JPH1189568A - ピリミカーブのハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents

ピリミカーブのハプテン化合物、抗体及び測定方法

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JPH1189568A
JPH1189568A JP9254551A JP25455197A JPH1189568A JP H1189568 A JPH1189568 A JP H1189568A JP 9254551 A JP9254551 A JP 9254551A JP 25455197 A JP25455197 A JP 25455197A JP H1189568 A JPH1189568 A JP H1189568A
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JP
Japan
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antibody
pirimicarb
compound
derivative
group
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JP9254551A
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English (en)
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Michiyasu Kawada
充康 川田
Kosuke Morimune
孝介 森宗
Shiyunichi Takewaki
俊一 竹脇
Shiro Miyake
司郎 三宅
Masaki Yamaguchi
優樹 山口
Yoshinori Beppu
佳紀 別府
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KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK
Original Assignee
KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK
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Publication date
Application filed by KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH, Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK filed Critical KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ピリミカーブのハプテン化合物、
抗体および測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のハプテン化合物は、ピリミカー
ブまたはその部分にスペーサーアームおよび結合のため
の官能基を共有結合させた構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−ジメチルアミ
ノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イルジメチルカ
ルバマート(以下、本明細書中「ピリミカーブ」と言
う)のハプテン化合物、抗原、抗体及びそのフラグメン
トに関する。
【0002】本発明は、さらに前記抗原、抗体及びその
フラグメントを用いた免疫学的測定方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ピリミカーブは、以下の式(4):
【化3】 で表される構造を有する、カ−バメート系殺虫剤であ
る。カーバメート系殺虫剤は、化合物の構成元素として
ClやPを含まず、C、H、O、Nからなる、殺虫作用
を有する一群の化合物である。主なカ−バメート系殺虫
剤は、構造的に大きく三つに分類される。第一に、ナフ
チルまたは置換フェニル−N−メチル型、第二に複素環
N,N−二置換基型、そして第三にオキシム(−C=N
−O−)結合を分子内に持つオキシム型である。
【0004】ピリミカーブはこれらのうちN,N−二置
換基型のカ−バメート系殺虫剤であり、アブラムシ防除
剤として使用されている。アブラムシに速効的に効き、
接触効果とくん蒸効果を有し、散布面より裏面へも浸透
する。有機リン殺虫剤に抵抗性のアブラムシにも有効で
ある。天敵、有益昆虫にもほとんど影響はないと考えら
れる。
【0005】近年、土壌、水、大気等の環境中での残留
農薬や、最近特に増加してきた輸入農産物のポストハー
ベスト農薬等の残留に大きな社会的関心が寄せられてい
る。ピリミカーブについては、食品衛生法に基づき残留
基準値が、穀類(0.05ppm)、豆類(0.02p
pm)、いも類(0.05−0.1ppm)、果実
(0.05−1.0ppm)、野菜(0.05−2.0
ppm)、種子、ナッツ、種実(0.05−1.0pp
m)、ホップ(0.5ppm)等、定められている
(「最新農薬の残留分析法」、前述)。環境や食品に関
する安全確保のためには、これらに含有される、ピリミ
カーブの量を迅速、かつ正確に測定することが必要であ
る。
【0006】従来、ピリミカーブは、穀類、豆類、果
実、野菜、いも類等の試料から抽出し、精製した後ガス
クロマトグラフィー、高速液体カラムクロマトグラフィ
ー(HPLC)等により分析されてきた。例えば、試料
をアセトンで抽出して、ジクロロメタンに転溶、ヘキサ
ン/アセトニトリルの液々分配及びC18ミニカラムで精
製後、HPLCで測定する方法が採用されている。これ
らの方法は、試料の調製が煩雑で多大の手間と時間を必
要とし、分析に熟練を有すること、並びに、測定装置や
設備等に高額の費用を必要とする等の問題点がある。ピ
リミカーブの測定は、特に輸入農産物等の残留農薬の分
析においては、短時間で膨大な数の試料の分析結果を出
す必要があり、精度面だけでなく、簡便性、迅速性及び
経済性をも具備した新規測定方法が要求されてきてい
る。
【0007】免疫学的測定方法は、抗体が抗原を特異的
に認識する、抗原抗体反応に基づいて抗原の検出を行う
方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、経済性
から近年注目を集めてきている。免疫学的測定方法にお
いては検出方法として非常に多種の標識、例えば、酵
素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物質、金
属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファージが適
用されてきた。
【0008】免疫学的測定方法の中でも、酵素を使用す
る酵素免疫測定法(EIA)は特に優れたものとして広
く使用されるに至っている。酵素免疫測定法についての
優れた論評が、Tijssen P,“Practice and theory of e
nzyme immunoassays" in Laboratory techniques in bi
ochemistry and molecular biology, Elsevier Amsterd
am New York, Oxford ISBN 0-7204-4200-1 (1990) に記
載されている。
【0009】一般に、分子量が大きな分子については、
それ以上修飾することなく動物に接種することにより、
適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生さ
せることができる。しかし、ピリミカーブのような低分
子化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引き出す
ことができない。これらの分子は免疫原性を有する高分
子化合物に結合させることによって初めて一団のエピト
ープとして行動し、T細胞受容体の存在下で免疫応答を
起こし、その結果、一群のBリンパ球により抗体が産生
される。このように高分子化合物と結合させて初めて免
疫原性を生じる分子を総称して「ハプテン」という。
【0010】しかし、低分子化合物を高分子化合物と結
合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子
を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない
場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そ
のものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペー
サーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして
使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能
基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導
入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体
は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫し
なければならない。
【0011】このように、ピリミカーブについては、そ
の必要性が非常に高かったにもかかわらず、抗体のみな
らず、抗体を得るために必要なハプテンも本発明前には
得られていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピリミカー
ブに反応性を有する新規な抗体を作製するための抗原を
構成するハプテン化合物となる、当該化合物の誘導体を
提供することを目的とする。
【0013】本発明は、また、前記ピリミカーブ誘導体
と高分子化合物又は標識物質との結合体を提供すること
を目的とする。当該結合体はピリミカーブに反応性を有
する抗体を作製するための抗原となる。
【0014】本発明は、さらに、ピリミカーブに反応性
を有する新規な抗体もしくはそのフラグメント、及びそ
の作製方法を提供することを目的とする。尚、本明細書
において抗体の「フラグメント」とは、抗原と結合可能
な抗体の一部分、例えばFab断片等を意味する。
【0015】本発明はその一態様において、ピリミカー
ブに反応性を有するモノクローナル抗体を提供する。
【0016】本発明は、さらにまた、前記抗体またはそ
のフラグメントを産生するハイブリドーマを提供するこ
とを目的とする。
【0017】本発明は、さらに、前記抗体またはそのフ
ラグメントを使用することを含む、ピリミカーブの免疫
学的測定方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ピリミカーブにスペーサーアーム及び高
分子との結合に利用できる官能基を導入した、ピリミカ
ーブの誘導体をハプテンとして使用することにより、前
記化合物に反応性を有する抗体を得ることに成功し、本
発明の完成に至った。
【0019】本発明の対象となるピリミカーブは、以下
の式(4):
【化4】 で表される化合物である。
【0020】抗体作製のためのハプテンとして使用され
る誘導体は、以下の式(1)−(3):
【化5】 [式(1)−(3)中、Xは、Hまたはメチル基であ
り;そしてnは、1−10の整数、好ましくは、3−5
の整数である]からなる群から選択される構造を有する
化合物である。
【0021】本発明のピリミカーブ(またはその部分)
にスペーサーアーム及び結合に利用できる官能基を結合
させた誘導体(1)−(3)をハプテンとして適当な高
分子化合物と結合させたものを抗原として用いることに
よって、ピリミカーブに反応性を有する抗体を得ること
ができる。
【0022】本発明は、前記ハプテン化合物、ハプテン
化合物と高分子化合物との結合体、ピリミカーブに反応
する抗体及びその作製方法、ならびに該ハプテン化合物
又は該抗体を用いるピリミカーブの免疫学的測定方法に
関する。
【0023】ピリミカーブの誘導体の作製 式(1)ないし(3)のいずれかで表されるピリミカー
ブ誘導体は、公知の方法に従って作製することができ
る。例えば、以下に記載するような方法がある。
【0024】式(1)ないし(3)のいずれかで表され
るピリミカーブ誘導体は、各式の化合物のカルボキシル
末端にカルボキシル保護基が共有結合したエステル化合
物から、公知の方法によりカルボキシル保護基を除去す
ることにより作製することができる。
【0025】カルボキシル保護基は公知のものでよく,
その具体例として,たとえばメチル基、エチル基、ベン
ジル基、4-メトキシベンジル基、3,4-ジメトキシベ
ンジル基、tert-ブチル基、フェニル基、tert-
ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニル
シリル基、トリイソプロピルシリル基、2-トリメチル
シリルエトキシ基等を挙げることができる。
【0026】カルボキシル基の保護基は酸あるいはアル
カリ存在下で脱保護することができる。メチル基、エチ
ル基等の低級アルキル基、及びベンジル基、フェニル基
などは水とメタノール、エタノール、THF等の有機溶
媒との混合溶液中で、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ存在下、0℃から60
℃、好ましくは0℃から10℃、5分から20時間、好
ましくは5分から1時間撹拌することによって除去でき
る。メチル基、ベンジル基、4-メトキシベンジル基、
3,4-メトキシベンジル基、tert-ブチル基、te
rt-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェ
ニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、2-トリメ
チルシリルエトキシ基などはジクロロメタン、1,2-
ジクロロエタン、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、ア
セトニトリル、THF、ジエチルエーテル等の適当な有
機溶媒中で、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、あるいは酢
酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸
等の有機酸存在下、マイナス10℃から60℃、好まし
くは0℃から25℃、1時間から20時間、好ましくは
2時間から5時間撹拌することにより除去できる。また
ベンジル基、4-メトキシベンジル基、3,4-メトキシ
ベンジル基は加水素分解、tert-ブチルジメチルシ
リル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリイ
ソプロピルシリル基、2-トリメチルシリルエトキシ基
等のシリル基はフッ化ピリジニウム、テトラブチルアン
モニウムフルオリド(TBAF)等によって除去するこ
とができる。
【0027】I.式(1)に記載された化合物の製造方
法の例 式(1)に記載された化合物は、例えば、以下の式(X
1):
【化6】 [式(X1)中、Rは、カルボキシル保護基であり;そ
してnは、式(1)−(3)で先に定義した通りであ
る]で表されるエステル化合物からRで表されるカルボ
キシル基の保護基を除去することにより製造できる。
【0028】一般式(X1)で表わされるエステル化合
物は、例えば、式(X2):
【化7】 で表される2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチル−4
−ピリミジノンに、以下の式(X3):
【化8】 [式(X3)中、Lは脱離基であり、そして、Rおよび
nは先に定義した通りである]で表される、保護基で保
護されたカルボキシル基を有する化合物を反応させるこ
とにより得られる。脱離基Lは、例えば、Br、Cl等
のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基等である。なお、2−ジメチルアミノ−5,6−ジ
メチル−4−ピリミジノンは市販のピリミカーブをアル
カリで加水分解することにより容易に得ることができ
る。
【0029】反応は、例えば、アセトニトリル、ジクロ
ロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸エチル、ベン
ゼン、トルエン、THF、ジエチルエーテル等の適当な
有機溶媒中で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機
塩基、あるいはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン等の有機塩基存在下、マイナス10℃から13
0℃、好ましくは20℃から80℃、1時間から48時
間、好ましくは2時間から20時間撹拌することにより
得ることができる。
【0030】II.式(2)に記載された化合物の製造方
法の例 式(2)に記載された化合物は、例えば、以下の式(X
4):
【化9】 [式(X4)中、R、Xおよびnは先に定義した通りで
ある]で表されるエステル化合物からRで表されるカル
ボキシル基の保護基を除去することにより製造できる。
【0031】式(X4)の化合物は、例えば、式(1)
においてn=1である化合物を出発物質として合成する
ことができる。具体的には、式(1)においてn=1で
ある化合物に、以下の式(X5):
【化10】 [式(X5)において、R,Xおよびnは先に定義した
通りである。]で表される、保護基で保護されたカルボ
キシル基を有するエステルと反応させることにより、式
(X4)の化合物を得ることができる。
【0032】反応は、例えば、アセトニトリル、ジクロ
ロメタン、1,2-ジクロロエタン、酢酸エチル、ベン
ゼン、トルエン、THF、ジエチルエーテル等の適当な
有機溶媒中で、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド
(DIPC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-
エチルカルボジイミド(EDC)等のカルボジイミド系
縮合剤を用いて、N−ヒドロキシこはく酸イミド、1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロ−3
−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジ
ン等のアシル尿素を生成する副反応抑制剤の存在下で行
う。反応は、0℃から80℃、好ましくは20℃から4
0℃、1時間から50時間、好ましくは5時間から25
時間撹拌することにより得ることができる。
【0033】式(X5)で表されるエステルは、例え
ば、Xが水素原子の場合、以下の式(X6):
【化11】 [式(X6)中、nは先に定義した通りである]で表さ
れる遊離アミノ酸のカルボキシル基に、保護基Rを導入
することにより得ることができ、その合成法としては既
知の方法が多く知られている。例えば、アミノ酸と対応
するアルコールの溶液あるいは懸濁液に塩化水素、p-
トルエンスルホン酸等の酸触媒を加え脱水縮合する方法
があげられる。また,アミノ酸のアミノ基を適当な保護
基で保護したのちジクロロメタン、1,2-ジクロロエ
タン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテ
ル、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N-ジメチル
ホルムアミド(DMF)等の適当な溶媒存在下で、N,
N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,
N-ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1-
(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイ
ミド(EDC)等のカルボジイミド系縮合剤、あるいは
トリフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチル等
のアゾジカルボン酸エステルを用いアルコールと脱水縮
合する方法、あるいはトリフェニルホスフィンと2,
2’−ジピリジルジスルフィドを用い脱水縮合する方
法、あるいはBOP試薬、DPPA試薬等の他の縮合剤
を用いてエステルを合成する方法等(実験化学講座2
2、43頁−51頁、日本化学会編、丸善株式会社)に
より得られたアミノ酸誘導体の保護基を除去することに
よりアミノ酸エステルを得る方法もあげられる。あるい
は、塩基存在下アルキルハライドを反応させる方法等に
より得られたアミノ酸誘導体の保護基を除去する方法も
あげられる。アミノ酸のtert-ブチルエステルにつ
いてはジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ベン
ゼン、トルエン、THF等の適当な溶媒中、リン酸、硫
酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等の存在下、
アミノ基を保護したアミノ酸とイソブテンを撹拌して得
られたアミノ酸誘導体の保護基を除去することにより得
る方法もあげられる。
【0034】アミノ基の保護基としては、例えば、ベン
ジルオキシカルボニル基(Z基)、tert-ブトキシ
カルボニル基(Boc基)、9-フルオレニルメトキシ
カルボニル基(Fmoc基)等があげられる。保護基を
除去する方法としては加水素分解による方法、塩酸、硫
酸等の鉱酸、あるいはトリフルオロ酢酸等の有機酸を用
いる方法、ピリジンやピペリジン等の塩基を用いる方法
等があげられる。
【0035】III.式(3)に記載された化合物の製造
方法の例 式(3)に記載された化合物は、例えば、以下の式(X
7):
【化12】 [式(X7)中、Rはおよびnは先に定義した通りであ
る]で表されるエステル化合物からRで表されるカルボ
キシル基の保護基を除去することにより製造できる。
【0036】式(X7)の化合物は、式(X2)で表さ
れる2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチル−4−ピリ
ミジノンに、以下の式(X8):
【化13】 [式(X8)中、Yは、Br、Cl等のハロゲン原子で
あり;そしてRおよびnは先に定義した通りである]で
表されるジカルボン酸誘導体を反応させることにより得
られる。
【0037】反応は、例えばアセトニトリル、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、ベンゼ
ン、トルエン、THF、ジエチルエーテル等の適当な有
機溶媒中で、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロ
ピルエチルアミン等の有機塩基存在下、マイナス20℃
から80℃、好ましくは0℃から25℃、0.5時間か
ら20時間、好ましくは1時間から5時間撹拌すること
により得ることができる。
【0038】式(X8)のジカルボン酸モノエステルモ
ノ酸クロリドは、アセトニトリル、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、ベンゼン、トル
エン、THF、ジエチルエーテル等の適当な有機溶媒中
で、以下の式(X9):
【化14】 [式(X9)中、Y及びnは先に定義した通りである]
で表されるジカルボン酸誘導体とR−OHで表されるア
ルコールをトリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピ
ルエチルアミン等の有機塩基存在下、マイナス20℃か
ら80℃、好ましくは0℃から25℃、0.5時間から
20時間、好ましくは1時間から5時間撹拌することに
より得ることができる。
【0039】以上の製造法によって得られた化合物を、
必要に応じシリカゲルクロマトグラフィーまたは再結晶
操作等を行うことにより、さらに高純度の精製品とする
ことができる。
【0040】以下、本発明の抗原、抗体の作製、及び免
疫学的測定方法について説明する。尚、これらの調製は
公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究
法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うこと
ができる。
【0041】ピリミカーブ誘導体と高分子化合物との結
合体の作製 上述のように合成されたピリミカーブ誘導体を適当な高
分子化合物に結合させてから免疫用抗原として使用す
る。
【0042】好ましい高分子化合物の例としては、スカ
シガイヘモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白
アルブミン(以下、「OVA]と言う)、ウシ血清アル
ブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブ
ミン(以下、「RSA」と言う)などがあるが、KLH
及びBSAが好ましい。
【0043】ピリミカーブ誘導体と高分子化合物との結
合は、例えば、活性化エステル法(A.E. KARU et al.:
J. Agric. Food Chem. 42 301-309 (1994))、又は混合
酸無水物法(B.F.Erlanger et al.:J.Biol.Chem. 234 1
090-1094 (1954))等の公知の方法によって行うことが
できる。
【0044】活性化エステル法は、一般に以下のように
行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機溶媒に
溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロキシこ
はく酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシこはく酸イミ
ドエステルを生成させる。
【0045】カップリング剤としては、縮合反応に慣用
されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダ
ゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒
としては、例えば、ジメチルスルホキシド(以下、「D
MSO」という)、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジオキサン等が使用できる。反応に使用するハ
プテン化合物とN−ヒドロキシこはく酸イミドのモル比
は好ましくは1:10−10:1、より好ましくは、
1:1−1:10、最も好ましくは1:1である。反応
温度は、0−100℃、好ましくは5−50℃、より好
ましくは22−27℃で、反応時間は5分−24時間、
好ましくは30分−6時間、より好ましくは1−2時間
である。反応温度は各々の融点以上沸点以下の温度で行
うことができる。
【0046】カップリング反応後、反応液を高分子化合
物を溶解した溶液に加え反応させると、例えば高分子化
合物が遊離のアミノ基を有する場合、当該アミノ基とハ
プテン化合物のカルボキシル基の間に酸アミド結合が生
成される。反応温度は、0−60℃、好ましくは5−4
0℃、より好ましくは22−27℃で、反応時間は5分
−24時間、好ましくは1−16時間、より好ましくは
1−2時間である。反応物を、透析、脱塩カラム等によ
って精製して、ピリミカーブ誘導体と高分子化合物との
結合体を得ることができる。
【0047】一方、混合酸無水物法において用いられる
混合酸無水物は、通常のショッテン−バウマン反応によ
り得られ、これを高分子化合物と反応させることにより
目的とするハプテン−高分子化合物結合体が製造され
る。ショッテン−バウマン反応は塩基性化合物の存在下
に行われる。塩基性化合物としてはショッテン−バウマ
ン反応において慣用されている化合物を使用することが
できる。例えば、トリブチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリメチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアニリン、DBN、DBU、DA
BCO等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等
が挙げられる。該反応は、通常マイナス20℃−100
℃、好ましくは0℃−50℃において行われ、反応時間
は5分−10時間、好ましくは5分−2時間である。得
られた混合酸無水物と高分子化合物との反応は、通常マ
イナス20℃−150℃、好ましくは0℃−100℃に
おいて行われ、反応時間は5分−10時間、好ましくは
5分−5時間である。混合酸無水物法は一般に溶媒中で
行われる。溶媒としては、混合酸無水物法に慣用されて
いるいずれの溶媒も使用可能であり、具体的にはジオキ
サン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメト
キシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸
メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ
る。混合酸無水物法において使用されるハロ蟻酸エステ
ルとしては、例えばクロロ蟻酸イソブチル、クロロ蟻酸
メチル、ブロモ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、ブロモ
蟻酸エチル等が挙げられる。当該方法におけるハプテン
とハロ蟻酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い
範囲から適宜選択され得る。
【0048】また、上記と同様の方法により、酵素等の
標識物質をピリミカーブ誘導体に結合させたものを、免
疫学測定方法において使用することができる。標識物質
としては、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下、「HR
P」と言う)、アルカリフォスファターゼ等の酵素、フ
ルオレセインイソチオシアネート、ローダミン等の発色
物質、32P、125I等の放射性物質、化学発光物質など
がある。
【0049】ポリクローナル抗体の作製 ピリミカーブ誘導体と高分子化合物との結合体を使用し
て、慣用化された方法により本発明のポリクローナル抗
体を作製することができる。例えば、ピリミカーブ誘導
体−KLH結合体をリン酸緩衝液(以下、「PBS」と
言う)に溶解し、フロイント完全アジュバント又は不完
全アジュバント、あるいはミョウバン等の補助剤と混合
したものを、免疫用抗原として動物に免疫することによ
って行う。免疫される動物としては当該分野で常用され
るものをいずれも使用できるが、例えば、マウス、ラッ
ト、ウサギ、ヤギ、ウマ等を挙げることができる。
【0050】免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注
射、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射又は腹腔内注射が好ましい。投与は1回
又は適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間の間
隔で複数回行うことができる。
【0051】免疫した動物から血液を採取し、そこから
分離した血清を用い、ピリミカーブと反応するポリクロ
ーナル抗体の存在を評価することができる。
【0052】本発明において、後述するピリミカーブ誘
導体−1,2または3と高分子化合物との結合体を免疫
用抗原として得られた抗血清は、間接競合ELISA法
において約0.1−100ng/mlの濃度でピリミカ
ーブと反応した。同様に、ピリミカーブ誘導体−4また
は5と高分子化合物との結合体を免疫用抗原として得ら
れた抗血清は約1−100ng/mlの濃度でピリミカ
ーブと反応した(実施例10、図1)。
【0053】モノクローナル抗体の作製 ピリミカーブ誘導体と高分子化合物との結合体を使用し
て、公知の方法により本発明のモノクローナル抗体を作
製することができる。
【0054】モノクローナル抗体の作製にあたっては、
少なくとも下記のような作業工程が必要である。
【0055】(a)免疫用抗原として使用するピリミカ
ーブ誘導体と高分子化合物との結合体の作製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養又は動物へのハイブリドー
マの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等
【0056】モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを作製するための常法は、例えば、ハイブリドーマ
テクニックス(Hybridoma Techniques),コールド
スプリング ハーバーラボラトリー(Cold Spring Harb
or Laboratory),1980年版)、細胞組織化学(山
下修二ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、1986
年)に記載されている。
【0057】以下、上述の本発明のピリミカーブに対す
るモノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これに
制限されないことは当業者によって明らかであろう。
【0058】(a)−(b)の工程は、ポリクローナル
抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行
うことができる。
【0059】(c)の工程における抗体産生細胞はリン
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液又はこれらの組み合わせから得ることができるが
脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0060】(d)の工程に用いることができるミエロ
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Natur
e,25 6, 495-497 (1975))、P3/X63−Ag8.U
1(P3U1)(Current Topics.in Microbiology and
Immunology, 81 1-7 (1987))、P3/NSI−1−A
g4−1(NS−1)(Eur.J.Immunol., 6, 511-519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)(Natu
re 276, 269-270 (1978))、FO(J. Immuno.Meth., 3
5, 1-21 (1980))、MPC−11、X63.653、S
194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由来の21
0.RCY3.Ag1.2.3.(Y3)(Nature 277, 1
31-133, (1979))等を使用できる。
【0061】上述した株化細胞をウシ胎児血清を含むダ
ルベッコ改変イーグル培地(DMEM)又はイスコフ改
変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融合当日
に約3×103以上の細胞数を確保する。
【0062】(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例
えばミルシュタイン(Milstein)らの方法(Methods in
Enzymology, 73, 3 (1981))等に準じて行うことがで
きる。現在最も一般的に行われているのはポリエチレン
グリコール(PEG)を用いる方法である。PEG法に
ついては、例えば、細胞組織化学、山下修二ら(上述)
に記載されている。別の融合方法としては、電気処理
(電気融合)による方法を採用することもできる(大河
内悦子ら、実験医学 5.1315−19、198
7)。その他の方法を適宜採用することもできる。ま
た、細胞の使用比率も公知の方法と同様でよく、例えば
ミエローマ細胞に対して脾細胞を3−10倍程度用いれ
ばよい。
【0063】脾細胞とミエローマ細胞とが融合し、抗体
産生能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択
は、例えば、ミエローマ細胞株としてヒポキサンチング
アニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損株を使用
した場合、例えば上述のDMEMやIMDMにヒポキサ
ンチン・アミノプテリン・チミジンを添加して調製した
HAT培地の使用により行うことができる。
【0064】(f)の工程では、選択されたハイブリド
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、ピリミカーブに対する抗体活性を測
定する。
【0065】さらに、測定によりピリミカーブに反応す
る抗体を産生することが判明したハイブリドーマの細胞
クローニングを行う。この細胞クローニング法として
は、限界希釈により1ウェルに1個のハイブリドーマが
含まれるように希釈する方法「限界希釈法」;軟寒天培
地上に撒きコロニーをとる方法;マイクロマニピュレー
ターによって1個の細胞を取り出す方法;セルソーター
によって1個の細胞を分離する「ソータークローン法」
等が挙げられる。限界希釈法が簡単であり、よく用いら
れる。
【0066】抗体価の認められたウェルについて、例え
ば限界希釈法により細胞クローニングを1−4回繰り返
して安定して抗体価の得られたものを、抗ピリミカーブ
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択す
る。ハイブリドーマを培養する培地としては、例えば、
10%ウシ胎児血清を含むDMEM又はIMDM等が用
いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化炭素
濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度中の恒温器
中)で培養するのが好ましい。
【0067】(g)の工程で抗体を調製するための大量
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。又は、同系統のマウス(例えば、上述のBal
b/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブリ
ドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも可
能である。
【0068】これらにより得られた培養上清液あるいは
腹水液を抗ピリミカーブモノクローナル抗体として使用
することができるが、さらに透析、硫酸アンモニウムに
よる塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を集
め精製することにより抗ピリミカーブモノクローナル抗
体を得ることができる。さらに高度な精製が必要な場合
には、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニ
ティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)などの慣用されている方法を組合わせる
ことにより実施できる。
【0069】以上のようにして得られた抗ピリミカーブ
モノクローナル抗体は、例えば後述するELISA法な
どの公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を決
定することができる。
【0070】抗体によるピリミカーブの測定 本発明で使用する抗体によるピリミカーブの測定方法と
しては、放射性同位元素免疫測定方法(RIA法)、E
LISA法(Engvall,E., Methods in Enzymol., 70,
419-439 (1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット
法、凝集法、オクタロニー(Ouchterlony)
法等の一般に抗原の検出に使用されている種々の方法
(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会
社R&Dプラニング発行、第30頁−第53頁、昭和5
7年3月5日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点か
らELISA法が汎用されている。
【0071】ピリミカーブの測定は各種ELISA法の
うち、例えば間接競合阻害ELISA法により、以下の
ような手順により行うことができる。(a)まず、抗原
であるピリミカーブ誘導体と高分子化合物との結合体を
担体に固相化する。(b)抗原が吸着していない固相表
面を抗原と無関係な、例えばタンパク質によりブロッキ
ングする。(c)これに各種濃度のピリミカーブを含む
試料及び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原及びピリ
ミカーブに競合的に反応させて、固相化抗原−抗体複合
体及びピリミカーブ−抗体複合体を生成させる。(d)
固相化抗原−抗体複合体の量を測定することにより、予
め作成した検量線から試料中のピリミカーブの量を決定
することができる。
【0072】(a)工程において、抗原を固相化する担
体としては、特別な制限はなく、ELISA法において
常用されるものをいずれも使用することができる。例え
ば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタイタープ
レートが挙げられる。
【0073】抗原を担体に固相化させるには、例えば、
抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、インキュベーション
すればよい。緩衝液としては公知のものが使用でき、例
えば、ダルベッコのリン酸緩衝液を挙げることができ
る。緩衝液中の抗原の濃度は広い範囲から選択できる
が、通常0.01−100μg/ml程度、好ましくは
0.05−5μg/mlが適している。また、担体とし
て96ウェルのマイクロタイタープレートを使用する場
合には、300μl/ウェル以下で20−150μl/
ウェル程度が望ましい。更に、インキュベーションの条
件にも特に制限はないが、通常4℃程度で一晩インキュ
ベーションが適している。
【0074】なお、担体に固相化させる抗原としては、
抗体作製に使用したピリミカーブ誘導体と高分子化合物
との結合体のみならず、式(1)ないし(3)のいずれ
かで表される他の誘導体と高分子化合物との結合体を用
いることもできる。例えば、式(1)の化合物と高分子
化合物との結合体を抗原として抗体を作製した場合、式
(1)以外の化合物を固相化抗原として用いることもで
きる。また、式(1)−(3)の化合物で、nの数が相
違する抗原を各々抗体作製用と固相化用に用いることも
できる。さらに、式(1)−(3)に含まれない他のピ
リミカーブ類似化合物も、固相化抗原として使用するこ
とも可能である。
【0075】(b)工程のブロッキングは、抗原(ピリ
ミカーブ誘導体と高分子化合物との結合体)を固相化し
た担体において、ピリミカーブ誘導体部分以外に後で添
加する抗体が吸着され得る部分が存在する場合があり、
もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。ブロッキング剤と
して、例えば、BSAやスキムミルク溶液を使用でき
る。あるいは、ブロックエース(「Block Ac
e」、大日本製薬社製、コードNo.UK−25B)等
のブロッキング剤として市販されているものを使用する
こともできる。具体的には、限定されるわけではない
が、例えば抗原を固相化した部分に、ブロッキング剤を
含む緩衝液[例えば、1%BSAと60mMNaClを
添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)]を適
量加え、約4℃−室温で、1時間−5時間インキュベー
ションした後、緩衝液で洗浄することにより行われる。
洗浄液としては特に制限はないが、例えば、60mM
NaClを添加したホウ酸緩衝液を用いることができ
る。
【0076】次いで(c)工程において、ピリミカーブ
を含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を固相
化抗原及びピリミカーブと反応させることにより、固相
化抗原−抗体複合体及びピリミカーブ−抗体複合体が生
成する。
【0077】この際、抗体としては、第一抗体として本
願発明のピリミカーブに対する抗体を加え、更に第二抗
体として標識物質を結合した第一抗体に対する抗体を順
次加えて反応させる。
【0078】第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限
定されるわけではないが、反応は、室温で約1時間行え
ばよい。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、固相化抗
原に結合しなかった第一抗体を除去する。洗浄液として
は、例えば、60mM NaClを添加したホウ酸緩衝
液を用いることができる。
【0079】次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファター
ゼ等)を結合した抗マウス抗体−ヤギ抗体を用いるのが
適当である。担体に結合した第一抗体に約500−10
000倍、好ましくは最終吸光度が4以下、より好まし
くは0.5−3.0となるように希釈した第二抗体を反
応させるのが望ましい。希釈には緩衝液を用いる。限定
されるわけではないが、反応は室温で約1時間行い、反
応後、緩衝液で洗浄する。以上の反応により、第二抗体
が第一抗体に結合する。また、標識した第一抗体を用い
てもよく、その場合、第二抗体は不要である。
【0080】次いで(d)工程において担体に結合した
第二抗体の標識物質と反応する発色基質溶液を加え、吸
光度を測定することによって検量線からピリミカーブの
量を算出することができる。
【0081】第二抗体に結合する酵素としてペルオキシ
ダーゼを使用する場合には、例えば過酸化水素、並びに
3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンまたはo−フ
ェニレンジアミン(以下、「OPD」と言う)を含む発
色基質溶液を使用する。限定されるわけではないが、発
色基質溶液を加え室温で約10分間反応させた後、1N
の硫酸を加えることにより酵素反応を停止させる。3,
3',5,5'−テトラメチルベンジジンを使用する場合、
450nmの吸光度を測定する。OPDを使用する場
合、490nmの吸光度を測定する。一方、第二抗体に
結合する酵素としてアルカリホスファターゼを使用する
場合には、例えばp−ニトロフェニルリン酸を基質とし
て発色させ、2NのNaOHを加えて酵素反応を止め、
415nmでの吸光度を測定する方法が適している。
【0082】ピリミカーブを添加しない反応溶液の吸光
度に対して、ピリミカーブを添加して抗体と反応させた
溶液の吸光度の減少率を阻害率として計算する。既知の
濃度のピリミカーブを添加した反応液の阻害率により予
め作成しておいた検量線を用いて、試料中のピリミカー
ブの濃度を算出できる。
【0083】本発明のモノクローナル抗体PMC27−
29は、間接競合阻害ELISA法によってピリミカー
ブを約10−約1000ng/ml、好ましくは10−
500ng/mlの範囲で測定することができる(実施
例12、図2)。
【0084】あるいは、ピリミカーブの測定は、例えば
以下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を用い
た直接競合阻害ELISA法によって行うこともでき
る。
【0085】(a)まず、本発明のモノクローナル抗体
を担体に固相化する。 (b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関
係な、例えばタンパク質によりブロッキングする。 (c)各種濃度のピリミカーブを含む試料及び、ピリミ
カーブ誘導体と酵素を結合させた酵素結合ハプテンを、
担体に固相化した抗体と反応させる。 (d)固相化抗体−酵素結合ハプテン複合体の量を測定
することにより、あらかじめ作成した検量線から試料中
のピリミカーブの量を決定する。
【0086】(a)工程においてモノクローナル抗体を
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。ある
いは、アミノ基結合型のマイクロタイタープレートに化
学結合法を用いて抗体を結合させたものを使用すること
もできる。
【0087】(b)工程のブロッキングは、抗体を固相
化した担体において、後に添加する試料中のピリミカー
ブ及び酵素結合ハプテンが抗原抗体反応とは無関係に吸
着される部分が存在する場合があるので、それを防ぐ目
的で行う。ブロッキング剤及びその方法は、前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを使用できる。
【0088】(c)工程において用いる酵素結合ハプテ
ンの調製は、ピリミカーブ誘導体を酵素に結合する方法
であれば、特に制限なくいかなる方法で行ってもよい。
例えば、前述した活性化エステル法を採用することがで
きる。調製した酵素結合ハプテンは、ピリミカーブを含
む試料と混合する。
【0089】なお、酵素等の標識物質に結合させるハプ
テンとしては、間接競合阻害ELISA法における固相
化抗原の場合と同様に、抗体作製に使用したピリミカー
ブ誘導体自体のみならず、式(1)ないし(3)で表さ
れる他の誘導体、さらに、式(1)ないし(3)に含ま
れない他のピリミカーブ類似化合物も使用可能である。
(c)工程においてピリミカーブを含む試料及び酵素結
合ハプテンを抗体固相化担体に接触させ、ピリミカーブ
と酵素結合ハプテンとの競合阻害反応により、これらと
固相化抗体との複合体が生成する。ピリミカーブを含む
試料は適当な緩衝液で希釈して使用する。限定されるわ
けではないが、反応は例えば室温でおよそ1時間行う。
反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、固相化抗体と結合
しなかった酵素結合ハプテンを除去する。洗浄液は、例
えば60mM NaClを添加したホウ酸緩衝液を使用
することができる。
【0090】さらに、(d)工程において酵素結合ハプ
テンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合阻
害ELISA法と同様に加え、吸光度を測定することに
より検量線からピリミカーブの量を算出することができ
る。
【0091】本発明のモノクローナル抗体PMC27−
29は、直接競合阻害ELISA法によってピリミカー
ブを約1.5−100ng/ml、好ましくは1.5−
50ng/mlの範囲で測定することができる(実施例
15、図3)。
【0092】本発明の抗体のメタノール耐性 本発明の一態様であるモノクローナル抗体PMC27−
29はさらに、上述した直接競合阻害ELISA法によ
れば約0−20%の濃度のメタノール存在下においてピ
リミカーブを濃度依存的に認識できる。ピリミカーブは
有機溶媒に易溶性であり、一般に分析はメタノール等の
有機溶媒中で行われることを考慮すると、本発明のモノ
クローナル抗体のこのような特性は非常に有効である。
【0093】本発明の抗体の交差反応性 上述した直接競合阻害ELISA法または間接競合阻害
ELISA法により、本発明のモノクローナル抗体の交
差反応性を調べることができる。PMC27−29は、
直接競合阻害ELISA法および間接競合阻害ELIS
A法のいずれにおいてもピリミカーブの類縁化合物とは
約0.25%以下しか交差反応しない。(実施例16、
表1)。
【0094】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
【0095】
【実施例】実施例1 ピリミカーブ誘導体−1の合成
【化15】
【0096】(2)の合成 2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチル−4−ピリミジ
ノン(1)1.7g(10mmol)とブロモ酢酸エチ
ル1.7g(10mmol)、それに炭酸カリウム4.
2g(30mmol)を100mlのアセトニトリルに
加えて、85℃で還流させながら3時間撹拌した。反応
液をセライトで濾過し、濾液を濃縮後、シリカゲルクロ
マトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=4:1)で精
製すると、白色結晶として2.2g(収率85%)の
(2)を得た。
【0097】ピリミカーブ誘導体−1(3)の合成 (2)2.2g(8.7mmol)をエタノール-水
(2:1)混合液50mlに溶解して、水酸化ナトリウ
ム1.0g(25mmol)を加えた後、室温で1.5
時間撹拌した。塩酸水溶液でpHを中性にして、析出し
てきた塩を濾別後、濾液を濃縮してシリカゲルクロマト
グラフィー(クロロホルム−メタノール=20:1そし
てTHF)で精製すると、白色結晶として0.9g(収
率46%)のピリミカーブ誘導体−1(3)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 2.01 (s,3H), 2.25 (s,3
H),3.05 (s,6H), 4.89 (s,
2H),11.64 (s,1H)
【0098】実施例2 ピリミカーブ誘導体−2の合成
【化16】
【0099】(4)の合成 実施例1で作製したピリミカーブ誘導体−1(3)6.
8g(30mmol)、4−アミノ酪酸tert−ブチ
ル4.8g(30mmol)、及び5.1g(44mm
ol)のN−ヒドロキシこはく酸イミドのTHF溶液3
0mlを氷冷して、ジシクロヘキシルカルボジイミド
7.2g(35mmol)のTHF溶液50mlを滴下
した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。析出してきた
ジシクロヘキシル尿素を濾過で除いた後、ろ液を濃縮し
てシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチ
ル=2:1)で精製すると、白色結晶として7.4g
(収率67%)の(4)を得た。
【0100】ピリミカーブ誘導体−2(5)の合成 ハプテンのエステル(4)1.5g(4.1mmol)
を50mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ
酢酸5mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶液を
濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロ
ロホルム−メタノール=4:1)で精製すると、潮解性
の強い白色結晶として1.0g(収率79%)のピリミ
カーブ誘導体−2(5)を得た。1 H−NMR (DMSO) 1.51〜1.90(m,2H),2.04(s,3
H)、2.11〜2.46(overlap,5H),3.00〜
3.29(overlap,8H),4.80(s,2H),8.
02〜8.29(br,1H)
【0101】実施例3 ピリミカーブ誘導体−3の合成
【化17】
【0102】(4)の合成 実施例1で作製したピリミカーブ誘導体−1(3)2.
3g(10mmol)、6−アミノヘキサン酸tert
−ブチル1.9g(10mmol)、及び1.7g(1
5mmol)のN−ヒドロキシこはく酸イミドのジクロ
ロメタン溶液150mlを氷冷して、ジシクロヘキシル
カルボジイミド2.3g(11mmol)のジクロロメ
タン溶液50mlを滴下した。滴下終了後、室温で一日
撹拌した。析出してきたジシクロヘキシル尿素を濾過で
除いた後、ろ液を濃縮してシリカゲルクロマトグラフィ
ー(ヘキサン−酢酸エチル=2:1)で精製すると、透
明液体として2.57g(収率64%)の(4)を得
た。
【0103】ピリミカーブ誘導体−3(5)の合成 ハプテンのエステル(4)2.57g(6.5mmo
l)を50mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフル
オロ酢酸10mlを加えて室温で2時間撹拌した。反応
溶液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー
(酢酸エチル、そしてクロロホルム−メタノール=4:
1)で精製すると、2.2g(収率100%)のピリミ
カーブ誘導体−3(5)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.04〜1.21(m,2H),1.35〜1.57(m,4H), 2.10(s,3H), 2.13〜2.30(t,2H), 2.52(s,3H), 3.17〜3.41(overlap,8H), 4.87(s,2H), 6.00〜6.19(br,1H)
【0104】実施例4 ピリミカーブ誘導体−4の合成
【化18】
【0105】(2)の合成 2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチル−4−ピリミジ
ノン(1)0.96g(5.8mmol)、6−ブロモ
ヘキサン酸エチル1.6g(7.2mmol)、それに
炭酸カリウム3.0g(22mmol)を100mlの
アセトニトリルに加えて、80℃で還流させながら3時
間撹拌した。反応液をセライトで濾過し、濾液を濃縮
後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エ
チル=9:1)で精製すると、透明液体として1.67
g(収率94%)の(2)を得た。
【0106】ピリミカーブ誘導体−4(3)の合成 エチルエステル(2)1.67g(5.4mmol)を
エタノール-水(5:1)混合液120mlに溶解し
て、水酸化ナトリウム1.0g(25mmol)を加え
た後、室温で3時間撹拌した。トリフルオロ酢酸を数滴
加えて濃縮すると、白色固形物が析出してきたので、そ
れをクロロホルム−メタノール溶液に溶解してシリカゲ
ルクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=
9:1)で精製すると、1.42g(収率93%)のピ
リミカーブ誘導体−4(3)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.41〜1.56(m,2H), 1.64〜1.8
1(m,4H),1.95 (s,3H),2.28
(s,3H),2.31〜2.42(t,2H),
3.12 (s,6H),4.23〜4.32(t,2
H)
【0107】実施例5 ピリミカーブ誘導体−5の合成
【化19】
【0108】(4)の合成 実施例1で作製したピリミカーブ誘導体−1(3)2.
0g(8.9mmol)、4−(N−メチルアミノ)酪
酸tert−ブチル1.7g(9.8mmol)、及び
1.54g(13.4mmol)のN−ヒドロキシこは
く酸イミドのジクロロメタン溶液100mlを氷冷し
て、ジシクロヘキシルカルボジイミド2.0g(9.7
mmol)のジクロロメタン溶液20mlを滴下した。
滴下終了後、室温で一日撹拌した。析出してきたジシク
ロヘキシル尿素を濾過で除いた後、ろ液を濃縮してシリ
カゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=
2:1)で精製すると、2.6g(収率77%)の
(4)を得た。
【0109】ピリミカーブ誘導体−5(5)の合成 ハプテンのエステル(4)2.6g(6.8mmol)
を100mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオ
ロ酢酸20mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶
液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー
(酢酸エチル、そしてクロロホルム−メタノール=4:
1)で精製すると、2.2g(収率100%)のピリミ
カーブ誘導体−5(5)を2つの異性体混合物として得
た。尚、この異性体はアミド結合回転障害に起因する立
体異性体である。1 H−NMR(CDCl3)(2つの立体異性体混合物) 1.70〜1.92(m,2H), 2.07(s,3
H),2.08〜2.18 と 2.28〜2.30
(t,2H),2.47(s,3H), 3.95と
3.04(s,3H),3.23と3.25 (s,6
H),3.25〜3.35 と 3.35〜3.47
(t,2H),5.04と5.15 (s,2H)
【0110】実施例6 ピリミカーブ誘導体−6の合成
【化20】
【0111】(2)の合成 アジピン酸クロリド1.83g(10mmol)をジク
ロロメタン100mlに溶解して、ベンジルアルコール
1.08g(10mmol)そしてトリエチルアミン
1.0g(10mmol)のジクロロメタン溶液10m
lをそれぞれ氷冷下で滴下した。30分撹拌後に、2−
ジメチルアミノ−5,6−ジメチル−4−ピリミジノン
(1)1.67g(10mmol)そしてトリエチルア
ミン1.0g(10mmol)のジクロロメタン溶液1
0mlをそれぞれ氷冷下で滴下した。氷冷下で30分、
室温で2時間撹拌後に、シリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン−酢酸エチル=9:1)で精製すると、1.
0g(収率26%)の(2)を得た。
【0112】ピリミカーブ誘導体−6(3)の合成 ベンジルエステル(2)1.0g(2.6mmol)を
エタノール150mlに溶解して、5%パラジウムカー
ボン280mgを加えて水素存在下、室温で30分撹拌
した。パラジウムカーボンを濾別後、濾液を濃縮してシ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=
1:1)で精製すると、0.5g(収率65%)のピリ
ミカーブ誘導体−6(3)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.56〜1.85(m,4H), 1.92(s,
3H),2.28〜2.43(overlap,5H),2.
55〜2.66(t,2H) 3.11(s,6H)
【0113】実施例7 免疫用抗原の作製 上記実施例1−5において作製したピリミカーブ誘導体
−1ないし−5をハプテンとして免疫用抗原を作製し
た。まずピリミカーブ誘導体をハプテンとして、各々
3.5μmolをDMSO 50μlに溶解した。次に
これらの溶液にN−ヒドロキシこはく酸イミド(5μm
ol)をDMSO 10μlに溶解し添加後、さらに1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩(4μmol)をDMSO 20μlに
溶解し添加した。室温にて1.5時間反応させた後、こ
の反応溶液に85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)5
00μlに溶解したKLHまたはBSA各々10mgを
さらに添加し、再び室温にて1.5時間反応させた。反
応終了後、ダルベコのリン酸緩衝液(以下、「PBS
(−)」という)に対して透析し、ピリミカ−ブ誘導体
−KLH結合体、ピリミカーブ誘導体−BSA結合体を
各々調製した。
【0114】実施例8 免疫感作 免疫には、Balb/cマウスを用いた。実施例7で調
製したピリミカーブ誘導体とKLHとの結合体100μ
gをPBS(−)50μlに溶解し、等量のフロイント
完全アジュバントと乳化混合した後、マウスの腹腔内に
接種した。1カ月後に初回免疫の1/4量を追加免疫
し、その一週間後マウスの尾静脈から採血し、抗血清を
調製した。さらにその10日後に同量を最終免疫した。
【0115】実施例9 抗血清の採取及び抗体活性の測
実施例8で調製した抗血清の活性を実施例7で調製した
ピリミカーブ誘導体−BSA結合体を用いたELISA
法にて測定した。
【0116】各免疫原に対応するBSAとの結合体(4
μg/ml)をPBS(−)に溶解し、96ウェルのマ
イクロタイタープレートに100μl/ウェルで添加
し、4℃で一晩静置することにより、固相化した。次に
300μl/ウェルでブロッキング緩衝液{1%BSA
と60mM NaClを添加した85mMホウ酸緩衝液
(pH8.0)}に置き換え、室温で1時間ブロッキン
グした。このウェルを洗浄液(60mM NaClを添
加した85mMホウ酸緩衝液(pH8.0))で洗浄し
た後、抗体希釈液{0.3%BSAと60mM NaC
lを添加した85mMホウ酸緩衝液(pH8.0)}で
段階希釈した抗血清を100μl/ウェルで加え、室温
で1時間反応した。洗浄液で3回洗浄した後、再び抗体
希釈液で1000倍希釈したペルオキシダーゼ結合抗マ
ウスIgG抗体(カペル社製)を100μl/ウェルで
添加し、室温で1時間反応した。洗浄液で3回洗浄した
後、ペルオキシダーゼの基質溶液{3,3’5,5’−
テトラメチルベンチジン(100μg/ml)、0.0
06%過酸化水素を添加した0.1M酢酸ナトリウム緩
衝液(pH5.5)}で10分間発色し、1N硫酸で反
応停止後450nmの吸光度を測定した。
【0117】実施例10 間接競合阻害ELISA法に
よる抗血清のピリミカーブとの反応性 実施例9で活性の確認できた抗血清について、ピリミカ
ーブに対する反応性を間接競合阻害ELISA法により
評価した。
【0118】まず実施例9と同様に固相化し、ブロッキ
ングしたマイクロタイタープレートへ、希釈液{150
mM NaClを添加した85mMホウ酸緩衝液(pH
8.0)}で適当な濃度に希釈したピリミカーブ溶液を
50μl/ウェルで加えた。その後、直ちに同じ希釈液
を用いて、先の実施例9のELISA法で抗体過剰域の
吸光度の70%程度となるように希釈した抗体溶液を5
0μl/ウェルで加えて混合し、室温で1時間反応し
た。3回洗浄した後、実施例9に示したELISA法と
同様にペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG抗体と反応
させ、発色後450nmの吸光度を測定した。
【0119】結果は、図1に示すように、 ピリミカー
ブ誘導体−1、−2及び−3から作製した抗血清が約
0.1〜100ng/mlの濃度範囲で、ピリミカーブ
誘導体−4および−5から作製した抗血清が約1〜10
0ng/mlの濃度範囲でピリミカーブと反応した。
【0120】実施例11 モノクローナル抗体の作製 細胞融合には、ピリミカーブ誘導体−1または−2をハ
プテンとする抗原で免疫したマウスを用いた。最終免疫
後3日目のマウスの脾臓細胞をDMEM中に取り出し、
DMEMにて3回洗浄した。洗浄後、同様に洗浄したマ
ウスのミエロ−マ細胞P3−X63−Ag8.653と
細胞数の比で5:1(脾臓細胞:ミエローマ細胞)とな
るように混合し、遠心(1,200rpm、5分間)し
て細胞沈さを集めた。この細胞沈さに予め37℃に加温
しておいた50%ポリエチレングリコール(分子量1,
500)1mlを加え、細胞を融合した。次いで、DM
EM10mlを徐々に添加し、牛胎児血清(以下、「F
BS」という)1mlを更に添加することにより、融合
を停止した。DMEMにて1回洗浄後、10%FBSを
添加したDMEMにヒポキサンチン(100μM)、ア
ミノプテリン(0.4μM)、およびチミジン(16μ
M)を添加したHAT培地に懸濁し、96ウェルのポリ
スチレンプレートに2×105細胞/ウェルで分注し、
37℃、5%二酸化炭素存在下で10日間−14日間培
養した。培養後、各ウェル中の抗体活性の有無をスクリ
ーニングした。抗体の反応性は、実施例7で作製したピ
リミカーブ誘導体−BSA結合体を用いて実施例9に示
したELISA法および実施例10に示した間接競合阻
害ELISA法と同様の方法で測定した。
【0121】ピリミカーブ誘導体−BSA結合体に反応
性を示したウェル中のハイブリドーマを、限界希釈法に
よって細胞クローニングし、モノクローナル抗体産生細
胞とした。これらのうち、ピリミカーブ誘導体−BSA
結合体に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマを3株( PMC26−22、PMC27−2
2、PMC27−29)分離した。PMC26−22は
ピリミカーブ誘導体−2をハプテンとする免疫原から得
られ、PMC27−22およびPMC27−29は、ピ
リミカーブ誘導体−1をハプテンとする免疫原から得ら
れた。これらの産生するモノクローナル抗体は、すべて
IgG1だった。このうち、PMC27−29を平成9
年9月12日に、寄託番号FERM P−16420で
工業技術院生命工学工業研究所(〒305 茨城県つく
ば市東1丁目1番3号)に寄託した。
【0122】実施例12 間接競合阻害ELISA法に
よるモノクローナル抗体のピリミカーブとの反応性 実施例11において分離した3株のハイブリドーマが産
生するモノクローナル抗体(以後モノクローナル抗体
は、これらを産生するハイブリドーマと同一名称を用い
る)とピリミカーブとの反応性を競合反応時に10%メ
タノールを加えた条件下で、実施例10と同様の間接競
合阻害ELISA法によって検討した。
【0123】その結果、図2に示したように、いずれの
抗体もピリミカーブとの反応性は変わらず、10〜10
00ng/mlの測定範囲で、ピリミカーブと反応し
た。
【0124】実施例13 モノクローナル抗体の精製 3種類のモノクローナル抗体のうちPMC27ー29に
ついて抗体精製を行った。まず、ハイブリドーマを10
%FBSを添加したDMEM培地を用いて培養し、培養
上清を得た。これに50%飽和となるように硫安を加
え、4℃で1時間撹拌した。生じた沈殿物をPBS
(−)によって可溶化し、透析した。透析によって得ら
れた蛋白画分は、さらにDEAEセルロースカラムクロ
マトグラフィーによって精製した。
【0125】実施例14 ピリミカーブ誘導体とHRP
との結合体の作製 まずピリミカーブ誘導体−1及び−2の1.25μmo
lをDMSO 50μlに溶解した。この溶液へDMS
Oに溶解したN-ヒドロキシこはく酸イミド(5.5μ
mol)3μl、および1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(3.5μm
ol)7μlを加え、室温にて1時間反応させた。この
反応液に1M炭酸水素ナトリウム40μlを加え、更に
HRP溶液(20mg/ml)250μlを加えて混合
し、室温にて3時間反応した。得られた反応液をゲル濾
過カラム(G−25)に通して、ペルオキシダーゼ画分
を得ることにより、ピリミカーブ誘導体−HRP結合体
を得た。
【0126】これらの結合体とPMC27−29との反
応性をELISA法で比較した。PMC27−29を固
相化し、ブロッキングした96ウェルのマイクロタイタ
ープレートに段階希釈したピリミカーブ誘導体−HRP
結合体を加え、反応させた。洗浄後、発色させ、生じた
吸光度を測定した。その結果、ピリミカーブ誘導体-2
−HRP結合体は、誘導体-1−HRP結合体と比較し
て20倍反応性が高かった。
【0127】実施例15 直接競合阻害ELISA法で
のモノクローナル抗体PMC27ー29のピリミカーブ
との反応性、並びにメタノール耐性 実施例13で精製したモノクローナル抗体PMC27−
29と実施例14で調製したピリミカーブ誘導体−HR
P結合体を用いて、直接競合阻害ELISA法によるピ
リミカーブの測定系を検討した。
【0128】まず実施例13で精製したPMC27−2
9を4μg/mlの濃度で50mM炭酸ナトリウム緩衝
液(pH9.6)に溶解し、96ウェルのマイクロタイ
タープレートに100μl/ウェルで加えた後、4℃で
一晩静置することにより固相化した。つぎに300μl
/ウェルでブロッキング緩衝液に置き換え、室温で1時
間ブロッキングした。一方、最終濃度が0から30%の
メタノールを添加した希釈液でピリミカーブの希釈列を
調製した後、ピリミカーブ誘導体−HRP結合体を等量
混合した。これらの混合液をブロッキング処理後のプレ
ートに100μl/ウェルで加え、室温にて1時間反応
させた。洗浄液で5回洗浄した後、実施例9に示したE
LISA法と同様の方法で発色させ、450nmの吸光
度を測定した。
【0129】その結果、ピリミカーブ誘導体-2−HR
P結合体は、誘導体-1−HRP結合体の1/20の濃
度で、PMC27−29に対して同程度の競合反応性を
示すことが明らかになった。そこで、以降はピリミカー
ブ誘導体-2−HRP結合体を用いて実験を行った。図
3にピリミカーブの標準曲線を示すが、本発明の抗体P
MC27−29は、メタノール未添加の場合1.5−1
5ng/mlの測定範囲でピリミカーブと反応し、5−
15%メタノールでは、5−100ng/mlの測定範
囲でピリミカーブを測定することが可能であった。
【0130】実施例16 モノクローナル抗体PMC2
7−29のピリミカーブ類縁化合物との交差反応性 メタノール未添加の条件で、PMC27−29の類縁化
合物との交差反応性をピリミカーブ誘導体-2−HRP
結合体を用いて、直接競合阻害ELISA法により調べ
た。結果は、これらの化合物未添加時の反応を50%阻
害する化合物の濃度を各々IC50値として、表1に示し
た。
【0131】
【表1】
【0132】表1からわかるように、PMC27−29
は表1に示されるいずれの類縁化合物とも、ほとんども
しくは全く反応しなかった。従って、PMC27−29
は、ピリミカーブと特異的に反応することが明らかとな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のピリミカーブ誘導体を用いて
得られた抗血清の間接競合阻害ELISA法によるピリ
ミカーブとの反応性を示す。
【図2】図2は、本発明の3種類のモノクローナル抗体
の間接競合阻害ELISA法によるピリミカーブとの反
応性を示す。
【図3】図3は、本発明のモノクローナル抗体PMC2
7−29の直接競合阻害ELISA法によるピリミカー
ブとの反応性、およびメタノール耐性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/53 G 33/563 33/563 33/577 B 33/577 C12N 5/00 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 三宅 司郎 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 山口 優樹 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 別府 佳紀 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式(1)−(3) 【化1】 [式(1)−(3)中、 Xは、Hまたはメチル基であり;そしてnは、1−10
    の整数である]からなる群から選択される構造を有する
    化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物と高分子化合物又
    は標識物質との結合体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物と高分子化合物を
    結合させることにより抗原を作製し、当該抗原を用いる
    ことにより、以下の式(4): 【化2】 で表される構造を有する化合物に反応性を示す抗体を製
    造することを特徴とする、式(4)の化合物に反応性を
    示す抗体又はそのフラグメントの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の方法により製造された、
    式(4)の化合物と反応性を示す抗体又はそのフラグメ
    ント。
  5. 【請求項5】モノクローナル抗体である、請求項4に記
    載の抗体又はそのフラグメント。
  6. 【請求項6】PMC27−29である、請求項4ないし
    5のいずれか1項に記載の抗体又はそのフラグメント。
  7. 【請求項7】請求項4ないし6のいずれか1項に記載の
    抗体又はそのフラグメントを産生するハイブリドーマ。
  8. 【請求項8】寄託番号FERM P−16420で寄託
    されている、請求項7に記載のハイブリドーマ。
  9. 【請求項9】請求項4ないし6のいずれか1項に記載の
    抗体又はそのフラグメントを用いることを特徴とする、
    式(4)で表される化合物の免疫学的測定方法。
  10. 【請求項10】さらに、式(1)−(3)のいずれかで
    表される化合物と高分子化合物または標識化合物との結
    合体を使用することを含む、請求項9に記載の免疫学的
    測定方法。
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