JPS5922091B2 - デイスクブレ−キ用パツト復帰装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ディスクブレーキ用バット復帰装置に関する
。

回転するローターの摩擦面に対向するバットを圧接させ
ローターの回転を制動させるディスクブレーキにおいて
は、インナーバットの裏板が、トルク受はアームを有す
る支持体に設けた対向する溝内に遊合関係に保持される
。

このため、制動時には、バットは、ローターの回転方向
への自由な動きと共にローターの回転軸心方向への自由
な動きをする。

裏板のローター回転方向への動きは、裏金を溝壁面に強
く当接させることから運転者に不快な鳴音を伝え且つ非
制動時には裏板が元位置に復帰することなく壁面に接触
したままでいることからサビ付き、バットを不均一に摩
耗させたり、制動初期に、このサビ付きに打勝つ大きな
バット作動力を必要とすることが経験される。

このため、特開昭５１−１９２７７号に示されるように
、裏金と溝壁面との間にステンレス鋼等からなるバネ装
置を配Ｌ１バネ装置の弾力により前述した鳴音オヨヒサ
ビ付きの問題を解決させている。

しかＬながら、これら従来技術はローターの軸線方向へ
のバットの動きに対する問題に対し何んら解決を与えて
いない。

バットは、制動時に、バット作動用流体圧装置にまりロ
ーターの軸線方向に押圧させられるが、バットを自由保
持させていることから、前記流体圧装置の非動作位置へ
の復帰的には、バットが元位置に強制的にもどされるこ
とはなく、このため、非制動時に、バットとローターと
の期待しない接触による引きずりトルクが発生する。

さらに、アウタバンドの裏板は、その両側部に溝を有Ｌ
１溝を支持体のアームに通すことで、支持体に懸架され
るが、該裏板もアームに自由に懸架されていることから
、ローター軸線方向へのバットの動き后即ち制動解除后
、バットの引きずりトルクが発生する。

この発明は、前述した従来技術の不具合を解消させるこ
とを意図したもので、基本的には、トルり受はアームを
有する支持体のバット裏板保持壁面とバット裏板との間
に、胴部、一対の脚部および第１と第２の部分を有する
金属板の一枚板からなるバット復帰装置を配する技術手
段を用いる。

本発明によれば、制動解除時、第２の部分と胴部とがバ
ット裏板をバット裏板保持壁面から離反させ、又、胴部
がバット裏板をローターの軸線方向に戻す作用をなす。

本発明のバット復帰装置は、金属板の一枚板をプレス加
工することで容易に製造可能であり、又、板厚或いは胴
部と第２の部分の大きさを変えることで、自己弾力性を
任意に選択できるので、大型、小型のディスクブレーキ
にも自由に適用できる。

本発明の好ましい実施例を以下に述べる。

第１図にインナーパント１の取付例を示す。

パント２を裏板３に固着させたインナーパッド１は、ト
ルク受はアーム４を有する支持体５の側壁６に対向して
設けられた溝１内に、裏板３の両側部が自由に入るよう
に保持される。

裏板３の両側部と対向する溝Ｔとの間には、第２図に示
すようなバット復帰装置８が配される（第２図では一方
のバット復帰装置を示したが他方は対称に配される。

）。バット復帰装置８は、板体により形成された中空の
略環状の胴部９と、該胴部９から延在する対の第一およ
び第二脚部１０，１１と、第一脚部から第二脚部１１と
は反対方向に延在し裏板３を保持させる溝１２を有する
第一部分１３と、第二脚部より第一脚部とは反対方向に
延在し且つ前記溝壁面１４と接する第二部分１５とから
なる。

第一部分１３の溝１２の巾は裏板３を保持させるに光分
な大きさとし、第二部分１５は、第２図に示すように曲
壁面１６を設けるよう返り部分１７を付ける。

さらに、第二部分１５には傾斜部１８を設け、弾力をつ
ける。

第一部分１３より第二部分をバットが摺接するディスク
の周方向外方へ延在させ、支持体溝壁１４には第二部分
１５が弾力的に、装着時に、接触させうるようにする。

第３図にバット復帰装置８の取付例を説明的に示す。

第二部分１５が溝壁面１４に弾力的に接し胴部９を中心
とする弾力によりパント２の裏金３を溝壁面１４から離
反した状態で保持する。

該状態でインナーパント１が矢印Ａ方向に移動し且つ制
動トルクを受は矢印Ｂ方向に動（と、矢印Ａ方向の動き
に対しては、第二部分１５が壁面１４に弾力的に接しか
つ胴部９の弾力作用により第二部分１５の位置をほぼ変
位させることな（、インナーパント１をその復帰力を確
保りながら前進させ・矢印Ｂ方向のインナーバットの動
きに対しては、胴部９を中心とする弾力をインナーパン
ト１に付加しながらその変位を許容する。

しかし、バットが摩耗し、バットの一定量以上の動きが
生じた時第二部分１５の壁面１４に対する位置は、復帰
力を許容する位置に変位する。

制動力が解放されると、第二部分１５の動きのないこと
から生じた弾力によりインナーパント１が元位置に弾力
的に復帰する。

さらに矢印Ｂ方向へのバットの動きに対しても弾力的に
バットを元位置へ復帰させる。

かくして、制動力解放后のバットのひきずりトルクの発
生を解決させることができ、加えて、バットの鳴音およ
びサビ付きの問題も解決させることができる。

なお、第二部分１５の返し部１γは、バット交換時、バ
ット復帰装置８の壁面１４へのひっかかりを防止する有
効な働きをする。

第４図に示す例は、第二脚部１５の上下両側縁より山部
２１を有する突片１９を設け、該突片１９を溝壁面２０
と弾力的に接触させ矢印Ｃ方向へのインナーバット１０
弾力的な動きを可能にさせたものである。

第３図に示す例では２方向に対しバットを弾力的に保持
させたが、本例では、３方向に対しバットを弾力的に保
持させることができる。

第５図に示す例は、アウターバント２２の保持に適する
バット復帰装置８′である。

本例では、第２図に示す第一脚部１０の壁面を溝１２方
向にさらに延在させ該延在部２３同志を一体に略直角に
連結したものである。

第６図にその取付例を示す。アウターバント２２の裏板
２４の側部には、溝２５を有するが、該溝２５の内壁に
バット復帰装置８′の溝１２を差し込み第二部分１５を
アーム２６の壁面に弾力的に接触させることで、アウタ
ーバント２２をアーム２６に弾力的に懸加させる。

このため、第６図でみて、裏板２４を左方および下方へ
弾力的に保持させる。

か（して、キャリパ−２７によりアウターバント２２が
ローターの軸線方向に移動すると、第二部分１５とアー
ム２６の壁面が接触していることから、アウターバント
２２はバット復帰装置８′の弾力を受けて前進し、制動
力解放層はこの弾力により元位置へパントを復帰せしめ
る。

従って、バットのひきずりトルクの問題は解消される。

なお、第６図で一方のバット復帰装置を示したが他方も
同様に作用する。

以上から明らかなように、本発明においては、制動時の
バットのａ−ターの軸線方向への動きは、特に、胴部を
弾性変形させ、制動解放后にバットを元位置へ自動的に
復帰させるため、バットのひきすりがなく、バットを均
一に摩耗させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はバット復帰装置を備えるインナーパネルの斜視
図、第２図はバット復帰装置の平面図、第３図はその取
付状態を示す説明図、第４図は別の例のバット復帰装置
の取付例を示す説明図、第５図は別の例のバット復帰装
置の斜視図、第６図はその取付例を示す斜視図である。 図中：６，６’・・・・・・バット復帰装置、９・・・
・・・胴部、１０．１１・・・・・・第１および第２脚
部、１３，１５・・・・・・第１および第２部分、１１
・・・・・・返し部分、１９・・・・・・突片、２３・
・・・・・延在連結部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転するローターの摩擦面と対向するバンドがその
   裏板の両側端部にてトルク受はアームを有した支持体の
   バット裏板保持壁面に対しローターの軸線方向へ移動可
   能に遊合保持されるディスクブレーキ用の該バット裏板
   保持壁面と前記バット裏板との間に設けられるバット復
   帰装置において、前記支持体のバット裏板保持壁面側の
   前記バット裏板の端部を受ける第１の部分と、該第１の
   部分と一体に前記バット裏板の背面に沿つ℃延在する脚
   部と、前記脚部の端部に一体に設けた中空環状の胴部と
   、前記胴部から一体に前記脚部に沿って延在する別Ｏ脚
   部と、前記第１の部分とは反対側に位置し且つバットが
   摺接するディスクの周方向外方に延在し前記バット裏板
   保持壁に接するよう別の脚部の端部に一体に設けられた
   第２の部分とを有し、前記第２の部分の前記バット裏板
   保持壁に接する部分が弧状となっており且つ前記バット
   復帰装置が金属板の一枚板から構成されることを特徴と
   するディスクブレーキ用バット復帰装置。