WO2009099185A1 - 表示素子 - Google Patents

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Takeshi Hakii
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/15Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect
    • G02F1/1503Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect caused by oxidation-reduction reactions in organic liquid solutions, e.g. viologen solutions

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Abstract

 本発明は、簡便な部材構成、低電圧で駆動可能で、表示速度が速く、かつ繰返し駆動での反射率の変動が少ない表示素子を提供する。この表示素子は、対向電極間に、電解質を有し、対向電極のうち表示側の電極がn型半導体材料から成る多孔質層を有し、かつ酸化活性なエレクトロクロミック化合物が該多孔質層に固定化されており、かつエレクトロクロミック化合物の着色に必要な酸化電位より卑な酸化電位を有する酸化活性化合物を電解質中に含有し、かつ対向電極間に電圧を印加することにより、表示側の電極で該酸化活性化合物を酸化して生成した酸化体がエレクトロクロミック化物を酸化することで着色表示を行うことを特徴とする。

Description

表示素子
 本発明は、新規な電気化学的な表示素子に関するものである。
 近年、パーソナルコンピューターの動作速度の向上、ネットワークインフラの普及、データストレージの大容量化と低価格化に伴い、従来紙への印刷物で提供されたドキュメントや画像等の情報を、より簡便な電子情報として入手、電子情報を閲覧する機会がますます増大している。
 このような電子情報の閲覧手段として、従来の液晶ディスプレイやCRT、また近年では、有機ELディスプレイ等の発光型が主として用いられているが、特に、電子情報がドキュメント情報の場合、比較的長時間にわたってこの閲覧手段を注視する必要があり、これらの行為は必ずしも人間に優しい手段とは言い難く、一般に発光型のディスプレイの欠点として、フリッカーで目が疲労する、持ち運びに不便、読む姿勢が制限され、静止画面に視線を合わせる必要が生じる、長時間読むと消費電力が嵩む等が知られている。
 これらの欠点を補う表示手段として、外光を利用し、像保持のために電力を消費しない、いわゆる「メモリー性」を有する反射型ディスプレイが知られているが、下記の理由で十分な性能を有しているとは言い難い。
 すなわち、反射型液晶等の偏光板を用いる方式は、反射率が約40%と低く白表示に難があり、また構成部材の作製に用いる製法の多くは簡便とは言い難い。また、ポリマー分散型液晶は高い電圧を必要とし、また有機物同士の屈折率差を利用しているため、得られる画像のコントラストが十分でない。また、ポリマーネットワーク型液晶は電圧高いことと、メモリー性を向上させるために複雑なTFT回路が必要である等の課題を抱えている。また、電気泳動法による表示素子は、10V以上の高い電圧が必要となり、電気泳動性粒子凝集による耐久性に懸念がある。
 これら上述の各方式の欠点を解消する表示方式として、エレクトロクロミック表示素子(以下、EC方式と略す)が知られている。EC方式は、3V以下の低電圧でフルカラー表示が可能で、簡易なセル構成、白品質で優れる等の利点があり、様々な方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
 本発明者は、上記特許文献に開示されている技術を詳細に検討した結果、エレクトロクロミック化合物の酸化還元電位に対して十分な過電圧を対向電極間に印加することで、エレクトロクロミック化合物の酸化還元反応を起こし表示色を切り替えるため、印加電圧を上げると表示速度が向上するものの、繰返し駆動させたときの反射率の安定性が劣化し、逆に印加電圧を下げると繰返し駆動させたときの反射率の安定性は向上するものの、表示速度が低下する課題があることが分かった。表示速度を向上させる手段としては、特許文献2に記載されているような還元活性のエレクトロクロミック化合物が反応する電極(本発明の表示側の電極)の対向側の電極で酸化活性化合物を酸化させることで表示速度を向上する技術が挙げられるが、やはり電極とエレクトロクロミック化合物の間で直接的に電子の授受が行われるため、繰返し駆動させたときの反射率の安定性の向上度は不十分であった。
特表2001-510590号公報 特開2006-309216号公報
 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡便な部材構成、低電圧で駆動可能で、表示速度が速く、かつ繰返し駆動での反射率の変動が少ない表示素子を提供することにある。
 本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
 1.対向電極間に、電解質を有し、対向電極のうち表示側の電極がn型半導体材料から成る多孔質層を有し、かつ酸化活性なエレクトロクロミック化合物が該多孔質層に固定化されており、かつ該エレクトロクロミック化合物の着色に必要な酸化電位より卑な酸化電位を有する酸化活性化合物を該電解質中に含有し、かつ該対向電極間に電圧を印加することにより、表示側の電極で該酸化活性化合物を酸化して生成した酸化体が該エレクトロクロミック化合物を酸化することで着色表示を行うことを特徴とする表示素子。
 2.前記酸化活性化合物の酸化電位と前記エレクトロクロミック化合物の着色に必要な酸化電位の間の電圧を、前記対向電極間に印加することで着色表示を行うことを特徴とする前記1に記載の表示素子。
 3.前記酸化活性化合物がN-オキシル誘導体であることを特徴とする前記1または2に記載の表示素子。
 4.前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
〔式中、Ra及びRbは各々独立に置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基若しくは>C=O、>C=S、>C=N-Rcを介して窒素原子と結合する基を表す。Rcは水素原子、若しくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。また、Ra及びRbは互いに連結して、環状構造を形成してもよい。〕
 5.前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(2)~(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記3または4に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
〔式中、R1、R2、R3、R4は各々独立に水素原子、若しくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Z1は環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。また、R1~R4及びZ1を構成する各々の原子は互いに連結して、環状構造を形成してもよく、Z1はさらに置換基を有していてもよい。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
〔式中、R5は直接、若しくは酸素原子、窒素原子、硫黄原子を介してカルボニル炭素原子に置換する、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R6は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。また、R5及びR6は互いに連結して、環状構造を形成してもよい。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
〔式中、Z2は環状構造を形成するのに必要な原子群を表し、さらに置換基を有していてもよい。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
〔式中、R7~R11は各々独立に置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。〕
 6.前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(6)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
〔式中、Xは重合体の主鎖を形成する構造であり、下記一般式(6-1)~(6-4)から選ばれる少なくとも1種を表し、R12~R14は各々独立して炭素数1~3のアルキル基を表す。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
〔式中、R15は、水素原子またはメチル基を表す。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
〔式中、R16は水素原子またはメチル基を表し、R17は炭素数1~3のアルキレン基を表す。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
〔式中、R18~R20は、各々独立して水素原子またはメチル基を表す。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
〔式中、R21~R23は各々独立して水素原子またはメチル基を表し、R24は炭素数1~3のアルキレン基を表す。〕
 7.前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(7)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
〔式中、R25は炭素数1~4のアルキル基を表し、R26は水素原子またはメチル基を表す〕
 8.前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(8)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
〔式中、R27は炭素数1~4のアルキル基を表し、R28~R30は各々独立して水素原子またはメチル基を表す。〕
 9.前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(9)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする前記3に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
〔式中、R31~R38は各々置換または無置換のアルキル基を表し、nは5~200の整数を表す。〕
 10.前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(A)で表される化合物であることを特徴とする前記1~9のいずれか1項に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
〔式中、R39は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R40、R41は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N-R42、酸素原子または硫黄原子を表し、R42は水素原子または置換基を表す。〕
 11.前記一般式(A)で表される化合物が、対向電極の少なくとも一方に固定化されていることを特徴とする前記10に記載に表示素子。
 12.前記一般式(A)で表される化合物が、-COOH、-P=O(OH)2、-OP=O(OH)2または-Si(OR)3(Rは、アルキル基を表す。)を分子内に有することを特徴とする前記10または11に記載の表示素子。
 13.前記対向電極間に下記一般式(B)で表される化合物を有することを特徴とする前記1~12のいずれか1項に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
〔式中Rb1、Rb2は各々独立に置換基を有してもよい、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基または脂肪族炭化水素基を表す。Rb1及びRb2は互いに連結して環状構造を形成してもよい。〕
 14.前記一般式(B)のRb1及びRb2が、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする前記13に記載の表示素子。
 15.前記一般式(B)のRb1及びRb2が、電子吸引性基の置換した芳香族炭化水素基または電子欠乏性の芳香族複素環基であることを特徴とする前記13に記載の表示素子。
 16.前記一般式(B)で表される化合物が、対向電極の少なくとも一方に固定化されていることを特徴とする前記1~15のいずれか1項に記載の表示素子。
 17.前記電解質が、下記一般式(III)及び(IV)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1~16のいずれか1項に記載の表示素子。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
〔式中、Lは酸素原子またはCH2を表し、R43~R46は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。〕
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
〔式中、R47、R48は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。〕
 本発明により、簡便な部材構成、低電圧で駆動可能で、表示速度が速く、かつ繰返し駆動での反射率の変動が少ない表示素子を提供することができた。
 以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
 本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、対向電極間に、電解質を有し、対向電極のうち表示側の電極がn型半導体材料から成る多孔質層を有し、かつ酸化活性なエレクトロクロミック化合物が該多孔質層に固定化されており、かつ該エレクトロクロミック化合物の着色に必要な酸化電位より卑な酸化電位を有する酸化活性化合物を該電解質中に含有し、かつ該対向電極間に電圧を印加することにより、表示側の電極で該酸化活性化合物を酸化して生成した酸化体が該エレクトロクロミック化合物を酸化することで着色表示を行うことを特徴とする表示素子を用いることで、該酸化活性化合物の酸化還元電位に対する過電圧によって表示速度が決まるようになるため、表示速度を十分に高めることができ、かつ電極とエレクトロクロミック化合物との間で直接的に電子の授受が行われないようになるために、繰返し駆動での反射率の変動が少なくできることを見出し、本発明に至った次第である。
 以下、本発明の詳細について説明する。
 〔表示素子の基本構成〕
 本発明の表示素子においては、表示部には、対応する1つの対向電極が設けられている。表示部に近い対向電極の1つである電極1にはITO電極等の透明電極、他方の電極2には導電性電極が設けられている。電極1と電極2との間に、酸化活性化合物を含有した電解質が保持されており、好ましくは、酸化活性化合物としてN-オキシル誘導体を含有していることである。電極1は、n型半導体材料から成る多孔質層を有しており、該多孔質層には酸化活性なエレクトロクロミック化合物が固定化されており、好ましくは、エレクトロクロミック化合物として前記一般式(A)で表される化合物が固定化されていることである。対向電極間に電圧を印加することにより、電極1上で該酸化活性化合物の酸化体が生成させ、生成した該酸化活性化合物の酸化体がエレクトロクロミック化合物を酸化させることで、白色と着色した状態を可逆的に切り替えることができる。
 〔n型半導体材料〕
 本発明に用いられるn型半導体とは、電子が過剰な半導体を指し、電荷を運ぶキャリアとして電子が使われる半導体である。n型半導体の特性を有する材料の例としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、Snドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛等、またはこれらの混合物が挙げられる。
 本発明に用いられる半導体の特性は、ホール係数やゼーベック係数等を測定することでn型特性を有するかp型特性を有するかを確認することができる。
 〔多孔質層〕
 本発明の多孔質とは、対向電極間に電圧印加により電位差を与え、エレクトロクロミック化合物の酸化還元反応を生じさせることが可能なように、イオン種が多孔質電極内を移動可能な貫通状態をいう。
 本発明の多孔質層は、n型半導体材料の複数個の微粒子を結着または接触させることにより形成される。
 本発明においては、平均粒子径が5nm~10μm、比表面積が簡易BET法で1×10-3~1×1022/gのn型半導体材料の微粒子が好適に用いられる。また、該微粒子の形状は、不定形、針状、球形等任意の形状のものが用いられる。
 微粒子の形成または結着法としては、公知のゾルゲル法や焼結法を採用することができ、例えば、1)Journal of the Ceramic Society of Japan,102,2,p200(1994)、2)窯業協会誌90,4,p157、3)J.of Non-Cryst.Solids,82,400(1986)等に記載の方法が挙げられる。また、気相法により作製した酸化チタンデンドリマー粒子を溶液上に分散して基体上に塗布し、乾燥して溶媒を除去して多孔質電極を得る方法を用いることもできる。微粒子は結着させた状態が好ましい。
 本発明の多孔質層は、エレクトロクロミック化合物を固定化できれば、その厚みは特に規定されるものではないが、表示側電極上に設けられるため透明性が求められることから、0.1~20μm程度の厚みが好ましく、0.2~10μm程度の厚みであることがさらに好ましい。
 〔エレクトロクロミック化合物〕
 本発明の表示素子に用いられるエレクトロクロミック化合物は、電気化学的な酸化還元によって、物質の光学吸収の性質(色や光透過度)が可逆的に変化する現象(エレクトクロミズム)を示す化合物であればいかなる化合物を用いてもよい。具体的な化合物としては、「エレクトロクロミックディスプレイ」(平成3年6月28日刊、産業図書株式会社)pp27-124、「クロミック材料の開発」(2000年11月15日刊、株式会社シーエムシー)pp81-95等に記載の化合物を挙げることができる。
 〔一般式(A)で表される化合物〕
 本発明の表示素子において、エレクトロクロミック化合物として好適に用いられる一般式(A)で表される化合物について説明する。
 前記一般式(A)において、R39は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R40、R41は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N-R42、酸素原子または硫黄原子を表し、R42は水素原子、または置換基を表す。
 一般式(A)において、R39、R40、R41で表される置換基の具体例としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2-ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2-ピリジルウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2-ピリジルアミノカルボニル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メチルウレイド基等)、アミド基(例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルフォニル基、2-ピリジルスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メチルスルホンアミド基、オクチルスルホンアミド基、フェニルスルホンアミド基、ナフチルスルホンアミド基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2-ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ホスホノ基(例えば、ホスホノエチル基、ホスホノプロピル基、ホスホノオキシエチル基)、オキザモイル基等を挙げることができる。また、これらの基はさらにこれらの基で置換されていてもよい。
 R39は、置換もしくは無置換のアリール基であり、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、さらに好ましくは置換もしくは無置換の2-ヒドロキシフェニル基または4-ヒドロキシフェニル基である。
 R40及びR41として好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基であり、より好ましくは、R40及びR41のいずれか一方がフェニル基、他方がアルキル基、さらに好ましくはR40及びR41の両方がフェニル基である。
 Xとして好ましくは>N-R42である。R42として好ましくは、水素原子、アルキル基、芳香族基、複素環基、アシル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数5~10のアリール基、アシル基である。
 以下に、一般式(A)で表されるエレクトロクロミック化合物の具体例を示すが、本発明ではこれら例示する化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000049
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
 本発明において、エレクトロクロミック化合物は、n型半導体材料から成る多孔質層に固定化されている。多孔質層にエレクトロクロミック化合物を固定化する方法は、エレクトロクロミック化合物に、多孔質層表面と化学吸着または物理吸着する基を導入する方法が好ましい。
 本発明に係る化学吸着とは、電極表面との化学結合による比較的強い吸着状態であり、本発明に係る物理吸着とは、電極表面と吸着物質との間に働くファンデルワールス力による比較的弱い吸着状態である。
 多孔質層への固定化は化学吸着であることが好ましく、化学吸着する吸着性基としては、エレクトロクロミック化合物が、分子内に、-COOH、-P-O(OH)2、-OP=O(OH)2または-Si(OR)3(Rは、アルキル基を表す)を有することが好ましい。
 〔酸化活性化合物の酸化電位〕
 本発明でいうエレクトロクロミック化合物の酸化電位とは、消色状態から着色状態への変化に対応する酸化電位を指し、本発明の表示素子の実際の形態の表示側電極を作用電極に、電解質の溶媒を測定溶媒に用いて測定することを特徴とする。測定方法の例としては、例えば、BAS社製の電気化学アナライザーALS600Cのサイクリックボルタンメトリー法を用いて、本発明に係わるエレクトロクロミック化合物が固定化された酸化チタン材料から成る多孔質層を有するITO電極を作用電極、BAS社製のRE-5非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+)を参照電極、Ptカウンター電極をカウンター電極とし、γBLに支持電解質としてテトラブチルアンモニウムパークロライドを0.1M溶解させた液を準備し、スキャン速度100mV/secの条件でサイクリックボルタングラムを取得し、サイクリックボルタングラムのアノード側の電流ピークの中央の電位を読み取り、読み取った値に0.29Vを加算することで、本発明でいう酸化電位(SCE電極基準)とした。サイクリックボルタングラムにおいて、明確なピークが確認できない場合は、作用電極に固定化されたエレクトロクロミック化合物が着色し始める電位を読み取り、酸化電位とした。
 〔エレクトロクロミック化合物の酸化電位〕
 本発明に用いられるエレクトロクロミック化合物の酸化電位は、SCE電極基準で+0.5~3.0Vであることが好ましく、+0.8V~2.5Vであることがより好ましい。
 〔酸化活性化合物〕
 本発明でいう酸化活性化合物とは、サイクリックボルタングラムの貴側の電位にピークを有し、かつ表示素子の状態で実質的に透明な化合物をいう。
 上記サイクリックボルタングラムは、例えば、BAS社製の電気化学アナライザーALS600Cのサイクリックボルタンメトリー法により測定することができる。測定は、本発明に係る酸化活性化合物とテトラブチルアンモニウムパークロライド等の支持電解質を適当な溶媒、例えば、アセトニトリルに溶解した液を準備し、BAS社製のRE-5非水溶媒系参照電極参照電極(Ag/Ag+)、Pt作用電極、Ptカウンター電極、スキャン速度100mV/secの条件でサイクリックボルタングラムを測定することができる。
 本発明でいう酸化活性化合物の酸化電位は、本発明の表示素子の実際の形態の表示側電極を作用電極に、電解質の溶媒を測定溶媒に用いて測定することを特徴とする。測定方法の例としては、例えば、BAS社製の電気化学アナライザーALS600Cのサイクリックボルタンメトリー法を用いて、本発明に係わる酸化チタン材料から成る多孔質層を有するITO電極を作用電極、BAS社製のRE-5非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+)を参照電極、Ptカウンター電極をカウンター電極とし、γBLに支持電解質としてテトラブチルアンモニウムパークロライド0.1Mと本発明に係わる酸化活性化合物0.05Mを溶解させた液を準備し、スキャン速度100mV/secの条件でサイクリックボルタングラムを取得し、サイクリックボルタングラムのアノード側の電流ピークの中央の電位を読み取り、読み取った値に0.29Vを加算することで、本発明でいう酸化電位(SCE電極基準)とした。
 本発明に用いられる酸化活性化合物の酸化電位は、上述のエレクトロクロミック化合物の酸化電位より卑側にあることを特徴とし、SCE電極基準で+0.1~2.5Vであることが好ましく、+0.3V~2.0Vであることがより好ましい。
 このような酸化電位を有する酸化活性物質を含有することで、該酸化活性物質は、エレクトロクロミック化合物より容易に電極により酸化され、さらに、エレクトロクロミック化合物を容易に酸化することができるため、効率よくエレクトロクロミック化合物の発色を行なうことが可能となる。
 以下に、本発明に用いられる酸化活性化合物の具体的例の一部を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
 〔N-オキシル誘導体〕
 本発明の表示素子において、酸化活性化合物にN-オキシル誘導体を用いることが好ましい。
 以下、本発明に係るN-オキシル誘導体に係る前記一般式(1)~(9)について説明する。
 〔一般式(1)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(1)において、Ra及びRbは各々独立に置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基若しくは>C=O、>C=S、>C=N-Rcを介して窒素原子と結合する基を表す。Rcは水素原子若しくは、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基を表す。またRa及びRbは互いに連結して、環状構造を形成してもよい。
 脂肪族炭化水素基には、鎖状及び環状のものが包含され、鎖状のものには直鎖状のもの及び分岐状のものが包含される。このような脂肪族炭化水素基には、メチル、エチル、ビニル、プロピル、イソプロピル、プロペニル、ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、iso-ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、オクチル、iso-オクチル、シクロオクチル、2,3-ジメチル-2-ブチル等が挙げられる。
 芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、複素環基としては、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基、モルフォリノ基等が挙げられる。
 これら置換基はさらに置換基を有していてもよい。それらの置換基には、特に制限は無く例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、エチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p-トリル基、m-クロロフェニル基、o-ヘキサデカノイルアミノフェニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基、モルフォリノ基等)、複素環オキシ基(例えば、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ基、2-テトラヒドロピラニルオキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2-ナフチルオキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-tert-ブチルフェノキシ基、3-ニトロフェノキシ基、2-テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基、オキサゾリルチオ基、イミダゾリルチオ基、フリルチオ基、ピロリルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2-ピリジルアミノスルホニル基、モルフォリノスルホニル基、ピロリジノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2-ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2-エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p-メトキシフェニルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ホルミルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、3,4,5-トリ-n-オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2-エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2-ピリジルアミノカルボニル基、モルフォリノカルボニル基、ピペラジノカルボニル基等)、アルカンスルフィニル基またはアリールスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ブタンスルフィニル基、シクロヘキサンスルフィニル基、2-エチルヘキサンスルフィニル基、ドデカンスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2-ピリジルスルフィニル基等)、アルカンスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基、2-エチルヘキサンスルホニル基、ドデカンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2-ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2-エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、N-メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、2-ピリジルアミノ基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ基等)、アミノカルボニルオキシ基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N-ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N-ジ-n-オクチルアミノカルボニルオキシ基、N-n-オクチルカルバモイルオキシ基等)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert-ブトキシカルボニルオキシ基、n-オクチルカルボニルオキシ基等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p-メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p-n-ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert-ブトキシカルボニルアミノ基、n-オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N-メチル-メトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m-n-オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N-ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N-n-オクチルアミノスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ基、ナフチルアゾ基、p-クロロフェニルアゾ基等)、複素環アゾ基(例えば、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基、オキサゾリルアゾ基、イミダゾリルアゾ基、フリルアゾ基、ピロリルアゾ基、5-エチルチオ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルアゾ基等)、イミノ基(例えば、N-スクシンイミド-1-イル基、N-フタルイミド-1-イル基等)、ホスフィノ基(例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等)、ホスフィニル基(例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等)、ホスフィニルオキシ基(例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等)、ホスフィニルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基等)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。
 一般式(1)で表される化合物は、これら置換基で連結された二量体、三量体等の多量体であってもよく、また重合体で有ってもよい。
 以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
 なお、本発明に係る一般式(1)で表される化合物としては、下記の一般式(2)~(5)で表される化合物の具体的化合物を包含する。
 〔一般式(2)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(2)において、R1、R2、R3、R4は各々独立に水素原子若しくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。これら脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基については、前記一般式(1)におけるそれぞれと同義である。
 Z1は環状構造を形成するのに必要な原子群を表し、5員環若しくは6員環を形成するのが好ましい。Z1はさらに置換基を有していてもよく、それらの置換基としては、前記一般式(1)で例示したのと同様の置換基が挙げられる。また、R1~R4及びZ1を構成する原子は互いに連結して、環状構造を形成してもよく、例えば、窒素原子と共にアザノルボルネン構造、アザアダマンタン構造等の多環式構造を取ってもよい。
 一般式(2)で表される化合物の環構造としては、ピペリジン環、ピロリジン環、アザアダマンタン環が好ましい。
 以下に、一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000053
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000054
 〔一般式(3)で表される化合物〕
  本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(3)において、R5は直接、若しくは酸素原子、窒素原子、硫黄原子を介してカルボニル炭素原子に置換する、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表し、R6は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。これら脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基については、一般式(1)におけるそれぞれと同義である。また、R5及びR6は互いに連結して、環状構造を形成してもよい。一般式(3)において、R6は芳香族炭化水素基が好ましく、特に置換基を有してもよいフェニル基が好ましい。フェニル基上の置換基としては、シアノ基、アルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基等の電子吸引性基が好ましい。R5としては、カルボニル炭素原子に直接結合した脂肪族炭化水素基が好ましく、特に、分岐アルキル基及びシクロアルキル基が好ましい。
 以下に、一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれら化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000055
 〔一般式(4)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(4)において、Z2は環状構造を形成するのに必要な原子群を表し、5員環若しくは6員環を形成するのが好ましい。Z2はさらに置換基を有していてもよく、それらの置換基としては、一般式(1)で例示した置換基が挙げられる。また、Z2は縮合環で有ってもよい。
 以下に、一般式(4)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000056
 一般式(4)で表される化合物としては、N-ヒドロキシコハク酸イミド、N-ヒドロキシマレイン酸イミド、N-ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミド、N-ヒドロキシフタルイミドのラジカル化合物が好ましい。
 〔一般式(5)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(5)において、R7~R11は各々独立に置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。これら脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基については、一般式(1)とおけるそれぞれと同義である。
 一般式(5)において、R7は芳香族炭化水素基が好ましく、特に置換基を有してもよいフェニル基が好ましい。フェニル基上の置換基としてはシアノ基、アルコキシカルボニル基、トリフルオロメチル基等の電子吸引性基が好ましい。R8~R11としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
 以下に、一般式(5)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000057
 〔一般式(6)で表される化合物〕
  本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(6)において、Xは重合体の主鎖を形成する構造であり、前記一般式(6-1)~(6-4)から選ばれる少なくとも1種を表す。
 R12~R14は各々独立して炭素数1~3のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基を挙げることができるが、その中でも、合成のし易さという観点からメチル基であることが好ましい。
 次いで、Xで表される重合体の主鎖を形成する構造である前記一般式(6-1)~(6-4)について説明する。
 前記一般式(6-1)において、R15は、水素原子またはメチル基を表す。
 また、前記一般式(6-2)において、R16は水素原子またはメチル基を表す。R17は炭素数1~3のアルキレン基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基等を挙げることができるが、その中でも、合成のし易さという観点からメチレン基が好ましい。
 また、一般式(6-3)において、R18~R20は、各々独立して水素原子またはメチル基を表す。
 また、一般式(6-4)において、R21~R23は各々独立して水素原子またはメチル基を表す。R24は炭素数1~3のアルキレン基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基等を挙げることができるが、その中でも、合成のし易さという観点からメチレン基が好ましい。
 以下に、一般式(6)で表されるN-オキシル誘導体の化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000058
 上記例示化合物6-1は、例えば、テトラメチルアニジンを触媒として用い、2-ニトロプロパンにメチルビニルケトンをマイケル付加させ、5-ニトロ-2-ヘキサノンとする。次いで、得られた5-ニトロ-2-ヘキサノンを水中で、塩化アンモニウム、亜鉛を用いて環化し、環状ニトロン化合物とする。得られた環状ニトロン化合物にエーテル中でエチニルマグネシウムブロミドを用いたグリニャール反応により、エチニル基を導入し、さらに銅触媒を用いた空気酸化によりニトロキシドラジカルとする。これを、ロジウム触媒により重合することにより、例示化合物6-1が得られる。
 その他の例示化合物についても、上記の合成法と類似の方法で得ることができる。すなわち、環状ニトロン化合物に、グリニャール反応によりエチニル基、ビニル基を導入後、酸化反応によりニトロキシドラジカルをもつ重合性モノマーとする。これを適当な重合触媒で重合する。エチニル基の場合、ロジウム触媒のほか、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルの塩化物とアルキルスズ化合物、アルキルアルミニウム化合物等を組み合わせた触媒により重合可能である。ビニル基の場合、四塩化チタン、三塩化チタン、四塩化バナジウム、三塩化酸化バナジウム等の遷移金属化合物とトリエチルアルミニウム等の典型金属の有機金属化合物を組み合わせた触媒により重合可能である。合成スキーム、使用する原料、反応条件等を適宜変更し、また公知の合成技術を組合わせることで、目的とするN-オキシル誘導体を合成することができる。
 〔一般式(7)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(7)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(7)において、R25は炭素数1~4のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基等を挙げることができる。R26は水素原子またはメチル基を表す。
 前記一般式(7)で表される化合物は、数平均分子量が500以上であることが好ましく、さらには5000以上であることがより好ましい。これは、数平均分子量が500以上であると電解液に溶解しづらくなり、さらに数平均分子量5000以上になるとほぼ不溶となるからである。また、数平均分子量の上限には特に制限はないが、合成の都合上、数平均分子量が5000000以下、より好ましくは数平均分子量が1000000以下の化合物を好適に使用できる。一般式(7)で表される化合物の形状としては鎖状、分岐状、網目状のいずれでもよい。また、架橋剤で架橋したような構造でもよい。
 以下に、一般式(7)で表されるN-オキシル誘導体の化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000059
 本発明に係る一般式(7)で表される化合物は、例えば、特開2007-35375号公報の〔化8〕に記載の合成ルートに従って合成することができる。
 〔一般式(8)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(8)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(8)において、R27は炭素数1~4のアルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基等を挙げることができる。R28~R30は各々独立して水素原子またはメチル基を表す。
 前記一般式(8)で表される化合物は、数平均分子量が500以上であることが好ましく、さらには5000以上であることがより好ましい。これは、数平均分子量が500以上であると電解液に溶解しづらくなり、さらに数平均分子量5000以上になるとほぼ不溶となるからである。また、数平均分子量の上限には特に制限はないが、合成の都合上、数平均分子量が5000000以下、より好ましくは数平均分子量が1000000以下の化合物を好適に使用できる。一般式(8)で表される化合物の形状としては鎖状、分岐状、網目状のいずれでもよい。また、架橋剤で架橋したような構造でもよい。
 以下に、一般式(8)で表されるN-オキシル誘導体の化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000060
 本発明に係る一般式(8)で表される化合物は、例えば、特開2007-35375号公報の〔化9〕に記載の合成ルートに従って合成することができる。
 〔一般式(9)で表される化合物〕
 本発明においては、N-オキシル誘導体が、前記一般式(9)で表される化合物であることが好ましい態様の1つである。
 前記一般式(9)において、R31~R38は各々置換または無置換のアルキル基を表し、nは5~200の整数を表す。
 R31~R38は、置換または無置換のアルキル基であればよく、鎖状、環状または分岐状アルキル基の何れでもよいが、好ましくは炭素数1~10、より好ましくは1~4のアルキル基である。炭素数1~4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基等が挙げられる。また、アルキル基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子等で置換されていてもよい。nは5~200の整数を表すが、好ましくは10~100の整数である。
 以下に、一般式(9)で表されるN-オキシル誘導体の化合物例を示すが、本発明はこの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000061
 一般式(9)で表される化合物は、例えば、ノルボルネン骨格を有するモノマーを、第二世代Grubbs触媒等のメタセシス触媒を用いて開環重合させることにより製造することができる。
 これらの酸化活性化合物は、電解質中に溶解した状態で存在してもよいが、より好ましくは、表示側電極上、あるいは表示が電極上に設けられた多孔質層に固定化あるいは接触して設けることが好ましい。特に一般式(6)から(9)の化合物はポリマー化して膜を形成しやすいため、電極か多孔質層に接触する層として設けることが容易である。
 〔表示素子駆動方法〕
 本発明の表示素子の着色状態と透明状態の制御方法は、酸化活性化合物の酸化電位とエレクトロクロミック化合物の還元電位を基に決められることを特徴とする。
 本発明の表示素子は、酸化活性なエレクトロクロミック化合物と該エレクトロクロミック化合物の酸化電位より卑な酸化電位を持つ酸化活性化合物を対向電極間に有しているため、酸化側で着色状態を示し、還元側で透明状態を示す。この場合の制御方法の一例としては、酸化活性化合物の酸化電位より貴な電圧を対向電極間に印加することで、酸化活性化合物を酸化して生成した酸化体がエレクトロクロミック化合物を酸化し着色状態とし、エレクトロクロミック化合物の還元電位より卑な電圧を対向電極間に印加することで、エレクトロクロミック化合物を還元し透明状態とする方法が挙げられる。
 本発明の表示素子の着色状態制御方法は、表示速度と繰返し駆動での反射率の変動の観点から、前記酸化活性化合物の酸化電位と前記エレクトロクロミック化合物の酸化電位の間の電圧を対向電極間に印加することで着色状態とすることが好ましい。
 本発明の表示素子の駆動操作は、単純マトリックス駆動であっても、アクティブマトリック駆動であってもよい。本発明でいう単純マトリックス駆動とは、複数の正極を含む正極ラインと複数の負極を含む負極ラインとが対向する形で、互いのラインが垂直方向に交差した回路に、順次電流を印加する駆動方法のことをいう。単純マトリックス駆動を用いることにより、回路構成や駆動ICを簡略化でき安価に製造できるメリットがある。アクティブマトリックス駆動は、走査線、データライン、電流供給ラインが碁盤目状に形成され、各碁盤目に設けられたTFT回路により駆動させる方式である。画素毎にスイッチングが行えるので、階調やメモリー機能等のメリットがあり、例えば、特開2004-29327号の図5に記載されている回路を用いることができる。
 〔一般式(B)で表される化合物〕
 本発明の表示素子において、一般式(B)で表される化合物を用いることが好ましい。一般式(B)で表される化合物は、本発明の表示素子において、還元活性化合物として働く。
 〔還元活性化合物〕
 還元活性化合物とは、サイクリックボルタングラムの卑側の電位にピークを有する化合物をいう。
 上記サイクリックボルタングラムの測定方法は、例えば、BAS社製の電気化学アナライザーALS600Cのサイクリックボルタンメトリー法により測定することができる。測定は、本発明に係る還元活性化合物とテトラブチルアンモニウムパークロライド等の支持電解質を適当な溶媒、例えば、アセトニトリルに溶解した液を準備し、BAS社製のRE-5非水溶媒系参照電極参照電極(Ag/Ag+)、Pt作用電極、Ptカウンター電極、スキャン速度100mV/secの条件でサイクリックボルタングラムを測定することができる。
 還元活性物質は、エレクトロクロミック化合物や酸化活性物質とは異なる電極上で反応する。還元活性物質が異なる電極上で反応することにより、電子の移動が安定的となり、酸化活性物質の反応とそれに続くエレクトロクロミック化合物の反応を促進する効果がある。
 本発明に一般式(B)において、Rb1、Rb2は各々独立に置換基を有してもよい、芳香族基、芳香族複素環基または脂肪族基を表す。Rb1及びRb2は互いに連結して環状構造を形成してもよい。
 芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、芳香族複素環基としては、例えばピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基、モルフォリノ基等が挙げられる。また脂肪族炭化水素基には、鎖状及び環状のものが包含され、鎖状のものには直鎖状のもの及び分岐状のものが包含される。このような脂肪族炭化水素基には、メチル、エチル、ビニル、プロピル、イソプロピル、プロペニル、ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、iso-ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、オクチル、iso-オクチル、シクロオクチル、2,3-ジメチル-2-ブチル等が挙げられる。
 これら置換基はさらに置換基を有していてもよい。それらの置換基には、特に制限は無く例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、オクテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、エチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p-トリル基、m-クロロフェニル基、o-ヘキサデカノイルアミノフェニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基、モルフォリノ基等)、複素環オキシ基(例えば、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ基、2-テトラヒドロピラニルオキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2-ナフチルオキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-tert-ブチルフェノキシ基、3-ニトロフェノキシ基、2-テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基、オキサゾリルチオ基、イミダゾリルチオ基、フリルチオ基、ピロリルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2-ピリジルアミノスルホニル基、モルフォリノスルホニル基、ピロリジノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2-ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2-エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p-メトキシフェニルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ホルミルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、3,4,5-トリ-n-オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2-エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2-ピリジルアミノカルボニル基、モルフォリノカルボニル基、ピペラジノカルボニル基等)、アルカンスルフィニル基またはアリールスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ブタンスルフィニル基、シクロヘキサンスルフィニル基、2-エチルヘキサンスルフィニル基、ドデカンスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2-ピリジルスルフィニル基等)、アルカンスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基、2-エチルヘキサンスルホニル基、ドデカンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2-ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2-エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、N-メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、2-ピリジルアミノ基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ基等)、アミノカルボニルオキシ基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N-ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N-ジ-n-オクチルアミノカルボニルオキシ基、N-n-オクチルカルバモイルオキシ基等)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert-ブトキシカルボニルオキシ基、n-オクチルカルボニルオキシ基等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p-メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p-n-ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert-ブトキシカルボニルアミノ基、n-オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N-メチル-メトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m-n-オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N-ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N-n-オクチルアミノスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ基、ナフチルアゾ基、p-クロロフェニルアゾ基等)、複素環アゾ基(例えば、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基、オキサゾリルアゾ基、イミダゾリルアゾ基、フリルアゾ基、ピロリルアゾ基、5-エチルチオ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルアゾ基等)、イミノ基(例えば、N-スクシンイミド-1-イル基、N-フタルイミド-1-イル基等)、ホスフィノ基(例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等)、ホスフィニル基(例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等)、ホスフィニルオキシ基(例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等)、ホスフィニルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基等)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。
 一般式(B)で表される化合物は、これら置換基で連結された二量体、三量体等の多量体であってもよく、また重合体であってもよい。
 一般式(B)において、Rb1及びRb2は芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましく、特に電子吸引性基の置換した芳香族炭化水素基または電子欠乏性の芳香族複素環基が好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が0以上の電子吸引性基である。好ましくは、σp値が0.2以上の電子吸引性基である。上限としては好ましくは1.0以下の電子吸引性基である。さらに好ましくは0.75以下の電子吸引性基である。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に記載があるが、例えば、J.A.Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw-Hill)や「化学の領域増刊」、122号、96~103頁、1979年(南江堂)に詳しい。ただしこれらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなくその値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含されることはもちろんである。
 σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基、またはセレノシアネート基が挙げられる。
 電子欠乏性の芳香族複素環基としては、例えばピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等の含窒素6員環から誘導される基が好ましい。
 一般式(B)で表される化合物は、電解質中に含有されていても、電極表面上に固定化されていてもよいが、好ましい形態は、電極表面上に固定化されていることである。電極表面上に固定化する方法は、一般式(B)で表される化合物に電極表面と化学吸着または物理吸着する基を導入する方法や一般式(B)で表される化合物をポリマー化して電極表面上に薄膜を形成する方法等が挙げられる。
 本発明に係る化学吸着とは、電極表面との化学結合による比較的強い吸着状態であり、本発明に係る物理吸着とは、電極表面と吸着物質との間に働くファンデルワールス力による比較的弱い吸着状態である。
 本発明に係る吸着性基は、化学吸着性の基である方が好ましく、化学吸着する吸着性基としては、-COOH、-P=O(OH)2、-OP=O(OH)2及び-Si(OR)3(Rは、アルキル基を表す)が好ましい。
 以下に、一般式(B)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000062
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000063
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000064
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000065
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000066
 〔一般式(III)または一般式(IV)で表される化合物〕
 本発明の表示素子においては、電解質が、前記一般式(III)または(IV)で表される化合物を含有することが好ましい。
 はじめに、一般式(III)で表される化合物の詳細について説明する。
 前記一般式(III)において、Lは酸素原子またはCH2を表し、R43~R46は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
 アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等、アルコキシアルキル基として、例えば、β-メトキシエチル基、γ-メトキシプロピル基等、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げることができる。
 以下、一般式(III)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000067
 次いで、一般式(IV)で表される化合物の詳細について説明する。
 前記一般式(IV)において、R47、R48は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。
 アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等、シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等、アルコキシアルキル基として、例えば、β-メトキシエチル基、γ-メトキシプロピル基等、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げることができる。
 以下、一般式(IV)で表される化合物の具体例を示すが、本発明ではこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000068
 上記例示した一般式(III)及び一般式(IV)で表される化合物の中でも、特に、例示化合物III-1、IV-2、IV-3が好ましい。
 本発明に係る一般式(III)、(IV)で表される化合物は電解質溶媒の1種であるが、本発明の表示素子においては、本発明の目的効果を損なわない範囲でさらに別の溶媒を併せて用いることができる。具体的には、テトラメチル尿素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、2-(N-メチル)-2-ピロリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N-メチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,Nジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ブチロニトリル、プロピオニトリル、アセトニトリル、アセチルアセトン、4-メチル-2-ペンタノン、2-ブタノール、1-ブタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、エタノール、メタノール、無水酢酸、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシエタン、ジエトキシフラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、水等が挙げられる。これらの溶媒の内、凝固点が-20℃以下、かつ沸点が120℃以上の溶媒を少なくとも1種含むことが好ましい。
 さらに本発明で用いることのできる溶媒としては、J.A.Riddick,W.B.Bunger,T.K.Sakano,“Organic Solvents”,4th ed.,John Wiley & Sons(1986)、Y.Marcus,“Ion Solvation”,John Wiley & Sons(1985)、C.Reichardt,“Solvents and Solvent Effects in Chemistry”,2nd ed.,VCH(1988)、G.J.Janz,R.P.T.Tomkins,“Nonaqueous Electrolytes Handbook”,Vol.1,Academic Press(1972)に記載の化合物を挙げることができる。
 本発明において、電解質溶媒は単一種であっても、溶媒の混合物であってもよいが、エチレンカーボネートを含む混合溶媒が好ましい。エチレンカーボネートの添加量は、全電解質溶媒質量の10質量%以上、90質量%以下が好ましい。特に好ましい電解質溶媒は、プロピレンカーボネート/エチレンカーボネートの質量比が7/3~3/7の混合溶媒である。プロピレンカーボネート比が7/3より大きいとイオン伝導性が劣り応答速度が低下し、3/7より小さいと低温時に電解質が析出しやすくなる。
 〔基板〕
 本発明の表示素子においては、基板を用いることができる。本発明で用いることのできる基板としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラート、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアセタール類、ポリスチレン等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62-117708号、特開平1-46912号、同1-178505号の各公報に記載されている方法により得ることができる。さらに、ステンレス等の金属製基盤や、バライタ紙、及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62-253195号(29~31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。RDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号のようにTg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を支持体と他の構成層との接着の向上を目的に表面処理を行ってもよい。本発明では、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。さらに公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44~149頁に記載の支持体を用いることもできる。さらにRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻P108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。その他に、ガラス基板や、ガラスを練りこんだエポキシ樹脂を用いることができる。
 〔透明導電性層〕
 本発明の表示素子においては、透明導電性層を有することができる。透明導電性層としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1~20μmであるのが一般的である。また別の例として、導電性高分子を用いる方法が挙げられる。
 〔白色散乱物〕
 本発明においては、表示コントラスト及び白表示反射率をより高める観点から、白色散乱物を含有することが好ましく、多孔質白色散乱層を形成させて存在させてもよい。ここで、多孔質とは、上記で説明したように、イオン種が多孔質内を移動可能な貫通状態をいう。
 本発明に適用可能な多孔質白色散乱層は、電解質溶媒に実質的に溶解しない水系高分子と白色顔料との水混和物を塗布乾燥して形成することができる。
 本発明で適用可能な白色顔料としては、例えば、二酸化チタン(アナターゼ型あるいはルチル型)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及び水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、アルカリ土類金属塩、タルク、カオリン、ゼオライト、酸性白土、ガラス、有機化合物としてポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アイオノマー、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素-ホルマリン樹脂、メラミン-ホルマリン樹脂、ポリアミド樹脂等が単体または複合混合で、または粒子中に屈折率を変化させるボイドを有する状態で使用されてもよい。
 本発明では、上記白色粒子の中でも、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛が好ましく用いられる。また、無機酸化物(Al23、AlO(OH)、SiO2等)で表面処理した二酸化チタン、これらの表面処理に加えて、トリメチロールエタン、トリエタノールアミン酢酸塩、トリメチルシクロシラン等の有機物処理を施した二酸化チタンを用いることができる。
 これらの白色粒子のうち、高温時の着色防止、屈折率に起因する素子の反射率の観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
 本発明において、電解質溶媒に実質的に溶解しない水系高分子としては、水溶性高分子、水系溶媒に分散した高分子を挙げることができる。
 水溶性化合物としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、カラギーナン等の多糖類のような天然化合物や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体やそれらの誘導体等の合成高分子化合物が挙げられる。ゼラチン誘導体としては、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリビニルアルコール誘導体としては、末端アルキル基変性ポリビニルアルコール、末端メルカプト基変性ポリビニルアルコール、セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。さらに、リサーチ・ディスクロージャー及び特開昭64-13546号の(71)頁~(75)頁に記載されたもの、また、米国特許第4,960,681号、特開昭62-245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち-COOMまたは-SO3M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマー(例えば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、アクリル酸カリウム等)との共重合体も使用される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用いることもできる。
 本発明においては、ゼラチン及びゼラチン誘導体、または、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体を好ましく用いることができる。
 水系溶媒に分散した高分子としては、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム等のラテックス類、ポリイソシアネート系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ポリウレタン系、尿素系、フェノール系、ホルムアルデヒド系、エポキシ-ポリアミド系、メラミン系、アルキド系樹脂、ビニル系樹脂等を水系溶媒に分散した熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの高分子のうち、特開平10-76621号に記載の水系ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
 本発明でいう電解質溶媒に実質的に溶解しないとは、-20℃から120℃の温度において、電解質溶媒1kgあたりの溶解量が0g以上、10g以下である状態と定義し、質量測定法、液体クロマトグラムやガスクロマトグラムによる成分定量法等の公知の方法により溶解量を求めることができる。
 本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物は、公知の分散方法に従って白色顔料が水中分散された形態が好ましい。水系化合物/白色顔料の混合比は、容積比で1~0.01が好ましく、より好ましくは、0.3~0.05の範囲である。
 本発明において、水系化合物と白色顔料との水混和物を塗布する媒体は、表示素子の対向電極間の構成要素上であればいずれの位置でもよいが、対向電極の少なくとも1方の電極面上に付与することが好ましい。媒体への付与の方法としては、例えば、塗布方式、液噴霧方式、気相を介する噴霧方式として、圧電素子の振動を利用して液滴を飛翔させる方式、例えば、ピエゾ方式のインクジェットヘッドや、突沸を利用したサーマルヘッドを用いて液滴を飛翔させるバブルジェット(登録商標)方式のインクジェットヘッド、また空気圧や液圧により液を噴霧するスプレー方式等が挙げられる。
 塗布方式としては、公知の塗布方式より適宜選択することができ、例えば、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースローラーコーター、トランスファーローラーコーター、カーテンコーター、ダブルローラーコーター、スライドホッパーコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ビードコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カレンダーコーター、押し出しコーター等が挙げられる。
 媒体上に付与した水系化合物と白色顔料との水混和物の乾燥は、水を蒸発できる方法であればいかなる方法であってもよい。例えば、熱源からの加熱、赤外光を用いた加熱法、電磁誘導による加熱法等が挙げられる。また、水蒸発は減圧下で行ってもよい。
 本発明の表示素子では、上記説明した水混和物を塗布乾燥中または乾燥後に、硬化剤により水系化合物の硬化反応を行うことが望ましい。
 本発明で用いられる硬膜剤の例としては、例えば、米国特許第4,678,739号の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59-116655号、同62-245261号、同61-18942号、同61-249054号、同61-245153号、特開平4-218044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′-エチレン-ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン等)、N-メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素等)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62-234157号等に記載の化合物)が挙げられる。水系化合物としてゼラチンを用いる場合は、硬膜剤の中で、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。また、ポリビニルアルコールを用いる場合はホウ酸やメタホウ酸等の含ホウ素化合物の使用が好ましい。
 これらの硬膜剤は、水系化合物1g当たり0.001~1g、好ましくは0.005~0.5gが用いられる。また、膜強度を上げるため熱処理や、硬化反応時の湿度調整を行うことも可能である。
 本発明の多孔質白色散乱層は、所望の白色を呈することができれば、その厚みは特に規定されるものではないが、好ましくは5~40μm程度が好ましい。イオン種の移動効率を考えた場合、5~20μm程度の厚みであることがより好ましい。
 〔電子絶縁層〕
 本発明の表示素子においては、電気絶縁層を設けることができる。
 本発明に適用可能な電子絶縁層は、イオン電導性、電子絶縁性を合わせて有する層であればよく、例えば、極性基を有する高分子や塩をフィルム状にした固体電解質膜、電子絶縁性の高い多孔質膜とその空隙に電解質を担持する擬固体電解質膜、空隙を有する高分子多孔質膜、含ケイ素化合物のような比誘電率が低い無機材料の多孔質体、等が挙げられる。
 多孔質膜の形成方法としては、燒結法(融着法)(高分子微粒子や無機粒子をバインダー等に添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物または無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物または無機物類を溶解させ細孔を得る)、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の公知の形成方法を用いることができる。具体的には、特開平10-30181号、特開2003-107626号、特公平7-95403号、特許第2635715号、同第2849523号、同第2987474号、同第3066426号、同第3464513号、同第3483644号、同第3535942号、同第3062203号等に記載の電子絶縁層を挙げることができる。
 〔電解質添加の増粘剤〕
 本発明の表示素子においては、電解質に増粘剤を使用することができ、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アルキレングリコール)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン-無水マレイン酸)、コポリ(スチレン-アクリロニトリル)、コポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類、疎水性透明バインダーとして、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等が挙げられる。
 これらの増粘剤は2種以上を併用して用いてもよい。また、特開昭64-13546号公報の71~75頁に記載の化合物を挙げることができる。これらの中で好ましく用いられる化合物は、各種添加剤との相溶性と白色粒子の分散安定性向上の観点から、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ヒドロキシプロピルセルロース類、ポリアルキレングリコール類である。
 〔その他の添加剤〕
 本発明の表示素子の構成層には、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を挙げることができ、これらの補助層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を、必要に応じて含有させることができる。
 上述したこれらの添加剤は、より詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
 これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲載した。
  添加剤   RD17643    RD18716     RD308119
         頁  分類      頁  分類       頁    分類
 化学増感剤   23  III 648右上      96     III
 増感色素    23  IV      648~649    996~8  IV
 減感色素    23  IV                 998    IV
 染料    25~26 VIII 649~650    1003   VIII
 現像促進剤   29  XXI 648右上
 カブリ抑制剤・安定剤
         24  IV      649右上      1006~7 VI
 増白剤     24  V                 998    V
 硬膜剤     26  X      651左       1004~5 X
 界面活性剤 26~7  XI 650右       1005~6 XI
 帯電防止剤   27  XII 650右       1006~7 XIII
 可塑剤     27  XII 650右       1006   XII
 スベリ剤    27  XII
 マット剤    28  XVI 650右       1008~9 XVI
 バインダー   26  XXII                1003~4 IX
 支持体     28  XVII                1009   XVII
 〔電極〕
 本発明の表示素子においては、対向電極の少なくとも1種が金属電極であることが好ましい。金属電極としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、チタン、ビスマス、及びそれらの合金等の公知の金属種を用いることができる。金属電極は、電解質中の銀の酸化還元電位に近い仕事関数を有する金属が好ましく、中でも銀または銀含有率80%以上の銀電極が、銀の還元状態維持のために有利であり、また電極汚れ防止にも優れる。電極の作製方法は、蒸着法、印刷法、インクジェット法、スピンコート法、CVD法等の既存の方法を用いることができる。
 また、本発明の表示素子は、対向電極の少なくとも1種が透明電極であることが好ましい。透明電極としては、透明で電気を通じるものであれば特に制限はない。例えば、Indium Tin Oxide(ITO:インジウム錫酸化物)、Indium Zinc Oxide(IZO:インジウム亜鉛酸化物)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、白金、金、銀、ロジウム、銅、クロム、炭素、アルミニウム、シリコン、アモルファスシリコン、BSO(Bismuth Silicon Oxide)等が挙げられる。電極をこのように形成するには、例えば、基板上にITO膜をスパッタリング法等でマスク蒸着するか、ITO膜を全面形成した後、フォトリソグラフィ法でパターニングすればよい。表面抵抗値としては、100Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。透明電極の厚みは特に制限はないが、0.1~20μmであるのが一般的である。
 〔表示素子のその他の構成要素〕
 本発明の表示素子には、必要に応じて、シール剤、柱状構造物、スペーサー粒子を用いることができる。
 シール剤は外に漏れないように封入するためのものであり封止剤とも呼ばれ、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エン-チオール系樹脂、シリコン系樹脂、変性ポリマー樹脂等の、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型、嫌気硬化型等の硬化タイプを用いることができる。
 柱状構造物は、基板間の強い自己保持性(強度)を付与し、例えば、格子配列等の所定のパターンに一定の間隔で配列された、円柱状体、四角柱状体、楕円柱状体、台形柱状体等の柱状構造物を挙げることができる。また、所定間隔で配置されたストライプ状のものでもよい。この柱状構造物はランダムな配列ではなく、等間隔な配列、間隔が徐々に変化する配列、所定の配置パターンが一定の周期で繰り返される配列等、基板の間隔を適切に保持でき、且つ、画像表示を妨げないように考慮された配列であることが好ましい。柱状構造物は表示素子の表示領域に占める面積の割合が1~40%であれば、表示素子として実用上十分な強度が得られる。
 一対の基板間には、該基板間のギャップを均一に保持するためのスペーサーが設けられていてもよい。このスペーサーとしては、樹脂製または無機酸化物製の球体を例示できる。また、表面に熱可塑性の樹脂がコーティングしてある固着スペーサーも好適に用いられる。基板間のギャップを均一に保持するために柱状構造物のみを設けてもよいが、スペーサー及び柱状構造物をいずれも設けてもよいし、柱状構造物に代えて、スペーサーのみをスペース保持部材として使用してもよい。スペーサーの直径は柱状構造物を形成する場合はその高さ以下、好ましくは当該高さに等しい。柱状構造物を形成しない場合はスペーサーの直径がセルギャップの厚みに相当する。
 〔商品適用〕
 本発明の表示素子は、電子書籍分野、IDカード関連分野、公共関連分野、交通関連分野、放送関連分野、決済関連分野、流通物流関連分野等の用いることができる。具体的には、ドア用のキー、学生証、社員証、各種会員カード、コンビニストアー用カード、デパート用カード、自動販売機用カード、ガソリンステーション用カード、地下鉄や鉄道用のカード、バスカード、キャッシュカード、クレジットカード、ハイウェイカード、運転免許証、病院の診察カード、電子カルテ、健康保険証、住民基本台帳、パスポート、電子ブック等が挙げられる。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
 実施例1
 《電極の作製》
 (電極1の作製)
 厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、ピッチ145μm、電極幅130μmのITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)膜を公知の方法に従って形成し、透明電極(電極1)を得た。
 (電極2の作製)
 厚さ1.5mmで2cm×4cmのガラス基板上に、公知の方法を用いて、電極厚み0.1μm、ピッチ145μm、電極間隔130μmのニッケル電極を形成し、得られた電極をさらに置換金メッキ浴に浸漬し、電極表面から深さ0.05μmが金で置換された金-ニッケル電極(電極2)を得た。
 (電極3の作製)
 さらに電極2上に、厚み5μmの二酸化チタン(平均粒子径17nmの粒子が4~10個程度ネッキング済み)膜を形成し、電極3を得た。
 (電極4の作製)
 化合物EC-1を900mg、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を100mg測り採り、混合した。ここに、N-メチルピロリドン(NMP)4mlを加え、スラリー状となるまで撹拌した。得られたスラリー状液体をドクターブレードで、乾燥後の膜厚が1μmとなるように電極3上に塗布した後、80℃で3分間乾燥して、電極4を得た。
 (電極5の作製)
 電極4の作製において、化合物EC-1を化合物EC-2に変更した以外は同様にして、電極5を得た。
 (電極6の作製)
 下記インク液1を、ピエゾ方式のヘッドを有するインクジェット装置にて、120dpiで電極3上に付与し、電極6を作製した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。
 (電極7の作製)
 電極6の作製において、インク液1をインク液2に変更した以外は同様にして、電極7を得た。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000069
 《インク液の調製》
 (インク液1の調製)
 化合物A-113を3mmol/Lとなるようにアセトニトリル/エタノールに溶解して、インク液1を調製した。
 (インク液2の調製)
 化合物A-42を3mmol/Lとなるようにアセトニトリル/エタノールに溶解して、インク液2を調製した。
 《電解質液の調製》
 (電解質液1の調製)
 化合物III-4の2.5g中に、テトラフルオロホウ酸スピロ-(1,1′)-ビピロリジニウム0.025gを溶解して、電解質液1を得た。
 (電解質液2の調製)
 化合物III-4の2.5g中に、テトラフルオロホウ酸スピロ-(1,1′)-ビピロリジニウム0.025gと化合物10を0.05g溶解して、電解質液2を得た。
 (電解質液3の調製)
 電解質液2の調製において、化合物10を化合物2-26に変更した以外は同様にして、電解質液3を得た。
 (電解質液4の調製)
 電解質液2の調製において、化合物10を化合物4-9に変更した以外は同様にして、電解質液4を得た。
 (電解質液5の調製)
 電解質液2の調製において、化合物10を化合物9に変更した以外は同様にして、電解質液5を得た。
 (電解質液6の調製)
 上記電解質液2の調製において、化合物10を化合物2-14に変更した以外は同様にして、電解質液6を得た。
 (電解質液7の調製)
 上記電解質液2の調製において、化合物10を化合物2-17に変更した以外は同様にして、電解質液7を得た。
 (電解質液8の調製)
 化合物III-4の2.5g中に、テトラフルオロホウ酸スピロ-(1,1′)-ビピロリジニウム0.025gと化合物2-26を0.05gと化合物B-24を0.05溶解して、電解質液8を得た。
 (電解質液9の調製)
 電解質液8の調製において、化合物B-24を化合物B-25に変更した以外は同様にして、電解質液9を得た。
 《表示素子の作製》
 (表示素子1の作製)
 周辺部を、平均粒径が40μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを体積分率として10%含むオレフィン系封止剤で縁取りした電極2の上に、ポリビニルアルコール(平均重合度3500、けん化度87%)2質量%を含むイソプロパノール溶液中に、石原産業社製二酸化チタンCR-90を20質量%添加し、超音波分散機で分散させた混和液を乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、その後15℃で30分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、45℃の雰囲気中で1時間乾燥させた。得られた二酸化チタン層上に平均粒径が20μmのガラス製球形ビーズ状スペーサーを散布した後に、電極2と電極4を貼り合わせ、加熱押圧して空セルを作製した。該空セルに電解質液1を真空注入し、注入口をエポキシ系の紫外線硬化樹脂にて封止し、表示素子1を作製した。
 (表示素子2~20の作製)
 表示素子1の作製において、電解質液と電極の構成を表1に記載した構成に変更した以外は同様にして、表示素子2~20を得た。
 《酸化電位の測定》
 〔化合物EC-1の酸化電位の測定〕
 BAS社製の電気化学アナライザーALS600Cのサイクリックボルタンメトリー法を用いて、上記で作成した電極4を作用電極、BAS社製のRE-5非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+)を参照電極、Ptカウンター電極をカウンター電極とし、γBLに支持電解質としてテトラブチルアンモニウムパークロライドを0.1M溶解させた液を準備し、スキャン速度100mV/secの条件でサイクリックボルタングラムを取得し、サイクリックボルタングラムのアノード側の電流ピークの中央の電位を読み取り、読み取った値に0.29Vを加算し、化合物EC-1の酸化電位(SCE電極基準)を得た。
 〔化合物EC-2の酸化電位の測定〕
 上記化合物EC-1の酸化電位の測定において、電極4を電極5に変更した以外は同様にして、化合物EC-2の酸化電位を得た。
 〔化合物A-113の酸化電位の測定〕
 上記化合物EC-1の酸化電位の測定において、電極4を電極6に変更した以外は同様にして、化合物A-113の酸化電位を得た。ただし、このとき得られたサイクリックボルタングラムはアノード側に複数の電流ピークが確認されたため、電極6を目視で観察して透明状態から着色状態への変化に対応するピークを化合物A-113の酸化電位とした。
 〔化合物A-42の酸化電位の測定〕
 上記化合物A-113の酸化電位の測定において、電極6を電極7に変更した以外は同様にして、化合物A-42の酸化電位を得た。
 〔化合物10の酸化電位の測定〕
 BAS社製の電気化学アナライザーALS600Cのサイクリックボルタンメトリー法を用いて、上記で作製した電極3を作用電極、BAS社製のRE-5非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+)を参照電極、Ptカウンター電極をカウンター電極とし、電解質液2に各電極を浸漬し、スキャン速度100mV/secの条件でサイクリックボルタングラムを取得し、サイクリックボルタングラムのアノード側の電流ピークの中央の電位を読み取り、読み取った値に0.29Vを加算し、化合物10の酸化電位(SCE電極基準)を得た。
 〔化合物2-26の酸化電位の測定〕
 化合物10の酸化電位の測定において、電解質液2を電解質液3に変更した以外は同様にして、化合物2-26の酸化電位を得た。
 〔化合物4-9の酸化電位の測定〕
 化合物10の酸化電位の測定において、電解質液2を電解質液4に変更した以外は同様にして、化合物4-9の酸化電位を得た。
 〔化合物9の酸化電位の測定〕
 化合物10の酸化電位の測定において、電解質液2を電解質液5に変更した以外は同様にして、化合物9の酸化電位を得た。
 〔化合物2-14の酸化電位の測定〕
 化合物10の酸化電位の測定において、電解質液2を電解質液6に変更した以外は同様にして、化合物2-14の酸化電位を得た。
〔化合物2-17の酸化電位の測定〕
 化合物10の酸化電位の測定において、電解質液2を電解質液7に変更した以外は同様にして、化合物2-17の酸化電位を得た。
 《表示素子の評価》
 作製した表示素子について、下記方法で表示速度及び繰返し駆動したときの反射率の安定性を評価した。
 〔表示速度の評価〕
 定電圧電源の両端子に作製した表示素子の両電極を接続し、表1に示す消色電圧を1.5秒間印加した後に、着色電圧を1.5秒間印加して着色表示させたときの可視光領域の極大吸収波長での反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM-3700dで測定した。ここでは、得られた値が小さいほど、表示速度が速いことになる。
 〔繰返し駆動したときの反射率の安定性の評価〕
 定電圧電源の両端子に作製した表示素子の両電極を接続し、表1に示す消色電圧を0.5秒間印加した後に、着色電圧を0.5秒間印加して着色表示させたときの可視光領域の極大吸収波長での反射率をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM-3700dで測定した。同様な駆動条件で合計10回駆動させ、得られた反射率の平均値をRave1とした。さらに1万回繰返し駆動させた後に同様な方法でRave2を求めた。RCOLOR1=|Rave1-Rave2|とし、RCOLOR1を繰返し駆動させたときの反射率の安定性の指標とした。ここでは、RCOLOR1の値が小さいほど、繰返し駆動させたときの反射率の安定性に優れることになる。
 評価の結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000070
 表1に記載の結果より明らかなように、本発明の表示素子は、比較例に対し、表示速度と繰返し駆動させたときの反射率の安定性が改善されているのが分かる。

Claims (17)

  1. 対向電極間に、電解質を有し、対向電極のうち表示側の電極がn型半導体材料から成る多孔質層を有し、かつ酸化活性なエレクトロクロミック化合物が該多孔質層に固定化されており、かつ該エレクトロクロミック化合物の着色に必要な酸化電位より卑な酸化電位を有する酸化活性化合物を該電解質中に含有し、かつ該対向電極間に電圧を印加することにより、表示側の電極で該酸化活性化合物を酸化して生成した酸化体が該エレクトロクロミック化合物を酸化することで着色表示を行うことを特徴とする表示素子。
  2. 前記酸化活性化合物の酸化電位と前記エレクトロクロミック化合物の着色に必要な酸化電位の間の電圧を、前記対向電極間に印加することで着色表示を行うことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の表示素子。
  3. 前記酸化活性化合物がN-オキシル誘導体であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の表示素子。
  4. 前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

    〔式中、Ra及びRbは各々独立に置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環基若しくは>C=O、>C=S、>C=N-Rcを介して窒素原子と結合する基を表す。Rcは水素原子、若しくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。また、Ra及びRbは互いに連結して、環状構造を形成してもよい。〕
  5. 前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(2)~(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求の範囲第3項または第4項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

    〔式中、R1、R2、R3、R4は各々独立に水素原子、若しくは置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Z1は環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。また、R1~R4及びZ1を構成する各々の原子は互いに連結して、環状構造を形成してもよく、Z1はさらに置換基を有していてもよい。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

    〔式中、R5は直接、若しくは酸素原子、窒素原子、硫黄原子を介してカルボニル炭素原子に置換する、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R6は置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。また、R5及びR6は互いに連結して、環状構造を形成してもよい。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

    〔式中、Z2は環状構造を形成するのに必要な原子群を表し、さらに置換基を有していてもよい。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

    〔式中、R7~R11は各々独立に置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表す。〕
  6. 前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(6)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

    〔式中、Xは重合体の主鎖を形成する構造であり、下記一般式(6-1)~(6-4)から選ばれる少なくとも1種を表し、R12~R14は各々独立して炭素数1~3のアルキル基を表す。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

    〔式中、R15は、水素原子またはメチル基を表す。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008

    〔式中、R16は水素原子またはメチル基を表し、R17は炭素数1~3のアルキレン基を表す。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009

    〔式中、R18~R20は、各々独立して水素原子またはメチル基を表す。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010

    〔式中、R21~R23は各々独立して水素原子またはメチル基を表し、R24は炭素数1~3のアルキレン基を表す。〕
  7. 前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(7)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011

    〔式中、R25は炭素数1~4のアルキル基を表し、R26は水素原子またはメチル基を表す〕
  8. 前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(8)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012

    〔式中、R27は炭素数1~4のアルキル基を表し、R28~R30は各々独立して水素原子またはメチル基を表す。〕
  9. 前記N-オキシル誘導体が、下記一般式(9)で表される構造を分子中に有する重合体であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013

    〔式中、R31~R38は各々置換または無置換のアルキル基を表し、nは5~200の整数を表す。〕
  10. 前記エレクトロクロミック化合物が、下記一般式(A)で表される化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項~第9項のいずれか1項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014

    〔式中、R39は置換もしくは無置換のアリール基を表し、R40、R41は各々水素原子または置換基を表す。Xは>N-R42、酸素原子または硫黄原子を表し、R42は水素原子または置換基を表す。〕
  11. 前記一般式(A)で表される化合物が、対向電極の少なくとも一方に固定化されていることを特徴とする請求の範囲第10項に記載に表示素子。
  12. 前記一般式(A)で表される化合物が、-COOH、-P=O(OH)2、-OP=O(OH)2または-Si(OR)3(Rは、アルキル基を表す。)を分子内に有することを特徴とする請求の範囲第10項または第11項に記載の表示素子。
  13. 前記対向電極間に下記一般式(B)で表される化合物を有することを特徴とする請求の範囲第1項~第12項のいずれか1項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015

    〔式中Rb1、Rb2は各々独立に置換基を有してもよい、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基または脂肪族炭化水素基を表す。Rb1及びRb2は互いに連結して環状構造を形成してもよい。〕
  14. 前記一般式(B)のRb1及びRb2が、芳香族炭化水素基または芳香族複素環基であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の表示素子。
  15. 前記一般式(B)のRb1及びRb2が、電子吸引性基の置換した芳香族炭化水素基または電子欠乏性の芳香族複素環基であることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の表示素子。
  16. 前記一般式(B)で表される化合物が、対向電極の少なくとも一方に固定化されていることを特徴とする請求の範囲第1項~第15項のいずれか1項に記載の表示素子。
  17. 前記電解質が、下記一般式(III)及び(IV)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求の範囲第1項~第16項のいずれか1項に記載の表示素子。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016

    〔式中、Lは酸素原子またはCH2を表し、R43~R46は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。〕
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017

    〔式中、R47、R48は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシ基を表す。〕
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