JP3837686B2 - 水平二次元免震床への渡り床構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平二次元免震装置によって支持された免震床と、その免震床を囲む固定床または支持フレームと、を安全に渡るための、渡り床の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
渡り床は、固定床または支持フレームと免震床とを渡るための日常の足場であり、地震に際しては、特に安全上、これらが相対運動を行う間隙を確実に塞ぐための蓋としての機能を使命とする。
然るに免震装置には、水平動のみに対応する水平二次元(X、Y方向)免震装置と上下動(Z方向)にも対応する三次元免震装置とがある。その挙動上、渡り床の構造にも固有の区別があって良いが、従来は両者を包含して対応可能な構造が採用されてきた。
免震装置に関する技術は未だ歴史が浅く、免震装置本体に関する論理的な領域以外は、未だ試行錯誤の段階を抜けきれていない面がある。この事情を反映して、設置後の時日の経過に対する信頼性の維持や、新規の設置時、或いは定期点検時の組立・調整作業を如何に手際よく施工するか、等の諸問題は、日新月歩の状況にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、特に水平二次元免震装置に関連して、その免震装置の作動に悪影響を与えず、より安全で経済的、かつ合理的な免震床への渡り床1を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、
建屋のコンクリート床等の基部に設置されて水平方向のみに許容最大振幅aを有する水平二次元免震装置に支持された免震床と、
同一基部に敷設され、免震床の周囲に少なくとも許容最大振幅の水平可動空間を設けてこれを矩形に囲む固定床または支持フレームと、
前記免震床と、固定床または支持フレームとの間を塞いで横断歩行者用の床面を構成する渡り床と、を具備するものにおいて、
固定床または支持フレームに渡り板の一端部が片持ち固定され、その他端部が前記免震床上に小隙を有して対向され、
【0005】
さらに、渡り板の前記他端部の下面に、免震床に近接して、緩衝材が設けられ、
渡り板上の歩行者の歩行時の荷重の一部がその緩衝材を介して免震床に伝えられるとともに、非歩行時で且つ免震装置の作動時には、渡り板の荷重が免震床に伝わらないように構成したことを特徴とする水平二次元免震床への渡り床構造である。
この発明によれば、渡り板が反転したり外れて間隙が開口する恐れがなく、より安全で信頼性の高い渡り床構造を提供できる。しかも、渡り板が片持ち固定されているため、免震床、免震装置に渡り板の荷重が加わらず、それらに悪影響を与えることがない。
さらに、渡り板がその免震床側の端の背面に付設された緩衝材を介して免震床に支持されたので、渡り板の一端が支持フレームに固定されたことと合わせ、免震床の表層を損傷せず、より安全で信頼性の高い渡り床構造を提供できる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、支持フレームが、免震床の縁に沿って互いに離間して基部に立設固定され、その上端部に外ネジが形成された複数本の支持脚と、 下面に穿設されたボルト孔に夫々の支持脚の上端部が貫通して支持され、上面に前記渡り床の一端部が固定される溝型鋼と、
を具備し、前記支持脚の上端部に螺着された一対のナットに、前記溝型鋼のボルト孔の孔縁部が挟持され、上下位置が自在に調整固定される水平二次元免震床への渡り床構造である。
この発明によれば、調節手段の存在により、固定床または支持フレームと渡り板との接続部に段差やギャップがなく、また、時日の経過によってこれが拡大することがなく、且つ、この施工を能率的に実施できる渡り床構造を提供できる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、支持脚が、ベースプレートと、ベースプレートに固定された外ネジ付きの固定ボルトと、によって構成され、固定ボルトを挿通する溝型鋼の位置と姿勢とが、テーパ座金を介して固定ボルトに螺合するナットによって調整される調節手段を備えたことを特徴とする水平二次元免震床への渡り床構造である。
この発明によれば、支持脚がベースプレートと該ベースプレートに固定された固定ボルトと、によって構成されたので、極めて簡便な構造の支持フレームにより、固定床または支持フレームと渡り板との接続部の付設状況を改善した渡り床構造を実施できる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、
支持脚の上下両端に互いに平行な上フランジと下フランジとを備え、
その上フランジに、溝型鋼締結用の固定ボルトを螺合させるネジ孔が設けられ、かつ上フランジの平面方向に離間した2本の姿勢ボルトを下方から螺合貫通させ、
下フランジの円周方向に離間して配置された3本の三脚ボルトを上方から螺合貫通させ、
かつ下フランジの中心部にアンカボルトを挿通させるボルト穴を備えることにより、溝型鋼の位置と姿勢の調節手段とすることを特徴とする水平二次元免震床への渡り床構造である。
この発明によれば、支持フレームが、溝型鋼の互いに直交するX、Y、Z方向の位置とX・Z平面内での姿勢について、下フランジにおいては大略の、上フランジにおいては微細な、調節機能を夫々に備えたので、固定床または支持フレームと渡り板との接続部の付設状況が美麗で組立作業性に優れた渡り床構造を実施できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1において、
免震床に対向して、緩衝材の表面に滑り材が存在するものである。
この発明によれば、滑り材の存在により、仮にそれと免震床とが接触しても、免震装置の作動時に両者間の干渉を最小限に抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す側断面図、図2はその免震装置を含む全体的説明図、図3は本発明の第2の実施例を示す側断面図、図4(A)は本発明の、特に支持フレーム20に関する別の実施例を示す側断面図、同図(B)は図2のB矢視図、同図(C)は図2のC矢視図、図5は渡り床1の渡り方向の範囲を示す説明図である。
【0010】
渡り床1は、コンクリート床50に設置された水平二次元免震装置42の免震床40と、これを囲み、かつ同一コンクリート床50に敷設された固定床30または支持フレーム20との平面的な間隙60を、平常時・地震発生時に関わらず塞ぎ、横断歩行者に安全な床を提供することを使命とする。そして、その渡り床1は多数の並列された渡り板10により構成されている。以下の説明において必要があるときは、固定床30または支持フレーム20から免震床40への向きをXの正、上方をZの正とし、XおよびZに直交するYの正の向きを右手系で定まる向き(図1〜図5の例では、紙面の奥)とする。
【0011】
渡り床を構成する各渡り板10は、一般には支持フレーム20(または固定床30以下同じ)の各辺に沿って複数個の分割構造が採用される。渡り板10の支持フレーム20側の端には固定用のビス11を備え、その渡り板10自由端部と免震床との間には隙間tが形成されている。また、図3の例では、渡り板10の自由端の裏面には緩衝材12を備える。
固定床30を背に横置きの溝型鋼21は、矩形の免震床の各辺ごとに、それに平行に一体に配置され、上面に渡り板10を固定するネジ穴を有し、下面には、溝型鋼21自体を固定する固定ボルト22のための、ボルト穴を備える。
【0012】
図1、図3の実施例では、溝型鋼21を支持する支持脚23は、ベースプレート25aと、これに垂直に固定された固定ボルト22と、によって構成される。またベースプレート25aは、複数本のアンカボルト51を挿通するボルト穴51H(図3)を備える。
なお、図1の例ではベースプレート25aとコンクリート床50との間に楔板状の調整材25eが介装されている。
次に溝型鋼21は、その下面のボルト穴22Hに固定ボルト22が挿通されて、テーパ座金22Sを介して上下から、ナット22Nによって位置と姿勢とが調整される。また図3の例では、ベースプレート25aにはアンカボルト51が挿通され、コンクリート床50に直に載置され、位置が調整されて後、ナット51Nによって固定される。
【0013】
次に、図4の実施例では、溝型鋼21以下が、下方に向けて次のように構成される。
その支持脚23の上下両端に上フランジ25Uと下フランジ25Bとを備える。上フランジ25Uは、溝型鋼21の位置と姿勢とを微調整する姿勢ボルト27のためのネジ穴27Tと、固定ボルト22用のネジ穴22Tとを備える。姿勢ボルト27は、X方向に離れた2箇所に設けられ、その先端に尖り27Pが設けられる。
下フランジ25Bは、アンカボルト51用のボルト穴51Hと、支持脚23のX、Y、Z方向位置と姿勢とを設定する三脚ボルト28のネジ穴28Tと、を備える。一般に、三脚ボルト28は固定床30または支持フレーム20側に平行に2本を、免震床40側に1本が配置され、その先端には尖り28Pが設けられる。
【0014】
図4の実施例におけるアンカボルト51の数は、支持脚23ごとに三脚ボルト28の配列の中央に1本である。しかし、施工可能な打設深さなどにより、より細い複数本が採用されることもある。この場合には、支持脚23の構造も修正を要するが、基本的には上記と同様に構成される。なお、図4の実施例には施工上の代表的な問題点を強調するために、コンクリート床50の傾斜や凹凸と溝型鋼21の素材があらかじめ有する変形とが示されている。
【0015】
次に、図1〜図5を参照して上記の水平二次元免震床40への渡り床1の作用を説明する。
渡り床1は、渡り板10を水平に支持する支持フレーム20と、その自由端裏面に設けた緩衝材12(図3の例)と、によって構成される。
この渡り板10の渡り方向の長さλは、図5に示すように少なくとも支持フレーム20の幅αと、間隙60の最大幅2aと、そのときの、渡り板10とその支持部を含む免震床40と、の最小重複長さβとの和を必要とする。λ>2a+α+βとすれば、水平二次元免震床40の周辺の間隙60が、X、Y平面上では開口しないように構成できる。
いっぽう、Z方向には、二次元の免震床40は移動しない。従って、水平姿勢を有して一端を支持フレーム20に支持され、他端を免震床40に載置された渡り板10は、免震床40と摺動して、Z方向に相互に干渉したり離隔したりすることがない。
【0016】
すなわち、水平二次元免震装置42においては、三次元免震装置におけるように渡り板を構造的に三次元に回動させる必要がなく、位置も姿勢も固定された渡り板10によって、間隙60の開口を防ぐことが可能である。渡り板10に固定構造を採用することは、固定床30または支持フレーム20側に固定するか免震床40側か、を問わず、回動構造に比べて遥かに確実に、間隙60の開口を防ぎ得る。平常時は勿論、地震時にも、固定床30または支持フレーム20と免震床40との間隙60を確実に塞ぎ、歩行者に安全な足場を提供する使命に照らして重要な機能を備え得る。
なお、この場合、固定床30または支持フレーム20側に固定することは、地震に際して渡り板10の建屋に対する相対運動がなく、床面の揺動範囲が限定されて、免震床40に固定するよりも一般的には好ましい。
【0017】
渡り板10の支持フレーム20への固定には、その上面側から取り付け可能なビス11(ボルトを含む)が用いられる。渡り板10の固定作業のために、渡り板10が未だ敷設されない隣接位置から当該渡り板10の背面に手を延ばすことはできる。しかし、少なくとも最後の1つは床の上面からの取り付け作業となる。渡り板10の互換性や分解の作業性に配慮すれば、床の上面からのビス止め方式は1つの賢明な選択と云える。
固定用の部材が床面に突出せず、歩行や地震に伴う振動・衝撃によって緩みが生じにくく、且つ、取付や取り外しが容易で安価な固定手段であれば、適宜選択することができる。
【0018】
渡り板10の裏面には、免震床40側の端に、緩衝材12(滑り材を含む)が取り付けられる。一般に渡り板10は金属製であり、免震床40の表層には、室内の床面として合成建材が用いられる。両者が接触する同一箇所に繰り返し作用する歩行者の荷重は、免震床40の表層材を傷つけやすい。固有の騒音源となる可能性もある。緩衝材12は、これらの問題点を未然に防ぐと共に、塵埃の入り込みを防止する作用がある。また、緩衝材としてゴム板を用いその表面にテフロン板を被着したものを用いることもできる。
【0019】
溝型鋼21は、Y方向に複数個の渡り板10が連続的に固定され、これに作用する荷重を支持する梁として、格好の成形素材である。また、固定床30または支持フレーム20に載置面を向けて横置きとすることは、間隙60側から溝型鋼21の内側へのアクセスを可能とし、支持フレーム20の組立や、定期点検時の調整作業にも好都合である。
しかし、溝型鋼21の断面形状が正確な矩形であることは、必ずしも保証されない。その真直度も同様である。また、これが支持されるコンクリート床50等の基部の水平度、平坦度にも同様に誤差がある。更に、固定床30または支持フレーム20の端部も水平な直線を呈するとは限らず、歩行者の歩行時の荷重によって局部的な変位を生じやすい場合も少なくない。
【0020】
しかるに、固定床30または支持フレーム20に固定構造の渡り板10を接続する場合には、接続部に可能な限り段差が生じないようにして、歩行者がその段差部でつまづかない配慮が必要である。また、その部分に継ぎ足しを感じさせないスマートな仕上がりを期待したい。
それには、支持脚23ごとに、溝型鋼21のX、Y、Z方向の位置と、X・Z平面内の回転姿勢とについて、微細な調節手段24を備える必要がある。的確な調節手段24さえ構成すれば、上記の誤差の修正は理論的に可能で、容易、かつ確実に、段差と隙間のない接続を実現できる。
【0021】
図1、図3のベースプレート25aを備えた支持脚23は、最も単純な構成である。コンクリート床50等の基部が水平で、溝型鋼21の変形も少ないときには極めて有用である。アンカボルト51とボルト穴51Hとの組み合わせ、並びに固定ボルト22とボルト穴22Hとの組み合わせ、の夫々の裕度内で、X、Y方向に、また固定ボルト22上でナット22NによってZ方向に、溝型鋼21の位置を調節することができる。
X・Z平面内での溝型鋼21の姿勢の調整が必要なときは、テーパ座金22Sが用いられる。しかし調整の作業性や調整範囲にはやや不足する場合も考えられる。
【0022】
図4に示す例は支持フレーム20は、支持脚23が溝型鋼21の位置と姿勢とを、広い範囲で確実に調整する調節手段24を備えている。
支持脚23がボルト穴51Hにアンカボルト51を挿通し、三脚ボルト28によってコンクリート床50等の基部に自立しているとき、支持脚23の位置と姿勢とが、アンカボルト51とボルト穴51Hとのギャップの裕度内でX、Y方向に、また三脚ボルト28により、Z方向とX・Z平面内の姿勢と、が大略調節され、固定される。次いで、溝型鋼21がボルト穴22Hに固定ボルト22を挿通して支持脚23に仮止め・載置されているとき、溝型鋼21の位置と姿勢とが、固定ボルト22とボルト穴22Hとの裕度内でX、Y方向に、また、姿勢ボルト27により、Z方向とX・Z平面内の回転姿勢とが、微調整される調節手段24を備えている。調整には、渡り板10の代わりに調整板10aが用いられることもある。
【0023】
この支持フレーム20は、コンクリート床50が水平度、平坦度を欠く場合には特に有効である。また、溝型鋼21の成形誤差が著しい場合でも、渡り板10の取り付け面がある程度、平坦度を保ち、該部のコーナが直線性を有し、かつ該部の角度θが鈍角でなければ、図2に示したようにして、溝型鋼21の位置と姿勢とを、ほぼ目的通りに調整することができる。
なお、図4に示す支持脚23は、その中央に1本のアンカボルトで固定されている。一般に、アンカボルトの打設には多大な時間と労力を要する。従って、その数を減らすには好都合の支持脚23である。しかし、溝型鋼21を支持脚23に載置しているときには、ナット51Nを締結できない不便さがある。
コンクリート床50の厚さ、或いはその他の条件から、支持脚23ごとに2本のアンカボルト51を用いるときは、三脚ボルト28と同様に、いつでもナット51Nを締結できる構造とすることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載の発明によれば、渡り板10が反転したり外れて間隙60が開口する恐れがなく、より安全で信頼性の高い渡り床構造を提供できる。しかも、渡り板10が片持ち固定されているため、免震床、免震装置に渡り板の荷重が加わらず、それらに悪影響を与えることがない。
さらに、渡り板10がその免震床40側の端の背面に付設された緩衝材12を介して免震床40に支持されたので、渡り板10の一端が支持フレーム20に固定されたことと合わせ、免震床の表層を損傷せず、より安全で信頼性の高い渡り床構造を提供できる。即ち、日常的な渡り板10上の歩行時に発生する可能性のある騒音も防止できると共に、渡り床の下面側に塵埃が入り込むのを防止できる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、調節手段24の存在により、固定床30または支持フレーム20と渡り板10との接続部に段差やギャップがなく、また、時日の経過によってこれが拡大することがなく、且つ、この施工を能率的に実施できる渡り床構造を提供できる。即ち、渡り板10の姿勢を容易に水平に保ちつつ所望の位置に設置することが可能である。そして、ギャップや段差をなくして、つまづきを防止し、安全で美麗な仕上がりを手際よく達成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、支持脚23がベースプレート25aと該ベースプレート25aに固定されたネジ付き支柱29と、によって構成されたので、極めて簡便な構造の支持フレーム20により、固定床30または支持フレーム20と渡り板10との接続部の付設状況を改善した渡り床構造を実施できる。
特に支持脚23が設置されるコンクリート床50等の基部の水平度、平坦度が優れている場合には、安価で実用的な調節手段23を備えた渡り床構造を提供できる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、支持フレーム20が、溝型鋼21の互いに直交するX、Y、Z方向の位置とX・Z平面内での姿勢について、下フランジ25Bにおいては大略の、上フランジ25Uにおいては微細な、調節機能を夫々に備えたので、固定床30または支持フレーム20と渡り板10との接続部の付設状況が美麗で組立作業性に優れた渡り床1を実施できる。
即ち、コンクリート床50の水平度及び平坦度の乱れのみならず、溝型鋼21の部分的な成形誤差や、固定床30または支持フレーム20の不正確さ、或いは床荷重による変位を含めて、大略の調節と微細な調節との2段の調節機能を備え、最大限の調節機能を有する調節手段23を構成している。そして、安全で美麗な仕上がりを手際よく達成することが可能で、調節結果が長期にわたり維持される渡り床構造を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、滑り材の存在により、仮に緩衝材と免震床とが接触しても、免震装置の作動時の両者間の干渉を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の渡り床1の一実施例を示す側断面図。
【図2】同渡り床を有する免震床の全体的説明図。
【図3】本発明の渡り床1の他の実施例を示す側断面図。
【図4】本発明の渡り床1の、特に支持フレーム20に関するさらに別の実施例を示す側断面図およびその上下フランジ部の平面図。
【図5】渡り床1の渡り方向の範囲を示す説明図。
【符号の説明】
1 渡り床
10 渡り板
10a 調整板
11 ビス
11H ビス穴
11T ビス用ネジ穴
12 緩衝材
20 支持フレーム
21 溝型鋼
22 固定ボルト
22N 固定ナット(調整ナット)
22H 固定ボルト用穴
22S テーパ座金
22tS テーパ座金
22T 固定タップ
23 支持脚
24 調節手段
25 ベースプレート
25a ベースプレート
25e 調整材
25U 上フランジ
25B 下フランジ
26 支柱
26a ネジ付き支柱
27 姿勢ボルト
27T 姿勢タップ
27P 尖り
28 三脚ボルト
28T 三脚タップ
28P 尖り
30 固定床
40 免震床
42 水平二次元免震装置
50 コンクリート床
51 アンカボルト
51N ナット
51H ボルト穴
51S 座金
60 間隙
Claims (5)
- 建屋のコンクリート床等の基部に設置されて水平方向のみに許容最大振幅aを有する水平二次元免震装置に支持された免震床と、
同一基部に敷設され、免震床の周囲に少なくとも許容最大振幅の水平可動空間を設けてこれを矩形に囲む固定床または支持フレームと、
前記免震床と、固定床または支持フレームとの間を塞いで横断歩行者用の床面を構成する渡り床と、を具備するものにおいて、
固定床または支持フレームに渡り板の一端部が片持ち固定され、その他端部が前記免震床上に小隙を有して対向され、
渡り板の前記他端部の下面に、免震床に近接して、緩衝材が設けられ、渡り板上の歩行者の歩行時の荷重の一部がその緩衝材を介して免震床に伝えられるとともに、非歩行時で且つ免震装置の作動時には、渡り板の荷重が免震床に伝わらないように構成したことを特徴とする水平二次元免震床への渡り床構造。 - 請求項1において、
支持フレームが、
免震床の縁に沿って互いに離間して基部に立設固定され、その上端部に外ネジが形成された複数本の支持脚と、
下面に穿設されたボルト孔に夫々の支持脚の上端部が貫通して支持され、上面に前記渡り床の一端部が固定される溝型鋼と、
を具備し、前記支持脚の上端部に螺着された一対のナットに、前記溝型鋼のボルト孔の孔縁部が挟持され、上下位置が自在に調整固定される水平二次元免震床への渡り床構造。 - 請求項2において、
支持脚が、ベースプレートと、ベースプレートに固定された外ネジ付きの固定ボルトと、によって構成され、固定ボルトを挿通する溝型鋼の位置と姿勢とが、テーパ座金を介して固定ボルトに螺合するナットによって調整される調節手段を備えたことを特徴とする水平二次元免震床への渡り床構造。 - 請求項1において、
支持脚の上下両端に互いに平行な上フランジと下フランジとを備え、
その上フランジに、溝型鋼締結用の固定ボルトを螺合させるネジ孔が設けられ、かつ上フランジの平面方向に離間した2本の姿勢ボルトを下方から螺合貫通させ、
下フランジの円周方向に離間して配置された3本の三脚ボルトを上方から螺合貫通させ、
かつ下フランジの中心部にアンカボルトを挿通させるボルト穴を備えることにより、溝型鋼の位置と姿勢の調節手段とすることを特徴とする水平二次元免震床への渡り床構造。 - 請求項1において、
免震床に対向して、緩衝材の表面に滑り材が存在する水平二次元免震床への渡り床構造。
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