JPS60211095A - 高耐食性表面処理鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐食性に優れた積層型Ｚｎ系合金めっき鋼板
に関するものである。

近年、自動車用鋼板は、冬期寒冷地で使用される凍結防
止剤としての岩塩や塩化カルシウムなどによる厳しい環
境下でも、所定の期間、赤錆や穴あきに耐える表面処理
鋼板が望まれるようになっている。

自動車用鋼板は、前記のような厳しい環境に耐える高耐
食性を付与するために種々検討がなされてきたが、同時
に加工性や溶接性も要請されているため、薄くても耐食
性に優れた積層型Ｚｎ系合金電気めっき鋼板が注目され
ている。

Ｚｎ系合金めっきとは、Ｚｎ−Ｆｅ、Ｚｎ−旧、　Ｚｎ
　−Ｇｏ、　Ｚｎ−Ｆｅ−Ｎｉ、　Ｚｎ−Ｎ１−Ｇｏな
どの合金めっきを意味する。さらに、このようなＺｎ系
合金めっきを組合わせた積層型Ｚｎ系合金めっき鋼板と
して、次のものが提案されているが、実験の結果、それ
ぞれ欠点を有していることを知見した。

なお、近年、自動車メーカーから車体防錆用表面処理鋼
板として、板合わせ部あるいは袋構造部における裸耐食
性、さらに塗膜欠損部等における塗膜ふくれの抑制およ
び赤錆の抑制に優れたものが強く要求されており、これ
らの耐食性能を全て満足する表面処理鋼板の開発が望ま
れている。

従来より種々の耐食性表面処理鋼板が開発されている。

その代表例は以下の通りであるが、前述の如く、また比
較例にも示すように十分な耐食性を発揮していない。

ｌ）特公昭５７−５６５５７号 ・第１層として合金含有率が３〜１５％＃ｔ％のＺｎ−
ＮｉおよびＺｎ−Ｆｅ合金めっき層、第２層として合金
含有率が０〜１５ｗｔ％のＺｎ−ＸｌおよびＺｎ　−Ｆ
ｅ合金めっき層をもつ２層めっき鋼板である。

・電着塗装後、素地鋼に達するまでのクロスカットを入
れた試験材の腐食試験において、クロスカット部で赤錆
発生と塗膜ふくれのいずれも生じやすい欠点が認められ
た。

・なお、Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき層中にクロム、アルミナ
、シリカおよびチタニアの１種以上含有する実施例がな
い。

ｅ本発明は第１層または第２層をクロム、アルミナ、シ
リカおよびチタニアの１種以上を含有するＺｎ−Ｎｉ系
合金めっき層とするものであり、本発明とは明らかに異
なる。

２）特開昭５８−２０４１９６号 ・第１層として、第２層のＺｎ−Ｎｉ系合金よりＮｉ含
有量の高いＺｎ−Ｎｉ系合金を０．０５〜０．８４電気
めっきし、ついで第２層として、第１層のＺｎ　−Ｎｉ
系合金よりＮｉ含有量の低いＺｎ−Ｎｉ系合金を電気め
っきする２層めっき鋼板である。

・電着塗装後、素地鋼に達するまでのクロスカットを入
れた試験材の腐食試験において、クロスカット部で赤錆
が生じやすい欠点が認められた。

・なお、Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき層中にクロム、アルミ
ナ、シリカおよびチタニアの１種以上を含有する実施例
がない。

・本発明は第１層または第２層をクロム、アルミナ、シ
リカおよびチタニアの１種以上を含有するＺｎ−Ｎｉ系
合金めっき層とするものであり、本発明とは明らかに異
なる。

本発明は、めっき付着量４〜４０ｇ／ｒｎ’、Ｎｉ含有
率０．１〜３０　ｗｔ％で、かつクロム、アルミナ、シ
リカおよびチタニアよりなる群より選択された１種以上
を０．Ｏ１〜３　ｗｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっ
きを少なくとも一方の面に形成してなる高耐食性表面処
理鋼板を提供するものである。

本発明はまた、第１層がめつき付着量１〜１゜ｇ／ｌｎ
”、Ｎｊ含有率６〜３０ｗｔ％であるＺｎ−Ｎｉ合金め
っき、第２層がめつき付着量３〜３０ｇ／ｒｎ’、Ｎｉ
含有率０．１〜８　ｗｔ％、さらにクロム、アルミナ、
シリカおよびチタニアよりなる群より選ばれた１種以上
を０．Ｏ１〜３　ｗｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっ
きを少なくとも一方の面に形成してなる高耐食性表面処
理鋼板を提供するものである。

本発明はまた、第１層がめつき付着量１−１０ｇ／ｍ″
、旧含有率６〜３０％＃ｔ％、さらにクロム、アルミナ
、シリカおよびチタニアよりなる群より選ばれた１種以
上を０．Ｏ１〜３　ｗｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金め
っき、第２層がめつき付着量３〜３０ｇ／ｍ″旧含有率
０．１〜８　ｗｔ％であるＺｎ−Ｎｉ合金めっきを少な
くとも一方の面に形成してなる高耐食性表面処理鋼板を
提供するものである。

本発明はまた、第１層がめつき付着量１−１０ｇ／ｎｆ
、Ｎｉ含有率６〜３０ｗｔ％、さらにクロム、アルミナ
、シリカおよびチタニアよりなる群より選ばれた１種以
上を０．０１〜３ｗｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっ
き、第２層がめつき付着量３〜３０ｇ／ｍ″、ＮＩ含有
率０．１〜６％Ｉｔ％、さらにクロム、アルミナ、シリ
カおよびチタニアよりなる群より選ばれた１種以上を０
．Ｏ１〜３％＃ｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっきを
少なくとも一方の面に形成してなる高耐食性表面処理鋼
板を提供するものである。

以下１本発明の詳細な説明する。

複層のＺｎ−Ｎｉ系合金めっきを形成する場合には、第
１層のＺｎ−Ｎｉ合金めっきのＮｉ含有率は６〜３０ｗ
ｔ％が望ましい。６ｗｔ％未満では耐食性向上効果が認
められず、３０ｗｔ％を超えるとめっき層が硬くなり、
めっき密着性が低下するので望ましくない。Ｚｎ−Ｎｉ
合金めっきの付着量としては１〜１０ｇ／ｍ″が望まし
い、１ｇ／ｍ″未満では耐食性向上効果が認められず、
ｌＯｇ／ｒｎ’を超えると加工性が低下し、またコスト
上からも望ましくなくなる。

Ｚｎ−Ｎｉ合金めっきにさらにクロム、アルミナ、シリ
カおよびチタニアよりなる群より選ばれた１種以上を０
．０１〜３　ｗｔ％含有させると、より一層耐食性が向
上したが、０．０１　ｗｔ％未満では耐食性向上効果が
認められず、３　ｗｔ％を超えると、めっき密着性の低
下を生じるので望ましくない。

第２層のＺｎ−Ｎｉ合金めっきのＮ１含有率は０．１〜
８ｖｔ％が望ましい。０．１　ｗｔ％未満では耐食性向
上効果が認められず、６賢ｔ％を超えると下層のＺｎ　
−Ｎｉ系合金めっきの影響をうけ、めっき密着性が低下
するので望ましくない。Ｚｎ−Ｎｉ合金めっきの付着量
としては３〜３０ｇ／ｌｎ”が望ましい。３　ｇ／ｒｎ
’未満では耐食性向上効果が認められず、３０ｇ／ｍ″
を超えると溶接性、加工性が低下し、またコスト上から
も望ましくない。Ｚｎ−Ｎｉ合金めっきに、さらにクロ
ム、アルミナ、シリカおよびチタニアよりなる群より選
ばれた１種以上を０．Ｏ１〜３　ｗｔ％含有させると、
より一層耐食性が向上したが、　０．０１ｗｔ％未満で
は耐食性向上効果が認められず、３　ｗｔ％を超えると
めっき密着性の低下を生じるので望ましくない。

なお、単層のＺｎ−Ｎｉ合金系めっきを形成する場合に
は、複層のＺｎ−Ｘ１系合金めっきを形成する場合と同
様に考えて、その付着量は４〜４０ｇ／ｒｎ”とし、Ｎ
ｉ含有率は０．１〜３０　ａｔ％とし、クロム、アルミ
ナ、シリカおよびチタニアの添加物の添加量は０ｏ０１
〜３　ａｔ％とするのが好ましい。

Ｎｉ含有率の比較的高いＺｎ−旧糸合金めつきを第１層
とし、比較的低い旧含有率のＺｎ−Ｘ１系合金めっきを
第２層とする本発明の積層めっき鋼板が、耐食性に優れ
る理由は必ずしも明らかでないが、次のように考えられ
る。

第２層（上層）のＺｎ−Ｎｉ系合金めっきは、Ｎｉ含有
率が０．１〜８　ａｔ％でＺｎリッチなめつき層である
ため、犠牲防食能が優れる。従って、素地鋼板の腐食に
よる赤錆発生を防止するのに顕著な効果がある。また、
めっき層中のＨｚは、保護作用の優れた腐食生成物Ｚｎ
（ＯＨ）２の安定性を高めるため、腐食の進行を抑制す
る。さらにクロム、アルミナ、シリカおよびチタニアよ
りなる群より選ばれた１種以上を少量含有すると、腐食
生成物Ｚｎ（ＯＨ）２の安定性をより一層高めるととも
に、めっき層あるいは腐食過程で存在するこれら微粒子
状の酸化物あるいは水酸化物の立体効果により、表面に
おける腐食生成物の保持と不活性化により耐食性が顕著
に向上すると考えられる。

第１層（下層）のＺｎ−Ｎｉ系合金めっきは旧含有率が
６〜３０ｗｔ％と比較的高いため、犠牲防食能は若干抑
制されている。第１層のめっきは素地鋼板と直接接触す
るため、鋼板との電位差は少ない方が望ましい。また、
クロスカット等により傷つけられためっき欠損部におい
ては、塩水が溜りやすく、さらに、そこを起点として腐
食が進行すると腐食生成物を生じ、その腐食生成物が水
分を保持するため、濡れた環境下におかれる時間が長く
なる。特にめっき欠損部の深部においてこの傾向が強い
ため、本発明のごとく、第１層は６〜３０ｗｔ％のＮｉ
を含有するＺｎ−Ｎｉ合金めつきが好適である、また、
めっき層中のＮｉは前述のように、保護作用の優れた腐
食生成物Ｚｎ（ＯＨ）２の安定性を高めるのにも効果が
ある。さらにクロム、アルミナ、シリカおよびチタニア
よりなる群より選ばれた１種以上を少量含有すると前述
のごとき効果を有するため、耐食性が顕著に向上する。

また、Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっきを複層形成せず、単層形
成する場合も同様に考えてよい。

本発明は、それぞれ特徴を有する第１層と第２層を組合
わせた積層めっきの相乗効果により、薄くても耐食性に
優れ、溶接性と加工性の良好なＺｎ系表面処理鋼板を提
供するものである０本発明のＺｎ系合金めっきをベース
とする積層型めっき鋼板は第１層と第２層のめっき厚を
変えることにより、車体の内面と外面の腐食環境に比較
的容易に対応できる。すなわち、めっき厚は電流密度、
ラインスピードを変えることにより、容易に変えること
ができ、実生産上有利である。

Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき浴は、塩化物浴、硫酸塩浴。

スルファミン酸塩浴等、あるいはこれら浴の混合浴を用
いることができ、特定の浴組成に限定されない。

次に本発明を実施例に基づいて説明する。

冷延鋼板（ＳＰＣＣ）をアルカリ電解脱脂し、５％塩酸
で酸洗した後、水洗し、以下の条件により第１層のＺｎ
−Ｎｉ系合金めっきを行い、つづいて第１層の上に第２
層のＺｎ−Ｎｉ系合金めっきを行なった。攪拌はポンプ
により行い、液流速は約６０　ｍ／ｗｉｎ　、電流密度
７５　Ａ／ｄａ２で、液温は５０℃とした。

（１）　Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき条件 浴組成　塩化亜鉛　２００　ｇ／交 基塩化カリウム　３００　ｇ／見 基塩化ニッケル　ｌＯ〜２００　ｇ／交Ｈ３ Ｎｉ含有率の異なるＺｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は浴中の
塩化ニッケル濃度を変えることにより作製した。また、
Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき層中に共析させるクロム、アルミ
ナ、シリカ、チタニアは次のものを用い、添加濃度を変
えることにより所定の含有率を得た。

ク　ロ　ム：塩化第ニクロムをクロム金属として０．１
〜１５ｇ／立添加。

アルミナ：日産化学工業■製、アルミナゾル＃５２０　
（Ａｌ１０３　、２０ｗｔ％）を５〜１００ｍ１／交添
加。

シ　リ　カニ日産化学工業■製、スノーテックス−０（
Ｓｉ０２　、　２０ａｔ％）、スノーテックス−ＡＫ（
！３ｉ０２　、１８％＃ｔ％、Ａｌ１０３　、２ｗｔ％
）を　５〜１００ｍ１／ｕ添加。

チタニア：チタニアゾル（Ｔｉ０２　、９ｗｔ％）を５
〜５０１７見添加。

（２）　Ｚｎ−旧糸合金めっき条件 浴組成　塩化亜鉛　２００　ｇ／見 基塩化カリウム　３０（ｌ　ｇ／交 塩化ニッケル　０．１〜７５　ｇ／交 Ｈ３ Ｎｉ含有率の異なるＺｎ−旧合金めっき鋼板は、浴中の
塩化ニッケル濃度を変えることにより作成した。また、
Ｚｎ−Ｎｉ系合金めっき層中に共析させるクロム、アル
ミナ、シリカ、チタニアは上記と同じものを用いた。

鋼板にめっきを施した供試材はＪＩＳ　Ｚ　２３７１に
よる塩水噴霧試験（ＳＳＴ）を行い、耐食性を調べた。

ＳＳＴ用供試供試材理条件と耐食性評価方法は次のとお
りとした。

〔耐食性〕

裸　材 ■処理：そのまま ■評価：５ＳＴ１８日後の赤錆発生面積率塗装材 ■処理：ポンデライト＃３０３０（Ｄｉｐミルタイプカ
チオン電着塗装２０１ｍ（日本ペイント製パワートップ
Ｕ−３０）→クロスカット（素地鋼板に達するまでの傷
をつける） ■評価：５ＳＴ７日後のクロスカット部の赤錆発生率と
塗膜ふくれ幅。

赤錆発生率 Ｏ・・・赤錆発生率　１０％以下 ０・・・　〃　ｌ　Ｏ〜３０％ Δ・・・　〃　３０〜５０％ ×・・・　／／　５０％以上 塗膜ふくれ幅 Ｏ・・・塗膜ふくれ幅　１．５　ｍｍ以下０・・・　〃
１．５〜３ｍ■ Δ川　／／　３　〜８　ｍｍ Ｘ、、、　ｔｔ　６ｍｍ以上 〔めっき密着性〕 デュポン衝撃試験：撃心展インチ径、荷重ＩＫｇ、高さ
５０ｃ園。

０・・・めっき剥離なし Δ・・・めっき剥離わずかにあり 第１表ないし第４表に各特許請求の範囲に対応させた試
験結果を示す、これから明らかなように、本発明の鋼板
は、比較例に示す従来のものに比して耐食性が優れてい
ることがよくわかる。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）めっき付着量４〜４０ｇ／ｍ″、Ｎｉ含有率０．
   １〜３０　ａｔ％で、かつクロム、アルミナ、シリカお
   よびチタニアよりなる群より選択された１種以上を０．
   ０１〜３　ａｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっきを少
   なくとも一方の面に形成してなる高耐食性表面処理鋼板
   。
2. （２）第１層がめつき付着量１〜ｌＯｇ／ｍ″、Ｎｉ含
   有率６〜３０ｗｔ％であるＺｎ−Ｎｉ合金めっき、第２
   層がめつき付着量３〜３０ｇ＃ｎ”、Ｎｉ含有率０．１
   〜６％＃ｔ％、さらにクロム、アルミナ、シリカおよび
   チタニアよりなる群より選ばれた１種以上を０．０１〜
   ３　ｗｔ％含有するＺｎ−Ｘ１系合金めっきを少なくと
   も一方の面に形成してなる高耐食性表面処理鋼板。
3. （３）第１層がめつき付着量１〜１０ｇ／ｍ″、Ｎｉ含
   有率６〜３０ｗｔ％、さらにクロム、アルミナ、シリカ
   およびチタニアよりなる群より選ばれた１種以上を０．
   ０１〜３　ｗｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっき、第
   ２層がめつき付着量３〜３０ｇ／ｒｎ’、Ｎｉ含有率０
   ．１〜６　ａｔ％であるＺｎ−Ｎｉ合金めっきを少なく
   とも一方の面に形成してなる高耐食性表面処理鋼板。
4. （４）第１層がめつき付着量１−１０ｇ／ｍ’、旧含有
   率６〜３０ｗｔ％、さらにクロム、アルミナ、シリカお
   よびチタニアよりなる群より選ばれた１種以上を０．０
   １〜３　ｗｔ％含有するＺｎ−１１ｉ系合金めっき、第
   ２層がめつき付着量３〜３０ｇ／虹、Ｎｉ含有率０．１
   〜６　ｗｔ％、さらにクロム、アルミナ、シリカおよび
   チタニアよりなる群より選ばれた１種以上を０．０１〜
   ３％＃ｔ％含有するＺｎ−Ｎｉ系合金めっきを少なくと
   も一方の面に形成してなる高耐食性表面処理鋼板。