JPS5847725B2 - コンピユ−タ等機器の耐震支持方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコンピュータ等機器の耐震支持方法に関するも
のである。

従来、コンピュータ等の機器はその底部に設けられてい
る脚を床面上に直接あるいはゴムマットを介して載置す
ることにより設置している。

しかし，機器本体の脚を床面上に直接載置するのみの設
置方法では地震の際に機器が移動または転倒してその機
能を停止する恐れがあり，また脚をゴムマットを介して
床面上に載置する設置方法ではゴムマットの摩擦作用に
より機器の移動はある程度防止できても転倒を防止でき
ない不具合がある。

このような不具合を解決するため、本願人は既に特開昭
５５−９７５９７号公報において，コンピュータ等の機
器の脚に係合または嵌合する溝または穴を有する緊締金
具を前記脚に係合または嵌合させ、この緊締金具を床面
に固定することにより、前記機器を床面に固定するよう
にした耐震支持方法を提案した。

かかる耐震支持方法によれば，床面上に載置される機器
の脚は緊締金具を介して床面に固定されるから，機器の
移動および転倒を有効に防止することができる。

しかしながら，上記特開昭５５−９７５９７号公報にお
いて提案した耐震支持方法は、床面がコンクリートスラ
ブ等の基盤である場合には有効に適用することができる
が、床面がフリーアクセス床面の場合には床盤が脆弱で
あるため適用できない場合がある。

一方，コンピュータ等機器をフリーアクセス床面上に設
置する場合，一般には機器の脚をフリーアクセス床面を
通してコンクリートスラブ等の基盤に固定するようにし
ており，その固定方法として基盤とフリーアクセス床面
との間に基盤に埋設して支柱を設け，この支柱にフリー
アクセス床面を介して機器の脚を固定する方法や，基盤
とフリーアクセス床面との間に山型のブリッジを挿入し
、このブリッジの両端部を基盤に固定すると共にこのブ
リッジの頂部においてフリーアクセス床面を介して機器
の脚を固定する方法が従来提案されている。

しかし、前者の固定方法においては、機器の脚をフリー
アクセス床面に載置するとその部分のフリーアクセス板
を外すことができないため，支柱を埋設するための基盤
への穴開け作業が困難となる不具合がある。

また，後者の固定方法においては山型のブリッジを複数
箇所で基盤に固定するため、作業能率が悪いと共にブリ
ッジが比較的大型であるため配線等が邪魔になって取付
けできない場合もある。

更に，上記の従来の固定方法は、前者においては支柱の
みを介して、また後者においてはブリッジのみを介して
基盤に固定するため、耐震強度が弱い欠点がある。

本発明の目的は上述した種々の不具合を解決し，耐震強
度が強くしかも簡単に実施できるコンピュータ等機器の
耐震支持方法を提供しようとするものである。

本発明は、フリーアクセス床面上に載置されるコンピュ
ータ等の機器本体をコンクリートスラブ等の基盤に固定
するにあたり， 前記基盤上に載置される第１の平板状部材と、この第１
の平板状部材の一端部において該平板状部材に対してほ
ぼ垂直に延在するように下端部を固着した支柱と，この
支柱の上端部と前記第１の平板状部材の他端部との間に
連結されるプレースとを有する耐震支持部材を，前記機
器本体から離れた箇所から前記フリーアクセス床而と基
盤との間に挿入して組立てる工程と， この耐震支持部材の第１の平板状部材を前記機器本体か
ら離れた箇所で前記基盤に固定すると共に，前記フリー
アクセス床面上に第２の平板状部材を載置してこれを前
記機器本体から離れた箇所で前記耐震支持部材の支柱の
上端部に固定して，この第２の平板状部材に前記機器本
体の脚を固定する工程とを有することを特徴とするもの
である。

以下図面を参照して本発明を詳細に説明する。

第１図は本発明の耐震支持方法を実施する装置の一例の
構成を示す線図である。

コンピュータ等の機器本体Ａの脚１は，本体Ａに挿脱自
在に螺着した脚部２と，該脚部２に固定した回転用ナッ
ト３と，脚部２の下端部に設けたフーチング状の台４と
を具え，回転用ナット３を回すことにより機器本体Ａの
レベルを調整できるように構成されている。

本例では、フリーアクセス床面５上に絶縁シ一ト６を介
して平鋼材（第２の平板状部材）７を載置し，この平鋼
材７上に絶縁シ一ト８を介して機器本体Ａの脚１を載置
すると共にこの脚１を脚部２に係合する溝または穴を有
する緊締金具９を介してボルト１０により平鋼材７に緊
締する。

また、平鋼材７は機器本体Ａから離れた箇所でボルト１
１により，フリーアクセス床面５とコンクリートスラブ
等の基盤１２との間で基盤１２に固定した耐震支持部材
Ｂに固定する。

なお、脚１と緊締金具９との係合部分には絶縁カバー１
３を介挿すると共に，平鋼材７とボルト１１との間には
絶縁ブツシング１４を介挿する。

耐震支持部材Ｂは平鋼材（第１の平板状部材）２１と，
支柱２２とプレース２３とから成る。

支柱２２はロット２４の下端部を平鋼材２１の一端部に
，第２図に部分断面図をも示すように，平鋼材２１に対
してほぼ垂直に延在するように螺着してロックナット２
５により緊締固定すると共に，ロット２４の上端部には
ロックナット２６およびロングナット２７を螺合し、こ
れらロックナット２６およびロングナット２７により支
柱部分を伸縮し得るよう構成する。

また，ロングナット２７にはフリーアクセス床面５に形
成される開孔を通して第３図に部分断面図をも示すよう
に固定ボルト２８を螺合し、この固定ボルト２８にフリ
ーアクセス床面５上に載置される平鋼材７を通してボル
ト１１を螺着することにより平鋼材７を耐震支持部材Ｂ
に固定し得るよう構成する。

プレース２３は上側プレース２９と下側プレース３０と
から成り，上側プレース２９の上端部は第３図に示すよ
うにロングナット２７と固定ボルト２８との間に緊締固
定する。

また，下側プレース３０の下端部は第４図に部分断面図
をも示すように，平鋼材２１を基盤１２に固定するため
の基礎ボルト３１により平鋼材２１の他端部に固定し，
上側プレース２９の下端部および下側プレース３３０の
上端部を第５図に部分断面図をも示すように，プレース
部分を伸縮し得るようにボルト３２により固定する。

次に第１図に示す耐震支持装置の組立手順の一例を説明
する。

先ず，フリーアクセス床面５上に載置すべき平鋼材７の
機量本体Ａから離れた適切な位置にボルト１１による固
定用孔を穿孔すると共に、この固定用孔と対応するフリ
ーアクセス床面５の位置に固定ボルト２８の貫入孔を形
成する。

その後、機器本体Ａから離れたフリーアクセス板を外し
て、固定ボルト２８の貫入孔を形成したフリーアクセス
床面５と基盤１２との間に耐震支持部材Ｂを挿入してそ
の平鋼材２１を基盤１２上に載置し，ロングナット２７
により固定ボルト２８をフリーアクセス床面５に形成し
た貫入孔に係合させると共に，上側プレース２９の上端
部がフリーアクセス床面５の下面に接合するよう支柱部
分のレベルを調整する。

なお、耐震支持部材Ｂをフリーアクセス床面５と基盤１
２との間に挿入する際は，上側プレース２９の上端部は
ロングナット２７および固定ボルト２８により支柱２２
の上端部に軽く取付けておくと共に、上側プレース２９
の下端部および下側プレース３０の上端部もボルト３２
により軽く保持しておく。

次に、下側プレース３０の下端部と平鋼材２１とを通し
て基盤１２に基礎ボルト３１用の孔を穿設して基礎ボル
ト３１を基盤１２に螺着し、これにより下側プレース３
０の下端部を平鋼材２１と合わせて基盤１２に固定する
。

その後、下側プレース３０の上端部と上側プレース２９
の下端部とをボルト３２により強固に緊締すると共に，
上側プレース２９の上端部を固定ボルト２８，ロングナ
ット２７およびロックナット２６により緊締固定する。

上述したようにして耐震支持部材Ｂの据付，固定が完了
した後は，フリーアクセス床面５上に絶縁シ一ト６を介
して平鋼材７を載置すると共にこの平鋼材７に予じめ穿
孔した固定用孔に絶縁ブツシング１４を介してボルト１
１を挿入してこれを固定ボルト２８に螺合固定すること
により，平鋼材７を耐震支持部材Ｂを介して基盤１２に
固定する。

その後，機器本体Ａの脚１を絶縁シ一ト８を介して平鋼
材７上に載置すると共に，脚１と緊締金具９との係合部
分に絶縁カバー１３を介挿して緊締金具９をボルト１０
を介して平鋼材７に固定することにより，脚１を平鋼材
７および耐震支持部材Ｂを介して基盤１２に固定する。

なお，本発明は上述した例にのみ限定されるものではな
く，幾多の変更または変形が可能である。

例えばプレース２３は上側プレース２９と下側ブレース
３０とを一体にしたものを用いることもできる。

またプレース２３は１本に限らず複数本設けることもで
きる。

この場合、少く共１本のプレースを第１図に示したよう
に支柱２２の上端部と平鋼材２１の他端部との間に設け
，その他のプレースを支柱２２の上端部と平鋼材２１お
よび／または基盤１２との間に設けることができる。

また，第１図においてはプレース２３の下端部を平鋼材
２１と共に基礎ボルト３１により基礎１２に固定するよ
うにしたが、その他平鋼材２１をその任意の位置におい
て基礎ボルトにより固定するようにしてもよいし，プレ
ース２３の下端部は溶接やボルト等により平鋼材２１に
固定し，平鋼材２１をその任意の位置，例えば支柱２２
の下端部取付位置近傍で任意の本数の基礎ボルトにより
基盤１２に固定するようにしてもよい。

上述したように，本発明はフリーアクセス床面上で機器
本体の脚を固定するための第２の平板状部材を、機器本
体から離れた箇所で基盤に固定される耐震支持部材にフ
リーアクセス床面を介して固定することにより，機器本
体を第２の平板状部材，フリーアクセス床面および耐震
支持部材を介して基盤に固定するものであるから，第２
の平板状部材と耐震支持部材との固定位置は任意に選択
できる。

したがって、配線等が邪魔にならずかつフリーアクセス
板を容易に取外せる位置を選択して耐震支持部材を基盤
に固定することができるから，新設および既設の機器に
対して容易に実施することができる。

また，耐震支持部材は基盤上に固定される第１の平板状
部材の一端部に支柱の下端部をほぼ垂直に固着すると共
にこの支柱の上端部と第１の平板状部材の他端部との間
に少く共１本のプレースを連結して構成したから，小形
にでき，しかも機器の荷重を有効に受けることができる
と共に，プレースおよび平板状部材の作用により水平方
向の移動も有効に防止でき，したがって充分な耐震強度
を得ることができる。

また、耐震支持部材はその第１の平板状部材の任意の箇
所で基盤に固定することができると共に，その固定用の
アンカーボルトの数も少なくて済み、したがって固定作
業も容易にできる。

更に、フリーアクセス床面上に載置する第２の平板状部
材に複数の機器を固定することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の耐震支持方法を実施する装置の一例の
構成を示す線図，第２図，第３図，第４図および第５図
はそれぞれ第１図に示す耐震支持装置の要部の断面図で
ある。 Ａ・・・・・・機器本体，１・・・・・・脚、２・・・
・・・脚部，３・・・・・・回転用ナット、４・・・・
・・台，５・・・・・・フリーアクセス床面，６，８・
・・・・・絶縁シート，７・・・・・・平鋼材（第２の
平板状部材），９・・・・・・緊締金具、１０，１１・
・・・・・ボルト，１２・・・・・・基盤、１３・・・
・・・絶縁カバー １４・・・・・・絶縁ブツシング、
Ｂ・・・・・・耐震支持部材、２１・・・・・・平鋼材
（第１の平板状部材）、２２・・・・・・支柱，２３・
・・・・・プレース，２４・・・・・・ロット、２５，
２６・・・・・・ロックナット，２７・・・・・・ロン
グナット，２８・・・・・・固定ボルト，２９・・・・
・・上側プレース，３０・・・・・・下側プレース，３
１・・・・・・基礎ボルト，３２・・・・・・ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フリーアクセス床面上に載置されるコンピュータ等
   の機器本体をコンクリートスラブ等の基盤に固定するに
   あたり， 前記基盤上に載置される第上の平板状部材と、この第±
   の平板状部材の一端部において該平板状部材に対してほ
   ぼ垂直に延在するように下端部を固着した支柱と、この
   支柱の上端部と，前記第１の平板状部材の他端部との間
   に連結されるプレースとを有する耐震支持部材を，前記
   機器本体から離れた箇所から前記フリーアクセス床面と
   基盤との間に挿入して組立てる工程と， この耐震支持部材の第実の平板状部材を前記機器本体か
   ら離れた箇所で前記基盤に固定すると共に、前記フリー
   アクセス床面上に第２の平板状部材を載置してこれを前
   記機器本体から離れた箇所で前記耐震支持部材の支柱の
   上端部に固定して，この第２の平板状部材に前記機器本
   体の脚を固定する工程とを有することを特徴とするコン
   ピュータ等機器の耐震支持方法。