JP2523224B2 - 電荷移動塩及びそれらの使用 - Google Patents

電荷移動塩及びそれらの使用

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JP2523224B2
JP2523224B2 JP2330857A JP33085790A JP2523224B2 JP 2523224 B2 JP2523224 B2 JP 2523224B2 JP 2330857 A JP2330857 A JP 2330857A JP 33085790 A JP33085790 A JP 33085790A JP 2523224 B2 JP2523224 B2 JP 2523224B2
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    • H01B1/121Charge-transfer complexes

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、分子内及び分子間電荷移動塩並びに特に電
気化学的変色(color changing)セルにおけるそれらの
使用に関し、特に本発明は、変色剤が分子内及び分子間
電荷移動塩から選ばれる電気化学的変色セルに関する。
発明の背景 種々のタイプの電気化学的ディスプレイ装置は一般に
よく知られていてそしてデジタルディスプレイウオッチ
及びビデオゲームディスプレイパネルのような製品にお
いて広く使用されるようになってきた。典型的には、こ
のような装置中のディスプレイ効果は、装置中の対向電
極に対するディスプレイ電極の電位を変えてディスプレ
イ電極上のフィルムまたは流体が充填されたセルを電気
化学的に変色せしめることによって達成される。このよ
うな電気化学的ディスプレイ装置は、開発においてそれ
らに先行した発光ダイオードまたはプラズマディスプレ
イパネルのタイプより優れている。何故ならば、それら
はディスプレイ機能を達成するために実質的により少な
い電力しか必要としないからである。発光ダイオード及
びプラズマディスプレイパネルの電力要求よりも低い電
力要求を有する液晶ディスプレイ装置も開発されたが、
それらはその他の固有の欠点を有する。例えば、液晶に
よって達成することができる視覚効果は見る角度によっ
て厳しく制限される。即ち、もしディスプレイ表面の面
に直交する軸から数度ずれた角度から見ると、このディ
スプレイの可視性は顕著に減少する。また、液晶ディス
プレイは液体物質内部に本質的には残留記憶機能を持た
ない。
最も初期の電気化学的ディスプレイ装置においては、
典型的には、変色は純粋な(single)暗い色と白または
黄色の色との間で作用され、色におけるその他の変化は
達成できなかった。本発明の電気化学的変色セルは広い
色変化を有する。
電気化学的ディスプレイ装置は、表示の色が輝かし
く、必要な電圧及び電流が小さくそして観察の角度に制
限がないので、輝かしい将来を有すると予期される。
本発明者らはユニークなタイプの電気化学的化合物を
発見した。本発明者らは、変色における広い変化及び紫
外線吸収における広い変化をも示す、多段の酸化状態を
有する分子内電荷移動塩(本明細書中で以下に説明す
る)を合成した。本発明者らはまた、受容体として芳香
族部分と共役したカルボニル基を有する成分を含む分子
間電荷移動塩(本明細書中で以下に説明する)を初めて
発見した。
分子内電荷移動塩は、同じ分子上に負電荷及び不対電
子を有する部分(ラジカル−アニオン)並びに正電荷及
び不対電子を有する部分(ラジカル−カチオン)を含む
共有化合物である。分子内電荷移動塩は第15図中に図式
的に表される。共有化合物220は負電荷及び不対電子224
を有する部分222を有する。部分222はラジカル−アニオ
ンである。共有化合物220は正電荷及び不対電子228を有
する部分226を有する。部分226はラジカル−カチオンで
ある。J.BeckerらのJ.Am.Chem.Soc.1983、105、4468〜4
469における論文及びJ.BeckerらのChemistry Of Materi
als、1989、1、412〜420における論文は、分子内電荷
移動塩の予期される利点を述べそしてモデルシステムで
のいくらかの実験データを報告している。しかしなが
ら、Beckerらの論文は分子内電荷移動塩の合成を教示ま
たは示唆していない。
近年、分子間電荷移動塩に関しては膨大な量の仕事が
為されてきた。これらの仕事は以下の論文中でレビュー
されている;NATURE、109巻、1984年5月、119頁、Bryce
らの“有機金属”という標題の論文;Accounts of Chemi
cal Research、12巻、No.3、1979年3月、J.B.Torranc
e;The Organic Solid State、1986年7月21日、C&E
N、28頁、D.O.Cowanら。もっともよく研究された分子間
電荷移動塩はTCNQ(テトラシアノ−p−キノジメタン)
の塩、特にTCNQとTTF(テトラチアフルバレン)の分子
間電荷移動塩である。このTTF−TCNQ塩は金属のような
伝導性を示す。しかしながら、先行技術は、電子受容体
成分として芳香族部分と共役したカルボニル基を有する
化合物を含む分子間電荷移動塩を教示も示唆もしていな
い。本明細書中で使用されるときには、電気伝導体は、
半導体及び金属の伝導体である物質を含む。
分子間電荷移動塩は第16図中に図式的に表される。イ
オン化合物230は負電荷及び不対電子234を有するアニオ
ン構成要素232を有する。構成要素232はラジカル−アニ
オンである。イオン化合物230は正電荷及び不対電子238
を有するカチオン構成要素236を有する。構成要素236は
ラジカル−カチオンである。ギャップ240は、イオン化
合物230中のラジカル−アニオン構成要素232とラジカル
−カチオン構成要素の間に共有連鎖または結合のないこ
とを図式的に表しそしてラジカル−カチオンとラジカル
−アニオンの間のイオン相互作用を示す。
本発明の一つの目的は、変色剤として分子内電荷移動
塩を含む電気化学的変色セルを提供することである。
本発明の別の目的は、変色剤として芳香族部分と共役
したカルボニル基を有する構成要素を含む分子間電荷移
動塩を有する電気化学的変色セルを提供することであ
る。
本発明の別の目的は、分子間電荷移動塩化合物を提供
することである。
本発明の別の目的は、芳香族部分と共役したカルボニ
ル基を有する構成要素を含む分子内電荷移動化合物を提
供することである。
本発明のこれらの及びその他の目的、特徴並びに利点
は、以下の好ましい実施態様及びそれらに添付された図
面のさらに詳細な説明から当業者には容易に明らかにな
るであろう。
発明の要約 本発明は大きくは、変色剤として分子内電荷移動塩を
有する電気化学的変色セルに係るものである。
本発明の別の観点で大きくは、少なくとも一つのラジ
カル−アニオン部分に共有結合した少なくとも一つのラ
ジカル−カチオン部分を有することができる共有化合物
である分子内電荷移動塩に係るものである。
本発明のさらに特別な観点においては、本分子内電荷
移動塩は、ビオレン(violene)またはシアニン部分及
び芳香族部分と共役したカルボニル基を含む部分を含む
ものである。
本発明の別の広い観点は、変色剤として、アニオン構
成要素として芳香族部分と共役したカルボニル基を有す
る構成要素を含む分子間電荷移動塩を有する電気化学的
変色セルに係るものである。
本発明の別の広い観点は、アニオン構成要素として芳
香族部分と共役したカルボニル基を有する構成要素を含
む分子間電荷移動塩に係るものである。
本発明の別のさらに特別な観点においては、本分子間
電荷移動塩は、ビスイミドアニオン構成要素及びビオレ
ンカチオン構成要素を含むものである。
好ましい実施態様の詳細な説明 第1図中に示されるように、例えばガラス、透明なプ
ラスチックなどの、その少なくとも一部が透明である容
器2中には、エレクトロクロミック物質4、液相、ゲル
相または固相中の溶液、並びに容器2内部に配設された
一組の化学的に安定な電極、即ち、指示電極6及び対向
電極8が含まれ、そして電極6と8の間には特定のギャ
ップがある。この好ましい実施態様においては、電極6
と8との間のギャップはエレクトロクロミック溶液4に
よって満たされていた。しかしながら、エレクトロクロ
ミックディスプレイは、その教示が引用によって本明細
書中に組み込まれるSkotheimらの米国特許4,571,029中
で及びその教示が引用によって本明細書中に組み込まれ
るHiraiらの米国特許4,573,768中で述べられたように、
ポリマー状物質及び固体物質によって形成することもで
きる。電極6及び8は可変DC電源10に接続されていて、
電極6及び8の間の電位そしてそれによって第1図のエ
レクトロクロミックセルの色が制御される。エレクトロ
クロミックセルは、必要に応じて、指示電極6と対向電
極8の間に分離帯(separator)12を有してよい。この
分離帯は、電解セルにおける技術において一般的に使用
される分離帯、例えば、フリットされたガラス板(好ま
しくは4〜8ミクロンの多孔性を有する)、塩橋及び半
透膜、例えばNafion デュポンのフィルムでよい。Kond
oらの米国特許4,183,631は、分離帯を使用するエレクト
ロクロミックディスプレイ装置を教示している。Kondo
らの教示は引用によって本明細書中に組み込まれる。Ar
enalloらの米国特許4,141,876は分離帯を使用しないエ
レクトロクロミックディスプレイセルの例である。第1
図に図式的に示されている電気化学的セルは、本明細書
中で以下に説明される米国特許3,864,589;4,146,876;4,
008,950;4,141,236及び4,501,472のエレクトロクロミッ
ク装置において使用することができる。なお、これらの
特許の各々の教示は引用によって本明細書中に組み込ま
れる。
複数の分離された区分またはディスプレイ要素が個々
に加圧されて所望のディスプレイ特性を与える電気化学
的ディスプレイは知られている。このような配列はChap
manらの米国特許4,008,950中に開示されている。このCh
apmanのディスプレイは、電気化学的流体を含む個々に
シールされた空洞(cavities)を含む。各々のディスプ
レイ要素は、各々の空洞の内部の流体と接触する一組の
電極によって個々に制御される。
Schootらの米国特許3,864,589は、延びた水平に広が
る電気化学的流体空洞が複数の電極に関して備えられて
いる電気化学的ディスプレイ装置を述べている。複数の
垂直に方向づけられ、水平に間隔を空けられた個々のデ
ィスプレイ要素空洞が、各々の延びた流体空洞と連絡し
て広がり、そして電極が備えられてマトリックスディス
プレイが形成され、このマトリックスディスプレイにお
いては、個々の電気化学的に満たされた空洞が行及び列
の電極のマトリックスの間に広がるが、個々の空洞の各
々は広がって、延びた水平に広がる流体空洞と連絡し
て、小数の延びた行の空洞を満たすことによってすべて
の個々の空洞を満たすことができる。この配列は、個々
のディスプレイ要素の同時のマトリックス選択を与え、
各々のディスプレイ要素のための分離された個々に制御
された電気接続に関する必要性を排除することによって
電気駆動回路の複雑性を減少させる。
Arellanoらの米国特許4,146,876は、対置されたパネ
ルの板の第一及び第二の間隔を空けられた部分、ディス
プレイ領域を規定するそれらの間の内部の空洞を供給す
るためのパネルを周辺からシールする絶縁空間、エレク
トロクロミック流体充填内部空洞、それぞれ第一の及び
第二のパネルの組になる表面に配設された電極の複数の
平行な行及び列、並びに繰り返しのマトリックス選択パ
ターン中の電極を電気的に加圧して選択されたドットマ
トリックスディスプレイを与えるように結合された低い
出力インピーダンスの電気リフレッシュ回路を含むマト
リックスアドレスされた(addressed)エレクトロクロ
ミックディスプレイを述べている。
エレクトロクロミックディスプレイは多くのその他の
用途を有し、例えば、Ellingtonの米国特許4,141,236
は、ショックアブソーバーの力/速度特性が所定の値の
外側に外れるときにこの特性を測定するために集積回路
に結合されたショックアブソーバーを述べている。この
回路はエレクトロクロミック変色セルに電気出力を送っ
てショックアブソーバーの機能停止を示す。Nicholson
らの米国特許4,501,472は、エレクトロクロミックセル
を使用する調子を合わせることができる(tunable)エ
レクトロクロミックフィルターを述べている。本発明に
おいて述べられるエレクトロクロミックセルは、変色に
おける広い変化を有しそしてそれ故電気化学的に調子を
合わせることができる光学フィルターとして有用であ
る。さらにまた、本発明の電気化学的物質は紫外吸収の
広い変化を有しそしてそれ故紫外線フィルターとして有
用である。
本発明に従って好ましい電気化学的溶液は、溶媒中に
分子間電荷移動塩を含む。溶媒のタイプの例は、ニトリ
ル、ニトロ化合物、アミド、環状アミド、アミン、エス
テル、環状エステル、カーボネート、オキシド及びスル
ホ化合物である。このリストは例示に過ぎずそして限定
的ではない。以下は溶媒の例示のリストである:アセト
ニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−エチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、ジメチルスルホキシド、アセトン、スル
ホラン、水及びアルコール。
加えて、電気化学的溶液は、その溶液中に支持電解
質、そして好ましくはカチオンとして以下の群の一つか
らのメンバーを含む支持電解質塩を含むであろう:テト
ラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウ
ム、アルカリ金属、アリール−アルキルアンモニウム、
アリール−アルキルホスホニウムまたはキレート化金
属。好ましいテトラアルキルアンモニウム基はテトラブ
チルアンモニウムであるが、アルキル基がメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ペンチル、ヘキシルまた
はこれらの混合アルキルであるその他のテトラアルキル
ももし所望ならば用いることができる。典型的なアリー
ル基の例はフェニルでありそしてアリールアルキルアン
モニウムはベンジルトリブチルアンモニウムである。キ
レート化金属カチオンの例はカリウム 18−クラウン−
6である。支持電解質塩は好ましくはアニオンとして以
下の一つを含む:テトラフルオロボレート、ヘキサフル
オロホスフェート、アリールスルホネート、ペルクロレ
ートまたはハロゲン化物例えば臭化物若しくはヨウ化
物。
有機電荷移動塩は酸化還元対(couples)を含むの
で、それらはエレクトロクロミック装置における色活性
剤の候補である。FerrarisらによってJ.Am.Chem.Soc.19
73、95、948〜949中で及びColemanらによってSolid Sta
te Commun.1973、12、1125〜1132中で報告されたように
TTF−TCNQイオン分子間電荷移動塩の金属性伝導性の発
見以来、有機電荷移動塩は近年興味を持たれてきた。
TCNQラジカルアニオンは多数のカチオンと有機半導体
を形成する。例えば、TCNQとのK+及びN−メチルキノリ
ニウム(NNQn+)塩は、それぞれ5×10-4及び10-6
オーム-1センチメートル-1の室温伝導率を有する。これ
らの分子間またはイオン電荷移動塩中のカチオンは電子
供与体である。
TCNQは10+2オーム-1cm-1という高い伝導率を有する二
三の化合物を形成することが見い出された。これらの塩
の多くは、Et3NH−(TCNQ)2のように1:2のカチオン対T
CNQ比を有するが、二三のものは1:1塩を形成する。主な
例はN−メチル−フェナジニウム、NMP−TCNQである。
分子間TCNQ塩の伝導率におけるかなりの増加は先行技
術において発見された。高い伝導率は、分子間TCNQ塩が
カチオン及びTCNQアニオンの隔離された積み重ね(segr
egated stacks)を有して一組のトランプのカードのよ
うに面と面とを向き合わせて詰められている結晶構造に
伴われることが見い出された。第12図はこのような積み
重ねを図式的に示し、ここでDは供与体またはカチオン
を表しそしてAは受容体またはアニオンを表す。分子間
電荷移動塩においては、第12図中の鎖線(dashed line
s)は個別のカチオン及びアニオンの間のイオン相互作
用を表す。分子内電荷移動塩においては、鎖線は共有結
合された分子の供与体及び受容体部分の間の共有結合を
表す。
積み重ね方向zにおける隣合う分子の間のπ−重なり
(overlap)及び電荷移動相互作用は強く、その中で不
対電子をこれらの一次元分子積み重ねの一つに沿って部
分的に非局在化せしめそしてそれらがその方向に伝導す
ることを可能にする。π結合は、第12図中で積み重ねら
れたD及び積み重ねられたAの間の点線によって表され
る。隣合う供与体及び受容体分子の間には、電荷の移動
がある。供与体分子は受容体に一つの電子全体または一
つの電子の端数の部分のどちらかを移動させる。第12図
においては、電子移動の程度は、0と1との間の値を有
する符号ρによって指示される。0に等しいρの値に関
しては、供与体から受容体への電子の移動はない。1に
等しいρの値に関しては、受容体への一つの電子の完全
な移動がある。0と1との間のρの値に関しては、供与
体から受容体への電子の部分的な移動がある。
隣合う供与体及び隣合う受容体の間の重なり合うπ結
合は、固体状態の物質におけるエネルギーバンドに類似
した様式でエネルギーバンドを形成する。第12図によっ
て表される結晶化された物質に関してρが0または1の
どちらかであるときには、この物質は電子で完全に満た
されたまたは電子が完全に空のエネルギーバンドを有
し、そしてそれ故、最高の完全に満たされたエネルギー
バンド及び最低の完全に空のエネルギーバンドの間のエ
ネルギー分離に依存して絶縁体または半導体のどちらか
である。ρが、部分的な電子移動に対応する0と1との
間の値を有するときには、電子を含む最高のエネルギー
バンドは一般に部分的に満たされ、そしてそれ故金属の
ような伝導体に対応する。
BeckerらのJ.Am.Chem.Soc.1983、105、4468〜4469に
おける論文においては、分子間電荷移動塩に対する分子
内電荷移動塩の潜在的な利点が述べられた。しかしなが
ら、Beckerは分子間電荷移動塩の実際の合成を述べてい
ない。
Beckerらによって指摘された分子内電荷移動塩の利点
は、以下の必要な条件を達成することによって供与体
(D)及び受容体(A)部分から成る効果的な有機伝導
体を設計することである:(a)固体状態における積み
重ねの隔離された方式(...DD...||...AA...)を押し通
すこと;(b)D:Aの化学量論を制御すること;(c)
分子の単位中への電子移動の所望の程度(ρ)を最初か
ら符号化すること(encode);(d)局在化された状
態、例えば、...D+D...||A-A...)の下で非局在化され
た状態、Dρ+ρ+...||Aρ−ρ−...)を安定化
させること;(e)鎖間のカップリングを可能にしそし
てその程度を制御すること。Beckerは、これらの条件の
系統的な制御は予め設計された性質を有する有機伝導体
の製造を可能にするであろうと指摘している。条件
(a)及び(d)においては、隔離された様式の積み重
ねが...DD...として示されているが、これは第12図にお
けるDの垂直な積み重ねを表す。また、...AA...は第12
図中のAの垂直な列を表す。D及びAを分離する二重の
垂直な線は、第12図中に点線として示されている、D及
びAの間の結合に対応する。
Beckerらは、予め決められた化学量論比(n:m)で供
与体及び受容体部分の両方を含む典型的な分子単位Dm−
Anに言及している。この比は、上の条件b〜dの要件に
合致するように計算することができる必要な性質を潜在
的に授けられる。
Beckerは、モデルの典型的な分子単位、2,5−ジベン
ジル−7,7,8,8−テトラ−シアノ−p−キノジメタン(D
BTCNQ)を報告している。Beckerは、この分子が弱い供
与体(例えばフェニル)を含むこと、そしてこの物質が
基底状態の伝導体ではないと予期されたことを指摘して
いる。Beckerはさらに、この化合物は基準(a)〜
(e)で強調された戦略に関する見込みを示すことを指
摘している。それ故、Beckerが分子内電荷移動塩を製造
しなかったことはその教示から明らかである。
Beckerのモデル化合物はTCNQ受容体に結合した二つの
ベンゼン環から成る。この化合物が分子内電荷移動塩で
はないという理由は、ベンゼンラジカル−カチオンの還
元電位がTCNQ部分の還元電位に対して正であり過ぎるこ
とである。これは、ベンゼン環からTCNQ部分に電子を移
動することがエネルギー的に好ましくないことを意味す
る。問題の電位は以下の通りである: TCNQ(0)+e-→TCNQ(−)+0.127VvsSCE 引用例:A.J.Bard L.R.Faulknerによる“電気化学的方
法”。John Wiley and Sons、ニューヨーク、1980。
トルエン(+)+e→トルエン(0)+2.0VvsSCE 引用例:W.C.Neikamら、J.Electrochem.Soc.、111、1190
(1964)。
言い換えると、もしラジカル−カチオン/ラジカル−
アニオンとしてBeckerらの分子を製造することが可能で
あるとしても、TCNQラジカル−アニオンは中性のフェニ
ル環よりもほとんど2Vも強い還元性であるので、その分
子は直ちに電荷のない状態に戻るであろう。Beckerの分
子中の置換されたベンゼンに関してはトルエンがより良
い相手であるのでトルエンの酸化還元電位をベンゼン環
に関する電位の代わりに使用する。
第13図及び第14図は、分子間電荷移動塩及び分子内電
荷移動塩の供与体及び受容体部分の酸化還元電位の関係
の図式的な表現である。第13図は、二つの別個の酸化還
元対を表す、プロット上の二つのピークを示す。縦軸
は、電子状態の密度の任意のスケールである。横軸は、
電位の任意のスケールである(エネルギ−Eのスケール
もまた指示されている)。Eは−|e|Pに等しいので、エ
ネルギーのスケールは電位のスケールのそれと逆転す
る。酸化還元対は、可逆的に電子を受け取りまたは放す
ことができる分子上のエネルギー位置である。分子内電
荷移動塩に関しては、酸化還元対200及び202は、同じ分
子上の異なる部分であろう。分子間電荷移動塩に関して
は、酸化還元ピーク200及び202は異なる分子上の酸化還
元対を表すであろう。各々の分子上の酸化還元対は、そ
の中に電子が占める(is deposited)エネルギーレベル
を有する分子軌道を有する。酸化還元対200及び202のエ
ネルギーにおける分散は、分子の集合(collection)に
おいて各々の電子が別個の分子の分子軌道に加えられる
ので生じる。他の分子の残りの非占有(unoccupied)分
子軌道のエネルギーは、満たされた分子軌道によって達
成され(areeffected)そしてエネルギーが増加する。
これが、酸化還元対のエネルギーにおける分散を引き起
こす。もし酸化還元対200が酸化還元対中の電子を含む
分子の集合を代表するならば、これらの分子は潜在的な
供与体である。酸化還元対202が、それらは酸化還元対2
00よりも正の電位にあるまたは言い換えれば酸化還元対
200よりも低いエネルギーにあるので、電子によって非
占有であると仮定すれば、酸化還元対200中の電子は酸
化還元対202に移動することができる。これは、本明細
書中で及び上で述べられた完全な電子の電荷移動に対応
する。もし酸化還元対202が電子によって完全に占有さ
れていてそして酸化還元対200が電子に関して完全に空
であるならば、酸化還元対202は酸化還元対200より正の
電位にあるまたは言い換えれば酸化還元対202は酸化還
元対200よりも低いエネルギーレベルにあるので、酸化
還元対202中の電子は酸化還元対202に移動しないであろ
う。これは、本明細書中で及び上で述べられた電子移動
のない状態に対応する。
第14図は、第14図中の斜線領域203によって示される
所で酸化還元対200及び202が重なる状態を表す。もし酸
化還元対200が電子によって完全に満たされそして酸化
還元対202が完全に空であるならば、酸化還元対200は潜
在的な電子供与体を代表する。酸化還元対202は酸化還
元対200よりも正の電位にあるので、酸化還元対200中の
電子は酸化還元対202に移動することができる。しかし
ながら、重なり領域204のために、電子は酸化還元対200
中に留まることができる。電子が酸化還元対200及び202
の両方を占有することができるので、これは、部分的な
電子移動の状態に対応する。酸化還元対202が電子によ
って満たされそして酸化還元対200が電子に関して完全
に空である状態に関しては、酸化還元対202は潜在的な
電子供与体である。しかしながら、酸化還元対202が酸
化還元対200よりも正の電位にあるので、ほとんどの電
子は酸化還元対202中に留まる。しかしながら、重なり
領域203のために、電子は酸化還元対200を占拠すること
ができる。これはまた、部分的な電子移動の状態に対応
する。部分的な電子移動の程度は対200及び202の重なり
の量に依存する。
本発明者らが、初めて分子内電荷移動塩を合成した。
この分子内電荷移動塩に関しては、同じ共有分子上の電
子供与体部分及び電子受容体部分の間の部分的な電子移
動を固体及びポリマーにおいて達成して、イオン性の、
半導体の及び金属の状態を生成させることができると考
えられる。明瞭にするために、分子内電荷移動塩の合成
及び使用を、ビオロゲン(viologen)供与体及び芳香族
ビス−イミド受容体を含む好ましい実施態様に関連して
説明する。この実施態様は、それをエレクトロクロミッ
クディスプレイ装置のために有用にする変色における対
応する広い変化を有する5つの別個な酸化状態及び4つ
の酸化還元対を有する。この合成は、モノアルキル化ビ
オロゲンを置換反応を受けるのに適当な離脱基を含む非
対称ビス−イミドとを反応させるものとして一般的に述
べることができる。ビス−イミドは好ましくは過剰、も
っとも好ましくは0.5M過剰である。この方法はビオレン
(violenes)及びシアニンに、そして芳香族部分と共役
したカルボニル基を有する化合物に一般化することがで
きると予期される。この方法が芳香族部分と共役したカ
ルボニル基を有する化合物と共に反応されるビオレン及
びシアニンに一般化できることは当業者にとっては容易
に明らかであろう。一般に、多段の酸化還元対を有する
有機分子は、酸化還元対を電気化学的に増やす(popula
ting)及び減らす(depopulating)ことによって多段の
変色化を示す。本明細書中で述べられるビオロゲンビス
−イミド分子間化合物は、それが変色における非常に広
い変化を可能にする5つの酸化状態を有するという点で
並外れている。本発明者らは、また、ビオロゲン部分を
有する化合物を含みそしてビス−イミド部分を有する化
合物を含む電解質溶液が、これらの二つの分子の間に共
有結合がないときにもまた、変色における非常に大きな
変化をも示す5つの酸化状態を示すことを発見した。ビ
オレン族の化合物は、HunigのPure Appl.Chem.1967、1
5、109〜122中にそしてHunigらのTop.Curr.Chem.1980、
92、1〜44中に述べられている。Hunigの論文の両方の
教示は引用によって本明細書中に組み込まれる。ビオレ
ンが好ましい。もっとも好ましい供与体の具体例は、ビ
オレン族の化合物のメンバーであるビオロゲンである。
もっとも好ましいビオロゲンは、式中、I-がヨウ化物イ
オンである以下の構造式を有するエチルビオロゲンであ
る: この好ましい実施態様のビス−イミド物質は、式中、
化合物15においてBuがn−ブチル即ちCH3CH2CH2CH2であ
る以下の構造式を有するN,N′−ジブチルピロメリトイ
ミドである: ビオレン族の化合物は3つの別個の酸化状態で存在
し、そしてそれ故2つの酸化還元対を有する。ビス−イ
ミドもまた3つの別個の酸化状態そしてそれ故2つの酸
化還元対を有する。ビオレンとビス−イミドの組み合わ
せは、共有結合された化合物においてもまたは分子間イ
オン化合物においても5つの酸化状態及び4つの酸化還
元対を示す。
結合された化合物は、式中、化合物16においてOMsがC
H3SO3 またはメシラートイオンまたはメチルスルホキ
シイオンである以下の構造式を有する: ビオレン及びビス−イミド族の化合物の種々の酸化状
態は、エチルビオロゲン(14)及びN,N′−ジブチルピ
ロメリトイミド(15)に関して表中に示すように、それ
らの補足的な電荷をそしてそれらの還元電位の重なりを
基にしている。表から分かるように、化合物14及び15の
還元電位には重なりがある。このような還元電位におけ
る重なりは、本明細書中で上で述べたように部分的な電
子移動を導くことができ、そしてこれは、固体状態にお
ける電気伝導性を導くことができる。
表.14及び15に関する還元電位化合物 1E1/2 2E1/2 14 −0.370 −0.752 15 −0.685 −1.392 還元電位は、DMF/0.1MのBu4NBF4中で0.5mMでSCEに対
するサイクリックボルタンメトリーによって測定した。
以下の一連の式は、結合された化合物16への4つの電
子の可逆的付加を表す。各々の酸化状態の色が表示され
ている。X-及びM-は、局部の電荷の中性(実際には溶液
であるもの(whatare the in actual solutions))を
与える対イオンである。第4図及び第6図内第10図は、
UV−VIS(紫外可視分光)スペクトルを示し、または結
合された化合物16が全部で4つの電子を受け入れる時の
化合物16の還元の段階に対応する。第2図は式16の化合
物のCV(サイクリックボルタングラム)である。CV及び
UV−VISは、当該技術において普通に実施される測定で
ある。M+はBu4N+またはEt4N+(即ちテトラアルキルアン
モニウムイオン5)であり、そしてX-はOMs-またはI-
たはBF4 -である。
部分14及び15の両方が含まれる分子は、還元条件下
で、まず第一にビオロゲン単位に電子を加えて、ラジカ
ル−カチオンを発生させる。次に、イミドに第一の電子
を加えるための還元電位はビオロゲンにもう一つの電子
を加えるための還元電位よりも67mV正であるので、第二
の電子はイミド単位を還元してラジカル−カチオン/ラ
ジカル−アニオンに導くであろう。これは、サイクリッ
クボルタンメトリー(CV)を使用してそして分光学的に
モニターされたバルク電気分解によって探求された。二
つの部分が共有的に結合されている化合物16並びに14及
び15の等モル混合物の両方を研究した。結合された化合
物16のCVを第2図中に示す。化合物14及び15の混合物に
関するCVを第5図中に示す。結合された化合物及び混合
物の両方に関するCVは、ビオロゲンのCVの上へのイミド
のCVの重ね合わせとして容易に理解することができる。
第2図及び第5図のサイクリックボルタンメトリーのグ
ラフにおいては、作用電極の電圧を0ボルト(SCEに対
して)から電解質を電気分解するには不十分である負の
電位まで走査する。次に電圧を0に戻す(is ramped ba
ck)。カーブの下方部分は酸化還元対の還元即ちそれに
電子を加えることに対応する;カーブの上方部分は酸化
還元対の酸化即ちそれから電子を取り去ることに対応す
る。第2図を参照して説明すると、ピーク204は式17か
ら式18への遷移に対応し、ピーク206は式18から式19へ
のそして式19から式20への遷移の重ね合わせに対応し、
ピーク208は式20から式21への遷移に対応し、ピーク210
は式21から式20への遷移に対応し、ピーク212は式20か
ら式19への遷移そして式19から式18への遷移の重ね合わ
せに対応し、そしてピーク214は式18から式17への遷移
に対応する。類似の解析が第5図に対応する。中央のピ
ーク、第2図中の206及び212並びに第5図中の216及び2
18は、他の二つのピークのほぼ二倍の高さであることに
注目せよ。何故ならば、それは、CVにおいては十分には
分解されない二つの酸化還元対−第一のイミド還元及び
第二のビオロゲン還元−の結果だからである。
化合物16のジメチルホルムアミド(DMF)中でのバル
ク電気分解はグローブボックス中で実施され、そしてUV
−VIS分光のためのサンプルを定期的に取り出した。−
0.6V(標準カロメル電極、SCEに対して)での電気分解
は、ビオロゲンラジカル−カチオンの特徴的なスペクト
ルを発生させた。次に、この溶液をEsoln=−0.70Vの静
止(rest)電位が得られるまでさらに還元したが、これ
は、第3図中に示されるビオロゲンラジカル−カチオン
及びピロメリトイミドラジカル−アニオンの両方に関す
る吸収を示す種を結果として与えた。Esoln=−0.75、
−0.79、−1.40Vへの一層の電気分解は、まず第一にラ
ジカル−カチオン吸収の消失を、そして次にビオロゲン
の中性キノイド形の吸収の出現を、次にジアニオン吸収
の出現におけるピロメリトイミドラジカル−アニオン吸
収の消失を導く。かくして、式16の化合物の電気化学
は、5つの状態:無色のジカチオン、青のラジカル−カ
チオン、青緑のラジカル−カチオン/ラジカル−アニオ
ン、緑のラジカル−アニオン及びばら色のジアニオンを
通る。
このラジカル−カチオン/ラジカル−アニオンは、そ
の基底状態、即ち光励起された状態が占有されていない
(not populated)状態における有機分子のための普通
のものではない構造である。CV及びUV−VISの両方の結
果から、アラルキル結合の長さ及び相対的剛性から予期
されたかもしれないように、不対電子の間の相互作用は
ほとんどないことが明らかである。
ビオロゲン14のバルク電気分解は、それが中性の形に
完全に転化されるまで行われた。周囲の条件下では、ビ
オロゲン14の安定な形は、二つの正電荷が、化合物14に
おいては二つのヨウ化物イオン即ち2I である二つのア
ニオンによってバランスされているジカチオンの形であ
る。この時点で、等しいまたはより多い量の未還元イミ
ド15の添加は、化合物16の二段還元された形のUV−VIS
スペクトルと非常に類似したスペクトル(第11図中に示
すように)を結果として急速に加えた。これは、以下の
式によって表される: 140+150→14++15- ラジカル−カチオン/ラジカル−アニオンペアーを、
明らかに電子的な基底状態である中性状態にある一対の
化合物から発生させることができることを確認すること
によって、この最後の実験は、基底状態のラジカル−カ
チオン/ラジカル−アニオンにおける二重に還元された
結合された化合物の記述を有効にする。一連の式17〜21
において、ビス−イミド部分は受容体として作用しそし
てビオロゲン部分は供与体として作用する。本発明の目
的のためには、分子内電荷移動塩は、式17〜21によって
表されるすべての酸化状態のものを指す。本発明の目的
のためには、分子間電荷移動塩は、式17〜21の化合物に
対応する結合されていない化合物に関する対応する一連
の全体の酸化状態に対応する。本発明は5つの酸化状態
に限定されず、5よりずっと多い酸化状態を含むことが
できる。第2図及び第5図中に示されるような酸化還元
電位は、例えば、供与体及び受容体部分の置換された形
を形成することによって、供与体及び受容体部分の異な
る構造的変化によって調節することができる。構造的な
変化を形成することによって化合物の酸化還元電位を調
節することは、電子パッケージング及びハイテクノロジ
ー応用のためのポリマー材料に関するシンポジウムの議
事録、88−17巻、電気化学協会;ペニントン、NJ、88〜
102頁(1988)Viehbeckら及びMetallized Polymers、AC
Sシンポジウムシリーズ、米国化学協会、ワシントンD
C、1990年6月発行、Viehbeckら中で述べられている。
これらの引例の教示は引用によって本明細書中に組み込
まれる。酸化還元電位のこのような調節は、固体状態に
おける有機ポリマーを電気的に伝導するのを達成するた
めに実施することができると考えられる。
ビオロゲンビス−イミド、特に化合物16の合成を以下
に述べる。ビオロゲンビス−イミド(16)の電気化学的
還元は、サイクリックボルタンメトリー及び紫外/可視
分光によって特徴づけられる5つの別個の酸化還元状態
に導いた。1及び2の電子を受け入れてそれぞれラジカ
ル‐アニオン及びジアニオンを与えるビス‐イミドの能
力は、上で引用によって本明細書中に組み込まれたVieh
beckらによって確立された。その酸化還元活性がビス−
イミドのそれに対して正確に補足的である全体の族の化
合物が存在する。上で述べたビオレンという化合物(例
えば、ジアルキルビピリジニウム塩)は以下の3つの状
態の一つで存在することができる:ジカチオン、ラジカ
ル−カチオン、及び荷電されていない状態。それ故、ジ
アルキルビピリジニウム塩に共有的に結合したビス−イ
ミドを含む化合物は、5つの酸化状態を示すことができ
るであろう。特に興味があるのは、分子の一端がラジカ
ル‐カチオンとして存在しそして他端がラジカル‐アニ
オンとして存在する状態−非常に例外的な化学構造−で
ある。
ピロメリトイミド類は、一般に、ほとんどの有機溶媒
中で非常に不溶性である。かくして、ピロメリトイミド
2は試みたすべての有機溶媒中で完全に不溶性であっ
た。
ビオロゲンビス‐イミド16の溶解度は、この分子を電
気化学的に特徴づけることができる鍵であった。これを
達成するために、我々は、片側にアルキルイミド環をそ
して他の側にアリールイミドを有する非対称ピロメリト
イミド3に頼った。比較的長鎖のアルキル、即ちブチル
基を、この平面構造を可溶化するのを助けるために使用
した。ビオロゲンとビス‐イミドの間のアラルキルスペ
ーサーは、分子の二つの部分の間の電子相互作用を最小
にする半剛性のスペーサーを供給した。
我々は、N-ブチルマレイミド及び3,4-ジカルボメトキ
シフランのディールス‐アンダー反応、このディールス
‐アルダー付加物の希酸による芳香族化そしてエステル
官能性を操作して異なって置換されたイミドを組み入れ
ることによって3中に非対称を創り出すことを選んだ。
しかしながら、化合物4を芳香族化することは、恐ろし
い困難性を持ち出した(機構1)。分子4中の4つの電
子吸引基は、カーボカチオン生成条件を支持しなかっ
た。それ故、その緊張した構造にも拘わらず、4は強酸
にさえ完全に耐性であった。ディールス‐アルダー付加
物のエキソ性質はまた、リチウムジイソプロピルアミド
を使用して酸素ブリッジを開環することを不可能にし
た。
4を脱酸素するための低い価数のチタン種を使用する
McMurryの脱酸素方法(Heterocycles1983、20、1985;Wo
ng,H.N.C.中に述べられた、なおこれの教示は引用によ
って本明細書中に組み込まれる)低い収率の芳香族化生
成物を生成させた。しかしながら、この反応は、1,4-シ
クロヘキサジエン系に非常に良く作用する。それ故、我
々は、ビオロゲンビス‐イミドの合成のためのキーにな
る中間体として分子5を選んだ。ベンジルエステルとメ
チルエステルの間の反応性の差を、分子のイミド部分中
に必要とされる非対称を創るために使用した。その教示
が引用によって本明細書中に組み込まれるG.LowらのJ.
C.S.Perkin Trans I1973、23、2024中に述べられた手順
を使用してジベンジルアセチレンジカルボキシレートを
製造した。このエステル化反応におけるジベンジルエー
テルの生成は、ベンジルアルコールの蒸留を急速に実施
することによって最小にした。このジベンジルは低いフ
ラッシュ点を有する。それ故、系中への空気の導入の前
にフラスコを室温に冷却することを推奨する。ジベンジ
ルアセチレンジカルボキシレートと3,4-ジカルボメトキ
シフランのディールス‐アルダー反応は、50%というか
なりの収率で進行した(5)。ジメトキシエタン(DM
E)中でMcMurryの試薬(TiCl4/LAH/NEt3)を使用する5
の脱酸素は60%収率のピロメリトテトラエステル6に導
いた。溶媒としてTHFを使用することは、反応条件下で
かなりのポリTHFの生成を導いた。かくして、THFからDM
Eへ溶媒を変えることは、上で本明細書中に引用されたW
ongの論文中に報告された脱酸素における対応するテト
ラメチルエステルに関する収率を49%から85%に上げ
た。
テトラエステル6の水素化分解は、ほぼ定量的収率で
3,4-ジカルボメトキシフタル酸7に進んだ。このフタル
酸7の無水酢酸還流は、75%の収率で3,4-ジカルボメト
キシ無水フタル酸8の生成に導いた。無水物8のイミド
化は、正確に1:1の比で蒸留されたブチルアミン及び精
製された8を使用して実施されなければならなかった。
過剰のブチルアミンはイミド化条件下でエステルと反応
してビス‐ブチルイミドを与えた。次にこのメチルエス
テルをピリジン中のLiIを使用してほぼ定量的な収率で
二酸10に開裂させた。反応中に生成されるヨウ化メチル
と反応するピリジンを溶媒として使用することは、反応
を前の方向に押し進めて高い収率に導いた。次にこの二
酸を無水酢酸によって脱水して無水物11を生成させた。
4-アミノフェネチルアルコールによる第二のイミド化は
円滑に進行して3を生成させた(67%)。次にこのアル
コール3を、塩化メチレン及びほとんどのその他の溶媒
中のそれの乏しい溶解度にも拘わらず、塩化メチレン中
のこのアルコールの希薄溶液及び反応のための標準的な
条件を使用してメシラート12に転化させた。ヨウ化モノ
エチルビピリジニウムは、その教示が引用によって本明
細書中に組み込まれるI.TabushiらのTetra-hedron、198
1、37、4185中で述べられたように、ビピリジル水和物
をアセトニトリル中のヨウ化エチルと還流させることに
よって製造した。合成の最後のステップ、即ちヨウ化モ
ノエチルビピリジル中の窒素による12のメシラートの置
換反応は、反応を完結まで進めるために0.5モル過剰の
メシラートを必要とした。最後のステップでの収率は65
%であった。
第二のイミド化ステップには多くの変更が可能であ
る。一つの重要な変更は、特に、ビス−イミド及びビオ
レン部分の間のスペーサー基の身元(identity)及び長
さである。特に興味があるのはオキシエチレンスペーサ
ーであり、これは、オキシエチレン鎖を含むポリイミド
は、Harris,F.W.らのS.Polymer Preprints、1985、26
(2)、287中に述べられているように、並外れて結晶
性であったことを示す。
ビス‐イミド及びビオレン成分における変化は、還元
電位の細かな調整を可能にするであろう。スペーサー基
を変更することと関連してこれらの成分を変更すること
は、これらの物質の酸化還元及び固体状態の性質に影響
を与える。
溶媒及び試薬は、試薬級またはそれ以上でありそして
特記しない限り受け取ったまま使用した。IRスペクトル
はパーキンエルマー1310分光光度計で得られた(特記し
ない限りKBr錠剤)。
IRデータは、3500〜1500cm-1の領域におけるすべての吸
収を含み、そして1500〜200cm-1の領域においては顕著
な吸収だけを含む。UV−VISスペクトルは、ヒューレッ
ト‐パッカード8452Aダイオードアレイ分光計で操作し
た。プロトンNMRは、特記しない限り、アセトン−d6
で室温でIBM270MHz機器で記録した。融点は、Fisher-Jo
hns装置で測定したが未補正である。
ディールス‐アンダー付加物5 1.2g(4.1ミリモル)のジベンジルアセチレンジカル
ボキシレート及び0.75g(4.1ミリモル)の3,4-ジカルボ
メトキシフランの混合物をキシレン中で24時間(アルゴ
ン下で)還流した。回転蒸発による溶媒の除去と、それ
に続く分取TLC(2mm厚さのシリカゲル板;EtOAc/ヘキサ
ン、1:4)は、0.96g(50%)のディールス‐アルダー付
加物を与えた(最低のRfに対応する帯域)。ジベンジル
アセチレンジカルボキシレート(8%)が回収された
(最高のRfに対応する帯域)。蒸留によるディールス‐
アンダー生成物の精製の試みはレトロディールス‐アン
ダー反応に導いた。生成物4は粘性のシロップであっ
た;IR(1%CHCl3溶液):3030、2960、1740、1720、144
0、1300、1260、1125cm-11H NMR:δ7.37(m、10H、A
rH)、6.04(s、2H、CH)、5.21(s、4H、CH2)、3.7
(s、6H、CH3)。
ジベンジル4,5-ジカルボメトキシフタレート6 二回蒸留した1,2-ジメトキシエタン(DME)(一回はC
aH2上でそして次にK上で)をこの実験のために使用し
た。三ッ口丸底フラスコを乾いたアルゴンでまず完全に
フラッシュした。TiCl4(4ml、31ミリモル)をシリンジ
でフラスコに入れそして0℃に冷却した。DME(20ml)
をゆっくりとシリンジでフラスコに入れた。黄色の固体
が分離した。水素化アルミニウムリチウム(LAH、120m
g、3ミリモル)を、LAHを点火せしめる可能性がある摩
擦(abrasion)を回避するように非常に注意深く添加し
た。黄色の固体は分散し、色は緑にそして最後には黒に
変化した。冷却浴を取り除いた。トリエチルアミン(1m
l、7.2ミリモル)を添加しそしてフラスコの内容物を85
℃で15分間還流した。次にフラスコを室温に冷却した。
ディールス‐アンダー付加物4(471.3mg、1ミリモ
ル)をフラスコに添加しそして内容物を室温で1.5時間
攪拌した。この反応は、100mlの氷水を添加しそして塩
化メチレンで三回抽出することによって処理した。過剰
の水の添加は、深い紫/青の色を澄明とするのを助けそ
して二つの層の明瞭な分離を助ける。有機抽出物を硫酸
マグネシウム上で乾燥しそして蒸発させると430mgの生
成物が得られた(93%の粗収率)。有機抽出物を含むフ
ラスコは、二酸化チタンのために壁の上に白い除去でき
ない堆積物を生成させた。粘性の液体;IR(1%CHCl3
液):3040、2960、1740、1270、1135、1110cm-11H NM
R:δ8.1(s、2H、ArH、4つのエステル置換基を有する
環)、7.42〜7.38(m、10H、ベンジル基のArH)、5.27
(s、4H、CH2)、3.89(s、6H、CH3)。
3,4-ジカルボメトキシフタル酸7 5%のPd/C(30mg)を含むエタノール/酢酸エチル
(20ml、3:1)中の5(260mg、0.56ミリモル)の溶液
を、計算された量の水素が使用されるまでParr水素化装
置中で60psiで水素に接触させた。この混合物をセライ
トの床を通して濾過しそして濃縮すると156.3mg(98.9
%)のフタル酸7が生成した。白い固体;mp:162〜164;I
R:3100、2980、1730、1700、1440、1430、1310、1270、
1130、1110、800cm-11H NMR:δ8.11(s、2H、アリー
ルH)、3.91(s、6H、CH3)。
3,4-ジカルボメトキシ無水フタル酸8 塩化カルシウム管によって閉じられたコンデンサーを
備えた100mlの丸底フラスコ中に、156.3mg(0.55ミリモ
ル)の7及び0.5mlの無水酢酸を置いた。フラスコの内
容物をゆるやかに15分間還流した。冷却すると白い結晶
が現れた。この結晶をフィルター上に集め、エーテルで
洗浄しそして130℃のオイルバス温度で高真空(0.05ト
ール)下で昇華によって精製すると110mg(75%)の無
水物8が生成した。白い固体;mp:178.5〜179.5℃;IR:31
10、3040、2980、1860、1790、1770、1740、1720、144
0、1300、1250、1100、910、900cm-11H NMR:δ8.38
(s、2H、アリールH)、3.95(s、6H、CH3)。
イミド9 蒸留したブチルアミン(0.075ml、0.05g、0.7ミリモ
ル)を、ジメチルホルムアミド(DMF、2ml)中の8(19
8.1mg、0.7ミリモル)の溶液に添加した。フラスコの内
容物を半時間室温で攪拌しそして次にアルゴンの下で15
0℃で2時間還流した。高真空蒸留による溶媒の除去
と、それに続く分取TLC(2mm厚さのシリカゲル;EtOAc/
ヘキサン、1:1)は、178.3mg(75%収率)の生成物(最
高のRfに対応する帯域)を与えた。白い結晶;mp:63〜65
℃;IR:2960、2780、1775、1740、1730、1720、1710、14
00、1340、1280cm-11H NMR:δ8.1(s、2H、アリール
H)、3.93(s、6H、CH)、3.67(t、2H、Nに対して
αのCH2)、1.65(クインテット、2H、イミドのNに対
してβのCH2)、1.35(セクステット、2H、イミドのN
に対してγのCH2)、0.92(t、3H、CH3)。
二酸10 9(174.1mg、0.5ミリモル)のピリジン(5ml)溶液
を、0.5g(3.7ミリモル)のLiIと共にアルゴン雰囲気中
で2時間還流下で加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒
を蒸発し、そして最後に水をフラスコ中に注ぎ込みそし
て希HClによってリトマス酸性にした。この混合物のエ
ーテル抽出物を、2NHClで二回、そして痕跡のヨウ素を
除去するために小量の亜硫酸ナトリウムを含むブライン
で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、そして蒸発させると155.6
mg(98%収率)の二酸10が生成した。無色の固体;mp:12
0℃で茶色に変わり、172〜173℃で揮発した;IR 3410、3
100、2980、1780、1740、1710、1400、1370、1140c
m-11H NMR:δ10.2(br、s、COOH)、8.12(s、2H、
アリールH)、3.68(t、2H、Nに対してαのCH2)、
1.66(クインテット、2H、イミドのNに対してβのC
H2)、1.38(セクステット、2H、イミドのNに対してγ
のCH2)、0.93(t、3H、CH3)。
無水物11 二酸10(155.6mg)及び0.5mlの無水酢酸を、塩化カル
シウムの乾燥管でキャップされたコンデンサーを備えた
フラスコ中で30分間還流した。次にフラスコを室温に冷
却しそして濾過によって112mg(80%)の生成物を集め
た。白い固体;1R 3100、3050、2980、2965、2880、186
0、1780、1700、1405、1300、1280、1180、910、620cm
-11H NMR:δ8.42(s、2H、アリールH)、3.73
(t、2H、Nに対してαのCH2)、1.65(クインテッ
ト、2H、イミドのNに対してβのCH2)、1.36(セクス
テット、2H、イミドのNに対してγのCH2)、0.9(t、
3H、CH3)。
ビスイミド3 p-アミノ‐フェネチルアルコール(29mg、0.2ミリモ
ル)を、N-メチルピロリドン(1ml)中の58mg(0.2ミリ
モル)の11の溶液に添加した。フラスコの内容物を最初
に室温で2時間攪拌し、そして次にアルゴン下で5時間
還流した。溶媒を高真空蒸留によって除去しそしてフラ
スコ中の内容物を大量の塩化メチレン中に溶解させた
(生成物は試みたすべてのその他の溶媒中に実質的に不
溶性である)。塩化メチレン層を2NのHCl、ブライン、
そして最後に飽和NaHCO3溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥
し、濾過しそして蒸発すると、66.4mg(67%収率)の非
対称イミド3が得られた。灰色がかった白の固体;mp:29
0℃(マイクロカバーガラス上で凝縮が起きる)、305〜
308℃(分解);IR:3400、2960、2940、1780、1720、170
0、1400、1190、725cm-11H NMR(CDCl3):δ 8.63
(s、2H、アリールH)、7.6〜7.5(AA′BB′、4H、パ
ラ置換されたアリール環のH)、5.68(br s、OH)、4
(t、2H、ヒドロキシに対してαのCH2)、3.72(t、2
H、Nに対してαのCH2)、3(t、2H、フェニル環に対
してαでかつヒドロキシに対してβのCH2)、1.55(ク
インテット、2H、イミドのNに対してβのCH2)、1.23
(セクステット、2H、イミドのNに対してγのCH2)、
0.8(t、3H、CH3)。
メシラート12 70mlの塩化メチレン中の64mg(0.16ミリモル)の3の
攪拌された溶液をアルゴン下で−10℃に冷却し、そして
0.5ml(363mg、3.6ミリモル)のトリエチルアミンで処
理し、続いて0.3ml(0.44g、3.9ミリモル)のメタンス
ルホニルクロリドを滴加した。フラスコを0〜5℃で一
晩貯蔵した。この溶液を氷を含む分液漏斗中に注ぎ、順
次2NのHCl、ブライン及び飽和NaHCO3溶液で洗浄し、MgS
O4上で乾燥し、濾過し、そして蒸発すると、71mg(93%
収率)のメシラート12が得られた。白い固体;mp:黒い物
体に分解した、150〜200℃;IR:2960、2940、1780、172
0、1700、1170、1090、725cm-11H NMR(CDCl3):δ
8.3(s、2H、アリールH)、7.35(s、4H、パラ置
換されたアリール環のH)、4.39(t、2H、OSO2Meグル
ープに対してαのCH2)、3.7(t、2H、Nに対してαの
CH2)、3.04(t、2H、フェニル環に対してαのCH2)、
1.63(クインテット、2H、イミドのNに対してβのC
H2)、1.32(セクステット、2H、イミドのNに対してγ
のCH2)、0.89(t、3H、CH3)。
ビオロゲンビス‐イミド16 ヨウ化モノエチルビピリジニウム(REF)(32.3mg、
0.1ミリモル)を、DMF(1ml)中の71mg(0.15ミリモ
ル)のメシラート12の溶液に添加した。フラスコの内容
物をアルゴンの雰囲気の下で138℃で一晩還流した。DMF
を高真空蒸留によって除去し、そしてフラスコ中の生成
物を30mlの塩化メチレンと共に攪拌して過剰のメシラー
ト12を溶解させた。焼結ガラス漏斗を通しての濾過は、
46mg(60%)のオレンジ‐赤の生成物の生成をもたらし
た。mp:>250℃;UV(DMF):250nm(ε19700)、402nm
(ε980);IR:3440、2920、2960、1770、1720、1630、1
390、1200、1080、840、720cm-11H NMR(DMF-d7):
δ 9.74(AA′BB′、4H、正に帯電したNに対してαの
アリールH)、9(重なるAA′BB′、4H、正に帯電した
Nに対してβのアリールH)、8.28(s、2H、アリール
H)、7.55(AA′BB′、4H、パラ置換されたアリール環
のH)、5.28(t、2H、N+及びメチレンに対してαのCH
2)、4.97(t、2H、N+及びメチルに対してαのCH2)、
3.67(重なるトリプレット、4H、イミドのNに対してα
のCH2及びフェニル環に対してαのCH2)、2.46(s、3
H、SO2Me)、1.72(t、3H、エチル基のCH3)、1.62
(クインテット、2H、イミドのNに対してβのCH2)、
1.34(セクステット、2H、イミドのNに対してγのC
H2)、0.91(t、3H、ブチル基のCH3)。
50mV/secでの0.1Mのテトラブチルアンモニウムテトラ
フルオロボレート電解質を含むDMF中の1の1mM溶液に関
して得られたサイクリックボルタンメトリーのグラフを
第2図中に示す(電圧はSCEに対して測定された)。
異なる電位で発生した種々の種のUVを、発生した構造
の側によって第3図中に示す。
以下は、分子間電荷移動塩のための受容体及び供与体
として考えられる例である。このリストは例示に過ぎず
そして限定的ではない。
供与体: N,N′‐ジアルキル4,4′‐ビピリジン化合物 N,N′‐ジアルキル2,2′‐ビピリジン化合物 N,N′‐ジアルキル1,10-フェナントロリン化合物 N,N′‐ジアルキル3,8-フェナントロリン化合物 0.0′‐4,4′‐ジピリリン化合物 フタロシアニン金属錯体 N-アルキルピリジン化合物。
受容体: N,N′‐ジアルキルまたはジアリールピロメリトイミ
ド N,N′‐ジアルキルまたはジアリール1,4,5,8-ナフタ
レンテトラカルボン酸ジイミド N,N′‐ジアルキルまたはジアリール3,4,9,10-ペリレ
ンテトラカルボン酸ジイミド N,N′‐ジアルキルまたはジアリール3,3′,4,4′‐ビ
フェニルテトラカルボン酸ジイミド N,N′‐ジアルキルまたはジアリール3,3′,4,4′‐ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸ジイミド。
上記したもののいずれもは、1個またはそれ以上の芳
香族環上でシアノ、ブロモ、クロロ、またはフルオロ置
換されうる。
以下の化合物は、分子内電荷移動塩として予期される
例である。このリストは例示に過ぎずそして限定的では
ない。X-及びY-は任意のアニオンを表す。Rは好ましく
はアルキル基である。
分子内電荷移動塩 以下の化合物は、ポリマー状分子内電荷移動塩として
予期される例である。このリストは例示に過ぎずそして
限定的ではない。
ポリマー状のもの 第一のポリマー状のものは、無水ピロメリト酸の存在
下で13を水素化し、アミド酸(amicacid)単離しそして
次に標準的な条件下でこのアミド酸を脱水してイミドを
得ることによって達成され得ることが予期される。第三
のポリマー状のものは、4-モノブロモメチル‐2,2′‐
ビピリジル上のピロメリトイミドジアニオンの置換反応
によって達成され得ると予期される。
分子内電荷移動塩のための受容体分子の例は、例示に
過ぎずそして限定的ではない以下のリストから選択され
る:以下の構造式によって表される置換された及び置換
されていない芳香族部分と共役したカルボニル基を含む
化合物のラジカル: 芳香族イミド化合物及びベンゾイル化合物はこの基を
含む。芳香族イミド化合物の例はポリイミド及び改質さ
れたポリイミド及びテレフタレートである。その教示が
引用によって本明細書中に組み込まれる、化学技術の百
科事典、第三版、“ポリイミド”という標題の項目、18
巻、704〜719頁は、ホモポリマーを含む種々のポリイミ
ド物質を述べている。
分子内電荷移動塩のための受容体部分の例は、例示に
過ぎずそして限定的ではない以下の中性化合物のリスト
の置換された及び置換されていない形のラジカルから選
択される:不飽和芳香族炭化水素、芳香族カルボニル化
合物、イミド、ジイミド、カルボジイミド、無水物、キ
ノン、第四芳香族窒素化合物、アゾメタン、インモニウ
ム塩、アゾ化合物、アミンオキシド、ニトロ及びニトロ
ソ化合物、有機金属化合物、キノリン及びキノキサリ
ン。
分子内電荷移動塩のための供与体部分の例は、本明細
書中で上で引用によって本明細書中に組み込まれたHuni
gの論文中で述べられているビオレン化合物から選択さ
れる。
本明細書中で述べられた分子間及び分子内電荷移動塩
は、その教示が引用によって本明細書に組み込まれるJ.
Am.Chem.Soc.、103、2440中でBechgardらによって述べ
られた結晶電析技術に従って、そしてその教示が引用に
よって本明細書中に組み込まれる有機実験者のためのガ
イド、H.Loewenthal、Pub.Haden(特に97頁で)中で述
べられた結晶化技術によって結晶化することができると
予期される。完全に還元されたビオロゲンを使用する化
合物16の還元及びそれに続く結晶を成長させるための非
溶媒の添加は、分子が伝導性を示すと予期される状態を
もたらすであろう。重合は、その教示が引用によって本
明細書中に組み込まれるC.E.Sroog,J.Polymer Sci.:Mac
romolecular Reviews、11巻、161〜208頁(1976)中に
述べられた十分に確立された方法によって達成できると
予期される。以下の機構A及び機構Bは例示に過ぎずそ
して限定的ではない。
分子間電荷移動塩の製造 文献の手順(M.Mohammad,J.Org.Chem.1987、52、2779
〜2782)を使用して、二ヨウ化ジエチルビオロゲンを、
マグネシウム削りくず(turnings)の上で12〜24時間ア
セトニトリル中で攪拌することによって還元した。この
反応及びすべての後続ステップは窒素のグローブボック
ス中で実施された。赤‐オレンジの溶液を過剰のマグネ
シウムから傾斜分離しそして蒸発させた。固体残査を純
粋なn-ヘプタン(窒素下でナトリウムから蒸留された)
中に溶かした。このヘプタン溶液を超微細溶融ガラスフ
ィルターを通過させてヨウ化マグネシウムを除去し、次
に蒸発させた。次に暗く色付いた残留物を純粋なジメト
キシエタン(DME、窒素下でナトリウムから蒸留され
た)中に溶かした。溶液中の還元されたビオロゲンの濃
度は、ジメチルホルムアミド中の0.1Mテトラブチルアン
モニウムフルオロボレートの50ml中の1mlのアリコート
の電量分析によって測定した。次にこの濃度を等モル量
のN,N-ジブチルピロメリトイミドを計算するために使用
した。計算量のN,N-ジブチルピロメリトイミドを計量し
そして還元されたビオロゲンのDME溶液中に溶かした。
均一な溶液のその3〜4倍の容積のn-ヘプタンによる希
釈及び−20℃での冷却は結果として細かな紫色の粉末の
沈殿を生成させた。この粉末の圧縮されたペレットの四
探針測定は、アルゴン下で103〜104S/cmの伝導率を示し
た。伝導率は空気中で劣化した。
この物質の小さな結晶は、1:1ビオロゲン/ピロメリ
トイミド混合物のDME溶液を閉じた容器中でn-ヘプタン
の蒸気に接触させることによって得られた。溶媒のゆっ
くりとした相互拡散(inter-diffusion)は、元来DME溶
液を含んでいた容器の底での結晶成長をもたらした。
本発明の教示に従って、電気化学的に変色するフィル
ムを生成させることができる。例えば、ビオレンまたは
シアニン、例えばビオロゲンを重合させそして電極の上
に配置することができる。対イオン及び芳香族部分と共
役したイミド基を有するモノマー状化合物、例えばビス
‐イミドをこのフィルムの上に沈着させることができ、
そしてそれはフィルム中に吸収されて変色するフィルム
を生成させる。その代わりに、芳香族部分と共役したカ
ルボニル基を含む化合物、例えばビス‐イミドを重合さ
せてそして電極の上に配置することができ、そしてビオ
レンまたはシアニンをこのポリマーの上に配置すること
ができる。それはポリマー中に吸収されて電気化学的な
変色フィルムを生成させる。本発明の方法によって、こ
れらのフィルムは電気的に伝導性で製造されると予期さ
れる。その教示が引用によって本明細書中に組み込まれ
るSkothemらの米国特許4,571,029は、電極上に伝導性ポ
リマーを有する電気化学的な変色セルを教示している。
この伝導性ポリマーは、ディスプレイ電極と対向電極と
の間の電圧が変化する時に変色する変色顔料を含む。本
発明の譲受人に譲渡され、その教示が引用によって本明
細書中に組み込まれる、1988年12月23日に出願された
“有機ポリマー物質を調整するための方法”という標題
の共に継続中の特許出願連番07/290,486中に述べられて
いるように、そして本発明の譲受人に譲渡される、1989
年9月25日に出願された“異なる電気活性物質の多層化
された構造体及びその製造方法”という標題の共に継続
中の米国特許出願連番07/411,952中に述べられているよ
うに、ポリマー及び酸化還元サイトに関して電気活性な
その他の物質は、電解質と共に膨潤される時に電気伝導
性であることができる。
上で述べた実施態様は本発明の原理の単なる例示に過
ぎないことが理解されねばならない。本発明の原理を具
体化しそして本発明の精神及び範囲内に入るであろう種
々の他の改変及び変更が当業者によって工夫されるであ
ろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による電気化学的変色セルの図式的な
線図である。 第2図は、0.1Mのテトラブチルアンモニウムテトラフル
オロボレート(Bu4NBF4)を含むN,N-ジメチルホルムア
ミド(DMF)中の化合物の1.0mM溶液の0.05mMにおける50
mv/secでのサイクリックボルタンメトリーのグラフであ
る。電圧はSCEに対する。 第3図は、鎖線のカーブとして、Eso1n=−0.6Vへのバ
ルク電気分解の後の0.1MのBu4NBF4を含むDMF中の0.05mM
の化合物14に関するダイオードアレイ検出によって記録
されたUV-VISスペクトルを示し、そして点線のカーブと
して、Eso1n=−1.0Vでの式15の化合物の類似の溶液を
示す。 第4図は、Eso1n=−0.70Vへのバルク電気分解の後の0.
1MのBu4NBF4を含むDMF中の化合物16のダイオードアレイ
検出によって記録されたUV-VISスペクトルである。 第5図は、0.1MのBu4NBF4を含むDMF中の各各1.1mMの14
及び15の等モル混合物の200mv/secでのサイクリックボ
ルタンメトリーである。電圧はSCEに対する。 第6図は、Eso1n=−0.6Vへのバルク電気分解の後で記
録された0.1MのBu4NBF4を含むDMF中の0.05mMの化合物16
のUV-VISスペクトルである。 第7図は、Eso1n=−0.75Vでの第6図と同じ溶液中の化
合物16のUV-VISスペクトルである。 第8図は、Eso1n=−0.79Vでの第6図と同じ溶液中の化
合物16のUV-VISスペクトルである。 第9図は、Eso1n=−1.40Vでの第6図と同じ溶液中の化
合物16のUV-VISスペクトルである。 第10図は、Eso1n=−0.73Vへの再酸化の後の第6図と同
じ溶液中の化合物16のUV-VISスペクトルである。 第11図は、0.1MのBu4NBF4を含むDMF中の0.05mMの化合物
14の−1.1Vでのバルク電気分解(中性の形への完全な還
元)及び等モル量の化合物15の添加の後のUV−VISスペ
クトルである。 第12図は、隔離された積み重ね構造における供与体及び
受容体を有する結晶化された化合物の図式的な表示であ
る。 第13図は、重ならない酸化還元対の図式的な表示であ
る。 第14図は、重なる酸化還元対の図式的な表示である。 第15図は、分子内電荷移動塩の図式的な表示である。 第16図は、分子間電荷移動塩の図式的な表示である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レバテイ・イーイエンガー アメリカ合衆国ニユーヨーク州(10566) ピークスキル.ジエロームドライブ33 (72)発明者 ダニエル・ピーター・モリス アメリカ合衆国ニユーヨーク州(10577) パーチヤス.ライムロード23 (72)発明者 テレンス・ロバート・オトウール アメリカ合衆国ニユーヨーク州(12533) ホープウエルジヤンクシヨン.クリーク ベンドロード15 (72)発明者 アルフレツド・ビーベツク アメリカ合衆国ニユーヨーク州(12582) ストームビル.シーマンロード.アー ル.アール ナンバー1 (56)参考文献 特開 昭57−37334(JP,A) 特開 昭62−295031(JP,A) J.Am.Chem.Soc.105 (1983)P.4468−P.4469 J.Electrochem.So c.Vol.137No.5(1990)P. 1460−1466 J.Electrochem.So c.Vol.128No.6(1981)P. 1290−1292

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質を含有する容器; 容器内で電解質と接触している少なくとも2個の電極;
    および 電解質と接触している分子内電荷移動塩または分子間電
    荷移動塩を含み、分子内電荷移動塩は芳香族部分と共役
    したカルボニル基を有する電子受容体部分を、分子間電
    荷移動塩は芳香族部分と共役したカルボニル基を有する
    電子受容体成分を含有する変色剤; を含む電気化学的変色セル。
  2. 【請求項2】容器が、その中に電解質と変色剤とを含む
    シールされたガラスセルである請求項1記載の電気化学
    的変色セル。
  3. 【請求項3】容器が、電解質および変色剤を有するポリ
    マーフィルムを包含する請求項1記載の電気化学的変色
    セル。
  4. 【請求項4】容器が、電解質および変色剤を含む多孔質
    固体材料を包含する請求項1記載の電気化学的変色セ
    ル。
  5. 【請求項5】さらにエレクトロクロミック表示装置を含
    む請求項1記載の電気化学的変色セル。
  6. 【請求項6】分子内電荷移動塩が、ラジカルカチオン/
    ラジカルアニオン状態で存在し得る共有分子である請求
    項1記載の電気化学的変色セル。
  7. 【請求項7】分子内電荷移動塩が、少なくとも1カ所の
    電子供与体部分および少なくとも1カ所の電子受容体部
    分を含む共有化合物である請求項1記載の電気化学的変
    色セル。
  8. 【請求項8】電子供与体部分がビオレン化合物のラジカ
    ルよりなる群から選択され、かつ電子受容体部分が芳香
    族部分に共役したイミド基を有するラジカルよりなる群
    から選択される請求項7記載の電気化学的変色セル。
  9. 【請求項9】電子供与体部分がビオレンラジカルおよび
    シアニンラジカルから選択され、かつ電子受容体部分が
    ビス−イミドラジカルである請求項7記載の電気化学的
    変色セル。
  10. 【請求項10】分子間電荷移動塩がビオレン化合物とビ
    ス−イミド化合物の混合物である請求項1記載の電気化
    学的変色セル。
  11. 【請求項11】変色剤が、ビオレンおよびシアニンより
    なる群から選択された重合した化合物からなる電子供与
    体、および重合したビオレンと相互接触している芳香族
    部分に共役したカルボニル基を有する単量体化合物を有
    する電子受容体から形成される請求項1記載の電気化学
    的変色セル。
  12. 【請求項12】変色剤が、芳香族部分に共役したカルボ
    ニル基を含む重合した化合物からなる電子受容体、およ
    び重合した基と接触しているビオレンおよびシアニンよ
    りなる群から選択された化合物を有する電子供与体から
    形成される請求項1記載の電気化学的変色セル。
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