不対電子を有する有機高分子である。電極活物質層4をラジカルポリマーから構成することにより、電極活物質層4における酸化,還元が可逆的かつ迅速に行われ、その結果、エレクトロクロミックディスプレイの応答速度、繰り返し性が改善される。
不対電子を有する官能基としては、2,2,6,6‐テトラメチルピペリジノキシラジカル(化1),3‐カルボキシプロシキルラジカル(化2),16‐ドキシルステアリン酸ラジカル(化3),4‐(1‐ヒドロキシ‐1‐メチルエチル)‐2,2,5,5‐テトラメチル‐3‐イミダゾリウム‐1‐イロキシラジカル(化4),フェノキシラジカルとしてガルビノキシルラジカル(化5),2,2‐ジフェニル‐1‐ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル(化6)などのいくつかの異なるタイプのラジカル種が挙げられる。
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このようなラジカル種を高分子マトリックスに導入することで、電極活物質層4を形成するラジカルポリマーが得られる。ラジカル種を高分子マトリックスに導入する方法としては、汎用の有機高分子、例えば、ポリスチレン,ポリメチルメタクリレート,エポキシ樹脂,ノボラック樹脂などに分散することが考えられるが、分子レベルでの均一性,安定性,取り扱い性,などを考慮すると、ラジカル種を共有結合で高分子骨格に結合させる方法が好ましく用いられる。ラジカル種を共有結合で高分子骨格に結合させたラジカルポリマーの例としては、ポリ(4‐メタクリロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジノキシル‐1‐オキシル)ラジカル(化7),ポリ(3,5‐ジ(N‐t‐ブチルニトロキシル)スチレン)ラジカル(化8),ポリ(1‐(N‐t‐ブチルニトロキシル)プロピン)ラジカル(化9),ポリ(N‐t‐ブチル‐N‐アクリロイルニトロキシル)ラジカル(化10),ポリ(ジアニシルアミニウムアセチレン)ラジカル(化11),ポリ(アリルプロキシル)ラジカル(化12),ポリ(4‐(2,2,6,6‐テトラメチルピペリジニウム)フェニレンアセチレン)ラジカル(化13)が挙げられる。電極活物質層4を上記のラジカルポリマーから構成することによって、応答速度、繰り返し性、化学的安定性、環境耐性などの特性を改善することができるが、本発明に用いられるラジカルポリマーは、上記のものに限定されるものではない。
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ここで、ラジカルポリマーはいずれもモノマー単位当たり10%以上のラジカルを有することが望ましく、70%から100%が適切である。また、本発明において電極活物質層4に用いられるラジカルポリマーは、高分子量のものが好適に用いられる。分子量は重量平均分子量として数千以上が望ましいが、成膜性および熱安定性などを考慮すると、1万〜数十万が適切である。このように、十分に分子量の高いラジカルポリマーを用いることにより、湿式法による簡便な成膜工程が可能になる。湿式法とは、有機高分子の薄膜を形成するための公知の技術であって、一般に、スピンコート法、インクジェット法、その他、各種印刷法などが知られている。
他方の電極基板1bの電極層3b上には、エレクトロクロミック層5が形成されている。このエレクトロクロミック層4を構成するエレクトロクロミック材料としては、上記のラジカルポリマーの中ではエレクトロクロミック特性を示すガルビノキシルラジカルを用いることができるほか、有機物ではビオロゲン,フタル酸エステル,各種導電性ポリマー(ポリチオフェン,ポリピロール,ポリアニリンなど)、無機物ではプルシアンブルー,希土類ジフタロシアニンなどの金属錯体,金属酸化物では三酸化タングステン,酸化イリジウムなどを用いることができる。さらに、モノクロ表示には、銀,ビスマスなどの金属イオンを含む塩を用いることができる。金属イオンは還元されることでゼロ価の金属となり、その微粒子が黒色を呈して白黒表示に利用できる。このほか、エレクトロクロミックディスプレイの目的に応じた材料を適宜選択して用いることができる。
電極活物質層4とエレクトロクロミック層5との間には、電解質からなる電解質層6が形成されている。この電界質層6は、電極活物質層4とエレクトロクロミック層5の酸化還元反応が円滑に進行することを妨害することなく、その逆反応(いわゆる自己放電)が生起しないように電荷分離を効果的に行う目的で適用される。電界質層6には、エレクトロクロミックディスプレイを安定かつ高速に作動させるために、望ましくは、イオン伝導性が高い材料を用いる。具体的には、液体,固体,又は半固体(ゲル)状態の媒体中に均一に支持塩を支持させた材料を用いることができるが、実用的観点からは、液漏れの虞がなく、容易に薄膜化できること、固体の電解質よりも高いイオン伝導度を有し、エレクトロクロミックディスプレイの高速化に有利であることから、ゲル状の媒体に支持塩を支持させたイオン伝導性ポリマーが好適に用いられる。
このイオン伝導性ポリマーを構成するポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン共重合体,ポリアクリロニトリル,セルロース系多糖類などが挙げられるが、イオン伝導性,力学的強度,化学的安定性,熱的安定性,基板との接着性などを考慮すると、化14〜16に示すような、エチレンオキシド鎖を側鎖に有するモノマーの単独重合体或いは共重合体が好ましく用いられる。さらに、上記モノマーに化17に示すような架橋剤を添加して重合することによって、電解質層6の膜強度を向上させることができる。
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以上のようなポリマーに含浸させる溶媒としては、誘電率の高い水,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネートなどが好適である。また、これらの溶媒に溶解する支持塩としては、過塩素酸リチウム,塩化カリウムなどの無機塩、或いはテトラメチルアンモニウム・テトラフルオロボーレート,テトラエチルアンモニウム・クロリドなどの有機塩などを用いることができる。
また、エレクトロクロミックディスプレイの反射率を向上させるために、電解質層6は、上記のイオン電導性ポリマー中に白色微粒子を分散させたもので構成されている。ここで用いられる白色微粒子としては、酸化チタンなどの金属酸化物系白色顔料が好適である。
本実施例のエレクトロクロミックディスプレイは、例えば、一方の電極基板1aにラジカルポリマーをスピンコートすることによって電極活物質層4を形成し、他方の電極基板1bにはエレクトロクロミック材料を固定化してエレクトロクロミック層5を形成し、これら2枚の電極基板1a,1b間に電解質を挟持させて電解質層6を形成するという、比較的簡単なプロセスで製造することができる。なお、電解質層6を液状の電解質で構成する場合には、シリコーンゴムなどで作製した厚さ0.5〜1mmのスペーサーを電極間に挟むことで、容易に電解質層6を形成することができる。
以上のように、本実施例のエレクトロクロミックディスプレイは、一対の電極基板1a,1bの間に、ラジカルポリマーからなる電極活物質層4と、電解質層6と、エレクトロクロミック層5とを挟持してなる。そして、電極基板1aに電極活物質層4が形成され、電極基板1bにエレクトロクロミック層5が形成されている。電極活物質層4にラジカルポリマーという新規の電極活物質を用いることで、応答速度、繰り返し性、化学的安定性、環境耐性などの特性を改善した、フレキシブル薄膜ディスプレイとして実用化可能な、新しいタイプのエレクトロクロミックディスプレイを提供することができる。
また、電解質層6は、白色微粒子を分散したイオン伝導性ポリマーからなるので、エレクトロクロミックディスプレイの反射率を向上させることができる。また、直接電極基板に反射材を固定する場合と比較すると、反射材を固定するための工程を省略することができ、より簡便にエレクトロクロミックディスプレイの反射率を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。上記実施例では、電極活物質層をラジカルポリマーから構成したものを例にとって説明したが、これに限らず、電極活物質層をラジカルポリマー以外の材料から構成し、エレクトロクロミック層をラジカルポリマーから構成するようにしてもよい。
以下、より具体的に、本発明のエレクトロクロミックディスプレイについて説明する。
プルシアンブルー(PB)をITOガラス基板電極に電着法で析出させることによって、エレクトロクロミック層を形成した。具体的には、フェリシアン化カリウム,塩化第一鉄,塩酸をそれぞれ10mMの濃度で溶かした鉄イオン含有水溶液中において、ITOガラス基板電極(表面積約5cm)を作用極、白金ワイヤーを対極、Ag/AgClを参照極として0.5mAの一定電流で100秒間通電することで、ITOガラス基板電極の表面に青色のPB膜を析出させた。
また、電極活物質層を構成する材料として、ラジカルポリマー,ポリフッ化ビニリデン(PVDF),カーボン粉末(昭和電工、VGCF)の混合物(重量比1:1:8)を用い、これをN−メチルピロリドン(NMP)に0.6wt%の濃度で分散,溶解したペースト140mgを、ITOガラス基板(表面積約5cm)の上に滴下してガラス棒で均一に塗布し、80℃、10時間真空乾燥して、電極活物質層を形成した。ここで用いたラジカルポリマーは、部分架橋したポリ(4‐メタクリロイルオキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン‐1‐オキシル)(PTMA)であり、その合成方法を以下に示す。
化18に従い、2,2’‐アゾビス(イソブチロニトリル)を開始剤として重合し得られた前駆ポリマーであるポリ(4‐メタクリロイルオキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン)をジクロロメタンに溶解させ、これにメタクロロ過安息香酸のジクロロメタン溶液を滴下し、室温で1時間反応させてラジカル体を得た。反応終了後、炭酸カリウム水溶液を加えて2液に分離させ、有機層を回収してヘキサンに再沈すると薄橙色粉末としてPTMAが得られた。このPTMAはモル当たりで70〜80%がラジカル化しているが、残りの部分は架橋構造を形成していることが分析結果から示唆された。
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そして、電解液組成物であるノリ状組成物を、上記の2つのITOガラス基板の間にシリコンゴムスペーサー(厚み0.5mm)を配置して、その中に流し込むことで電解質層を形成した。ここで電解液組成物としては、ポリエチレングリコール(PEG;M=500000),KPF,TiO,プロピレンカーボネート(PC)を5:20:5:100の重量混合比で分散,溶解した乳白色液(有機溶媒系)を用いた。
以上のようにして作製したECD素子の電圧‐電流特性を、Keithley社製分析装置モデル2400を用いて分析したところ、図2に示す結果が得られた。この結果から、化19,化20に示すように、ラジカルポリマーの酸化反応とPBの還元反応がレドックスカップルになってエレクトロクロミズムが生起しているものと推察された。
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図3は、上記のECD素子に−1.2Vおよび+0.5Vを印加して消色および着色したときの初期電流値の経時変化を示したものである。初期値が90%変化するまでの時間を応答時間(T90)としたところ、消色過程および着色過程のT90はそれぞれ0.7秒、2.1秒であった。
図4は、−1.2Vおよび+0.5Vの電圧を交互に印加して消色,着色を繰り返したときのサイクル特性を示したものである。この図に示すように、100回程度の繰り返し範囲ではエレクトロクロミズムには何ら劣化現象は観察されなかった。
以上のように、電極活物質層をラジカルポリマーで構成することによって、安定に駆動し、サイクル特性に優れたECD素子となることが確認された。
エレクトロクロミック層を構成する材料として、ガルビノキシルラジカル(GALVI)をポリフッ化ビニリデン(PVDF)に重量比で1:9の割合で分散したものを用い、これをN−メチルピロリドン(NMP)に2wt%の濃度に溶かした溶液をITOガラス基板上に塗布し、80℃で1時間乾燥して、エレクトロクロミック層を形成した。電極活物質層と電解質層は実施例1と同様に形成した。
以上のようにして作製したECD素子の電圧‐電流特性は図5に示す通りとなった。このECD素子に+3V印加すると黄色から赤紫色に変化し、−2V印加すると逆の色変化が認められた。このECD特性は、基本的に実施例1と同程度であった。
実施例2と同様に、GALVI/PVDF分散膜をエレクトロクロミック層とした。電極活物質層を形成する材料として、ポリ(3‐ヘキシルチオフェン‐2,5‐ジイル)(P3HT)を用い、これを1.6wt%の濃度でトルエンに溶解し、スピンコート(1000rpm×10秒、その後、6000rpm×50秒)によりITOガラス基板上に塗布し、80℃で1時間真空乾燥した。これを電極活物質層とし、電解質層は実施例1と同様とした。
以上のようにして作製したECD素子の電圧‐電流特性は図6に示す通りであり、基本的に、実施例2と同様の性能を示した。
比較例
実施例1と同様に、ITOガラス基板上に、プルシアンブルー(PB)でエレクトロクロミック層を形成した。また、電極活物質層もエレクトロクロミック層と同様に、PBで形成した。そして、電解液組成物であるノリ状組成物を、上記の2つのITOガラス基板の間にシリコンゴムスペーサー(厚み0.5mm)を配置して、その中に流し込むことで電解質層を形成した。ここで電解液組成物としては、ポリエチレングリコール(PEG;M=500000),KCl,TiO,水を20:20:1:100の重量混合比で分散,溶解した乳白色液(水系)を用いた。
以上のようにして作製したECD素子の電圧‐電流特性は図7に示す通りであり、PBの酸化,還元に相当するレドックスピークが観測された。
図8は、±1.5Vを交番に繰り返し印加したときのサイクル特性を示したものである。この図に示すように、着色過程の初期電流値が急速に減衰した。そして、この初期電流地の減衰に伴って、エレクトロクロミック層の色変化も繰り返し回数を増すごとに不明瞭になった。
本発明のエレクトロクロミックディスプレイの基本構成を模式的に示す断面図である。 実施例1のECD素子の電圧‐電流特性(掃引速度10mV/秒)である。 実施例1のECD素子の−1.2V,+0.5Vを印加して消色,着色したときの初期電流値の経時変化を示す。 実施例1のECD素子の−1.2V,+0.5Vの電圧を交互に印加して消色,着色を繰り返したときのサイクル特性を示す。 実施例2のECD素子の電圧‐電流特性(掃引速度10mV/秒)である。 実施例3のECD素子の電圧‐電流特性(掃引速度10mV/秒)である。 比較例のECD素子の電圧‐電流特性(掃引速度100mV/秒)である。 比較例のECD素子の−1.5V,+1.5Vの電圧を交互に印加して消色,着色を繰り返したときのサイクル特性を示す。
符号の説明
1a,1b 電極基板
4 電極活物質層
5 エレクトロクロミック層
6 電解質層

Claims (4)

  1. 一対の電極基板の間に、電極活物質層と、電解質層と、エレクトロクロミック層とを挟持してなり、一方の前記電極基板に前記電極活物質層が形成され、他方の前記電極基板に前記エレクトロクロミック層が形成されたエレクトロクロミックディスプレイであって、前記電極活物質層と前記エレクトロクロミック層のうちの少なくとも一方がラジカルポリマーからなることを特徴とするエレクトロクロミックディスプレイ。
  2. 前記電極活物質層がラジカルポリマーからなることを特徴とする請求項1記載のエレクトロクロミックディスプレイ。
  3. 前記エレクトロクロミック層がラジカルポリマーからなることを特徴とする請求項1又は2記載のエレクトロクロミックディスプレイ。
  4. 前記電解質層は、白色微粒子を分散したイオン伝導性ポリマーからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のエレクトロクロミックディスプレイ。
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